説明

新聞紙バラけ防止具

【課題】 新聞紙がバラけずに、整理整頓がし易いようにし、取り外し忘れることもないようにする。
【解決手段】 弾性を有する棒状材を、ほぼ中間でU形状に折り返して挟持部1とする。一対の挟持部1・1を索状の連結部5によって繋ぐ。一対の挟持部1・1の長さを合わせると、新聞紙7の左右中間の折り返し部分の長さに近いほどとする。連結部5は弾性を有し、伸縮と屈曲可能なものとし、また彩りの豊かなものとする。連結部5は両端を挟持部1の折り返し部分に連結する。
【作用】 挟持部1・1によって新聞紙7の折り返し部分を挟んでバラないようにする。また不要な折り目がついたりしない。連結部5が目立つことによって外し忘れることがなくなる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は印刷された複数枚の紙を重ね、中間部で折り畳んで紙面各頁を構成してある新聞に関わるものであり、折り返してある中間部を束ねて紙がバラけるのを防ぐようにするための新聞紙バラけ防止具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
国内、国際を問わず、各地で起きる様々な事件、問題、情報を文章や写真にして印刷して配布する新聞というメディアソースが存在する。この新聞は、一般的に紙面の構成として、A1版を代表とする比較的大きな紙の左右半分ごとを一面として区切り、これら紙を複数枚重ねて左右中間部で折り畳んで、版の半分ごとを第1面から最終面とする構成を採用しているケースが多い。読者は、中間部で折り畳まれた新聞を見開きにして、各面のニュースを読んでいくのである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このように新聞は製版や記事の構成のし易さから、印刷した紙を単に重ね、中間部で折り返すだけという構成を採用しており、製本というものは一切されていない。つまり新聞紙は綴じられておらず、それを構成する各紙はバラバラのままであって、必要な紙面を含む紙だけ単独で持ち去ることも可能で、これはつまり紙面がバラバラに散逸する可能性があるということである。
【0004】
各紙面を別個に誰かが持ち去らないでも、新聞を読んでいる最中に紙がバラバラになって散乱して後に読む人が整理し直す必要が生じることがある。また読んだ後に折り畳んであっても、正確に折り返し部分で折って畳んでおかないと、折り返しとは別個の折り目が新聞についてしまって、きちんと整理整頓された状態で置かれずに見苦しかったり、後に読む人が新聞を見やすく見開くことができないという事態が生じることもあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この考案は、新聞紙の折り返し部分を挟み込み、その折り返し部分がズレないようにして、常に正確に折り返しを可能とすることによって上記の課題を解決し、読み手にも片づける人にもやさしい新聞紙バラけ防止具を提供することを目的とするものである。
【0006】
【考案の実施の形態】
この考案にかかる新聞紙バラけ防止具は、新聞の折り返し中間部を挟み込むための一対の挟持部と、この一対の挟持部を連結するための連結部より成っている。挟持部は、弾性を有する棒状材から成っている。弾性を有する棒状材としては、鋼、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスティックなどの材料を棒状に成形したものが使用可能である。これら棒状材は、ある程度の強度と、撓ませても復帰する程の弾性を備えていることが必要である。この一本の棒状材を中間部においてU形状に折り曲げる、或いは二本の棒状材の一端を固着するなどして、ひとつの挟持部を形成してある。挟持部の折り返し部分には折り返し部分を更にくるりと丸く曲げて孔を形成することもある。また挟持部の折り返しとは反対側の二先端のうち一先端もくるりと丸く曲げて孔を形成することもある。他方の先端は、若干角度をつけるよう屈曲しておくこともある。
【0007】
一対の挟持部は、その全長を合わせた長さが、新聞紙の中間の折り返し部分の長さに近く、若干短いほどの長さである。つまりは、一対の挟持部を新聞紙の折り返し部分の上下に挟むことによって、新聞紙の折り返し部分のほぼ全長を挟み込み、挟持部の剛性によって折り返し部分の折り目を維持するためである。
【0008】
一対の挟持部は、索状の連結部によって連結してある。連結部としてはタコ糸や鎖なども使用可能であるが、弾性を有して屈曲と伸縮が可能な材質のものが好適で、例えばゴム紐などの材質が考えられる。また、連結部は新聞紙に取付けられた防止具を目立たせるためのものでもあり、ゴム周囲に赤や緑など、単色或いは複数色の色彩の豊かな織物を巻き付けたような素材も好適である。連結部は挟持部の二先端のうちひとつづつに結んで両者を繋いでもよいが、挟持部の折り返し部分に結び付けて、両者を繋いでもよい。彩り豊かな連結部が新聞紙の折り返し部分全長に表出するため、より防止具の存在を目立たせることになる。
【0009】
以上の防止具の挟持部を、重ねた新聞紙の折り返し部分に合わせて、折り返し部分を間に挟むようにして取付ける。挟持部は新聞紙の上下から向き合う方向へ差し入れるようにするもので、このとき連結部は新聞紙を折り畳んだとき、折り返し部分の外側に位置するようにする。連結部が伸縮性を有していれば、挟み込む作業が容易である。新聞を読むとき、中間部の折り返し部分を上下の挟持部の弾性によって挟んでいるため、新聞紙がバラけず、各紙の折り返し部分がズレることがない。挟持部の剛性によって新聞紙の折り返し部分のほぼ全長を保持するため、別個の折り目がつく可能性がなくなり、見開きする場合に頁を繰り易い。
彩り豊かな連結部が折り返し部分の外側に表出していれば、新聞を片づける際に外し忘れることがない。
【0010】
【実施例】
以下、図に示す実施例に基づき、この考案を詳細に説明する。図2に示すのはこの考案にかかる新聞紙バラけ防止具であって、1は鋼鉄製線材から成る挟持部である。挟持部1は線材のほぼ中間を折り返し、折り返し部分にはねじって成形した孔2が形成してある。挟持部1の他方側の二先端のうちひとつには、同じく先端を丸く屈曲して孔3が形成され、他方の先端は反対側に若干屈曲して挿入部4となっている。
【0011】
図において5は、一対の挟持部1・1を連結する連結部であって、ゴムの周囲に色彩の豊かな織物を巻いたものを使用している。連結部5の両端は、挟持部1・1の折り返し部分に形成した孔2にそれそれ通して結び付けられており、中間部は先端の孔3に通してある。
【0012】
新聞紙7に防止具を取付ける場合、図3に示すようにまだ新聞紙7が四つ折りされて折り畳まれた状態にて取付けると便利である。挟持部1・1の挿入部4側を、新聞紙7の中間の折り返し部分の差し入れ、連結部5を通した側を外側にし、そのまま滑らせて、挟持部1の折り返し部分が新聞紙7に当たるまで押し入れる。この状態で新聞紙7を開けば、図1に示すように挟持部1・1によって新聞紙7の折り返し部分を上下から挟みつけることになる。
【0013】
図4に示すのは、平板状の挟持部1の一側にパイプ状のケース6を取付けた場合である。このケース6の中に連結部5を通して、一対の挟持部1・1を連結したものである。
【0014】
【考案の効果】
この考案は以上のような構成を有し、以下の効果を得ることができる。
■新聞紙の折り返し部分を一対の挟持部によって挟み込めば、各新聞紙がバラけることなく、折り畳み易く、また整理整頓の手間が省け、紙面が散逸することを防止できる。
■一対の挟持部によって新聞紙の折り返し部分を上下から挟むようにすれば、折り返し部分のほぼ全長を挟持部の剛性によって保持することができ、余計な折り目がついたりするのを妨げ、新聞を読む際の見開き、頁繰りが容易となる。
■連結部によって一対の挟持部を連結しておけば、挟持部自体がバラけることがなく、一方が無くなることがない。
■弾性と伸縮性を有する連結部を使用すれば、挟持部によって新聞紙を挟み込む作業の支障とならない。
■彩りの豊かな連結部を使用すれば、新聞を片づける際に連結部が目立ち、一緒に片づけてしまうようなことが起らない。
■連結部両端を挟持部の折り返し部分に繋げば、新聞紙の折り返し部分のほぼ全長に連結部が表出してより目立つことになり、取り外し忘れることが少なくなる。
■以上のように、新聞の読み手には読みやすくなるのを助け、片づける人には片付けの手間を大きく省くため、双方にとってやさしい防止具となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案にかかる新聞紙バラけ防止具を使用した状態の斜視図である。
【図2】防止具の一実施例の正面図である。
【図3】防止具を新聞紙に取り付ける状態の斜視図である。
【図4】防止具の他の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1 挟持部
2 孔
3 孔
4 挿入部
5 連結部
6 ケース
7 新聞紙

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 弾性を有する棒状材をほぼ中間部でU形状に折り返す、或いは二本の棒状材の一端を固着してなる挟持部と、その一対の挟持部を繋ぐ索状の連結部とより成り、一対の挟持部全長を合わせた長さが、新聞紙の折り返し部分の長さより若干短くなっていることを特徴とする新聞紙バラけ防止具。
【請求項2】 連結部は弾性を有して屈曲と伸縮可能な部材により構成してあることを特徴とする請求項1記載の新聞紙バラけ防止具。
【請求項3】 連結部周面は比較的色彩に富んだ表面としてあることを特徴とする請求項1記載の新聞紙バラけ防止具。
【請求項4】 連結部は、両端を一対の挟持部の折り返し部分、或いは固着部分にそれぞれ連結することを特徴とする請求項1記載の新聞紙バラけ防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】実用新案登録第3086546号(U3086546)
【登録日】平成14年3月27日(2002.3.27)
【発行日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【考案の名称】新聞紙バラけ防止具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−8010(U2001−8010)
【出願日】平成13年12月10日(2001.12.10)
【出願人】(301077493)