説明

新規なボロン酸複合体、及び、グルコースセンサー中でのその使用

【課題】新規なボロン酸複合体、及び、グルコースセンサー中でのその使用。
【解決手段】本発明は、グルコースと結合するボロン酸、及び、カチオン種を含むマトリックス内又はマトリックス上に固定された受容体化合物及び供与体化合物をそれぞれ有しているセンサーであって、それにより前記受容体化合物及び供与体化合物間の間隔がグルコース存在下で減少するセンサーに関する。例えば、ホログラフィックセンサーが挙げられ、前記センサー内に保持された、グルコースと結合するボロン酸、及び、カチオン種を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なボロン酸複合体、及び、グルコースセンサー中でのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
信頼性の高い個人用グルコース測定器は、糖尿病患者にとって非常に重要である。現在、手で持てる大きさのデバイスを使用して血糖値を測定することができる。そのような手で持てる大きさのデバイスでは、ピンで刺して侵襲的に血糖値をサンプリングする必要がある。上記検査は痛みを伴い、不便で、1日あたり数回行う必要がある。上記検査は連続測定ではないので、血糖値の重要な変動を見過ごす恐れがある。
【0003】
間質液と永久接触状態にある皮下移植可能なセンサー、又は、涙液中の血糖値を測定するコンタクトレンズ型センサーを、非侵襲的血糖測定を行なうために使用してもよい。グルコースオキシダーゼを用いて侵襲的血糖測定をするのに現在使用されている、酵素を基盤とするシステムは、この目的を遂行するのに恐らく適していない。該システムは比較的高価で、安定性が不十分で、滅菌性に欠けるので、生体内での使用が困難になる。従って、より頑強で滅菌可能な検出システムを提供すると同時に、酵素を基盤とするシステムの選択性及び特異性を再現するグルコース応答デバイスが必要である。
【0004】
ボロン酸は弱いルイス酸である;電子不足のホウ素原子は、非帯電性平面三角形、又は、水酸化物等の強塩基と相互作用する場合には帯電性四面体形で存在する。どちらの形状であっても、ビシナルジオールを共有結合的に結びつけ、ボロン酸ジエステルを可逆的に生成し、且つ、二当量の水を遊離し得る。ボロン酸ジエステルのpKはボロン酸と比較して著しく低いため、適切なpHでビシナルジオールを結合させると、帯電したボロン酸エステルが形成される。ボロン酸が四面体形である場合には、原子の空間的配置が好ましいので、結合定数が極めて大きくなる(非特許文献1)。これらの相互作用に起因する一組の連動した平衡系を図1に示す。フェニルボロン酸のpKa(1)が約8.9であることが報告されており;よって、三角形型よりはるかに容易にシスジオールと結合する四面体形ボロン酸は、生理的pHで非常に低濃度で存在する。生理的なグルコース検出用のボロン酸リガンドの開発によって、ボロン酸受容体を合成的に修飾することによりpKを低下させることに焦点が当てられている(非特許文献2)。電荷を安定化させるメカニズムは、ボロン酸―ビシナルジオールジエステルの形成の安定化を助けることが知られている(非特許文献3)。
【0005】
光学的測定は、センサーデバイスへの電気接続に関連した実用上の問題点を回避するので、非侵襲的グルコース測定をするのに特に有利である。しかし、発色団および蛍光発色団機能受容体の両者とも光化学的不安定性に影響を受けやすい。さらに、生体媒質中の蛍光測定は、バックグラウンド蛍光、蛍光発色団の低溶解度、及び、酸素干渉によって困難になる場合がある。
【0006】
回折特性への変化によって受容体―リガンド結合に対し光学的に応答するポリマーセンサーを作製することができる。グルコース応答性が、フェニルボロン酸基を有するポリマーに基づいて報告されている(非特許文献4)。しかし、これらの物質の作製には多くの時間を要するので、大量生産に適していないかもしれない。
【0007】
特許文献1には、体積ホログラムを基盤とするホログラフィックセンサーが開示されている。このセンサーは、ホログラフィック素子、すなわち、光変換構造を全体に有する検体反応性ホログラフィック支持媒体を含む素子を有する。このような変換構造の物理的配置によって、上記センサーが発する光信号は、検体と相互作用又は反応した結果起こる、検体反応性マトリックスの体積変化又は構造配置変化に対して非常に感度が高い。例えば、ゼラチンを基盤とするホログラフィック媒体を含むセンサーを使用してトリプシンを検出できる。トリプシンはゼラチン媒体に作用し、ホログラフィック支持媒体の元々の完全な構造を不可逆的に破壊する。
【0008】
特許文献2には、ホログラフィックセンサーを使用して流体中の検体を連続的に検出する方法が記載されている。このセンサーの支持媒体は、検体と可逆的に反応できる基を含む。このため、流体がホログラフィック素子上を通過する際に、存在する任意の検体を連続的に検出できる。
【0009】
特に、特許文献2には、ビニルフェニルボロン酸等のモノマーを重合して形成したホログラフィックセンサーのグルコース検出における使用方法について記載されている。ペンダント型フェニルボロン酸基はグルコースのビシナルジオール基と可逆的に反応し、その結果としてホログラフィック支持媒体を膨張させることができる。
【0010】
特許文献3は、グルコース及びその他のビシナルジオール含有検体を広いpH域で検出できるフェニルボロン酸誘導体類の発見に基づく。これらのフェニルボロン酸を修飾することによって、より反応性の高い四面体の立体構造の形成を低いpH値で促進できる。
【0011】
例えば、フェニル基が、フェニル環を通じて電子的効果を伝達することによって、RB(OH)の形成を促進する電子吸引性置換基を1個以上含んでいてもよい。別の例としては、置換基とホウ素原子とが分子内結合を形成できるようになっていてもよく、この場合、ボロネートは実質的に四面体型の立体構造にされる。置換基を適切に選択することによって、特定の検出条件におけるセンサーの応答性を最適化することができる。
【0012】
特許文献3は以下のセンサーを開示している。
ビシナルジオール部含有検体を検出するためのセンサーであって、
媒体を含み、かつ、その媒体全体に配置されたホログラムを含むホログラフィック素子を有していて、
上記素子の光学特性は、上記媒体全体において物性が変化すると変化し、且つ、
上記媒体は、式(i):
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、
nは0、1、2、3又は4であり;
X(存在する場合)は、電子的効果によって、ホウ素原子の周囲に四面体構造の形成を促進する、それぞれ独立した原子又は基であり;及び、
Yは、nが0、又は0ではない任意の値である場合において、電子的効果によって、ホウ素原子の周囲に四面体構造の形成を促進する原子又は基であるスペーサーである)
の基を有するポリマーを含むセンサーである。
【0015】
このようなセンサーは、流体中のビシナルジオール部含有検体を検出するための方法であって、流体とホログラフィック素子とを接触させること、及び、上記素子の光学特性の任意の変化を検出することを含む方法において使用できる。上記検体は、ビシナルジオール部を複数含んでいてもよい;このような検体の例としては、グルコース及び酒石酸が挙げられる。
【0016】
特許文献3はまた、式(i)の化合物に加えて、上記モノマーとして(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリレート由来のコモノマーが含まれていてもよいことを開示している。特に、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)モノマーは、容易に重合及び架橋できる。ポリHEMAは、膨張可能であり、親水性であり、及び適用範囲の広い生体適合性を有するため、支持媒体原料として広く用いられる。モノマーとして、更に、分子間電子供与の可能な基(例えば第二級又は第三級アミン)を有するコモノマーが挙げられる。
【0017】
アクリルアミドコポリマーヒドロゲルフィルムを基盤とし、4―ビニルフェニルボロン酸(4―VBPA)で官能化したグルコース応答ホログラフィックセンサーについては、他文献に詳述されている(非特許文献5)。グルコース結合をする際、電子不足のsp−混成軌道をとるホウ素を帯電したボロン酸に変換することにより、ヒドロゲルマトリックスの可逆的な膨張及び回折最大値の赤方偏移が起こる。該センサーは、グルコース濃度のレポーターとしてホログラフィックセンサーを利用するという概念の有効性を実証する一方で、非生理的pHで作動した。次いでボロン酸部を最適化することで、生理的pH条件下で応答するホログラフィックグルコースセンサーの構成が可能になった(非特許文献6)。さらに、これらの研究では、受容体濃度を制御することにより、乳酸塩よりもグルコースに対する、グルコース応答ホログラフィックセンサーの選択性を調整可能であることが分かった。第三級アミン基を有するポリマーの微環境をさらに修飾すると、センサーにおいて、乳酸塩に対し優位にグルコースの選択性が改善されることも示されている(非特許文献7)。
【特許文献1】国際公開第95/26499号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/087899号パンフレット
【特許文献3】国際公開第04/081624号パンフレット
【非特許文献1】Bosch et al,2004;Tetrahedron 60,11175−11190.
【非特許文献2】Wiskur et al,2001;Org.Lett.3,1311−1314.
【非特許文献3】Badugu et al,2005;Talanta 65(3),762−768.
【非特許文献4】Alexeev et al,2003;Anal.Chem.75,2316−2323.
【非特許文献5】Kabilan et al,2004a;J.MoI.Recog.17(3),162−166.
【非特許文献6】Kabilan et al,2005;Biosensors and Bioelectronics,20,1602−1610.
【非特許文献7】Kabilan et al,2004b;Sensors,2004.Proceedings of IEEE 2,1003−1006.
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
現在、第四級アミン等のカチオン種は、上記考察の内容では特に有益であることが見いだされている。特に、上記カチオン種は、グルコースの選択性をより高めることが可能である。
【0019】
第四級アミン修飾グルコース応答性ヒドロゲルマトリックスを使用して、グルコースに対する選択性を高めたホログラフィックセンサーを製造できることは本願明細書から明らかであろう。帯電した第四級アンモニウム基をポリマー構造に付加すると、グルコース応答特性への著しい変化が起こり、回折ピーク波長の青方偏移、及び、上記センサーにおいて、他の糖やαヒドロキシ酸(乳酸塩)と比較してグルコースに対する選択性が増すことが観察された。グルコースに対して観察された応答は、2つのフェニルボロン酸受容体がグルコースと二価結合することに基づく。生理的なフルクトース濃度では、グルコース検出に対して著しい摂動はなかった。本願明細書に記載したヒドロゲルフィルム、及び、それらがグルコースに対し選択的に示す収縮は、染料及び消光剤が関与する蛍光検出方法、又は、供与体及び受容体が関与するFRETを基盤としたシステムにおいても有益である場合がある。
【0020】
本発明の第1の態様によれば、センサーは、グルコースと結合するボロン酸、及び、カチオン種を含むマトリックス内又はマトリックス上に固定された受容体化合物及び供与体化合物をそれぞれ有し、それにより上記受容体化合物及び供与体化合物間の間隔がグルコース存在下で減少する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、ホログラフィックセンサーは、上記センサー上又は上記センサー内に保持されたグルコースと結合するボロン酸、及び、カチオン種を含む。
【0022】
本発明のさらなる態様は、グルコースと結合するボロン酸と第四級アンモニウム化合物との複合体である。
【0023】
好ましい実施形態の記載
本発明は、様々な形態のセンサー、並びに、グルコースの定性的及び定量的な測定に適用可能である。センサーは、任意の適切な形態(例えば、コンタクトレンズ、又は、他の光学インプラント)であってよい。従って、本発明の実施形態として、例えば、水晶微量天秤を基盤とするセンサー、表面プラズモン共鳴を基盤とするセンサー、内部全反射を基盤とするセンサー、又は、好ましくは(例証として下記に記載した)ホログラフィックセンサーが挙げられる。
【0024】
ホログラム自体は当業者に公知の物質から作られてもよい。同様に、ボロン酸も公知である。国際公開パンフレット等の、本明細書に引用した各文献を参照されたい。
【0025】
使用可能なカチオン種は、ポリマー内又は他の媒体内で固定可能であることが推奨される。ホスホニウムイオン、及び、好ましくは第四級アミンがこの目的に適している。
【0026】
本発明の実施形態は多様である。本発明の1つの実施形態はコンタクトレンズである(国際公開第2005/031442号パンフレット参照)。本発明の他の実施形態は、供与体/受容体対又は消光剤と共に、蛍光/FRETを使用した検出システムにおけるものである。
【0027】
ホログラムの縞構造が液晶から作られたものであってもよいし、又は、最終的に得られる回折パターン若しくは回折像が液晶によって作りだされた縞によるものであってもよい。複合液晶型及び複合液晶層が使用可能であることを理解されたい。
【0028】
第四級アミンがホログラム内で使用される場合、センサー内のホログラムを光の回折によって生成させることができる。ホログラムは拡大下でのみ視認可能であってもよく、あるいは、白色光、UV光若しくは赤外線下、又は、特定の温度、磁力若しくは圧力条件下で可視化可能であってもよい。ホログラフィック画像は物体像、又は、2次元若しくは3次元効果を与えるものであることが好ましい。
【0029】
上記センサーは、レーザー光が照射された場合に干渉効果を引き起こす手段を更に有していてもよい。上記手段は偏光解消層を有することが好ましい。
【0030】
また、本発明は、サンプル中の検体の検出方法であって、サンプルと本発明のセンサーの媒体とを接触させること、及び、その光学特性における任意の変化を検出することを含む方法にも関する。上記検体は、グルコースであることが好ましく、その場合、血液又は涙等の体液のサンプルにおいて検出可能である。
【0031】
光学特性の変化は、肉眼で、又は、デバイスを使用することによって検出することができる。上記デバイスは、光学式リーダー、携帯電話、コンピュータ及びデジタルカメラからなる群より選択されることが好ましい。ラップトップ、デスクトップ、又は、自己管理デバイスである携帯情報端末(PDA)等の手で持てる大きさのデバイス等の任意の種類のコンピュータが使用可能であると想定される。
【0032】
上記センサーの検体との相互作用(応答と称する)によって引き起こされる光学特性の変化は、ホログラムの色又は画像における、好ましくは電磁スペクトルの可視領域における、明白で、曖昧性のない変化であることが望ましい。これにより、肉眼で観察可能な、正確で且つ信頼性のある測定情報が得られる。このことを確実に実現しやすいように、光学フィルターが上記センサー上にあることが好ましい。検体の相互作用をモニターするための観察対象であるセンサーの表面の一部又は全体が、光学フィルターによって覆われていることが望ましい。
【0033】
上記フィルターは、ローパスフィルター(所定の波長未満の放射線が透過可能)、ハイパスフィルター(所定の波長を超える放射線が透過可能)、又は、バンドパスフィルター(所定の一つの帯域内の放射線、又は、マルチバンドフィルターの場合には、所定の複数の帯域内の波長の放射線が透過可能)であってよい。そのようなフィルターの使用により、センサーに到達する光の周波数を制御する。センサー中のホログラムは帯域反射器のように機能するので、ホログラムの反射波長は、濾波された光の波長領域にあり、センサーから観察者又は検出器に送り返されるはずである。
【0034】
フィルターは、高波長、低波長、又は、その両方の波長の光に対しカットオフ値を有するように選択されているので、いずれの応答も確実に特定の領域(例えば、可視領域)内にある。上記フィルターを使用すると、異なる波長で起こる異なる応答(例えば異なる検体あるいは異なる検体濃度に対する応答)を識別することができる。また、上記フィルターを使用すると、センサーを非最適な光条件(例えば、単色光条件)下で使用した場合に、曖昧な応答を防ぐことができる。特定の検体に対して観察される応答を最適化するように、光学フィルターを特別に設計可能である。
【0035】
透明基板は、通常、光学フィルターと併用され、センサーとフィルターとの間に位置する。フィルター及び透明基板からの鏡面反射は観察されない。
【0036】
本発明に係わるセンサーを有する物品は、様々な分野で使用することができる。上記物品としては、トランザクション・カード、銀行券、パスポート、身分証明証、スマートカード、運転免許証、株券、債務証書、小切手、チェックカード(cheque card)、タックス・バンダロール(tax banderole)、商品券、郵便切手、鉄道チケット、航空チケット、テレホンカード、福引券、イベントチケット、クレジットカード、デビットカード、業務用名刺、又は、正規品と偽造品とを区別したり、盗品を識別したりする目的で消費者保護、ブランド保護若しくは製品保護において使用される商品が挙げられる。
【0037】
あるいは、上記物品はインテリジェントパッケージ(Intelligent packaging)の商品であってもよい。「インテリジェントパッケージ」とは、容器、包装紙若しくは筐体の一部又はそれらの付属物が、製品の情報若しくは品質、又は、環境条件(製品の品質、シェルフライフ若しくは安全性に影響を及ぼす)を監視、表示又は検査するシステムを指し、典型的な実用例としては、経時的な温度、鮮度、水分量、アルコール度数、ガス量及び物理的損傷度などを示すインジケーターなどが挙げられる。
【0038】
本発明は、宝石、衣服(履物を含む)、布地、家具、玩具、進物、家庭用品(陶磁器類、ガラス製品を含む)、建造物(ガラス、タイル、塗料、金属、レンガ、セラミック、木材、プラスチック、その他の内装及び外装を含む)、美術品(絵画、彫刻、陶器、ライト・インスタレーションを含む)、文具(グリーティングカード、レターヘッド、販促品を含む)、及びスポーツ用品から選択される、装飾的要素を有する工業品若しくは手工芸品である物品に用いてもよく、又は、農学研究、環境学研究、医学若しくは獣医学における予後診断、治療的診断、診断学、治療、化学分析、又は、石油化学分析で使用される製品若しくはデバイス、特に、テストストリップ、チップ、カートリッジ、綿球、チューブ、ピペット、コンタクトレンズ、結膜下インプラント、皮下インプラント、ブレサライザー、カテーテル、又は、液体サンプリング装置若しくは分析装置である物品に用いてもよい。本発明のセンサーは、転写可能なホログラフィックフィルム上に備えられていてもよい。上記フィルムはホットスタンプテープ上にあることが好ましい。フィルムから物品上にセンサーを転写することによって、物品の安全性が向上する。
【0039】
また、本発明は、本発明のセンサーを有し、上記センサーからデータを生成することができる製品、及び、そのような製品から生成したデータを使用するシステムにも関する。
【0040】
以下の実施例により本発明を説明する。
【0041】
ポリマーフィルムの合成
適正量の各モノマーを溶解し、必要なモル比を有するモノマー溶液を得た。上記モノマーをDMSO中2%DMPA(w/v)に、モノマーと溶液との比を1:2.21(w/v)で溶解した。モノマー溶液の100μLアリコートをアルミニウム蒸着ポリエステルシートのポリエステル表面上に層状にのせた。次いで、3―(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートで前処理されたガラス製顕微鏡スライド(Mayes et al.,1999)を、シラン処理を施した側を下にして、モノマー混合物上に下ろした。UV照射により開始されるラジカル反応によって、フィルムを60分間20℃で重合した。重合フィルムを脱イオン水に浸漬させて、ポリエステルシートから剥離した。ホログラム構成の前に、各フィルムの端を外科用メスの刃で取り除き、任意の過剰な物質を除去した。
【0042】
ホログラムの構成
ホログラムは、先行文献に記載された拡散方法を用いて構成した(Blyth et al.,1999)。ポリマーフィルムを、2分間、0.3Mの硝酸銀水溶液400μL上に表を下にして置いた。過剰の溶液を拭き取り、上記フィルムを温風の流れで乾燥した。赤色安全光の下で、メタノール中に0.1%(w/v)のQBS染料1mLを含む、1:1のメタノール/水(v/v)中4%(w/v)のKBr及び0.05%(w/v)のアスコルビン酸溶液40mLの中に、上記スライドをフィルム側を上にして入れ、1分間攪拌した。上記フィルムを、蒸留水で洗滌し、10分間、pH7.4のPBSを含むホログラム暴露槽中にポリマー側を下にして浸漬した。その後、スライドの全領域を、Nd:YAGレーザーの2倍波(532nm)からの3つのパルスに暴露した。該スライドを暴露槽から取り除き、作製したてのSaxby現像液の修正溶液(20g/Lのアスコルビン酸、3g/Lの4―メチルアミノフェノール硫酸塩、50g/Lの炭酸ナトリウム、及び15g/Lの水酸化ナトリウムの溶液40mL)中で10秒以下の間攪拌した(Saxby, 1994)。現像済みのホログラムを蒸留水で洗滌し、停止液(5%(v/v)の酢酸水溶液)中に浸漬した。蒸留水で洗滌した後、上記フィルムを、攪拌した20%(w/v)のチオ硫酸ナトリウム水溶液に5分間浸漬し、未現像の銀を全て除去し、メタノール中次いで蒸留水中で洗滌した。
【0043】
ホログラムの応答のモニタリング
8mm以下の幅の単一なホログラム片を複数、スライドから切り取り、フィルム側を内側にして、4mLのプラスチックキュベットに挿入した。PBS(1mL)を添加し、キュベットを温度制御されたキュベットホルダー中に放置し、30℃で平衡化させた。AvaSoft5処理ソフトウェアを備えるAvantes社製AVS−MC2000―2反射分光光度計を使用して、ホログラムによって白色光源から反射される光の波長を測定した。該光の波長は、ポリマー内の縞の間隔によって決定される。一晩糖液を平衡化した後で、PBS中の0.1M糖のアリコートの添加に対するセンサーの応答を記録して、存在する異性体の相対割合が、媒質又は生体液中で検出される平衡混合物の相対割合に類似することを裏付けた。各アリコートを添加する間に、上記センサーを安定した回折波長に平衡化することができた。2×5mmの電磁従動機(magnetic follower)(Fisher社製)及び攪拌装置を使用して、一定の攪拌を確実に行った。
【0044】
グルコース応答ホログラムの作製
3mol%又は5mol%のN,N’―メチレンビスアクリルアミド架橋剤(MBA)、4mol%又は12mol%のATMA、及び、12mol%の3―APBでアクリルアミドを共重合することにより、安定したヒドロゲルフィルム(厚さ10μm以下)を作製した。硝酸銀、次いで、染料(QBS)を含む臭化カリウムを拡散させることにより、感光性フィルムを形成し、AgBrの超微粒子(直径 <20nm)を含むポリマーマトリックスを生成した。続いて、PBS緩衝液(pH7.4、I:150mM以下)中でレーザー光を照射した後に現像工程を施し、ポリマーフィルムの厚さの範囲内でλ/2間隔の銀の縞の干渉縞を生成した。平面鏡の単色画像により、ブラッグの式で表される波長を有する特有のスペクトルピークの観察を行なった。
【0045】
糖の効果
3mol%のMBA及び12mol%の3―APBで調製したアクリルアミドホログラムの応答は、0〜9mMの様々な糖類の存在下で検査された。図3にその結果を示す。ヒドロゲルの体積膨張により生じる、回折ピーク波長の赤方偏移は、スクロース以外のすべての糖の存在下で観察された。上記膨張は、帯電したボロン酸基の形成に起因する可能性が非常に高く、上記ボロン酸基の形成によりドナン電位が生成され、ポリマーへの水の浸透流が生じる。応答メカニズムとは、図1に示すスキームによって、ビシナルジオールの結合によりもたらされたボロン酸pKの低下の結果、さらに帯電したボロン酸基が生成することであると提唱されている。ピークシフトの大きさは、糖結合によってマトリックス中で発生した電荷と相関している。従って、異なる糖に対するセンサーの感度は、結合定数及びpKシフトの差により影響を受けることが予想される。
【0046】
回折ピークシフトは、グルコースより、フルクトース、リボース、及び、ガラクトースに対して感度が高いことが分かった。キシロース及びマンノースに対する感度は、グルコースに対する感度に似ていたが、上記センサーは二糖類であるラクトース、マルトース、及び、スクロースに対してはるかに感度が低かった。糖タンパク質のように、これらは、比較的大きなサイズ(センサーの選択性に寄与する要因となる)のために、ヒドロゲルに入ることができない場合がある。糖濃度とピークシフトの直線に近い関係は、すべての糖を検査した際に観察された。異なる糖に対するホログラフィックセンサーの感度を比較すると、フルクトース濃度のばらつきは、生理的濃度(<0.1mM)であっても、信頼性の高い血糖測定に支障をきたす場合があることが明らかになった。
【0047】
3mol%のMBA、12mol%の3−APB、及び、12mol%のATMAを含むフィルムの光学応答を、糖溶液の同様の濃度範囲で検査した。グルコースがホログラッフィックフィルムのピーク波長における青方偏移を引き起こすことが分かった(図4)。この偏移により、作動中の応答メカニズムがATMAを含んでいないフィルム中で観察される応答メカニズムとは異なることが分かる。干渉縞平面に対して垂直方向にフィルムの容積が縮小することに起因する、回折最大値における青方偏移の原因は、好適な空間的配置をとる2つのボロン酸受容体をグルコースで架橋することにより、ビスボロン酸グルコース複合体が生成し、及び、それに伴いヒドロゲル弾性定数が増加することにあると提唱されている。正に帯電した第四級アミンは、「電荷中和安定化(charge−neutralisation stabilisation)」メカニズム(Badugu et al.,2005)によって、3―APBの負に帯電したボロン酸型の安定化を助け、グルコースによる架橋を促進する。図5に、ピラノース(いす)型及びフラノース型に可能な結合様式を示す。
【0048】
ATMA修飾フィルムは、検査した他の糖すべてに対して著しく感度が低いことが分かった。添加したフルクトースに対する応答は、ATMA未修飾のフィルムと比較して、著しく低下した。検査した糖の干渉によって、最小限の容積変化がもたらされただけだった。また、減少はしているが、観察された膨張は、一部、架橋によるものと思われる。しかし、グルコース以外の糖については、架橋がそれほど有利なものではないことが報告されている(Alexeev et al.,2003)。顕著な膨張の不足は、受容体リガンド結合体上の正に帯電したATMA基間の電荷反発の低下、及び、ボロン酸ジエステルの形成に起因する可能性が非常に高い。フルクトースについては、わずかな赤方偏移が観察される;これは、フェニルボロン酸に対するより高い親和性、及び、浸透膨潤をもたらす、結合におけるボロン酸基の顕著な形成に起因する可能性が非常に高い。
【0049】
表1(下記)に、糖類に対する3mol%のMBAホログラムの近似感度を示す。表中の数値は、5.66mM(健常成人の正常な生理的範囲の中間点付近(つまり4〜8mM))の糖濃度に対するピークシフトに相当する。
【0050】
表1に示すように、12mol%のATMA含有フィルムの感度と対照としたポリマーの感度とを比較すると、上記修飾によって、潜在的な干渉物質である糖、特にフルクトースに対する感度が著しく低下することが分かる。これに基づき、生理的濃度(0.1mM未満)におけるフルクトース又はガラクトース濃度のばらつきが、ATMA修飾センサーを使用した信頼性の高いグルコース測定に対し、著しく干渉する可能性は低い。
【0051】
【表1】

【0052】
グルコース反応性ホログラムの乳酸塩とフルクトースとに対する応答
α―ヒドロキシ酸である乳酸塩に対するセンサーホログラムの応答を調査した。乳酸塩は、血糖測定における潜在的な干渉物質であり、約0.36〜0.75mMの濃度で血液中に存在する。
【0053】
12mol%の3−APB、及び、4mol%又は12mol%のATMAからなるホログラムを、0〜6mMのグルコース又は乳酸塩の溶液で検査した。その結果を図6に示す。3mol%及び5mol%のMBA並びに12mol%のATMAを使用して、乳酸塩応答が完全に低下することが分かった。3mol%及び5mol%のMBAに対して、それぞれ約10nm mM−1又は5nm mM−1の負のピークシフトを示し、両フィルムはグルコースに応答した。3mol%のMBAを含むホログラムのより大きな応答は、最初のヒドロゲルの膨張程度が大きく、それ故に、その収縮程度も大きくなるためであり得る。
【0054】
図7に示すように、6mMのグルコースを添加した後、2mMフルクトースを添加すると負のピークシフトが不完全ではあるが反転することが分かった。6mMのフルクトースに更に添加すると、完全に負のピークシフトが反転した。興味深いことには、約8mMのフルクトースを添加した後では、6mMのグルコースの添加の有無に関わらずホログラムの応答は実質的には同じであった。これは、フェニルボロン酸が選択的にフルクトースと結合していて、よって、二価のグルコース結合に関係する架橋構造を破壊することを示している。更に、これは、受容体の架橋構造が、ATMA含有フィルムで観察される、グルコース結合に対する収縮応答をもたらすという提唱を裏付ける。更に効果を調査するために、ATMAホログラムを最大56mMまでのグルコースで滴定した。上記の高濃度であっても、ボロン酸結合部位の飽和に関係する赤方偏移は生じず、ビスボロン酸―グルコース複合体からボロン酸とグルコースの1:1会合への平衡シフトが生じた。これは、グルコースに応答して、センサーが最初に収縮による青方偏移を示し、次に膨張(実用時のセンサーの使用を困難にする作用となる)に伴う赤方偏移を示すという、コロイド結晶配列における結果とは対照的である(Alexeev et al.,2003)。
【0055】
血液中のフルクトース濃度は、グルコースが4〜8mMであるのに対して、0.1mM未満であることが一般的にわかっており、従って、生理液中のグルコース測定を阻害する可能性は低い。これを確認するために、3mol%のMBA、12mol%の3―APB、及び12mol%のATMAを含むセンサーホログラムを、2〜6mMの範囲のグルコースに対する応答に関して、0.1mMフルクトースのバックグラウンドの下で検査した。フルクトースの非存在下で行なわれた対照試験と比較して、0.1mMフルクトースの存在下でのグルコースに対する応答の変化率は、2%(6mMのグルコース)〜7%(2mMのグルコース)であった。測定の反復(N=3)により測定誤差が約5%であると計算され、よって、上記ホログラフィックセンサーが複合生体媒質中のグルコース濃度を選択的に検知し得ることが実証された。
【0056】
参照文献
Alexeev et al,2003;Anal.Chem.75,2316−2323.
Badugu et al,2005;Talanta 65(3),762−768.
Blyth et al,1999;Imag.Sci.J.47(2),87−91.
Bosch et al,2004;Tetrahedron 60,11175−11190.
Kabilan et al,2004a;J.MoI.Recog.17(3),162−166.
Kabilan et al,2004b;Sensors,2004.Proceedings of IEEE 2,1003−1006.
Kabilan et al,2005;Biosensors and Bioelectronics,20,1602−1610.
Mayes et al,1999;Anal.Chem.71,3390−3396.
Saxby,1994;.Practical Holography,2nd ed.Prentice Hall,London.
Wiskur et al,2001;Org.Lett.3,1311−1314.
【0057】
本願明細書で特定した出版物をすべて、本願明細書に引用して援用する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】水性溶媒中でのフェニルボロン酸に関連する平衡系、並びに、平面三角形型及び帯電性四面体型を示す。
【図2】第4級モノマー(つまり、(3―アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム クロライド(ATMA))、及び、フェニルボロン酸受容体(つまり、3―アクリルアミドフェニルボロン酸(3−APB))の構造式を示す。
【図3】以下の糖に応答する3mol%のMBA及び12mol%の3―APBを含むホログラムの回折波長における偏移を示すグラフである:
【0059】
【表2】

【0060】
グルコースに対するセンサーの応答を各糖に対する応答の前に測定し、再現性をチェックした(グルコース N=8、他の糖 N=1)。
【図4】3mol%のMBA、12mol%の3―APB、及び12mol%のATMAを含むホログラムの以下の糖に対する応答を示すグラフである:
【0061】
【表3】

【0062】
グルコースに対するセンサーの応答を各糖に対する応答の前に測定し、再現性をチェックした(グルコース N=7、他の糖 N=1)。
【図5】グルコースが2つのフェニルボロン酸受容体と、(a)グルコースのピラノース(いす)型の1,2位及び4,6位、並びに、(b)グルコースのフラノース型の1,2位及び5,6位で結合及び架橋する方法のうちの2つの方法を示す。
【図6】3mol%又は5mol%のMBA、12mol%の3―APB、及び4mol%又は12mol%のATMAを含むホログラムの、グルコース及び乳酸塩に対する応答を示すグラフである。
【0063】
【表4】

【0064】
【図7】フルクトース応答を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコースと結合するボロン酸、及び、カチオン種を含むマトリックス内又はマトリックス上に固定された受容体化合物及び供与体化合物をそれぞれ有しているセンサーであって、それにより前記受容体化合物及び供与体化合物間の間隔がグルコース存在下で減少する
センサー。
【請求項2】
前記受容体化合物及び供与体化合物はFRETペアである、
請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
蛍光・消光対を含む、
請求項1に記載のセンサー。
【請求項4】
ホログラフィックセンサーである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項5】
ホログラフィックセンサーであって、
前記センサー内に保持された、グルコースと結合するボロン酸、及び、カチオン種を含む
センサー。
【請求項6】
前記センサー内の前記ホログラムは光の回折によって生成する、
請求項4又は請求項6に記載のセンサー。
【請求項7】
前記ホログラムは拡大下でのみ視認可能である、
請求項4〜6のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項8】
前記ホログラフィック画像は物体像、又は、2次元若しくは3次元効果を与えるものである、
請求項4〜7のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項9】
レーザー光が照射された場合に干渉効果を引き起こす手段を更に有している、
請求項4〜8のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項10】
前記手段は偏光解消層を有する、
請求項9に記載のセンサー。
【請求項11】
前記ホログラムは白色光、UV光又は赤外線下で可視化可能である、
請求項4〜10のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項12】
前記ホログラムは特定の温度、磁力又は圧力条件下で可視化可能である、
請求項4〜11のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項13】
光学フィルターがセンサー上にある、
請求項4〜12のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項14】
前記光学フィルターはバンドパスフィルターである、
請求項13に記載のセンサー。
【請求項15】
前記ホログラムの縞構造が液晶から作られたものであるか、又は、最終的に得られる回折パターン若しくは回折像が液晶によって作り出された縞によるものである、
請求項4〜14のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項16】
前記カチオン種が第四級アンモニウム化合物である、
請求項1〜15のいずれか1項に記載のセンサー。
【請求項17】
グルコースと結合するボロン酸と第四級アンモニウム化合物との複合体。
【請求項18】
サンプル中の検体の検出方法であって、
・請求項1〜16のいずれか1項に記載のセンサーの媒体に前記サンプルを接触させ、且つ、
・光学特性における任意の変化を検出する
方法。
【請求項19】
前記検体は化学種、生化学種、又は、生物種である、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
光学式リーダー、携帯電話、コンピュータ及びデジタルカメラからなる群より選択されるデバイスを使用して、光学特性の前記変化を検出する、
請求項18又は請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のセンサーを含む
物品。
【請求項22】
トランザクション・カード、銀行券、パスポート、身分証明証、スマートカード、運転免許証、株券、債務証書、小切手、チェックカード、タックス・バンダロール、商品券、郵便切手、鉄道チケット、航空チケット、テレホンカード、福引券、イベントチケット、クレジットカード、デビットカード、業務用名刺、又は、正規品と偽造品とを区別したり、盗品を識別したりする目的で消費者保護、ブランド保護若しくは製品保護において使用される商品である、
請求項21に記載の物品。
【請求項23】
本願明細書で定義されるインテリジェントパッケージの商品である、
請求項19に記載の物品。
【請求項24】
宝石;履物を含む衣服;布地;家具;玩具;進物;陶磁器類、ガラス製品を含む家庭用品;ガラス、タイル、塗料、金属、レンガ、セラミック、木材、プラスチック、その他内装及び外装を含む建造物;絵画、彫刻、陶器、ライト・インスタレーションを含む美術品;グリーティングカード、レターヘッド、販促品を含む文具;及びスポーツ用品から選択される、装飾的要素を有する工業品又は手工芸品である、
請求項19に記載の物品。
【請求項25】
農学研究、環境学研究、医学若しくは獣医学における予後診断、治療的診断、診断学、治療、化学分析、又は、石油化学分析で使用される製品若しくはデバイスである、
請求項19に記載の物品。
【請求項26】
テストストリップ、チップ、カートリッジ、綿球、チューブ、ピペット、コンタクトレンズ、結膜下インプラント、皮下インプラント、ブレサライザー、カテーテル、又は、液体サンプリング装置若しくは分析装置である、
請求項23に記載の物品。
【請求項27】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のセンサーを含む、
転写可能なホログラフィックフィルム。
【請求項28】
ホットスタンプテープ上にある、
請求項25に記載のフィルム。
【請求項29】
物品の安全性を向上させる方法であって、 請求項25又は26に記載のフィルムから前記物品上に前記センサーを転写することを含む
方法。
【請求項30】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のセンサーを含む製品であって、前記センサーからデータを生成することができる
製品。
【請求項31】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のセンサーによって生成したデータの保存、制御、送信、報告及び/又はモデリングのためのシステムの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−526965(P2009−526965A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539491(P2008−539491)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004172
【国際公開番号】WO2007/054689
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(504370977)スマート ホログラムズ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】