説明

新規な診断マーカーであるCT−プロADMによる診断および危険性の層化

本発明は、疾患の診断および/または疾患の危険性を層化するための新規な診断マーカーCT−プロADM(プレプロADM、配列番号1のC末端フラグメント)に関する。疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、ならびに肺および気道の感染および/もしくは炎症を、診断ならびに/またはその危険性を層化するための方法がまた、開示される。上記方法において、上記CT−プロADM(配列番号1)マーカー、またはその部分ペプチドもしくはフラグメント、またはマーカー組み合わせ(パネル、クラスター)に含まれる上記マーカーは、試験されるべき患者において測定される。本発明はさらに、診断装置および上記方法を実施するためのキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(説明)
本発明は、疾患の診断および/または危険性の層化のための、新規な診断マーカーであるCT−プロADM(プレプロADM、配列番号1のC末端フラグメント)に関する。疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、ならびに肺および気道の感染および/もしくは炎症の診断および/または危険性の層化のための方法もまた、開示される。上記方法において、上記CT−プロADM(配列番号1)マーカー、またはその部分ペプチドもしくはフラグメント、あるいはマーカー組み合わせ(パネル、クラスター)に含まれる上記マーカーは、試験されるべき患者において測定される。本発明はさらに、診断装置、ならびに上記方法を行うためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術は、診断において、特に、敗血症を診断する目的で(特許文献1)、プロアドレノメデュリン(プロADM)およびアドレノメデュリンをどのように測定するかを記載する(特許文献2,非特許文献1;非特許文献2;Kobayashi K,Kitamura K,Etoh T,Nagatomo Y,Takenaga M,Ishikawa Tら,Increased plasma adrenomedullin levels in chronic congestive heart failure.Am Heart J 1996;131:994−8;Kobayashi K,Kitamura K,Hirayama N,Date H,Kashiwagi T,Ikushima Iら,Increased plasma adrenomedullin in acute myocardial infarction.Am Heart J 1996;131:676−80)。診断のための(プレ)プロアドレノメデュリンのN末端フラグメントはまた、特許文献2に記載されている(例えば、PAMP(Hashida S,Kitamura K,Nagatomo Y,Shibata Y,Imamura T,Yamada Kら,Development of an ultra sensitive enzyme immunoassay for human pro−adrenomedullin N−terminal 20 peptide and direct measurement of two molecular forms of PAMP in plasma from healthy subjects and patients with cardiovascular disease. Clin Biochem 2004;37:14−21))。
【0003】
さらに、上記プロ−アドレノメデュリンのさらなるフラグメント、すなわち、いわゆる中間領域のプロ−アドレノメデュリン(MRプロADM)は、診断目的で、EP1488209B1に開示される(Struck J,Tao C,Morgenthaler NG,Bergmann A.Identification of an Adrenomedullin precursor fragment in plasma of sepsis patients.Peptides 2004;25:1369−72;Morgenthaler NG,Struck J,Alonso C,Bergmann A.Measurement of mid−regional pro−adrenomedullin in plasma with an immunoluminometric assay.Clin Chem 2005;51:1823−9;Christ−Crain M,Morgenthaler NG,Stolz D,Muller C,Bingisser R,Harbarth Sら,Pro−adrenomedullin to predict severity and outcome in community−acquired pneumonia [ISRCTN04176397].Crit Care 2006;10:R96;Christ−Crain M,Morgenthaler NG,Struck J,Harbarth S,Bergmann A,Muller B.Mid−regional pro−adrenomedullin as a prognostic marker in sepsis:an observational study.Crit Care 2005;9:R816−24)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第l121600号明細書
【特許文献2】欧州特許第0622458号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Lewis LK,Smith MW,Yandle TG,Richards AM,Nicholls MG. Adrenomedullin(1−52) measured in human plasma by radioimmunoassay:plasma concentration,adsorption,and storage.Clin Chem 1998;44:571−7
【非特許文献2】Ueda S,Nishio K,Minamino N,Kubo A,Akai Y,Kangawa Kら,Increased plasma levels of adrenomedullin in patients with systemic inflammatory response syndrome.Am J Respir Crit Care Med 1999;160:132−6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、信頼性の高い診断を提供し、または疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症について、特に、さらなる臨床的決定に関して、そして特に、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症を伴う疾患の重篤度に関して、(危険性の)層化を行う必要性が非常にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
新規のマーカーを提供することは、本発明の1つの課題である。本発明のさらなる課題は、疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、ならびに肺および気道の感染および/もしくは炎症の診断および/または危険性を層化するための改善された方法を提供することからなる。
【0008】
他方で、上記課題は、診断マーカーであるCT−プロADM(プロアドレノメデュリン,配列番号1のC末端フラグメント)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントを提供することによって、他方で、疾患のインビトロ診断および/または危険性の層化のための方法によって解決される。上記方法において、上記CT−プロADM(配列番号1)マーカー、またはその部分ペプチドもしくはフラグメント、あるいはマーカー組み合わせ(パネル、クラスター)中に含まれる上記マーカーは、試験されるべき患者において測定される(本発明に従う以下の方法)。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1である。
【図2】図2である。
【図3】図3である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
用語「危険性の層化」とは、本発明によれば、最も有利な疾患経過をもたらすという目的とともに、疾患のより集中した診断および(追跡(Folge−))治療/処置の目的のために、よりひどい予後を有する罹患した患者を見いだすことからなる。
【0011】
従って、特に有利には、信頼性の高い診断および/または危険性の層化は、本発明に従う方法によって行われ得る。本発明に従う方法は、より迅速な診断をもたらす臨床的決定を行うことを可能にする。このような臨床的決定はまた、疾患の処置または治療のための薬物を使用することによるさらなる処置を含む。
【0012】
従って、本発明はまた、患者の危険性の層化のための、特に、臨床的決定に関して、好ましくは、集中医療もしくは救急救命医療における患者の層化のための、時間が重要な場合には、患者の入院のための方法に関する。
【0013】
本発明に従う方法のさらなる好ましい実施形態において、上記診断および/または危険性の層化が、予後のために、鑑別診断的初期診断および検出のために、重篤度の評価のために、ならびに治療に伴う疾患経過の評価のために行われる。
【0014】
本発明に従う方法のさらなる実施形態において、体液もしくは身体組織、好ましくは、血液、あるいは全血、血清もしくは入手可能な血漿は、試験されるべき患者から採取され、そして診断は、インビトロ/エキソビボ(すなわち、ヒトもしくは動物の身体の外)で行われる。マーカーであるCT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントの測定、ならびに少なくとも1種の患者サンプル中のその存在量に起因して、診断または危険性の層化が行われ得る。
【0015】
本発明の範囲内で、「疾患」は、ヒトおよび動物、特に、哺乳動物の病気として理解されるべきである。このような疾患、特に、ヒトの疾患の説明は、Pschyrembel,De Gruyter,Berlin 2004において見いだされ得る。
【0016】
しかし、特に有利には、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症は、本発明の範囲内で診断および/または層化され得る。
【0017】
用語「心血管疾患」とは、本発明によれば、心臓および血液循環、特に、高血圧症、冠動脈性心疾患、特に、急性冠症候群、(急性)心筋梗塞、狭心症のような適応症のすべての疾患を含む。
【0018】
用語「急性冠症候群」とは、すぐに生命を脅かす冠動脈性心疾患の種々の相を含む。特に、このことは、救急救命医療、すなわち、急性心筋梗塞および/もしくは狭心症、ならびに突然心臓死に関する。WHO基準(WHO(1979):Nomenclature and criteria for diagnosis of ischemic heart disease.Report of the Joint International Society and Federation of Cardiology/World Health Organization task force on standardization of clinical nomenclature,Circulation 59(3):607−609)に従って、ST部分の上昇および/または心筋酵素の増加と関連して、20分間より長く持続する急性胸痛事象として定義される上記急性心筋梗塞に加えて、用語、不安定狭心症(AP)が作られ、本発明によれば、「急性冠症候群」の下で読み取られ得る(Hamm CW: Guidelines:Acute Coronary Syndrome(ACS)−Part 1:ACS without a persisting elevation of the ST segment.Z Kardiol(2004)93:72−90)。
【0019】
本発明の範囲内で、「心機能不全」は、心臓が急性的もしくは慢性的に、組織に十分な血液を供給する、結果として、酸素を供給して安静時および負荷時に組織代謝を保証することができないこととして理解される。臨床的に、心機能不全は、代表的な症状(呼吸困難、疲労、流動性保持(Fluessigkeitsretention))が存在する場合に存在し、その原因は、収縮機能不全もしくは拡張機能不全の意味内で、心機能不全に基づく。慢性心機能不全はまた、本発明によって包含される(Cardiology compact, published by Christian Mewis, Reimer Riessen and Ioakim Spyridopoulos,2nd unchanged edition,Thieme 2006)。心機能不全は、以下によって引き起こされ得る:弁膜性心臓欠陥(Herzklappenfehler)(例えば、リウマチ熱の長期の結果として)、心筋炎(心筋の炎症)、心不整脈、高血圧症(高血圧)を除く心臓発作および/または冠状血管の動脈硬化症(石灰化)(冠動脈性心疾患)。本発明は、(欝血性)心機能不全を伴う高血圧性心疾患、(欝血性)心機能不全を伴う高血圧性心腎疾患、原発性右心不全、二次的右心不全、苦痛を伴わない左心不全(NYHA[New York Heart Association]ステージI)、増大したストレス下で苦痛を伴う左心不全(NYHA ステージII)、軽いストレス下で苦痛を伴う左心不全(NYHA ステージIII)、安静時に苦痛を伴う左心不全(NYHA ステージIV)および心原性ショックをさらに含む。
【0020】
本発明の文脈内において、用語「肺および気道の感染」とは、特に、細菌、ウイルス、真菌もしくは寄生生物によって引き起こされるそのような感染、例えば、深部気道感染(LRTI:下気道感染)、気管支炎、肺炎、サルコイドーシス、気管支拡張症、非心原性肺浮腫(non−cardiac pulmonary edema)のような適応症を意味する。さらに、本発明に従って好ましいのは、深部気道感染(LRTI:下気道感染)、気管支炎、腐敗性気管支炎、肺炎である。特に好ましいのは、肺炎、特に市中肺炎(CAP:市中感染(community−associated)肺炎)、深部気道感染(LRTI:下気道感染)である。
【0021】
本発明の範囲内において、肺炎は、肺組織の急性もしくは慢性の炎症であると理解される。上記感染は、細菌、ウイルスもしくは真菌によって引き起こされ、希な場合には、毒性物質を吸入することによって毒性的に、または免疫学的にも引き起こされる。臨床医に関しては、肺炎は、胸郭x線で見える少なくとも1つの浸潤物と組み合わせて、種々の症状(熱もしくは低体温症、振戦、咳、胸膜性胸郭痛(pleuritic thorax pain)、増大した喀痰生成、増大した呼吸速度、聴打診音減弱、気管支性呼吸、高頻度のラ音、胸膜摩擦音)の状態を構成する(Harrison’s Internal Medicine, published by Manfred Dietel, Norbert Suttorp and Martin Zeitz, ABW Wissenschaftsverlag [scientific publishing house] 2005)。
【0022】
本発明の範囲内において、用語「肺および気道の感染性疾患」または「肺および気道の炎症性疾患」とは、間質性肺疾患および肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特に、COPD感染悪化、気管支喘息、特に、気管支喘息を伴う感染悪化、気管支癌腫のような適応症を意味する。
【0023】
本発明によれば、COPDは、ストレス下での咳、増大した喀痰および呼吸困難によって特徴づけられる慢性疾患の群をいう。第1のおよび主要な、慢性閉塞性気管支炎および肺気腫が、言及されなければならない。両方の臨床的像は、呼気の妨害によって特に特徴づけられる。さらに、COPDの主要な症状は、口語的に、「喫煙者の咳(Raucherhusten)」といわれる。本発明は特に、急性悪化の場合に有利である。
【0024】
本発明の範囲内において、「CT−プロADM」とは、以下のアミノ酸配列(配列番号1:SLPEAGPGRTLVSSKPQAHGAPAPPSGSAPHFL)を有する33アミノ酸からなる遊離のヒトタンパク質もしくはポリペプチド、またはプレプロアドレノメデュリンの、配列番号2のアミノ酸配列153〜185(153位はSerを表し、185位はLeuを表す)を有するフラグメント(図1)(Kitamura K,Sakata J,Kangawa K,Kojima M,Matsuo H,Eto T.Cloning and characterization of cDNA encoding a precursor for human adrenomedullin Biochem Biophys Res Commun 1993;194:720−725)、またはその部分ペプチドおよび/もしくはフラグメントとして理解されるべきである。このようなフラグメントは、例えば、配列番号1のアミノ酸配列1〜15および/またはプレプロアドレノメデュリン(図1)の153〜167もしくは配列番号1の19〜33および/またはプレプロアドレノメデュリン(図1)の171〜185(実施例を参照のこと)であり得る。その血管収縮効果に起因して、CT−プロADMはまた、アドレノメデュリンといわれる(Gumusel B,Chang JK,Hyman A,Lippton H.Adrenotensin:an ADM gene product with the opposite effects of ADM.Life Sci 1995;57:PL87−90)。
【0025】
本発明に従う「CT−プロADM」とはまた、改変(例えば、グリコシル化、脂質化もしくは誘導体化)を特徴とし得る。
【0026】
さらなる実施形態において、上記「CT−プロADM」(配列番号1)はまた、さらなるマーカーとともに測定され得、「上記マーカーであるCT−プロADM」は、マーカー組み合わせ(パネル、クラスター)、すなわち、好ましくは、疾患を既に示すこのようなマーカー組み合わせに含まれる。しかし、好ましいのは、順番に本発明の範囲内において好まれる、相乗効果をもたらし得る適応症/疾患を示すそのようなマーカーである。
【0027】
従って、本発明は、本発明に従う方法のこのような実施形態(測定は、炎症マーカー、心血管マーカー、神経ホルモンマーカー、または虚血マーカーの群からの少なくとも1つのさらなるマーカーによってさらに選択される選択され、試験されるべき患者において行われる)に関する。
【0028】
本発明によれば、上記炎症マーカーは、C反応性タンパク質(CRP)、サイトカイン(例えば、TNF−α)、インターロイキン(例えば、IL−6)、プロカルシトニン(1〜116、3〜116)および接着分子(例えば、VCAMもしくはICAM)の群からの少なくとも1つのマーカーから選択され得、ならびに上記心血管マーカーは、クレアチンキナーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、コペプチン、ミオグロビン、ナトリウム利尿性タンパク質、特に、ANP(もしくはANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、NT−プロBNP、または各場合には、これらの部分配列、心筋トロポニン、CRPの群からの少なくとも1つのマーカーから選択され得る。さらに、これはまた、循環を調節する(プロ)ホルモン、特に、例えば、プロ−ガストリン放出ペプチド(プロGRP)、プロ−エンドセリン(プロEnd)、プロ−レプチン、プロ−ニューロペプチド−Y、プロ−ソマトスタチン、プロ−ニューロペプチド−YY、プロ−オピオメラノコルチン、コペプチン、もしくは各場合には、これらの部分配列を含む。上記虚血マーカーは、トロポニンIおよびT、CK−MBの群からの少なくとも1つのマーカーから選択され得る。さらに、上記神経ホルモンマーカーは、少なくとも、ナトリウム利尿性タンパク質、特に、ANP(もしくはANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、NT−プロBNP、または各場合には、これらの部分配列であり得る。特に好ましいのは、CT−プロADMと、プロホルモン(特に、プロBNP、NT−プロBNP)とのマーカー組み合わせである。
【0029】
本発明のさらなる実施形態において、本発明に従う方法は、上記マーカーの並行したもしくは同時の測定を使用して(例えば、96以上の穴を有するマルチタイタープレート)行われ得、上記測定は、少なくとも1つの患者サンプルによって行われる。
【0030】
本発明に従う方法およびその測定はまた、自動分析デバイス、特に、Kryptor(http://www.kryptor.net)によって行われ得る。
【0031】
さらなる実施形態において、本発明に従う方法およびその測定は、迅速な試験(例えば、ラテラルフロー試験(lateral−flow Test))によって行われ、個々のもしくはマルチパラメーター測定を介してである。
【0032】
本発明はさらに、疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症のインビトロ診断および/または危険性の層化のための、CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントの使用に関する。
【0033】
さらなる実施形態において、本発明は、心臓診断における、CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントの使用に関する。
【0034】
本発明はさらに、疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症のインビトロ診断および/または危険性の層化のため、ならびに特に上記の実施形態を考慮する際の、CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメント、またはマーカー組み合わせ(パネル、クラスター)に含まれるものの使用に関する。上記マーカー組み合わせは、おそらくさらなる適切なマーカーを含み得る。
【0035】
さらなる課題は、本発明に従う方法を実施するための、適切な診断デバイスの提供、またはこのようなデバイスの使用である。
【0036】
本発明の範囲内において、このような診断デバイスは、特に、アレイもしくはアッセイ(例えば、イムノアッセイ、ELISAなど)、最も広義において、本発明に従う方法を行うためのデバイスであると理解される。
【0037】
本発明はさらに、疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症をインビトロで診断および/または危険性を層化するためのキット、またはこのようなキットの使用に関する。上記方法において、上記CT−プロADM(配列番号1)マーカー、またはその部分ペプチドもしくはフラグメント、またはマーカー組み合わせ(パネル,クラスター)に含まれる上記マーカーは、試験されるべき患者において、特に、上記の実施形態を考慮して測定される。このような検出試薬としては、例えば、抗体などが挙げられる。
【0038】
従って、本発明はさらに、CT−プロADMの検出のための抗体、特にモノクローナル抗体(これは、CT−プロADMを個々に、好ましくは、結合部位である配列番号1の1〜15もしくは19〜33において結合するか、または各場合において、互いに独立して、上記CT−プロADMを両方の結合部位において結合する)に関する。
【0039】
以下の実施例および図面の目的は、本発明を詳細に説明することであるが、本発明を上記実施例および図面に限定することはない。
【実施例】
【0040】
イムノアッセイ
ペプチド合成
プレプロADMの公知のアミノ酸配列から、2つの領域を選択した(153〜167位、171〜185位)。上記領域(各々、N末端システイン残部が追加される)を、化学的に合成し、精製し、質量分析および逆相HPLCによって品質について検査し、そして可溶性ペプチドとして、標準的方法に基づいてアリコートに分けて凍結乾燥した(Firma JPT,Berlin,Germany)。上記ペプチドのアミノ酸配列は、以下のように称される:
PSK16 CSLPEAGPGRTLVSSK 153〜167位
PHL16 CHGAPAPPSGSAPHFL 171〜185位
さらに、プレプロADMの領域153〜185位を網羅するペプチドを合成した。(PSL33 SLPEAGPGRTLVSSKPQAHGAPAPPSGSAPHFL)。
【0041】
結合体化および免疫
MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)によって、上記ペプチドPSK16およびPHL16を、キャリアタンパク質であるKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)に結合体化した(作業説明書「NHS esters−maleimide cross−linkers」 PIERCE Company,Rockford,IL,USAを参照のこと)。これら結合体を使用して、以下の手順に基づいて、ヒツジを免疫した:各ヒツジに、最初に、100μgの結合体(上記結合体のペプチド部分に対する重量測定値)および後に、50μgの結合体を4週間毎に(上記結合体のペプチド部分に対する重量測定値)を与えた。免疫を開始してから4ヶ月後から開始して、700mlの血液を、4週間毎に各ヒツジから採取し、抗血清を、遠心分離を介して得た。結合体化、免疫および抗血清の抽出を、Firma MicroPharm,Carmarthenshire,UKによって行った。
【0042】
抗体の精製
1工程プロセスにおいて、上記ペプチド特異的抗体を、上記免疫後4週間から開始して抽出した抗血清から調製した。
【0043】
この目的のために、上記ペプチドPSK16およびPHL16を、最初に、SulfoLinkゲル(作業説明書「SulfoLink Kit」 PIERCE Company,Rockford,IL,USAを参照のこと)に連結した。上記プロセスにおいて、5mlのゲルあたり5mgのペプチドを、連結のために供した。
【0044】
上記ペプチドに対するヒツジ抗血清からの、ペプチド特異的抗体のアフィニティー精製を、以下のとおりに行った:
最初に、上記ペプチドカラムを、10mlの溶出緩衝液(50mM クエン酸,pH2.2)および結合緩衝液(100mM リン酸ナトリウム,0.1% Tween,pH6.8)で交互に3回洗浄した。100mlの上記抗血清を、0.2μmを通して濾過し、既存のカラム材料で処理した。この目的のために、上記ゲルを、10ml 結合緩衝液でカラムから定量的に洗い流した。回転を介して、室温で一晩インキュベーションを行った。その沈着物を、空のカラム(NAP 25,Pharmacia,空にした)に定量的に移した。上記サイクルを廃棄した。その後、250mlの結合緩衝液で洗浄を行って、上記タンパク質を取り出した(上記洗浄溶出液のタンパク質含有量は、A280nmで<0.02)。溶出緩衝液を、上記洗浄したカラムに配置し、1mlの画分を各々回収した。各画分のタンパク質含有量を、BCA法によって測定した(作業説明書PIERCE Company,Rockford,IL,USAを参照のこと)。タンパク質濃度>0.8mg/mlを有する画分をプールした。BCA法によって上記プールのタンパク質を測定した後に、抗PSK16抗体については34mgおよび抗PHL16抗体については48mgの収量が得られた。
【0045】
標識
NAP−5ゲル濾過カラム(Pharmacia)の上に、500μlの精製抗PSK16抗体(上記を参照のこと)を、作業説明書に従って、1ml 100mMのリン酸カリウム緩衝液(ph8.0)中で緩衝液交換した。上記抗体溶液のタンパク質濃度を、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で1.5mg/mlになるまで調節した。
【0046】
上記抗体を、以下のとおり、化学発光での標識のためにさらに処理した:67μlの上記抗体溶液を、10μlのMA70 アクリジニウムNHSエステル(1mg/ml,Firma HOECHST Behring)で処理し、15分間室温でインキュベートした。次いで、423μlの1M グリシンを添加し、さらに10分間インキュベートした。次いで、上記標識沈着物を、上記作業説明書に基づいて、1mlの溶出液A(50mM リン酸カリウム、100mM 塩化ナトリウム,pH7.4)中、NAP−5ゲル濾過カラム(Pharmacia)を介して緩衝液交換した。そしてこのことにあたって、低分子成分を除いた。抗体に連結されていない標識の最終的な残りを分離するために、ゲル濾過HPLCを行った(カラム:Waters Protein Pak SW300)。上記アッセイを適用し、溶出液Aを用いて流速1ml/分でクロマトグラフィーにかけた。流速光度計で、波長280nmおよび368nmを測定した。上記抗体の標識程度の尺度としての368nm/280nmの吸光度比は、ピーク時に0.10+/−0.01に達した。抗体を含むモノマー画分(保持時間8〜10分間)を集め、3mlの、100mM リン酸ナトリウム、150mM 塩化ナトリウム、5% ウシ血清アルブミン、0.1% アジ化ナトリウム(Natrium Azid),pH7.4中に回収した。
【0047】
カップリング
少量の照射した5mlのポリスチレンチューブ(Firma Greiner)を、精製抗PHL16抗体で、以下のようにコーティングした:上記抗体を、6.6μg/mlの濃度になるように、50mlのTris、100mlの塩化ナトリウム,pH7.8中に希釈した。300μlのこの溶液を、各々の小さなチューブにピペットで移した。上記の小さなチューブを、22℃で20時間にわたってインキュベートした。上記溶液を吸引によって抜き取った。次いで、各々の小さなチューブに、4.2mlの10mM リン酸ナトリウム、2% Karion FP、0.3% ウシ血清アルブミン,pH6.5を充填した。20時間後に、上記溶液を吸引によって抜き取った。最後に、上記小さなチューブを、真空乾燥器中で乾燥させた。
【0048】
イムノアッセイの実施および分析
ペプチドPSL33(これは、正常ウマ血清(Firma SIGMA)に連続希釈した)は、標準物質として供した。最初のペプチド重量に従う濃度を、このようにして製造した標準に割り当てた。
【0049】
サンドイッチイムノアッセイを、以下のように調製した:50μl標準またはアッセイ、ならびに200μlのアッセイ緩衝液(100mM リン酸ナトリウム、150mM 塩化ナトリウム、5% ウシ血清アルブミン、0.1% 非特異的ヒツジIgG、0.1% 酸性ナトリウム,ph7.4)(MA70標識抗体の100万RLU(相対発光単位)を含む)を、上記小さな試験管(各々抗体でコーティングした)にピペットで移した。上記チューブを、振盪によって、22℃で2時間にわたってインキュベートした。次いで、各々の小さなチューブを、1mlの洗浄溶液(0.1% Tween 20)で4回洗浄し、静かに液を流し、そして上記小さなチューブに結合した化学発光を、ルミノメーター(Firma BERTHOLD,LB952T;基本試薬(Basisreagenz) BRAHMS AG)で測定した。ソフトウェアMultiCalc(Spline Fit)を使用することによって、上記アッセイのCT−プロADM濃度を、標準曲線において読み取った。
【0050】
上記アッセイで測定され得る分析物は、C末端プロアドレノメデュリン(CT−プロADM)といわれる。
【0051】
臨床値
正常範囲
CT−プロADM濃度を、健常なコントロールのアッセイ(n=200)において測定した。そのメジアンは、77.6pmol/Lであり、最小測定値は、46.6pmol/Lであり、最大測定値は、136.2pmol/Lであり、それぞれ、95%パーセンタイルは、それぞれ、58.6pmol/Lまたは113.8pmol/Lであった。
【0052】
心機能不全/重篤度
CT−プロADM濃度を、慢性もしくは急性の代償不全性心機能不全を有する患者において測定した。CT−プロADM濃度を、心機能不全の重篤度と関連づけた:4つのNYHA重篤度分類I〜IVについてのCT−プロADM濃度の平均値は、以下の通りであった:85pmol/L、107pmol/L、140.4pmol/L、または242.7pmol/L(図2を参照のこと)。
【0053】
慢性心機能不全/診断
慢性心機能不全に罹患している316名の患者および200名の健常コントロールの集団のCT−プロADM値を、測地した。受信者−操作者−特性分析(Receiver−Operator−Characteristics Analyse)は、0.79のAUCを示した。122pmol/Lのカットオフ値で、39.7%の感度と、98%の特異性を得た。113pmol/Lのカットオフ値で、46.3%の感度と、95%の特異性とを得た。
【0054】
慢性心機能不全/予後
慢性心機能不全に罹患している316名の患者の集団のCT−プロADM値を測定した。上記患者を、平均360日間の期間にわたってモニターした。42名の患者は、この期間の間に死亡した;274名は、生存していた。死亡率を予測するための最良のカットオフ値(感度および特異性の最大の積として定義される)を、受信者−操作者−特性分析によって測定した:119.7pmol/L。このカットオフ値において、予後の感度は、73.2%であり、特異性は、62.2%であった。119.7pg/mlのカットオフ値における死亡の尤度比は、1.9であった。
【0055】
【表1】

急性心機能不全/診断
急性呼吸困難に罹患している125名の患者の集団のCT−プロADM値を測定した。上記125名の患者のうちの69名は、心機能不全を有した。心機能不全の鑑別診断についての受信者−操作者−特性分析は、0.75のAUCを示した。410pmol/Lのカットオフ値において、12.4%の感度と、98%の特異性とが得られた。315pmol/Lのカットオフ値において、18.3%の感度と、95%の特異性とを得た。
【0056】
急性心機能不全/予後
急性代償不全性心機能不全に罹患している69名の患者の集団のCT−プロADM値を測定した。上記患者を、360日間の期間にわたってモニターした。この期間の間に、21名の患者が死亡し;48名が生存していた。死亡率を予測するための最良のカットオフ値(感度と特異性の最大の積として定義される)を、受信者−操作者−特性分析によって測定した:192pmol/L。このカットオフ値において、上記予後の感度は、66.6%であり、特異性は、75%であった。192pmol/Lのカットオフ値における死亡率の尤度比は、2.5であった。
【0057】
【表2】

心筋梗塞/予後
サンプルを、心臓発作が起こった3日後に急性心臓発作に苦しんでいる287名の患者から採取し、CT−プロADMを測定した。上記患者を、360日間の期間にわたってモニターした。この期間の間に、220名の患者が、有害な事象を経験せず、67名が死亡するか、または心機能不全に起因して再入院した。死亡率または心機能不全に起因する再入院を予想するための最良のカットオフ値(感度と特異性の最大の積として定義される)を、受信者−操作者−特性分析によって測定した:161.9pmol/L。このカットオフ値において、上記予後の感度は、67.2%であり、特異性は、79.1%であった。161.9pmol/Lのカットオフ値における有害事象の尤度比は、3.2であった。
【0058】
【表3】

肺炎/重篤度および予後
サンプルを、市中肺炎を有する142名の患者から、彼らが病院に入ったときに採取し、CT−プロADMを測定した。上記患者を、70日間の期間にわたってモニターした。この期間の間に、10名の患者が死亡した。CT−プロADM濃度は、PSI(肺炎重篤度指数(Pneumonia Severity Index))(疾患の重篤度についてのスコア)とともに上昇し(図3)、健常コントロール(77pmol/L)と比較して、平均135pmol/L、と上昇した。死亡率の予測(Prognose der Mortalitaet)について、受信者−操作者−特性分析によって、0.89のAUCを得た。死亡率を予測するための最良のカットオフ値(感度と重篤度との最大の積として定義される)を、受信者−操作者−特性分析によって測定した:194.5pmol/L。このカットオフ値において、上記予後の感度は、100%であり、特異性は、81.2%であった。194.5pmol/Lのカットオフ値における死亡率の尤度率は、5.5であった。
【0059】
【表4】

悪化したCOPD
慢性閉塞性肺疾患に罹患し、同時に下気道の感染を同時に罹患している53名の患者のCT−プロADMを測定した。これら患者のCT−プロADM濃度は、健常コントロール(77pmol/L)と比較して、平均106pmol/Lと、上昇したが、肺炎に罹患している患者のものより低かった(135pmol/Lを超えるのを参照のこと)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントからなる診断マーカー。
【請求項2】
疾患を診断および/または該疾患の危険性を層化するための方法であって、該方法は、CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントが、試験されるべき患者において測定されることで特徴づけられる、方法。
【請求項3】
前記方法は、インビトロ診断であることで特徴づけられる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症の前記診断もしくは該疾患の危険性の層化は、インビトロで測定されることで特徴づけられる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記心疾患は、高血圧症、冠動脈性心疾患、特に、急性冠症候群、(急性)心筋梗塞、狭心症を含むことで特徴づけられる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記心機能不全は、慢性心機能不全、(欝血性)心機能不全を伴う高血圧性心疾患、(欝血性)心機能不全を伴う高血圧性心腎疾患、原発性右心不全、二次的右心不全、苦痛を伴わない左心不全(NYHA[New York Heart Association]ステージI)、増大したストレス下で苦痛を伴う左心不全(NYHA ステージII)、軽いストレス下で苦痛を伴う左心不全(NYHA ステージIII)、安静時に苦痛を伴う左心不全(NYHA ステージIV)、心原性ショック、心筋炎、心不整脈および/または高血圧症を含むことで特徴づけられる、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記肺および気道の感染および/もしくは炎症は、
a)細菌、ウイルス、真菌もしくは寄生生物によって引き起こされる感染、深部気道感染(LRTI:下気道感染)、気管支炎、肺炎、サルコイドーシス、気管支拡張症、非心原性肺浮腫ならびに/または
b)間質性肺疾患および肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特に、COPD感染悪化、気管支喘息、特に、気管支喘息による感染悪化、気管支癌腫、
を含むことで特徴づけられる、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
炎症マーカー、心血管マーカー、神経ホルモンマーカー、虚血マーカーから選択されるさらに少なくとも1種のさらなるマーカーは、試験されるべき患者において測定されることで特徴づけられる、請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記炎症マーカーは、C反応性タンパク質(CRP)、TNF−αのようなサイトカイン、IL−6のようなインターロイキン、プロカルシトニン(1〜116、3〜116)およびVCAMもしくはICAMのような接着分子の群からの少なくとも1種のマーカーから選択されることで特徴づけられる、請求項2〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記心血管マーカーは、クレアチンキナーゼ、キナーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、コペプチン、ミオグロビン、ナトリウム利尿性タンパク質、特に、ANP(もしくはANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、NT−プロBNP、または各場合において、それらの部分配列、心筋トロポニン、CRP、ならびにプロ−ガストリン放出ペプチド(プロGRP)、プロ−エンドセリン−1、プロ−レプチン、プロ−ニューロペプチド−Y、プロ−ソマトスタチン、プロ−ニューロペプチド−YY、プロ−オピオメラノコルチンのような循環を制御する(プロ)ホルモン、または各場合において、それらの部分配列の群からの少なくとも1種のマーカーから選択されることで特徴づけられる、請求項2〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記虚血マーカーは、トロポニンIおよびトロポニンT、CB−MBの群からの少なくとも1種のマーカーから選択されることで特徴づけられる、請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記神経ホルモンマーカーは、少なくともナトリウム利尿性タンパク質、特に、ANP(もしくは、ANF)、プロANP、NT−プロANP、BNP、プロBNP、NT−プロBNP、または各場合においてこれらの部分配列であることで特徴づけられる、請求項2〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記マーカーの並行した測定または同時の決定が行われることで特徴づけられる、請求項2〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記測定は、少なくとも1つの患者サンプルによって行われることで特徴づけられる、請求項2〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記測定は、自動分析デバイス、特にKryptorによって行われることで特徴づけられる、請求項2〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記測定は、迅速な試験によって、特に個々のパラメーターもしくは複数のパラメーターの測定を介して行われることで特徴づけられる、請求項2〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
患者の層化のための診断は、特に、患者の層化に関して、臨床的決定のために、特に、疾患の処置もしくは治療のための医薬を使用することによるさらなる処置、特に、集中医療もしくは救急救命医療において、および患者の入院のために行われることで特徴づけられる、請求項2〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記診断および/もしくは危険性の層化は、予後のため、鑑別診断的な早期診断および検出のため、重篤度の評価のため、ならびに該治療に付随する疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症の経過を評価するために行われることで特徴づけられる、請求項2〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症のインビトロ診断および/または危険性の層化のための、CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントの使用。
【請求項20】
心臓の診断における、CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントの使用。
【請求項21】
疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症のインビトロ診断および/または危険性の層化のためのマーカー組み合わせに含まれる、CT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントの使用であって、該マーカー組み合わせは、請求項8〜12のいずれか1項に記載のさらなるマーカーを含むか、または必要であれば、さらなる適切なマーカーを含む、使用。
【請求項22】
請求項2〜18のいずれか1項に記載の方法を行うための診断デバイス。
【請求項23】
疾患、特に、心血管疾患、心機能不全、肺および気道の感染および/もしくは炎症のインビトロ診断および/または危険性の層化のためのキットであって、該キットは、マーカーCT−プロADM(配列番号1)、またはその部分ペプチドもしくはフラグメントを測定するための検出試薬を含むか、またはマーカー組み合わせに含まれ、そしてデバイスを含み、該マーカー組み合わせは、請求項8〜12のいずれか1項に記載されるさらなるマーカーを含む、キット。
【請求項24】
CT−プロADM(配列番号1)の検出のための抗体。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公表番号】特表2010−513879(P2010−513879A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541760(P2009−541760)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002300
【国際公開番号】WO2008/074315
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(509091332)ブラームズ アクチェンゲゼルシャフト (12)
【Fターム(参考)】