説明

新規な軟質ポリウレタンフォーム

【課題】外部充填剤を用いずに、圧縮強度のような、良好な耐力特性と低い密度においても良好なヒステリシス、耐久性(耐疲労性)を持つ軟質フォ−ム。
【解決手段】ポリイソシアネートと、2種類の異なるポリオールとを硬質フォームを形成するようなフォーム形成条件下で反応させ、このようにして得られた硬質フォームを圧潰することによる、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。−100℃〜+25℃に主要なガラス転移を示さない軟質フォームが得られる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は軟質ポリウレタンフォームと、このような軟質ポリウレタンフォームの製造方法とに関する。
軟質ポリウレタンフォームは広く知られている。このようなフォームは比較的高いレジリエンス(反撥弾性)と、比較的低い弾性率(モジュラス)と、比較的高いたるみ係数(sag factor)と、比較的低いヒステリシス損とを示す。
【0002】
このようなフォームはさらに、周囲温度より低い、一般に−100℃〜−10℃の温度範囲内の主要なガラス−ゴム転移を示す。このようなフォームに一般的に用いられる比較的高い分子量のポリエーテル及びポリエステルポリオールが周囲以下のガラス転移温度(Tg)の原因である。これらのポリエーテル及びポリエステルポリオールはしばしば軟質セグメントと呼ばれる。Tgを越えると、フォームは、イソシアネート誘導ウレタン/尿素クラスター(“硬質ドメイン”)の軟化及び/又は溶融がおこなわれるまで、その典型的な軟質特性を示す。
【0003】
この軟化及び/又は溶融温度(Tg及び/又はTm)はしばしばポリマーセグメントの熱崩壊の開始と一致する。軟質ポリウレタンフォームのTg及び/又はTmは一般に100℃より高く、200℃を越えることさえある。Tgでは、軟質フォームの弾性率の急激な低下が観察される。TgとTg/Tmとの間では、弾性率は温度が上昇してもかなり一定に留まるが、Tg/Tmでは弾性率のかなりの低下が再びおこなわれる。Tgsの存在を表す方法は、動的機械的熱分析(Dynamic Mechanical Thermal Analysis)(ISO/DIS 6721-5によって測定したDMTA)に準拠した−100℃と+25℃とにおけるヤング貯蔵弾性率(Young's storage modulus)E’の比を測定することである。慣用的軟質ポリウレタンフォームに関しては、E’(−100℃)/E’(+25℃)比は少なくとも25である。
【0004】
DMTA(ISO/DIS 6721-5)によるTgsの他の特徴は、慣用的軟質ポリウレタンフォームに関しては、−100℃/+25℃の温度範囲にわたるヤング損失弾性率E”/ヤング貯蔵弾性率E’の比の最大値(tanδmax)が一般に0.20〜0.80の範囲内で変化することである。ヤング損失弾性率E”もDMTA(ISO/DIS 6721-5)によって測定される。
【0005】
本明細書において、ポリウレタンフォームは、反撥弾性率[プレフレックス(preflex)コンディショニングを施用せず、1つのサンプルにつき1反撥弾性値のみを測定し、試験片を23℃±2℃(相対湿度50±5%)においてコンディショニングするという条件で、ISO 8307に従って測定]が三次元方向の少なくとも1つにおいて少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは55〜85%であるときに、軟質と見なされる。本明細書においてISO 8307を引用する場合に、これは但し書きを含めて上述した試験を意味する。このような軟質フォームは好ましくは500kPa以下、より好ましくは350kPa以下、最も好ましくは10〜200kPa(ISO/DIS 6721-5によるDMTAによって測定されたヤング貯蔵弾性率)の25℃におけるヤング貯蔵弾性率を有する。さらに、このような軟質フォームは好ましくは少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも3.5、最も好ましくは4.5〜10(ISO 3386/1によって測定)のたるみ係数(CLD 65/25)を有する。さらにこのような軟質フォームは好ましくは55%未満、より好ましくは50%未満、最も好ましくは45%未満のCLDヒステリシス損(ISO 3386/1)を有する。
【0006】
本明細書においては、ポリウレタンフォームは3〜27kg/m3のフリーライズコア密度(free rise core density)においてISO 8307に従って測定したときに反撥弾性が40%未満であるならば、硬質(rigid)と見なされる。
【0007】
このような硬質フォームのE’(−100℃)/E’(+25℃)比は好ましくは1.3〜15である。
慣用的軟質フォームは、ポリイソシアネートと比較的高分子量のイソシアネート反応性ポリマー、しばしばポリエステル又はポリエーテルポリオールとを、発泡剤の存在下で、任意にさらに限定量の比較的低分子量の連鎖延長剤と架橋剤を用いて、さらに任意に例えば触媒、界面活性剤、難燃剤、安定剤及び酸化防止剤のような添加剤を用いて反応させることによって製造される。比較的高分子量のイソシアネート反応性ポリマーは一般にフォームの最高重量部分を表す。このような軟質フォームはワンショットプロセス、準−若しくは半−プレポリマープロセス又はプレポリマープロセスに従って製造することができる。このような軟質フォームは成形フォーム又はスラブ材(slabstock)フォームであることができ、家具と自動車座席及びマットレスにおけるクッション材料として、おむつにおける親水性フォームとして並びに包装用フォームとして用いることができる。さらに、これらは音響用途に、例えば遮音材料として用いることができる。これらの慣用的軟質フォームの先行技術の例はEP−10850、EP−22617、EP−111121、EP−296449、EP−309217、EP−309218、EP−392788及びEP−442631である。
【0008】
慣用的な硬質フォームは、しばしばポリイソシアネートが大きいイソシアネート官能性(functionality)を有し、高分子量ポリオールの使用量が少なく、架橋剤の量と官能性とが大きいという条件で、同様な方法で製造される。
【0009】
WO92/12197は、発泡剤及びセルオープナー(cell opener)として作用する水を含むポリウレタンフォーム処方(formulation)を型において反応させることによって得られるエネルギー吸収性、連続起泡性、水−発泡性(water-blown)硬質ポリウレタンフォームを開示しており、この場合に硬化したフォームは約32〜72kg/m3の成形密度(moulded density)と、70psi未満の負荷時に10〜70%の一定の撓みに留まる圧潰強さ(crush strength)とを有する。これらのフォームは最小のスプリングバック又はヒステリシスを有する。
【0010】
英国特許第2096616号は方向的軟質化した、硬質の独立気泡性プラスチックフォームを開示している。この硬質フォームは例えば管用断熱材に用いるために軟質化される。気泡は独立した状態に留めるべきである。
【0011】
米国特許第4299883号は、独立気泡を有するフォームをフォームがその本来の厚さの50〜66%まで回復するような程度に圧縮することによって製造される吸音材料を開示している。圧縮することによって、気泡は破壊され、フォームは軟質かつ弾性になり;このフォームをフェルトに代替することができる。この開示は主としてポリカルボジイミドフォームに関する。
【0012】
EP561216は改良された断熱性を有するフォームボードの製造を開示しており、このフォームは15〜45kg/m3の密度を持ち、1.2〜1.6の長軸対短軸の長さ比を有する異方性気泡を有し、これらの気泡はプレートの厚さ方向に圧潰されている。この開示は実際にポリスチレンボードに関する。この開示は改良された断熱性を有するフォームに関するので、フォームは実際に独立気泡を有する。
【0013】
EP641635は、17〜30kg/m3密度のボードを少なくとも2回、その本来の厚さの60〜90%まで圧潰することによって、最大10MN/m3の動的硬質を有するフォームボードの製造方法を開示している。独立気泡性ポリスチレンを用いるのが好ましい。実施例では、圧潰されたポリスチレンフォームが圧潰されないものよりも良好な断熱を示すことが示されている。
【0014】
米国特許第4454248号は、不完全硬化した硬質フォームを軟化し、圧潰し、再膨張させ、完全に硬化することから成る硬質ポリウレタンフォームの製造方法を開示している。
【0015】
意外にも、完全に新規な種類の軟質ポリウレタンフォームが−100℃〜+25℃に主要なガラス−ゴム転移を有さないようなフォームであることが発見された。より定量的な面では、これらのフォームは1.3〜15.0、より好ましくは1.5〜10、最も好ましくは1.5〜7.5のE’(−100℃)/E’(+25℃)比を示す。−100℃〜+25℃の温度範囲にわたってtanδmaxは0.2未満である。
【0016】
このようなフォームのフリーライズコア密度は4〜30kg/m3の範囲、好ましくは4〜20kg/m3の範囲である(ISO/DIS 845によって測定)。本発明によるフォームは、好ましくは50℃を越える、最も好ましくは80℃を越える主要ガラス−ゴム転移を有する。
【0017】
本発明による軟質ポリウレタンフォームは、ポリシアネートと多官能性イソシアネート反応性ポリマーとをフォーム形成条件下で反応させて、硬質ポリウレタンフォームを得て、次にこの硬質ポリウレタンフォームを圧潰することによって製造される。さらに、本発明はこのような硬質フォームの製造方法と、このようなフォームを製造するための成分を含む反応系とに関する。
【0018】
本発明に関して、下記用語は下記意味を有する:
(1)イソシアネート指数又はNCO指数又は指数:
([NCO]×100)/[活性水素](%)
として与えられる、処方中に存在するイソシアネート反応性水素原子に対するNCO基の比。
【0019】
換言すると、NCO指数は処方中に使用されたイソシアネート反応性水素の量と反応させる理論的に必要なイソシアネート量に対して処方中に実際に用いられるイソシアネート%を表す。
【0020】
本明細書に用いられるイソシアネート指数が、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを必要とする実際の発泡プロセスの見地から考えられたものであることに注目すべきである。修飾ポリイソシアネート(当該技術分野において準プレポリマー若しくは半プレポリマー及びプレポリマーと呼ばれるようなイソシアネート誘導体を包含する)を製造するための予備段階で消費されるイソシアネート基又は予備段階で消費される活性水素(例えば、イソシアネートと反応して、修飾ポリオール又はポリアミンを製造するもの)はイソシアネート指数の計算に考慮されていない。実際の発泡段階において存在する遊離イソシアネート基と遊離イソシアネート反応性水素(水の水素を包含する)のみが考慮される。
【0021】
(2)イソシアネート指数を計算するために本明細書で用いられる“イソシアネート反応性水素原子”なる表現は、反応性組成物中に存在するヒドロキシル基及びアミン基中の活性水素の総量を意味する;これは、実際の発泡プロセスにおいてイソシアネート指数を計算するためには1個のヒドロキシル基が1個の反応性水素を含むと考え、1個の第1級アミン基が1個の反応性水素を含むと考え、1個の水分子は2個の反応性水素を含むと考えることを意味する。
【0022】
(3)反応系:ポリイソシアネートがイソシアネート反応性要素とは別の1個以上の容器に保持される要素の組合せ。
(4)本明細書で用いられる“ポリウレタンフォーム”なる表現は、ポリイソシアネートとイソシアネート反応性水素含有化合物とを発泡剤を用いて反応させることによって得られる気泡構造(cellular)生成物を意味し、特に、反応性発泡剤としての水(尿素結合と、二酸化炭素とを生じ、ポリ尿素−ウレタンフォームを製造する、水とイソシアネート基との反応を包含する)と、イソシアネート反応性化合物としてのポリオール、アミノアルコール及び/又はポリアミンとによって得られる気泡構造生成物を包含する。
【0023】
(5)“平均公称ヒドロキシル官能価(average nominal hydroxyl functionality)”なる用語は、これがこれらの製造に用いられる1又は2以上の開始剤の数平均官能価(1分子当たりの活性水素原子数)であると(実際には、若干の末端不飽和結合のためにしばしば幾らか少ないとしても)想定して、ポリオール又はポリオール組成物の数平均官能価(1分子当たりのヒドロキシル基数)を示すように本明細書で用いられる。
【0024】
(6)“平均”なる用語は、他に指定しない限り、数平均を意味する。
本発明によるフォームは、ポリイソシアネート(1)と、374以下の平均当量(equivalent weight)と2〜8のイソシアネート反応性水素原子の平均数とを有するイソシアネート反応性化合物(2)と、374を越える平均当量と、2〜6のイソシアネート反応性水素原子の平均数とを有するイソシアネート反応性化合物(3)と、水とを反応させて、硬質ポリウレタンフォームを形成し、この硬質ポリウレタンフォームを圧潰することによって製造される。
【0025】
さらに、本発明は上記成分を含む反応系に関する。本発明はまた、上記成分を用いる硬質ポリウレタンフォームの製造方法にも関する。
さらに詳しくは、本発明によるフォームは、ポリイソシアネート(1)と、少なくとも150mgのKOH/gのヒドロキシル数と2〜8の平均公称ヒドロキシル官能価とを有するポリオール(2)と、10mgから150mg未満までのKOH/gのヒドロキシル数と2〜6の平均公称ヒドロキシル官能価とを有するポリオール(3)と、水とを反応させて、硬質ポリウレタンフォームを形成し、この硬質ポリウレタンフォームを圧潰することによって製造される。
【0026】
本発明の方法に用いるための適当な有機ポリイソシアネートは、脂肪族、脂環式、脂芳香族(araliphatic)及び好ましくは芳香族ポリイソシアネート、例えば2,4−及び2,6−異性体としてのトルエンジイソシアネートとこれらの誘導体、2,4’−、2,2’−及び4,4’−異性体としてのジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と当該技術分野において“粗(crude)”若しくはポリマーMDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート)として知られる2より大きいイソシアネート官能価を有するそのオリゴマーとの混合物、ウレタン基、アロファネート基、尿素基、ビウレット基、カルボジイミド基、ウレトンイミン(uretonimine)及び/又はイソシアヌレート基を含むMDIの既知変形のような、硬質ポリウレタンフォームの製造のために当該技術分野において知られた任意のポリイソシアネートを包含する。
【0027】
イソシアネート反応性化合物(2)は、例えばポリアミン、アミノアルコール及びポリオールのような、この目的のために当該技術分野で知られた任意の化合物を包含する。硬質フォームの製造のために特に重要であるのは、少なくとも150mgKOH/gのヒドロキシル数と2〜6の平均公称ヒドロキシル官能価とを有する、ポリオール及びポリオール混合物である。適当なポリオールは先行技術に詳しく述べられており、例えばエチレンオキシド及び/プロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドと、1分子当たり2〜8個の活性水素原子を含有する開始剤との反応生成物を包含する。適当な開始剤は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリトリトール、ソルビトール及びスクロースのようなポリオール;例えばエチレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン及びポリメチレンポリフェニレンポリアミンのようなポリアミン;例えばエタノールアミン及びジエタノールアミンのようなアミノアルコール;並びにこのような開始剤の混合物を包含する。他の適当なポリオールは適当な割合のグリコールとこれより高度な官能価のポリオールと、ポリカルボン酸との縮合によって得られるポリエステルを包含する。さらに他の適当なポリオールはヒドロキシル末端ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリオレフィン及びポリシロキサンを包含する。さらに他の適当なイソシアネート反応性化合物はエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び他の前記開始剤を包含する。このようなイソシアネート反応性化合物の混合物も同様に使用可能である。
【0028】
イソシアネート反応性化合物(3)は例えばポリアミン、アミノアルコール及びポリオールのような、この目的のために当該技術分野で知られた任意の化合物を包含する。硬質フォームの製造のために特に重要であるのは、10mgから150mg未満まで、好ましくは15〜60mgKOH/gのヒドロキシル価と2〜6、好ましくは2〜4の平均公称ヒドロキシル官能価とを有する、ポリオール及びポリオール混合物である。これらの高分子量ポリオールは先行技術に一般に知られており、例えばエチレンオキシド及び/プロピレンオキシドのようなアルキレンオキシドと、1分子当たり2〜6個の活性水素原子を含有する開始剤との反応生成物を包含する。適当な開始剤は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリトリトール及びソルビトールのようなポリオール;例えばエチレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン及びポリメチレンポリフェニレンポリアミンのようなポリアミン;例えばエタノールアミン及びジエタノールアミンのようなアミノアルコール;並びにこのような開始剤の混合物を包含する。
【0029】
他の適当なポリオールは適当な割合のグリコール及びより高度な官能価のポリオールと、ポリカルボン酸との縮合によって得られるポリエステルを包含する。さらに他の適当なポリオールはヒドロキシル末端ポリチオエーテル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリオレフィン及びポリシロキサンを包含する。好ましいポリオールはエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位を含むポリエーテルポリオールであり、最も好ましくは、少なくとも20重量%のエチレン含量を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオールである。使用可能である他のポリオールは、上記種類のポリオール中の付加又は縮合ポリマーの分散系又は溶液を含む。しばしば“ポリマー”ポリオールと呼ばれる、このような修飾ポリオールは先行技術に詳しく述べられており、例えばポリエーテルポリオールのようなポリマーポリオール中の例えばスチレン及びアクリロニトリルのような1種以上のビニルモノマーの現場重合によって、又はポリマーポリオール中でのポリイソシアネートと例えばトリエタノールアミンのようなアミン−若しくはヒドロキシ−官能性化合物との現場反応によって得られる生成物を包含する。
【0030】
本発明によって特に重要であるポリマー修飾ポリオールは、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリオール中のスチレン及び/又はアクリロニトリルの現場重合によって得られる生成物と、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリオール中のポリイソシアネートとアミノ−又はヒドロキシ−官能性化合物(例えば、トリエタノールアミン)との現場反応によって得られる生成物である。5〜50%の分散したポリマーを含有するポリオキシアルキレンポリオールが特に有用である。50μ未満の分散ポリマーの粒度が好ましい。このようなイソシアネート反応性化合物の混合物も同様に使用可能である。
イソシアネート反応性化合物(2)と(3)又はポリオール(2)と(3)の相対的量は広範囲に変化することができるが、好ましくは0.1:1から4:1(w:w)までの範囲である。
【0031】
反応させるべきポリイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との相対的量は広い範囲内で変化しうる。一般に、25〜300、好ましくは30〜200、最も好ましくは40〜150のイソシアネート指数が適用される。
【0032】
フォームを製造するために、水を膨張剤として用いることができる。しかし、水の量が所望のフォーム密度を得るために充分でないならば、例えば、低圧若しくは可変な圧力の使用、空気、N2及びCO2のようなガスの使用、例えばクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、炭化水素及びフルオロカーボンのようなより慣用的な発泡剤の使用、他の反応性発泡剤、即ち、反応混合物の成分のいずれかと反応して、この反応のために混合物を発泡させるガスを放出する作用剤の使用、並びに例えば酸化ホスホレンのようなカルボジイミド形成強化触媒のような、ガス形成を生じる反応を強化する触媒の使用のような、他の任意の既知ポリウレタンフォーム製造方法を付加的に用いることができる。これらのフォーム形成方法の組合せも使用可能である。発泡剤量は広範囲に変化することができ、主として所望の密度に依存する。水は周囲温度未満、周囲温度又は高温において液体として、及びスチームとして使用することができる。
【0033】
ポリイソシアネート(1)、イソシアネート反応性化合物(2)及び化合物(3)又はポリオール(2)及びポリオール(3)並びに水の合計量100重量部につき、好ましくは、化合物(2)又はポリオール(2)の量は2〜20重量部の範囲であり、化合物(3)又はポリオール(3)の量は5〜35重量部の範囲であり、水の量は1〜17重量部の範囲であり、残部はポリイソシアネートである。これは本発明の他の態様を包含する:環状ポリイソシアネート、さらに詳しくは芳香族ポリイソシアネート、さらに一層詳しくはMDI又はポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを用いる場合には、軟質フォーム中の環状残基の含量、さらに詳しくは芳香族残基の含量は慣用的軟質ポリウレタンフォームに比べて比較的大きい。本発明によるフォームは好ましくは、フォームの重量に基づいて30〜56重量%、最も好ましくは35〜50重量%である芳香族ポリイソシアネート由来ベンゼン環含量を有する。ベンゼン環を含有するポリオール、ポリマーポリオール、難燃剤、連鎖延長剤及び/又は充填剤を用いることができるので、軟質フォームの総ベンゼン環含量は大きくなる可能性があり、算出フーリエ変換赤外分析によって測定したときに、好ましくは30〜70重量%、最も好ましくは35〜65重量%の範囲である。
【0034】
ポリイソシアネートの他に、イソシアネート反応性化合物と発泡剤、ポリウレタンフォームの製造に関してそれ自体公知の、1種以上の補助剤又は添加剤が使用可能である。このような任意の補助剤又は添加剤は、気泡安定剤又は界面活性剤、例えばシロキサン−オキシアルキレンコポリマー及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ウレタン/尿素触媒、例えばスズ化合物(例えばオクタン酸第1スズ若しくはジブチルスズジラウレート)及び/又は第3級アミン(例えばジメチルシクロヘキシルアミン若しくはトリエチレンジアミン)及び/又はリン酸塩(例えばNaH2PO4及びNa2HPO4)、及び難燃剤、例えばハロゲン化アルキルホスフェート(例えばトリスクロロプロピルホスフェート)、メラミン及びグアニジンカーボネート、酸化防止剤、UV安定剤、抗菌性及び抗真菌性化合物、並びに充填剤、例えばラテックス、TPU、シリケート、硫酸バリウムと硫酸カルシウム、チョーク、ガラス繊維若しくはビーズ及びポリウレタン廃棄物を包含する。
【0035】
本発明による硬質フォームの製造プロセスの実施には、既知のワンショット、プレポリマー又は半プレポリマー方法を慣用的な混合方法と共に用いることができ、スラブ材として、布帛及び現場発泡用途のフォーム、噴霧フォーム(sprayed foam)、泡立てフォーム(frothed foam)又は例えばハードボード、石膏ボード、プラスチック、紙若しくは金属のような他の物質と又は他のフォーム層とのラミネートを包含する成形体として硬質フォームを製造することができる。
【0036】
多くの用途において、ポリウレタン製造のための要素を一次ポリイソシアネートオヨビイソシアネート反応性要素の各々に基づくプレブレンド済み(preblended)組成物として提供することが便利である。特に、溶液、エマルジョン又は分散系の形状でイソシアネート反応性化合物(2)及び(3)の他に補助剤、添加剤及び発泡剤を含有するイソシアネート反応性組成物を用いることができる。
【0037】
上記成分を反応させ、フォームがもはや膨張しなくなるまで、発泡させることによって、硬質フォームが製造される。次いで、フォームを圧潰することができる。しかし、得られた硬質フォームを圧潰の前に80℃未満に、好ましくは50℃未満に、最も好ましくは周囲温度に冷却することが好ましい。膨張(rise)後に、フォームの硬化を望むかぎり長く続けることができる。一般に、1分間〜24時間、好ましくは5分間〜12時間の硬化時間で充分である。必要な場合には、硬化を高温においておこなうことができる。硬質フォーム(即ち、圧潰前)は好ましくは3〜27kg/m3、最も好ましくは3〜18kg/m3の密度を有する。
【0038】
製造された硬質フォーム(即ち、圧潰前)はかなりの量の連続気泡を有する。硬質フォームの気泡は大部分が連続していることが好ましい。
圧潰は任意の既知の方法で、任意の既知の手段によっておこなうことができる。圧潰は例えばフォームに平たい面若しくは予成形面を用いて機械的な力を加えることによって、又は種々な外部圧力を加えることによっておこなうことができる。
【0039】
大抵の場合に、フォームのサイズを圧潰方向に1〜90%、好ましくは50〜90%減少させるために充分な機械的力が適当であろう。必要な場合には、圧潰を繰り返す及び/又はフォームの異なる方向におこなうことができる。圧潰のために、反撥弾性は圧潰方向においてかなり増強する。圧潰のためにフォームの密度も増加する。一般に、この増加は圧潰前の密度の30%を越えないであろう。
【0040】
圧潰の方向は特にフォームの密度、フォームの剛性、用いる圧潰装置の種類に依存するので、圧潰方向をより正確にすることは困難であるが、当業者はポリウレタンフォームの圧潰現象を充分に知っているので、上記ガイダンスによって、さらに下記実施例を考慮するならば確実に、適当な圧潰方法及び手段を決定することができるであろうと考えられる。
【0041】
圧潰後に、特別な性質を有する、新規な軟質フォームが得られる。フォームが軟質であるという事実にも拘わらず、前述したように、フォームは−100℃〜+25℃の温度範囲にわたってヤング貯蔵弾性率E’の有意な変化を示さない。このフォームは難燃剤添加剤の不存在下でも良好な難燃性を示す。芳香族ポリイソシアネートから製造されたフォームの酸素指数(oxygen index)は好ましくは20より大きい(ASTM 2863)。さらに、このフォームは25℃において500kPa以下、好ましくは350kPa以下、最も好ましくは10〜200kPaのヤング貯蔵弾性率と、少なくとも2.0、好ましくは少なくとも3.5、最も好ましくは4.5〜10のたるみ係数(CLD 65/25、ISO 3386/1)とを示す。このフォームのCLDヒステリシス損値は55%未満、好ましくは50%未満である(この値は、式:
[(A−B)/A]×100%
によって算出される、式中、AとBはISO 3386/1によって測定した、負荷(A)及び非負荷(B)の応力/歪み曲線下の面積を表す)。さらになお、これらのフォームはフォーム圧縮下での側方延伸(lateral extension)試験によって測定して非常に低いポアソン比又は負のポアソン比で製造されることができる。最後に、これらのフォームの圧縮永久歪み値は一般に低く、好ましくは40%未満である(ISO 1856方法A,標準方法)。
【0042】
Tghがあまり高くないならば、このフォームを熱成形プロセスに用いて成形体を製造することができる。このような熱成形用途のために、フォームのTghは好ましくは80〜180℃、最も好ましくは80℃〜160℃である。
【0043】
さらに、フォームは、外部充填剤を用いずに、圧縮硬度のような、良好な耐力特性を非常に低い密度においても良好なヒステリシス、引裂き強度及び耐久性(耐疲労性)と共に示す。慣用的な軟質フォームでは、満足できる耐力特性を得るために、しばしば、多量の充填剤を用いることが必要である。このような多量な充填剤は粘度上昇のために加工を妨害する。
【0044】
本発明のフォームは、家具と自動車座席及びマットレスにおけるクッション材料として、おむつにおける親水性フォームとして、包装用フォームとして、自動車用途における遮音用及び一般に防振用フォームとして用いることができる。
【0045】
下記実施例によって、本発明をさらに説明する。
実施例1
30.7重量%のNCO値と2.7のイソシアネート官能価とを有するポリマーMDI(56.6重量%)と、31重量%のNCO値と2.09のイソシアネート官能価と17重量%のウレトンイミン含量と20重量%の2,4’−MDI含量とを有するウレトンイミン修飾MDI(43.4重量%)とを混合することによって、ポリイソシアネート混合物を調製した。
【0046】
32.2重量部(pbw)の分子量200を有するポリエチレングリコールと、4.5pbwのエチレングリコールと、42.6pbwのEO/POポリオール(公称官能価2、EO含量20.2重量%(全てチップされた(tipped))及びヒドロキシル価30mg KOH/gを有する)と、5.5pbwのジエタノールアミンと、14.5pbwの水と、0.7pbwのジ−ブチル−スズジラウレートとを混合することによって、イソシアネート反応性組成物を調製した。この組成物はエマルジョンであった。
【0047】
106.1pbwのポリイソシアネート混合物と46.9pbwのイソシアネート反応性組成物(イソシアネート指数75.5)とをHeidolphTM機械的ミキサーを用いて5000回転/分(rpm)の速度で13秒間混合した。混合後に、反応混合物を開放5リットル容器(bucket)に注入し、反応させた。反応混合物を容器に注入する前に、容器の内壁に離型剤(release agent)DesmotrolTMD−10RTを塗布した。フォームが膨張を停止してから2.5分間後に(フォーム膨張時間70秒間)、フォームを容器から取り出し、周囲温度に冷却した。硬質ポリウレタンフオームが得られた。次に、性質評価のために、フォームの中心からコアフォームサンプルを切り取った。フリーライズコア密度は11kg/m3(ISO/DIS 845)であった。次に、サンプルをフラットプレートを取り付けたInstronTM機械的試験機を用いて膨張方向において1回圧縮(70%CLD)によって圧潰した。
【0048】
圧潰後に、−100℃〜+25℃に主要なガラス−ゴム転移を有さず、下記性質を有する軟質フォームが得られた:
フリーライズコア密度(ISO/DIS 845,kg/m3) 13
反撥弾性(ISO 8307,%)、圧潰方向において測定 59
破断点引張り強さ(ISO-1798,kPa) 71
破断点伸び(ISO-1798,%) 30
引裂き強さ(ISO/DIS 8067,N/m) 70
圧縮永久歪み(ISO 1856,方法A,%) 38
CLD−25%(ISO 3386/1,kPa) 3.2
(CLD=圧縮荷重撓み(compression load deflection))
CLD−40%(ISO 3386/1,kPa) 5.2
CLD−65%(ISO 3386/1,kPa) 18.3
CLDたるみ係数(ISO 3386/1) 5.7
CLDヒステリシス損(ISO 3386/1,%) 48
tanδmax(−100℃〜+25℃)(ISO/DIS 6721-5) 0.06
酸素指数(ASTM 2863,%) 20.5
ヤング貯蔵弾性率比E’(−100℃)/E’(+25℃)(ISO/DIS 6721-5) 2.0
ヤング貯蔵弾性率(25℃)(ISO/DIS 6721-5,kPa) 180
ベンゼン含量、重量%(計算) 43.5
圧縮フォーム性質はフォームの膨張/圧潰方向において測定した。
【0049】
DMTA試験
3点曲げモード(3-point bending mode)を用いてRheometric Scientific DMTA装置でISO/DIS 6721-5に従って、測定をおこなった。サンプル試験片サイズは長さ1.0cm、幅1.3cm、厚さ0.4cmであった。加えた歪み振幅64x10-4cm、周波数1Hz、加熱速度3℃/分。フォームサンプルを23℃/50%RHにおいて試験前24時間プレコンディショニングした。フォームサンプルを−120℃に急冷し(冷却速度8.5℃/分)、この温度に5分間維持した後に、サンプル加熱を開始した。
【0050】
実施例2
3種類のイソシアネート反応性ブレンド(ブレンドA、B、C)を調製した。
ブレンドAは200pbwの実施例1のEO/POポリオールと6.5pbwの“DABCO”T9(AIR PRODUCTS社からの触媒、DABCOは商標)とを混合することによって調製した。ブレンドBは75.5pbwの分子量200のポリエチレングリコールと5.56pbwの“IRGANOX”5057(Ciba-Geigy社からの酸化防止剤、IRGANOXは商標)とを混合することによって調製した。ブレンドCは23.5pbwのトリエチレングリコールと、40.0pbwの水と、0.6pbwの一塩基性リン酸ナトリウムとを混合することによって調製した。
【0051】
166.1pbwのブレンドAと、65.2pbwのブレンドBと、51.6pbwのブレンドCと、617.1pbwの実施例1のイソシアネートブレンド(イソシアネート指数100)とを“Ytron”(商標)機械的ミキサーを用いて3500rpmの速度で13秒間混合した。混合後に、反応混合物を開放50x50x30cm3木製型に注入した。反応混合物を木製型に注入する前に、内壁を紙で覆った。フォームが膨張を停止してから1時間後に(フォーム膨張時間70秒間)、フォームを容器から取り出し、周囲温度に冷却した。硬質ポリウレタンフオームが得られた。フォームを実施例1と同様に切り取り、圧潰した。
【0052】
圧潰前のフリーライズコア密度は13kg/m3であった。
圧潰後に、−100℃〜+25℃に主要なガラス−ゴム転移を有さず、下記性質を有する軟質フォームが得られた:
フリーライズコア密度(kg/m3) 15
反撥弾性(%) 62
破断点引張り強さ(kPa) 67
破断点伸び(%) 49
圧縮永久歪み(%) 31
CLD−40% 7.1
ヤング貯蔵弾性率比[E’(−100℃)/E’(+25℃)] 2.8
ヤング貯蔵弾性率(kPa) 158
ベンゼン含量、重量%(計算) 42.6
実施例3
2種類のイソシアネート反応性ブレンド(ブレンドA、B)を調製した。ブレンドAは30pbwの実施例1のEO/POポリオールと、0.3pbwの“DABCO”T9と、0.3pbwの1−メチル−1−オキソ−ホスホレン(Hoechstからのカルボジイミド触媒)とを混合することによって調製した。ブレンドBは11.3pbwの分子量200のポリエチレングリコールと、1.95pbwのジエタノールアミンと、1.58pbwのエチレングリコールと、4.5pbwの水とを混合することによって調製した。
【0053】
26.9pbwのブレンドAと、17.3pbwのブレンドBと、108.6pbwの実施例1のイソシアネートブレンド(イソシアネート指数123)とをHeidolphTM機械的ミキサーを用いて5000回転/分(rpm)の速度で13秒間混合した。混合後に、反応混合物を開放5リットル容器に注入して、反応させた。フォームが膨張を停止してから1時間後に(フォーム膨張時間70秒間)、フォームを容器から取り出し、周囲温度に冷却した。16kg/m3のフリーライズ密度を有する硬質ポリウレタンフオームが得られた。減衰全反射フーリエ変換赤外分析はカルボジイミド基(2140cm−1にシグナル)の存在を示した。
【0054】
圧潰後に、実施例1に述べたように、−100℃〜+25℃に主要なガラス−ゴム転移を有さず、下記性質を有する軟質フォームが得られた(試験方法は実施例1と同様):
フリーライズコア密度(kg/m3) 18
反撥弾性(%) 48
ヤング貯蔵弾性率比[E’(−100℃)/E’(+25℃)] 2.5
ヤング貯蔵弾性率(kPa) 126
ベンゼン含量、重量%(計算) 42.9
発明の説明
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の発明を包含する。
(1) ポリイソシアネート(1)と、374以下の平均当量と2〜8のイソシアネート反応性水素原子の平均数とを有するイソシアネート反応性化合物(2)と、374を越える平均当量と2〜6のイソシアネート反応性水素原子の平均数とを有するイソシアネート反応性化合物(3)と、水とを反応させることによる硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、ここで、化合物(2)、化合物(3)及び水の量(ポリイソシアネート、化合物(2)、化合物(3)及び水の100重量部当たり)がそれぞれ2〜20重量部、5〜35重量部及び1〜17重量部の範囲である、上記方法。
(2) ポリイソシアネート(1)と、少なくとも150mg KOH/gのヒドロキシル数と2〜8の平均公称ヒドロキシル官能価とを有するポリオール(2)と、10から150未満までのヒドロキシル数と2〜6の平均公称ヒドロキシル官能価とを有するポリオール(3)と、水とを反応させることによる硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、ポリオール(2)、ポリオール(3)及び水の量(ポリイソシアネート、ポリオール(2)、ポリオール(3)及び水の100重量部当たり)がそれぞれ2〜20重量部、5〜35重量部及び1〜17重量部の範囲である、上記方法。
(3) 化合物(2):化合物(3)の重量比が0.1〜4:1である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4) フォームのフリーライズコア密度が3〜27kg/mである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) フォームのフリーライズコア密度が3〜18kg/mである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(6) (1)〜(5)に従って得られる硬質フォームを圧潰することを含む、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(7) (1)〜(3)に記載したような、ポリイソシアネート(1)、化合物(2)、化合物(3)及び水を(1)〜(3)に記載した量で含む反応系。
(8) (1)〜(5)に従って得られるフォーム。
(9) (6)に従って得られるフォーム。
(10) −100℃〜+25℃に主要なガラス−ゴム転移を有さない軟質ポリウレタンフォーム。
(11) 1.3〜15のE’(−100℃)/E’(+25℃)比を有する軟質ポリウレタンフォーム。
(12) 4〜30kg/mのフリーライズコア密度を有する、(10)又は(11)に記載の軟質フォーム。
(13) フォームの重量に基づいて30〜70重量%のベンゼン環含量を有する、(10)〜(12)のいずれかに記載の軟質フォーム。
(14) 4.5〜10のたるみ係数を有する、(10)〜(13)のいずれかに記載の軟質フォーム。
(15) 25℃において10〜200kPaのヤング貯蔵弾性率を有する、(10)〜(14)のいずれかに記載の軟質フォーム。
(16) 少なくとも50%の反撥弾性を有する、(10)〜(15)のいずれかに記載の軟質フォーム。
(17) 55〜85%の反撥弾性を有する、(10)〜(16)のいずれかに記載の軟質フォーム。
(18) 45%未満のCLDヒステリシス損を有する、(10)〜(17)のいずれかに記載の軟質フォーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.3〜15のE’(−100℃)/E’(+25℃)比を有する軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項2】
4〜30kg/m3のフリーライズコア密度を有する、請求項1に記載の軟質フォーム。
【請求項3】
フォームの重量に基づいて30〜70重量%のベンゼン環含量を有する、請求項1又は2に記載の軟質フォーム。
【請求項4】
4.5〜10のたるみ係数を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の軟質フォーム。
【請求項5】
25℃において10〜200kPaのヤング貯蔵弾性率を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の軟質フォーム。
【請求項6】
少なくとも50%の反撥弾性を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の軟質フォーム。
【請求項7】
55〜85%の反撥弾性を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の軟質フォーム。
【請求項8】
45%未満のCLDヒステリシス損を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の軟質フォーム。

【公開番号】特開2006−89752(P2006−89752A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312507(P2005−312507)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【分割の表示】特願平8−533693の分割
【原出願日】平成8年4月16日(1996.4.16)
【出願人】(500030150)ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】