説明

方向性結合器

【課題】方向性結合器におけるカップリング信号の振幅特性を平坦に近づけることである。
【解決手段】所定の周波数帯域において用いられる方向性結合器10a。主線路Mは、外部電極14a,14b間に接続されている。副線路S1は、外部電極14cに接続され、かつ、主線路Mと電磁気的に結合している。副線路S2は、外部電極14dに接続され、かつ、主線路Mと電磁気的に結合している。ローパスフィルタLPF1は、副線路S1,S2間に接続され、所定の周波数帯域において、周波数が高くなるにしたがって0度以上180度以下の範囲で単調増加する絶対値を有する位相のずれを通過信号に対して生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向性結合器に関し、より特定的には、高周波信号により通信を行う無線通信機器等に用いられる方向性結合器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の方向性結合器としては、例えば、特許文献1に記載の方向性結合器が知られている。該方向性結合器は、コイル状導体及び地導体が形成された複数の誘電体層が積層されて構成されている。コイル状導体は、2本設けられている。一方のコイル状導体は、主線路を構成しており、他方のコイル状導体は副線路を構成している。主線路と副線路とは、互いに電磁気的に結合している。また、地導体は、積層方向からコイル状導体を挟んでいる。地導体には、接地電位が印加される。以上のような方向性結合器では、主線路に信号が入力されると、副線路からは、該信号の電力に比例する電力を有する信号が出力される。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の方向性結合器では、主線路と副線路との結合度が、主線路に入力してくる信号の周波数が高くなるにしたがって高くなってしまう(すなわち、カップリング信号の振幅特性が平坦ではない)という問題を有している。そのため、同じ電力の信号が主線路に入力したとしても、信号の周波数が変動すると、副線路から出力されてくる信号の電力が変動してしまう。よって、副線路に接続されているICでは、信号の周波数に基づいて、信号の電力を補正する機能を有している必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−237012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、方向性結合器におけるカップリング信号の振幅特性を平坦に近づけることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る方向性結合器は、所定の周波数帯域において用いられる方向性結合器であって、第1の端子ないし第4の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子との間に接続されている主線路と、前記第3の端子に接続され、かつ、前記主線路と電磁気的に結合している第1の副線路と、前記第4の端子に接続され、かつ、前記主線路と電磁気的に結合している第2の副線路と、前記第1の副線路と前記第2の副線路との間に接続されている位相変換部であって、位相のずれを通過信号に対して生じさせる位相変換部と、を備えていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、方向性結合器におけるカップリング信号の振幅特性を平坦に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態ないし第3の実施形態に係る方向性結合器の等価回路図である。
【図2】図2(a)は、ローパスフィルタを有さない従来の方向性結合器のカップリング信号の振幅特性を示したグラフである。図2(b)は、方向性結合器のカップリング信号の振幅特性を示したグラフである。
【図3】図3(a)は、第1の比較例に係る方向性結合器の回路図である。図3(b)は、第2の比較例に係る方向性結合器の回路図である。
【図4】図4(a)は、方向性結合器のカップリング信号の振幅特性を示したグラフである。図4(b)は、方向性結合器のカップリング信号の位相特性を示したグラフである。
【図5】図5(a)は、第3の比較例に係る方向性結合器の回路図である。図5(b)は、第4の比較例に係る方向性結合器の回路図である。
【図6】方向性結合器のアイソレーション特性を示したグラフである。
【図7】図7(a)は、方向性結合器のアイソレーション特性を示したグラフである。図7(b)は、方向性結合器のアイソレーション特性を示したグラフである。
【図8】第1の実施形態ないし第4の実施形態に係る方向性結合器の外観斜視図である。
【図9】第1の実施形態に係る方向性結合器の積層体の分解斜視図である。
【図10】第2の実施形態に係る方向性結合器の積層体の分解斜視図である。
【図11】第3の実施形態に係る方向性結合器の積層体の分解斜視図である。
【図12】第4の実施形態に係る方向性結合器の回路図である。
【図13】第4の実施形態に係る方向性結合器の積層体の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る方向性結合器について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態に係る方向性結合器について図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態ないし第3の実施形態に係る方向性結合器10a〜10cの等価回路図である。
【0011】
方向性結合器10aの回路構成について説明する。方向性結合器10aは、所定の周波数帯域において用いられる。所定の周波数帯域とは、例えば、824MHz〜915MHz(GSM800/900)の周波数帯域を有する信号及び1710MHz〜1910MHz(GSM1800/1900)の周波数帯域を有する信号が方向性結合器10aに入力される場合には、824MHz〜1910MHzである。
【0012】
方向性結合器10aは、外部電極(端子)14a〜14f(図1には外部電極14eは図示せず)、主線路M、副線路S1,S2及びローパスフィルタLPF1を回路構成として備えている。主線路Mは、外部電極14a,14b間に接続されている。副線路S1は、外部電極14cに接続され、かつ、主線路Mと電磁気的に結合している。副線路S2は、外部電極14dに接続され、かつ、主線路Mと電磁気的に結合している。副線路S1の線路長さと副線路S2の線路長さとは同じである
【0013】
また、ローパスフィルタLPF1は、副線路S1と副線路S2との間に接続され、所定の周波数帯域において、周波数が高くなるにしたがって0度以上180度以下の範囲で単調増加する絶対値を有する位相のずれを通過信号に対して生じさせる位相変換部である。ローパスフィルタLPF1のカットオフ周波数は、所定の周波数帯域内にない。本実施形態では、ローパスフィルタLPF1のカットオフ周波数は、所定周波数から、例えば、1GHz以上離れているローパスフィルタLPF1は、コイルL1及びコンデンサC1,C2を含んでいる。
【0014】
コイルL1は、副線路S1,S2間に直列接続されており、主線路Mに対して電磁気的に結合していない。コンデンサC1は、コイルL1の一端に接続されている。具体的には、コンデンサC1は、コイルL1と副線路S1との接続部と、外部電極14fとの間に接続されている。コンデンサC2は、コイルL1の他端に接続されている。具体的には、コンデンサC2は、コイルL1と副線路S2との接続部と、外部電極14fとの間に接続されている。
【0015】
以上のような方向性結合器10aでは、外部電極14aが入力ポートとして用いられ、外部電極14bが出力ポートとして用いられる。また、外部電極14cは、カップリングポートとして用いられ、外部電極14dは、50Ωで終端化されるターミネートポートとして用いられる。また、外部電極14fは、接地される接地ポートとして用いられる。そして、外部電極14aに対して信号が入力されると、該信号が外部電極14bから出力される。更に、主線路Mと副線路Sとが電磁気的に結合しているので、外部電極14bから出力される信号の電力に比例する電力を有する信号が外部電極14cから出力される。
【0016】
以上のような回路構成を有する方向性結合器10aによれば、以下に説明するように、カップリング信号の振幅特性を平坦に近づけることができる。図2(a)は、ローパスフィルタLPF1を有さない従来の方向性結合器のカップリング信号の振幅特性を示したグラフである。図2(b)は、方向性結合器10aのカップリング信号の振幅特性を示したグラフである。図2は、シミュレーション結果を示している。なお、カップリング信号の振幅特性とは、外部電極14a(入力ポート)に入力される信号と外部電極14c(カップリングポート)から出力される信号との間の電力の比(すなわち、減衰量)、及び、周波数の関係である。図2において、縦軸は減衰量を示し、横軸は周波数を示している。
【0017】
従来の方向性結合器では、主線路と副線路との結合度は、信号の周波数が高くなるにしたがって、高くなる。よって、図2(a)に示すように、従来の方向性結合器のカップリング信号の振幅特性では、周波数が高くなるにしたがって、入力ポートから入力され、カップリングポートへ出力される電力の比が増加する。
【0018】
そこで、方向性結合器10aでは、副線路S1と副線路S2との間にローパスフィルタLPF1が設けられている。ローパスフィルタLPF1は、コイル、コンデンサあるいは伝送線路を用いて構成されるため、所定の周波数帯域において、周波数が高くなるにしたがって0度以上180度以下の範囲で単調増加する絶対値を有する位相のずれを、ローパスフィルタLPF1を通過する信号(通過信号)に対して生じさせる。これにより、図2(b)に示すように、方向性結合器10aにおいて、カップリング信号の振幅特性を平坦に近づけることができる。
【0019】
本願発明者は、方向性結合器10aが奏する効果をより明確にするために、以下に説明するシミュレーションを行った。図3(a)は、第1の比較例に係る方向性結合器100aの回路図である。図3(b)は、第2の比較例に係る方向性結合器100bの回路図である。なお、シミュレーションでは信号が主線路、副線路S1、S2及びローパスフィルタLPF1を通過する時の通過損失は考慮していない。
【0020】
第1の比較例に係る方向性結合器100aでは、図3(a)に示すように、副線路S2が主線路Mと結合していない。また、第2の比較例に係る方向性結合器100bでは、図3(b)に示すように、副線路S1が主線路Mと結合していない。
【0021】
ここで、副線路S1およびS2は前述したように、同じ線路長さを有する。このため、図1の等価回路図において、ローパスフィルタLPF1及び副線路S2の構成をなくし、副線路S1と主線路Mで方向性結合器を構成した場合と、図1の等価回路図において、ローパスフィルタLPF1及び副線路S1の構成をなくし、副線路S2と主線路Mで方向性結合器を構成した場合とで、それぞれの方向性結合器のカップリング信号は同じ振幅特性を有する。
【0022】
以上の方向性結合器100a,100bにおいて、外部電極114cから出力されるカップリング信号の振幅特性と位相特性を調べた。図4(a)は、方向性結合器100a,100bのカップリング信号の振幅特性を示したグラフである。図4(a)において、縦軸は減衰量を示し、横軸は周波数を示している。図4(b)は、方向性結合器100a,100bのカップリング信号の位相特性を示したグラフである。図4(b)において、縦軸は位相を示し、横軸は周波数を示している。
【0023】
図4(a)に示すように、副線路S1,S2のいずれか一方のみが主線路Mと結合している場合、方向性結合器100a、100bのカップリング信号の振幅特性の減衰量は周波数0.5GHz〜3.0GHzの範囲で−15dB程度変化しており、平坦化されていない。また、図4(a)に示すように、方向性結合器100aのカップリング信号の振幅特性及び方向性結合器100bのカップリング信号の振幅特性は略一致している。すなわち、副線路S1,S2のいずれか一方のみが主線路Mと結合しているだけでは、カップリング信号の振幅特性が平坦化されないことが分かる。したがって、以下に説明するように、副線路S1,S2の両方が主線路Mと結合し、かつ、副線路S1,S2間にローパスフィルタLPF1が設けられることによって、方向性結合器10aのカップリング信号の振幅特性が平坦化されている。
【0024】
ここで、方向性結合器100aでは、外部電極114cから出力されるカップリング信号は、副線路S1と主線路Mとが結合し、発生した信号であるので、ローパスフィルタLPF1を通過していない。一方、方向性結合器100bでは、外部電極114cから出力されるカップリング信号は、主に副線路S2と主線路Mとが結合し、発生した信号であるので、ローパスフィルタLPF1を通過している。また、方向性結合器10aでは、副線路S1,S2の両方で発生したカップリング信号が合成されて外部電極14cから出力される。すなわち、方向性結合器10aの外部電極14cから出力されるカップリング信号は、方向性結合器100aの外部電極114cから出力されるカップリング信号と方向性結合器100bの外部電極114cから出力されるカップリング信号とが合成された信号とみなすことができる。
【0025】
そこで、図4(b)を参照すると、方向性結合器100aでは、外部電極114cから出力されるカップリング信号の位相特性が略90度で一定であるのに対して、方向性結合器100bでは、外部電極114cから出力される信号の位相が60度から−90度まで変動している。方向性結合器100aでは、外部電極114cから出力される信号は、殆どローパスフィルタLPF1を通過していない。一方、方向性結合器100bでは、外部電極114cから出力される信号は、ローパスフィルタLPF1を通過している。よって、方向性結合器100aの外部電極114cから出力されるカップリング信号と方向性結合器100bの外部電極114cから出力されるカップリング信号との位相差は、ローパスフィルタLPF1によって発生する。より詳細には、方向性結合器100bの外部電極114cから出力されるカップリング信号はLPF1を通過するため、方向性結合器100aの結合特性と比較して位相差が生じる。そして、図4(b)によれば、方向性結合器100aのカップリング信号と方向性結合器100bのカップリング信号の位相の差は、周波数の増加に伴って略30度から180度まで単調増加している。
【0026】
前述したように、方向性結合器10aの外部電極14cから出力される信号は、方向性結合器100aの外部電極114cから出力される信号と方向性結合器100bの外部電極114cから出力される信号とが合成された信号とみなすことができる。すなわち、方向性結合器10aのカップリング信号の振幅特性は、各周波数における方向性結合器100aのカップリング信号の振幅特性と方向性結合器100bのカップリング信号の振幅特性を、二つのカップリング信号の位相差に従って、合成したものである。
【0027】
ここで、方向性結合器100aのカップリング信号の振幅特性と方向性結合器100bのカップリング信号の位相特性は図4(b)に示すように周波数に従って所定の位相差を有しているため、方向性結合器10aのカップリング信号の振幅特性が平坦化される。
【0028】
以上のような回路構成を有する方向性結合器10aによれば、以下に説明するように、素子の寸法を大きくすることなく、アイソレーション特性を向上させることができる。すなわち、アイソレーション特性の減衰量を大きくすることができる。アイソレーション特性とは、外部電極14b(出力ポート)から出力される信号と外部電極14c(カップリングポート)から出力される信号との間の電力の比(すなわち、減衰量)、及び、周波数の関係である。
【0029】
本願発明者は、方向性結合器10aのアイソレーション特性が優れていることを明確にするために、以下に説明するシミュレーションを行った。図5(a)は、第3の比較例に係る方向性結合器100cの回路図である。図5(b)は、第4の比較例に係る方向性結合器100dの回路図である。
【0030】
図5(a)の方向性結合器100cでは、主線路Mと副線路Sとが電磁気的に結合している。そして、副線路Sの両端には、ローパスフィルタLPF10,LPF11が接続されている。また、図5(b)の方向性結合器100dでは、方向性結合器100cにおいて、外部電極114e,114fとグランドとの間に、終端抵抗器R1,R2が挿入されている。
【0031】
以上の方向性結合器10a,100c,100dのアイソレーション特性を調べた。図6は、方向性結合器10aのアイソレーション特性を示したグラフである。図7(a)は、方向性結合器100cのアイソレーション特性を示したグラフである。図7(b)は、方向性結合器100dのアイソレーション特性を示したグラフである。図6及び図7において、縦軸は減衰量を示し、横軸は周波数を示している。
【0032】
方向性結合器100cでは、ローパスフィルタLPF10,LPF11が設けられているので、副線路Sと外部電極114cおよび副線路Sと外部電極114dとの間でインピーダンス整合が崩れる。そのため、副線路Sにおいて、本来外部電極114dに出力される信号が、ローパスフィルタLPF11で反射し、外部電極114cから出力される。そのため、図7(a)に示すように、例えば、所定周波数帯域1710MHz〜1910MHz(GSM1800/1900)を有する信号において、方向性結合器100cのアイソレーション特性の減衰量は−30dB程度である。
【0033】
そこで、方向性結合器100dでは、終端抵抗器R1,R2が設けられている。これにより、副線路SとローパスフィルタLPF10,LPF11との間での不要な信号の反射をなくすことができる。そのため、図7(b)に示すように、所定周波数帯域1710MHz〜1910MHz(GSM1800/1900)を有する信号において、方向性結合器100dのアイソレーション特性の減衰量は−60dB程度まで向上する。
【0034】
しかしながら、方向性結合器100dでは、終端抵抗器R1,R2が必要になる。このため、方向性結合器100dあるいは当該方向性結合器が実装される基板上で終端抵抗器R1,R2を設けるためのスペースを用意する必要があった。
【0035】
これに対して、方向性結合器10aでは、副線路を副線路S1と副線路S2の2つに分割し、その間にローパスフィルタLPF1を設けている。この構成により、副線路S1のカップリング信号と副線路S2のカップリング信号に位相の差を持たせている。そのため、方向性結合器10aでは、ローパスフィルタ間での信号の反射が発生しない。その結果、図6に示すように、方向性結合器10aでは、終端抵抗器R1,R2が設けられていなくても、所定周波数帯域1710MHz〜1910MHz(GSM1800/1900)を有する信号において、方向性結合器10aのアイソレーション特性の減衰量は−60dB程度まで向上する。
【0036】
次に、方向性結合器10aの具体的構成について図面を参照しながら説明する。図8は、第1の実施形態ないし第4の実施形態に係る方向性結合器10a〜10dの外観斜視図である。図9は、第1の実施形態に係る方向性結合器10aの積層体12aの分解斜視図である。以下では、積層方向をz軸方向と定義し、z軸方向から平面視したときの方向性結合器10aの長辺方向をx軸方向と定義し、z軸方向から平面視したときの方向性結合器10aの短辺方向をy軸方向と定義する。なお、x軸、y軸、z軸は、互いに直交している。
【0037】
方向性結合器10aは、図8及び図9に示すように、積層体12a、外部電極14(14a〜14f)、主線路M、副線路S1,S2、ローパスフィルタLPF1、シールド導体層34a,34b及びビアホール導体v2〜v5,v7〜v10を備えている。積層体12aは、図8に示すように、直方体状をなしており、図9に示すように、絶縁体層16(16a〜16j)がz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に並ぶように積層されることにより構成されている。積層体12aのz軸方向の負方向側の面は、方向性結合器10aが回路基板に実装される際に、回路基板と対向する実装面である。絶縁体層16は、誘電体セラミックであり、長方形状をなしている。
【0038】
外部電極14a,14e,14bは、積層体12aのy軸方向の負方向側の側面において、x軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並ぶように設けられている。外部電極14c,14f,14dは、積層体12aのy軸方向の正方向側の側面において、x軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並ぶように設けられている。
【0039】
主線路Mは、図9に示すように、線路部18により構成されている。線路部18は、絶縁体層16i上に設けられているコ字型の線状の導体層である。主線路Mの一端は、外部電極14aに接続されており、主線路Mの他端は、外部電極14bに接続されている。これにより、主線路Mは、外部電極14a,14b間に接続されている。
【0040】
副線路S1は、図9に示すように、線路部20により構成されており、絶縁体層16h上に設けられているS字型の線状の導体層である。副線路S1は、z軸方向の正方向側から平面視したときに、少なくとも一部が主線路Mと重なっている。すなわち、主線路Mと副線路S1とは、絶縁体層16hを挟んで対向している。これにより、主線路Mと副線路S1とが電磁気的に結合している。また、副線路S1の一端は、外部電極14cに接続されている。
【0041】
副線路S2は、図9に示すように、線路部22により構成されており、絶縁体層16h上に設けられているS字型の線状の導体層である。副線路S2は、z軸方向の正方向側から平面視したときに、少なくとも一部が主線路Mと重なっている。すなわち、主線路Mと副線路S2とは、絶縁体層16hを挟んで対向している。これにより、主線路Mと副線路S2とが電磁気的に結合している。また、副線路S2の一端は、外部電極14dに接続されている。
【0042】
ローパスフィルタLPF1は、コイルL1及びコンデンサC1,C2により構成されている。コイルL1は、線路部24(24a〜24d)及びビアホール導体v1,v6により構成されており、z軸方向の負方向側から正方向側にいくにしたがって時計回りに旋回する螺旋状のコイルと、z軸方向の正方向側から負方向側にいくにしたがって時計回りに旋回する螺旋状コイルとが接続されて構成されている。ここで、コイルL1において、時計回りの上流側の端部を上流端と呼び、時計回りの下流側の端部を下流端と呼ぶ。
【0043】
線路部24a,24dはそれぞれ、絶縁体層16d上に設けられている線状の導体層である。線路部24b,24cはそれぞれ、絶縁体層16c上に設けられている線状の導体層である。線路部24bの下流端と線路部24cの上流端とは接続されている。
【0044】
ビアホール導体v1は、絶縁体層16cをz軸方向に貫通しており、線路部24aの下流端と線路部24bの上流端とを接続している。ビアホール導体v6は、絶縁体層16cをz軸方向に貫通しており、線路部24cの下流端と線路部24dの上流端とを接続している。
【0045】
以上のように、方向性結合器10aでは、副線路S1,S2は、z軸方向において、主線路MとコイルL1との間に設けられている。これにより、主線路MとコイルL1との間の距離が大きくなるので、主線路MとコイルL1とが電磁気的に結合することが抑制されている。
【0046】
コンデンサC1は、面状導体層26,30,32により構成されている。面状導体層(グランド導体)30,32はそれぞれ、絶縁体層16e,16gの大部分を覆うように設けられており、外部電極14fに接続されている。面状導体層(コンデンサ導体)26は、絶縁体層16fに設けられており、長方形状をなしている。面状導体層26は、z軸方向から平面視したときに、面状導体層30,32に重なっている。これにより、面状導体層26と面状導体層30,32との間には容量が発生している。
【0047】
コンデンサC2は、面状導体層28,30,32により構成されている。面状導体層(グランド導体)30,32はそれぞれ、絶縁体層16e,16gの大部分を覆うように設けられており、外部電極14fに接続されている。面状導体層(コンデンサ導体)28は、絶縁体層16fに設けられており、長方形状をなしている。面状導体層28は、z軸方向から平面視したときに、面状導体層30,32に重なっている。これにより、面状導体層28と面状導体層30,32との間には容量が発生している。
【0048】
以上のように、コンデンサC1,C2は、z軸方向において主線路MとコイルL1との間に設けられている。より詳細には、接地電位に保たれる面状導体層30,32は、z軸方向において、主線路MとコイルL1との間に設けられている。これにより、主線路MとコイルL1とが電磁気的に結合することが抑制されている。
【0049】
ビアホール導体v2〜v5は、絶縁体層16d〜16gをz軸方向に貫通しており、互いに接続されることにより1本のビアホール導体を構成している。ビアホール導体v2のz軸方向の正方向側の端部は、線路部24aの上流端に接続されている。ビアホール導体v3のz軸方向の負方向側の端部は、面状導体層26に接続されている。ビアホール導体v4のz軸方向の正方向側の端部は、面状導体層26に接続されている。ビアホール導体v5のz軸方向の負方向側の端部は、線路部20の他端に接続されている。
【0050】
ビアホール導体v7〜v10は、絶縁体層16d〜16gをz軸方向に貫通しており、互いに接続されることにより1本のビアホール導体を構成している。ビアホール導体v7のz軸方向の正方向側の端部は、線路部24dの下流端に接続されている。ビアホール導体v8のz軸方向の負方向側の端部は、面状導体層28に接続されている。ビアホール導体v9のz軸方向の正方向側の端部は、面状導体層28に接続されている。ビアホール導体v10のz軸方向の負方向側の端部は、線路部22の他端に接続されている。
【0051】
以上のように方向性結合器10aが構成されることにより、コイルL1は、副線路S1と副線路S2との間に接続されている。更に、コンデンサC1は、コイルL1と副線路S1との間と、外部電極14fとの間に接続されている。また、コンデンサC2は、コイルL1と副線路S2との間と、外部電極14fとの間に接続されている。
【0052】
シールド導体層34aは、絶縁体層16bの略全面を覆うように設けられており、外部電極14e,14fに接続されている。すなわち、シールド導体層34aの電位は、接地電位に保たれている。シールド導体層34aは、z軸方向において、主線路M、副線路S1,S2及びローパスフィルタLPF1よりもz軸方向の正方向側に設けられることにより、方向性結合器10aにノイズが侵入することを抑制すると共に方向性結合器10aからノイズが放射されることを抑制している。
【0053】
シールド導体層34bは、絶縁体層16jの略全面を覆うように設けられており、外部電極14e,14fに接続されている。すなわち、シールド導体層34bの電位は、接地電位に保たれている。シールド導体層34bは、z軸方向において、主線路M、副線路S1,S2及びローパスフィルタLPF1よりもz軸方向の負方向側(すなわち、実装面の近く)に設けられることにより、方向性結合器10aにノイズが侵入することを抑制すると共に方向性結合器10aからノイズが放射されることを抑制している。
【0054】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係る方向性結合器10bの構成について図面を参照しながら説明する。図10は、第2の実施形態に係る方向性結合器10bの積層体12bの分解斜視図である。
【0055】
方向性結合器10bの回路構成は、方向性結合器10aと同じであるので説明を省略する。方向性結合器10bと方向性結合器10aとの相違点は、図10に示すように、主線路M、副線路S1,S2、コンデンサC1,C2及びコイルL1の配置である。より詳細には、方向性結合器10aでは、図9に示すように、主線路M、副線路S1,S2、コンデンサC1,C2及びコイルL1は、z軸方向の負方向側から正方向側へと、この順に並ぶように配置されている。一方、方向性結合器10bでは、図10に示すように、主線路M、副線路S1,S2、コンデンサC1,C2及びコイルL1は、z軸方向の正方向側から負方向側へと、この順に並ぶように配置されている。
【0056】
以上のように構成された方向性結合器10bにおいても、方向性結合器10aと同じ作用効果を奏することができる。
【0057】
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係る方向性結合器10cの構成について図面を参照しながら説明する。図11は、第3の実施形態に係る方向性結合器10cの積層体12cの分解斜視図である。
【0058】
方向性結合器10cの回路構成は、方向性結合器10a,10bと同じであるので説明を省略する。方向性結合器10cと方向性結合器10aとの相違点は、主線路M、副線路S1,S2及びローパスフィルタLPF1の配置である。より詳細には、方向性結合器10cでは、主線路M及び副線路S1,S2とローパスフィルタLPF1とが、図11に示すように、x軸方向に並ぶように配置されている。これにより、方向性結合器10cでは、素子の低背化を図ることが可能となる。
【0059】
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態に係る方向性結合器10dの構成について図面を参照しながら説明する。図12は、第4の実施形態に係る方向性結合器10dの回路図である。
【0060】
方向性結合器10dは、外部電極(端子)14a〜14f、主線路M、副線路S1,S2及びローパスフィルタLPF2を回路構成として備えている。主線路Mは、外部電極14a,14b間に接続されている。副線路S1は、外部電極14cに接続され、かつ、主線路Mと電磁気的に結合している。副線路S2は、外部電極14dに接続され、かつ、主線路Mと電磁気的に結合している。
【0061】
また、ローパスフィルタLPF2は、副線路S1と副線路S2との間に接続され、所定の周波数帯域において、周波数が高くなるにしたがって0度以上180度以下の範囲で単調増加する絶対値を有する位相のずれを通過信号に対して生じさせる位相変換部である。ローパスフィルタLPF2は、コイルL2,L3及びコンデンサC1〜C3を含んでいる。
【0062】
コイルL2,L3は、副線路S1,S2間に直列接続されており、主線路Mに対して電磁気的に結合していない。コイルL2は、副線路S1に接続されており、コイルL3は、副線路S2に接続されている。
【0063】
コンデンサC1は、コイルL2の一端に接続されている。具体的には、コンデンサC1は、コイルL2と副線路S1との接続部と、外部電極14fとの間に接続されている。コンデンサC2は、コイルL3の一端に接続されている。具体的には、コンデンサC2は、コイルL3と副線路S2との接続部と、外部電極14fとの間に接続されている。コンデンサC3は、コイルL2とコイルL3との間と、外部電極14eとの間に接続されている。
【0064】
以上のような方向性結合器10dでは、外部電極14aが入力ポートとして用いられ、外部電極14bが出力ポートとして用いられる。また、外部電極14cは、カップリングポートとして用いられ、外部電極14dは、50Ωで終端化されるターミネートポートとして用いられる。また、外部電極14e,14fは、接地される接地ポートとして用いられる。そして、外部電極14aに対して信号が入力されると、該信号が外部電極14bから出力される。更に、主線路Mと副線路Sとが電磁気的に結合しているので、外部電極14bから出力される信号の電力に比例する電力を有する信号が外部電極14cから出力される。
【0065】
以上のような回路構成を有する方向性結合器10dによれば、方向性結合器10aと同様に、カップリング信号の振幅特性を平坦に近づけることができる。
【0066】
また、方向性結合器10dによれば、複数のコイルL2,L3及び複数のコンデンサC1〜C3からなるローパスフィルタLPFが設けられているので、カップリング信号の振幅特性をより平坦化することができる。
【0067】
次に、方向性結合器10dの具体的構成について図面を参照しながら説明する。図13は、第4の実施形態に係る方向性結合器10dの積層体12dの分解斜視図である。
【0068】
方向性結合器10dは、図8及び図13に示すように、積層体12d、外部電極14(14a〜14f)、主線路M、副線路S1,S2、ローパスフィルタLPF2、シールド導体層34a,34b、接続導体層44及びビアホール導体v2〜v5,v7〜v10,v13〜v16を備えている。
【0069】
積層体12dでは、絶縁体層16c,16dの代わりに、絶縁体層16k〜16pが設けられている。なお、方向性結合器10dにおける絶縁体層16a,16b,16e〜16jの構造は、方向性結合器10aにおける絶縁体層16a,16b,16e〜16jの構造と同じであるので、説明を省略する。
【0070】
ローパスフィルタLPF2は、コイルL2,L3及びコンデンサC1〜C3により構成されている。コイルL2は、線路部40(40a〜40c)及びビアホール導体v11,v12により構成されており、z軸方向の負方向側から正方向側にいくにしたがって時計回りに旋回する螺旋状のコイルにより構成されている。ここで、コイルL2において、時計回りの上流側の端部を上流端と呼び、時計回りの下流側の端部を下流端と呼ぶ。
【0071】
線路部40aは、絶縁体層16p上に設けられている線状の導体層である。線路部40bは、絶縁体層16o上に設けられている線状の導体層である。線路部40cは、絶縁体層16n上に設けられている線状の導体層である。
【0072】
ビアホール導体v11は、絶縁体層16oをz軸方向に貫通しており、線路部40aの下流端と線路部40bの上流端とを接続している。ビアホール導体v12は、絶縁体層16nをz軸方向に貫通しており、線路部40bの下流端と線路部40cの上流端とを接続している。
【0073】
コイルL3は、線路部42(42a〜42c)及びビアホール導体v17,v18により構成されており、z軸方向の正方向側から負方向側にいくにしたがって時計回りに旋回する螺旋状のコイルにより構成されている。ここで、コイルL3において、時計回りの上流側の端部を上流端と呼び、時計回りの下流側の端部を下流端と呼ぶ。
【0074】
線路部42a〜42cはそれぞれ、絶縁体層16n〜16p上に設けられている線状の導体層である。ビアホール導体v17は、絶縁体層16oをz軸方向に貫通しており、線路部42aの下流端と線路部42bの上流端とを接続している。ビアホール導体v18は、絶縁体層16oをz軸方向に貫通しており、線路部42bの下流端と線路部42cの上流端とを接続している。
【0075】
また、線路部40aの上流端には、ビアホール導体v2のz軸方向の正方向側の端部が接続されている。同様に、線路部42cの下流端には、ビアホール導体v7のz軸方向の正方向側の端部が接続されている。
【0076】
コンデンサC3は、面状導体層46,48により構成されている。面状導体層(グランド導体)48は、絶縁体層16lの大部分を覆うように設けられており、外部電極14eに接続されている。面状導体層(コンデンサ導体)46は、絶縁体層16kに設けられており、T字型をなしている。面状導体層46は、z軸方向から平面視したときに、面状導体層48に重なっている。これにより、面状導体層46と面状導体層48との間には容量が発生している。
【0077】
接続導体層44は、絶縁体層16m上に設けられている線状の導体層であり、x軸方向に延在している。ビアホール導体v13,16は、絶縁体層16mをz軸方向に貫通している。ビアホール導体v13のz軸方向の負方向側の端部は、線路部40cの下流端に接続されている。ビアホール導体v13のz軸方向の正方向側の端部は、線状導体層44のx軸方向の負方向側の端部に接続されている。ビアホール導体v16のz軸方向の負方向側の端部は、線路部42aの上流端に接続されている。ビアホール導体v16のz軸方向の正方向側の端部は、線状導体層44のx軸方向の正方向側の端部に接続されている。
【0078】
また、ビアホール導体v14,v15はそれぞれ、絶縁体層16k,16lをz軸方向に貫通しており、互いに接続されることにより1本のビアホール導体を構成している。ビアホール導体v14のz軸方向の正方向側の端部は、面状導体層46に接続されている。ビアホール導体v15のz軸方向の負方向側の端部は、線状導体層44に接続されている。
【0079】
以上のように方向性結合器10dが構成されることにより、コイルL2,L3は、副線路S1と副線路S2との間に接続されている。更に、コンデンサC3は、コイルL2とコイルL3との間と、外部電極14eとの間に接続されている。
【0080】
なお、方向性結合器10a〜10dにおいて、ローパスフィルタLPF1,LPF2の代わりにハイパスフィルタHPF又は伝送線路が用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明は、方向性結合器に有用であり、特に、カップリング信号の振幅特性を平坦に近づけることができる点において優れている。
【符号の説明】
【0082】
C1〜C3 コンデンサ
L1〜L3 コイル
LPF1,LPF2 ローパスフィルタ
M 主線路
S1,S2 副線路
v1〜v18 ビアホール導体
10a〜10d 方向性結合器
12a〜12d 積層体
14a〜14f 外部電極
16a〜16p 絶縁体層
18,20,22,24a〜24d,40a〜40c,42a〜42c 線路部
26,28,30,32,46,48 面状導体層
34a,34b シールド導体層
44 接続導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯域において用いられる方向性結合器であって、
第1の端子ないし第4の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間に接続されている主線路と、
前記第3の端子に接続され、かつ、前記主線路と電磁気的に結合している第1の副線路と、
前記第4の端子に接続され、かつ、前記主線路と電磁気的に結合している第2の副線路と、
前記第1の副線路と前記第2の副線路との間に接続されている位相変換部であって、位相のずれを通過信号に対して生じさせる位相変換部と、
を備えていること、
を特徴とする方向性結合器。
【請求項2】
前記位相変換部は、前記所定の周波数帯域において、周波数が高くなるにしたがって0度以上180度以下の範囲で単調増加する絶対値を有する位相のずれを通過信号に対して生じさせること、
を特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。
【請求項3】
前記第1の端子は、信号が入力する入力端子であり、
前記第2の端子は、前記信号が出力する第1の出力端子であり、
前記第3の端子は、前記信号の電力に比例する電力を有する信号が出力する第2の出力端子であり、
前記第4の端子は、終端化される終端端子であること、
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の方向性結合器。
【請求項4】
前記位相変換部は、ローパスフィルタであること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の方向性結合器。
【請求項5】
前記ローパスフィルタは、
前記主線路と電磁気的に結合していないコイルと、
前記コイルの端部に接続されているコンデンサと、
を含んでいること、
を特徴とする請求項4に記載の方向性結合器。
【請求項6】
前記ローパスフィルタのカットオフ周波数は、
前記方向性結合器の使用周波数帯域内にないことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載の方向性結合器。
【請求項7】
前記方向性結合器は、
複数の絶縁体層が積層されて構成されている積層体を、
更に備えており、
前記主線路、前記第1の副線路、前記第2の副線路及び前記位相変換部は、前記絶縁体層上に設けられている導体層により構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の方向性結合器。
【請求項8】
前記主線路と前記副線路とは、前記絶縁体層を介して対向していること、
を特徴とする請求項7に記載の方向性結合器。
【請求項9】
前記ローパスフィルタは、
前記主線路と電磁気的に結合していないコイルと、
前記コイルの端部に接続されているコンデンサと、
を含んでおり、
前記副線路は、積層方向において、前記コイルと前記主線路との間に設けられていること、
を特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の方向性結合器。
【請求項10】
前記コンデンサは、積層方向において、前記主線路と前記コイルとの間に設けられていること、
を特徴とする請求項9に記載の方向性結合器。
【請求項11】
前記グランド導体は、積層方向において、前記主線路と前記コイルとの間に設けられていること、
を特徴とする請求項10に記載の方向性結合器。
【請求項12】
前記方向性結合器は、
接地電位に保たれるシールド層、
を更に備えており、
前記積層体の積層方向の一方の面は、実装面であり、
前記シールド層は、前記主線路、前記第1の副線路、前記第2の副線路及び前記位相変換部よりも前記実装面の近くに設けられていること、
を特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の方向性結合器。
【請求項13】
前記主線路と前記ローパスフィルタとは、積層方向に直交する方向に並んでいること、
を特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の方向性結合器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−5076(P2013−5076A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131991(P2011−131991)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)