説明

旋回式微細気泡発生装置の付加装置

【課題】 従来の微細気泡発生装置は、供給圧力を高くしないと、多量の微細気泡が発生しなかった。その為に、騒音も高くなり、ポンプの動力が大きく、システム全体が大きく、高価となっていた。
【解決手段】旋回式微細気泡発生装置の旋回室の導出口の直後に循環用筒状蓋(200)を付け、大径の気泡を選択的に、再度、せん断させる構造とする。これに依り、低消費エネルギーでも、多量の微細気泡を発生させる事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に、水槽や浴槽、養殖池等の水中又は気液反応槽の液中に微細な気泡を多量に発生させる微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微細な気泡を水中に発生させる事により、水の浄化、浄化の補助、水中への溶存酸素増加手段、又は、気液反応槽の反応速度、反応効率を向上させたり、ペットや人の浴槽に微細な気泡を発生させマッサージ効果や温熱効果や洗浄効果を得たり、部品等の汚れを取り除く等の研究、開発、商品化が行われているが、多量に微細な気泡を発生させるには、高い供給圧力が必要であった。
【0003】
従来の微細気泡発生装置として例えば、特開2000−000447号公報には、「円錐形、円錐台形、徳利形状又はワインボトル形状のスペースを有する容器本体と、同スペースの内壁円周面の一部にその接線方向に開設された加圧液体導入口と」が開示されている。
【0004】
特許3682286号公報には「略回転対称に形成され回転対称軸の軸方向の一方又は双方に向かって縮径した中空部を有する器体と、前記器体の周壁部に接線方向に開口された気液導入孔と」が開示されている。
【0005】
特開2007−111616号公報には「旋回流が生じ得る空間(空間は、円柱または円錐状)を有する容器と、前記空間内に旋回流を生じさせる加圧液体を前記容器内へ導くように前記容器の側面に設けられた加圧液体導入口と」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−000447号公報
【特許文献2】特許3682286号公報
【特許文献3】特開2007−111616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術は以下の課題を有している。
旋回室の形状も、円柱状、円錐形、円錐台形、徳利形状、ワインボトル形状、球状、砲弾状、半球状、と様々あるが、導入口から旋回室に入り旋回運動をする液体は、壁面の不必要な摩擦抵抗以外にも、不必要な減速、加速による加速度が発生する形状となっており、より多くのエネルギーが必要となり、加圧流体の供給圧力を高くする必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の旋回式微細気泡発生装置の付加装置は、単位体積当りの液中に微細気泡を増加させるために発明されたもので、導出口(103)の直後に循環用筒状蓋(200)を備え導出口(103)でせん断された気泡の大径の物や一時的に多量に混入した気体再度せん断させる様にして、大径の気泡を微細化させる様にした。
【発明の効果】
【0009】
良好な微細気泡を多量に発生させる事ができる為、微細気泡発生システム全体のコンパクト化や低コスト化が可能となる。さらに、蓋に依る導出口での騒音発生の遮蔽と、ポンプの低圧化に依り低騒音化が可能となり設置場所の制限が少なくなる。また、エネルギー消費が少なくなるため、ランニングコストも低減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の側面の断面図
【図2】実施例2の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の側面の断面図
【図3】実施例3の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の側面の断面図
【図4】実施例4の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の側面の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
導出口でせん断された気泡の大径の物や一時的に多量に混入した気体再度せん断させる様にした循環用筒状蓋(200)を旋回式微細気泡発生装置の導出口(103)の直後に備える。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の請求項1に記載の付加装置を旋回式微細気泡発生装置に構成させた一例側面の断面図である。高速旋回する液体の導出口(103)の直後に設置する循環用筒状蓋(200)であって、導出口(103)と同程度の内径で後壁の付いた筒状の周上に複数の穴が穿孔された循環流路を備えた循環用筒状部(550)と、前記循環用筒状部(550)の外周に所定の空間(502)を形成し、前記空間(502)の外周に外部への放出通路を備えた円筒状蓋部とを旋回中心軸に合わせた構造を構成し、導出口(103)より放出された微細気泡を含む膜状となった気液が通過出来、かつ筒の中心部が前記導出口(103)で高速旋回する液体の旋回運動による遠心力で負圧となる、最小な間隔を隔てて設置し、前記導出口(103)でせん断された気泡の大径の物を前記空間(502)での旋回運動による向心力により選択的に、再度せん断させる様にした旋回式微細気泡発生装置の付加装置である。
【実施例2】
【0013】
図2は本発明の請求項2に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の一例である。請求項1に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置に、さらに気泡径選択機能と溶解気体の発泡を促進させる機能を持たせるための構造で、前記循環用筒状蓋(200)の前記循環用筒状部(550)の外周の前記空間(502)に、径方向に所定の隙間を設け、1重または2重の筒状体(520)を旋回中心軸に合わせて設置した構成とし、筒状体(520)の一端に複数のスリット状、穴状の流路が開けられたもの、もしくは流体の流路幅分ほど短くし、1重の場合は流路を前方側に、2重の場合、外側の筒状体(520)は流路を導出口(103)面側に設置した請求項1に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置である
【実施例3】
【0014】
図3は本発明の請求項3に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の一例である。請求項1または2に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置前記循環用筒状蓋(200)の前記循環用筒状部(550)が旋回軸方向に移動可能となる様に分離し、可撓性と弾性を持った連通穴552のある支持部材551により接続した構成とし、前記循環用筒状部(550)の開放された端部の初期位置は、運転中に前記導出口(103)より放出された微細気泡を含む膜状となった気液が通過出来、かつ筒の中心部が負圧となる最小な間隔より広くなる様設置し、前記循環用筒状部(550)の内側と外側の圧力差による軸方向の推力で自動的に隙間調整をする機構を備えた旋回式微細気泡発生装置の付加装置である。動作原理は、通常運転時はP1=P2>P3となり導出口(103)側へ、異物がからまった時はP1=P2<P3となり導出口とは反対側に推力が働き循環用筒状部(550)は移動し隙間調整をして、閉塞防止機能を持たせる。
【実施例4】
【0015】
図4は本発明の請求項4に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の一例である。請求項1、2、3のいずれかに記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置の前記循環用筒状蓋(200)と、前記導出口(103)を備える部材とを磁性体で製作し、前記循環用筒状蓋(200)の外周部に永久磁石(540)もしくは励磁コイル(541)を設置して磁気回路を構成し、磁気回路の空隙の磁束密度が最大となる前記導出口(103)と前記循環用筒状部(550)の開放された端部の隙間に高速で放出された膜状となった液体がながれ、液体中にリング状に発電電流が流れる様にし、活水器機能を持たせまた形状は変えることがないので微細気泡発生を妨害することなく可能となる旋回式微細気泡発生装置の付加装置である。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は主に、水槽や浴槽、養殖池等の水中又は気液反応槽の液中に微細な気泡を多量に発生させる微細気泡発生装置に適用できる。
【符号の説明】
【0017】
103導出口
200循環用筒状蓋
201循環用穴
502空間
520筒状体
540永久磁石
541励磁コイル
550循環用筒状部
551支持部材
552連通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回式微細気泡発生装置高速旋回する液体の導出口(103)の直後に設置する循環用筒状蓋(200)であって、導出口(103)と同程度の内径で後壁の付いた筒状の周上に複数の穴が穿孔された循環流路を備えた循環用筒状部(550)と、前記循環用筒状部(550)の外周に所定の空間(502)を形成し、前記空間(502)の外周に外部への放出通路を備えた円筒状蓋部とを旋回中心軸に合わせた構造を構成し、導出口(103)より放出された微細気泡を含む膜状となった気液が通過出来、かつ筒の中心部が前記導出口(103)で高速旋回する液体の旋回運動による遠心力で負圧となる、最小な間隔を隔てて設置し、前記導出口(103)でせん断された気泡の大径の物を前記空間(502)での旋回運動による向心力により選択的に、再度せん断させる様にした旋回式微細気泡発生装置の付加装置。
【請求項2】
前記循環用筒状蓋(200)前記循環用筒状部(550)の外周の前記空間(502)に、径方向に所定の隙間を設け、1重または2重の筒状体(520)を旋回中心に合わせて設置した構成とし、筒状体(520)の一端に複数のスリット状、穴状の流路が開けられたもの、もしくは流体の流路幅分ほど短くし、1重の場合は流路を前方側に、2重の場合、外側の筒状体(520)は流路を導出口(103)面側に設置した請求項1に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置
【請求項3】
前記循環用筒状蓋(200)前記循環用筒状部(550)が旋回軸方向に移動可能となる様に分離し、可撓性と弾性を持った連通穴552のある支持部材551により接続した構成とし前記循環用筒状部(550)の開放された端部の初期位置は、運転中に前記導出口(103)より放出された微細気泡を含む膜状となった気液が通過出来、かつ筒の中心部が負圧となる最小な間隔より広くなる様設置し、前記循環用筒状部(550)の内側と外側の圧力差による軸方向の推力で自動的に隙間調整をする機構を備えた請求項1または2に記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置。
【請求項4】
前記循環用筒状蓋(200)と、前記導出口(103)を備える部材とを磁性体で製作し、前記循環用筒状蓋(200)の外周部に永久磁石(540)もしくは励磁コイル(541)を設置して磁気回路を構成し、磁気回路の空隙の磁束密度が最大となる前記導出口(103)前記循環用筒状部(550)の開放された端部の隙間に高速で放出された膜状となった液体がながれ、液体中にリング状に発電電流が流れる様にした請求項1、2、3のいずれかに記載の旋回式微細気泡発生装置の付加装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−158680(P2010−158680A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97394(P2010−97394)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【分割の表示】特願2008−336044(P2008−336044)の分割
【原出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(508019012)
【Fターム(参考)】