説明

旗類掲揚・収納装置

【課題】 旗類の掲揚と収納が極めて簡単かつ迅速に行えるとともに収納により旗類を風雨などから確実に保護することができる旗類掲揚・収納装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 傾斜を含む縦向きに固定設置される固定ポールと、旗類を取り付け得るものとして固定ポール内において昇降自在に設けられた昇降部材とを備えた旗類掲揚・収納装置であって、前記固定ポールの上端には、降ろされる旗類を案内する収納ガイドが上向き拡開状をなして設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旗類掲揚・収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
幟旗掲揚装置は旧来から各種のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2009−84922
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の幟旗掲揚装置は、簡易な構造で風向きの変化に応じて幟旗の方向を変えることを可能にし、風によって幟旗がポールに巻き付くことを確実に防止できるとすることを目的とするものであり、地上から上方へ立設されたポール本体1と、その上端において水平回転自在に軸着した回転体と、ポール本体の下方において水平回転自在に遊嵌した回転錘体と、これら回転体及び回転錘体間に張設した無端の環状をした操作ロープと、この操作ロープに対し幟旗が旗の掲揚状態において上方に幟旗装着部と、下方に回転錘体に掛止される係止部とを設け、回転錘体の上方位置に鍔部を突設し、鍔部の導孔内を操作ロープが通るよう構成されている。
しかし、この幟旗掲揚装置は、幟旗をワンタッチで完全収納した形にすることができず、その結果、幟旗が風雨に晒されて傷んだりし収納するにしても幟旗を降ろして取り外す手間がかかるものである。
【0005】
本発明は、このような問題を解決しようとするもので、旗類の掲揚と収納が極めて簡単かつ迅速に行えるとともに収納により旗類を風雨などから確実に保護することができる旗類掲揚・収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、傾斜を含む縦向きに固定設置される固定ポールと、旗類を取り付け得るものとして固定ポール内において昇降自在に設けられた昇降部材とを備えた旗類掲揚・収納装置であって、前記固定ポールの上端には、降ろされる旗類を案内する収納ガイドが上向き拡開状をなして設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明は、傾斜を含む縦向きに固定設置される固定ポールと、旗類を取り付け得るものとして固定ポール内において昇降自在に設けられた昇降部材とを備えた旗類掲揚・収納装置であって、前記固定ポールの上端には、降ろされる旗類を案内する収納ガイドが上向き拡開状をなして設けられていることを特徴とするので、旗類の掲揚と収納が極めて簡単かつ迅速に行えるとともに収納により旗類を風雨などから確実に保護することができる旗類掲揚・収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の一実施形態である旗掲揚・収納装置を収納状態で示す縦断面図。
【図2】 図2のII−II線断面図。
【図3】 旗掲揚第1段階において示す縦断面図。
【図4】 旗掲揚第2段階において示す縦断面図。
【図5】 旗収納開始の一態様を示す縦断面図。
【図6】 旗収納開始の他の態様を示す縦断面図。
【図7】 旗収納時の作用を示す縦断面図。
【図8】 旗を靡かせる方法を示す縦断面図。
【図9】 図8のH−H線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
各実施形態で説明する各案は他の実施形態においても適用することができる。
図1は旗収納状態を、図2はそのII−II線断面図、図3は上昇第1段階、図4は上昇第2段階、図5は下降状態、図6は旗が靡いたまま下降する状態、図7はさらに下降した状態をそれぞれ示す。同実施形態は、旗掲揚・収納自動装置に関するもので、その掲揚・収納動作が自動で円滑かつ確実になされるようにしたものである。
35は玄関横や庭先など所望位置の設置基盤で、同実施形態のようなコンクリート(あるいはモルタル)基盤である場合と土壌基盤である場合がある。36は固定側、37は昇降側、38は制御ボックスである。
【0010】
固定側36は、ステンレスや樹脂などでなる固定ポール40を備える。同ポール40は、内径が120mm前後の円筒パイプで、下端に底板41を備え上端に収納ガイド42を備える。底板41は、アンカー43…によって基盤35上に脱着可能とされるとともに、同じくアンカー43によって固定された基板44に傾倒操作可能にヒンジ45で連結されている。尚、この傾倒は、底板41側のアンカー43…を外しポール40を傾倒可能な状態としたのち、ポール40の外周に突設した係合片46…に図示しないフック付き長棒を引掛け押し引きする操作をすることによりなされる。旗掲揚・収納装置を倒すことによって高いところにある電装品や部品などのメンテナンスが可能になる。
【0011】
収納ガイド42は、図1の右欄にその半断面形状を拡大して示すように、軽金属成形や樹脂成形などにより造られたもので、椀(あるいは円球)状の本体部分42aと、その上端外周縁に外曲げ形成した安全上部ガイド部42bと、本体部分42aの下部開口に内向き折曲突出形成した安全下部ガイド部42cと、ポール40の上端への差込固定部42dとでなる。
【0012】
48は縦長穴で、ポール40の下部一側に形成され、この縦長穴48を水密状に塞ぐように突隆型のケーシング49が取付けられるとともに、同ケーシング49内には外部装備の駆動源50により正逆に回転制御されるチェーン(あるいはベルトなど)51が上下のスプロケット52を介して掛けられている。このチェーン51の内側からは筒状あるいはヨーク状をした昇降駆動部53が突設されている。54はストップスペーサで、ポール40の中央にくるように底板41上に固定されている。
【0013】
昇降側37は、ポール40の中央に位置するように設けられた中パイプ(昇降部材)57と、同パイプ57内に挿し込まれた芯材58と、芯材58の上端の機能ケース59とを備える。芯材58は、中パイプ57に相対的にスライド移動可能になっている。
中パイプ57は、固定ポール40よりも少し短めのパイプとされて旗収納時に前記ストップスペーサ54上に受け止められた状態で収まるとともに、その外周に設けられた樹脂製スライダ61を介して固定ポール40内を上下運動するようになっている。また、同中パイプ57の下部外周には、昇降駆動部53に係合して同行して昇降されるように受突片62が設けられている。中パイプ57の上部外周には、図1の左欄に拡大して示すように、上下一対の固定リング64間に回転自在に設けた回転リング65と、これらリング65の上下一対間に渡された旗ホルダー66とが設けられ、旗ホルダー66は、旗67の基部が挟まれて取り付けられるようになっている。旗67は、1本の旗ホルダー66で取り付けられているので、例えば、旗67の下側だけが風でぐるり勝手に回ってしまうことがなく、旗67の基部は常に一直線状を保ってぐるりと回り、まとわり付くおそれがない。
【0014】
芯材58は、図1の収納時に、その下端が底板41上に当って止められる一方、上端は収納ガイド42の上端よりも若干高くなるレベルで止められる。芯材58の上に設けられる機能ケース59と収納ガイド42との間に間隔を残すことで旗67が挟まれることなく収納ガイド42内へ導かれるようにするためである。
【0015】
機能ケース59内には、夜間に下周りを照らす照明器具(LED)70や防災警報などのスピーカー71を装備し、さらにその外部には、防犯ビデオカメラ72や避雷針73、さらには太陽電池ソーラー74を装備する。
また、これらへの配電コード75は芯材58中を通して下まで導き、切欠をもつストップスペーサ54を通じて固定ポール40内から水密状に外部へ通し、制御ボックス38へと導くものとする。配電コード75は、図2の下がった状態と図4の上がった状態とで上下に追従変位可能にしてある。
【0016】
図1は旗67が装置の固定ポール40内に収納された状態を示す。制御ボックス38内のタイマー設定により、朝設定時刻になると駆動源50が始動し、スプロケット52・チェーン51により昇降駆動部53が上昇することにより受突片62も上昇し、中パイプ57が引き上げられる。
図3は第1段階として中間高さまで中パイプ57が引き上げられた状態を示し、中パイプ57の上端が機能ケース59の底に当ってさらに持ち上げようとする状態になっている。
図4は第2段階として機能ケース59・芯材58・中パイプ57の全てが持ち上がる状態を示し、旗67の下端が収納ガイド42から完全に抜け出た状態になっている。この状態で駆動源50は停止される。そして、旗67は風が吹くとそれに靡き、風向きが変われば旗ホルダー66および回転リング65を介してぐるりと自在に回るようになっている。
【0017】
夕方あるいは雨が降ってきたときには、制御ボックス38内からの制御により旗67は降ろされる。その際、旗67が靡いていなければ図5のようになってどこにも接触することなく中パイプ57内に旗67が収納されるが、仮に、旗67が靡いたまま降ろされると、図6から図7に示すようになる。即ち、旗67が靡いていると、図7の右欄に示すように旗67が収納ガイド42に当たるようになって損傷しやすくなるが、収納ガイド42には安全上部ガイド部42bが丸く形成されているので旗67は円滑に案内されて損傷するおそれがない。また、旗67がさらに下がると、本体部分42aに接触するようになるが、この本体部分42aは仮想線のように円錐状でなく球状に凹んでいるので旗67が接触しにくく、従って、旗67が例えば、水で濡れている場合にもスムーズに通過し収納されてゆくことになる。さらに、収納にあたって安全下部ガイド部42cが膨らんでいるので旗67の損傷は少なくなるとともに円滑に収納されることになる。
【0018】
図8および図9は、他の実施形態を示す。この実施形態は、芯材58内を通じてのエアーの供給によりそれを芯材58の第1通孔76および中パイプ57の第2通孔77を通じて外筒78内に導き、その外筒78と連通する旗ホルダー66を通じて同ホルダー66の排風口79からエアーを旗67に吹き付けて靡かせるようにしたものである。
【符号の説明】
【0019】
40…固定ポール 42…収納ガイド 57…昇降部材(中パイプ) 58…芯材 67…旗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜を含む縦向きに固定設置される固定ポールと、旗類を取り付け得るものとして固定ポール内において昇降自在に設けられた昇降部材とを備えた旗類掲揚・収納装置であって、前記固定ポールの上端には、降ろされる旗類を案内する収納ガイドが上向き拡開状をなして設けられていることを特徴とする旗類掲揚・収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−88800(P2013−88800A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245963(P2011−245963)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)