説明

既製杭の切断装置

【課題】非作動状態で、既製杭の中空部内の任意の深さに位置させ、作動状態にすれば容易に既製杭を切断でき、切断した既製杭の上部を地上に回収し、あるいは杭穴内で破砕することができる。
【解決手段】連結凸部6付きのヘッド本体に、破砕刃12を有する破砕腕10を、直径対称な位置に設けて破砕ヘッドとする。連結凸部6に掘削ロッドを連結して、既製杭40の中空部43を通って、任意の切断深さまで下降する。切断位置で、操作棒21を地上から引き、操作リングを上昇させて、下垂れ状態の破砕腕10を放射状に起こす。掘削ロッドを回転させて破砕ヘッドを回転させて、起こしながら破砕腕10の破砕刃12で内周面41から既製杭40を切断できる。切断が完了したならば、掘削ロッドと破砕ヘッドを上昇させれば、切断した既製杭40の上部を回収できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既に埋設された既製杭(コンクリート杭)を切断して、上方の既製杭を有効活用し、あるいは、切断した既製杭の上方を破砕して一部又は全部を除去する既製杭の切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
装置本体の水平軸に、上腕と破砕刃付きの下腕とを有する略「く」字状の破砕腕の中間部を回転自在に取り付けてなるコンクリート杭の除去装置が提案されている(特許文献1)。この除去装置では、上腕の先端をコンクリート杭の上端に当て、下腕の破砕刃をコンクリート杭の内周壁に押しつけて、除去装置を押し下げることにより、破砕刃が外周側に向けて押圧して、コンクリート杭を切断していた。そして、切断した杭頭部を地上に除去していた。
【0003】
また、他の破砕装置では、螺旋状のオーガーヘッドの下端に破砕刃を取り付けして構成し、コンクリート杭を上端から順に破砕することができる発明が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−243242
【特許文献2】特開2009−52250
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の技術で、特許文献1の分離装置では、杭頭部の破壊は効率的にできたが、杭頭部から順に、既製コンクリート上端部切断しなければならないので、ある程度の長さまで除去したい場合には、効率が悪かった。また、特許文献2の破砕装置も既製コンクリート杭の上端から順に破壊しなければならず、ある程度の長さまで除去したい場合には、やはり破壊効率が悪かった。
【0006】
また、前記特許文献2では、杭穴に鉄筋かごとコンクリートを入れて固化させる現場打ち杭であれば、適用可能であるが、既製杭のように上下に端板等の鋼材がある場合には、破砕することができなかった。また、特許文献1の場合には、既製杭でも適用可能であるが、端板に接続している補強バンドが長い場合や、鋼管を巻いたSC杭の場合には、破砕することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこでこの発明では、切断装置を、水平軸により回転できる破砕刃を設け、非切断時に破砕腕を既製杭の内径Dより内側とし、切断時に操作体で破砕腕を既製杭の内径Dの内周より外側に突出できるように構成するので、前記問題点を解決した。
【0008】
すなわち、この発明は、ロッドに連結する連結凸部を上端部に有するヘッド本体に、先端に破砕刃を設けた破砕腕を取り付けてなり、以下のように構成したことを特徴とする既製杭の切断装置である。
【0009】
(1) 前記ヘッド本体に水平軸を設けて、該水平軸に、前記破砕腕の基端部を回転自在(下垂れ状態から放射状に起伏可能)に取り付ける。
(2) 前記水平軸の下方で、前記ヘッド本体の外周に、前記ヘッド本体の長さ方向に沿って昇降可能で、かつ、前記破砕腕を押圧して回動させることができる操作体を取り付ける。
(3) 前記ヘッド本体の長さ方向に沿って昇降できる操作部材を配置し、該操作部材の先端を地上に位置させ、下端部を前記操作体に固定する。
(4) 前記操作体は、下方位置とすることにより、前記破砕ヘッドの先端が、破砕すべき既製杭の内径Dの内周より内側に位置するように構成する。
(5) 前記操作体は、上方位置とすることにより、前記前記破砕ヘッドの先端が、破砕すべき既製杭の内径Dの内周より外方に突出するように構成する。
【0010】
また、前記において、以下のように構成する既製杭の切断装置である。
(1) 操作体は、下方位置とすることにより、破砕腕が先端を下方に向けて垂れた状態とするように構成する。
(2) 前記操作体は、上方位置とすることにより、前記破砕腕の先端が、破砕すべき既製杭の外径Dの円周位置と略同一位置に突出するように構成する。
(3) 前記操作体は、下方位置から上方位置に変化させる過程で、徐々に前記破砕ヘッドを起こして、前記破砕ヘッドの破砕刃が、破砕すべき既製杭の内径Dの円周より徐々に外方に突出するように構成する。
(4) 前記操作体は、上昇させ続けることにより、前記破砕ヘッドが前記操作体に当接して、前記操作体が、前記破砕ヘッドの垂れた方向への戻りを規制できる構成とする。
【0011】
前記における操作体は、通常はヘッド本体の外周に配置され、昇降できる環状の操作リングが望ましいが、上昇して破砕腕を押し上げることができれば、半リング状、板状等形状は任意である。
【0012】
また、前記における操作部材は、操作体を上昇させることができれば構造は任意である。通常は、PC鋼棒を使用するが、各種ワイヤーなど任意である。
【発明の効果】
【0013】
非作動状態(操作体、操作部材が下端位置で、破砕腕が下方に垂れた状態)で、コンクリート製の既製杭の中空部を挿通して、任意の破砕位置(深さ)まで、破砕ヘッドを下降させることができる。従ってその位置で、破砕腕を開けば、既製杭を切断できるので、任意位置で既製杭を上下に分離できる。
【0014】
また、切断した既製杭を地上で保持したまま引き上げ、あるいは破砕腕を開いたまま分離した既製杭の下端を支持して切断装置を地上に引き上げれば、分離した既製杭の上方部分を地上に引き上げ回収することができる。また、必要があれば引き上げた既製杭を任意位置で破砕できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1はこの発明の実施例の切断装置の斜視図である。
【図2】図2はこの発明の実施例の切断装置で、非作動状態を表し、(a)は正面図、(b)は破砕刃の状態のみを表す横断面図である。
【図3】図2はこの発明の実施例の切断装置で、作動状態を表し、(a)は正面図、(b)は破砕刃の状態のみを表す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明は、掘削ロッド32と連結するための連結凸部6を上端部に有するヘッド本体1に、先端に破砕刃12を設けてなる破砕腕10を、直径対称な位置に設けて既製杭破砕用の破砕ヘッド30を構成する(図1、図3)。
破砕腕10は、ヘッド本体1に水平軸18を設けて、水平軸18に、破砕腕10の基端部11を回転自在に取り付けて構成する。通常、掘削腕10は、破砕刃12の刃先14を下にして垂れた状態になっている(非操作状態)。
また、水平軸18の下方で、ヘッド本体1の外周に、ヘッド本体の長さ方向に沿って昇降可能で、かつ、破砕腕10を下から押し上げて水平軸18周りに回動させることができる操作リング(操作体)27を取り付ける。
ヘッド本体1の長さ方向(軸方向7)に沿って昇降できる操作棒(操作部材)21を、ヘッド本体1の外側に配置する。操作棒21は先端を地上に位置させ、下端部を操作リング27に固定する。
【0017】
操作リング27は、下方位置とすることにより、前記非操作状態で、破砕ヘッド30の先端(=最も外側に位置する部分(=通常は破砕腕10の破砕刃12の刃先14))が、破砕すべき既製杭40の内径Dの内周面41より内側に位置するように構成する(図3)。
また、記操作リング27は、地上から操作棒21を引くことにより、徐々に上昇して、上方位置とすることにより、作動位置となる。この位置で、破砕ヘッド30の先端(=通常は破砕腕10の破砕刃12の刃先14)が、破砕すべき既製杭40の内径Dの内周面41より外方に突出するので、既製杭40を中空部43側から切断できる(図2)。また、操作リング27は破砕腕10を下から押し上げるので、操作リング27が上方位置にあるときは、その位置より破砕腕10が下がる(下垂れ状態に戻る)ことは無い。操作リング27は、最大上昇位置でも、破砕腕10の破砕刃12の刃先14が既製杭40の外径Dの外周面と略同一位置に突出するように構成する。
【実施例1】
【0018】
図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。
【0019】
1.破砕ヘッド(切断装置)30の構成
【0020】
(1) 円筒状のヘッド本体1の上端部2に掘削ロッド32の下端33に連結するための連結凸部6を連設する。
ヘッド本体1の中央部の外周壁5で、直径対称な位置に、先端に破砕刃12を有する破砕腕10を配置する。破砕腕10の基端部11に水平軸18の中央部を位置させ、水平軸18の両端部をヘッド本体1の外周壁5に突設した支持板16、16に、水平軸16の両端部を回動自在に支持する。ここで、支持板16、16は平行に2枚配置し、また、水平軸18と支持板16、水平軸18と破砕腕10のいずれか一方が回転自在となっていれば良い。
破砕腕10は下方に垂れた状態で、破砕刃12は刃軸13を、鉛直より若干外側に向けて斜めに取り付けてある。
また、ヘッド本体1の下端部には、連結凸部6が嵌合できる連結凹部を形成し(図示していない)、様々な機能を有するヘッドを連結できる。
【0021】
(2) ヘッド本体1の外周壁5で、ヘッド本体1の下端部3(支持板16、16より下方)に、操作リング(操作体)27を緩くはめる。操作リング27は、支持板16、16の下縁より下方で、ヘッド本体1の軸方向7に移動自在となっている。
操作リング1の外周壁5で、円周方向で、破砕腕10、10の下方の位置に、操作突起28、28を突設する。操作突起28は、破砕腕10の位置に対応しているので、操作突起28、28も直径対称な位置で、かつ操作リング27に対して放射状に設ける。操作突起28は、操作リング27と同じ高さで形成され、操作リング27の上端部外周側から操作突起28の上部は、放射方向に向けて斜めに傾斜して形成されて、傾斜部分を当接部29とする。
【0022】
(3) ヘッド本体1の外周壁5側で、ヘッド本体1の軸方向7(長さ方向)に沿って、かつヘッド本体1から若干離して、PC鋼棒からなる操作棒(操作部材)21、21を配置する。操作棒21は、ヘッド本体1の軸方向7で、円周方向で直径対称な位置に2箇所設け、破砕腕10、10とは直角な位置に設ける。
操作棒21、21の下端固定部22、22を夫々操作リング27の外周壁に固定し、操作棒21、21の上端に、他の操作棒21と連結する為のジョイント23、23を設ける。操作棒21、21はジョイント23、23を介して、長さ方向に自由に連結可能となっている。
ヘッド本体1の外周壁に、操作棒21を挟むように保護板25、25を2枚縦方向に配置して、保護板25、25の下端をヘッド本体1の外周壁に固定する。
【0023】
(4) 以上のようにして、破砕ヘッド30を構成する(図1、図3)。
破砕ヘッド30は、操作リング27(操作棒21)を下方位置にして、破砕腕10を下方に垂れた状態(非作動状態)とした際に、破砕ヘッド30の軸13から最も突出した部分(通常は、破砕腕10の破砕刃12の刃先14が、破砕予定の既製杭40の内径Dよりも小さく設定する。
また、破砕ヘッド30は、操作リング27(操作棒21)を最上位置にして、破砕腕を最大に起こした状態(作動状態)とした際に、破砕ヘッド30の軸7から最も突出した部分(通常は、破砕腕10の刃先14)が、破砕予定の既製杭40の外径Dよりも大きくなるように設定する。また、この状態で、掘削腕10が外径D程度に開けば、完全に既製杭40の破砕ができるが、少なくとも、Dより大きくする必要がある。なお、掘削腕10が外径Dから必要以上に大きく開く場合には、切断完了後に回収する際に支障がある場合があるので、必要以上に大きくしないか、あるいは引き上げる際に掘削腕10が外径D以下になるように操作リング30で開きを戻す等の工夫が必要がある(図示していない)。
【0024】
2.破砕ヘッド30の使用
【0025】
(1) 破砕予定のコンクリート製の既製杭40が埋設された現場で、既製杭40の中空部43には、ソイルセメントや泥土などが固化して充填されているので、従来の方法により、これらを除去する。また、既製杭40の外周面41は直接地盤に密に押し込まれ、あるいは固化した杭周固定液を介して地盤に密に押し込まれているので、必要ならば、従来の方法により、既製杭40の外周面42と地盤との縁を切っておく。縁切りは、例えば、既製杭40を切断する前又は後に、既製杭40(上杭40a)の上端を杭打ち機に保持して既製杭を回転させて行う。
上記の中空部43の除去は、地上から切断予定の深さ程度まで処理してあれば良い。例えば、固化したセメントミルクが中空部43にあった場合には、破砕ヘッド30のヘッド本体1の下端に杭穴掘削ヘッドを連結して行う(図示していない)。泥土が固化している場合などでは、そのまま破砕ヘッド30を押し込むことができる。
【0026】
(2) 例えば、既製杭40(内径D、外径D)を、SC杭(鋼管被覆コンクリート杭)からなる上杭40aの下方に、通常の遠心成型のコンクリート杭からなる下杭40bが連結している構成として、上杭40aを地上に回収する場合について説明する。
【0027】
(3) 掘削ロッド32の下端連結部33に、破砕ヘッド30の連結凸部6を連結して、掘削機(図示していない)に取り付けて、地上から破砕ヘッド30を、下降して、既製杭40の中空部43に挿入する(図3(a)(b))。この際、切断位置が深い場合には、通常の方法により、掘削ロッド32、32を継ぎ足し、同時に操作棒21、21も継ぎ足しながら、延長する。この際に、操作リング27が最下端位置を保つように、ヘッド本体1との相対位置を保持することもできる。
またこの際、操作棒21は、掘削ロッド32の外周壁に設けられた保護板35、35(保護板25、25と同様の構造)に挟まれているので、下降中に操作棒21に不慮に何かが当たった場合や、掘削ロッド32を回転させた場合であっても、操作棒21のたるみを防止して操作リング27の上昇を抑えることができる(図3(a))。
【0028】
(4) 予め定めた破砕位置である「下杭40bの杭端板の若干下方」に至ったならば、掘削ロッド32の下降を一旦止めて、操作棒21、21を上昇させながら、その位置で、掘削ロッド30を回転させる。操作棒21の上昇により、操作リング27も上昇して、操作リング27の当接部29(操作突部28と操作リング27の上面27a)が破砕腕10の下縁を押し上げて、破砕腕10を水平状態に近づける(図2(a)(b))。
この際、操作棒21、21には、破砕刃12がコンクリート内に押し込まれる程度の力が必要であるが、充分に耐力を有するPC鋼棒を使用しているので、必要以上に伸びることなく、破砕腕2、21を起こすことができる。
【0029】
(5) この際、下杭40bに埋設された鉄筋類も同時に破断する。また、鉄筋類は上杭40aを引き上げる際に引張により破断させることもできる。
【0030】
(6) 下杭40bの杭頭部付近(既製杭40)の破砕切断が完了し、埋設した既製杭40が「上杭40a+下杭40bの杭頭部付近から上部40ba」と「下杭40bの杭頭付近から下部40bb」が上下に分離されたならば(図2(a)(b)鎖線図示)、そのまま、分離した上杭40aを連結した下杭40bの切断した上部40baの下面に破砕腕10が位置したまま、掘削ロッド32を引き上げれば、破砕ヘッド30と共に分離した上杭40a等を地上に引き上げることができる。引き上げた「上杭40a」と「下杭40bの杭頭部付近の上部40ba」とを地上で、分離させれば、上杭(SC杭)40aはそのまま再利用できる。
以上のようにして、埋設した既製杭40から上杭40aを回収できる。なお、上記において、下杭40bは単杭の場合や複数の単杭を連結した場合があり、同様に上杭40aも単杭の場合や複数の単杭を連結した場合がある。
【0031】
(7) 上記では、上杭40aを回収する場合について説明したが、例えば、繰り返し切断作業を行えば、地上付近の障害物としての既製杭40(特に上杭40a)を、破壊して除去する際に使用することもできる(図示していない)。
【0032】
3.他の実施例
【0033】
(1) 前記実施例において、操作棒21は、破砕ヘッド30及び掘削ロッド32に略平行に地上まで伸ばしたが、破砕ヘッド30の中空部4で、あるいは、上方の掘削ロッド32で中空部に、配置するように構成することもできる(図示していない)。
【0034】
(2) また、前記実施例において、通常は掘削ロッド32に、その軸を杭穴のほぼ中心に保つようなスペーサーが設けられているので(図示していない)、掘削ロッド32を既製杭40の中空部の中心に位置させることができるが、ヘッド本体1にも同様のスペーサーを設けることもできる(図示していない)。
【符号の説明】
【0035】
1 ヘッド本体
2 ヘッド本体の上端部
3 ヘッド本体の下端部
4 ヘッド本体の中空部
5 ヘッド本体の外周壁
6 連結凸部
7 軸方向
10 破砕腕
11 破砕腕の基端部
12 破砕刃
13 破砕刃の軸
14 破砕刃の刃先
16 支持板
18 水平軸
21 操作棒(操作部材)
22 操作棒の下端固定部
23 操作棒のジョイント
25 保護板
27 操作リング(操作体)
27a 操作リングの上面
28 操作リングの操作凸板
29 操作リングの当接部
30 破砕ヘッド(切断装置)
32 掘削ロッド(ロッド)
33 掘削ロッドの下端連結部
35 掘削ロッドの保護板
40 既製杭
40a 既製杭の上杭
40b 既製杭の下杭
40ba 下杭の上部
40bb 下杭の下部
41 既製杭の内周面
42 既製杭の外周面
43 既製杭の中空部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドに連結する連結凸部を上端部に有するヘッド本体に、先端に破砕刃を設けた破砕腕を取り付けてなり、以下のように構成したことを特徴とする既製杭の切断装置。
(1) 前記ヘッド本体に水平軸を設けて、該水平軸に、前記破砕腕の基端部を回転自在(下垂れ状態から放射状に起伏可能)に取り付ける。
(2) 前記水平軸の下方で、前記ヘッド本体の外周に、前記ヘッド本体の長さ方向に沿って昇降可能で、かつ、前記破砕腕を押圧して回動させることができる操作体を取り付ける。
(3) 前記ヘッド本体の長さ方向に沿って昇降できる操作部材を配置し、該操作部材の先端を地上に位置させ、下端部を前記操作体に固定する。
(4) 前記操作体は、下方位置とすることにより、前記破砕ヘッドの先端が、破砕すべき既製杭の内径Dの内周より内側に位置するように構成する。
(5) 前記操作体は、上方位置とすることにより、前記前記破砕ヘッドの先端が、破砕すべき既製杭の内径Dの内周より外方に突出するように構成する。
【請求項2】
以下のように構成する請求項1記載の既製杭の切断装置。
(1) 操作体は、下方位置とすることにより、破砕腕が先端を下方に向けて垂れた状態とするように構成する。
(2) 前記操作体は、上方位置とすることにより、前記破砕腕の先端が、破砕すべき既製杭の外径Dの円周位置と略同一位置に突出するように構成する。
(3) 前記操作体は、下方位置から上方位置に変化させる過程で、徐々に前記破砕ヘッドを起こして、前記破砕ヘッドの破砕刃が、破砕すべき既製杭の内径Dの円周より徐々に外方に突出するように構成する。
(4) 前記操作体は、上昇させ続けることにより、前記破砕ヘッドが前記操作体に当接して、前記操作体が、前記破砕ヘッドの垂れた方向への戻りを規制できる構成とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−2019(P2012−2019A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139748(P2010−139748)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000176512)三谷セキサン株式会社 (91)
【Fターム(参考)】