説明

昆虫忌避特性を有する組成物

【課題】昆虫忌避特性を有する組成物の提供。
【解決手段】本発明は、活性成分としてN−置換−p−メンタンカルボキサミドを含む有効な昆虫忌避特性を有する組成物に関する。当該組成物は、ほとんど臭いがないか、又は無臭であり、かつヒト、ペット及び家畜に対し実質的に非毒性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆虫忌避特性を有する組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの昆虫が厄介な存在として知られており、かなりの種類の昆虫は健康に有害でさえある。蚊は黄熱病、デング熱、脳炎及びマラリアなどの病気を伝染させることが知られている。ゴキブリの糞便及びそれらの死骸はハウスダスト中の重大なアレルゲンとして特定されており、子供に喘息を発症させる。従って、これらの害虫を撲滅するために、又は少なくとも制御するために、かなりの努力が払われてきた。現在まで、種々の効果的な殺虫剤が生産されているが、種々の昆虫はこれらに対して耐性を発現しており、別の昆虫はまた、これらを検知し、回避することができる。かなり多くの殺虫剤はヒト及びその他の動物の生命に対して望ましくない作用を有することから、それらの使用はしばしば、制限されるか、又は禁止さえされている。さらにまた、公衆は以前には当然と思われていた多くの化学物質の安全性に敏感になっており、また疑問を有する傾向にある。さらに、公衆は低濃度で適用することができる製品を求めている。
【0003】
前記問題に基づいて、昆虫を排除するために、相違する原理に基づく製品が求められている。昆虫に対する物理的障壁は常時可能という訳ではないことから(例えば、野外の場合)、昆虫忌避薬は重要になってきている。
昆虫忌避特性を有する或る種の化合物は、例えばシトロネラ油、トルーバルサム、ペルーバルサム、カンファーなどの物質を包含する。別種の天然源が研究者により検討されており、例えば選ばれた害虫に対する各種ユーカリの忌避効果が検討されている。
【0004】
デルホン(Delphone)(商標)として市場で入手することができるジエチル−m−トルアミド(DEET)は、頻繁に使用される忌避剤になっており、一般的であると考えられており、又は広範囲の昆虫の忌避薬であると言われている。しかしながら、アレルゲン性の可能性に関する懸念のため、より危険性が低い昆虫忌避薬の研究を惹起した。
【0005】
米国特許第5,182,305号には、N−アリール及びN−シクロアルキルネオアルカンアミド化合物が、昆虫忌避特性を有するものとして開示されている。それらが適用される表面上での良好な永続性によって、長期間持続性忌避性を達成することができる。同様に、米国特許第5,391,578号には、N−低級アルキルネオアルカンアミド化合物が昆虫忌避性の長期持続性効果の点で、DEETよりも優れていることが開示されている。WO00/16738には、メンチル2−ピロリドン−5−カルボキシレートが、DEETに比較して、効果的な昆虫忌避薬として開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、昆虫に対して格別の忌避活性を有する組成物を提供することにあった。
本発明のもう一つの目的は、チャバネゴキブリ(German cockroaches)に対して格別の忌避効果を有する組成物を提供することにあった。
本発明のもう一つの目的は、低毒性であり、従ってヒト身体、愛玩動物及び家畜動物に安全に適用される組成物を提供することにあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、式Iで表わされる化合物が、領域、場所、物品、材料及び構造物に、ならびにそれらの表面に適用された場合、昆虫忌避性を有し、これらを昆虫の蔓延及び昆虫による損傷に対して防護することが見出された。
米国特許第4150052号は、際立った生理学的冷却活性を有するものとしてN−置換p−メタンカルボキサミド化合物を開示しており、この化合物は僅かな臭いを有するか、又は無臭であり、また実質的に無毒性である。この化合物は当業者に公知の方法によって容易に製造することができる。このような方法は、例えばメンタン−3−カルボン酸とチオニルクロライドから得られる、p−メンタンカルボニルクロライドのピリジンなどのプロトン捕獲剤の存在下における適当なアミンとの反応を包含する。
【0008】
これらの化合物は、式Iで表わされる3−置換−p−メンタンである:
【化1】

【0009】
式中、
1及びR2は、H、もしくは炭素原子1〜20個を有する直鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和脂肪族又はヘテロ脂肪族残基、もしくは環系に対する又は環系上の任意の置換基の炭素原子を計算に入れずに、炭素原子4〜8個を有する環状残基を表わし、またこの環系及びこの環系に対する又は環系上の任意の置換基の炭素原子数は、20個よりも少なく、
及びR1がHである場合、R2はまた、10個までの炭素原子を有する置換又は非置換のアリール又はヘテロアリール残基、例えば置換されているフェニル、フェンアルキル又は置換されているフェンアルキル、ナフチル、ピリジルであることができ、もしくは
【0010】
1及びR2は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、環系に対する又は環系上の任意の置換基の炭素原子を計算に入れずに、炭素原子4〜8個を有する環状又はヘテロ環状の飽和又は不飽和環系を表わし、この環系及びこの環系に対する又は環系上の置換基の炭素原子数は20個よりも少ない。このような環系は、例えばピペリジノ、モルホリノなどであることができる。
【0011】
上記定義において、「脂肪族又はヘテロ脂肪族残基」の用語は、例えばアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル及びこれらの類似の組合せを包含する。
本発明による化合物は、3個のステレオジェン中心(stereogenic center)を有し、8種の立体異性体を与える。従って、本発明の範囲には、全部の可能な立体異性体が包含される。一般に、天然産生メントール[(−)3−p−メンタノール]から誘導される式(Ia)で表わされる化合物は、さらに容易に入手することができ、従って好適である:
【0012】
【化2】

【0013】
式I又は式Iaで表わされる下記の化合物は好適である:
該式中、R1はHを表わし、及びR2は、炭素原子1〜20個を有する直鎖状若しくは分枝鎖状の飽和若しくは不飽和脂肪族若しくはヘテロ脂肪族残基、又は環系に対する若しくは環系上の任意の置換基の炭素原子を計算に入れずに、炭素原子4〜8個を有する環状残基を表わす;あるいは
1はメチルを表わし、及びR2は、炭素原子1〜20個を有する直鎖状若しくは分枝鎖状の飽和若しくは不飽和脂肪族若しくはヘテロ脂肪族残基、又は環系に対する若しくは環系上の任意の置換基の炭素原子を計算に入れずに、炭素原子4〜8個を有する環状残基を表わす;あるいは
【0014】
1はエチルを表わし、及びR2は、炭素原子1〜20個を有する直鎖状若しくは分枝鎖状の飽和若しくは不飽和脂肪族若しくはヘテロ脂肪族残基、又は環系に対する若しくは環系上の任意の置換基の炭素原子を計算に入れずに、炭素原子4〜8個を有する環状残基を表わす;あるいは
1はプロピルを表わし、及びR2は環系に対する又は環系上の任意の置換基の炭素原子を計算に入れずに、炭素原子4〜8個を有する直鎖状若しくは分枝鎖状の飽和若しくは不飽和脂肪族若しくはヘテロ脂肪族残基を表わす;あるいは
【0015】
1はH、又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C6脂肪族若しくはヘテロ脂肪族残基を表わし、及びR2はH、又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C6脂肪族若しくはヘテロ脂肪族残基を表わす;あるいは
1はHを表わし、及びR2はH、又は直鎖状若しくは分枝鎖状C1〜C8脂肪族又はヘテロ脂肪族残基を表わす;あるいは
【0016】
1はHを表わし、及びR2は10個までの炭素原子を有する置換又は非置換のアリール又はヘテロアリール残基を表わす;あるいは
1及びR2は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、環系に対する又は環系上の任意の置換基の炭素原子を計算に入れずに、炭素原子4〜8個を有する環状又はヘテロ環状の飽和又は不飽和環系を形成している。
【0017】
さらに好適な化合物には、下記化合物がある:
N−メチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−プロピル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−イソプロピル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−sek−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−tert−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−ペンチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−イソペンチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−ヘキシル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
【0018】
N−オクチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−エチルヘキシル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N,N−ジメチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N,N−ジエチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N,N−ジプロピル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N,N−ジブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N,N−ジヘキシル−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N,N−ジトリデシルアミン−p−メンタン−3−カルボキサミド、
N−メチル−N−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、及び
N−エチル−N−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド。
【0019】
本発明による組成物は、少なくとも1種の式Iで表わされる化合物を昆虫忌避に有効な量で含有する。下記に示す種々の組成物中に配合される式Iで表わされる化合物の量は、広い範囲内で変えることができる。この量は、これらの化合物が添加される組成物の性質及び意図する用途並びに別種の昆虫忌避薬の存在又は不存在によって決まる。本発明による化合物の典型的濃度は、床クリーナー用の稀釈使用形態における1ppmから最終製品中に濃縮物として導入される組成物中における20重量%までである。この濃度範囲は重要ではないものと考えられることから、さらに変更することもできる。
【0020】
式I又は式Iaで表わされる化合物を含有する組成物は、昆虫に対して防護されるべき物体に、直接、液状溶液若しくは分散液として、エアゾル若しくはエアスプレイとして又は、粉末状担体中若しくは適当な組成物中に分散させて適用される。
昆虫忌避に有用な製品の例には、洗剤組成物、クリーニング組成物、塗料、壁紙、室内装飾材料及び/又は絨毯用洗剤、液状石鹸、棒状石鹸、床磨き剤、床用ワックス、家具磨き剤などがある。ヒト身体からの昆虫の忌避に有用な製品もまた、本発明の範囲内に包含され、香水、コロン、皮膚用クリーム、サンクリーム、皮膚用ローション、デオドラント、タルク、入浴用油剤、石鹸、シャンプー、ヘアコンディショナー及びスタイリング剤等の組成物を包含する。
【0021】
本発明による組成物は、式Iで表わされる化合物を別種の公知昆虫忌避薬、例えばこれらに制限されないものとして、N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)、N,N−ジエチル−ベンズアミド、メンチル2−ピロリドン−5−カルボキシレート、N−アリール及びN−シクロアルキルネオアルカンアミド、N−低級アルキルネオアルカンアミド及びネペタラクトンと組合せて含有することができる。本発明による組成物はまた、それらの昆虫忌避特性が知られている天然油を含有することもできる。このような油の例には、これらに制限されないものとして、シトロネラ油、イヌハッカ油、ユーカリ油、サイプレス油、ガルバナム油、トルーバルサム及びペルーバルサムがある。
【0022】
式Iで表わされる化合物はまた、殺虫剤中に使用し、一つの領域から昆虫を排除することができ、また或る場所に対して昆虫を排除することができる。この場合、殺虫剤の使用は特定の領域、例えば台所などにおける昆虫の活動を回避させるため適用される。別法として、式Iで表わされる化合物は、忌避活性が失われた後、処理領域が依然として昆虫に対して安全でないように、殺虫剤とともに配合することができる。
式Iで表わされる化合物は、液状組成物に直接に、又は好ましくは式Iで表わされる化合物を1種又は2種以上の芳香化合物、芳香組成物などと混合し、次いで生成する混合物を組成物に添加することによって添加することができる。
【0023】
このような芳香化合物は天然及び/又は合成由来のものであることができ、例えば天然及び合成成分は、「天然由来の香料及びフレーバー物質」(Perfume and Flavor Materials of Natural Origin)、S.Arctander編集、Elizabeth,N.J.,1960年及び「香料及びフレーバー化学物質」(Perfume and Flavor Chemicals)、S.Arctander編集、I&II巻、Allured出版社、Carol Stream,USA,1994年に見出すことができる。式Iで表わされる化合物はまた、溶液の形態で本発明による組成物に添加することができる。使用することができる溶剤は、当業者にとって公知であり、例えばエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチルフタレート及びジメチルフタレートを包含する。好適溶剤として、ジメチルフタレートが使用され、この溶剤はその昆虫忌避特性が知られている。
【0024】
本発明による組成物は、前記組成物の配合に常用されるその他の成分を含有することができる。このような成分は当業者にとって公知であり、例えば発泡防止剤、抗微生物剤、酸化防止剤、再沈着防止剤、漂白剤、着色剤、乳化剤、酵素、脂肪,蛍光剤、殺カビ剤、向水性物質、湿潤剤、光学的光沢剤、香料担体、香料、保存剤、タンパク質、シリコン類、汚れ放出剤、可溶化剤、糖誘導体、サンスクリーン、界面活性剤、ビタミン類、ワックスなどを包含する。
【0025】
式Iで表わされる化合物は、接触性忌避薬及び蒸気性忌避薬の両方として格別の効果を有する。これらの化合物は忌避作用、特に制御が最も困難な家庭害虫であると考えられているチャバネゴキブリに対する忌避作用の点で、種々の市販昆虫忌避薬よりも優れている。それらの低い蒸気圧の観点から、式Iで表わされる化合物は、これらが適用された表面上に長時間滞在する。この長期滞在性昆虫忌避特性は使用濃度に応じて、局所的適用後、2〜3週間までの期間にわたり持続することができる。さらにまた、式Iで表わされる化合物は、本発明の目的である組成物中で充分に安定であり、それらの昆虫忌避性を保持する。
【0026】
本発明による組成物はまた、それらの製造工程間に種々の材料中に配合することができる。本発明による組成物を押出し加工中に製品中に配合することによる本発明による組成物を含有する製品の調製方法は、好適である。
式Iで表わされる化合物はまた、それらのチャバネゴキブリに対する効果に加えて、アリ、ハチ、ノミ、ハエ、スズメバチ、蚊、蛾、シミ及びジガバチなどの別種の昆虫に対して、ならびにダニ、クモ及びマダニなどのクモガタ綱動物に対して有効である。
【0027】
蚊に対する効果はまた、経済的理由で、特にアノフェレスカ属(Anopheles)[この昆虫はマラリアの公知のキャリアーであり、またフィラリア症及び脳炎も伝染させる]、イエカ属(Culex)[この昆虫はウイルス性脳炎及びフィラリア症のキャリアーである]及びヤブカ属(Aedes)[この昆虫は黄熱病、デング熱及び脳炎のキャリアーである]に対して重要である。
【実施例】
【0028】
本発明を下記例によってさらに説明する。
例1
式I及び式Iaで表わされる化合物は、米国特許第4,150,052号(Watson等、1977年5月16日)に記載の方法に従い、p−メンタン−3−カルボン酸から製造された。
N−メチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(1):
1H−NMR(400MHz、CDCl3):0.77(d,3H,J=6.9,CH3);0.89(d,3H,J=6.3,CH3);0.90(d,3H,J=7.0,CH3);0.90−1.06(m,2H,CH2);1.25(quint.,1H,J=12.0,CH);1.27−1.38(m,1H,CH);1.53(tt,1H,J=11.3,2.8,CH);1.64−1.80(m,4H,2CH2);1.99(td,1H,J=11.3,3.4,CH);2.81(d,3H,J=4.8,CH3);5.56(広い、1H,NH)。
IR(νmax,cm-1,ATR):3275m,2957m,2928m,1636s,1558m。
MS[m/z(EI)]:197(M+,15%),154(20),86(95),73(100),58(35),55(43)。
【0029】
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(2):
1H−NMR(400MHz、CDCl3):0.78(d,3H,J=6.9,CH3);0.89(d,3H,J=6.4,CH3);0.90(d,3H,J=6.9,CH3);0.89−1.07(m,2H,CH2);1.12(t,3H,J=7.0,CH3);1.27(quint.,1H,J=12.0,CH):1.22−1.40(m,1H,CH);1.44−1.60(m,1H,CH);1.62−1.82(m,4H,2CH2);1.98(td,1H,J=11.4,3.3,CH);3.20−3.40(m,2H,NCH2);5.52(広い、1H,NH)。
IR(νmax,cm-1,ATR):3270m,2957m,2925m,2869m,1637s,1559m。
MS[m/z(EI)]:211(M+,15%),168(20),100(97),87(100),83(22),72(36),55(50),44(32)。
【0030】
N−プロピル−p−メンタン−3−カルボキサミド(3):
1H−NMR(400MHz、CDCl3):0.78(d,3H,J=6.9,CH3);0.88−0.94(m,9H,CH2,3CH3);0.90−1.07(m,2H,CH2);1.25(quint.,1H,J=12.1,CH);1.27−1.40(m,1H,CH);1.47−1.56(m,3H,CH,CH2);1.65−1.78(m,4H,2CH2);1.98(td,1H,J=11.4,3.3,CH);3.13−3.30(m,2H,CH2);5.56(広い、1H,NH)。
IR(νmax,cm-1,ATR):3286m,2956m,2920m,1637s,1553m。
MS[m/z(EI)]:225(M+,15%),182(18),114(82),101(100),86(28),55(45),43(52)。
【0031】
N−フェニル−p−メンタン−3−カルボキサミド(4):
1H−NMR(400MHz、CDCl3):0.83(d,3H,J=6.9,CH3);0.91(d,3H,J=6.3,CH3);0.92(d,3H,J=6.9,CH3);0.95−1.10(m,2H,CH2),1.32(quint.,1H,J=12.0,CH);1.30−1.45(m,1H,CH);1.59−1.92(m,5H,CH,2CH2);2.16(td,1H,J=11.3,3.5,CH);7.09(t,1H,J=6.4);7.25(広い、1H,NH);7.31(m,2H);7.53(dd,2H,J=8.6,1.0)。
IR(νmax,cm-1,ATR):3250m,2963m,1651s,1597s,1537s,1442s,753s。
MS[m/z(EI)]:259(M+,4%),135(7),93(100),83(44),55(32)。
【0032】
N,N−ジメチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(5):
1H−NMR(400MHz、CDCl3):0.73(d,3H,J=6.9,CH3);0.89(d,3H,J=6.4,CH3);0.90(d,3H,J=6.9,CH3);0.92−1.16(m,2H,CH2),1.18(tt,1H,J=12.1,12.1,CH);1.30−1.42(m,1H,CH);1.60−1.75(m,5H,CH,2CH2);2.54(td,1H,J=10.8,3.5,CH);2.95(s,CH3);3.07(s、CH3)。
IR(νmax,cm-1,ATR):2951m,2933m,1639s,1395m,1119m。
MS[m/z(EI)]:211(M+,30%),168(22),100(100),87(92),72(86),55(43)。
【0033】
N,N−ジエチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(6):
1H−NMR(400MHz、CDCl3):0.75(d,3H,J=6.9,CH3);0.89(d,3H,J=6.4,CH3);0.90(d,3H,J=6.9,CH3);0.93−1.08(m,2H,CH2),1.10(t,3H,J=7.1,CH3);1.19(t,3H,J=7.1,CH3);1.23(tt,1H,J=11.9,12.5,CH);1.30−1.42(m,1H,CH);1.60−1.77(m,5H,CH,2CH2);2.43(td、1H,J=11.5,3.5,CH);3.28−3.43(m,4H,2NCH2)。
IR(νmax,cm-1,ATR):2954m,2871m,1633s,1429m,1121m。
MS[m/z(EI)]:239(M+,32%),196(51),128(100),100(73),83(60),72(56),55(54),41(38)。
【0034】
例2:
式Iで表わされる化合物の昆虫忌避薬としての効果を、式Iで表わされる試験化合物により部分的に処理された/部分的に未処理のフォーマイカ(formica)表面にさらしたチャバネゴキブリを用いて測定した。
この試験は、空気調整されている実験室内で22℃±2℃の温度において通常の昼/夜サイクル下に、混合された性別及び年齢のチャバネゴキブリ[ブラテラ ゲルマニカ(Blatella Germanica)]を用いて行った。この試験は、3日間にわたり行い、忌避効果はゴキブリ導入後の1日目、2日目及び3日目に評価した。
【0035】
試験方法:
A.処理
矩形のフォーマイカ40cmx30cmを、20mg/m2で、式Iで表わされる化合物により処理した。これは、エタノール中の試験化合物の溶液中にペーパーワイプ(ロール上の断片約20cmx20cm)を浸けて、過剰の液体を搾り取り、次いで当該表面上を拭き、要求される被覆物を得ることによって達成した。これを、適用後の布の重量を測定することによって検査した。この表面を乾燥させた。同様の矩形試料を、エタノール単独で拭いた(未処理表面)。
【0036】
B.バイオアッセイ
矩形の処理されたフォーマイカ試料を、ベンチ上に置き、この矩形試料上にプラスティック容器を配置した。これは、ゴキブリの逃走を防止するためのフルオン(fluon)で処理されている。
2枚のフォーマイカシート(10cmx10cm)を、一枚が処置表面上に存在し、また他の一枚が未処理表面上に存在するように、フォーマイカ上に置いた。これは、ゴキブリ避難所として機能する。処理領域に使用されるフォーマイカシートは、処理フォーマイカと同一割合で処理した。フォーマイカは2個の1cmの高さのビンのフタ上に置き、ゴキブリのフォーマイカ下への接近を可能にした。
【0037】
20匹のチャバネゴキブリ(5匹の成虫及び15匹の幼虫)をフォーマイカの中央に入れた。これらのゴキブリには、食物及び水は供給しなかった。
ゴキブリ導入後の1日目、2日目及び3日目に、各避難所のゴキブリ数を数えた。各計数後、避難場所を変え、一ヶ所に居住する可能性を回避し、避難所を再配置し、次いで死んだゴキブリを新しいゴキブリと取り替えた。
上記操作を3回繰り返し、全部で4回の反復試験を行った。
【0038】
C.化合物1(例1)の忌避性の結果:
【表1】

【0039】
D.同様の方法で、化合物2、化合物3、化合物4、化合物5及び化合物6について、忌避性の結果を測定した。全部の結果を下記表にまとめて示す:
【表2】


この選別実験において、全部の化合物が、3日間までの期間、良好ないし非常に良好なゴキブリ忌避性を示した。
【0040】
例3:
昆虫忌避薬としての化合物2(例1)の効果を、部分的に処理された/部分的に未処理のフォーマイカ表面にさらしたチャバネゴキブリを用いて測定し、周知の昆虫忌避薬DEET(N,N−ジエチル−メタトルアミド)及びN−メチル−ネオデカンアミドの忌避性と直接に比較した。
【0041】
この試験は、空気調整されている実験室内で22℃±2℃の温度において通常の昼/夜サイクル下に、混合された性別及び年齢のチャバネゴキブリ[ブラテラ ゲルマニカ(Blatella Germanica)]を用いて行った。この試験は、7日間にわたり行い、忌避効果はゴキブリ導入後の1日目、3日目、5日目及び7日目に評価した。この試験に用いられたトレーはそれぞれ、側面1.8mx1.8m及び高さ20cmの壁を有するメラミン製四角形トレーからなる。この壁の上部はゴキブリの逃走を防止するために電気ストリップを備えていた。
【0042】
試験方法:
A.処理
矩形のビニル90cmx180cmを、20mg/m2で試験化合物により処理した。これは、エタノール中の試験化合物の溶液中にペーパーワイプ(ロール上断片約20cmx20cm)を浸けて、過剰の液体を搾り取り、次いで当該表面上を拭き、要求される被覆物を得ることによって達成した。これを適用後の布の重量を測定することによって検査した。この表面を乾燥させた。
【0043】
B.バイオアッセイ
処理されたビニル矩形物を、トレーの一方の半分上に置いた。同様の未処理ビニル矩形物は、トレーの他方の半分に置いた。この矩形物はエタノール単独で処理した。
2枚のフォーマイカシート(30cmx30cm)を、一枚は各トレーの1つの角に、一方を処置表面上に、また一枚を他方の未処理表面上に置いた。これはゴキブリ避難所として機能した。処理領域に使用されるフォーマイカシートは、処理フォーマイカと同一割合で処理した。フォーマイカは2個の1cm高さのビンのフタ上に置き、ゴキブリのフォーマイカの下への接近を可能にした。
【0044】
50匹のチャバネゴキブリ(15匹の成虫及び35匹の幼虫)をトレーの中央に加えた。これらのゴキブリには、食物及び水は供給しなかった。
ゴキブリ導入後の1日目、2日目、3日目及び7日目に、各避難所のゴキブリ数を数えた。各計数後、避難場所を変え、一ヶ所に居住する可能性を回避し、避難所を再配置し、次いで死んだゴキブリを新しいゴキブリと取り替えた。
上記操作を3回反復し、全部で4回、繰り返した。
【0045】
C.化合物2(例1)の忌避性結果:
【表3】

【0046】
D.同様の方法で、DEET及びN−メチル−ネオデカンアミドにかかわる忌避性結果を測定した。全部の結果を下記表にまとめて示す:
【表4】

【0047】
化合物2は、3日の時点で、処理表面上に存在するゴキブリの数を5%よりも少なくし、また7日後に20%のみにした。得られた結果は基準忌避薬であるDEET及びN−メチル−ネオデカンアミドに比較してはるかに良好である。
【0048】
例4:
昆虫忌避薬としての化合物2(例1)の有効性を、化合物2により部分的に処理された/部分的に未処理のフォーマイカ表面にさらしたアリを用いて測定し、公知昆虫忌避薬であるファルネソール(Farnesol)及びジヒドロファルネサル(Dihydrofarnesal)と直接に比較した。
この試験は、空気調整されている実験室内で22℃±2℃の温度において通常の昼/夜サイクル下に、混合された性別及び年齢の黒アリ(Black Ants)[オケテラス種(Ochetellus sp)]を用いて行った。この試験は、3日間にわたり行い、忌避効果はアリ導入後の1日目、2日目及び3日目に評価した。
【0049】
試験方法:
A.処理
矩形のフォーマイカ40cmx30cmを、20mg/m2で試験化合物により処理した。これはエタノール中の試験化合物の溶液にペーパーワイプ(ロール上の断片約20cmx20cm)を浸けて、過剰の液体を搾り取り、次いで当該表面上を拭き、要求される被覆物を得ることによって達成した。これを、適用後の布の重量を測定することによって検査した。この表面を乾燥させた。他の半分(未処理表面)はエタノール単独で拭いた。
【0050】
B.バイオアッセイ
矩形の処理されたフォーマイカを、ベンチ上に置き、この矩形物上にガラス製リング(直径20cm)を置いた。これは、アリの逃走を防止するためにフルオンにより処理されている。
小型プラスティック容器2cm径を、このフォーマイカ上に、処理表面上に1個を、また未処理表面上に1個を置いた。処理表面上に置かれたプラスティック容器は、処理フォーマイカと同一方法で忌避薬が適用されていた。未処理表面上のプラスティック容器はエタノールで拭かれている。
【0051】
処理後の24時間の時点で(1日)、20匹のアリをフォーマイカの中央に加えた。これらのアリには、食物及び水は供給しなかった。2時間後、処理表面及び未処理表面上のアリの数を数えた。
上記操作を3回反復し、全部で4回、繰り返した。
上記操作を2日間及び3日間、反復した。各経過時間の時点で、新しいアリを使用した。
【0052】
C.化合物2(例1)のアリ忌避性結果:
【表5】

【0053】
D.同様の方法で、ファルネソール及びジヒドロファルネサルにかかわるアリ忌避効果を測定した。全部の結果を下記表にまとめて示す:
【表6】

【0054】
3種の製剤は、処理後の3つの経過時間(1日間、2日間及び3日間)の時点でアリの忌避性を示し、また3日間の時点で忌避性の減少はなかった。ファルネソール及びジヒドロファルネサルの場合、処理表面上のアリの平均パーセンテージは、約17%であった。本発明による化合物2は、これら2種の製剤よりも優れており、処理表面上のアリの平均パーセンテージは、7.5%であった。
【0055】
例5:
羊毛布地上のイガの存在を減少させる化合物2(例1)の有効性を測定し、周知のイガ忌避薬であるシトロネロール(Citronellol)及びファルネソールの忌避性と直接に比較した。
この試験は、空気調整されている実験室内で22℃±2℃の温度において通常の昼/夜サイクル下に、混合された性別及び年齢のカセメイキングイガ(Casemaking Clothes Moths)[チネア ペリオネラ(Tinea pellionella)]を用いて行った。この試験は、5日間にわたり行い、忌避効果は下記のとおりに評価した:
成虫−昆虫導入後、2日間。
【0056】
試験方法:
A.処理
10cmx10cmの殺菌剤を含有していない四角形黒色羊毛織物布地を、20g/Lのエタノール中候補忌避薬溶液に浸け、搾り、次いで乾燥させた。この四角の布地を、一端が開放されており、イガ成虫の入場が可能されている小型箱(5cmx10cmx10cm)中に入れた。
エタノールで処理した同様の四角形布地(対照)を、同一大きさのもう一つの箱に入れた。
【0057】
B.バイオアッセイ
これら2個の箱を、水槽に入れ、50匹の混合性別のイガ成虫を入れた。これらには餌及び水を与え、5日間にわたり放置した。
2日間の終了時点で、各箱内のイガ成虫の数を数えた。
上記操作を3回反復し、全部で4回、繰り返した。
【0058】
C.イガ成虫忌避性結果:
【表7】

【0059】
E.結果
成虫忌避性:
本発明による化合物2は、基準忌避薬であるシトロネロール及びファルネソールと同様の忌避活性を示し、その差は小さい(処理表面上の成虫は23.9%〜29.4%の範囲)。
例6:
床クリーナー用途におけるゴキブリ忌避試験
式Iで表わされる化合物の昆虫忌避薬としての有効性を、式Iで表わされる被験化合物により部分的に処理された/部分的に未処理の表面にさらしたチャバネゴキブリ[ブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)]を用いて試験した。この効果は、試験領域内の2種の区域中のゴキブリ数を一定の間隔で数え、またゴキブリの挙動を観察することによって測定した。
【0060】
この試験には、12m2の地面面積を有し、アエロゾル型の効果試験用試験標準AFNOR NFT 72−320を満たす30m3の試験室を使用した。
試験昆虫:両方の性の2〜15日齢のチャバネゴキブリ[ブラテラ ゲルマニカ(Blatella Germanica)](血統標準INA)。
この部屋の地表面を、黒色接着テープにより対角線的に2つの等面積に分けた。表面の中央部に、直径30cmの円形の印を付けた。
中央部の円形部分を除き、表面の一方の半分は、式Iで表わされる試験化合物を含有するクリーナー溶液5mlで処理した。
【0061】
処理表面を再度、乾燥させた後、この表面の中央の円形部分に40匹のゴキブリを入れた。1時間の経過時間中、5分毎に、ゴキブリの位置を測定した。
各時点で、未処理側上の昆虫の数(%単位による)を測定した。
例7:
例10に従い製造された一般的全目的クリーナー(APC)に、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(2)を0.05重量%の割合で添加した。この床クリーナー原液を、水で2%に稀釈し、この溶液A 5mlを試験表面の一方の半分に適用した(例1)。同様に、ネプタラクトン(基準忌避薬)を含有する溶液Bを製造し、試験した。結果を下記表にまとめて示す:
【0062】
【表8】


化合物2を含有するAPCは、非常に良好な忌避性を示し、基準忌避薬であるネプタラクトンを含有するAPCに比較し、はるかに良好であった。
【0063】
例8:
香水組成物のアリ忌避有効性を、半分を被験香水組成物で処理したアリーナの処理側上のアリ数データを分析することによって測定した。この試験に使用された昆虫は、野生集落からの労働アリであるイエヒメアリ(pharaoh ants)[モノモリウム ファラオニス(Monomorium pharaonis)]であった。試験前に、全部のアリについて、それらの触覚が完全に残されているかを検査した。1回の試験あたりで20匹のアリを使用した。
【0064】
試験方法:
A.処理
40cmx70cmのアリーナの一方の半分を、10g/m2で試験溶液により処理した。これは、0.5%香水A及びBをそれぞれ含有するエタノール性溶液をアリーナの床に直接に噴霧することによって達成した。前後に、ポンプ噴霧重量を測定した。アリーナの他方の半分は、エタノール単独で処理した。
【0065】
B.バイオアッセイ
アリをアリーナの未処理側上に導入し、それらの挙動を、アリが境界を横切って製品に近づくか、又は逆戻りして、横切るのをやめるかについて記録することによって監視した。アリの挙動に対する方向の偏りがないことを確実にするため、アリーナは180°回転させた。これらのアリの挙動は、製品に近づいたアリが境界を横切るか、又は逆戻りするかについて記録することによって監視した。各試験について、2回の反復試験を行った。
C.データ分析
忌避性結果は、下記方程式を用いて計算した:忌避性=(境界から戻るアリの数/境界に接近するアリの数)x100。
【0066】
例9:
化合物2(例1)を含有する香水組成物のアリ忌避有効性を、例8に記載の方法に従い測定した。この香水組成物(香水A)の忌避性を、化合物2を含有していない組成物と比較した。
被験香水A及びBの組成物:
【0067】
【表9】

【0068】
1)3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール
2)1−(1,2,8,8,−テトラメチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−ナフタレン−2−イル)−
3)(3E)−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン
4)3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール
5)2−シクロヘキシリデン−2−フェニルアセトニトリル
【0069】
忌避性結果:
【表10】

【0070】
香水Aは、96%(適用後)〜74%(適用して3日間後)の範囲で、アリに対して非常に良好な忌避性を付与し、化合物2を含有していない対応する香水(香水B)に比較して総合的に良好な忌避性を有していた。
例10:
本発明において使用するのに適する組成物は、下記組成物を包含する:
A.全目的用クリーナー(APC CLAIC:FBA001)
【0071】
成分 化学名 重量/重量%
相A
クエン酸 1.05
脱イオン水 全量を100にする量
相B
ホスタピュアSAS60 Naパラフィンスルホネート 2.00
(HOSTAPUR)
ネオドール91/8 エトキシル化脂肪アルコール 1.00
(NEODOL) C9118EO
ドワノールDPnB プロピレングリコールの 4.00
(DOWANOL) n−ブチルエーテル
TEA(88%) トリエタノールアミン 1.00
NaOH(50%) 水酸化ナトリウム 1.20
相C
パルメトールDF35 0.1
(PARMETOL)
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド 0.1
【0072】
方法:
撹拌しながら、A部分、B部分及びC部分を順次添加する。この最終生成物のpH値は、9.3である。
B.全目的用クリーナー(APC殺菌剤:FBA 005)
【0073】
成分 化学名 重量/重量%
脱イオン水 全量を100にする量
クエン酸三ナトリウム・2H2O 0.8
トリロンB EDTAの四ナトリウム塩 0.4
(TRILON)
トリロンA92 EDTAの三ナトリウム塩 0.2
アークエード16/29 ヘキサデシルトリメチル 3.5
(ARQUAD) アンモニウムクロライド
ネオドール45/7 エトキシル化脂肪アルコール 1.0
(NEODOL) C14−C15 7EO
BDGE ブチルジオキシトール 4.0
パルメトールA26 0.1
(PARMETOL)
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(2) 0.1
方法:
室温において、種々の成分を挙げられている順序で混合する。
最終生成物のpHは、8.1である。
【0074】
C.全目的用クリーナー[APC 石鹸様クリーナー(SOAPY CLEANER):FBA 006]:
【0075】
成分 化学名 重量/重量%
脱イオン水 50.00
ココナツ油 1.00
TEA(98%) トリエタノールアミン 1.50
KOH(50%) 水酸化カリウム 0.40
脱イオン水 30.00
カルビトール エトキシジグリコール 3.00
(CARBITOL)
ネオドール91/8 エトキシル化脂肪アルコール 6.00
(NEODOL) C911・ 8EO
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(2) 0.10
水 全量を100.00にする量
【0076】
方法:
脱イオン水の50%を撹拌しながら45℃に加熱する。KOH、TEA及びココナツ油を順に添加する。15分間、撹拌する。撹拌しながら脱イオン水の30%、カルビトール、ネオドール91/8及びN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミドを順に添加する。15分間、撹拌する。残りの脱イオン水を添加し、KOH(50%)によりpHを8.5に調節する。5分間、撹拌する。
【0077】
D.ヒドロアルコール性クリーム(DED002)
成分 化学名 重量/重量
相A
BRIJ72 ステアレス−2 4.00
BRIJ721 ステアレス−21 2.00
アルラモルE PPG−15ステアリル 8.50
(ARLAMOL) エーテル
ステアリルアルコール ステアリルアルコール 1.50
(STEARYL
ALCOHOL)
パラフィン油 鉱油 4.00
(PARAFFIN)
セチオールOE ジカプリリルエーテル 3.00
(CETIOL)
相B
カルボポール980 カルボマー 0.25
(CARBOPOL)
脱鉱物水 全量を100にする量
相C
NaOH(10%) 水酸化ナトリウム pHを6.0〜6.5
にする量
相D
エチルアルコール96 アルコール 20.00
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド 0.50
(2)
【0078】
方法:
水中にカルボポールを45℃で分散させ、次いで相A及びBを同一温度(ほぼ70℃)まで高撹拌下に加熱する。冷却させ、次いで水酸化ナトリウム、アルコール及びN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミドを添加する。
【0079】
E.AHAクリームゲル:DED004
成分 化学名 重量/重量
クロダモルMM ミリスチルミリステート 3.00
(CRODAMOL)
セピゲル305 ポリアクリルアミド、C13− 4.00
(SEPIGEL) C14イソパラフィン、ラウ
レス(Laureth)7
脱イオン水 全量を100にする量
AHAコンセン クエン酸、酒石酸、乳酸、 5.00
トレート リンゴ酸、アスコルビン酸、
グリコール酸、サリチル酸
ゲルマベンII プロピレングリコール、ジ 1.00
(GERMABEN) アゾリジニル尿素、メチル
パラベン、プロピルパラベン
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド 0.50
(2)
【0080】
方法:
クロダモルMMを60℃に加熱する。50℃において撹拌しながら、セピゲルを添加する。次いで、50℃に予備加熱した水を、撹拌しながら添加する。40℃において、残りの成分を添加する。水酸化ナトリウム(25%)によりpHを調整する。
【0081】
F.ヒドロゲル(DED005)
成分 化学名 重量/重量
カルボポール980 カルボマー 0.50
(CARBOPOL)
ペムレンTR1 アクリレート/C10−C30 0.20
(PEMULEN) アルキルアクリレート交差
共重合体
ラブラゲルCG ポリグリセリルメタアクリ 0.50
(LUBRAGEL) レート&プロピレングリ
コール
ユーコン75H450 PEG/PPG−17/6 1.00
(UCON) 共重合体
グリセリン グリセロール 4.00
(GLYCERIN)
Dパンテノール パンテノール 2.00
(D PANTHENOL)
ヘキシレングリコール ヘキシレングリコール 2.00
(HEXYLENE
GLYCOL)
脱イオン水 77.90
ゲルマル115 イミダゾリジニル尿素 0.60
(GERMALL)
脱イオン水 10.00
NaOH(10%) 水酸化ナトリウム pH=5.50にす
る適量
クレモホールRH40 PEG40水素添加ヒマシ油 1.00
(CREMOPHOR)
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(2) 0.50
【0082】
方法:
D−パンテノール及びグリセロールを水に添加し、次いでカルボポール980を分散させ、次いでペムレンTR1を添加し、次いで残りの成分を添加する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表わされる化合物を使用してゴキブリ、アリ及び/又はイガ成虫の昆虫を忌避する方法であって:
【化1】


式中、
1はH、メチル、エチル、プロピル又はフェニル残基を表わし、及び
2はH、メチル、エチル、プロピル又はフェニル残基を表わす。
【請求項2】
前記化合物が、N−メチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N−プロピル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N−フェニル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N,N−ジメチル−p−メンタン−3−カルボキサミド及びN,N−ジエチル−p−メンタン−3−カルボキサミドからなる群から選択される、請求項1に記載の昆虫を忌避する方法。
【請求項3】
式Iで表わされる化合物を含むゴキブリ、アリ及び/又はイガ成虫の昆虫忌避用添加剤:
【化2】


式中、
1はH、メチル、エチル、プロピル又はフェニル残基を表わし、及び
2はH、メチル、エチル、プロピル又はフェニル残基を表わす。
【請求項4】
前記化合物が、N−メチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N−プロピル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N−フェニル−p−メンタン−3−カルボキサミド、N,N−ジメチル−p−メンタン−3−カルボキサミド及びN,N−ジエチル−p−メンタン−3−カルボキサミドからなる群から選択される、請求項3に記載の昆虫忌避用添加剤。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の昆虫忌避用添加剤を含む昆虫忌避用組成物であって、溶剤、方向成分、殺虫剤及び昆虫忌避薬から選択される化合物をさらに含有する、上記組成物。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の昆虫忌避用添加剤を含む、家庭用品、工業的クレンジング製品、布地、プラスティック材料、被覆材料、洗剤組成物、クリーニング組成物、塗料、壁紙、室内装飾材料及び/又は絨毯用洗剤、液状石鹸、棒状石鹸、床磨き剤、床用ワックス、家具磨き剤から選択される昆虫忌避用製品。
【請求項7】
昆虫忌避用として前記添加剤を使用するための指示書とともに、請求項3又は4に記載の昆虫忌避添加剤を含むパッケージ。


【公開番号】特開2012−197315(P2012−197315A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158545(P2012−158545)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2002−520619(P2002−520619)の分割
【原出願日】平成13年8月20日(2001.8.20)
【出願人】(591040281)ジボーダン ソシエテ アノニム (3)
【Fターム(参考)】