昇華印刷
昇華可能なインクを担持するフィルム(12)を有する、3次元の対象物(10)を受けるトレイ(2)と、そのトレイ(2)に隣接して配置された赤外線ヒータ(3)と、空気流誘導するデバイス(4)とを含む昇華印刷装置(1)。赤外線ヒータ(3)は、赤外線放射をトレイ(2)に向けるように動作可能である。空気流誘導デバイス(4)は、空気流をフィルム(12)全体にわたって誘導するように動作可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、昇華印刷に関し、より詳細には、昇華印刷の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インク昇華印刷は、装飾用の転写、印刷、写真および他の画像を表面および物体に施す方法として知られている。
【0003】
昇華とは、物質が、この場合はインクまたは染料が、液体の状態を経ずに固体と気体との状態を移行することである。インク昇華印刷プロセスでは、インクは、気体に昇華するまで加熱され、印刷媒体の上に拡散し、固体化する。
【0004】
例えば加熱ローラまたは熱いプラテン印刷機を使用して、インクの転写を助けるために印刷媒体の圧力の印加が利用されることが多い。圧力および熱を3次元構造に均一に加えるのが難しいので、3次元物体への良好なインク昇華印刷を実現するには問題がある。印刷が行われる物体の各表面が、圧力および熱の均一性を有する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷プロセスが高速であり、同じインク昇華プロセスで複数の物体を印刷できる可能性があるインク昇華技法によって、一様に印刷された物体を生産することが望まれる。
【0006】
WO2007/049070には、上記で言及した問題の軽減を試みる昇華印刷プロセスおよび関連の装置が記載されている。この文献には、印刷される3次元の対象物を収容する可動式チャンバと、対象物に隣接して配置された、昇華可能なインクを担持するフィルムと、加熱空気をフィルムの上に向けるためのファンをそれぞれ含む2つのヒータ・ユニットとを備える昇華印刷装置が記載されている。
【0007】
使用の際には、そのチャンバは第1のヒータの下に配置され、その第1のヒータは、熱を加えて、対象物を覆うようにフィルムを熱成形する。次いで、対象物を第2のヒータの下の位置に移動させ、その第2のヒータは、より高い温度で、高速または乱流の熱い空気流を加えて、対象物の上にインクの昇華を可能にする。
【0008】
この構成で実現される結果は以前のデバイスよりは良いが、そのプロセスの熱成形ステージ中にフィルム全体にわたって一様の分布を実現するために温度を調整することがやや難しい。より一様の温度分布を実現するためには、制御した環境を維持するためにその構成を密閉しなければならない。
【0009】
これにはフィルムを隠す必要があり、これにより、フィルムが画像転写(すなわち昇華)ステージで高速または乱流の熱い空気流を受ける準備ができているかどうかをオペレータが判断するのが難しくなる。空気がフィルムと対象物との間に捕捉されると、その空気が膨張し、それにより画像転写が不良になり、フィルムの破裂さえ導き得る。その結果、機械の休止時間および不合格の部分が生じる。また、これらの問題はフィルムのサイズが大きくなるにつれてさらに広がる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の第1の態様は、昇華可能なインクをその上に担持するフィルムを有する3次元の対象物を受ける基体と、その基体に隣接して取り付けられた赤外線ヒータと、空気流誘導手段とを備える昇華印刷装置であって、赤外線ヒータが、例えば、フィルムを加熱して対象物を覆うように熱成形しかつ/またはフィルムを加熱して対象物へのインクの昇華を可能にするために、赤外線放射を基体に向けるように動作可能であり、空気流誘導手段が、フィルムの上に、かつ/またはそれを覆うように、かつ/またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能である、昇華印刷装置を提供する。
【0011】
赤外線ヒータの使用は2つの理由で有利である。第1に、フィルムの温度を急速に上昇させることができ、第2に、熱が直接印加される性質のおかげで密閉した環境を提供する必要がない。しかし、赤外線放射は指向性なので、3次元の対象物への印加は問題がある虞がある。空気流誘導手段がフィルム表面上の境界層を壊し、したがって、フィルム全体にわたる効率的な熱転写が促進されることも分かっている。したがって、本発明の装置の提供により、有利なことに、赤外線の熱と空気流の相助的な組み合わせが提供され、フィルムへの熱の印加が最適になる。
【0012】
空気流誘導手段は、高速の空気流を誘導するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、空気流誘導手段は、空気流、例えば高速空気流を、例えば赤外線ヒータを通してまたはその周りに誘導するように配置され、かつ/あるいは赤外線ヒータは、空気流を制限し、かつ/または高速の気流、例えばエアナイフを生み出すように形成されてよい。
【0013】
本発明の第2の態様は、筐体と、印刷される3次元の対象物を受けるための筐体内の基体であって、昇華可能なインクを担持するフィルムがその対象物に隣接して配置された、基体と、フィルムの上に、またはそれを覆うように、またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能な空気流誘導手段と、空気流誘導手段によって誘導された空気流を制限し、それにより、高速の気流、例えばフィルムに向けられたエアナイフを生み出すためのリストリクタとを備える、昇華印刷装置を提供する。
【0014】
赤外線ヒータは、反射器によって少なくとも部分的に囲繞された加熱要素を備えることができ、例えばその反射器は、空気流を少なくとも部分的に制限し、かつ/または高速の気流もしくはエアナイフを生み出すように形成される。その装置または赤外線ヒータはさらに、例えば、赤外線ヒータを通る空気流を選択的に開閉するためのルーバ手段を備えることができる。そのルーバ手段は、1つまたは複数のルーバ・プレートを備えることができ、そのルーバ・プレートは、例えば、1つまたは複数の反射器に摺動可能にまたは枢動可能に連結されている。
【0015】
赤外線ヒータは第2の加熱要素を備えることができ、その第2の加熱要素は、例えば、第2の反射器によって少なくとも部分的に囲繞される。その第2の反射器は、第1の反射器に隣接して配置されるが離間してよく、そのためそれらの間に隙間が設けられる。次いで、空気流誘導手段は、例えば、高速の気流またはエアナイフを生み出すように、その隙間を通して空気流を誘導するように配置することができる。反射器は、例えば高速の気流またはエアナイフを生み出すように、空気流がその間を通り隙間を通るときに絞り効果または制限効果を生じるように協働するように形成することができる。隙間または制限のサイズは、好ましくは0.25ミリメートルから5ミリメートルの間、例えば0.5ミリメートルから4ミリメートルの間、より好ましくは0.75ミリメートルから3ミリメートルの間、最も好ましくは1ミリメートルから2ミリメートルの間である。
【0016】
赤外線ヒータあるいは1つまたは複数の反射器のうち、制限するように、または少なくとも部分的に高速の気流またはエアナイフを生み出すように形成された部分は、テーパ状または凸形でよい。その反射器または各反射器は、加熱要素によって放射された赤外線放射を、例えば使用時にフィルムに向けるように、配置および/または構成および/または形成および/またはサイズ設定および/または寸法設定することができる。
【0017】
その装置はさらに、フィルム上を流れる空気を加熱するために、例えば空気流誘導手段の隣に、空気流ヒータを備えることができる。空気流ヒータは、例えば第1または第2の加熱ステージ中、例えば熱成形ステージまたは昇華ステージ中に、変更可能な加熱、例えば熱いまたは温かい空気流を供給するために調節可能でよく、あるいは、例えば第1または第2の加熱ステージ中、例えば熱成形ステージまたは昇華ステージ中に、フィルム温度を調整するために、かつ/または第2の加熱ステージ後、例えば昇華ステージ後に、一部を冷却するように非加熱空気流を供給するために調節可能でよい。
【0018】
空気流誘導手段は、高速の空気流、例えば乱流の空気流を供給するように動作可能でよい。さらに、またはあるいは、空気流誘導手段は、2つ以上の異なる流速を供給するように動作可能でよい。例えば、空気流誘導手段は、ファン、例えば遠心ファン、ポンプまたはブロワを備えることができ、それらは、2つ以上の異なる流速を供給するためにインバータを備えることができる。有利なことに、空気流誘導手段は2つ以上の遠心ファンを備えることができ、それらの遠心ファンは、赤外線ヒータを横切りかつ/またはそれを通る空気流を供給し、かつ/あるいは対象物の回りに乱流の空気流を供給するように、互いに隣接するようにまたは対向するように配置される。
【0019】
空気流誘導手段は、好ましくは、少なくとも1対の対向する遠心ファンを備える。
【0020】
本発明の第3の態様は、筐体と、印刷される3次元の対象物を受けるための筐体内の基体であって、昇華可能なインクを担持するフィルムがその対象物に隣接して配置された、基体と、フィルムの上に、またはそれを覆うように、またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能な空気流誘導手段と、空気流誘導手段によって誘導された空気流を加熱するための空気流ヒータとを備える昇華印刷装置であって、空気流誘導手段が、出口が互いに向き合うように筐体の各端部に配置された少なくとも1つの遠心ファンを備える、昇華印刷装置を提供する。
【0021】
遠心ファンを、それらの出口が赤外線ヒータの上方に、入口が赤外線ヒータの下方になるように配置することができる。その筐体または1つの筐体を、赤外線ヒータの上方またはその周りに配置することができ、そのファンを筐体の両端または両側に配置することができる。ファンを、筐体の横方向の対向する側部に、その入口が互いに向き合うように配置することができる。その装置はさらに、例えば第1の対のファンに対して筐体の反対側の長手方向端部に配置された、第2の対の対向する遠心ファンを備えることができ、第2の対のファンの入口が赤外線ヒータの下方に配置されてよく、第2の対のファンの出口が、赤外線ヒータの上方に配置されかつ/または第1の対のファンの出口に面してよい。
【0022】
その筐体または1つの筐体は、赤外線ヒータおよび/または空気流誘導手段および/または空気流ヒータおよび/またはプレナムを収容することができる。空気流誘導手段が遠心ファンを2つ備える場合は、それらの出口は、互いに向き合い、かつ/または赤外線ヒータの上方にあり、かつ/または赤外線ヒータを挟んで向き合ってよく、かつ/あるいはそれらの入口は、赤外線ヒータの下方にあり、かつ/または赤外線ヒータを挟んで向き合ってよい。その配置は、赤外線ヒータを横切ってかつ/またはそれを通して空気流を供給し、かつ/あるいは対象物の回りに乱流の空気流を供給するように構成することができる。筐体は、例えば、その遠心ファンまたは1つの遠心ファンまたは複数の遠心ファンの1つまたは複数の入口の配置を制御するために配管手段を備えることができる。
【0023】
空気流誘導手段は、フィルムが対象物上で熱成形されるときに、例えばフィルムに沿ってまたはその全体にわたって温度分布を調整するかまたは均等にするために、かつ/またはフィルムをさらに加熱するために、空気流、例えば低速の空気流を、フィルムを覆うように誘導するように動作可能でよい。空気流誘導手段は、インクが対象物に対して昇華するときに、例えばフィルムおよび表面を迅速に加熱するために、空気流、例えば高速または乱流の空気流を、フィルムを覆うように誘導するように動作可能でよい。
【0024】
その装置はさらに、例えば、使用時に赤外線ヒータおよび/または空気流誘導手段および/または空気流ヒータの動作を制御するために制御装置を備えることができる。
【0025】
本発明のさらなる態様は、その装置で使用する制御装置を提供する。
【0026】
その装置はさらに、その空気流またはある空気流を空気流誘導手段からフィルム全体にわたって分配するための、例えば隙間の上流にあるプレナムを備えることができる。プレナムは、例えばフィルム全体にわたってより均一に空気流を広げるかまたは分配するための、例えば段階的に小さくなり数が増える開口を有する、2つ以上のプレートを備えることができる。
【0027】
その装置は、例えばフィルムと対象物の表面との間に真空作用をもたらすための、例えば基体に流体連結された真空ポンプを備えることができる。その装置はさらに、トレイを備えることができ、そのトレイは、基体を含み、かつ/または使用時に筐体に対して実質的にシールされるか、またはシール可能でよい。
【0028】
その装置は、対象物への空気流を防止するための一連のルーバを空気流誘導手段とヒータとの間に備えることもできる。それらのルーバは、必要に応じて開閉するように動作可能でよい。
【0029】
その装置は、2つ以上のステーションを備えることができ、例えば、基体は、例えば、コンベヤおよび/またはシザー・リフトの構成または機構などの搬送手段および/またはリフト手段によって2つ以上のステーション間などで移動可能でよい。ステーションの1つは、使用時に対象物を覆うようにフィルムを熱成形するように構成されてよく、別のステーションは、使用時に対象物上にフィルムを昇華するように構成されてよく、かつ/または別のステーションは、対象物および/またはフィルムを冷却するように構成されてよい。これらのステーションの任意の有利な組み合わせも想定される。例えば、その装置は、使用時に対象物を覆うようにフィルムを熱成形し昇華するように構成された第1のステーションと、対象物および/またはフィルムを冷却するように構成された第2のステーションとを備えることができる。あるいは、第1のステーションは、熱成形/冷却ステーションを備え、第2のステーションは昇華ステーションを備えることができる。
【0030】
本発明のさらなる態様は、昇華可能なインクを担持するフィルムを対象物に隣接して配置するステップと、対象物の表面を覆うように熱成形するようにフィルムを第1の温度まで加熱するステップと、続けて、インクが対象物のその表面またはある表面に対して昇華するようにフィルムおよび/または表面および/または対象物をより高い第2の温度まで加熱するステップとを含む昇華印刷方法であって、フィルムおよび/または対象物が、加熱ステージの一方または両方の間に赤外線の熱にさらされ、加熱ステージの一方または両方の間にまたはその後に空気流にさらされる、昇華印刷方法を提供する。
【0031】
フィルムおよび/または対象物は、第1の温度まで加熱するために赤外線の熱にさらされ、かつ/またはより高い第2の温度まで加熱するために加熱空気の高速の流れにさらされてよい。
【0032】
好ましくは、フィルムおよび/または表面および/または対象物は、加熱ステージの一方または両方の間に空気流、例えば加熱した、または温かい、または熱い空気流にさらされる。より好ましくは、フィルムおよび/または表面および/または対象物は、第1の加熱ステージ、例えば熱成形ステージ中に、温かいおよび/または低速の空気流にさらされ、かつ/あるいは第2の加熱ステージ、例えば昇華ステージ中に熱いおよび/または高速もしくは乱流の空気流にさらされる。
【0033】
さらに、またはあるいは、フィルムおよび/または表面および/または対象物は、対象物およびフィルムを冷却するために、第2の加熱ステージ、例えば昇華ステージ後に、非加熱空気流、例えば高速または乱流の空気流にさらされてよい。
【0034】
空気流は、エアナイフを含むことができ、赤外線ヒータの協働する互いに隣接する部分、例えば制限を生み出す、例えば互いに隣接する反射器によって、エアナイフを生み出すことができる。
【0035】
本発明のさらなる態様は、その装置で使用するために特別に適合された昇華可能なインクを担持するフィルム、およびある装置を用いてまたは上記で説明した方法で印刷される対象物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】熱成形ステージ中を示した、本発明の第1の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図2】昇華ステージ中の図1の装置を示す。
【図3】反射器の周りの空気流を示す、図1の装置の隣接する赤外線加熱要素の拡大図である。
【図4】熱成形ステージ中を示した、本発明の第2の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図5】昇華ステージ中の図4の装置を示す。
【図6】その中を通る空気流を示す図4および図5の装置のプレナム構成の拡大図である。
【図7】昇華ステージ中を示した、本発明の第3の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図8】再循環経路を示す、図7の線A−Aを通る断面図である。
【図9A】ルーバ要素の機能を示すヒータの拡大図である。
【図9B】ルーバ要素の機能を示すヒータの拡大図である。
【図10】熱成形ステージ中を示した、本発明の第4の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、添付の図面を参照しながら、単なる一例として本発明の実施形態を説明する。
【0038】
図1から図3を参照すると昇華印刷装置1が示されており、その装置1は、赤外線ヒータ3、空気流誘導手段4および空気流ヒータ38を含み、それらは全て、底部が開いた断熱筐体5内に収容されている。その装置はまた、筐体5の下方に配置された鋼製トレイ2も含み、そのトレイ2内には、印刷される3次元の対象物10と、対象物10の上部に配置されたフィルム12が置かれている。
【0039】
フィルム12は、所望の昇華可能なインクを含み、対象物10を覆うように配置され、その縁部でクランプ20によってクランプ留めされている。クランプ20は、フィルム12とトレイ2との間にシールを設ける。添付の図面には示していないが、クランプ20およびトレイ2が、それらの正確な位置を確保するための位置決めピンを含むことができることも想定される。
【0040】
赤外線ヒータ3は、筐体5のベースに取り付けられ、複数の長手方向の赤外線ヒータ32を含み、それらの赤外線ヒータ32はそれぞれ、断面が半球の反射器36によって部分的に囲繞された細長い加熱要素34を含む。この実施形態の加熱要素34は、コイル状ワイヤ入りの石英管である。このタイプの加熱要素34は、急速な加熱および冷却をもたらし、異なる波長、すなわち短波、中波および長波の選択をもたらすので、有利である。ヒータ32は、隣接する反射器36間に隙間が存在するように、互いに平行に走り互いに隣接して置かれる。反射器36は、加熱要素34から放射される赤外線放射を下方向にトレイ2の対象物10上のフィルム12に向かって反射するように向けられる。
【0041】
この実施形態の空気流誘導手段4は、電動機42によって電力供給されるファンまたはブロワ40の形態である。電動機は、筐体5の上部に回転可能に取り付けられ、筐体5中に延びてファン40を駆動するシャフトを含む。電動機42はまた、インバータ(図示せず)も含み、低流量または大流量を選択的に供給するように構成される。同様に、空気流ヒータ38は、ファン40に誘導される空気流の温度を制御するために調節可能である。空気流ヒータ38およびファン40の両方が鋼製空気流チャンバ44内に配置される。空気流チャンバ44は、図1および図2に示すように、ファン40によって誘導された空気流を、空気流ヒータ38を通り、赤外線ヒータ32の反射器36間の隙間を通るように方向付けする。
【0042】
装置1はまた制御装置(図示せず)も含み、その制御装置には、赤外線ヒータ3、ファン4および空気流ヒータ38が電気的に接続されている。その制御装置(図示せず)はトレイ2の動きも制御する。
【0043】
使用の際には、トレイ2は、図1に示すように筐体5の下に置かれ、空気流ヒータ38は必要な温度まで予熱され、その温度は、この実施形態では、温かい空気流を供給するのに必要な温度に相当する。次いで、トレイ2に流体連結されており、やはり制御装置(図示せず)によって制御された真空ポンプ(図示せず)を作動させて、フィルム12と対象物10との表面の間に真空作用をもたらす。最初は、真空のレベルは、対象物が確実に完全にフィルムで被覆されるように50kPaから80kPaである。フィルムが対象物の周りで成形されると、真空は17kPaから40kPaに下げられる。
【0044】
次いで、赤外線ヒータ3およびファン40を同時に作動させて、90℃から140℃の温度までフィルムを加熱する。赤外線放射は、いわゆるホット・スポット(すなわち、孤立した熱い領域)を防止することによって空気流が一様な温度分布を確保しながらフィルム12を急速に加熱する。ファン40はまた、フィルム表面を覆う境界層を壊し、したがって、空気とフィルムとの間の効率的な熱転写が促進される。
【0045】
有利なことに、トレイ2と筐体5との間の空間により、オペレータが熱成形ステージの進捗を見ることができ、適切な時に昇華ステージを開始するように装置1をセットアップすることができる。
【0046】
熱成形ステージが完了した後で、図2に示すように、筐体5に接触しそれを実質的にシールするまで、トレイ2を上昇させる。次いで、空気流ヒータ38および赤外線ヒータ3によってもたらされる負荷を、昇華ステージに必要な負荷まで増大させ、ファン4の速度を、大流量をもたらすように上昇させる。
【0047】
図3に示すように、互いに隣接する反射器36の対向する部分が、空気流の制限を作るように協働し、その結果、高速の気流、つまりこの実施形態ではエアナイフが生じる。結果として生じる非常に乱れた空気流により、フィルムおよび対象物の隣接する表面全体にわたって熱が一様に分布する。したがって、赤外線ヒータ3による直接の加熱と、熱い空気流による均一な温度分布の組み合わせにより、昇華プロセス・ステップが比較的短くなり、そのため対象物10の完全性に対する損傷が避けられる。
【0048】
昇華ステージが完了する際は、フィルム12および対象物10を冷却するために空気流ヒータ38を使用不能にし、高速の非加熱空気流をもたらすために続けてファン4を動作させる。これは、昇華状態にさらされる時間の長さを最小限に抑えることによって、対象物10の完全性をさらに確実に維持する。
【0049】
次に図4から図6を参照すると、第1の実施形態と同様の、本発明による装置100の第2の実施形態が示されており、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0050】
図4の装置100は、離間した平行な2つのシート46および48から形成されたプレナム46、48を含む点で図1から図3の装置1とは異なる。第1のシート46は、第2のシート48の上方に配置され、その中に均等に離間した開口を複数含む。第2のシート48は、長手方向の赤外線ヒータ32に隣接してそれより少し上方に配置され、均等に離間した開口を複数含み、それらの開口は、第1のシート46の開口より小さく、数が多い。したがって、プレナム46、48の開口は、段階的に小さくなり数が増え、フィルム全体にわたって空気流をより均一に広げるかまたは分配する。
【0051】
図6により明確に示すように、こうした構成により、長手方向の赤外線ヒータ32を横切る空気流がより一様に分配され、これにより、フィルム12および対象物10を覆う、またはその全体にわたる、またはその上への流れがより均一になる。
【0052】
図7に、前述の実施形態と同様の、本発明による装置200の第3の実施形態を示し、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0053】
この実施形態による装置200の空気流誘導手段204は、遠心ファン240を4つ含み、各遠心ファン240は、筐体205のそれぞれの角に取り付けられる。各ファン240は、それぞれのモータ242によって駆動され、その出口が赤外線ヒータ3の長さを水平に横切るように向き、入口がそれらの下方に向いた状態で配置される。ファン240はそれぞれ、ハウジングおよびファン・ホイール240aも含み、筐体205の各長手方向端部において対をなすファン・ホイール240aは、図8により明確に示すように、それらの入口が互いに向き合っている。こうした構成により、ヒータ203の上方の空間に正圧が生じ、それにより、エアナイフを生成するようにヒータ203を通る空気が押し込まれる。空気流は、概して図7および図8に示す経路を追従し、各長手方向端部にあるファン・ホイールの対240aにより、空気がそれぞれの空気流ヒータ238を通り、筐体205の横方向端部からその長手方向の中心に向かって流れ、したがって、正圧が生じ、空気流がエアナイフを通って対象物10およびフィルム12の上に押し込まれる。次いで、その流れは、ファン240の入口を通り、ファン・ホイール240aの入口に至り、上記で説明したように元に戻って外に出るように再循環する。
【0054】
こうしたファンの構成は、非常に効率的な空気流をコンパクトに、かつ、効率よく実現できるので有利である。
【0055】
図9Aおよび図9Bにより明確に示すように、装置200の赤外線ヒータ203、232は、対向するルーバ・プレート233も含み、そのルーバ・プレート233は、反射器36の長さに沿って走り、それらの間の空気流をブロックするかまたは可能にするためにそれらの自由な縁部でヒンジ式に留められている。ルーバ・プレート233は、それらの間の空気の流れを可能にするかまたは防止するように選択的に開閉する、それらの自由な縁部に隣接して配置された電磁要素235を含む。
【0056】
使用の際には、例えば、赤外線ヒータ232によってフィルム12が加熱されており、熱成形ステージ中に真空が動作している間に、ルーバ・プレート233は、電磁要素235が互いに引き付けられるように電磁要素235に通電することによって閉鎖することができる。ファン240および空気流ヒータ238は、赤外線ヒータ232の上方に熱い空気を最大圧力で供給するために、ルーバ・プレート233が閉位置にある状態で常に動作することができる。
【0057】
昇華ステージを開始するためには、電磁要素235の極性を、ルーバ・プレート233を引き離すよう逆にし、したがって、高圧の空気が反射器36間に解放されて、エアナイフ形態の空気の突然の吐出または噴射がフィルム12および対象物10の上に生じる。これは、単独で行うこともでき、赤外線ヒータ232によってもたらされる赤外線加熱と併せて行うこともできる。
【0058】
図10に、前の実施形態と同様の、本発明による装置300の第4の実施形態を示し、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0059】
この実施形態による装置300は、2つのステーション301、302、およびトレイ2を各ステーション301、302間で動かすためのコンベヤ320に分割される。昇華ステーション301は、第1および第2の実施形態の装置1、100と同様であり、赤外線ヒータ3の代わりに一連の枢動式ルーバ350が用いられる。熱成形および冷却ステーション302は、ブロワ4aおよび空気流ヒータ38aを含み、それらのブロワ4aおよび空気流ヒータ38aは、昇華ステーション301のブロワ4および空気流ヒータ38と同様であるがそれより強力ではない。このステーション302はまた、第1および第2の実施形態の赤外線ヒータ3と同様の赤外線ヒータ3も含み、赤外線ヒータ3は空気流ヒータ38aの下方にある。
【0060】
使用の際には、トレイ2は、熱成形および冷却ステーション302の下に配置され、熱成形動作は、上記で第1の実施形態の装置1に関して説明したように実行される。同時に、昇華ステーション301の空気流ヒータ38およびブロワ4は、ルーバ350が閉位置にある間に動作している。次いで、トレイ2をコンベヤ320によって昇華ステーション301の下の位置に動かし、上記で第1の実施形態の装置1に関して説明したように筐体5にシーリングして当接させる。次いで、フィルム12および対象物10上へのエアナイフの形態の空気の突然の吐出または噴射が生じるようにルーバ350を開放する。ブロワ4は、有利なことに、筐体5内の潜熱を保持するために、昇華ステージの終わりに停止または制動することができる。
【0061】
図11および図12に、前の実施形態と同様の、本発明による装置400の第5の実施形態を示し、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0062】
この実施形態による装置400は、熱成形および昇華ステーション401および冷却ステーション402に分割され、トレイ2を動かすためのコンベヤ420およびシザー・リフト421が各ステーション401、402の間にある。筐体405a、405bもまた、2つの区画405aおよび405bに分割され、各区画405aおよび405bは、トレイ2をそれぞれのステーション401、402の一方に封入する。熱成形および昇華ステーション401は、第3の実施形態の装置200と同様であるが、ファン240、242の一方は取り外されている。冷却ステーション402は、モータ442によって動力を与えられる遠心ファン440の形態の空気流誘導手段404も含み、ファン440は出口440aを含み、出口440aは、トレイ2の上および/または中に外気を向けるように角度が付けられている。
【0063】
使用の際には、トレイ2は、熱成形および昇華ステーション401の下に配置され、熱成形および昇華動作が、上記で第3の実施形態の装置200に関して説明したように実行される。次いで、トレイ2は、コンベヤ320およびシザー・リフト421によって冷却ステーション402の下の位置に動かされ、冷却ファン440は、トレイの中および/またはその一部の上に外気の流れを誘導して、それらを冷却する。
【0064】
本発明の範囲から逸脱することのない、本明細書で説明した実施形態のいくつかの変形形態が想定されることが当業者には理解されよう。例えば、上記で説明した加熱要素34はコイル状ワイヤ入りの石英管であるが、これらは、対象の用途に基づいて選択することができ、任意の形態の石英管を含むことができ、コイル状ワイヤからカーボンまで複数の形態、または同じ2重の管内で様々なタイプの組み合わせをとる。ハロゲン電球および/またはセラミック赤外線放射源など、他の任意の形態の加熱要素34を使用できることがさらに想定される。
【0065】
装置1、100、200、300は、トレイに流体連結された真空ポンプ(図示せず)を含むが、ポンプは、本発明が機能するにはこうした真空作用をもたらす必要はない。空気流誘導手段4および/または赤外線ヒータ3は、熱成形、昇華および/または冷却ステージの全ての間で動作する必要はなく、かつ/あるいは空気流の温度を必要に応じて変更することができ、かつ/あるいは空気流ヒータ38を完全に省くことができる。
【0066】
さらに、赤外線ヒータ3の一部として設けられるルーバ・プレート233の構成は、例えば、摺動プレート、反射器36の上側にヒンジ留めされたプレート、または他の任意のルーバ構成を有することによる複数の異なる方法で構成することができる。第4の実施形態のルーバ350の代わりに、エアナイフを生み出すために、第3の実施形態に関して図示および説明した赤外線ヒータ203を用いることができ、赤外線ヒータ203は実際の加熱要素34を含んでも含まなくてもよい。その装置は、やはり前述の文献でも説明されるように対象物への空気流を選択的に防止するための別個の一連のルーバを空気流誘導手段4と赤外線ヒータ3との間に備えることもできる。空気流誘導手段4の位置を変更することもでき、例えば、これは、所望の空気流を生成するための、1つまたは複数のブロワおよび/または遠心ファンおよび/または他の任意の適切な手段もしくはデバイスの組み合わせを含むことができる。コンベヤ320、420および/またはシザー・リフト402の代わりに、任意の便利な移動手段、例えば、運搬手段および/またはリフト手段および/または回転手段を用いることができる。
【0067】
前述の機構任意の数の組み合わせおよび/または添付の図面に示す機構が、従来技術に対する明確な利点を提供し、したがって、本明細書で説明する本発明の範囲内に包含されることが当業者には理解されよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、昇華印刷に関し、より詳細には、昇華印刷の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インク昇華印刷は、装飾用の転写、印刷、写真および他の画像を表面および物体に施す方法として知られている。
【0003】
昇華とは、物質が、この場合はインクまたは染料が、液体の状態を経ずに固体と気体との状態を移行することである。インク昇華印刷プロセスでは、インクは、気体に昇華するまで加熱され、印刷媒体の上に拡散し、固体化する。
【0004】
例えば加熱ローラまたは熱いプラテン印刷機を使用して、インクの転写を助けるために印刷媒体の圧力の印加が利用されることが多い。圧力および熱を3次元構造に均一に加えるのが難しいので、3次元物体への良好なインク昇華印刷を実現するには問題がある。印刷が行われる物体の各表面が、圧力および熱の均一性を有する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷プロセスが高速であり、同じインク昇華プロセスで複数の物体を印刷できる可能性があるインク昇華技法によって、一様に印刷された物体を生産することが望まれる。
【0006】
WO2007/049070には、上記で言及した問題の軽減を試みる昇華印刷プロセスおよび関連の装置が記載されている。この文献には、印刷される3次元の対象物を収容する可動式チャンバと、対象物に隣接して配置された、昇華可能なインクを担持するフィルムと、加熱空気をフィルムの上に向けるためのファンをそれぞれ含む2つのヒータ・ユニットとを備える昇華印刷装置が記載されている。
【0007】
使用の際には、そのチャンバは第1のヒータの下に配置され、その第1のヒータは、熱を加えて、対象物を覆うようにフィルムを熱成形する。次いで、対象物を第2のヒータの下の位置に移動させ、その第2のヒータは、より高い温度で、高速または乱流の熱い空気流を加えて、対象物の上にインクの昇華を可能にする。
【0008】
この構成で実現される結果は以前のデバイスよりは良いが、そのプロセスの熱成形ステージ中にフィルム全体にわたって一様の分布を実現するために温度を調整することがやや難しい。より一様の温度分布を実現するためには、制御した環境を維持するためにその構成を密閉しなければならない。
【0009】
これにはフィルムを隠す必要があり、これにより、フィルムが画像転写(すなわち昇華)ステージで高速または乱流の熱い空気流を受ける準備ができているかどうかをオペレータが判断するのが難しくなる。空気がフィルムと対象物との間に捕捉されると、その空気が膨張し、それにより画像転写が不良になり、フィルムの破裂さえ導き得る。その結果、機械の休止時間および不合格の部分が生じる。また、これらの問題はフィルムのサイズが大きくなるにつれてさらに広がる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の第1の態様は、昇華可能なインクをその上に担持するフィルムを有する3次元の対象物を受ける基体と、その基体に隣接して取り付けられた赤外線ヒータと、空気流誘導手段とを備える昇華印刷装置であって、赤外線ヒータが、例えば、フィルムを加熱して対象物を覆うように熱成形しかつ/またはフィルムを加熱して対象物へのインクの昇華を可能にするために、赤外線放射を基体に向けるように動作可能であり、空気流誘導手段が、フィルムの上に、かつ/またはそれを覆うように、かつ/またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能である、昇華印刷装置を提供する。
【0011】
赤外線ヒータの使用は2つの理由で有利である。第1に、フィルムの温度を急速に上昇させることができ、第2に、熱が直接印加される性質のおかげで密閉した環境を提供する必要がない。しかし、赤外線放射は指向性なので、3次元の対象物への印加は問題がある虞がある。空気流誘導手段がフィルム表面上の境界層を壊し、したがって、フィルム全体にわたる効率的な熱転写が促進されることも分かっている。したがって、本発明の装置の提供により、有利なことに、赤外線の熱と空気流の相助的な組み合わせが提供され、フィルムへの熱の印加が最適になる。
【0012】
空気流誘導手段は、高速の空気流を誘導するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、空気流誘導手段は、空気流、例えば高速空気流を、例えば赤外線ヒータを通してまたはその周りに誘導するように配置され、かつ/あるいは赤外線ヒータは、空気流を制限し、かつ/または高速の気流、例えばエアナイフを生み出すように形成されてよい。
【0013】
本発明の第2の態様は、筐体と、印刷される3次元の対象物を受けるための筐体内の基体であって、昇華可能なインクを担持するフィルムがその対象物に隣接して配置された、基体と、フィルムの上に、またはそれを覆うように、またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能な空気流誘導手段と、空気流誘導手段によって誘導された空気流を制限し、それにより、高速の気流、例えばフィルムに向けられたエアナイフを生み出すためのリストリクタとを備える、昇華印刷装置を提供する。
【0014】
赤外線ヒータは、反射器によって少なくとも部分的に囲繞された加熱要素を備えることができ、例えばその反射器は、空気流を少なくとも部分的に制限し、かつ/または高速の気流もしくはエアナイフを生み出すように形成される。その装置または赤外線ヒータはさらに、例えば、赤外線ヒータを通る空気流を選択的に開閉するためのルーバ手段を備えることができる。そのルーバ手段は、1つまたは複数のルーバ・プレートを備えることができ、そのルーバ・プレートは、例えば、1つまたは複数の反射器に摺動可能にまたは枢動可能に連結されている。
【0015】
赤外線ヒータは第2の加熱要素を備えることができ、その第2の加熱要素は、例えば、第2の反射器によって少なくとも部分的に囲繞される。その第2の反射器は、第1の反射器に隣接して配置されるが離間してよく、そのためそれらの間に隙間が設けられる。次いで、空気流誘導手段は、例えば、高速の気流またはエアナイフを生み出すように、その隙間を通して空気流を誘導するように配置することができる。反射器は、例えば高速の気流またはエアナイフを生み出すように、空気流がその間を通り隙間を通るときに絞り効果または制限効果を生じるように協働するように形成することができる。隙間または制限のサイズは、好ましくは0.25ミリメートルから5ミリメートルの間、例えば0.5ミリメートルから4ミリメートルの間、より好ましくは0.75ミリメートルから3ミリメートルの間、最も好ましくは1ミリメートルから2ミリメートルの間である。
【0016】
赤外線ヒータあるいは1つまたは複数の反射器のうち、制限するように、または少なくとも部分的に高速の気流またはエアナイフを生み出すように形成された部分は、テーパ状または凸形でよい。その反射器または各反射器は、加熱要素によって放射された赤外線放射を、例えば使用時にフィルムに向けるように、配置および/または構成および/または形成および/またはサイズ設定および/または寸法設定することができる。
【0017】
その装置はさらに、フィルム上を流れる空気を加熱するために、例えば空気流誘導手段の隣に、空気流ヒータを備えることができる。空気流ヒータは、例えば第1または第2の加熱ステージ中、例えば熱成形ステージまたは昇華ステージ中に、変更可能な加熱、例えば熱いまたは温かい空気流を供給するために調節可能でよく、あるいは、例えば第1または第2の加熱ステージ中、例えば熱成形ステージまたは昇華ステージ中に、フィルム温度を調整するために、かつ/または第2の加熱ステージ後、例えば昇華ステージ後に、一部を冷却するように非加熱空気流を供給するために調節可能でよい。
【0018】
空気流誘導手段は、高速の空気流、例えば乱流の空気流を供給するように動作可能でよい。さらに、またはあるいは、空気流誘導手段は、2つ以上の異なる流速を供給するように動作可能でよい。例えば、空気流誘導手段は、ファン、例えば遠心ファン、ポンプまたはブロワを備えることができ、それらは、2つ以上の異なる流速を供給するためにインバータを備えることができる。有利なことに、空気流誘導手段は2つ以上の遠心ファンを備えることができ、それらの遠心ファンは、赤外線ヒータを横切りかつ/またはそれを通る空気流を供給し、かつ/あるいは対象物の回りに乱流の空気流を供給するように、互いに隣接するようにまたは対向するように配置される。
【0019】
空気流誘導手段は、好ましくは、少なくとも1対の対向する遠心ファンを備える。
【0020】
本発明の第3の態様は、筐体と、印刷される3次元の対象物を受けるための筐体内の基体であって、昇華可能なインクを担持するフィルムがその対象物に隣接して配置された、基体と、フィルムの上に、またはそれを覆うように、またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能な空気流誘導手段と、空気流誘導手段によって誘導された空気流を加熱するための空気流ヒータとを備える昇華印刷装置であって、空気流誘導手段が、出口が互いに向き合うように筐体の各端部に配置された少なくとも1つの遠心ファンを備える、昇華印刷装置を提供する。
【0021】
遠心ファンを、それらの出口が赤外線ヒータの上方に、入口が赤外線ヒータの下方になるように配置することができる。その筐体または1つの筐体を、赤外線ヒータの上方またはその周りに配置することができ、そのファンを筐体の両端または両側に配置することができる。ファンを、筐体の横方向の対向する側部に、その入口が互いに向き合うように配置することができる。その装置はさらに、例えば第1の対のファンに対して筐体の反対側の長手方向端部に配置された、第2の対の対向する遠心ファンを備えることができ、第2の対のファンの入口が赤外線ヒータの下方に配置されてよく、第2の対のファンの出口が、赤外線ヒータの上方に配置されかつ/または第1の対のファンの出口に面してよい。
【0022】
その筐体または1つの筐体は、赤外線ヒータおよび/または空気流誘導手段および/または空気流ヒータおよび/またはプレナムを収容することができる。空気流誘導手段が遠心ファンを2つ備える場合は、それらの出口は、互いに向き合い、かつ/または赤外線ヒータの上方にあり、かつ/または赤外線ヒータを挟んで向き合ってよく、かつ/あるいはそれらの入口は、赤外線ヒータの下方にあり、かつ/または赤外線ヒータを挟んで向き合ってよい。その配置は、赤外線ヒータを横切ってかつ/またはそれを通して空気流を供給し、かつ/あるいは対象物の回りに乱流の空気流を供給するように構成することができる。筐体は、例えば、その遠心ファンまたは1つの遠心ファンまたは複数の遠心ファンの1つまたは複数の入口の配置を制御するために配管手段を備えることができる。
【0023】
空気流誘導手段は、フィルムが対象物上で熱成形されるときに、例えばフィルムに沿ってまたはその全体にわたって温度分布を調整するかまたは均等にするために、かつ/またはフィルムをさらに加熱するために、空気流、例えば低速の空気流を、フィルムを覆うように誘導するように動作可能でよい。空気流誘導手段は、インクが対象物に対して昇華するときに、例えばフィルムおよび表面を迅速に加熱するために、空気流、例えば高速または乱流の空気流を、フィルムを覆うように誘導するように動作可能でよい。
【0024】
その装置はさらに、例えば、使用時に赤外線ヒータおよび/または空気流誘導手段および/または空気流ヒータの動作を制御するために制御装置を備えることができる。
【0025】
本発明のさらなる態様は、その装置で使用する制御装置を提供する。
【0026】
その装置はさらに、その空気流またはある空気流を空気流誘導手段からフィルム全体にわたって分配するための、例えば隙間の上流にあるプレナムを備えることができる。プレナムは、例えばフィルム全体にわたってより均一に空気流を広げるかまたは分配するための、例えば段階的に小さくなり数が増える開口を有する、2つ以上のプレートを備えることができる。
【0027】
その装置は、例えばフィルムと対象物の表面との間に真空作用をもたらすための、例えば基体に流体連結された真空ポンプを備えることができる。その装置はさらに、トレイを備えることができ、そのトレイは、基体を含み、かつ/または使用時に筐体に対して実質的にシールされるか、またはシール可能でよい。
【0028】
その装置は、対象物への空気流を防止するための一連のルーバを空気流誘導手段とヒータとの間に備えることもできる。それらのルーバは、必要に応じて開閉するように動作可能でよい。
【0029】
その装置は、2つ以上のステーションを備えることができ、例えば、基体は、例えば、コンベヤおよび/またはシザー・リフトの構成または機構などの搬送手段および/またはリフト手段によって2つ以上のステーション間などで移動可能でよい。ステーションの1つは、使用時に対象物を覆うようにフィルムを熱成形するように構成されてよく、別のステーションは、使用時に対象物上にフィルムを昇華するように構成されてよく、かつ/または別のステーションは、対象物および/またはフィルムを冷却するように構成されてよい。これらのステーションの任意の有利な組み合わせも想定される。例えば、その装置は、使用時に対象物を覆うようにフィルムを熱成形し昇華するように構成された第1のステーションと、対象物および/またはフィルムを冷却するように構成された第2のステーションとを備えることができる。あるいは、第1のステーションは、熱成形/冷却ステーションを備え、第2のステーションは昇華ステーションを備えることができる。
【0030】
本発明のさらなる態様は、昇華可能なインクを担持するフィルムを対象物に隣接して配置するステップと、対象物の表面を覆うように熱成形するようにフィルムを第1の温度まで加熱するステップと、続けて、インクが対象物のその表面またはある表面に対して昇華するようにフィルムおよび/または表面および/または対象物をより高い第2の温度まで加熱するステップとを含む昇華印刷方法であって、フィルムおよび/または対象物が、加熱ステージの一方または両方の間に赤外線の熱にさらされ、加熱ステージの一方または両方の間にまたはその後に空気流にさらされる、昇華印刷方法を提供する。
【0031】
フィルムおよび/または対象物は、第1の温度まで加熱するために赤外線の熱にさらされ、かつ/またはより高い第2の温度まで加熱するために加熱空気の高速の流れにさらされてよい。
【0032】
好ましくは、フィルムおよび/または表面および/または対象物は、加熱ステージの一方または両方の間に空気流、例えば加熱した、または温かい、または熱い空気流にさらされる。より好ましくは、フィルムおよび/または表面および/または対象物は、第1の加熱ステージ、例えば熱成形ステージ中に、温かいおよび/または低速の空気流にさらされ、かつ/あるいは第2の加熱ステージ、例えば昇華ステージ中に熱いおよび/または高速もしくは乱流の空気流にさらされる。
【0033】
さらに、またはあるいは、フィルムおよび/または表面および/または対象物は、対象物およびフィルムを冷却するために、第2の加熱ステージ、例えば昇華ステージ後に、非加熱空気流、例えば高速または乱流の空気流にさらされてよい。
【0034】
空気流は、エアナイフを含むことができ、赤外線ヒータの協働する互いに隣接する部分、例えば制限を生み出す、例えば互いに隣接する反射器によって、エアナイフを生み出すことができる。
【0035】
本発明のさらなる態様は、その装置で使用するために特別に適合された昇華可能なインクを担持するフィルム、およびある装置を用いてまたは上記で説明した方法で印刷される対象物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】熱成形ステージ中を示した、本発明の第1の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図2】昇華ステージ中の図1の装置を示す。
【図3】反射器の周りの空気流を示す、図1の装置の隣接する赤外線加熱要素の拡大図である。
【図4】熱成形ステージ中を示した、本発明の第2の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図5】昇華ステージ中の図4の装置を示す。
【図6】その中を通る空気流を示す図4および図5の装置のプレナム構成の拡大図である。
【図7】昇華ステージ中を示した、本発明の第3の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図8】再循環経路を示す、図7の線A−Aを通る断面図である。
【図9A】ルーバ要素の機能を示すヒータの拡大図である。
【図9B】ルーバ要素の機能を示すヒータの拡大図である。
【図10】熱成形ステージ中を示した、本発明の第4の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態によるインク昇華印刷装置を通る概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、添付の図面を参照しながら、単なる一例として本発明の実施形態を説明する。
【0038】
図1から図3を参照すると昇華印刷装置1が示されており、その装置1は、赤外線ヒータ3、空気流誘導手段4および空気流ヒータ38を含み、それらは全て、底部が開いた断熱筐体5内に収容されている。その装置はまた、筐体5の下方に配置された鋼製トレイ2も含み、そのトレイ2内には、印刷される3次元の対象物10と、対象物10の上部に配置されたフィルム12が置かれている。
【0039】
フィルム12は、所望の昇華可能なインクを含み、対象物10を覆うように配置され、その縁部でクランプ20によってクランプ留めされている。クランプ20は、フィルム12とトレイ2との間にシールを設ける。添付の図面には示していないが、クランプ20およびトレイ2が、それらの正確な位置を確保するための位置決めピンを含むことができることも想定される。
【0040】
赤外線ヒータ3は、筐体5のベースに取り付けられ、複数の長手方向の赤外線ヒータ32を含み、それらの赤外線ヒータ32はそれぞれ、断面が半球の反射器36によって部分的に囲繞された細長い加熱要素34を含む。この実施形態の加熱要素34は、コイル状ワイヤ入りの石英管である。このタイプの加熱要素34は、急速な加熱および冷却をもたらし、異なる波長、すなわち短波、中波および長波の選択をもたらすので、有利である。ヒータ32は、隣接する反射器36間に隙間が存在するように、互いに平行に走り互いに隣接して置かれる。反射器36は、加熱要素34から放射される赤外線放射を下方向にトレイ2の対象物10上のフィルム12に向かって反射するように向けられる。
【0041】
この実施形態の空気流誘導手段4は、電動機42によって電力供給されるファンまたはブロワ40の形態である。電動機は、筐体5の上部に回転可能に取り付けられ、筐体5中に延びてファン40を駆動するシャフトを含む。電動機42はまた、インバータ(図示せず)も含み、低流量または大流量を選択的に供給するように構成される。同様に、空気流ヒータ38は、ファン40に誘導される空気流の温度を制御するために調節可能である。空気流ヒータ38およびファン40の両方が鋼製空気流チャンバ44内に配置される。空気流チャンバ44は、図1および図2に示すように、ファン40によって誘導された空気流を、空気流ヒータ38を通り、赤外線ヒータ32の反射器36間の隙間を通るように方向付けする。
【0042】
装置1はまた制御装置(図示せず)も含み、その制御装置には、赤外線ヒータ3、ファン4および空気流ヒータ38が電気的に接続されている。その制御装置(図示せず)はトレイ2の動きも制御する。
【0043】
使用の際には、トレイ2は、図1に示すように筐体5の下に置かれ、空気流ヒータ38は必要な温度まで予熱され、その温度は、この実施形態では、温かい空気流を供給するのに必要な温度に相当する。次いで、トレイ2に流体連結されており、やはり制御装置(図示せず)によって制御された真空ポンプ(図示せず)を作動させて、フィルム12と対象物10との表面の間に真空作用をもたらす。最初は、真空のレベルは、対象物が確実に完全にフィルムで被覆されるように50kPaから80kPaである。フィルムが対象物の周りで成形されると、真空は17kPaから40kPaに下げられる。
【0044】
次いで、赤外線ヒータ3およびファン40を同時に作動させて、90℃から140℃の温度までフィルムを加熱する。赤外線放射は、いわゆるホット・スポット(すなわち、孤立した熱い領域)を防止することによって空気流が一様な温度分布を確保しながらフィルム12を急速に加熱する。ファン40はまた、フィルム表面を覆う境界層を壊し、したがって、空気とフィルムとの間の効率的な熱転写が促進される。
【0045】
有利なことに、トレイ2と筐体5との間の空間により、オペレータが熱成形ステージの進捗を見ることができ、適切な時に昇華ステージを開始するように装置1をセットアップすることができる。
【0046】
熱成形ステージが完了した後で、図2に示すように、筐体5に接触しそれを実質的にシールするまで、トレイ2を上昇させる。次いで、空気流ヒータ38および赤外線ヒータ3によってもたらされる負荷を、昇華ステージに必要な負荷まで増大させ、ファン4の速度を、大流量をもたらすように上昇させる。
【0047】
図3に示すように、互いに隣接する反射器36の対向する部分が、空気流の制限を作るように協働し、その結果、高速の気流、つまりこの実施形態ではエアナイフが生じる。結果として生じる非常に乱れた空気流により、フィルムおよび対象物の隣接する表面全体にわたって熱が一様に分布する。したがって、赤外線ヒータ3による直接の加熱と、熱い空気流による均一な温度分布の組み合わせにより、昇華プロセス・ステップが比較的短くなり、そのため対象物10の完全性に対する損傷が避けられる。
【0048】
昇華ステージが完了する際は、フィルム12および対象物10を冷却するために空気流ヒータ38を使用不能にし、高速の非加熱空気流をもたらすために続けてファン4を動作させる。これは、昇華状態にさらされる時間の長さを最小限に抑えることによって、対象物10の完全性をさらに確実に維持する。
【0049】
次に図4から図6を参照すると、第1の実施形態と同様の、本発明による装置100の第2の実施形態が示されており、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0050】
図4の装置100は、離間した平行な2つのシート46および48から形成されたプレナム46、48を含む点で図1から図3の装置1とは異なる。第1のシート46は、第2のシート48の上方に配置され、その中に均等に離間した開口を複数含む。第2のシート48は、長手方向の赤外線ヒータ32に隣接してそれより少し上方に配置され、均等に離間した開口を複数含み、それらの開口は、第1のシート46の開口より小さく、数が多い。したがって、プレナム46、48の開口は、段階的に小さくなり数が増え、フィルム全体にわたって空気流をより均一に広げるかまたは分配する。
【0051】
図6により明確に示すように、こうした構成により、長手方向の赤外線ヒータ32を横切る空気流がより一様に分配され、これにより、フィルム12および対象物10を覆う、またはその全体にわたる、またはその上への流れがより均一になる。
【0052】
図7に、前述の実施形態と同様の、本発明による装置200の第3の実施形態を示し、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0053】
この実施形態による装置200の空気流誘導手段204は、遠心ファン240を4つ含み、各遠心ファン240は、筐体205のそれぞれの角に取り付けられる。各ファン240は、それぞれのモータ242によって駆動され、その出口が赤外線ヒータ3の長さを水平に横切るように向き、入口がそれらの下方に向いた状態で配置される。ファン240はそれぞれ、ハウジングおよびファン・ホイール240aも含み、筐体205の各長手方向端部において対をなすファン・ホイール240aは、図8により明確に示すように、それらの入口が互いに向き合っている。こうした構成により、ヒータ203の上方の空間に正圧が生じ、それにより、エアナイフを生成するようにヒータ203を通る空気が押し込まれる。空気流は、概して図7および図8に示す経路を追従し、各長手方向端部にあるファン・ホイールの対240aにより、空気がそれぞれの空気流ヒータ238を通り、筐体205の横方向端部からその長手方向の中心に向かって流れ、したがって、正圧が生じ、空気流がエアナイフを通って対象物10およびフィルム12の上に押し込まれる。次いで、その流れは、ファン240の入口を通り、ファン・ホイール240aの入口に至り、上記で説明したように元に戻って外に出るように再循環する。
【0054】
こうしたファンの構成は、非常に効率的な空気流をコンパクトに、かつ、効率よく実現できるので有利である。
【0055】
図9Aおよび図9Bにより明確に示すように、装置200の赤外線ヒータ203、232は、対向するルーバ・プレート233も含み、そのルーバ・プレート233は、反射器36の長さに沿って走り、それらの間の空気流をブロックするかまたは可能にするためにそれらの自由な縁部でヒンジ式に留められている。ルーバ・プレート233は、それらの間の空気の流れを可能にするかまたは防止するように選択的に開閉する、それらの自由な縁部に隣接して配置された電磁要素235を含む。
【0056】
使用の際には、例えば、赤外線ヒータ232によってフィルム12が加熱されており、熱成形ステージ中に真空が動作している間に、ルーバ・プレート233は、電磁要素235が互いに引き付けられるように電磁要素235に通電することによって閉鎖することができる。ファン240および空気流ヒータ238は、赤外線ヒータ232の上方に熱い空気を最大圧力で供給するために、ルーバ・プレート233が閉位置にある状態で常に動作することができる。
【0057】
昇華ステージを開始するためには、電磁要素235の極性を、ルーバ・プレート233を引き離すよう逆にし、したがって、高圧の空気が反射器36間に解放されて、エアナイフ形態の空気の突然の吐出または噴射がフィルム12および対象物10の上に生じる。これは、単独で行うこともでき、赤外線ヒータ232によってもたらされる赤外線加熱と併せて行うこともできる。
【0058】
図10に、前の実施形態と同様の、本発明による装置300の第4の実施形態を示し、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0059】
この実施形態による装置300は、2つのステーション301、302、およびトレイ2を各ステーション301、302間で動かすためのコンベヤ320に分割される。昇華ステーション301は、第1および第2の実施形態の装置1、100と同様であり、赤外線ヒータ3の代わりに一連の枢動式ルーバ350が用いられる。熱成形および冷却ステーション302は、ブロワ4aおよび空気流ヒータ38aを含み、それらのブロワ4aおよび空気流ヒータ38aは、昇華ステーション301のブロワ4および空気流ヒータ38と同様であるがそれより強力ではない。このステーション302はまた、第1および第2の実施形態の赤外線ヒータ3と同様の赤外線ヒータ3も含み、赤外線ヒータ3は空気流ヒータ38aの下方にある。
【0060】
使用の際には、トレイ2は、熱成形および冷却ステーション302の下に配置され、熱成形動作は、上記で第1の実施形態の装置1に関して説明したように実行される。同時に、昇華ステーション301の空気流ヒータ38およびブロワ4は、ルーバ350が閉位置にある間に動作している。次いで、トレイ2をコンベヤ320によって昇華ステーション301の下の位置に動かし、上記で第1の実施形態の装置1に関して説明したように筐体5にシーリングして当接させる。次いで、フィルム12および対象物10上へのエアナイフの形態の空気の突然の吐出または噴射が生じるようにルーバ350を開放する。ブロワ4は、有利なことに、筐体5内の潜熱を保持するために、昇華ステージの終わりに停止または制動することができる。
【0061】
図11および図12に、前の実施形態と同様の、本発明による装置400の第5の実施形態を示し、同様の参照番号は同様の機構を示し、したがってここでは説明しない。
【0062】
この実施形態による装置400は、熱成形および昇華ステーション401および冷却ステーション402に分割され、トレイ2を動かすためのコンベヤ420およびシザー・リフト421が各ステーション401、402の間にある。筐体405a、405bもまた、2つの区画405aおよび405bに分割され、各区画405aおよび405bは、トレイ2をそれぞれのステーション401、402の一方に封入する。熱成形および昇華ステーション401は、第3の実施形態の装置200と同様であるが、ファン240、242の一方は取り外されている。冷却ステーション402は、モータ442によって動力を与えられる遠心ファン440の形態の空気流誘導手段404も含み、ファン440は出口440aを含み、出口440aは、トレイ2の上および/または中に外気を向けるように角度が付けられている。
【0063】
使用の際には、トレイ2は、熱成形および昇華ステーション401の下に配置され、熱成形および昇華動作が、上記で第3の実施形態の装置200に関して説明したように実行される。次いで、トレイ2は、コンベヤ320およびシザー・リフト421によって冷却ステーション402の下の位置に動かされ、冷却ファン440は、トレイの中および/またはその一部の上に外気の流れを誘導して、それらを冷却する。
【0064】
本発明の範囲から逸脱することのない、本明細書で説明した実施形態のいくつかの変形形態が想定されることが当業者には理解されよう。例えば、上記で説明した加熱要素34はコイル状ワイヤ入りの石英管であるが、これらは、対象の用途に基づいて選択することができ、任意の形態の石英管を含むことができ、コイル状ワイヤからカーボンまで複数の形態、または同じ2重の管内で様々なタイプの組み合わせをとる。ハロゲン電球および/またはセラミック赤外線放射源など、他の任意の形態の加熱要素34を使用できることがさらに想定される。
【0065】
装置1、100、200、300は、トレイに流体連結された真空ポンプ(図示せず)を含むが、ポンプは、本発明が機能するにはこうした真空作用をもたらす必要はない。空気流誘導手段4および/または赤外線ヒータ3は、熱成形、昇華および/または冷却ステージの全ての間で動作する必要はなく、かつ/あるいは空気流の温度を必要に応じて変更することができ、かつ/あるいは空気流ヒータ38を完全に省くことができる。
【0066】
さらに、赤外線ヒータ3の一部として設けられるルーバ・プレート233の構成は、例えば、摺動プレート、反射器36の上側にヒンジ留めされたプレート、または他の任意のルーバ構成を有することによる複数の異なる方法で構成することができる。第4の実施形態のルーバ350の代わりに、エアナイフを生み出すために、第3の実施形態に関して図示および説明した赤外線ヒータ203を用いることができ、赤外線ヒータ203は実際の加熱要素34を含んでも含まなくてもよい。その装置は、やはり前述の文献でも説明されるように対象物への空気流を選択的に防止するための別個の一連のルーバを空気流誘導手段4と赤外線ヒータ3との間に備えることもできる。空気流誘導手段4の位置を変更することもでき、例えば、これは、所望の空気流を生成するための、1つまたは複数のブロワおよび/または遠心ファンおよび/または他の任意の適切な手段もしくはデバイスの組み合わせを含むことができる。コンベヤ320、420および/またはシザー・リフト402の代わりに、任意の便利な移動手段、例えば、運搬手段および/またはリフト手段および/または回転手段を用いることができる。
【0067】
前述の機構任意の数の組み合わせおよび/または添付の図面に示す機構が、従来技術に対する明確な利点を提供し、したがって、本明細書で説明する本発明の範囲内に包含されることが当業者には理解されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇華可能なインクをその上に担持するフィルムを有する、3次元の対象物を受ける基体と、前記基体に隣接して取り付けられた赤外線ヒータと、空気流誘導手段とを備える昇華印刷装置であって、
前記赤外線ヒータが、赤外線放射を前記基体に向けるように動作可能であり、前記空気流誘導手段が、前記フィルムの上に、かつ/またはそれを覆うように、かつ/またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能である、昇華印刷装置。
【請求項2】
前記空気流誘導手段が、前記赤外線ヒータを通して、または前記赤外線ヒータの周りに空気流を誘導するように配置され、前記赤外線ヒータが、高速の気流を生み出すように前記空気流を制限するように形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記赤外線ヒータを通る前記空気流を選択的に開閉するためのルーバ手段をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記赤外線ヒータが、反射器によって少なくとも部分的に囲繞された加熱要素を備え、前記反射器が、エアナイフを生み出すように前記空気流を少なくとも部分的に制限するように形成される、請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記赤外線ヒータが、第2の反射器によって少なくとも部分的に囲繞された第2の加熱要素を備え、前記第2の反射器が、前記第1の反射器に隣接して配置されるが離間しており、そのため前記反射器間に隙間が設けられ、前記空気流誘導手段が、空気流が前記隙間を通るように誘導するように配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記隙間が1ミリメートルと2ミリメートルとの間である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つまたは複数の反射器のうち少なくとも部分的にエアナイフを生み出す部分が、テーパ状または凸形である、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の反射器に摺動可能または枢動可能に連結された、前記赤外線ヒータを通る前記空気流を選択的に開閉するための1つまたは複数のルーバ・プレートをさらに備える、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記空気流を加熱するための、前記空気流誘導手段に隣接して配置された空気流ヒータをさらに備える、請求項1から請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記空気流ヒータが、2つ以上の異なる温度で空気流を供給するように調節可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記空気流誘導手段が、2つ以上の異なる流速を供給するように動作可能である、請求項1から請求項10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記空気流誘導手段が、2つ以上の異なる流速を供給するためのインバータを有するファンまたはブロワを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記空気流誘導手段が、その出口が前記赤外線ヒータの上方に、その入口が前記赤外線ヒータの下方になるように配置された、少なくとも1対の対向する遠心ファンを備える、請求項1から請求項12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記赤外線ヒータの上方または周りに筐体をさらに備え、前記ファンが、前記筐体の対向する端部または側部に配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ファンが、入口が互いに向き合っている状態で前記筐体の横方向の対向する側部に配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の対のファンに対して前記筐体の反対側の長手方向端部に配置された、第2の対の対向する遠心ファンをさらに備え、前記第2の対のファンの前記入口が前記赤外線ヒータの下方に配置され、前記第2の対のファンの前記出口が、前記赤外線ヒータの上方に配置されかつ前記第1の対のファンの出口に面する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記赤外線ヒータおよび/または前記空気流誘導手段および/または前記空気流ヒータおよび/または前記ルーバ手段もしくはプレートの動作を制御するための制御装置をさらに備える、請求項1から請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記空気流またはある空気流を前記空気流誘導手段から前記フィルム全体にわたって分配するかまたは広げるためのプレナムをさらに備える、請求項1から請求項17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記プレナムが、前記フィルム全体にわたって前記空気流をより均一に広げるかまたは分配するための、段階的に小さくなり、かつ、数が増える開口を有する2つ以上のプレートを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
昇華可能なインクを担持するフィルムを対象物に隣接して配置するステップと、前記対象物の表面を覆うように熱成形するように前記フィルムを第1の温度まで加熱するステップと、続けて、前記インクが前記対象物に対して昇華するように前記フィルムおよび/または前記対象物をより高い第2の温度まで加熱するステップとを含む昇華印刷方法であって、
前記フィルムおよび/または前記対象物が、前記加熱ステージの一方または両方の間に赤外線の熱にさらされ、かつ、前記加熱ステージの一方または両方の間にまたはその後に空気流にさらされる、方法。
【請求項21】
前記フィルムおよび/または前記対象物が、それを前記第1の温度まで加熱するために赤外線の熱にさらされ、より高い前記第2の温度まで加熱するために加熱空気の高速の流れにさらされる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記フィルムが、前記熱成形ステージ中に第1の温度で低速の空気流にさらされ、前記昇華ステージ中により高い第2の温度で高速の空気流にさらされる、請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記フィルムおよび/または対象物が、前記対象物およびフィルムを冷却するために、前記昇華ステージ後に非加熱の高速空気流にさらされる、請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記空気流がエアナイフを含む、請求項20から請求項23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
制限を生み出す、前記赤外線ヒータの協働する互いに隣接する部分によって前記エアナイフが作られる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の装置で使用するために、かつ/または請求項19から請求項25のいずれか一項に記載の方法で使用するために特別に適合された昇華可能なインクを担持するフィルム。
【請求項27】
請求項1から18のいずれか一項に記載の装置を用いて、かつ/または請求項19から請求項25のいずれか一項に記載の方法で使用するための、印刷される対象物。
【請求項1】
昇華可能なインクをその上に担持するフィルムを有する、3次元の対象物を受ける基体と、前記基体に隣接して取り付けられた赤外線ヒータと、空気流誘導手段とを備える昇華印刷装置であって、
前記赤外線ヒータが、赤外線放射を前記基体に向けるように動作可能であり、前記空気流誘導手段が、前記フィルムの上に、かつ/またはそれを覆うように、かつ/またはその全体にわたって空気流を誘導するように動作可能である、昇華印刷装置。
【請求項2】
前記空気流誘導手段が、前記赤外線ヒータを通して、または前記赤外線ヒータの周りに空気流を誘導するように配置され、前記赤外線ヒータが、高速の気流を生み出すように前記空気流を制限するように形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記赤外線ヒータを通る前記空気流を選択的に開閉するためのルーバ手段をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記赤外線ヒータが、反射器によって少なくとも部分的に囲繞された加熱要素を備え、前記反射器が、エアナイフを生み出すように前記空気流を少なくとも部分的に制限するように形成される、請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記赤外線ヒータが、第2の反射器によって少なくとも部分的に囲繞された第2の加熱要素を備え、前記第2の反射器が、前記第1の反射器に隣接して配置されるが離間しており、そのため前記反射器間に隙間が設けられ、前記空気流誘導手段が、空気流が前記隙間を通るように誘導するように配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記隙間が1ミリメートルと2ミリメートルとの間である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つまたは複数の反射器のうち少なくとも部分的にエアナイフを生み出す部分が、テーパ状または凸形である、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の反射器に摺動可能または枢動可能に連結された、前記赤外線ヒータを通る前記空気流を選択的に開閉するための1つまたは複数のルーバ・プレートをさらに備える、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記空気流を加熱するための、前記空気流誘導手段に隣接して配置された空気流ヒータをさらに備える、請求項1から請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記空気流ヒータが、2つ以上の異なる温度で空気流を供給するように調節可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記空気流誘導手段が、2つ以上の異なる流速を供給するように動作可能である、請求項1から請求項10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記空気流誘導手段が、2つ以上の異なる流速を供給するためのインバータを有するファンまたはブロワを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記空気流誘導手段が、その出口が前記赤外線ヒータの上方に、その入口が前記赤外線ヒータの下方になるように配置された、少なくとも1対の対向する遠心ファンを備える、請求項1から請求項12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記赤外線ヒータの上方または周りに筐体をさらに備え、前記ファンが、前記筐体の対向する端部または側部に配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ファンが、入口が互いに向き合っている状態で前記筐体の横方向の対向する側部に配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の対のファンに対して前記筐体の反対側の長手方向端部に配置された、第2の対の対向する遠心ファンをさらに備え、前記第2の対のファンの前記入口が前記赤外線ヒータの下方に配置され、前記第2の対のファンの前記出口が、前記赤外線ヒータの上方に配置されかつ前記第1の対のファンの出口に面する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記赤外線ヒータおよび/または前記空気流誘導手段および/または前記空気流ヒータおよび/または前記ルーバ手段もしくはプレートの動作を制御するための制御装置をさらに備える、請求項1から請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記空気流またはある空気流を前記空気流誘導手段から前記フィルム全体にわたって分配するかまたは広げるためのプレナムをさらに備える、請求項1から請求項17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記プレナムが、前記フィルム全体にわたって前記空気流をより均一に広げるかまたは分配するための、段階的に小さくなり、かつ、数が増える開口を有する2つ以上のプレートを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
昇華可能なインクを担持するフィルムを対象物に隣接して配置するステップと、前記対象物の表面を覆うように熱成形するように前記フィルムを第1の温度まで加熱するステップと、続けて、前記インクが前記対象物に対して昇華するように前記フィルムおよび/または前記対象物をより高い第2の温度まで加熱するステップとを含む昇華印刷方法であって、
前記フィルムおよび/または前記対象物が、前記加熱ステージの一方または両方の間に赤外線の熱にさらされ、かつ、前記加熱ステージの一方または両方の間にまたはその後に空気流にさらされる、方法。
【請求項21】
前記フィルムおよび/または前記対象物が、それを前記第1の温度まで加熱するために赤外線の熱にさらされ、より高い前記第2の温度まで加熱するために加熱空気の高速の流れにさらされる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記フィルムが、前記熱成形ステージ中に第1の温度で低速の空気流にさらされ、前記昇華ステージ中により高い第2の温度で高速の空気流にさらされる、請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記フィルムおよび/または対象物が、前記対象物およびフィルムを冷却するために、前記昇華ステージ後に非加熱の高速空気流にさらされる、請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記空気流がエアナイフを含む、請求項20から請求項23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
制限を生み出す、前記赤外線ヒータの協働する互いに隣接する部分によって前記エアナイフが作られる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の装置で使用するために、かつ/または請求項19から請求項25のいずれか一項に記載の方法で使用するために特別に適合された昇華可能なインクを担持するフィルム。
【請求項27】
請求項1から18のいずれか一項に記載の装置を用いて、かつ/または請求項19から請求項25のいずれか一項に記載の方法で使用するための、印刷される対象物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−504508(P2012−504508A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529639(P2011−529639)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051310
【国際公開番号】WO2010/038089
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511082469)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051310
【国際公開番号】WO2010/038089
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511082469)
【Fターム(参考)】
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