説明

昇降式消火栓組立体

この組立体は地下に埋立された制水弁70の開閉によって消火水が供給される水道管10と、水道管に連結されるエルボパイプ20とエルボパイプに連結される固定管30と、固定管に結合されて地上に出没され、下端部に固定管の内面にスライドされるガイドブロック41が結合された昇降管40と、固定管の上端部に結合されて昇降管の離脱を防止させる密閉管31と、昇降管の上端部に連結され、消防ホース100が連結されるホース連結口51を備えるヘッドブロック50と、昇降管の下端部を開閉させるバルブ手段とを備える。このような組立体は、昇降管40の下端部がバルブ手段によって閉鎖された状態で水道管10を通じて供給される消火水の圧力によって昇降管が上昇される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は昇降式消火栓組立体に関し、特に消火栓の使用時、昇降管を水圧によって自動的に地上に突出させ、また消火栓の使用後、地上に突出された昇降管の下降速度を調節することができる昇降式消火栓組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
地上に突出された消火栓は通行に障害になり、外力によって破損されやすいとともに、酷寒期に凍破されやすいという問題点があって、最近では昇降式消火栓が開発されている。
【0003】
昇降式消火栓の一例が韓国実用新案登録第20−0316237号に開示され、図1及び図2に示されている。
【0004】
これは上水道管10、バルブ管112及びバレル管122が相互連結され、バレル管122の内側には吐出管142が作業者によるハンドル148力によって昇降可能に結合され、回転体172の回転によってバルブ管112を開閉させるバルブ体190が備えられた構造を有する。
【0005】
このような消火栓は作業者がハンドル148を把持した後上部へ引っ張ると、吐出管142がバレル管122から引き出されながら上昇され、その後、吐出口160に消防ホースを連結させた後、回転体172を回転させてバルブ体190を開放させると、消火水が吐出される構造である。
【0006】
しかし、このような構造の消火栓は、使用の時に作業者がハンドル148を把持して、吐出管142を地上に突出させなければならないため煩雑である。
【0007】
また、消火栓を使用した後は、ハンドル148を把持して下方へ力を加えて吐出管142をバレル管122に結合させる。この場合、吐出管142、バレル管122及びバルブ管112の内部に消火水が充填されているため、下降作業が難しくなって非常にゆっくりと下降されるようになって作業速度が遅くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国実用新案登録第20−0316237号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような問題点を解決するために創出されたもので、消火栓の使用の時、昇降管を水圧によって自動的に地上に突出させることができる昇降式消火栓組立体を提供することをその目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、消火栓を使用した後、地上に突出された昇降管の下降速度を調節することができる昇降式消火栓組立体を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達する本発明の昇降式消火栓組立体は、地下に埋立された制水弁の開閉によって消火水が供給される水道管と、水道管に連結されるエルボパイプと、エルボパイプに連結される固定管と、固定管に結合されて地上に出没され、下端部にガイドブロックが結合された昇降管と、固定管の上端部に結合されて昇降管の離脱を防止する密閉板と、昇降管の上端部に連結され、消防ホースが連結されるホース連結口を備えるヘッドブロックと、昇降管の下端部を開閉させるバルブ手段とを備え、昇降管の下端部がバルブ手段によって閉鎖された状態で、水道管を通じて供給される消火水の圧力によって昇降管が上昇されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の組立体は、固定管と昇降管との間の空気を排気または吸入するように開閉させるエアバルブを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の組立体は、エルボパイプに連結され、制水弁の開放の時閉鎖され、制水弁の閉鎖の時開放されて昇降管とエルボパイプに残留する消火水を外部に排出させるチェックバルブがさらに備えられることを特徴とする。
【0014】
また、バルブ手段は昇降管の下端部に密着または分離可能なバルブ本体と、下端がバルブ本体に結合され、上端部がヘッドブロックに回転可能に支持されて昇降可能な作動棒と、作動棒の上端部に結合されて、作動棒を回転させるハンドルを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
第一に、制水弁の開放の時、高圧の消火水の圧力によって昇降管40が上昇されて地上に突出されるようにすることによって、従来、作業者の手作業による場合と異なって、緊急状況が発生した時迅速に作動することができるようにする。
【0016】
第二に、固定管と昇降管との間の空間をエアバルブで開閉可能にすることによって、昇降管40の上昇速度及び下降速度を制御することができ、これによって昇降管の急速な上昇を防止して事故を予防し、且つ昇降管の下降の時下降を円滑にする。
【0017】
第三に、ヘッドブロック50にバルブ本体60を開閉させるハンドル62を設置することによって、従来別途のレンチでバルブ本体を開閉させる不便を解消する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来消火栓の作動状態を示す概路図である。
【図2】従来消火栓の作動状態を示す概路図である。
【図3】本発明の実施形態の消火栓の作動状態図である。
【図4】本発明の実施形態の消火栓の作動状態図である。
【図5】本発明の実施形態の消火栓の作動状態図である。
【図6a】本発明の実施形態の消火栓に用いられるチェックバルブの作動状態図である。
【図6b】本発明の実施形態の消火栓に用いられるチェックバルブの作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態における昇降式消火栓組立体は、従来作業者が手作業で昇降管を地上に突出させる作業上の煩雑さを解消し、また作業者が昇降管を下降させる時少ない力でも下降させることができるようにする。
【0020】
本発明の実施形態の消火栓組立体を示す図3〜図5によれば、これは地下に埋立された制水弁70の開閉によって消火水が供給される水道管10と、水道管10に連結される直角エルボパイプ20と、エルボパイプ20に連結される固定管30と、固定管30に結合されて地上に出没され、下端部に固定管30の内面にスライドされるガイドブロック41が結合された昇降管40と、固定管30の上端部に結合されて昇降管40の離脱を防止する密閉板31と、昇降管40の上端部に連結され、消防ホース100が連結されるホース連結口51を備えるヘッドブロック50と、昇降管40の下端部を開閉させるバルブ手段とを備える。
【0021】
バルブ手段は、昇降管40の下端部に密着または分離可能なバルブ本体60と、下端がバルブ本体60に結合され、上端部がヘッドブロック50に旋回可能に支持されて昇降可能な作動棒61と、作動棒61の上端部に結合されて作動棒61を回転させるハンドル62とを備える。
【0022】
制水弁70は地上と連結されて、別途の開閉手段(図示省略)によって開閉が可能であり、水道管10とエルボパイプ20及び固定管30の一部分は地下に埋設され、固定管30の上端部は地上の消火栓溝110に突出して設置される。
【0023】
密閉板31には固定管30と昇降管40との間の空気を排気または吸入させるように開閉させるエアバルブ90が設けられている。
【0024】
また、エルボパイプ20に連結され、制水弁70を開放した時に閉鎖され、制水弁70を閉鎖した時に開放されて、昇降管40とエルボパイプ20に残留する消火水を外部に排出させるチェックバルブ80が備えられている。
【0025】
チェックバルブ80には、図6に示すように、エルボパイプ20と連結される流入口81と消火水が排出される出水口82が形成され、その内部には消火水が通過できるようにヘッド部に切開溝83aが形成され、後尾が出水口82を開閉可能にする移動スプール83が結合され、出水口82を開放させる方向に移動スプール83を移動させるスプリング84が備えられている。上記のような構成を有する消火栓組立体の作動は次の通りである。
【0026】
図3によれば、消火栓の使用の時、消火栓溝110を覆っている蓋(図示省略)を開放した後制水弁70を開放させる。この時供給される消火水の水圧によって、図4に示すように、固定管30に対してバルブ本体60及び昇降管40が上昇されてヘッドブロック50が地上に突出される。
【0027】
この時、エアバルブ90の開閉量を調節すると、水圧によって上昇される昇降管40の上昇速度を調節することができる。即ち、固定管30と昇降管40との間の空間に存在する空気の排出速度を調節することによって、昇降管40の上昇速度を調節することができる。従って、高圧の消火水による昇降管40の急激な上昇を防止して事故を予防することができる。
【0028】
このような状態で、ホース連結口51に消防ホース100を連結させた後、図5に示すように、ハンドル62を回転させて作動棒61を通じてバルブ本体60を下降させると、昇降管40の下端部が開放されて、消火水が消防ホース100を通じて吐出される。
【0029】
一方、消火水が吐出される間チェックバルブ80は閉鎖される。即ち、図6aに示すように、高圧の消火水が流入口81を通じて流入されると、移動スプール83がスプリング84を圧縮させながら移動されて出水口82を閉鎖させ、それによって消火水のドレーンを遮断させる。
【0030】
消火栓を使用した後には制水弁70を閉鎖させ、ヘッドブロック50を下方に加圧させて昇降管40を固定管30の内側に結合させる。この時エアバルブ90を開放して固定管30と昇降管40との間に外部空気が流入されるようにすることによって昇降管40の下降が円滑になるようにする。
【0031】
昇降管40の下降が完了されてから所定時間経って昇降管40の内部に残留する消火水がチェックバルブ80を通じて完全にドレーンされると、ハンドル62を回転させてバルブ本体60で昇降管40の下端部を閉鎖させる。
【0032】
また、制水弁70を閉鎖させると、チェックバルブ80が開放されて昇降管40とエルボパイプ20に残留する消火水がドレーンされる。即ち、図6bに示すように、消火水の高圧の圧力が除去されることによって、スプリング84の復元力によって移動スプール83が移動されて出水口82を開放させる。この時、流入口81を通じる消火水は切開溝83aを経由して出水口82でドレーンされる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
消火栓を使用する時には昇降管を水圧によって自動的に地上に突出させ、また消火栓を使用した後には地上に突出された昇降管の下降速度を調節することができるようになる。
【符号の説明】
【0034】
10:水道管
20:エルボパイプ
30:固定管
31:密閉管
40:昇降管
41:ガイドブロック
50:ヘッドブロック
51:ホース連結口
60:バルブ本体
61:作動棒
62:ハンドル
70:制水弁
80:チェックバルブ
90:エアバルブ
100:消防ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に埋立された制水弁(70)の開閉によって消火水が供給される水道管(10)と、前記水道管(10)に連結されるエルボパイプ(20)と、前記エルボパイプ(20)に連結される固定管(30)と、前記固定管(30)に結合されて地上に出没され、下端部に前記固定管(30)の内面にスライドされるガイドブロック(41)が結合された昇降管(40)と、前記固定管(30)の上端部に結合されて前記昇降管(40)の離脱を防止する密閉板(31)と、前記昇降管(40)の上端部に連結され、消防ホース(100)が連結されるホース連結口(51)を備えるヘッドブロック(50)と、前記昇降管(40)の下端部を開閉させるバルブ手段とを備え、
前記昇降管(40)の下端部が前記バルブ手段によって閉鎖された状態で前記水道管(10)を通じて供給される消火水の圧力によって前記昇降管(40)が上昇されることを特徴とする昇降式消火栓組立体。
【請求項2】
前記固定管(30)と昇降管(40)との間の空気を排気または吸気させるように開閉させるエアバルブ(90)を備えることを特徴とする請求項1に記載の昇降式消火栓組立体。
【請求項3】
前記エルボパイプ(20)に連結され、前記制水バルブ(70)が開放時に閉鎖され、前記制水バルブ(70)が閉鎖時に開放されて、昇降管(40)とエルボパイプ(20)に残留する消火水を外部に排出させるチェックバルブ(80)がさらに備えられたことを特徴とする請求項1または2に記載の昇降式消火栓組立体。
【請求項4】
前記バルブ手段は、前記昇降管(40)の下端部に密着または分離可能なバルブ本体(60)と、下端が前記バルブ本体(60)に結合され、上端部が前記ヘッドブロック(50)に回転可能に支持されて昇降可能な作動棒(61)と、前記作動棒(61)の上端部に結合されて作動棒(61)を回転させるハンドル(62)とを備えることを特徴とする請求項3に記載の昇降式消火栓組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2012−524849(P2012−524849A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507146(P2012−507146)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002466
【国際公開番号】WO2010/123255
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511254435)
【氏名又は名称原語表記】ONE, Syeng−Yen
【Fターム(参考)】