説明

明度剤含有床仕上げ剤

フィルム形成剤および適当な量のコアシェルポリマーまたはシース化ポリマー系を含む明度誘導剤を含む現場でリニューアル可能な床仕上げ剤は、(適当な色空間に関連して評価され)増加した明度値を有する半透明の硬化された仕上げ層、およびそうした顔料のない仕上げ剤よりもきれいな外観を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場でリニューアル可能な床仕上げ剤、そうした仕上げ剤の適用、およびそうした仕上げ剤でコートされた床に関する。
【背景技術】
【0002】
現場でリニューアル可能な床仕上げ剤は、基材の耐用年数を延ばし、および基材に望ましい光沢のある外観を与えるために、床材(例えばタイル、床ビニール製品、木製床、テラゾ)の上表面にコート、および後で仕上げ剤が傷んだり汚れたりした際に、剥がして交換可能な、化学的に剥離可能なポリマーフィルムを与える。床仕上げ剤を含み、顔料または着色剤を挙げている特許は、米国特許番号第4,680,237号、第5,284,79号、第 5,851,618号および第6,472,027号を含む。オニキス(ONYX:商標)黒色ウレタン改質アクリル系封止剤(パルマ(Perma, Inc.)社)、 ブラックジャック(BLACKJACK:商標)黒色厚板床仕上げ剤(ジョンソンダイバーシー(JohnsonDiversey)社)、およびNo.402光沢黒色床仕上げ剤(スパルタンケミカルカンパニー(Spartan Chemical Company, Inc.)社)を、含む様々な黒色顔料の床仕上げ剤が米国で販売されてきた。蛍光増白剤を含む床仕上げ剤が、米国特許番号第4,371,398号に記載されている。イシネ(ISHINE:商標)床仕上げ剤 (25%の不揮発性(nonvolatiles)、スパルタンケミカルカンパニー社)およびベツコベスト(BETCO BEST:商標)床仕上げ剤(32%の不揮発性、ベツコ(Betco Corp)社)を含む、蛍光増白剤含有の様々な仕上げ剤が、米国では販売されてきた。研磨剤を含有する表面仕上げ剤を有し、および二酸化チタニウム等の酸化チタニウムを含む様々な研磨粒子を使用しているといわれている床仕上げ剤が、米国特許番号第5,445,670号に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在の大部分の床仕上げ剤は、黄色の着色を避けるため、下地となる床を隠すため、および、長い間に複数層が適用されることを許容するために、出来る限り透明になるように、または薄いコートを使用しても充分に被覆を与えるように顔料を濃くして、処方されている。透明な仕上げ剤は、時々黄色の着色を有するか、または風雨にさらされると黄色化する傾向がある可能性がある。摺りこまれた(Ground-in)または吸着された汚れおよび破片は、過度に過激に化学的剥離剤を使用することが可能なため、透明なおよび顔料入りの仕上げ剤の変色を起こす可能性がある。時々、磨耗、高い交通量、環境条件または他の要素のために、床材の上に充分な保護コートを維持することが難しい。そうした例では、摺りこまれた、または吸着された汚れおよび破片は、永続的に床材のしみとなり、または脱色する可能性がある。頻繁な洗浄、バフ研磨および定期的なリニューアルを含む床の外観の維持および床仕上げにおいて、相当な努力が払われている。”ぬれたように見える外観”の仕上げ剤は、時々特に望ましい外観を有すると考えられており、およびいくつかの透明な仕上げ剤は、高い光沢度を達成するように処方されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
同時に出願継続中の出願番号(代理人整理番号(Attorney Docket No.) 117-P-1840USI2)で、発明の名称が光増白剤入り床仕上げ剤(FLOOR FINISH WITH LIGHTENING AGENT)に記載されているように、同日出願の(filed even date herewith)開示を参照することによりここに取り込むが、透明または半透明の現場でリニューアル可能な床仕上げ剤中に、適当な量の明度誘起剤を含めることは、より清潔でより望ましい知覚外観を、床に与えることが出来る。我々はさらに、床仕上げ剤に、溶解されまたは懸濁される際に一つの外観上のフォーム(例えば透明または少し不透明)を有するコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系を明度誘起剤が含む時に高められた外観を、および床仕上げ剤が、乾燥、架橋またはそうでなければ硬化する際に、別の外観上のフォーム(例えば、透明、白または色つき)を、有する可能性があることを発見した。本発明はこの様に、ある一面では増加した明度値を有する半透明の硬化仕上げ層を与えるために、フィルム形成剤、およびコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系を含む充分な明度誘起剤を含む、現場でリニューアル可能な床仕上げ剤を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
別の面では本発明は、増加した明度値を有する半透明の、現場でリニューアル可能な仕上げ剤を与えるために、フィルム形成剤、およびコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系を含む充分な明度誘起剤を含む混合物の、床材への適用を含む床のコーティング方法を与える。
【0006】
もう一つの面では本発明は、目立った磨耗または光沢を失った床仕上げ剤の上の1以上のメンテナンスコートの適用および硬化を含む床のメンテナンス方法も与え、ここで、少なくとも一つのメンテナンスコートは、増加した明度を有する半透明で硬化された床仕上げ剤を修復または与えるために、フィルム形成剤、およびコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系を含む充分な明度誘起剤を含んでいる。
【0007】
本発明は、適当な容器またはディスペンサーに入った床仕上げ剤、および床仕上げ剤の適用のための使用説明書を含む、現場でリニューアル可能な床仕上げキットも与え、ここで、床仕上げ剤は、増加した明度値を有する半透明の現場でリニューアル可能な硬化仕上げ剤を与えるために、フィルム形成剤、およびコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系の充分な明度誘導剤を含む。
【0008】
開示された床仕上げ剤、方法およびキットは、その利点が視覚的に喜ばれる可能性がある次世代の床仕上げシステムを与える。
【0009】
開示された床仕上げ剤中で様々な層の位置のための、"の上に(atop)"、 "の下に(beneath)"、"の上に(on)"、"の下に(under)"、 "最上の(uppermost)"、"最低の(lowermost)"、"の間の(between)"およびその同類のもの等のオリエンテーションの語の使用によって、相互に対して、または下にある床材に対して、前後関係(context)が必要となる1以上の層の相対的な位置をいう。我々は、層または床材は水平でなければならないとは意図しておらず、層と床材は接触し、または連続していなければならないとは意図しておらず、層間または床材と層の間に1以上の中間層の存在を排除しない。
【0010】
本開示に関係して使用される"オリゴマー”は、複数の(例えば2〜約30)のモノマーユニットを含むポリマー化可能(例えば架橋可能)な部分である。
【0011】
本開示に関係して使用される"フィルム形成剤"は、モノマー、オリゴマーまたはポリマーで、不粘着フィルムを形成するために、(必要であれば、適した可塑剤または融合助剤とともに)適用し、および乾燥し、架橋しまたはそうでなければ硬化可能である。
【0012】
本開示に関係して使用される"硬化システム"は、化学的または物理的工程(溶剤のエバポレーションまたは他の乾燥工程、光化学反応、電気化学反応、ラジカル工程、イオン工程、湿気キュアー工程およびマルチコンポーネント(例えば2または3コンポーネントの)架橋工程等)で、それらを通して組成物が乾燥し、架橋しまたはそうでなければ硬化して、不粘着のフィルムを形成する。
【0013】
本開示に関係して、"光"は可視範囲における電磁気放射であり、約4×10-7m〜7.7×10−7mである。
【0014】
本開示に関係して、50m/リッターのmコーティングスピードで、パターン化したビニール組成物の床タイル(例えば、ベージュ色の背景とアームストロングワールドインダストリー社(Armstrong World Industries, Inc.)の型番51839と同一でシミ(mottled)/小さな斑点(speckled)のパターンを持つエクセロン(EXCELON:商標))上に、コートされ、乾燥され、キュアーまたはそうでなくとも硬化されると床仕上げ剤は、"半透明”とみなされており、通常の昼間の照度の下で、床に立っている観察者によって、明確に模様が識別できる。
【0015】
本開示に関係して使用される"明度誘導剤(明度誘導剤)”は、50m/リッターのコーティングスピードで、黒い基材の上にコートされた硬化された床が、0が完全な黒色表面から反射される光に割り当てられており、100が完全な白色表面から反射される光に割り当てられている値である、L*a*bの色空間(color space)を使用して評価された時に、増加した明度値L*を床仕上げ剤に与える材料である。
【0016】
本開示に関係して使用される硬化床仕上げ剤は、もしそうした時間にそうすることが望まれる可能性があれば、"現場でリニューアル可能"とみなされ、仕上げ剤は、床材の実質的な部分を剥離せずに、メチレンクロライドを含まないまたはアセトンを含まない化学的剥離剤およびモップおよび洗剤溶液等の単純で最小量の研磨手段、不織布床磨パッド等のやさしく研磨するが床に安全な手段、または剥離(研削(grinding)、サンディング(sanding)、サンドブラスティング、またはメチレンクロライドまたはアセトンに基づく剥離等の攻撃的な剥離なしに)を用いて、下にある床材から剥離し、同じまたは実質的に類似の仕上げ剤および硬化剤で、スムーズな可視不粘着フィルムに置き換えることが可能である。
【0017】
本開示に関係して使用される"複層床仕上げ剤(multilayer floor finish)"は、異なる組成のアンダーコートおよびトップコートを使用する。簡潔のために、床材とトップコートの間に位置するアンダーコート組成物の一層または複数の層は、集合的に”アンダーコート”といっても良く、床材の上に位置するトップコート組成物の一層または複数の層を集合的に”トップコート”といっても良く、硬化されたアンダーコートおよびトップコート(またはトップコートだけで)床材の上に位置する組み合わせを"コーティング”または”仕上げ剤”といっても良い。
【0018】
種々の明度誘導剤が、開示された仕上げ剤で使用される可能性がある。典型的な材料は、乾燥フォームまたはエマルジョン、サスペンジョン、格子または他の液体または半固体フォームとして入手される可能性がある精密に分離された粒子を含む。好ましくは、そうした明度誘導剤は、好ましくは、サブミクロンの平均粒子直径を有し、光を拡散して反射する。例えば明度誘導剤は、フィルム形成剤の屈折率とは充分に異なる屈折率を有している可能性があり、したがって明度誘導剤がないと得られるより大きい入射光の拡散または正反射率がある。
【0019】
特に有用なクラスの明度誘導剤は、コアシェルポリマー系およびシース化ポリマー系、特にフィルム形成剤中で溶解されまたは懸濁される時に一つの視覚上のフォーム(例えば、透明またはわずかに不透明)、およびフィルム形成剤が乾燥、架橋またはそうでなければ硬化すると他の視覚上のフォーム(例えば、不透明、白または色つき)を含む。これは、特に視覚的に楽しいまたは特に有用な明るくする効果を与え、および沈殿(sedimentation)または他の沈降(settling)に良い抵抗性を有する明度誘導剤を与える可能性がある。そうした明度誘導剤は、例えば、より沈殿傾向のある明度誘導剤の、完全なまたは部分的な置き換えとして働く可能性がある。種々の要素が、視覚フォームにおける上に記載した変化の原因である可能性がある。明度誘導剤は、フィルム形成剤が硬化すると、例えば内部にミクロボイドを含むか形成可能である。そうしたミクロボイドのある明度誘導剤は、高分子酸”コア(core)”が少なくとも部分的にポリマーの”シェル(shell)"または"シース(sheath)”の中に包まれているヘテロポリマーのエマルジョン重合されたディスパージョン粒子を逐次含み、該"コア”または”シース”は、揮発性塩基(例えば、アンモニアまたは有機アミン)で浸透可能で、適用されて中和によってコアの膨潤を引き起こす。そうした粒子の水性ディスパージョンは、特に水ベースのコーティング組成物内では有用である。コーティングの適用前に、アルカリ(例えば、水酸化カリウム、アンモニアまたは低級有機アミン)が、少なくとも部分的にコア(例えばペーハーを約6に)を中和し膨潤を起こすために、粒子にまたは粒子を含む組成物に加えられる。膨潤した粒子を含むコーティング組成物が基材に適用され、乾燥されるかまたは乾燥を促進されると、コアが膨潤しなくなりミクロボイドが形成される可能性がある。アクリル酸、メタクリル酸、(メタまたはア)クリロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニティック酸、マレイン酸または無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノメチルフマレート、モノメチルイタコネート等を含む、エチレン不飽和モノマー含有酸機能を含む種々のコアポリマーが、そうした明度誘導剤の中で使用される可能性がある。種々のシェルまたはシース化ポリマーも、スチレン、o−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ペンタクロロフェニルメタクリレートまたはペンタブロモフェニルメタクリレート等の不飽和モノマーのポリマーを含むそうした明度誘導剤中で使用される可能性がある。コアおよびシェルまたはシースは、一段階でまたは複数の段階で形成されても良い。堆積したポリマーの量は、約0.05〜約5μm、例えば約0.1〜約3.5μmまたは約0.2〜約2μmの平均非膨潤粒子直径(すなわち中和前の直径)ヘテロポリマーの粒子を与えるために充分である可能性がある。ポリマーの酸基を中和できるアンモニア、モノエタノールアミン類、ジアミン類および他の材料を含むアミン類が、膨潤を促進するために加えられる可能性がある。結果として生じるヘテロポリマーの粒子は、開示された仕上げ剤の中では明度誘導剤として働く、二酸化チタニウムまたは酸化亜鉛等の沈殿傾向がある明度誘導剤に、および完全にまたは部分的に置換する可能性がある。この明度誘導剤のクラスに関するさらなる情報は、米国特許番号第4,427,836号および第4,594,363号の開示を参照することによりここに取り込む。
【0020】
開示された仕上げ剤中の高められた明度特性を誘導するために適している可能性がある商業的に有用なコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系は、ハイク(HIQUE)821、ハイク 168、およびハイク 280S(すべてハンクックラティス社(Hankuck Lattices Co., Ltd.))等のハイク(HIQUE:商標)スチレン−アクリル系ポリマーエマルジョンポリマーマイクロビーズ;ロパーク(ROPAQUE) HP-91、ロパーク OP-62LO、ロパーク OP-96、ロパーク AF-1055、ロパーク OP-3000およびロパークウルトラ(すべてロームアンドハース(Rohm and Haas Co.)社)等のロパーク(ROPAQUE:商標)ポリマーエマルジョン;およびSUNSPHERES(商標)LCGスチレン/アクリレートコポリマー(ロームアンドハース社)を含む。
【0021】
上記のコアシェルポリマー系およびシース化ポリマー系は、それら自身でまたは他の明度誘導剤と一緒に使用しても良い。そうした他の明度誘導剤の有用なクラスは、印刷インク製造業者国内協会(National Association of Printing Ink Manufacturers)によるNPIRI原料データハンドブック(NPIRI Raw Materials Data Handbook)中の不透明または半透明の顔料として指定された材料を含む。そうした他の明度誘導剤のもう一つの有用なクラスは、連邦政府基準(Code of Federal Regulations)、タイトル21食品および薬品、パート170〜186中に記載されたもの等の、非直接または直接の食品添加剤または物質と相性が良い食品グレード材料として指定された材料を含む。しかし、そうした明度誘導剤のほかの有用なクラスは、機能性修飾(例えば疎水性修飾などの)ポリマー、(例えばポリマー性ナノ粒子などの)ポリマー粒子、有機染色粒子およびヒドロゲル等の有機材料を含む。
【0022】
染料とカラリストのカラーインデックス協会(the Society of Dyers and Colourists Colour Index ("CL"))中の"ピグメントホワイト”と表され、暴露される仕上げ剤としての使用に適した顔料は、以下を含む:酸化亜鉛(顔料(Pigment)白(White) 4, C.I.77947);リトポン(顔料 白 5, C.I.77115)、二酸化チタニウム(顔料 白 6, C.I.77891);硫化亜鉛(顔料 白 7, C.I.77975);酸化アンチモン(顔料 白 11, C.I.77052)、酸化ジルコニウム(顔料 白 12, C.I.77990);硫化バリウム(顔料 白 21, C.I.77120);共沈殿3BaSO/Al(OH)(顔料 白 23, C.I.77122)およびオキシ塩化ビスマス(CI.77163)。開示された仕上げ剤中で、高められた明度特性を誘導するのに適している可能性がある他の無機顔料は、以下を含む:窒化ホウ素;酸化チタニウム・クロム・アンチモンの混合物(顔料 Brown 24, CI.77310);硫化亜鉛(顔料 黄色(Yellow) 35,CL 77205);酸化チタニウム、ニッケル・アンチモンの混合物(顔料 黄色 53, C.I.77788);酸化チタニウム、ニッケル、ニオビウムの混合物(顔料 黄色 161, C.I.77895);および、ビスマス/バナジウム・モリブデンの酸塩(顔料 黄色 184, C. I. 771740)。商業的に有用な二酸化チタン顔料は、以下を含む:TI-PURE R-746水性顔料ディスパージョンおよびTI-PURE R-960顔料等のE.I.デュポンネモラスアンドCo(E. I. duPont de Nemours and Co)社のTI-PURE(商標)顔料;(ケミラKEMIRA)660アルミナーシリカーポリオール表面処理ルチル二酸化チタニウム、ケミラ RDI-S アルミナ表面処理ルチル二酸化チタニウム、ケミラ RD3アルミナ-ジルコニア表面処理ルチル二酸化チタニウムおよびケミラ RDE2およびケミラ RDDIアルミナ−シリカ表面処理ルチル二酸化チタニウム等のケミラ顔料(Kemira 顔料Oy)社の ケミラ(商標)顔料およびUV-TIT AN(商標)顔料;ケルーマクギー社(Kerr-McGee Corp)のTRONOX(商標)クロリド工程およびTRONOXサルフェート工程二酸化チタン顔料;およびサンケミカル社(Sun Chemical Corp)の二酸化チタニウム顔料。商業的に有用な酸化亜鉛は以下を含む:U.S.亜鉛社(U.S. Zinc)の酸化亜鉛粉末(種々の表面エリアで有用)、およびナノフェーズテクノロジーズ社(Nanophase Technologies Corp)のNANOGARD(商標)酸化亜鉛、NANOPHASE(商標)酸化亜鉛およびNANOTEK(商標)酸化亜鉛等の"酸化亜鉛超微粒子(ultrafine zinc oxides)"(平均粒子直径または平均結晶サイズが、可視光線の最短波長よりも短い);グリーンコープマグネティックスPty社(Greencorp Magnetics Pty. Ltd)のNANOZINC OXIDE(商標);ロームアンドハース社のUCD-1106E二酸化チタン;住友大阪セメント社のZnO-310およびZnO-350酸化亜鉛超微粒子、およびアメリカンケメット社(American Chemet Corp)のZINOX(商標)350酸化亜鉛超微粒子。
【0023】
開示されたコアシェルポリマー系およびシース化ポリマー系を含む、開示された仕上げ剤に使用される可能性のある明度誘導剤のもう一つの有用なクラスは、以下を含む:ACUSOL OP301、OP302P、OP303P、OP304およびOP305(すべてロームアンドハース社)等のACUSOL(商標)乳白剤(水ベースのスチレン/アクリル系エマルジョンと信じられている);アンモニウムノノキシノール−4サルフェート(ジエタノールアミン/スチレン/アクリレート/ジビニルベンゼンコポリマーのブレンドとして有用と信じられている);HS 3000NA、HS3020NAおよびHSB 3042NA中空球プラスチック顔料(すべてダウケミカル社)等の中空球プラスチック顔料;SA-100HおよびSR-150Hアクリル酸/アクリロナイトロジェンコポリマー、SS-201アンモニウムアクリレート/アクリロナイトロジェンコポリマーおよびQT-100ポリクオタニウム−31コポリマー(すべてリポケミカルズ社(Lipo Chemicals, Inc.))を含むHYPAN(商標)ハイドロゲル等の親水性または疎水性ブロックで改変したポリアクリレートブロックコポリマー; KESSCO GMS PUREグリセリルステアレート、KESSCO DGMSおよびKESSCO DGS NEUTRAL PEG-2ステアレート、KESSCO DGDS PEG-2 ジステアレート、KESSCO PGMS PUREプロピレングリコールステアレートおよびKESSCO PEG 200-6000モノ-およびジラウレート類、オレアート類およびステアレート類(ステファンケミカル社(Stepan Chemical Co))等のKESSCO(商標)乳白剤;LIPONYL 20 LLおよび10 BN 6058 (両方ともリポケミカルズ社)等のLIPONYL(商標)ポリアミド粉末;LIPOLIGHT(商標)OAP/Cポリドデカナミミドアミニウムトリアザジフェニルエセンスルホネート/ポリビニルアルコールクロスポリマー(リポケミカルズ社);Lipo PE BASE G-55グリセリンおよびジグリコール/シクロヘキサンジメタノール/イソフタレート/スルホン化イソフタルレートコポリマー(リポケミカルズ社);ORGASOL 2002D Nat Cos、2002 EX D Nat Cos、2002 UD Nat Cos、4000 EX D Nat Cos、1002 EX D Blanc 10 Cos、1002 D Nat Cosおよび2002 EX D Nat Cos (すべてリポケミカルズ社)等のORGASOL(商標)ポリアミド粉末;およびPARALOID KM-342、PARALOID KM-342BおよびPARALOID KM-334(すべてロームアンドハース社)等のPARALOID(商標)衝撃改質剤。
【0024】
明度誘導剤の水性溶液またはディスパージョンは、水性の床仕上げ処方物との使用で好まれ、アクリル系ディスパージョンは特にアクリル系床仕上げ処方物との使用で好まれる。明度誘導剤の混合物は、また使用される可能性がある。
【0025】
種々のフィルム形成剤は、モノマー、オリゴマーまたはポリマーを含み種々の硬化システムを使用する溶剤性、水溶性または100%固体組成物を含む開示された仕上げ剤で使用可能である。典型的なフィルム形成剤は、(そのまままたは分散剤と)水に可溶なまたは水に分散可能な酸含有ポリマーを含み、以下を使って架橋可能である;遷移金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属またはそれらの混合物 (例えば亜鉛架橋性アクリル);金属フリー(例えば亜鉛フリー)アクリル系仕上げ剤(例えばアクリル系コポリマー類);ポリウレタン類(例えば放射線硬ポリウレタン、ポリウレタンディスパージョン類、ブロックイソシアネート含有マルチパートポリウレタン類およびラテントワンパートポリウレタン組成物);アクリル系ウレタン類;水ベース(例えば水性)ラテックスエマルジョン;アジリジン架橋性ディスパージョン;カルボジイミド類との架橋性組成物;ワックスエマルジョン;ポリビニルアセテートコポリマー(例えばポリビニルアセテート-ポリエチレンコポリマー);ポリビニルアルコールおよびそのコポリマー類;ポリビニルピロリドンおよびそのコポリマー類;修飾セルロース;スルホネート化ポリスチレン類および当業者に良く知られたその他の材料。代表的に有用なフィルム形成剤は、以下を含む:デュラプラス(DURAPLUS:商標)2−修飾アクリル系低臭気混合メタル架橋性ポリマー、デュラプラス3-亜鉛架橋性アクリル系ディスパージョン、プライマル(PRIMAL:商標)B-336AFK修飾アクリル系亜鉛架橋性ポリマー、亜鉛架橋性プライマルB-924ER、すべてのアクリル系ポリマーエマルジョン、プライマルE-2483金属架橋性アクリル系ポリマー、プライマルE-3188水性アクリル系ポリマーディスパージョン、プライマルNT-2624メタルフリーポリマー、プライマルNT-6035メタルフリーポリマー、ロプレックス(RHOPLEX:商標)B-924全アクリル系金属架橋性床仕上げ剤ポリマー、ロプレックス1421亜鉛架橋性アクリル系ディスパージョン、ロプレックスB-1604金属架橋性修飾アクリル系ポリマー、ロプレックスNT-2624金属架橋剤フリー修飾アクリル系磨き剤、ロプレックス3479低発泡性金属架橋性アクリル系ポリマー、ロシールド(ROSHIELD:商標)3120UV硬化性アクリレートコーティングおよびユーエッチエス(UHS PLUS:商標)金属架橋性アクリル系ポリマー、全てロームアンドハース社;MEGATRAN(商標)205亜鉛架橋性アクリル系ディスパージョンおよびSYNTRAN(商標)1580亜鉛架橋性アクリル系ディスパージョン インターポリマー社(Interpolymer Corp); MORGLO(商標)2亜鉛架橋性 アクリル系ディスパージョン オムノバソリューションズ社(Omnova Solutions Inc); LAROMER(商標)PE22WNポリエステルアクリレートエマルジョン、LAROMER(商標)LR8949水性放射線硬化性脂肪族ポリウレタンディスパージョンおよびLAROMER(商標)LR8983 水性放射線硬化性芳香族ポリウレタンディスパージョン、すべてBASF社;ZVOC(商標)UV硬化性コーティングシリーズ UVコーティング社(UV Coatings Limited); NEORAD(商標)NR-3709UV硬化性脂肪族ウレタンコーティング ゼネカレジン社(Zeneca Resins);VIAKTIN(商標)VTE 6155脂肪族ウレタンアクリレート、VTE6165芳香族ウレタンアクリレートおよびVTE6169脂肪族ポリエステルウレタン放射線硬化性樹脂、全てソルティア社製(Solutia, Inc.);98-283Wウレタンアクリレート ハンスアンドラーン社(Hans Rahn & Co.);および米国特許番号第4,517,330号、第4,999,216号、第5,091,211号、第5,319,018号、第5,453,451号、第5,773,487号、第5,830,937号、第6,096,383号、第6,197,844号、第6,228,433号、第6,316,535 Bl号、第6,544,942 Bl号、米国公開特許出願番号第2002/0028621 Al号、およびそこに引用されている特許に記載された等の材料。特に好ましくは、フィルム形成剤は、メタルフリーアクリル系仕上げ剤、遷移金属を使用した酸含有架橋性ポリマー、および水溶性または水分散性マルチコンポーネント(例えば2コンポーネント)ポリウレタン等の水溶性または水分散性フィルム形成剤を含む。フィルム形成剤の混合物もまた使用可能である。
【0026】
以下の商業的に有用な床仕上げ剤材料に、明度誘導剤を加えることによって、仕上げ剤を調製することは、多くの場合便利であろう:FRONT COURT(商標)、GEMSTAR LASER(商標)、GEMSTAR POLARIS(商標)、ORION(商標)ベースコートPADLOCK(商標)、RIVET(商標)およびTAJ MAHAL(商標)アクリル系床仕上げ剤、COURTMASTERII(商標)ウレタン床仕上げ剤、およびISI STAR(商標)およびTUKLAR MEDICAL(商標)床仕上げ剤 エコラボ社; CORNERSTONE(商標)およびTOPLINE(商標)アクリル系床仕上げ剤 3M社; BETCO BEST(商標)床仕上げ剤 ベツコ社; HIGH NOON(商標)アクリル系仕上げ剤 ブッチャーズ(Butchers) 社; CITATION(商標)およびCASTLEGUARD(商標)アクリル系仕上げ剤 バックアイインターナショナル社(Buckeye International, Inc.)、 COMPLETE(商標)、 SIGNATURE(商標)、 TECHNIQUE(商標)およびVECTRA(商標)アクリル系床仕上げ剤 SCジョンソンプロフェッショナルプロダクツ社(SC Johnson Professional Products); OVER AND UNDER(商標)床シーラー S.C.ジョンソンプロフェッショナルプドダクツ社; SPLENDOR(商標)、 DECADE 90(商標)、 PRIME SHINE(商標)ULTRAおよびPREMIER(商標)アクリル系仕上げ剤およびFIRST ROUNDおよびFORTRESS(商標)ウレタンアクリル系仕上げ剤 マイニュートマンインターナショナル社(Minuteman, International, Inc.); ACRYL-KOTE(商標)シールおよび仕上げ剤および前フロアーシール剤 マイニュートマンインターナショナル社; ULTRA TC(商標)およびUV I-FINISH(商標)UV硬化性仕上げ剤 マイニュートマンインターナショナル社;FLOORSTAR(商標)Premium25床仕上げ剤 サービスマスター社(ServiceMaster, Inc.);およびUPPER LIMITS(商標)アクリル系仕上げ剤およびISHINE(商標)蛍光増白床仕上げ剤 スパルタンケミカル社。明度誘導剤と組み合わせ可能なほかの適した処方は、以下を含む:No.AD200C1ポリエステルポリウレタン処方 エアープロダクツアンドケミカルズ社; No. MG98-040ポリエステルポリウレタン処方 バイエルAG社;STAY-CLAD(商標)5900水酸化機能性アクリル系ポリマーディスパージョン レイクホールド社(Reichhold, Inc.); Nos.979-1および980-3 ポリエステルポリウレタン処方 U.S.ポリマーズ社;および No. G-2029 アクリル系ポリウレタン処方 ゼネカレジン社(Zeneca Resins)。
【0027】
仕上げ剤を非半透明にすることなく、仕上げ剤に明度の顕著な増加を与えるために、充分な明度誘導剤が、仕上げ剤で使用されなければならない。L*a*b色空間におけるカラーバリュー(color values:またはそこへ変換可能な値)を与える明度は、Byk- Gardner、カラーテックアソシエーツ(Color-Tec Associates, Inc.)社、コニカミノルタ社、ハンターアソシエーツラボラトリー社、Xライト(X-Rite Inc.)社および色測定の当業者に良く知られているその他の会社を含むサプライヤーの分光光度計を使用して測定可能である。また、明度は肉眼を使用しても評価可能であるが、それらは通常色相の変化にもっとも敏感であり、彩度(chroma(saturation))の変化に非常に敏感であり、また明度の変化にもかなり敏感である。明度誘導剤のレベルは、最初は増加するにつれて、明度値も増加し、床は知覚的にはよりきれいで自然な外観を持つ可能性がある。しかし、明度誘導剤のレベルが増加するにつれて、コーティングの透光性(および透過率)は、また減少する可能性がある。コーティングがより半透明にならなければならない程、タイル表面または下地パターンは、マスクされ、痕跡が消えるだろう。ローディングレベルが高い明度誘導剤の床は、不自然に白いかまたは塗装された外観を示す。適切な外観上の明度効果および適切な透光性を達成するために、明度誘導剤のローディングレベルのバランスを取ることで、きれいな外観であるが識別可能なコートした床を達成できる。結果として生じる"きれいな外観(clean look)"の床は、ユーザーの観点からみてより望ましい外観を有し、管理上の観点から見てより少ない掃除または通常メンテナンスを必要とする可能性がある。一般的な指針としては、非改変の仕上げ剤よりも明度値は大きく、好ましくは、約60、およびさらに好ましくは約55、より小さい。
【0028】
明度誘導剤の望ましい量は、また選ばれた試薬の被覆力(被覆力と題した下のセクションに記載するように測定された)による可能性もあり、床仕上げ剤に高いハイディングパワーの二酸化チタニウム等の明度誘導剤も含まれる時は、開示されたコアシェルポリマー系およびシース化ポリマー系の低レベルの添加が好まれる。さらに、一般的な数値の基準として、フィルム形成剤に加えられる可能性がある明度誘導剤の量は、好ましくは、明度誘導剤固形物の全床仕上げ剤固形物に対する比較基準で、約1〜約75重量%である。選ばれた明度誘導剤およびフィルム形成剤によっては、他の範囲、例えば約1〜約60重量%、約1〜約50重量%、約1〜約30重量%、約1〜約20重量%、または約2〜約10重量%も有用である。
【0029】
ハンターホワイトネスインデックス(Hunter Whiteness Index:ハンター研究所の色分光光度計を使用して測定したときに得られるカラーバリュー)を、500nmの吸光係数で割って計算される割合は、また外観上のメリットの有用な規準を与える可能性がある。明度誘導剤のローディング量が当初増加するにつれて、割合は減少するだろう。約30の割合を有する仕上げ剤が、望ましくないマスキングまたは下地のタイルパターンを隠して過度に白く見えるかもしれないのに対して、一般的な数値基準として、そのホワイトネスインデックス吸光係数割合が約40より上にとどまり、より好ましくは約80より上が好ましい。
【0030】
明度値L*をハイディングパワーで割った計算比率は、さらに外観上のメリットの有用な測定手段をさらに与える可能性がある。明度誘導剤のローディング量が当初増加するにつれて、比率は増加する。一般的な数値基準として、L:ハイディングパワーが約30より上にとどまり、さらに好ましくは約35より上にとどまるコーティングが好まれる可能性がある。
【0031】
トップコートに加えられるとすれば、好ましくは、明度誘導剤が(または必要であれば磨かれたまたは光沢仕上げをされた)硬化されたコーティングの20°の光沢レベルを好ましくなく下げないレベルで加えられる。好ましくない光沢減少の度合いは、特別な適用に依存して変化するであろう。一般的な数値基準として、25絶対ポイント(100ポイントのスケールで)より小さい光沢の減少、さらに好ましくは10ポイントより小さい現象が好ましい。アンダーコートに(または、例えばグロストップコートのように、全くまたは低レベルの明度誘導剤を含む層でコートされた下に埋もれた層に)加えられたとしたら、上に横たわる層またはトップコートの適用によって補われる可能性があるため、通常より大きな度合いの光沢の減少は許容することが出来る。より高い光沢の層でコートされていなかったとしても、高められた明度レベルによって、全体的な外観の改善は、時々実質的な光沢の減少度を相殺し、かなり光沢のレベルが減少しているにもかかわらず、より外観が良いと認識される仕上げ剤を与える。
【0032】
明度誘導剤およびフィルム形成剤は、好ましくは、攪拌、ソニフィケーション(sonification)または当業者に明らかな他の混合手段を使って混ぜられる。仕上げ剤が製造されパッケージされているか、または例えば仕上げ剤が現場で使用されるなど後で使用される際は、使用に先立って充分に混合される可能性がある。分散剤、粘弾性改質剤、サスペンディング剤、キレート剤、明度誘導剤、表面処理剤および他の手段(集合として"耐沈降剤"とよぶ)が、明度誘導剤およびフィルム形成剤の混合を助けるためにおよび貯蔵中に沈降または沈殿を防止または阻止するために使用される可能性がある。さらに細かく分離した明度誘導剤は、通常沈降にさらに抵抗性を示すので、明度誘導剤の粒子サイズも考慮に入れられる可能性がある。広範な沈降防止剤(anti-settling agents)が使用される可能性がある。代表的な沈降防止剤は、D.B.ブラウン(D. B. Brown)およびM.R.ローセン(M. R. Rosen)の粘弾性改質剤ハンドブック(The Rheology Modifier Handbook)ケムテック社(ChemTec、1999)に記載されており、開示を参照することによりここに取り込む。沈降防止剤は、開示された仕上げ剤中で有用であり以下を含む:フュームドシリカ(fumed silicas);でんぷんおよび修飾でんぷん;ヒドロキシエチルセルロース(HEC)および、アルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)、疎水性修飾アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)および疎水性修飾エトキシレート化ウレタン樹脂(HUER)等の官能性コポリマー。開示された仕上げ剤中で有用な可能性がある商業的に有用な沈降防止剤は、以下を含む:粘弾性改質剤のDREWTHIX(商標)シリーズ、アッシュランドスペシャリティーケミカルズ社(Ashland Specialty Chemical Co);ANTISETTLE(商標)CVP、CRAYVALLAC(商標)シリーズおよび、FLOWTONE GST粘弾性改質剤、アトフィナ社(Atofina);フュームドシリカCAB-O-SIL(商標)シリーズ、キャボット社(Cabot Corp.);分散剤のDISPEX(商標)シリーズおよびVISCALEX(商標)および粘弾性改質剤のRHEOVIS(商標)シリーズ、シバスペシャリティーケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals);フュームドシリカAEROSIL(商標)シリーズ、デグッサ社(Degussa);アルカリ膨潤性ウレタン-修飾粘弾性改質剤UCAR(商標)POLYPHOBE(商標)シリーズ、ダウケミカルカンパニー社(Dow Chemical Company);非イオン系およびアニオン系会合(associative)ポリマーのAQUAFLOW(商標)シリーズ、ヘラクレス社(Hercules Inc.); フュームドシリカのNEOSIL(商標)シリーズ、イノエオスシリカ社(Ineos Silicas);多塩基酸(polyacid)および親水性コポリマー分散剤のTAMOL(商標)シリーズ、ロームアンドハース社; 修飾でんぷんのSTRUCTURE(商標)シリーズ、ナショナルスターチ&ケミカル社(National Starch & Chemical);ホモポリマーおよびコポリマーのCARBOPOL(商標)シリーズ、ノヴェオン社(Noveon)、および粘弾性改質剤のACRYSOL(商標)、ACUSOL(商標)およびASE(商標)シリーズ、ロームアンドハース社。開示された仕上げ剤が、BROOKFIELD(商標)LVシリーズ(もし必要であれば)超低粘度アダプターアクセサリーを用いた粘度計を使用して測定すると、例えば約50〜100cPより小さくまたは約10cPより小さいというように、適用時には比較的低い粘度を有していることは、望ましい可能性がある。開示された仕上げ剤は、特に明度誘導剤のなんらかの沈降または沈殿が貯蔵中に起こっていれば、使用前の攪拌で恩恵を受けている可能性がある。そうした沈降または沈殿が起こった時は、明度誘導剤は、望ましくは穏やかな攪拌(stirred)または他のかき混ぜ(agitation)により再分散し、攪拌された仕上げ剤が、仕上げ剤の適用を可能とする充分な時間の間、例えばかき混ぜ後の1時間以上または3時間以上良く分散している。
【0033】
床仕上げ剤はまた、水または適当な希釈剤、可塑剤、融合助剤、以下の化合物を含んでいてもよい:ベンジルオキシエタノール;エチレングリコールフェニルエーテル("DOWANOL EPh"としてダウケミカル社から入手可能)または、プロピレングリコールフェニルエーテル ("DOWANOL PPh"としてダウケミカル社から入手可能)等のエーテルまたはヒドロキシエーテル;ジメチルアジペート、ジメチルコハク酸エステル、ジメチルグルタレート、ジメチルマロン酸エステル、ジエチルジアジペート、ジエチルコハク酸エステル、ジエチルグルタレート、ジブチルコハク酸エステル、およびジブチルグルタレート(デュポンナイロン社からDBE、DBE-3、DBE-4、DBE-5、DBE-6、DBE-9、DBE-IB、およびDBE-MEの取引称号の下で入手可能な製品を含む)等の二塩基エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、およびジブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;ジブチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレート、およびジエチルフタレート等のフタル酸エステル;およびこれらの混合物。所望により処方と仕上げ剤の適用を助けるために、共溶媒が加えられることが可能である。適した共溶媒は、以下を含む:ブトキシエチルPROPASOL(商標)、ブチルCARBITOL(商標)アセテート、ブチルCARBITOL(商標)、ブチルCELLOSOLVE(商標)アセテート、ブチルCELLOSOLVE(商標)、ブチルDIPROPASOL(商標)、ブチルPROPASOL(商標)、CARBITOL(商標)PM-600、CARBITOL(商標)低グラビティー、CELLOSOLVE(商標)アセテート、CELLOSOLVE(商標)、エステルEEP(商標)、FILMER IBT(商標)、ヘキシルCARBITOL(商標)、ヘキシルCELLOSOLVE(商標)、メチルCARBITOL(商標)、メチルCELLOSOLVE(商標)アセテート、メチルCELLOSOLVE(商標)、メチルDIPROPASOL(商標)、メチルPROPASOL(商標)アセテート、メチルPROPASOL(商標)、プロピルCARBITOL(商標)、プロピルCELLOSOLVE(商標)、プロピルDIPROPASOL(商標)およびプロピルPROPASOL(商標) 全てユニオンカーバイド社(Union Carbide Corp.)から入手可能;およびこれらの混合物。濃度は、一部他の仕上げ剤成分、および意図する適用および適用条件に依存して変化する。概括的な手引きとして、水だけが希釈剤として使用される時、水の濃度は仕上げ剤の処方重量ベースで、好ましくは約15〜約98重量%である。仕上げ剤は、例えば約25〜約95重量%水、約60〜約95重量%水または約80〜約89%水といった他の水の量を含む可能性がある。もし水以外の希釈剤、可塑剤、融合助剤または共溶媒が仕上げ剤の処方に含まれるのであれば、希釈剤、可塑剤、融合助剤または共溶媒の濃度は、仕上げ剤中のポリマー化可能な固体の重量%ベースで、好ましくは約0.1〜約10重量%および、さらに好ましくは約1〜約7重量%である。
【0034】
床仕上げ剤は、フィルム形成剤の硬化が可能な一以上の開始剤、触媒、架橋剤を含む可能性がある。例えば、選ばれたフィルム形成剤一部依存し、床仕上げ剤は、以下を含む可能性がある;亜鉛またはジルコニウム化合物等の遷移金属化合物;ジブチルチンジラウレート、スズオクトエートおよびFASCAT(商標)4224ジブチルチンビス (l-チオグリセロール)触媒(アトフィナケミカルズ社(ATOFINA Chemicals, Inc.)から入手可能)等のスズ化合物;アミン類;亜鉛架橋性アクリル系ディスパージョン(出願日2004年1月12日で出願番号第10/755,972号の発明の名称が、亜鉛架橋性アクリル系ディスパージョン含有水性ポリウレタンコーティング系(AQUEOUS POLYURETHANE COATING SYSTEM CONTAINING ZINC CROSSLINKED ACRYLIC DISPERSION)にさらに記載されており、開示を参照することによりここに取り込む)、超微細酸化亜鉛(出願日2004年1月12日で出願番号第10/755,975号の発明の名称が、超微細酸化亜鉛を用いたポリウレタンコーティング硬化エンハンスメント(POLYURETHANE COATING CURE ENHANCEMENT USING ULTRAFINE ZINC OXIDE)に記載されており、開示を参照することによりここに取り込む)、亜鉛テトラアミンカーボネートおよび亜鉛アンモニウムカーボネートを含む亜鉛カーボネート(出願日2004年1月12日で出願番号第10/755,976号の発明の名称が、亜鉛カーボネート開始剤を使用したポリウレタンコーティング硬化エンハンスメント(POLYURETHANE COATING CURE ENHANCEMENT USING ZINC CARBONATE INITIATORS)に記載されており、開示を参照することによりここに取り込む)、等の亜鉛化合物;および当業者に良く知られている広範な他の材料。
【0035】
床仕上げ剤は、また耐研磨性(abrasion resistance)、耐引っかき性(scratch resistance)、耐磨耗性(wear resistance)または可剥性を高めるために、無機または有機粒子(または無機および有機粒子の両方)を含む。好ましい無機粒子は、2000年9月8日出願で出願継続中の米国特許出願番号第09/657,420号で、発明の名称が耐ひっかき性の可剥性仕上げ剤(SCRATCH-RESISTANT STRIPPABLE FINISH)に記載されており、開示を参照することによりここに取り込む。後者のリファレンスに例示されたUV硬化性仕上げ剤中の無機粒子は、光を拡散して反射しなかったことは、注目すべきである。
【0036】
床仕上げ剤は、その性能および特性を変更するために床への適用の前または後で、他の広範な補助物を含むことが出来る。有用な補助物は、つや消し剤、界面活性剤、表面すべり改質剤、消泡剤、ワックス類、表示剤、UV吸収剤、耐光剤、酸化防止剤、可塑剤、融合助剤、接着促進剤を含む。そうした補助物の型および量は当業者に明らかであろう。所望により仕上げ剤は、光沢、におい、粘度、耐あわ立ち性、包装材料との適合性、基材および他の仕上げ剤層への接着性、耐冷凍解凍サイクル性、有害大気汚染物質からの自由度(HAPs)または他の望ましくない成分、および当業者に明らかなほかの特性等の特性に関して、現在の床仕上げ剤組成物の特徴にマッチするように処方されてもよい。
【0037】
明度誘導剤は、複層床仕上げ剤組成物の1以上の層で使用可能である。代表的な複層床仕上げ剤組成物は、2000年4月28日出願の出願番号第09/560,170号で、発明の名称が、可剥性ラミネート仕上げ剤(STRIPPABLE LAMINATE FINISH)に記載されており、開示を参照することによりここに取り込む;2001年4月20日出願の出願番号第09/838,884号で、発明の名称が、可剥性ラミネート仕上げ剤に記載されており、開示を参照することによりここに取り込む;2004年1月12日出願の出願番号第10/756,119号で、発明の名称が、現場でリニューアル可能な促進された硬化率を有する複層床仕上げ剤(JOBSITE-RENEWABLE MULTILAYER FLOOR FINISH WITH ENHANCED HARDENING RATE)に記載されており、開示を参照することによりここに取り込む;およびハロックら(Hamrock et al.)の公開PCT出願番号WO 98/11168号である。
【0038】
開示された床仕上げ剤は、木、プラスチックス、金属、コンクリート、壁張り用材および他の機械または建設の基材を含む広範な基材に適用可能である。開示された仕上げ剤は、それらのきれいな外観により、床剤への適用に特によく合っている。代表的な床材は、シート品(例えばビニールフロアリング、リノリウムまたはゴムシート)等の弾性基材、ビニール複合物タイル、ゴムタイル、コルクおよび合成スポーツ用床、およびコンクリート、石、大理石、木、セラミックタイル、漆喰、トラゾおよび他の塗りまたは"ドライシェイク(dry shake)"床等の非弾性基材を含む。コーティングは、基材(例えば、シートビニール品、リノリウム、コルク、ゴムシート、合成スポーツ用床、コンクリート、石、大理石、漆喰塗り、テラゾ等のモノリシック床材、またはビニール組成物、タイル、木製床ボード、セラミックタイル等の多ピースの床材)が取り付けられた後で、床材に現場で適用可能であり、または、設置前に床材(例えば、ロール形状のシートビニール品等のモノリシックの床材、ビニールコンポジットタイルまたは木製床ボード等の多ピース床材)に工場で適用可能である。新築、中古、住居、商業ビルおよび政府または組織所有の設備を含む室内、室外を含む適した現場とともに、現場での適用は特に好ましい。
【0039】
開示された仕上げ剤は、スプレー、ブラシ塗り、平坦または紐状のモップ、ロールコート、床コートを含む広範な方法を使用して適用可能である。モップ(例えば紐状または平坦なモップ)またはローラー適用が、大部分の床をコートするために好ましい。適したモップは、米国特許番号第5,315,734号、第5,390,390号、第5,680,667号および第5,887,311号に記載されたものを含む。床は、通常最初に、きれいにされ、散らかっている小片(loose debris)は除かれてあるべきである。1以上のアンダーコート層またはコート層(もし必要なら水または他の適した希釈剤、可塑剤、融合助剤、共溶媒で希釈される)が、床に適用されても良い。1から3のアンダーコート層が通常好まれる。複層のコート層が使用される際は、それらは同じまたは異なることが可能である。各アンダーコート層は、好ましくは乾燥コート厚で、約2.5〜約25μm、さらに好ましくは約2.5〜約15μmの厚みを有している。好ましくはアンダーコート全体の乾燥コート厚は、約5〜約100μm、さらに好ましくは約5〜約50μmであろう。
【0040】
1以上(例えば1〜3)のトップコート層は、床またはアンダーコートに適用される可能性がある。各トップコート層は、好ましくは、乾燥コート厚で、約2.5〜約200μm、さらに好ましくは約5〜約100μmの厚みを有するであろう。好ましくは、トップコート全体の乾燥コート厚で、原料コストを減らすために、例えば約2.5〜約400μm、さらに好ましくは約2.5〜約100μmと、比較的薄いであろう。複層仕上げ剤は、好ましくは全体的な乾燥コート厚が、約10〜約500μm、さらに好ましくは約10〜約80μmの厚みを有するであろう。床は、仕上げ剤がいったん充分に硬化すれば、摩擦なく通常の交通量を支えるために、設置されてサービス(service)に供する(またはサービスに戻る)ことが可能である。
【0041】
仕上げ剤は、所望による剥離およびリニューアルの時まで通常のメンテナンスを受けることが可能である。例えば剥離は、床の清掃(例えばブラシまたはモップを使用して)の後で、剥離剤の適用によって行うことが可能である。選択された剥離剤は、以下の組成物を含むことが出来る:フェニルアルコール類(たとえばベンジルアルコール);アルコキシエーテル類(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール(ETHYL CARBITOL:商標)、ブチルカルビトール(BUTYL CARBITOL:商標)およびブチルセロソルブVE(BUTYL CELLOSOL VE:商標)等のグリコールエーテル類 ユニオンカーバイド社(Union Carbide Corp.);アルコキシエステル類;(例えばフェノキシエタノールおよびフェノキシプロパノール)アルコキシアルコール類;二塩基エーテル類;N-アルキルピロリドン類、ケトン類、エステル類、メタシリケート類;アミン類(例えばエタノールアミン);アルカノールアミン類(例えば、モノエタノールアミン類);酸ベース試薬および防腐剤(例えば、水酸化ナトリウムまたはカリウム)。有用な剥離剤は、以下を含む:エアーストリップ(AIR STRIP:商標)、ケアーストリップ(CARESTRIP:商標)LO、ホーク(HAWK:商標)およびリバティー(LIBERTY)(全てエコラブ社から入手可能);アリバ(ARRIVA:商標)、ジャガーノート(JUGGERNAUT:商標)、リキッドショベル(LIQUID SHOVEL:商標)、リベレーション(REVELATION:商標)およびスワットNA(S.W.A.T.NA:商標)剥離剤 ブックアイインターナショナル社(Buckeye International);およびアタックATTACK:商標)、ブラボー(BRAVO:商標)、フリーダム(FREEDOM:商標)、リノセーフ(LINOSAFE:商標)およびプロストリップ(PRO STRIP:商標) ジョンソンダイバーシー社。フェニルアルコール類がそうしたトップコートに比較的早い速度で浸透し、使いやすくにおいが少ないため、フェニルアルコール類を含む剥離剤は、ポリウレタントップコートを使用する複層の仕上げ剤の剥離で、特に好ましい。特に好ましい剥離剤濃縮液は、その後の表面への適用では層分離するであろうが、水との混合で疑安定水性ディスパージョンが形成されるように水より濃厚な極性溶剤および充分に低レベルの共溶媒または界面活性剤を含む。本タイプの濃縮液は、米国特許番号第6,544,942号に記載されている。別の好ましい剥離剤濃縮液は、水への溶解度が約5%よりちいさい約1〜75重量%のエーテルアルコール溶媒.および水への溶媒/カップリング剤の溶解度が約20〜100重量%である約1〜75重量%のエーテルアルコール溶媒/カップラーを含み、濃縮液の蒸気圧が1mmHgより小さい。本タイプの濃縮物は、米国特許番号第6,583,101号に記載されている。剥離剤は、硬化されたポリウレタン仕上げ剤への適用の前または後に、剥離剤の性能または特性を変更するために、広範な補助物を含むことが可能である。有用な補助物は、研磨粒子、界面活性剤、改質剤、表示剤、すべり減少剤、色素および殺菌剤を含む。こうした補助物の型および量は、当業者に明らかであろう。
【0042】
仕上げ剤を柔らかくする間、剥離剤は、適当な時間 (例えば1分以上、好ましくは2時間以下、最も好ましくは5分と1時間の間)置いておかれる。仕上げ剤が充分に柔らかくなったら、床の実質的な部分を剥がさない、スクラビング(scrubbing)、バキューム、モップがけ、ゴム雑巾の使用(squeegee)、こすり落とし(scraping)、掃き除け(sweeping)、拭き(wiping)、マイルドな研磨(mild abrasion)または他の手段を含む、広範なテクニックを使用して剥離することが出来る。水または適当な洗剤溶液が、柔軟になった仕上げ剤に適用されれば、通常剥離はより容易であろう。床は乾燥され、アンダーコートの新しい層およびポリウレタンが仕上げを新しくするために適用されることが出来る。
【0043】
床の上へのアンダーコートの適用およびアンダーコートの上へのトップコートの適用のために必要となるアンダーコートおよびトップコート組成物の混合または吐出のための適当な使用説明書とともに、複層の仕上げ剤が、通常、適当な容器またはディスペンサーに入れたアンダーコートおよびトップコートを含むキットの形で販売されるだろう。所望により、アンダーコートまたはトップコートは、使用前に水または他の適した溶剤と混合することが意図された濃縮物としてパッケージされることが可能である。明度誘導剤は、アンダーコートまたはトップコート組成物に含まれるか、別々に包装されて床への適用の直前にトップコートまたはアンダーコートと混ぜられても良い。所望によりキットは、適当な容器に入った剥離剤濃縮物を含んでいても良い。剥離剤濃縮物は、通常、適用前で約5〜30重量%の活性成分となる水または他の適当な担体(carrier)と混合されるであろう。キットは、アンダーコートおよびトップコートの適用の前に、床に適用可能な追加的なアンダーコート材料(例えばコーティングのレベリング剤)、またはトップコートの上に適用可能な種々の追加的な材料(例えばメンテナンスコート剤またはワックス仕上げ剤)を含むことが出来る。メンテナンスコートは、最初に適用された複層の床仕上げ剤が顕著な磨耗や光沢の消失を示した時に、通常適用され、増加した明度値を有する半透明の硬化された仕上げ剤を回復または提供するために、充分な明度誘導剤顔料を含んでいる可能性があり、通常、当初適用されたトップコートの固体レベルと同等またはいくらか少ないレベルで適用されるであろう。
【0044】
所望により、複層の床仕上げ剤は、広範な床材に工場で適用可能である。例えば、多部品のフロアリング材料の場合には、通常、部品は少なくとも上面がコートされ、所望により側面または裏面がコートまたは部分コートされるであろう。
【0045】
さらに本発明は、以下に限定されない実施例で示されるが、部および%は、他に示されていない場合には、重量(wt.)である。
タイルの準備
【0046】
新しいおよびビニール組成物の両方を使用した評価が行われた。新しいタイルが、きれいにされて、不織布スコッチブライト(SCOTCH-BRITE:商標)グリーン研磨スクラブパッド (3M社から入手可能)を使用して、MAGICSCRUB(商標)マイルド研磨クリーナー(エコラボ社から入手可能)で、もう輝かなくなるまでこすって、粗化された。きれいにされた新しいタイルは、水道水でゆすがれて室温で乾燥された。これは、工場で適用されたコーティングおよび表面の土を全て除き、一貫して再生可能な表面を与えた。使用されたタイル表面は、1:8希釈の商業剥離剤CARESTRIP(商標)LO (エコラボ社から入手可能)を使用して、残った仕上げ剤および残渣が剥離された。残った仕上げ剤を除くために、これが充分出ない場合には、タイル表面は、さらに下の表1に示す剥離剤の13%希釈剤を用いて剥離された:
【0047】
【表1】

【0048】
1.ベンジルアルコールテクニカルグレード、ヴェルシコールケミカル社(Velsicol Chemical)
2.モノエタノールアミン99%、ダウケミカル社
3.ジエチレングリコールモノブチルエーテル99%、エクイスター社(Equistar)
4.ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、98.5%、ダウケミカル社
5.プロピレングリコールフェニルエーテル、ダウケミカル社
6.直鎖アルコール(C12〜15)エトキシレート9EO、ロディア社(Rhodia)
7.ZONYL(商標)FSJ、40%活性、E.I.デュポンドネマーズアンドCo社(E. I. duPont de Nemours and Co.)
【0049】
剥離された使用済タイルは、水道水でゆすがれて、室温で乾燥された。これは、現場の条件で出会うかもしれないきれいな表面を与えた。
フィルム評価
【0050】
コートされたタイルは、色、透明性、吸光率、外観を査定するために、以下のように評価された。
光沢
【0051】
フィルムの光沢は、Micro-TRI-光沢計(ポールN.ガーナー(Paul N. Gardner Co., Inc.)社から入手可能)を使用して、20°および60°で評価された。コーティング表面の4〜6の離れた点での平均読取値が、決定された。
コーティングのカラーバリュー
【0052】
コーティングのカラーバリューが、MINISCAN(商標)XE Plus、またはカラークエスト(COLORQUEST:商標)XEカラー分光光度計(いずれもハンターアソシエートラボラトリー社(Hunter Associates Laboratory)から入手可能)を使用して評価された。後者の装置が個々のコートされたタイルを評価するために特に有用な卓上デバイスであるのに対し、前者の装置は、特にコートされた床の評価に有用な携帯デバイスである。両装置は、表面の反射率スペクトラムを測定し、L*a*b座標でのカラーバリューを出力する。これらの座標は、明度(L)、 白色度(WI)、黄色度(YI)およびペーパー輝度(paper brightness:Z%)を含むパラメーターを計算するために使用可能である。AD65発光体が10°の観察角度で使用された。全てのカラーバリューは、コーティング表面または基材の6〜8の離れた点での読み取り値の平均から決定された。
被覆力
【0053】
被覆力は、LENET A(商標)フォーム 24Bのグレースケールチャート(レネタカンパニー社(Leneta Company)から)へ、厚みが約0.015mmの全体的にほぼ乾燥したコーティングを与えるために、ポールN、ガードナー社(Paul N. Gardner Co)のNo. 10 Barを使用し、層の間は空気乾燥をして、処方の1以上の層を適用することによって、決定された。結果として生じたコートは、少なくとも24時間以上空気乾燥され、コートされたグレースケールのチャートから3メートルに位置する観察者が、白色の背景からはっきりと区別できる最初のグレーのスケールバーを記録することによって評価された。さらに高いグレースケールのバーの値は、より被覆力が大きく下地の表面をさらに良くマスクする能力を有するコーティングに対応していた。
【実施例】
【0054】
実施例1
異なるタイプおよび量の明度誘導剤を含むアクリル系床仕上げ剤の処方のシリーズが、準備された。明度誘導剤アクソルOP302P(ACUSOL OP302P)有機乳白剤(ロームアンドハース社から、40%の固体)、WFD5006水性TiO2ディスパージョン(サンケミカル社から、73.3%の固体)またはロパークウルトラコアシェルポリマーエマルジョン(ロームアンドハース社から、30%不揮発性)が、TAJ MAHALアクリル系床仕上げ剤(エコラボ社から、20%不揮発性)に加えられた。コンスタントに20%の固体レベルを保つために、水が個々の処方に加えられた。処方を以下の表2に示す。
【0055】
【表2】

【0056】
BYKO(商標)Charts Form AG-5304 (BYKガードナー社(BYK-Gardner)からで、LENETA Charts Form 5Cに類似する)が、No.10のドローダウンバー(drawdown bar)を使用して、上記処方がコートされた。個々の処方の内一つのコートが、個々のチャートに塗布された。コーティングは、少なくとも1日乾燥され、半透明であることが観察された。
コーティングのカラーバリューと題したセクション中に記載したように、カラークエストXEカラー分光光度計を使って、個々のチャートの黒色セクションからカラーの読取が得られた。結果を下の表3に示す。
【0057】
【表3】

【0058】
表3の結果は、類似のローディングレベルを示し、ロパークウルトラ乳白剤は、アクソルOP302P乳白剤またはWFD 5006TiO2顔料よりも、黒色の基材の上にコートされた床仕上げ剤のL*値にはるかに大きな効果を有する。ロパークウルトラ乳白剤の添加は、アクソルOP302P乳白剤またはWFD 5006 TiO2顔料を含むコントロールされたコーティングより、明るく、"より白い(whiter)"外観を有するコーティングを与える。ロパークウルトラ乳白剤は、同じ重量パーセント加えられたTiO2よりも強力な明度誘導剤であるようにも見える。
【0059】
実施例2
実施例1の処方は、耐沈殿性および長期保存性を決定するために評価された。各処方の計量された量が、50mLの遠心分離管(VWRインターナショナル社(VWR International)、カタログ番号21008-240)に移された。サンプルは、1500rpmで10分間遠心分離された。遠心分離の後、直ちに数ミリリットルの仕上げ剤が、個々のチューブの上から取られて、No.10のドローダウンバーを使って、実施例1で使用されたBYKO Charts Form AG-5304にコートされた。残った仕上げ剤は、遠心分離管から上澄み液が分離され、遠心分離管の底の沈殿(もしあれば)残渣が50℃のオーブンで少なくとも1日乾燥された。いったん乾燥されると、沈殿はオーブンから除かれ、室温まで冷却され重量が計られた。
【0060】
異なる処方の安定性を評価するために、遠心分離で失われた明度誘導剤のパーセンテージが、遠心分離の後残った残渣の量および、床仕上げ剤中の明度剤の乾燥全グラム数で割って100を掛けて決定された。表4に実施例1の処方の遠心分離の結果を示す。
【0061】
【表4】

【0062】
表4の結果は、沈殿によりWFD 5006 TiO2 顔料を含む処方より、ロパークウルトラまたはアクソルOP302P乳白剤を含む処方で、より少ない明度誘導剤が失われたことを示している。ポリマーの明度誘導剤の処方は、WFD 5006 TiO2顔料を含む処方より良い貯蔵安定性を、この様に有していたはずである。
【0063】
コーティングのカラーバリューと題したセクションで上記のように記載したカラークエスト XEカラー分光高度計を使用して、それらのカラーバリューを決定するために、コートされたBYKOチャートの黒いエリアが評価された。沈殿によるL*値の変化が、各処方の初期L*値から、遠心分離の後測定されたL*値を差し引くことによって、計算された。結果を下の表5に示す。
【0064】
【表5】

【0065】
表5の結果は、ロパークウルトラ乳白剤を含む処方が、遠心分離(BYKOチャートの黒い部分のL*値で少しまたは全く変化がないことによって明らかな様に)その明度誘導剤の特性を保ったことを示す。この結果は、WFD5006TiO2顔料を含む処方が、より高いデルタL*を有し、明度誘導特性をいくらかの損失していることも示す。アクソルOP302P乳白剤を含む処方は、また遠心分離後にその明度誘導剤特性を保ったが、ローディングレベルが使用されたところでより低いL*値を保持した。
【0066】
実施例3
床仕上げ剤の処方のシリーズは、下の表6に示された成分を使用して準備され、きれいな床タイルに20%の固体レベルで1〜4コート塗布された。3または4コートの仕上げ剤をコートされたタイルは、25%の固体を含む非改変亜鉛架橋性ポリアクリレート床仕上げ剤でオーバーコートされた。コートされたタイルは、4%UCD-1106E二酸化チタニウム顔料(ロームアンドハース社)を明度誘導剤としてTAJ MAHAL仕上げ剤に加えて出来た改変床仕上げ剤と類似のコーティング重量を有するコートされたタイルと、一緒に評価された。塗布された仕上げ剤は、非常に良好〜優秀なレベリング、非常に良好〜優秀な耐水性(1および24時間の貯留水へさらした後)、良好〜非常に良好な再剥離性、良好〜非常に良好な耐ブラックヒールマーク性(black heel mark resistance)、および約0.6〜約0.7のすべり抵抗係数(オーバーコートなしで測定した)を示した。観察された仕上げ剤の最も高い光沢度が、明度誘導剤および非改変ポリアクリレートオーバーコートを含む3から4の仕上げ剤のコートを使用して、準備された。
【0067】
【表6】

【0068】
A.ロームアンドハース社から、米国特許番号第5,574,090号および第6,586,516号(40.5%固体)に記載の方法で作られた。
B. ロームアンドハース社から。
C.イーストマンケミカル社からの化学的修飾ポリプロピレン。
D.メーソンケミカル社(Mason Chemical Co.)からのフルオロ脂肪族(Fluoroaliphatic)酸化アミンフルオロ界面活性剤(fluorosurfactant) (1%活性溶液)。
E.ケムコール社(ChemCor.)から(35%固体)。
F.イーストマンケミカル社から。
G.疎水性修飾マレイン酸/オレフィン共重合体、ロームアンドハース社から。
H.ローンポーレンク社界面活性剤アンドスペシャリティーケミカルズ(Rhone-Poulenc, Inc. Surfactants & Specialty Chemicals.)から。
I. 非イオン性無溶媒疎水性修飾エチレンオキサイドウレタン(HEUR)粘弾性改質剤、ロームアンドハース社から。
J.ロームアンドハース社から。
K.ワッカシリコーンズ(Wacker Silicones.)社から。
L.ロームアンドハース社から、30%固体。
【0069】
当業者に本発明の範囲および精神を離れることなく、本発明の種々の改良および改変がなされるであろう。本発明は、上記に挙げた態様に限定されないことを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増加した明度値を有する半透明の硬化された仕上げ剤層を与えるための、フィルム形成剤(film former)、およびコアシェル(core-shell)ポリマー系またはシース化(sheathed)ポリマー系を含む充分な明度誘導剤(lightness-inducing agent)を含む、現場でリニューアル可能な床仕上げ剤。
【請求項2】
明度誘導剤がサブミクロンの平均粒子直径を有し、拡散して光を反射するであろう請求項1に従った仕上げ剤(finish)。
【請求項3】
明度誘導剤が有機粒子を含む請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項4】
明度誘導剤が、フィルム形成剤中に溶解されるかまたは懸濁される時に一つの視覚フォーム(form)を有し、フィルム形成剤が硬化される時に別の視覚フォームを有する、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項5】
フィルム形成剤が硬化される時に、明度誘導剤が内部にミクロボイドを含むか、または形成可能である、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項6】
明度誘導剤が、ヘテロポリマーの逐次エマルジョン重合されたディスパージョン粒子(sequentially emulsion polymerized dispersed particles)を含み、
前記ポリマーの酸コア(acid core)が、中和によるコアの膨潤を起こすのに適した、揮発性塩基に対して透過性があるポリマーシェルまたはシースに少なくとも部分的に覆われている、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項7】
フィルム形成剤が貯蔵される際に、明度誘導剤が沈殿またはその他の沈降に抵抗性である請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項8】
さらにサブミクロンの無機粒子を含む、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項9】
サブミクロンの無機粒子が、酸化亜鉛、リトポン(lithopone)、二酸化チタニウム、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、硫化バリウム、共沈殿(coprecipitated)3BaSO/Al(OH)、オキシ塩化ビスマスまたはそれらの混合物を含む、請求項8に従った仕上げ剤。
【請求項10】
サブミクロンの無機粒子が、全床仕上げ剤の固体ベースで、約1〜約30重量%の二酸化チタニウム粒子を含む、請求項8に従った仕上げ剤。
【請求項11】
フィルム形成剤が水溶性または水分散性である、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項12】
フィルム形成剤が、遷移金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属またはそれらの混合物を使用して架橋した、水溶性または水分散性酸含有ポリマーを含む、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項13】
遷移金属が亜鉛を含み、ポリマーがアクリル系である、請求項12に従った仕上げ剤。
【請求項14】
フィルム形成剤が、水溶性または水分散性のメタルフリーポリマーを含む、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項15】
フィルム形成剤が、放射線硬化性ポリウレタン、ポリウレタンディスパージョン、ブロックイソシアネート含有マルチパート(multipart)ポリウレタンまたはラテントワンパート(latent one part)ポリウレタン組成物である、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項16】
50m/リッターのコーティングスピードで白い基材の上にコートされて、L*a*b色空間を使用して評価されると、明度誘導剤なしで得られる値より大きく、約60より小さい明度値L*を有する、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項17】
明度値L*が約55より小さい請求項16に従った仕上げ剤。
【請求項18】
明度値L*を被覆力(Hiding Power)で割って計算された割合が、約30より大きく、
該被覆力が、0.015mm厚の硬化された仕上げ剤の層でコートされたフォーム24Bグレースケールチャート(Form 24B Gray Scale chart)を使用して決定されており、コートされたグレースケールチャートから3mの所に位置する観察者が、白色の背景とはっきり区別できる最初のグレースケールバーで測定された、請求項16に従った仕上げ剤。
【請求項19】
当該割合が約35より大きい請求項18に従った仕上げ剤。
【請求項20】
50m/リッターのコーティングスピードで白い基材の上にコートされて、L*a*b色空間を使用して評価されると、白度インデックス(Whiteness Index)を500nmの吸光係数で割って計算された、約40より大きい割合を有する、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項21】
当該割合が約80より大きい請求項20に従った仕上げ剤。
【請求項22】
全床仕上げ剤の固体ベースで、約1〜約50重量%の明度誘導剤を含む、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項23】
全床仕上げ剤の固体ベースで、約1〜約30重量%の明度誘導剤を含む、請求項1に従った仕上げ剤。
【請求項24】
増加した明度値を有する半透明の、現場でリニューアル可能な仕上げ剤を与えるために、フィルム形成剤、およびコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系を含む充分な明度誘導剤を含む混合物の、床材への適用を含む、床のコーティング方法。
【請求項25】
明度誘導剤がサブミクロンの平均粒子直径を有し、光を拡散して反射するであろう、請求項24に従った方法。
【請求項26】
明度誘導剤が有機粒子を含む、請求項24に従った方法。
【請求項27】
明度誘導剤が、フィルム形成剤中で溶解されまたは懸濁される時に一つの視覚フォームを有し、フィルム形成剤が硬化された時に別の視覚フォームを有する、請求項24に従った方法。
【請求項28】
フィルム形成剤が硬化された時に、明度誘導剤が内部にミクロボイドを含むか、または形成することが出来る、請求項24に従った方法。
【請求項29】
明度誘導剤が、ヘテロポリマーの逐次エマルジョン重合されたディスパージョン粒子を含む方法であって、
前記ポリマーの酸コアが、中和によるコアの膨潤を起こすのに適した、揮発性塩基に対して透過性があるポリマーシェルまたはシースに少なくとも部分的に覆われている、請求項24に従った方法。
【請求項30】
フィルム形成剤が貯蔵される時に、明度誘導剤が沈殿またはその他の沈降に抵抗性である、請求項24に従った方法。
【請求項31】
明度誘導剤がさらにサブミクロンの無機粒子を含む、請求項24に従った方法。
【請求項32】
サブミクロンの無機粒子が酸化亜鉛、リトポン、二酸化チタニウム、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、硫化バリウム、共沈殿3BaSO/Al(OH)、オキシ塩化ビスマス またはそれらの混合物を含む、請求項31に従った方法。
【請求項33】
サブミクロンの無機粒子が、全床仕上げ剤の固体ベースで、約1〜約30重量%の二酸化チタニウム粒子を含む、請求項31に従った方法。
【請求項34】
フィルム形成剤が、水溶性または水分散性である、請求項24に従った方法。
【請求項35】
フィルム形成剤が、遷移金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属またはそれらの混合物を使用して架橋した、水溶性または水分散性酸含有ポリマーを含む、請求項24に従った方法。
【請求項36】
遷移金属が亜鉛を含み、ポリマーがアクリル系である請求項35に従った方法。
【請求項37】
フィルム形成剤が水溶性または水分散性のメタルフリーポリマーを含む、請求項24に従った仕上げ剤。
【請求項38】
フィルム形成剤が、放射線硬化性ポリウレタン、ポリウレタンディスパージョン、ブロックイソシアネート含有マルチパートポリウレタンまたはラテントワンパートポリウレタンを含む、請求項24に従った方法。
【請求項39】
混合物が、50m/リッターのコーティングスピードで白い基材の上にコートされて、L*a*b色空間を使用して評価されると、明度誘導剤なしで得られる値より大きく、約60より小さい明度値L*を有する、請求項24に従った方法。
【請求項40】
コートされた混合物が、硬化すると床タイルに、よりきれいな外観を与えるが、通常の昼間の照度の下で、床に立っている観察者によって、明確に模様が識別できるであろう、請求項39に従った方法。
【請求項41】
明度値L*を被覆力で割って計算された割合が、約30より大きく、
該被覆力が、0.015mm厚の硬化された仕上げ剤の層でコートされたフォーム24Bグレースケールチャートを使用して決定されており、コートされたグレースケールチャートから3mの所に位置する観察者が、白色の背景とはっきり区別できる最初のグレースケールバーで測定された、請求項39に従った方法。
【請求項42】
当該割合が約35より大きい、請求項41に従った方法。
【請求項43】
基材が、ビニールシート床、リノリウム、ゴムシート、ビニール組成物タイル、ゴムタイル、コルク材または、合成スポーツ用床を含む、請求項24に従った方法。
【請求項44】
基材が、コンクリート、石、大理石、木、セラミックタイル、グラウト、テラゾ、またはドライシェイクフロアー(dry shake floor)を含む、請求項24の方法。
【請求項45】
少なくとも1層のアンダーコート層、および異なる組成を有するトップコートを少なくとも1層含む複層仕上げ剤の基材への適用を含む請求項24に従った方法。
【請求項46】
アンダーコートの少なくとも1層が明度誘導剤を含む、請求項45に従った方法。
【請求項47】
顕著な磨耗や光沢の消失を示した床仕上げ剤の上への1以上のメンテナンスコートの適用および硬化を含む、床のメンテナンス法であって、増加した明度値を有する半透明の硬化された床仕上げ剤を回復または与えるために、メンテナンスコートの少なくとも1層が、フィルム形成剤、およびコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系を含む充分な明度誘導剤を含む方法。
【請求項48】
適当な容器またはディスペンサーに入った床仕上げ剤、および床仕上げ剤の適用のための使用説明書を含む、現場でリニューアル可能な床仕上げキットであって、床仕上げ剤は、増加した輝度値を有する半透明の現場でリニューアル可能な硬化仕上げ剤を与えるために、フィルム形成剤、およびコアシェルポリマー系またはシース化ポリマー系を含む充分な明度誘導剤を含むキット。
【請求項49】
明度誘導剤が、サブミクロンの平均粒子直径を有し、拡散して光を反射するであろう請求項48に従ったキット。
【請求項50】
明度誘導剤が、有機粒子を含む、請求項48に従うキット。
【請求項51】
明度誘導剤が、フィルム形成剤中で、溶解されるかまたは懸濁される時一つの視覚フォームを有し、フィルム形成剤が硬化された時に別の視覚フォームを有する、請求項48に従ったキット。
【請求項52】
フィルム形成剤が硬化された時に、明度誘導剤が、内部にミクロボイドを含むか、または形成可能である請求項48に従ったキット。
【請求項53】
明度誘導剤が、ヘテロポリマーの逐次エマルジョン重合されたディスパージョン粒子を含み、
前記ポリマーの酸コア(acid core)が、中和によるコアの膨潤を起こすのに適した、揮発性塩基に対して透過性があるポリマーシェルまたはシースに少なくとも部分的に覆われている、請求項48に従ったキット。
【請求項54】
明度誘導剤が、フィルム形成剤が貯蔵される際に、沈殿またはその他の沈降に抵抗性である、請求項48に従ったキット。
【請求項55】
さらにサブミクロンの無機粒子を含む、請求項48に従ったキット。
【請求項56】
サブミクロンの無機粒子が酸化亜鉛、リトポン、二酸化チタニウム、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、硫化バリウム、共沈殿3BaSO/Al(OH)、オキシ塩化ビスマス またはそれらの混合物を含む、請求項55に従ったキット。
【請求項57】
サブミクロンの無機粒子が、全床仕上げ剤の固体ベースで、約1〜約30重量%の二酸化チタニウム粒子を含む、請求項55従ったキット。
【請求項58】
フィルム形成剤が水溶性または水分散性である、請求項48に従ったキット。
【請求項59】
フィルム形成剤が、遷移金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属またはそれらの混合物を使用して架橋した、水溶性または水分散性酸含有ポリマーを含む、請求項48に従ったキット。
【請求項60】
遷移金属が、亜鉛を含み、ポリマーがアクリル系である、請求項59に従ったキット。
【請求項61】
フィルム形成剤が、水溶性または水分散性のメタルフリーポリマーを含む、請求項48に従ったキット。
【請求項62】
フィルム形成剤が、放射線硬化性ポリウレタン、ポリウレタンディスパージョン、ブロックイソシアネート含有マルチパートポリウレタンまたはラテントワンパートポリウレタンを含む、請求項48に従ったキット。
【請求項63】
フィルム形成剤および明度誘導剤の混合物が、50m/リッターのコーティングスピードで白い基材の上にコートされて、L*a*b色空間を使用して評価されると、明度誘導剤なしで得られる値より大きく、約60より小さい明度値L*を有する、請求項48に従ったキット。
【請求項64】
コートされた混合物が、硬化すると床タイルに、よりきれいな外観を与えるが、通常の昼間の照度の下で、床に立っている観察者によって、明確に模様が識別できるであろう、請求項63に従ったキット。
【請求項65】
明度値L*を被覆力で割って計算された割合が、約30より大きく、
該被覆力が、0.015mm厚の硬化された仕上げ剤の層でコートされたフォーム24Bグレースケールチャートを使用して決定されており、コートされたグレースケールチャートから3mの所に位置する観察者が、白色の背景とはっきり区別できる最初のグレースケールバーで測定された、請求項63に従ったキット。
【請求項66】
当該レシオが約35より大きい、請求項65に従うキット。
【請求項67】
異なる組成を有するアンダーコートおよびトップコートを含む請求項48に従うキット。
【請求項68】
アンダーコートが少なくとも明度誘導剤を含む請求項67に従うキット。
【請求項69】
増加した明度値を有する半透明の床仕上げ剤を与えるために、さらにフィルム形成剤および充分な明度誘導剤を含むメンテナンスコートを含む、請求項48に従ったキット。

【公表番号】特表2008−501061(P2008−501061A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515045(P2007−515045)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/001208
【国際公開番号】WO2005/118732
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY