説明

映像信号伝送装置

【課題】 デジタル映像信号を正確に伝送できる映像信号伝送装置を提供する。
【解決手段】 PLL回路5は、デジタル映像信号S9に含まれる水平同期信号の周波数より低い第1の遮断周波数を有し、当該第1の遮断周波数より高い周波数の信号を減衰させる特性を持ち、デジタル映像信号S9の1画素分のデータを識別するためのドットクロック信号S14をPLL処理して、第1のドットクロック信号S14のN(2以上の整数)倍の周波数の伝送クロック信号S5を生成する。PLL回路6は、水平同期信号の周波数より高い第2の遮断周波数を有し、当該第2の遮断周波数より低い周波数の信号に追従し、伝送ケーブル4を介して入力したシリアル信号S2をPLL処理して伝送クロック信号S6を生成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、映像信号伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、多ビットのデジタル映像信号をシリアル化してシリアル信号として伝送する技術が、基幹通信やLAN(Local Area Network)などで用いられている。このようにデジタル信号を伝送する場合には、送信器で、多ビットのデジタル信号に含まれる同期信号であるクロック信号を逓倍してシリアル信号の伝送クロック信号を生成し、多ビットのデジタル信号を多重化(マルチプレクス)してシリアル信号として生成する。
【0003】また、受信器では、受信したシリアル信号に含まれる周波数成分からPLL(Phase Locked Loop) 回路を用いて抽出されたクロック信号を用いて、シリアル信号を分離(デマルチプレクス)している。ここで、シリアル信号の伝送クロック信号は、多ビットのデジタル信号のクロック信号に比べて周波数が著しく高い。そのため、伝送エラーを少なくするためには、時間精度の高い低ジッタの伝送クロック信号を用いる必要がある。従って、送信器には、例えば、クリスタル発振器から出力される低ジッタの高精度なクロック信号を、伝送クロックを生成する基となる多ビットのデジタル信号のクロック信号として用いている。
【0004】ところで、液晶ディスプレイなどのデジタル信号を入力とした表示装置に、R,G,Bの多ビットのデジタル映像信号をシリアル伝送することがある。このようなデジタル映像信号は、12〜24ビットの色階調を示すデジタル信号と画像の同期位置を示すSYNC(同期)信号とで構成される。これらのデジタル信号およびSYNC信号は、ドットクロック信号に同期しており、1ドットクロック信号毎に、画像の構成要素である1画素の色階調が示されている。ここで、ドットクロック信号の周波数は、画像の総画素数に応じて、25〜70MHz程度に設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなデジタル映像信号は、一般的に、グラフィックアクセラレータと呼ばれる大規模なLSI(Large Scale Integration) で生成されるが、グラフィックアクセラレータが生成するドットクロック信号は以下の理由(1),(2)から純粋な同期クロック成分の他、位相変調成分を含んでいる。
【0006】(1)グラフィックアクセラレータでは、受信器のクリスタル発振器からのクロック信号をPLL回路で周波数変換しているが、このPLL回路から不必要でかつ有害な信号成分であるスプリアス(Spurious)が漏れだしており、このスプリアスがドットクロック信号の位相変調成分として現れる。
(2)グラフィックアクセラレータが扱う大量のデジタル信号処理に伴うノイズがドットクロックに漏れだしている。例えば、R,G,Bのデジタル映像信号の伝送では、実際に画像として表示するデータを伝送する期間と、画像表示を行わないブランキング期間とが、水平同期信号の周期で繰り返される。そのため、水平同期信号の周波数を成分とする強い位相変調がドットクロック信号に含まれてしまう。
【0007】そのため、ドットクロック信号には、主に、水平同期信号の周波数の数分の1から数倍の位置に、位相変調成分が分布している。しかしながら、ドットクロック信号に、このような位相変調成分が含まれると、デジタル映像信号のシリアル伝送に障害が生じてしまい、デジタル映像信号を正確に伝送できないという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされ、主に水平同期信号の周波数を成分とする強い位相変調が伝送クロック信号に及ぼす影響を抑制し、デジタル映像信号を正確に伝送できる映像信号伝送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の映像信号伝送装置は、デジタル映像信号に含まれる水平同期信号の周波数より低い第1の遮断周波数を有し、当該第1の遮断周波数より高い周波数の位相変調成分を減衰させる特性を持ち、前記デジタル映像信号の1画素分のデータを識別するための第1のドットクロック信号をPLL処理して、当該第1のドットクロック信号のN(2以上の整数)倍の周波数の第1の伝送クロック信号を生成する第1のPLL回路と、前記第1のドットクロック信号および前記第1の伝送クロック信号に基づいて、前記デジタル映像信号を構成する並列に入力された複数の要素信号からシリアル信号を生成する第1の変換手段と、前記シリアル信号を伝送する伝送経路と、前記水平同期信号の周波数より高い第2の遮断周波数を有し、当該第2の遮断周波数より低い周波数の信号に追従し、前記伝送経路を介して入力した前記シリアル信号をPLL処理して第2の伝送クロック信号を生成する第2のPLL回路と、前記第2の伝送クロック信号を、1/N倍に分周して第2のドットクロック信号を生成する分周回路と、前記第2のドットクロック信号および前記第2の伝送クロック信号に基づいて、前記伝送経路を介して入力したシリアル信号から並列に出力される複数の要素信号を生成する第2の変換手段とを有する。
【0010】また、本発明の映像信号伝送装置は、デジタル映像信号を構成する並列に入力された複数の要素信号からシリアル信号を生成して伝送する映像信号伝送装置であって、前記デジタル映像信号に含まれる水平同期信号の周波数より低い遮断周波数を有し、当該遮断周波数より高い周波数の位相変調成分を減衰させる特性を持ち、前記デジタル映像信号の1画素分のデータを識別するためのドットクロック信号をPLL処理して、当該ドットクロック信号のN(2以上の整数)倍の周波数の伝送クロック信号を生成するPLL回路と、前記ドットクロック信号および前記伝送クロック信号に基づいて、前記デジタル映像信号を構成する並列に入力された複数の要素信号からシリアル信号を生成する第1の変換手段とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係わるデジタル映像信号伝送装置について説明する。図1は、本実施形態のデジタル映像信号伝送装置1のシステム構成図である。図1に示すように、デジタル映像信号伝送装置1は、例えば、パラレル・シリアル(P/S)変換器2、シリアル・パラレル(S/P)変換器3、伝送ケーブル4、PLL回路5、PLL回路6および分周器7を有する。
【0012】ここで、パラレル・シリアル変換器2およびPLL回路5は、伝送ケーブル4の一端側に配設された送信器に内蔵されている。また、シリアル・パラレル変換器3、PLL回路6および分周器7は、伝送ケーブル4の他端に配設された受信器に内蔵されている。
【0013】PLL回路5は、ドットクロック(DOTCLK)信号S14の周波数に同期して、その周波数をN倍に逓倍した周波数を持つ、伝送クロック信号S5を生成する。本実施形態では、Nは4である。尚、Nとしては、4の他に18、24、28、30あるいは32なども用いることができる。また、PLL回路5は、例えば、デジタル映像信号S9の水平同期信号の周波数fHSYNC の1/10倍以下の遮断周波数BWP1 を持ち、ドットクロック信号S14に含まれる遮断周波数BWP1 を越える周波数の位相変調成分を減衰する。ここで、PLL回路5では、遮断周波数BWP1 を越える周波数では、周波数が高くなる程、伝送クロック信号S5は、ドットクロック信号S14に対して大きく減衰する。ところで、PLL回路5が2次伝達関数特性を持つ場合に、入力信号の位相に対する出力信号の位相の比であるジッタトランスファーHT (s)は、下記式(1)で示される。
【0014】
【数1】
T (s)=ΘO (s)/Θi (s)
=(2ζ・ωn ・s+ωn 2 )/(s2 +2ζ・ωn ・s+ωn 2 ) …(1)
【0015】上記式(1)において、ΘO (s)は出力信号の位相のラプラス変換を示し、Θi (s)は入力信号の位相のラプラス変換を示す。また、ζはダンピング係数を示し、ωn は自然角周波数を示す。ここで、PLL回路5において、ジッタトランスファーHT (s)が−3dBとなる遮断周波数BWP1 (Band Width Point)は、下記式(2)で示される。
【0016】
【数2】
BWP1 =ωn ・〔1+2ζ2 +{1+(1+2ζ2 2 1/2 1/2 …(2)
【0017】PLL回路5では、前述したように遮断周波数BWP1 を、水平同期信号の周波数fHSYNC の1/10倍以下に設定している。このように遮断周波数BWP1 を水平同期信号の周波数fHSYNC の1/10倍以下に設定することで、ドットクロック信号S14に含まれる水平同期信号の周波数fHSYNC の近傍の周波数を持つジッタの位相変調成分は、PLL回路5を殆ど通過することができない。すなわち、ドットクロック信号S14に基づいて生成されるシリアル信号S4に生じるジッタを抑制できる。
【0018】なお、ドットクロック信号S14は、前述したように、デジタル映像信号が示す画像の1画素の色階調のデータの区切りを示すときに用いられ、画像の総画素数に応じて、25〜70MHz程度の周波数を持つように設定されている。
【0019】パラレル・シリアル変換器2は、デジタル映像信号S9を構成するデジタルR信号S10、デジタルG信号S11、デジタルB信号S12、SYNC(同期)信号S13を入力し、これらの信号を、PLL回路5から入力した伝送クロック信号S5およびドットクロック信号S14に基づいて、パラレル・シリアル変換してシリアル信号S2を生成する。パラレル・シリアル変換器2は、生成したシリアル信号S2を、伝送ケーブル4を介して、シリアル・パラレル変換器3に出力する。
【0020】伝送ケーブル4は、例えば、銅線などを用いたモニタケーブルであり、例えば、0.1〜20m程の長さを有する。
【0021】PLL回路6は、伝送ケーブル4を介して受信器が受信したシリアル信号S2の周波数に追従し、伝送クロック信号S6を抽出する。PLL回路6は、抽出した伝送クロック信号S6をシリアル・パラレル変換器3および分周器7に出力する。また、PLL回路6は、例えば、デジタル映像信号9の水平同期信号の周波数fHSYNC の10倍以上の遮断周波数BWP2 を持ち、シリアル信号S2に含まれる遮断周波数BWP2 以下の周波数の位相変調成分に追従する。ここで、遮断周波数BWP2 以下の周波数では、周波数が低い程、追従誤差が小さくなる(良く追従する)。すなわち、PLL回路6は、位相変調を持つシリアル信号S2に正しく追従し、エラーが生じないようにする。図2は、入力信号の位相変調と、出力信号に現れた変調成分gと、入力信号の位相変調に対する追従誤差の相対比εとの関係を説明するための図である。図2に示すように、入力信号の位相変調に対する追従誤差の相対比εは、位相変調を大きさ1のフェーザと考えると、下記式(3)で示される。ここで、フェーザとは正弦波信号の振幅と位相を表す指標である。
【0022】
【数3】
ε(ω)={(1−g・cosθ)2 +(g・sinθ)2 1/2 …(3)
【0023】なお、式(3)におけるg,θは、それぞれ下記式(4),(5)で示される。
【0024】
【数4】
g=|H(ω)| …(4)
【0025】
【数5】
θ=∠|HT (ω)| …(5)
【0026】PLL回路6では、シリアル信号S2の周波数が低い程、角度θは0に近づき、出力信号に現れる変調成分gの長さは1に近づき、εは0に近づく。すなわち、出力信号は、入力出力に良く追従する。一方、シリアル信号S2の周波数が高い程、角度θは大きくなり、出力信号に現れる変調成分gは0に近づき、εは1に近づく。すなわち、追従誤差が大きく、出力信号は、入力出力に殆ど追従しない。
【0027】PLL回路6は、遮断周波数BWP1 と同様にして上記式(2)から求められる遮断周波数BWP2 を、PLL回路5とは異なり、水平同期信号の周波数fHSYNC の10倍以上に設定している。このように遮断周波数BWP2 を水平同期信号の周波数fHSYNC の10倍以上に設定することで、シリアル信号S2に含まれる多くの位相変調成分を、伝送クロック信号S6に残存させることができ、伝送クロック信号S6のシリアル信号S2に対する追従誤差を抑制できる。すなわち、伝送時におけるエラーの発生を抑制できる。
【0028】分周器7は、伝送クロック信号S6を、N倍に分周したドットクロック(DOTCLK)信号S7を生成し、これをシリアル・パラレル変換器3に出力する。
【0029】シリアル・パラレル変換器3は、伝送クロック信号S6およびドットクロック信号S7に基づいて、伝送ケーブル4を介して受信したシリアル信号S4をシリアル・パラレル変換し、デジタル映像信号S19を構成するデジタルR信号S20、デジタルG信号S21、デジタルB信号S22、SYNC(同期)信号S23を並列に出力する。
【0030】以下、デジタル映像信号伝送装置1の動作について具体例を挙げて説明する。図3(A)はドットクロックS14のジッタの位相変調の周波数と強度との関係を示す図、(B)はPLL回路5のジッタトランスファーと周波数との関係を示す図、(C)はシリアル信号S4に含まれるジッタの位相変調強度と周波数との関係を示す図、(D)はPLL回路6の相対追従誤差と周波数との関係を示す図、(E)はPLL回路6の追従誤差と周波数との関係を示す図である。
【0031】デジタル映像信号伝送装置1では、先ず、図3(A)に示すようなジッタの変調強度を持つドットクロック信号S14が図1に示すPLL回路5に入力される。ここで、PLL回路5は、図3(B)示すようなLPF(Low Pass Filter) 特性を持ち、しかも、遮断周波数BWP1 を水平同期信号の周波数fHSYNC の1/10倍以下に設定しているため、図3(A)に示すドットクロック信号S14に多く含まれる水平同期信号の周波数fHSYNC 付近のジッタが大幅に減衰され、当該ジッタが減衰されたドットクロック信号S14をN倍に逓倍した伝送クロック信号S5が生成される。
【0032】この伝送クロック信号S5は、パラレル・シリアル変換器2に出力される。そして、パラレル・シリアル変換器2では、デジタル映像信号S9を構成するデジタルR信号S10、デジタルG信号S11、デジタルB信号S12、SYNC(同期)信号S13が並列に入力され、これらの信号が、伝送クロック信号S5およびドットクロック信号S14に基づいて、パラレル・シリアル変換され、シリアル信号S2が生成される。このとき、前述したように、水平同期信号の周波数fHSYNC 付近のジッタが大幅に減衰された伝送クロック信号S5が用いられているため、シリアル信号S2に含まれるジッタの位相変調強度は、図3(C)に示すように改善される。
【0033】そして、シリアル信号S2が、伝送ケーブル4を介して、シリアル・パラレル変換器3およびPLL回路6に伝送される。
【0034】そして、PLL回路6において、シリアル信号S2に含まれる伝送クロック信号に追従して伝送クロック信号S6が抽出され、この伝送クロック信号S6がシリアル・パラレル変換器3および分周器7に出力される。このとき、PLL回路6は、例えば、前述したように映像信号9の水平同期信号の周波数fHSYNC の10倍以上の遮断周波数BWP2 を持つため、図3(D),(E)に示すように、伝送クロック信号S6は、シリアル信号に含まれる伝送クロック信号の位相変調に対して非常に良く追従する。そのため、伝送エラーの発生が抑制される。
【0035】伝送クロック信号S6は、分周器7において、1/N倍に分周され、ドットクロック信号S7が生成される。ドットクロック信号S7は、シリアル・パラレル変換器3に出力される。
【0036】そして、シリアル・パラレル変換器3において、伝送クロック信号S6およびドットクロック信号S7に基づいて、伝送ケーブル4を介して受信したシリアル信号S4がシリアル・パラレル変換され、デジタル映像信号19を構成するデジタルR信号S20、デジタルG信号S21、デジタルB信号S22、SYNC(同期)信号S23が並列に出力される。
【0037】本発明は上述した実施形態には限定されない。例えば、上述した実施形態では、ドットクロック信号S14に含まれるジッタの位相変調強度として図3(A)に示す場合を例示したが、この他の場合にも、同様に、効果を発揮することができる。また、上述した実施形態では、PLL回路5の遮断周波数BWP1 を水平同期信号の周波数fHSYNC の1/10倍に設定したが、遮断周波数BWP1 は周波数fHSYNC より低ければ、その他の周波数でもよい。さらに、上述した実施形態では、PLL回路6の遮断周波数BWP2 を水平同期信号の周波数fHSYNC の10倍に設定したが、遮断周波数BWP2 は周波数fHSYNC より高ければ、その他の周波数でもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の映像信号伝送装置によれば、水平同期信号の周波数の近傍の周波数を成分とする強い位相変調がドットクロック信号に及ぼす影響を抑制し、デジタル映像信号を正確に伝送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態のデジタル映像信号伝送装置のシステム構成図である。
【図2】図2は、入力信号の位相変調と、出力信号に現れた変調成分gと、入力信号の位相変調に対する追従誤差の相対比εとの関係を説明するための図である。
【図3】図3(A)は送信器のドットクロックのジッタの位相変調の周波数と強度との関係を示す図、(B)は送信器のPLL回路のジッタトランスファーと周波数の関係を示す図、(C)はシリアル信号に含まれるジッタの位相変調強度と周波数との関係を示す図、(D)は受信器のPLL回路の相対追従誤差と周波数との関係を示す図、(E)は受信器のPLL回路の追従誤差と周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…デジタル映像信号伝送装置、2…パラレル・シリアル変換器、3…シリアル・パラレル変換器、4…伝送ケーブル、5,6…PLL回路、7…分周器、fHSYNC …水平同期信号の周波数

【特許請求の範囲】
【請求項1】デジタル映像信号に含まれる水平同期信号の周波数より低い第1の遮断周波数を有し、当該第1の遮断周波数より高い周波数の位相変調成分を減衰させる特性を持ち、前記デジタル映像信号の1画素分のデータを識別するための第1のドットクロック信号をPLL処理して、当該第1のドットクロック信号のN(2以上の整数)倍の周波数の第1の伝送クロック信号を生成する第1のPLL回路と、前記第1のドットクロック信号および前記第1の伝送クロック信号に基づいて、前記デジタル映像信号を構成する並列に入力された複数の要素信号からシリアル信号を生成する第1の変換手段と、前記シリアル信号を伝送する伝送経路と、前記水平同期信号の周波数より高い第2の遮断周波数を有し、当該第2の遮断周波数より低い周波数の位相変調に追従し、前記伝送経路を介して入力した前記シリアル信号をPLL処理して第2の伝送クロック信号を生成する第2のPLL回路と、前記第2の伝送クロック信号を、1/N倍に分周して第2のドットクロック信号を生成する分周回路と、前記第2のドットクロック信号および前記第2の伝送クロック信号に基づいて、前記伝送経路を介して入力したシリアル信号から並列に出力される複数の要素信号を生成する第2の変換手段とを有する映像信号伝送装置。
【請求項2】前記Nは、4,18,24,28,30,または32である請求項1に記載の映像信号伝送装置。
【請求項3】前記複数の要素信号は、デジタルR信号、デジタルG信号、デジタルB信号および同期信号である請求項1に記載の映像信号伝送装置。
【請求項4】前記第1のPLL回路は、前記第1の遮断周波数より高い周波数領域で、周波数が高くなる程、前記第1のドットクロック信号に含まれる位相変調成分を大きく減衰する請求項1に記載の映像信号伝送装置。
【請求項5】前記第2のPLL回路は、前記第2の遮断周波数より低い周波数領域で、周波数が低くなる程、追従誤差が小さくなる請求項1に記載の映像信号伝送装置。
【請求項6】前記伝送経路は、ケーブルである請求項1に記載の映像信号伝送装置。
【請求項7】デジタル映像信号を構成する並列に入力された複数の要素信号からシリアル信号を生成して伝送する映像信号伝送装置において、前記デジタル映像信号に含まれる水平同期信号の周波数より低い遮断周波数を有し、当該遮断周波数より高い周波数の位相変調成分を減衰させる特性を持ち、前記デジタル映像信号の1画素分のデータを識別するためのドットクロック信号をPLL処理して、当該ドットクロック信号のN(2以上の整数)倍の周波数の伝送クロック信号を生成するPLL回路と、前記ドットクロック信号および前記伝送クロック信号に基づいて、前記デジタル映像信号を構成する並列に入力された複数の要素信号からシリアル信号を生成する第1の変換手段とを有する映像信号伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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