説明

映像信号記録装置

【課題】映像記録媒体の使用量を節約することができるとともに、消費電力を低減することができるようにする。
【解決手段】映像信号の記録条件を満足している場合に限り、ネットワークインタフェース部21により取得された映像信号を映像記録部12に記録する記録制御部12と、その記録条件を満足していれば、記録制御部23及び映像記録部12に駆動用の電力を供給して、映像信号記録装置3を通常状態に設定する一方、その記録条件を満足していなければ、記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を行わずに、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定するスタンバイ制御部24とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、監視領域を撮影して、その監視領域の映像信号を映像記録媒体に記録する映像信号記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セキュリティーシステムなどの映像信号記録装置では、監視用カメラにより撮影された映像信号を長時間にわたって映像記録媒体に記録する。
したがって、映像記録媒体に記録される映像信号のデータ量が膨大な量になるため、データ量を軽減する工夫がなされている。
映像信号がアナログ信号である場合、映像信号をタイムラプスビデオレコーダーに記録することが一般的である。
映像信号がデジタル信号である場合、映像記録媒体を複数台の記録装置(例えば、ハードディスク、光磁気ディスクなど)で構成し、映像符号化圧縮技術を用いて、映像信号のデータ量を1/10以下に圧縮してから、圧縮後の映像信号を記録装置に記録することが一般的である。
【0003】
しかしながら、ユーザが運用上要望する映像信号の記録時間は、記録装置で構成可能な映像記録媒体の記録可能量を遥かに超えてしまうことが多いため、従来の映像信号記録装置では、先に記録装置に記録されている古い映像信号に対して、最新の映像信号を上書きするなどの処理が行なわれる。
また、重要な映像信号については、ユーザが外部機器などにコピーするなどで対処している。
【0004】
従来の映像信号記録装置では、ユーザが映像信号の記録停止操作を行わない限り、監視領域の変化の有無に関係なく、連続的に映像信号を映像記録媒体に記録することになり、映像記録媒体の記録容量を無駄に使用してしまうことになる。
以下の特許文献1には、連続的に映像信号を映像記録媒体に記録することによる記録容量の無駄使用を防止するために、動きのある映像信号については動画で記録し、動きの無い映像信号については静止画で記録する映像信号記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−18076号公報(段落番号[0008]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の映像信号記録装置は以上のように構成されているので、連続的に映像信号を映像記録媒体に記録することによる記録容量の無駄使用を防止している。しかし、動きの無い映像信号についても静止画で記録しているため、使用量の節約が十分ではなく、また、電力も無駄に消費しているという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、映像記録媒体の使用量を節約することができるとともに、消費電力を低減することができる映像信号記録装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る映像信号記録装置は、カメラから出力された映像信号を取得する映像信号取得手段と、外部から与えられる映像信号の記録条件を満足している場合に限り、映像信号取得手段により取得された映像信号を映像記録媒体に記録する映像信号記録手段と、その記録条件を満足していれば、映像信号記録手段に駆動用の電力を供給して、映像信号記録手段を映像信号の記録が可能な状態に設定する一方、その記録条件を満足していなければ、映像信号記録手段に対する駆動用の電力の供給を行わずに、映像信号記録手段をスタンバイ状態に設定する状態制御手段とを設けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、カメラから出力された映像信号を取得する映像信号取得手段と、外部から与えられる映像信号の記録条件を満足している場合に限り、映像信号取得手段により取得された映像信号を映像記録媒体に記録する映像信号記録手段と、その記録条件を満足していれば、映像信号記録手段に駆動用の電力を供給して、映像信号記録手段を映像信号の記録が可能な状態に設定する一方、その記録条件を満足していなければ、映像信号記録手段に対する駆動用の電力の供給を行わずに、映像信号記録手段をスタンバイ状態に設定する状態制御手段とを設けるように構成したので、映像記録媒体の使用量を節約することができるとともに、消費電力を低減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1による映像信号記録装置を示す構成図である。
【図2】図1の映像信号記録装置におけるネットワーク制御部11を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1による映像信号記録装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2による映像信号記録装置のネットワーク制御部11を示す構成図である。
【図5】この発明の実施の形態2による映像信号記録装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態3による映像信号記録装置のネットワーク制御部11を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3による映像信号記録装置の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】映像異常とスタンバイ状態の関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による映像信号記録装置を示す構成図である。
図1において、監視カメラ1は例えばLANなどのネットワークに接続されており、監視領域を撮影して、その監視領域の映像信号を出力する処理を実施する。
操作設定部2は例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどのマンマシンインタフェースなどから構成されており、監視カメラ1から出力された映像信号の記録条件を設定する処理を実施する。
即ち、操作設定部2はユーザによる記録条件(例えば、映像信号を記録する監視時間帯)の設定操作を受け付けて、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に与える処理を実施する。
図1では、操作設定部2がネットワークを介して映像信号記録装置3と接続されている例を示しているが、操作設定部2が映像信号記録装置3の内部に設けられていてもよい。
この場合には、操作設定部2は記録条件設定手段を構成する。
【0012】
映像信号記録装置3はネットワーク制御部11、映像記録部12及び電源部13から構成されている。
ネットワーク制御部11は図2に示すようにネットワークインタフェース部21、CPU22、記録制御部23、スタンバイ制御部24及びバックアップ保持部25から構成されている。
【0013】
映像記録部12は例えばハードディスクや光磁気ディスクなどの記録装置から構成されており、ネットワーク制御部11の制御の下で、監視領域の映像信号を記録する映像記録媒体である。
電源部13はネットワーク制御部11の制御の下で、駆動用の電力をネットワーク制御部11の記録制御部23(図2を参照)及び映像記録部12に与える。
【0014】
図2は図1の映像信号記録装置におけるネットワーク制御部11を示す構成図である。
図2において、ネットワークインタフェース部21はネットワークに対するインタフェース処理を行うネットワーク機器から構成されており、監視カメラ1から出力された映像信号を取得するとともに、操作設定部2により設定された記録条件を取得する処理を実施する。
CPU22はネットワークインタフェース部21、記録制御部23及びスタンバイ制御部24の処理内容を制御するほか、ネットワークインタフェース部21により取得された記録条件を満足しているか否かを判定し、その記録条件を満足していれば、映像信号の記録を行う旨の判断を行う一方、その記録条件を満足していなければ、映像信号の記録を行わない旨の判断を行う処理などを実施する。
【0015】
記録制御部23はCPU22により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、ネットワークインタフェース部21により取得された映像信号を映像記録部12に書き込む処理を実施し、CPU22により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、映像記録部12に対する映像信号の書込処理を停止する。
なお、ネットワークインタフェース部21、CPU22及び記録制御部23から映像信号記録手段が構成されている。
【0016】
スタンバイ制御部24はCPU22により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、駆動用の電力を与える旨を指示する制御信号を電源部13に出力することにより、駆動用の電力を記録制御部23及び映像記録部12に供給して、映像信号記録装置3を映像信号の記録が可能な状態に設定する処理を実施する。
一方、CPU22により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、駆動用の電力の供給を止める旨を指示する制御信号を電源部13に出力することにより、記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を停止して、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定する処理を実施する。
なお、電源部13、CPU22及びスタンバイ制御部24から状態制御手段が構成されている。
【0017】
バックアップ保持部25は例えばバッテリなどから構成されており、映像信号記録装置3がスタンバイ状態に設定されているときに、記録制御部23だけでなく、ネットワークインタフェース部21、CPU22やスタンバイ制御部24などへの電力供給も停止される場合、映像信号の記録条件を満足して、映像信号の記録を再開する際に、映像信号記録装置3がスタンバイ状態から通常状態(映像信号の記録が可能な状態)に復旧できるように、ネットワークインタフェース部21、CPU22やスタンバイ制御部24における必要最小限の部分に電力を供給する。
図3はこの発明の実施の形態1による映像信号記録装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0018】
次に動作について説明する。
ユーザは、監視領域の映像信号の記録を開始する前に、操作設定部2のマンマシンインタフェースを操作することで、監視カメラ1から出力された映像信号の記録条件を設定する(ステップST1)。
この実施の形態1では、説明の便宜上、映像信号の記録条件として、映像信号を記録する監視時間帯(記録スケジュール)を設定するものとする。例えば、AM8:00〜PM6:00の時間帯は監視を行うなどの記録条件が挙げられる。
操作設定部2は、ユーザによる記録条件の設定操作を受け付けると、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に出力する。
【0019】
映像信号記録装置3のネットワークインタフェース部21は、操作設定部2から出力された映像信号の記録条件を取得し、その記録条件をCPU22に出力する。
ここでは説明の便宜上、映像信号の記録を開始する前の初期設定時では、映像信号記録装置3はスタンバイ状態ではなく、電源部13から駆動用の電力が供給されて、各種の処理(例えば、映像信号の記録処理)を実施することが可能な通常状態であるものとする。
映像記録部12も電源部13から駆動用の電力が供給されており、映像信号を記録することが可能な状態であるものとする。
【0020】
監視カメラ1は、監視領域の撮影を開始すると、その監視領域の映像信号をネットワーク経由で映像信号記録装置3に送信する。
映像信号記録装置3のネットワークインタフェース部21は、監視カメラ1から送信された映像信号を取得する(ステップST2)。
【0021】
CPU22は、ネットワークインタフェース部21から映像信号の記録条件を受けると、その記録条件を満足しているか否かを判定する。
即ち、CPU22は、映像信号の記録条件として、映像信号を記録する監視時間帯が設定されているので、現在の時刻が監視時間帯内であるか否かを判定する。
CPU22は、現在の時刻が監視時間帯内であれば(ステップST3)、映像信号の記録を行う旨の判断を行う(ステップST4)。
一方、現在の時刻が監視時間帯外であれば(ステップST3)、映像信号の記録を行わない旨の判断を行う(ステップST5)。
【0022】
記録制御部23は、CPU22により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、ネットワークインタフェース部21により取得された映像信号を映像記録部12に書き込む処理を実施する(ステップST6)。
スタンバイ制御部24は、CPU22により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、駆動用の電力を与える旨を指示する制御信号を電源部13に出力する。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力を与える旨を指示する制御信号を受けると、駆動用の電力をネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に供給して、映像信号記録装置3の通常状態(映像信号の記録が可能な状態)を継続する(ステップST7)。なお、ネットワーク制御部11のネットワークインタフェース部21、CPU22及びスタンバイ制御部24にも駆動用の電力を供給している。
【0023】
記録制御部23は、CPU22により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、映像記録部12に対する映像信号の書込処理を停止する(ステップST8)。
スタンバイ制御部24は、CPU22により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、駆動用の電力の供給を止める旨を指示する制御信号を電源部13に出力する。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力の供給を止める旨を指示する制御信号を受けると、ネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を停止して、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定する(ステップST9)。
【0024】
なお、映像信号記録装置3がスタンバイ状態に設定されているときでも、ネットワークインタフェース部21、CPU22及びスタンバイ制御部24には、電源部13から電力が供給されている。
仮に、ネットワークインタフェース部21、CPU22及びスタンバイ制御部24にも、電力が供給されない状態に設定がなされる場合には、バックアップ保持部25から電力が供給されるため、スタンバイ状態から通常状態に復旧することは可能である。
【0025】
CPU22は、映像信号記録装置3がスタンバイ状態に設定されたのち、時刻が経過して、現在の時刻が監視時間帯に近づくと(例えば、監視時間帯の1分前)(ステップST10)、映像信号の記録を開始できるようにするため、スタンバイ制御部24から、駆動用の電力の供給を開始する旨を指示する制御信号を電源部13に出力させる。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力の供給を開始する旨を指示する制御信号を受けると、ネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を開始して、映像信号記録装置3をスタンバイ状態から通常状態に設定する(ステップST11)。
以降、ステップST2に戻り、ステップST3〜ST7の処理又はステップST3〜ST11の処理が実施される。
【0026】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、監視カメラ1から出力された映像信号を取得するネットワークインタフェース部21と、操作設定部2により設定された映像信号の記録条件を満足している場合に限り、ネットワークインタフェース部21により取得された映像信号を映像記録部12に記録する記録制御部12と、その記録条件を満足していれば、記録制御部23及び映像記録部12に駆動用の電力を供給して、映像信号記録装置3を通常状態に設定する一方、その記録条件を満足していなければ、記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を行わずに、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定するスタンバイ制御部24とを設けるように構成したので、映像記録媒体である映像記録部12の使用量を節約することができるとともに、消費電力を低減することができる効果を奏する。
【0027】
この実施の形態1では、監視カメラ1が1台接続されている例を示したが、複数台の監視カメラ1を接続して、同等の処理を実施するようにしてもよい。
【0028】
また、この実施の形態1では、映像信号の記録を開始する前の初期設定時において、映像信号記録装置3が通常状態に設定されているものを示したが、スタンバイ状態に設定されていてもよい。
この場合、現在の時刻が監視時間帯に近づくと、映像信号の記録を開始できるようにするため、映像信号記録装置3がスタンバイ状態から通常状態に設定される。
【0029】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、操作設定部2が映像信号の記録条件として、映像信号を記録する監視時間帯の設定操作を受け付けて、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に与えているものを示したが、操作設定部2が映像信号の記録条件として、外部からアラームが通知されている状況下であることの設定操作を受け付けて、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に与えるものであってもよい。
【0030】
図4はこの発明の実施の形態2による映像信号記録装置のネットワーク制御部11を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
アラーム制御部26は例えば監視領域に設置されているセンサ(例えば、監視領域内への不審者の侵入検知を行うセンサ)から異常を知らせるアラーム信号が送信されると、そのアラーム信号を受信して、異常の発生をCPU27に知らせる処理を実施する。
【0031】
CPU27はネットワークインタフェース部21、記録制御部23、スタンバイ制御部24及びアラーム制御部26の処理内容を制御するほか、アラーム制御部26からの異常発生の知らせの有無で、映像信号の記録条件を満足しているか否かを判定し、異常発生の知らせがあれば、その記録条件を満足しているものとして、映像信号の記録を行う旨の判断を行う一方、異常発生の知らせがなければ、その記録条件を満足していないものとして、映像信号の記録を行わない旨の判断を行う処理などを実施する。
なお、アラーム制御部26及びCPU27は、映像信号記録手段及び状態制御手段を構成している。
図5はこの発明の実施の形態2による映像信号記録装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0032】
次に動作について説明する。
ユーザは、監視領域の映像信号の記録を開始する前に、操作設定部2のマンマシンインタフェースを操作することで、監視カメラ1から出力された映像信号の記録条件を設定する(ステップST21)。
この実施の形態2では、説明の便宜上、映像信号の記録条件として、外部からアラームが通知されている状況下であること(アラーム記録)を設定するものとする。
操作設定部2は、ユーザによる記録条件の設定操作を受け付けると、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に出力する。
【0033】
映像信号記録装置3のネットワークインタフェース部21は、操作設定部2から出力された映像信号の記録条件を取得し、その記録条件をCPU27に出力する。
ここでは説明の便宜上、映像信号の記録を開始する前の初期設定時では、映像信号記録装置3はスタンバイ状態ではなく、電源部13から駆動用の電力が供給されて、各種の処理(例えば、映像信号の記録処理)を実施することが可能な通常状態であるものとする。
映像記録部12も電源部13から駆動用の電力が供給されており、映像信号を記録することが可能な状態であるものとする。
【0034】
監視カメラ1は、監視領域の撮影を開始すると、その監視領域の映像信号をネットワーク経由で映像信号記録装置3に送信する。
映像信号記録装置3のネットワークインタフェース部21は、監視カメラ1から送信された映像信号を取得する(ステップST22)。
【0035】
アラーム制御部26は、例えば、監視領域に設置されているセンサ(例えば、監視領域内への不審者の侵入検知を行うセンサ)から異常を知らせるアラーム信号が送信されると、そのアラーム信号を受信して、異常の発生をCPU27に知らせる。
CPU27は、ネットワークインタフェース部21から映像信号の記録条件を受けると、その記録条件を満足しているか否かを判定する。
即ち、CPU27は、映像信号の記録条件として、外部からアラームが通知されている状況下であることが設定されているので、アラーム制御部26からの異常発生の知らせの有無で、映像信号の記録条件を満足しているか否かを判定する。
【0036】
CPU27は、アラーム制御部26から異常発生の知らせがあれば(ステップST23)、その記録条件を満足しているものとして、映像信号の記録を行う旨の判断を行う(ステップST24)。
一方、アラーム制御部26から異常発生の知らせがなければ(ステップST23)、その記録条件を満足していないものとして、映像信号の記録を行わない旨の判断を行う(ステップST25)。
【0037】
記録制御部23は、CPU27により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、ネットワークインタフェース部21により取得された映像信号を映像記録部12に書き込む処理を実施する(ステップST26)。
スタンバイ制御部24は、CPU27により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、駆動用の電力を与える旨を指示する制御信号を電源部13に出力する。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力を与える旨を指示する制御信号を受けると、駆動用の電力をネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に供給して、映像信号記録装置3の通常状態(映像信号の記録が可能な状態)を継続する(ステップST27)。なお、ネットワーク制御部11のネットワークインタフェース部21、CPU27及びスタンバイ制御部24にも駆動用の電力を供給している。
【0038】
記録制御部23は、CPU27により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、映像記録部12に対する映像信号の書込処理を停止する(ステップST28)。
スタンバイ制御部24は、CPU27により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、駆動用の電力の供給を止める旨を指示する制御信号を電源部13に出力する。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力の供給を止める旨を指示する制御信号を受けると、ネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を停止して、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定する(ステップST29)。
【0039】
なお、映像信号記録装置3がスタンバイ状態に設定されているときでも、アラーム制御部26、CPU27及びスタンバイ制御部24には、電源部13から電力が供給されている。
仮に、ネットワークインタフェース部21、CPU27及びスタンバイ制御部24にも、電力が供給されない状態に設定がなされる場合には、バックアップ保持部25から電力が供給されるため、スタンバイ状態から通常状態に復旧することは可能である。
【0040】
CPU27は、映像信号記録装置3がスタンバイ状態に設定されたのち、アラーム制御部26がアラーム信号を受信して、アラーム制御部26から異常発生の知らせを受けると(ステップST30)、映像信号の記録を開始できるようにするため、スタンバイ制御部24から、駆動用の電力の供給を開始する旨を指示する制御信号を電源部13に出力させる。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力の供給を開始する旨を指示する制御信号を受けると、ネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を開始して、映像信号記録装置3をスタンバイ状態から通常状態に設定する(ステップST31)。
【0041】
以降、ステップST22に戻り、ステップST23〜ST27の処理又はステップST23〜ST31の処理が実施される。
なお、この実施の形態2では、アラーム制御部26が外部からアラーム信号を受信すると、外部からアラーム信号を解除する解除信号を受信するまで、異常の発生が継続しているものとして、ステップST22〜ST31の処理を実施する。
【0042】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、映像信号の記録条件として、外部からアラームが通知されている状況下であることが設定されている場合、外部からアラームが通知されていれば、記録制御部23及び映像記録部12に駆動用の電力を供給して、映像信号記録装置3を通常状態に設定し、外部からアラームが通知されていなければ、記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を行わずに、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定するように構成したので、外部からアラームが通知されている場合に限り、映像信号の記録と駆動用の電力の供給が行われるようになり、その結果、映像記録媒体である映像記録部12の使用量を節約することができるとともに、消費電力を低減することができる効果を奏する。
【0043】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、操作設定部2が映像信号の記録条件として、映像信号を記録する監視時間帯の設定操作を受け付けて、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に与えているものを示したが、操作設定部2が映像信号の記録条件として、映像異常が発生していない状況下であることの設定操作を受け付けて、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に与えるものであってもよい。
【0044】
図6はこの発明の実施の形態3による映像信号記録装置のネットワーク制御部11を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
映像異常検知部28はネットワークインタフェース部21が監視カメラ1から送信された環境照度を示す環境照度データを受信すると、その環境照度データが示す環境照度が所定の閾値より低い場合、映像異常の発生を検知する処理を実施する。
ここでは、監視カメラ1から送信された環境照度データを用いて、映像異常の発生を検知する例を示しているが、これに限るものではなく、例えば、監視カメラ1から送信された映像信号を解析して、映像異常の発生を検知するようにしてもよい。
【0045】
CPU29はネットワークインタフェース部21、記録制御部23、スタンバイ制御部24及び映像異常検知部28の処理内容を制御するほか、映像異常検知部28による映像異常の検知の有無で、映像信号の記録条件を満足しているか否かを判定し、映像異常の発生が検知されていなければ、その記録条件を満足しているものとして、映像信号の記録を行う旨の判断を行う一方、映像異常の発生が検知されていれば、その記録条件を満足していないものとして、映像信号の記録を行わない旨の判断を行う処理などを実施する。
なお、映像異常検知部28及びCPU29は、映像信号記録手段及び状態制御手段を構成している。
図7はこの発明の実施の形態3による映像信号記録装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0046】
次に動作について説明する。
ユーザは、監視領域の映像信号の記録を開始する前に、操作設定部2のマンマシンインタフェースを操作することで、監視カメラ1から出力された映像信号の記録条件を設定する(ステップST41)。
この実施の形態3では、説明の便宜上、映像信号の記録条件として、映像異常が発生していない状況下であることを設定するものとする。
操作設定部2は、ユーザによる記録条件の設定操作を受け付けると、その記録条件をネットワーク経由で映像信号記録装置3に出力する。
【0047】
ここで、図8は映像異常とスタンバイ状態の関係を示す説明図である。
例えば、監視カメラ1の環境照度が閾値Aより低い状況下では、監視カメラ1から出力される映像信号が示す映像は暗い映像となり、その映像信号を記録しても、監視領域の様子を十分に確認することができないことが想定される。
したがって、監視カメラ1の環境照度が閾値Aより低い状況下での映像信号は、有用度が低く、映像記録部12に記録する価値が低いと考えられる。
【0048】
映像信号記録装置3のネットワークインタフェース部21は、操作設定部2から出力された映像信号の記録条件を取得し、その記録条件をCPU29に出力する。
ここでは説明の便宜上、映像信号の記録を開始する前の初期設定時では、映像信号記録装置3はスタンバイ状態ではなく、電源部13から駆動用の電力が供給されて、各種の処理(例えば、映像信号の記録処理)を実施することが可能な通常状態であるものとする。
映像記録部12も電源部13から駆動用の電力が供給されており、映像信号を記録することが可能な状態であるものとする。
【0049】
監視カメラ1は、監視領域の撮影を開始すると、その監視領域の映像信号をネットワーク経由で映像信号記録装置3に送信するとともに、環境照度を示す環境照度データをネットワーク経由で映像信号記録装置3に送信する。
映像信号記録装置3のネットワークインタフェース部21は、監視カメラ1から送信された映像信号と環境照度データを取得する(ステップST42)。
【0050】
映像異常検知部28は、ネットワークインタフェース部21が環境照度データを取得すると、その環境照度データが示す環境照度と閾値Aを比較し、その環境照度が閾値Aより低い場合、映像異常の発生を検知する。
CPU29は、ネットワークインタフェース部21から映像信号の記録条件を受けると、その記録条件を満足しているか否かを判定する。
即ち、CPU29は、映像信号の記録条件として、映像異常が発生していない状況下であることが設定されているので、映像異常検知部28による映像異常の検知の有無で、映像信号の記録条件を満足しているか否かを判定する。
【0051】
CPU29は、映像異常検知部28が映像異常を検知していなければ(ステップST43)、その記録条件を満足しているものとして、映像信号の記録を行う旨の判断を行う(ステップST44)。
一方、映像異常検知部28が映像異常を検知していれば(ステップST43)、その記録条件を満足していないものとして、映像信号の記録を行わない旨の判断を行う(ステップST45)。
【0052】
記録制御部23は、CPU29により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、ネットワークインタフェース部21により取得された映像信号を映像記録部12に書き込む処理を実施する(ステップST46)。
スタンバイ制御部24は、CPU29により映像信号の記録を行う旨の判断がなされると、駆動用の電力を与える旨を指示する制御信号を電源部13に出力する。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力を与える旨を指示する制御信号を受けると、駆動用の電力をネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に供給して、映像信号記録装置3の通常状態(映像信号の記録が可能な状態)を継続する(ステップST47)。なお、ネットワーク制御部11のネットワークインタフェース部21、CPU29及びスタンバイ制御部24にも駆動用の電力を供給している。
【0053】
記録制御部23は、CPU29により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、映像記録部12に対する映像信号の書込処理を停止する(ステップST48)。
スタンバイ制御部24は、CPU29により映像信号の記録を行わない旨の判断がなされると、駆動用の電力の供給を止める旨を指示する制御信号を電源部13に出力する。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力の供給を止める旨を指示する制御信号を受けると、ネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を停止して、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定する(ステップST49)。
【0054】
なお、映像信号記録装置3がスタンバイ状態に設定されているときでも、映像異常検知部28、CPU29及びスタンバイ制御部24には、電源部13から電力が供給されている。
仮に、ネットワークインタフェース部21、CPU29及びスタンバイ制御部24にも、電力が供給されない状態に設定がなされる場合には、バックアップ保持部25から電力が供給されるため、スタンバイ状態から通常状態に復旧することは可能である。
【0055】
CPU29は、映像信号記録装置3がスタンバイ状態に設定されたのち、映像異常検知部28により映像異常が検知されなくなると(ステップST50)、映像信号の記録を開始できるようにするため、スタンバイ制御部24から、駆動用の電力の供給を開始する旨を指示する制御信号を電源部13に出力させる。
電源部13は、スタンバイ制御部24から駆動用の電力の供給を開始する旨を指示する制御信号を受けると、ネットワーク制御部11の記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を開始して、映像信号記録装置3をスタンバイ状態から通常状態に設定する(ステップST51)。
以降、ステップST42に戻り、ステップST43〜ST47の処理又はステップST43〜ST51の処理が実施される。
【0056】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、映像信号の記録条件として、映像異常が発生していない状況下であることが設定されている場合、映像異常の発生が検知されていなければ、記録制御部23及び映像記録部12に駆動用の電力を供給して、映像信号記録装置3を通常状態に設定し、映像異常の発生が検知されていれば、記録制御部23及び映像記録部12に対する駆動用の電力の供給を行わずに、映像信号記録装置3をスタンバイ状態に設定するように構成したので、映像異常が発生していない場合に限り、映像信号の記録と駆動用の電力の供給が行われるようになり、その結果、映像記録媒体である映像記録部12の使用量を節約することができるとともに、消費電力を低減することができる効果を奏する。
【0057】
この実施の形態3では、環境照度データが示す環境照度と閾値Aを比較することで、映像異常を検知するものを示したが、ユーザが操作設定部2を操作することで、閾値Aの変更を受け付けるようにしてもよい。
【0058】
また、この実施の形態3では、環境照度が閾値Aより低い場合に、映像異常の発生を検知するものを示したが、これに限るものではなく、例えば、断線、白飛び、被写体の動きの有無などに基づいて、映像異常の発生を検知するようにしてもよい。
【0059】
また、この実施の形態3では、映像異常検知部28がネットワーク制御部11内に設置されているものを示したが、映像異常検知部28を監視カメラ1内に設置して、映像異常検知部28が異常検知信号を映像信号記録装置3に送信するようにしてもよい。
【0060】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 監視カメラ、2 操作設定部(記録条件設定手段)、3 映像信号記録装置、11 ネットワーク制御部、12 映像記録部(映像記録媒体)、13 電源部(状態制御手段)、21 ネットワークインタフェース部(映像信号記録手段)、22,27,29 CPU(映像信号記録手段、状態制御手段)、23 記録制御部(映像信号記録手段)、24 スタンバイ制御部(状態制御手段)、25 バックアップ保持部、26 アラーム制御部(映像信号記録手段、状態制御手段)、28 映像異常検知部(映像信号記録手段、状態制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラから出力された映像信号を取得する映像信号取得手段と、外部から与えられる映像信号の記録条件を満足している場合に限り、上記映像信号取得手段により取得された映像信号を映像記録媒体に記録する映像信号記録手段と、上記記録条件を満足していれば、上記映像信号記録手段に駆動用の電力を供給して、上記映像信号記録手段を上記映像信号の記録が可能な状態に設定する一方、上記記録条件を満足していなければ、上記映像信号記録手段に対する駆動用の電力の供給を行わずに、上記映像信号記録手段をスタンバイ状態に設定する状態制御手段とを備えた映像信号記録装置。
【請求項2】
カメラから出力された映像信号を取得する映像信号取得手段と、上記カメラから出力された映像信号の記録条件を設定する記録条件設定手段と、上記記録条件設定手段により設定された記録条件を満足している場合に限り、上記映像信号取得手段により取得された映像信号を映像記録媒体に記録する映像信号記録手段と、上記記録条件設定手段により設定された記録条件を満足していれば、上記映像信号記録手段に駆動用の電力を供給して、上記映像信号記録手段を上記映像信号の記録が可能な状態に設定する一方、上記記録条件を満足していなければ、上記映像信号記録手段に対する駆動用の電力の供給を行わずに、上記映像信号記録手段をスタンバイ状態に設定する状態制御手段とを備えた映像信号記録装置。
【請求項3】
映像信号の記録条件として、映像信号を記録する監視時間帯が設定されている場合、
状態制御手段は、現在の時刻が監視時間帯内であれば、映像信号記録手段に駆動用の電力を供給して、上記映像信号記録手段を上記映像信号の記録が可能な状態に設定する一方、現在の時刻が上記監視時間帯外であれば、上記映像信号記録手段に対する駆動用の電力の供給を行わずに、上記映像信号記録手段をスタンバイ状態に設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の映像信号記録装置。
【請求項4】
映像信号の記録条件として、外部からアラームが通知されている状況下であることが設定されている場合、
状態制御手段は、外部からアラームが通知されていれば、映像信号記録手段に駆動用の電力を供給して、上記映像信号記録手段を上記映像信号の記録が可能な状態に設定する一方、外部からアラームが通知されていなければ、上記映像信号記録手段に対する駆動用の電力の供給を行わずに、上記映像信号記録手段をスタンバイ状態に設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の映像信号記録装置。
【請求項5】
記録条件設定手段により映像信号の記録条件として、映像異常が発生していない状況下であることが設定されている場合、
状態制御手段は、映像異常が検出されていなければ、映像信号記録手段に駆動用の電力を供給して、上記映像信号記録手段を上記映像信号の記録が可能な状態に設定する一方、映像異常が検出されていれば、上記映像信号記録手段に対する駆動用の電力の供給を行わずに、上記映像信号記録手段をスタンバイ状態に設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の映像信号記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−165101(P2012−165101A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22594(P2011−22594)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】