説明

映像再生装置および映像再生方法

【課題】コストアップをせずに、アングルを切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングルの映像をスムーズに再生することが可能な「映像再生装置および映像再生方法」を提供する。
【解決手段】第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない場合、第1デコード部220において一のアングルの主映像データのデコード処理を実行するのと同時に第2デコード部240において他のアングルの主映像データのデコード処理を実行し、アングル切り替え操作が行われたとき、第1のデコード部220にてデコードした主映像データと第2デコード部240にてデコードした主映像データとを切り替えて表示することにより、アングル切り替え処理の開始時点から切り替え先のアングルの主映像データのデコード処理を開始する必要がなくなるとともに、専用のビデオデコーダを新たに用意する必要がなくなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置および映像再生方法に関し、例えば、異なるアングルから撮影された映像を選択的に再生する機能(マルチアングル再生機能)を有する映像再生装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスク規格であるDVDやBlu−rayDisc(登録商標)などの映像再生装置では、様々な機能の一つとしてマルチアングル再生機能が用意されている。このマルチアングル再生機能は、同時進行の場面で複数のアングルの中から、ユーザが好みのアングルを選択して、その選択したアングルの映像を再生することを可能にする機能である。
【0003】
マルチアングル再生機能には、シームレスアングル切り替えとノンシームレスアングル切り替えとが存在する(例えば、特許文献1を参照)。シームレスアングル切り替えでは、アングルを切り替えることが可能なポイント(アングルチェンジポイント)が予め決まっており、元のアングルの映像をそのポイントまで再生してからアングルを切り替える処理を開始する。しかしながら、アングルを切り替える処理を開始してから、実際には切り替え先のアングルの主映像データのデコード処理に約数秒の時間が必要となる。そのため、アングルを切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングルの映像をスムーズに再生することができない問題があった。このことについて、図8を用いながら例を挙げて説明する。
【0004】
図8は、シームレスアングル切り替えの例を示す図である。図8は、複数のアングル(アングル1〜N)の主映像データを構成するソースパケットを時系列順に並べた様子を示している。図8に示すように、アングル1の主映像データは、アングルチェンジポイントAおよびアングルチェンジポイントBが設定されたソースパケットを含んで構成されている。アングル2の主映像データは、アングルチェンジポイントCが設定されたソースパケットを含んで構成されている。アングルNの主映像データは、アングルチェンジポイントDおよびアングルチェンジポイントEが設定されたソースパケットを含んで構成されている。
【0005】
図8において、まず、アングル1の主映像データを再生しているものとする。次に、時刻(a)において、主映像データをアングル1からアングル2へ切り替えるためのアングル切り替え操作がユーザにより行われたとする。この場合、アングル1の主映像データがアングル2の主映像データのアングルチェンジポイントC(時刻(b))まで再生されてからアングルを切り替える処理が開始される。さらに、アングル1を切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングル2の主映像データのデコード処理が完了する時刻(c)までに約数秒の時間が必要となる。そのため、アングル1を切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングル2の映像をスムーズに再生することができない。なお、アングル2の主映像データのデコード処理が行われている間(つまり、時刻(b)から(c)までの間)には何も再生されないこととなる。
【0006】
次に、時刻(d)において、主映像データをアングル2からアングルNへ切り替えるためのアングル切り替え操作がユーザにより行われたとする。この場合、アングル2の主映像データがアングルNの主映像データのアングルチェンジポイントE(時刻(e))まで再生されてからアングルを切り替える処理が開始される。さらに、アングル2を切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングルNの主映像データのデコード処理が完了する時刻(f)までに約数秒の時間が必要となる。そのため、アングル2を切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングルNの映像をスムーズに再生することができない。なお、アングルNの主映像データのデコード処理が行われている間(つまり、時刻(e)から(f)までの間)には何も再生されないこととなる。
【0007】
一方、ノンシームレスアングル切り替えでは、アングルチェンジポイントが決められていない。そのため、アングルを切り替えるための操作が行われたときにアングルを切り替える処理を即座に開始することができる。しかしながら、アングルを切り替える処理を即座に開始したとしても、実際には切り替え先のアングルの主映像データのデコード処理に約数秒の時間が必要となる。そのデコード処理の間には静止画が再生される。つまり、ノンシームレスアングル切り替えでも、アングルを切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングルの映像をスムーズに再生することができない問題があった。このことについて、図9を用いながら例を挙げて説明する。
【0008】
図9は、ノンシームレスアングル切り替えの例を示す図である。図9は、複数のアングル(アングル1〜N)の主映像データを構成するソースパケットを時系列順に並べた様子を示している。図9に示すように、アングル1〜Nの主映像データには、シームレスアングル切り替えの場合と異なり、アングルチェンジポイントは設定されていない。そのため、アングルを切り替えるための操作を行ってから即座にアングルを切り替える処理を開始することができる。
【0009】
図9において、まず、アングル1の主映像データを再生しているものとする。次に、時刻(a)において、主映像データをアングル1からアングル2へ切り替えるためのアングル切り替え操作がユーザにより行われたとする。この場合、アングル1を切り替える処理が即座に開始されるが、実際には切り替え先のアングル2の主映像データのデコード処理が完了する時刻(b)までに約数秒の時間を要してしまう。そのため、アングル1を切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングル2の映像をスムーズに再生することができない。なお、アングル2の主映像データのデコード処理が行われている間(つまり、時刻(a)から(b)までの間)には静止画が再生される。
【0010】
次に、時刻(c)において、主映像データをアングル2からアングルNへ切り替えるためのアングル切り替え操作がユーザにより行われたとする。この場合、アングル2を切り替える処理が即座に開始されるが、実際には切り替え先のアングルNの主映像データのデコード処理が完了する時刻(d)までに約数秒の時間を要してしまう。そのため、アングル2を切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングルNの映像をスムーズに再生することができない。なお、アングルNの主映像データのデコード処理が行われている間(つまり、時刻(c)から(d)までの間)には静止画が再生される。
【0011】
上記問題に対応する技術として、全てのアングルに対応する圧縮データをあらかじめ先読みしてメモリに格納しておき、再生対象となるアングルが切り替えられたときに、既に格納してある切り替え先のアングルに対応する圧縮データを読み出して画像の再生動作を行うことにより、アングル切り替えを迅速に行うことができるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0012】
また、各アングル映像を復号する専用のビデオデコーダをそれぞれ備えておき、各ビデオデコーダにより復号された復号データのうち、切り替え先のアングルに対応する復号データを出力することにより、アングル切り替えを瞬時に行うことができるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2004−328450号公報
【特許文献2】特開2000−299836号公報
【特許文献3】特開2006−217634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術では、切り替え先のアングルに対応する圧縮データを読み出す時間を短縮することはできても、実際には読み出した圧縮データのデコード処理を実行しなければならない。そのため、そのデコード処理が完了するまでに要する時間分だけアングル切り替えが遅れてしまうという問題があった。
【0015】
一方、上記特許文献3に記載の技術によれば、上記特許文献2に記載の技術とは異なり、アングルが切り替えられたときに復号処理を開始する必要がないため、アングル切り替えを瞬時に行うことができる。しかしながら、この特許文献3に記載の技術では、全てのアングル映像を復号するための専用のビデオデコーダをあらかじめ用意しておく必要があり、コストアップにつながるという問題があった。
【0016】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、コストアップをせずに、アングルを切り替える処理を開始してから、切り替え先のアングルの映像をスムーズに再生することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記した課題を解決するために、本発明では、第2デコード部において副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かを判定し、デコード処理を実行する必要がないと判定した場合、第1デコード部において一のアングルの主映像データのデコード処理を実行するのと同時に、第2デコード部において他のアングルの主映像データのデコード処理を実行するように制御する。そして、アングル切り替え操作が行われた場合、第1のデコード部にてデコードした主映像データと第2デコード部にてデコードした主映像データとを切り替えて表示部に表示するようにしている。
【発明の効果】
【0018】
上記のように構成した本発明によれば、第2デコード部において副映像データのデコード処理を実行する必要がない場合、第2デコード部が、主映像データのデコード処理にも使用される。そして、第1デコード部と第2デコード部とのどちらか一方でデコード処理された主映像データが表示部に表示されている間に、他方のデコード部において次に切り換えられるアングルの主映像データのデコード処理がバックグラウンドで実行される。そのため、例えば一のアングルから他のアングルに切り替える際に、その切り替え処理の開始時点から他のアングルの主映像データのデコード処理を開始する必要がなくなる。さらに、以上のようなアングルの切り替え処理が、元々副映像データのデコード用として映像再生装置に備えられている第2デコード部を使用して行われるため、従来技術のように専用のビデオデコーダを新たに用意する必要がなく、コストアップを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態による映像再生装置を備えた映像再生システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態によるアングル切り替えの例を示す図である。
【図3】本実施形態によるアングル切り替えの例を示す図である。
【図4】本実施形態によるアングル切り替えの例を示す図である。
【図5】本実施形態による映像再生装置の動作例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態による映像再生装置の映像再生動作例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態による映像再生装置の映像再生動作例を示すフローチャートである。
【図8】シームレスアングル切り替えの例を示す図である。
【図9】ノンシームレスアングル切り替えの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による映像再生装置100を備えた映像再生システム120の構成例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、映像再生システム120は、映像再生装置100の他に、光ディスク140、操作入力部160およびディスプレイ180(本発明の表示部に対応する)を備えて構成されている。映像再生装置100は、異なるアングルから撮影された映像を選択的に再生する機能(マルチアングル再生機能)を有し、そのマルチアングル再生機能を実現するために、映像データ読み出し部200(本発明の判定部に対応する)、第1デコード部220、第2デコード部240、表示映像生成部260、表示制御部280、操作受付部300および制御部320を備えている。
【0022】
光ディスク140は、データの読み書きにレーザー光を利用する記憶媒体であり、具体的にはDVDまたはBlu−rayDisc(登録商標)などである。光ディスク140には、複数のアングルの主映像データが記録されているものと、当該複数のアングルの主映像データに加えて副映像データが記録されているものとがある。例えば、副映像データは、映画が収録された光ディスクであれば、メイキング映像や出演者・監督の作品コメント映像などの映画本編とは別の映像が該当する。なお、複数のアングルの主映像データ間における切り替え順序は予め決まっているものとする。
【0023】
操作入力部160は、映像再生装置100に対するユーザの指示を入力する。本実施形態では、操作入力部160は、例えば、ディスプレイ180の表面に配置されたタッチパネルやリモコン等の入力装置により構成される。ディスプレイ180は、映像再生装置100から出力された映像データを入力して表示する。
【0024】
映像データ読み出し部200は、光ディスク140に副映像データが記録されているか否かを確認することによって、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かについて判定する。そして、映像データ読み出し部200は、その判定結果を表示映像生成部260および制御部320に通知する。
【0025】
映像データ読み出し部200は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要があると判定した場合、制御部320の制御を受けて、複数のアングルの主映像データのうち、デフォルトのアングルまたはユーザにより指定されたアングル(以下、特定アングルという)の主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するとともに、副映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力する。
【0026】
また、映像データ読み出し部200は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がないと判定した場合、制御部320の制御を受けて、複数のアングルの主映像データのうち、一のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するとともに、他のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力する。また、映像データ読み出し部200は、光ディスク140に記録されている映像データの内容を確認し、光ディスク140に記録されている主映像データのアングル数を示すアングル数情報を制御部320に出力する。
【0027】
第1デコード部220は、光ディスク140に記録されている複数のアングルの主映像データのうち、映像データ読み出し部200から出力された主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0028】
第2デコード部240は、光ディスク140に副映像データが記録されている場合、映像データ読み出し部200から出力された副映像データをデコードし、当該デコードした副映像データを表示映像生成部260に出力する。また、第2デコード部240は、光ディスク140に副映像データが記録されていない場合、複数のアングルの主映像データのうち映像データ読み出し部200から出力された主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0029】
表示映像生成部260は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がある旨の通知を映像データ読み出し部200から受けた場合、第1デコード部220から出力されたデコード済みの主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、第2デコード部240から出力されたデコード済みの副映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。
【0030】
また、表示映像生成部260は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない旨の通知を映像データ読み出し部200から受けた場合、制御部320から出力された設定情報(後述する)を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定されたデコード部(第1デコード部220または第2デコード部240)から出力された主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定されたデコード部(第1デコード部220または第2デコード部240)から出力された主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。
【0031】
表示制御部280は、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示するように制御する。なお、表示映像生成部260および表示制御部280は、本発明の表示制御部に対応する。
【0032】
操作受付部300は、操作入力部160を介して、ディスプレイ180に表示する主映像データのアングルを切り替えるアングル切り替え操作を受け付ける。この場合、操作受付部300は、アングル切り替え操作を受け付けた旨を制御部320に通知する。
【0033】
制御部320は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がある旨の通知を映像データ読み出し部200から受けた場合、特定のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するとともに、副映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0034】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けたとき、映像データ読み出し部200が光ディスク140から現在読み出している主映像データのアングルを把握した上で映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、当該把握したアングルの次のアングルの主映像データが存在するか否かについて判定する。制御部320は、次のアングルの主映像データが存在すると判定した場合、次のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。一方、制御部320は、次のアングルの主映像データが存在しないと判定した場合、1番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0035】
また、制御部320は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない旨の通知を映像データ読み出し部200から受けた場合、光ディスク140に記録されている複数のアングルの主映像データのうち一のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するとともに、他のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0036】
また、制御部320は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない旨の通知を映像データ読み出し部200から受けた場合、第1デコード部220または第2デコード部240のうち、一方を全画面表示対象として設定するとともに他方を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。
【0037】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けた場合、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していたデコード部を全画面表示対象として設定するとともに、アングル切り替え操作の前に全画面表示対象として設定していたデコード部を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。
【0038】
また、制御部320は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない旨の通知を映像データ読み出し部200から受けた場合、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けたとき、映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、光ディスク140に記録されている主映像データのアングル数が2であるか否かについて判定する。制御部320は、光ディスク140に記録されている主映像データのアングル数が2であると判定した場合、何も行わない。制御部320は、光ディスク140に記録されている主映像データのアングル数が2でない(すなわち、3以上である)と判定した場合、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していたデコード部から出力される主映像データのアングルを把握した上で映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、その把握したアングルの次のアングルの主映像データが存在するか否かについて判定する。
【0039】
制御部320は、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していたデコード部から出力される主映像データの次のアングルの主映像データが存在すると判定した場合、当該次のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して、子画面表示対象として設定しているデコード部に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。また、制御部320は、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していたデコード部から出力される主映像データの次のアングルの主映像データが存在しないと判定した場合、1番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して、子画面表示対象として設定しているデコード部に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0040】
次に、本実施形態におけるアングル切り替えの例について説明する。図2は、本実施形態において、複数のアングルの主映像データに加えて副映像データが光ディスク140に記録されている場合におけるアングル切り替えの例を示す図である。
【0041】
制御部320は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がある旨の通知を映像データ読み出し部200から受けて、図2(a)に示すように、特定アングル(例えば、1番目のアングル)の主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するとともに、副映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0042】
そして、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された1番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された副映像データをデコードし、当該デコードした副映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0043】
表示映像生成部260は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がある旨の通知を映像データ読み出し部200から受けて、第1デコード部220から出力された1番目の主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、第2デコード部240から出力された副映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図2(b)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0044】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けた場合、映像データ読み出し部200が光ディスク140から現在読み出している主映像データのアングル(1番目のアングル)を把握した上で映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、その把握したアングルの次のアングル(2番目のアングル)の主映像データが存在するか否かについて判定する。制御部320は、次のアングルの主映像データが存在すると判定した場合、図2(c)に示すように、1番目のアングルの主映像データに代えて、2番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0045】
そして、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された2番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。表示映像生成部260は、第1デコード部220から出力された2番目の主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、第2デコード部240から出力された副映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図2(d)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0046】
図3は、本実施形態において、2つのアングルの主映像データだけが光ディスク140に記録されている場合におけるアングル切り替えの例を示す図である。図3(a)に示すように、制御部320は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない旨の通知を映像データ読み出し部200から受けて、特定アングル(例えば、1番目のアングル)の主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するとともに、2番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0047】
そして、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された1番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された2番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0048】
また、制御部320は、第1デコード部220を全画面表示対象として設定するとともに、第2デコード部240を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定された第1デコード部220から出力された1番目の主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定された第2デコード部240から出力された2番目の主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図3(b)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0049】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けた場合、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第2デコード部240を全画面表示対象として設定するとともに、アングル切り替え操作の前に全画面表示対象として設定していた第1デコード部220を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。
【0050】
表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定された第2デコード部240から出力された2番目の主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定された第1デコード部220から出力された1番目の主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図3(c)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0051】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けた場合、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第1デコード部220を全画面表示対象として設定するとともに、アングル切り替え操作の前に全画面表示対象として設定していた第2デコード部240を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。
【0052】
表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定された第1デコード部220から出力された1番目の主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定された第2デコード部240から出力された2番目の主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図3(d)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0053】
図4は、本実施形態において、3つのアングルの主映像データだけが光ディスク140に記録されている場合におけるアングル切り替えの例を示す図である。図4(a)に示すように、制御部320は、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない旨の通知を映像データ読み出し部200から受けて、特定アングル(例えば、1番目のアングル)の主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するとともに、2番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0054】
そして、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された1番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された2番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0055】
また、制御部320は、第1デコード部220を全画面表示対象として設定するとともに、第2デコード部240を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定された第1デコード部220から出力された1番目の主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定された第2デコード部240から出力された2番目の主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図4(b)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0056】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けた場合、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第2デコード部240を全画面表示対象として設定するとともに、アングル切り替え操作の前に全画面表示対象として設定していた第1デコード部220を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。
【0057】
制御部320は、映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第2デコード部240から出力される2番目のアングルの主映像データの次のアングル(3番目のアングル)の主映像データが存在するか否かについて判定する。
【0058】
制御部320は、3番目のアングルの主映像データが存在すると判定し、図4(c)に示すように、1番目のアングルの主映像データに代えて、3番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して、子画面表示対象として設定している第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0059】
そして、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された3番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された2番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0060】
表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定された第2デコード部240から出力された2番目のアングルの主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定された第1デコード部220から出力された3番目のアングルの主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図4(d)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0061】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けた場合、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第1デコード部220を全画面表示対象として設定するとともに、アングル切り替え操作の前に全画面表示対象として設定していた第2デコード部240を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。
【0062】
制御部320は、映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第1デコード部220から出力される3番目のアングルの主映像データの次のアングル(4番目のアングル)の主映像データが存在するか否かについて判定する。
【0063】
制御部320は、4番目のアングルの主映像データが存在しないと判定し、図4(e)に示すように、2番目のアングルの主映像データに代えて、1番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して、子画面表示対象として設定している第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0064】
そして、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された3番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された1番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0065】
表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定された第1デコード部220から出力された3番目のアングルの主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定された第2デコード部240から出力された1番目のアングルの主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図4(f)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0066】
その後、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けた場合、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第2デコード部240を全画面表示対象として設定するとともに、アングル切り替え操作の前に全画面表示対象として設定していた第1デコード部220を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する。
【0067】
制御部320は、映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していた第2デコード部240から出力される1番目のアングルの主映像データの次のアングル(2番目のアングル)の主映像データが存在するか否かについて判定する。
【0068】
制御部320は、2番目のアングルの主映像データが存在すると判定し、図4(g)に示すように、3番目のアングルの主映像データに代えて、2番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して、子画面表示対象として設定している第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する。
【0069】
そして、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された2番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された1番目のアングルの主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する。
【0070】
表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定された第2デコード部240から出力された1番目のアングルの主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定された第1デコード部220から出力された2番目のアングルの主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する。表示制御部280は、図4(h)に示すように、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示する。
【0071】
次に、本実施形態による映像再生装置100の動作を説明する。図5は、本実施形態による映像再生装置100の動作例を示すフローチャートである。まず、映像データ読み出し部200は、光ディスク140に副映像データが記録されているか否かを確認することによって、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かを判定する(ステップS100)。
【0072】
もし、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要があると映像データ読み出し部200にて判定した場合(ステップS100にてYES)、映像再生装置100は、副映像データを含めた映像再生処理を実行する(ステップS120)。一方、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がないと映像データ読み出し部200にて判定した場合(ステップS100にてNO)、映像再生装置100は、副映像データなしで主映像データを用いた映像再生処理を実行する(ステップS140)。ステップS120またはS140の処理が完了することによって、映像再生装置100は図5における処理を終了する。なお、ステップS120およびS140の各処理の詳細については、図6および図7のフローチャートを用いてそれぞれ説明する。
【0073】
まず、図5のステップS120における映像再生処理の詳細について説明する。図6は、本実施形態による映像再生装置100の映像再生処理(副映像データあり)の動作例を示すフローチャートである。まず、制御部320は、光ディスク140に記録されている複数のアングルの主映像データのうち、1番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS200)。次に、制御部320は、光ディスク140に記録されている副映像データを読み出して第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS220)。
【0074】
次に、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する(ステップS240)。次に、第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された副映像データをデコードし、当該デコードした副映像データを表示映像生成部260に出力する(ステップS260)。
【0075】
次に、表示映像生成部260は、第1デコード部220から出力された主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、第2デコード部240から出力された副映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する(ステップS280)。次に、表示制御部280は、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示するように制御する(ステップS300)。
【0076】
次に、制御部320は、映像データ読み出し部200が光ディスク140から映像データを全部読み込んだか否かについて確認することにより、光ディスク140に記録されている映像データの再生が終了したか否かについて判定する(ステップS320)。もし、光ディスク140に記録されている映像データの再生が終了したと制御部320にて判定した場合(ステップS320にてYES)、映像再生装置100は図6における処理を終了する。
【0077】
一方、光ディスク140に記録されている映像データの再生が終了していないと制御部320にて判定した場合(ステップS320にてNO)、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けたか否かについて判定する(ステップS340)。もし、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けていないと制御部320にて判定した場合(ステップS340にてNO)、処理はステップS240に遷移する。
【0078】
一方、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けたと制御部320にて判定した場合(ステップS340にてYES)、制御部320は、映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、映像データ読み出し部200が光ディスク140から現在読み出している主映像データの次のアングルの主映像データが存在するか否かについて判定する(ステップS360)。
【0079】
もし、次のアングルの主映像データが存在すると制御部320にて判定した場合(ステップS360にてYES)、当該次のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS380)。その後、処理はステップS240に遷移する。一方、次のアングルの主映像データが存在しないと制御部320にて判定した場合(ステップS360にてNO)、1番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS400)。その後、処理はステップS240に遷移する。
【0080】
次に、図5のステップS140における映像再生処理の詳細について説明する。図7は、本実施形態による映像再生装置100の映像再生処理(副映像データなし)の動作例を示すフローチャートである。まず、制御部320は、第1デコード部220を全画面表示対象として設定するとともに、第2デコード部240を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する(ステップS500)。
【0081】
次に、制御部320は、1番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第1デコード部220に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS520)。次に、制御部320は、2番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して第2デコード部240に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS540)。
【0082】
次に、第1デコード部220は、映像データ読み出し部200から出力された主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する(ステップS560)。次に、第2デコード部240は、映像データ読み出し部200から出力された主映像データをデコードし、当該デコードした主映像データを表示映像生成部260に出力する(ステップS580)。
【0083】
次に、表示映像生成部260は、制御部320から出力された設定情報を参照し、制御部320により全画面表示対象と設定されたデコード部から出力された主映像データをディスプレイ180に全画面で表示するとともに、制御部320により子画面表示対象と設定されたデコード部から出力された主映像データをディスプレイ180に子画面で表示するための映像データを生成し、当該生成した映像データを表示制御部280に出力する(ステップS600)。次に、表示制御部280は、表示映像生成部260から出力された映像データに基づく表示映像をディスプレイ180に表示するように制御する(ステップS620)。
【0084】
次に、制御部320は、映像データ読み出し部200が光ディスク140から映像データを全部読み込んだか否かについて確認することにより、光ディスク140に記録されている映像データの再生が終了したか否かについて判定する(ステップS640)。もし、映像データの再生が終了したと制御部320にて判定した場合(ステップS640にてYES)、映像再生装置100は図7における処理を終了する。
【0085】
一方、映像データの再生が終了していないと制御部320にて判定した場合(ステップS640にてNO)、制御部320は、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けたか否かについて判定する(ステップS660)。もし、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けていないと制御部320にて判定した場合(ステップS660にてNO)、処理はステップS560に遷移する。
【0086】
一方、アングル切り替え操作を受け付けた旨の通知を操作受付部300から受けたと制御部320にて判定した場合(ステップS660にてYES)、制御部320は、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していたデコード部を全画面表示対象として設定するとともに、アングル切り替え操作の前に全画面表示対象として設定していたデコード部を子画面表示対象として設定し、その設定内容を示す設定情報を表示映像生成部260に出力する(ステップS680)。
【0087】
次に、制御部320は、映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、光ディスク140に記録されている主映像データのアングル数が2であるか否かについて判定する(ステップS700)。もし、光ディスク140に記録されている主映像データのアングル数が2であると制御部320にて判定した場合(ステップS700にてYES)、処理はステップS560に遷移する。
【0088】
一方、光ディスク140に記録されている主映像データのアングル数が2でない(すなわち、3以上である)と制御部320にて判定した場合(ステップS700にてNO)、制御部320は、映像データ読み出し部200から出力されたアングル数情報を参照し、アングル切り替え操作の前に子画面表示対象として設定していたデコード部から出力される主映像データの次のアングルの主映像データが存在するか否かについて判定する(ステップS720)。もし、次のアングルの主映像データが存在すると制御部320にて判定した場合(ステップS720にてYES)、当該次のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出し、子画面表示対象として設定しているデコード部(第1デコード部220または第2デコード部240)に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS740)。その後、処理はステップS560に遷移する。
【0089】
一方、次のアングルの主映像データが存在しないと制御部320にて判定した場合(ステップS720にてNO)、1番目のアングルの主映像データを光ディスク140から読み出して、子画面表示対象として設定しているデコード部(第1デコード部220または第2デコード部240)に出力するように映像データ読み出し部200を制御する(ステップS760)。その後、処理はステップS560に遷移する。
【0090】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かを判定し、副映像データのデコード処理を実行する必要がないと判定した場合、第1デコード部220において一のアングルの主映像データのデコード処理を実行するのと同時に、第2デコード部240において他のアングルの主映像データのデコード処理を実行するように制御する。そして、アングル切り替え操作が行われた場合、第1のデコード部220にてデコードした一のアングルの主映像データと第2デコード部240にてデコードした他のアングルの主映像データとを切り替えてディスプレイ180に表示するようにしている。
【0091】
このように構成した本実施形態によれば、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要がない場合、第2デコード部240が、主映像データのデコード処理にも使用される。そして、第1デコード部220と第2デコード部240とのどちらか一方でデコード処理された主映像データがディスプレイ180に表示されている間に、他方のデコード部において次に切り換えられるアングルの主映像データのデコード処理がバックグラウンドで実行される。そのため、例えば一のアングルから他のアングルに切り替える際に、その切り替え処理の開始時点から他のアングルの主映像データのデコード処理を開始する必要がなくなる。さらに、以上のようなアングルの切り替え処理が、元々副映像データのデコード用として映像再生装置100に備えられている第2デコード部240を使用して行われるため、専用のビデオデコーダを新たに用意する必要がなく、コストアップを防止することができる。
【0092】
また、本実施形態では、アングル切り替え操作が行われる前に、現在のアングルの主映像データを全画面で表示するとともに、次に切り換えられるアングルの主映像データを子画面で表示するようにしている。このようにすれば、ユーザは、アングル切り替え操作を行うことなく、次にアングル切り替え操作を行った場合に表示される主映像データの内容を事前に確認することができる。
【0093】
なお、上記実施形態では、光ディスク140に副映像データが記録されているか否かを確認することによって、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かについて判定する例について説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザが操作入力部160を用いて、副映像データを表示する指示を映像再生装置100に設定したか否かを確認することによって、第2デコード部240において副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かを判定するようにしても良い。これにより、光ディスク140に副映像データが記録されていても、副映像データの表示がオフに設定されている場合には、第2デコード部240は他のアングルの主映像データのデコード処理を行うので、アングル切り替えを高速に行うことができる。
【0094】
また、上記実施形態では、複数のアングルの主映像データに加えて副映像データが光ディスク140に記録されている場合、アングル切り替え操作が行われるたびに、第1デコード部220においてデコードを行う主映像データを1番目のアングルから順番に切り替える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、アングル切り替え操作の際にユーザが所望のアングルを指定することができるようにし、第1デコード部220においてデコードを行う主映像データを当該指定されたアングルの主映像データに切り替えるようにしても良い。
【0095】
また、上記実施形態では、アングル切り替え操作が行われる前に、現在のアングルの主映像データを全画面で表示するとともに、次に切り換えられるアングルの主映像データを子画面で表示する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、アングル切り替え操作が行われる前に、次に切り換えられるアングルの主映像データをバックグラウンドでデコード処理しつつ、現在のアングルの主映像データだけをデコード処理して表示するようにしても良い。
【0096】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
100 映像再生装置
140 光ディスク
160 操作入力部
180 ディスプレイ(表示部)
200 映像データ読み出し部(判定部)
220 第1デコード部
240 第2デコード部
260 表示映像生成部
280 表示制御部
320 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録されている複数のアングルの主映像データのうち、一のアングルの主映像データをデコードする第1デコード部と、
前記光ディスクに副映像データが記録されている場合には当該副映像データをデコードするとともに、前記副映像データが記録されていない場合には前記複数のアングルのうち他のアングルの主映像データをデコードする第2デコード部と、
前記第2デコード部において前記副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記第2デコード部において前記副映像データのデコード処理を実行する必要がないと判定された場合、前記第1デコード部において前記一のアングルの主映像データのデコード処理を実行するのと同時に、前記第2デコード部において前記他のアングルの主映像データのデコード処理を実行するように制御する制御部と、
操作入力部に対するユーザのアングル切り替え操作が行われた場合、前記第1デコード部によりデコードされた前記一のアングルの主映像データと前記第2デコード部によりデコードされた前記他のアングルの主映像データとを切り替えて表示部に表示するように制御する表示制御部とを備えたことを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像再生装置において、
前記判定部は、前記副映像データを表示する指示が設定されているか否かを確認することによって、前記第2デコード部において前記副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かを判定することを特徴とする映像再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の映像再生装置において、
前記判定部は、前記光ディスクに前記副映像データが記録されているか否かを確認することによって、前記第2デコード部において前記副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かについて判定することを特徴とする映像再生装置。
【請求項4】
請求項1に記載の映像再生装置において、
前記表示制御部は、前記アングル切り替え操作が行われる前には前記第1デコード部によりデコードされた前記一のアングルの主映像データを前記表示部に表示する一方、前記アングル切り替え操作が行われた場合には前記第2デコード部によりデコードされた前記他のアングルの主映像データを前記表示部に表示するように制御することを特徴とする映像再生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の映像再生装置において、
前記表示制御部は、前記アングル切り替え操作が行われる前に、前記第1デコード部によりデコードされた前記一のアングルの主映像データを前記表示部に全画面で表示するとともに、前記第2デコード部によりデコードされた前記他のアングルの主映像データを前記表示部に子画面で表示するように制御することを特徴とする映像再生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の映像再生装置において、
前記第1デコード部は、前記アングル切り替え操作が行われた場合、前記他のアングルと異なるアングルの主映像データをデコードし、
前記表示制御部は、前記アングル切り替え操作が行われた場合、前記第2デコード部によりデコードされた前記他のアングルの主映像データを前記表示部に全画面で表示するとともに、前記第1デコード部によりデコードされた前記他のアングルと異なるアングルの主映像データを前記表示部に子画面で表示するように制御することを特徴とする映像再生装置。
【請求項7】
請求項4に記載の映像再生装置において、
前記第1デコード部は、前記アングル切り替え操作が再度行われた場合、前記他のアングルと異なるアングルの主映像データをデコードし、
前記表示制御部は、前記アングル切り替え操作が再度行われた場合、前記第1デコード部によりデコードされた前記他のアングルと異なるアングルの主映像データへと切り替えて前記表示部に表示するように制御することを特徴とする映像再生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の映像再生装置において、
前記他のアングルと異なるアングルは、前記一のアングルであることを特徴とする映像再生装置。
【請求項9】
請求項7に記載の映像再生装置において、
前記他のアングルと異なるアングルは、前記一のアングルとも異なる別のアングルであることを特徴とする映像再生装置。
【請求項10】
請求項7に記載の映像再生装置において、
前記表示制御部は、前記アングル切り替え操作が再度行われる前に、前記第2デコード部によりデコードされた主映像データを前記表示部に全画面で表示するとともに、前記第1デコード部によりデコードされた前記他のアングルと異なるアングルの主映像データを前記表示部に子画面で表示するように制御することを特徴とする映像再生装置。
【請求項11】
請求項7に記載の映像再生装置において、
前記第2デコード部は、前記アングル切り替え操作が再度行われた場合、前記他のアングルと異なるアングルと更に相違するアングルの主映像データをデコードし、
前記表示制御部は、前記アングル切り替え操作が再度行われた場合、前記第1デコード部によりデコードされた前記他のアングルと異なるアングルの主映像データを前記表示部に全画面で表示するとともに、前記第2デコード部によりデコードされた前記更に相違するアングルの主映像データを前記表示部に子画面で表示するように制御することを特徴とする映像再生装置。
【請求項12】
複数のアングルの主映像データが記録されている光ディスクから読み出された一のアングルの主映像データをデコードする第1デコード部と、前記光ディスクに副映像データが記録されている場合には当該副映像データをデコードする第2デコード部とを備えた映像再生装置における映像再生方法であって、
前記第2デコード部において前記副映像データのデコード処理を実行する必要があるか否かを判定する第1のステップと、
前記第1のステップにより前記第2デコード部において前記副映像データのデコード処理を実行する必要がないと判定された場合、前記第1デコード部において前記一のアングルの主映像データのデコード処理を実行するのと同時に、前記第2デコード部において他のアングルの主映像データのデコード処理を実行するように制御する第2のステップと、
操作入力部に対するユーザのアングル切り替え操作が行われた場合、前記第1デコード部によりデコードされた前記一のアングルの主映像データと前記第2デコード部によりデコードされた前記他のアングルの主映像データとを切り替えて表示部に表示するように制御する第3のステップとを有することを特徴とする映像再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−250256(P2011−250256A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122641(P2010−122641)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】