説明

時価評価情報算出システム、方法及びプログラム

【課題】為替予約における時価評価情報を任意の基準日及び評価レートに基づいて、効率的に算出してシミュレーションを行うこと。
【解決手段】本発明にかかる時価評価情報算出システムは、為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出し、当該基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、算出された演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する時価評価情報算出部と、第1の評価レートとは異なる第2の評価レートと、複数の基準日に含まれる任意の基準日との入力を受け付け、入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを記憶部から取得し、第2の評価レート及び取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出するシミュレーション処理部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時価評価情報算出システム、方法及びプログラムに関し、特に、為替予約における時価評価情報を任意の基準日及び評価レートに基づいて算出してシミュレーションを行う時価評価情報算出システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
為替相場は日々変動するため、為替の取引においては、相場の変動に伴い差益や損失が発生する。そこで、一定の期日に一定の金額をその時点の為替相場とは無関係に一定価格で、為替取引を行う売買契約として為替予約がある。為替予約により、満期日の受け取り円貨額を事前に確定させ、以後の為替変動リスクを回避することができる。近年、為替予約の受け付けや当該為替予約における時価評価の照会を、インターネットを通じて行う金融取引システムが普及しつつある。ここで、為替予約における時価評価とは、為替予約の締結時の為替レートではなく、当該為替予約の残高を評価時における為替レートである評価レートに換算して評価することを示す。
【0003】
特許文献1には、為替予約の管理業務の簡素化を実現する為替予約管理装置及びプログラムが開示されている。特許文献1に記載の為替予約管理装置は、金融機関と顧客の間で締結された個々の為替予約について残高、通貨、予約レート及び期日を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている為替予約のうち統合可能な複数の為替予約を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された統合可能な複数の為替予約を統合した場合に適用される新たな予約レートを演算すると共に、前記複数の為替予約の合計残高を演算し、前記顧客が所持する端末装置の表示部に演算結果を表示させる演算及び表示手段と、を含む。特に、前記抽出手段は、前記記憶手段に記憶されている為替予約のうち指定された検索条件に合致する為替予約を検索し、前記端末装置の表示部に一覧表示させた後に、一覧表示させた為替予約のうち統合対象として指定された為替予約の中から、前記統合可能な複数の為替予約として通貨が同一の為替予約を抽出することを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−92670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
為替予約は、期間中であれば締結した金額を個別に決済できるため、残高は決済状態に応じて日々変動する。そのため、為替予約の契約者は、時価評価を都度行う必要がある。通常、時価評価額は、為替予約を扱う金融機関の評価レートにより算出される。しかし、近年、当該金融機関の評価レート以外のレートにより、特定の基準日における時価評価のシミュレーションを行うニーズが高まっている。例えば、他の金融機関の評価レート又は鉄鋼業界等、業界ごとに定められた評価レート等により、任意の基準日における時価評価のシミュレーションを行う場合がある。
【0006】
一方、時価評価額の算出は、計算処理の負荷が高い。そのため、例えば、インターネットを介したオンラインシステムにおいて、多数のユーザからの多様な条件に応じた時価評価額の算出を行う場合、結果である時価評価額を得るために長時間の待ち時間が発生するという問題が起こり得る。
【0007】
上述した特許文献1に示したような為替予約管理装置は、多様な条件に応じた時価評価額の計算効率については、考慮されていない。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、為替予約における時価評価情報を任意の基準日及び評価レートに基づいて、効率的に算出してシミュレーションを行う時価評価情報算出システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様にかかる時価評価情報算出システムは、為替予約における時価評価情報を算出するものであって、為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出し、当該基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記算出された演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する時価評価情報算出部と、前記第1の評価レートとは異なる第2の評価レートと、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日との入力を受け付け、前記入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを前記記憶部から取得し、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出するシミュレーション処理部と、を備える。
【0010】
また、前記時価評価情報算出部は、前記基準日に基づく割戻期間と適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出し、前記第1の評価レート及び前記算出された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記算出された時価割引率を当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、前記シミュレーション処理部は、前記入力された基準日に関連付けられた時価割引率を前記記憶部から取得し、前記第2の評価レート及び前記取得された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0011】
さらに、前記時価評価情報算出部は、前記基準日に基づく期間から線形補間により前記適用金利を算出し、前記基準日に基づく割戻期間と前記算出された適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出するとよい。
【0012】
または、前記時価評価情報算出部は、前記基準日に基づく期間から線形補間によりスワップレートを算出し、当該基準日における前記第1の評価レートとしての第1のスポットレートと前記算出されたスワップレートとを用いて第1のフォワードレートを算出し、前記第1のフォワードレート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記算出されたスワップレートを当該基準日に関連付けて記憶部にさらに格納し、前記シミュレーション処理部は、前記第1のスポットレートとは異なる第2のスポットレートを前記第2の評価レートとして入力を受け付け、前記入力された基準日に関連付けられたスワップレートを前記記憶部からさらに取得し、前記第2のスポットレートと前記取得されたスワップレートとを用いて第2のフォワードレートを算出し、前記第2のフォワードレート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0013】
または、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日に基づく為替予約の残高情報を含む明細情報を記憶する明細情報記憶部をさらに備え、前記時価評価情報算出部は、前記基準日における明細情報を前記明細情報記憶部から取得し、前記取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出し、前記取得された明細情報を当該基準日に関連付けて記憶部にさらに格納し、前記シミュレーション処理部は、前記入力された基準日に関連付けられた明細情報を前記記憶部からさらに取得し、当該取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0014】
本発明の第2の態様にかかる時価評価情報算出方法は、為替予約における時価評価情報を算出するものであって、為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、前記複数の基準日のそれぞれについて、基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出する時価評価情報算出ステップと、前記時価評価情報算出ステップにおいて用いられた演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する格納ステップと、前記第1の評価レートとは異なる第2の評価レートと、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日との入力を受け付ける入力ステップと、前記入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを前記記憶部から取得する取得ステップと、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出するシミュレーションステップと、を備える。
【0015】
また、前記パラメータ算出ステップは、前記基準日に基づく割戻期間と適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出し、前記時価評価情報算出ステップは、前記第1の評価レート及び前記算出された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記格納ステップは、前記時価評価情報算出ステップにおいて用いられた時価割引率を当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、前記取得ステップは、前記入力された基準日に関連付けられた時価割引率を前記記憶部から取得し、前記シミュレーションステップは、前記第2の評価レート及び前記取得された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0016】
前記パラメータ算出ステップは、前記基準日に基づく期間から線形補間により前記適用金利を算出し、前記基準日に基づく割戻期間と前記算出された適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出するとよい。
【0017】
または、前記基準日に基づく期間から線形補間によりスワップレートを算出し、当該基準日における前記第1の評価レートとしての第1のスポットレートと前記算出されたスワップレートとを用いて第1のフォワードレートを算出する第1のレート算出ステップをさらに備え、前記時価評価情報算出ステップは、前記第1のフォワードレート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記格納ステップは、前記第1のレート算出ステップにおいて算出されたスワップレートを当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、前記入力ステップは、前記第1のスポットレートとは異なる第2のスポットレートを前記第2の評価レートとして入力を受け付け、前記取得ステップは、前記入力された基準日に関連付けられたスワップレートを前記記憶部からさらに取得し、前記第2のスポットレートと前記取得されたスワップレートとを用いて第2のフォワードレートを算出する第2のレート算出ステップをさらに備え、前記シミュレーションステップは、前記第2のフォワードレート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0018】
または、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日に基づく為替予約の残高情報を含む明細情報を取得する明細情報取得ステップをさらに備え、前記時価評価情報算出ステップは、前記明細情報取得ステップにより取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出し、前記格納ステップは、前記時価評価情報算出ステップにおいて用いられた明細情報を当該基準日に関連付けて前記記憶部にさらに格納し、前記取得ステップは、前記入力された基準日に関連付けられた明細情報を前記記憶部からさらに取得し、前記シミュレーションステップは、当該取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0019】
本発明の第3の態様にかかる時価評価情報算出プログラムは、為替予約における時価評価情報を算出する処理をコンピュータに実行させるものであって、為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出するパラメータ算出処理と、前記複数の基準日のそれぞれについて、基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出する時価評価情報算出処理と、前記時価評価情報算出処理において用いられた演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する格納処理と、前記第1の評価レートとは異なる第2の評価レートと、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日との入力を受け付ける入力処理と、前記入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを前記記憶部から取得する取得処理と、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出するシミュレーション処理と、を備える。
【0020】
また、前記パラメータ算出処理は、前記基準日に基づく割戻期間と適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出し、前記時価評価情報算出処理は、前記第1の評価レート及び前記算出された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記格納処理は、前記時価評価情報算出処理において用いられた時価割引率を当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、前記取得処理は、前記入力された基準日に関連付けられた時価割引率を前記記憶部から取得し、前記シミュレーション処理は、前記第2の評価レート及び前記取得された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0021】
前記パラメータ算出処理は、前記基準日に基づく期間から線形補間により前記適用金利を算出し、前記基準日に基づく割戻期間と前記算出された適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出するとよい。
【0022】
または、前記基準日に基づく期間から線形補間によりスワップレートを算出し、当該基準日における前記第1の評価レートとしての第1のスポットレートと前記算出されたスワップレートとを用いて第1のフォワードレートを算出する第1のレート算出処理をさらに備え、前記時価評価情報算出処理は、前記第1のフォワードレート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記格納処理は、前記第1のレート算出処理において算出されたスワップレートを当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、前記入力処理は、前記第1のスポットレートとは異なる第2のスポットレートを前記第2の評価レートとして入力を受け付け、前記取得処理は、前記入力された基準日に関連付けられたスワップレートを前記記憶部からさらに取得し、前記第2のスポットレートと前記取得されたスワップレートとを用いて第2のフォワードレートを算出する第2のレート算出処理をさらに備え、前記シミュレーション処理は、前記第2のフォワードレート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【0023】
または、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日に基づく為替予約の残高情報を含む明細情報を取得する明細情報取得処理をさらに備え、前記時価評価情報算出処理は、前記明細情報取得処理により取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出し、前記格納処理は、前記時価評価情報算出処理において用いられた明細情報を当該基準日に関連付けて前記記憶部にさらに格納し、前記取得処理は、前記入力された基準日に関連付けられた明細情報を前記記憶部からさらに取得し、前記シミュレーション処理は、当該取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出することが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、為替予約における時価評価情報を任意の基準日及び評価レートに基づいて、効率的に算出してシミュレーションを行う時価評価情報算出システム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる為替WEBシステムを含む全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報算サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる為替WEBシステムの処理例の概要を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる照会用データ作成処理の詳細を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報算出処理を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかるシミュレーションデータ作成処理を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の実施の形態1にかかるシミュレーションデータの項目の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報シミュレーション画面の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1にかかるシミュレーション用レート入力画面の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報シミュレーション画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0027】
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかる為替WEBシステム1を含む全体構成を示すブロック図である。為替WEBシステム1は、為替予約における時価評価情報を算出する時価評価情報算出システムである。為替WEBシステム1は、例えば、金融機関が管理する為替予約の各契約について、インターネットを介した顧客から要求に応じて、時価評価額の照会及びシミュレーションを行うWEBシステムである。
【0028】
また、為替WEBシステム1の処理概要は、次の通りである。まず、為替WEBシステム1は、予め締結された為替予約における残高について、日々、既定の評価レートによる時価評価額を算出し、照会用データを作成する。次に、為替WEBシステム1は、端末3から当該為替予約において、任意の基準日についての時価評価額の照会要求を受け付け、照会用データを出力する。さらに、為替WEBシステム1は、端末3から任意の基準日及び任意の評価レートを含む時価評価情報のシミュレーション要求を受け付ける。そして、為替WEBシステム1は、当該基準日及び評価レートにおける時価評価額を算出し、シミュレーションデータとして端末3へ出力する。
【0029】
為替WEBシステム1は、明細情報記憶部11と、レート情報記憶部12と、照会用データ記憶部13と、時価評価情報算出サーバ14と、WEBサーバ15とを備える。明細情報記憶部11は、例えば、他のシステムから為替予約の明細情報が随時更新されるものとする。そして、明細情報記憶部11には、少なくとも直近の営業日に基づく為替予約の残高情報を含む明細情報を記憶する記憶装置である。明細情報には、例えば、顧客を識別する顧客番号、受付番号、予約取引番号、基軸通貨、建値通貨、売買区分、締結日、受渡日(開始)、受渡日(終了)、残高(基軸通貨)、締結レート及び残高(建値通貨)等が含まれる。尚、明細情報の内容は、これに限定されない。また、明細情報記憶部11には、直近の営業日に限らず、複数の基準日における明細情報を記憶しても構わない。
【0030】
レート情報記憶部12は、為替WEBシステム1を提供する金融機関における直近の営業日における終値の為替レートであるレート情報を記憶する記憶装置である。レート情報記憶部12は、例えば、他のシステムから当該金融機関の最新のレート情報が随時更新されるものとする。レート情報には、例えば、評価レートとして、スポットレート(終値)、O/N(Over Night)(終値)及びT/N(Tomorrow Next)(終値)等、また、円換算レートとしてスポットレート(終値)、O/N(終値)及びT/N(終値)等が含まれる。
【0031】
照会用データ記憶部13は、顧客に対して提供するための時価評価情報を含む照会用データを記憶する記憶装置である。照会用データは、顧客毎及び基準日毎に、為替予約における残高情報の時価評価情報、対応する明細情報、レート情報及び当該時価評価情報の算出に用いられた演算用パラメータが関連付けられたものである。そして、照会用データは、端末3からの照会要求に応じて出力されるデータである。また、照会用データ記憶部13は、基準日として、例えば、当該金融機関の1年以内の営業日を対象として、照会用データを保管する。但し、保存期間は、これに限定されない。
【0032】
ここで、時価評価情報には、例えば、引き直し額(建値通貨)、引き直し額(円)、差損益(建値通貨)、差損益(円)及び含み損益(円)が含まれる。また、演算用パラメータには、例えば、評価レートのスワップレート(終値)、円換算レートのスポットレート(終値)、スワップレート(終値)及びフォワードレート(終値)、資金評価レートである円金利の時価割引率及び適用金利が含まれる。
【0033】
尚、明細情報記憶部11、レート情報記憶部12及び照会用データ記憶部13は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置である。
【0034】
時価評価情報算出サーバ14は、汎用的なコンピュータシステムであり、為替予約における残高情報の時価評価情報の算出を行い、照会用データの作成及びシミュレーションにおけるデータであるシミュレーションデータの作成を行う。特に、時価評価情報算出サーバ14は、日次で明細情報記憶部11に格納された残高情報について時価評価情報を算出し、端末3からWEBサーバ15を介した為替予約における任意の基準日の時価評価情報の照会要求に応えるための照会用データを作成する照会用データ作成処理を行う。尚、照会用データ作成処理は、有効な全ての為替予約について処理するために、夜間バッチにより行われることが望ましい。また、時価評価情報算出サーバ14は、端末3からWEBサーバ15を介した任意の基準日及び評価レートの時価評価情報のシミュレーション要求を受け付け、シミュレーションデータを作成するシミュレーションデータ作成処理を行い、作成したシミュレーションデータをWEBサーバ15へ出力する。また、時価評価情報算出サーバ14は、明細情報記憶部11、レート情報記憶部12、照会用データ記憶部13及びWEBサーバ15と接続されている。
【0035】
図2は、本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報算出サーバ14の構成を示すブロック図である。時価評価情報算出サーバ14は、CPU(Central Processing Unit)141と、RAM(Random Access Memory)142と、ROM(Read Only Memory)143と、通信部144と、ハードディスク145とを備える。また、ハードディスク145は、不揮発性記憶装置であり、OS(Operating System)41及び時価評価情報算出プログラム42が格納されている。時価評価情報算出プログラム42は、照会用データ作成処理及びシミュレーションデータ作成処理が実装されたプログラムである。尚、ハードディスク145は、明細情報記憶部11、レート情報記憶部12及び照会用データ記憶部13をさらに含むものであってもよい。
【0036】
CPU141は、時価評価情報算出サーバ14における各種処理、RAM142、ROM143、通信部144及びハードディスク145へのアクセス等を制御する。通信部144は、明細情報記憶部11、レート情報記憶部12及び照会用データ記憶部13、並びに、WEBサーバ15との通信を行う。
【0037】
時価評価情報算出サーバ14は、CPU141が、RAM142、ROM143又はハードディスク145に格納されたOS41及び時価評価情報算出プログラム42を読み込み、実行する。これにより、時価評価情報算出サーバ14は、照会用データ作成処理及びシミュレーションデータ作成処理を行うことができる。
【0038】
図1に戻り、WEBサーバ15は、汎用的なコンピュータシステムであり、ネットワーク2を介して端末3と接続されている。また、WEBサーバ15は、少なくとも照会用データ記憶部13及び時価評価情報算出サーバ14に接続されている。尚、WEBサーバ15は、明細情報記憶部11及びレート情報記憶部12と接続されていても構わない。
【0039】
WEBサーバ15は、端末3からネットワーク2を介して、為替予約の時価評価額の照会要求又はシミュレーション要求を受け付ける。そして、WEBサーバ15は、要求に応じて、照会用データ記憶部13又は時価評価情報算出サーバ14へアクセスする。その後、WEBサーバ15は、当該要求の応答を端末3へ返す。例えば、WEBサーバ15は、端末3から時価評価情報の照会要求を受け付けた場合、照会用データ記憶部13から該当する基準日の照会用データを読み出し、端末3へ返信する。また、WEBサーバ15は、端末3から任意の基準日及び評価レートにおける時価評価情報のシミュレーション要求を受け付けた場合、時価評価情報算出サーバ14へその旨を要求する。そして、時価評価情報算出サーバ14からシミュレーションデータを受信した後、当該シミュレーションデータを端末3へ返信する。
【0040】
WEBサーバ15は、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)サーバ及び上述した端末3からの要求を処理するWEBアプリケーションにより実現される。尚、WEBサーバ15の構成は、一部を除いて図2と同様のため、図示及び詳細な説明を省略する。例えば、WEBサーバ15は、図2のハードディスク145において、時価評価情報算出プログラム42の代わりに、HTTPサーバプログラム及びWEBアプリケーションプログラムを記憶する。そして、WEBサーバ15は、CPU141が、RAM142、ROM143又はハードディスク145に格納されたOS41、HTTPサーバプログラム及びWEBアプリケーションプログラムを読み込み、実行することにより、上述したHTTPサーバ及びWEBアプリケーションとして動作する。
【0041】
尚、時価評価情報算出サーバ14及びWEBサーバ15は、1台で実現されても構わない。また、時価評価情報算出サーバ14及びWEBサーバ15は、それぞれ複数台に分散して実現されても構わない。
【0042】
ネットワーク2は、インターネット、公衆網、専用線及び移動体通信網等の通信ネットワークであればよい。また、端末3は、為替WEBシステム1に対して、為替予約における任意の基準日の時価評価情報の照会要求又は任意の基準日及び評価レートの時価評価情報のシミュレーション要求を送信し、為替WEBシステム1から応答を受信し、画面等の表示装置(不図示)に表示する端末である。端末3は、例えば、通信機能を備え、WEBブラウザ等の表示アプリケーションを備えたパーソナルコンピュータであればよい。尚、本発明の実施の形態1にかかる端末3は、複数台であってもよい。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態1にかかる為替WEBシステムの処理例の概要を示すフローチャート図である。まず、為替WEBシステム1は、照会用データ作成処理を行う(S10)。具体的には、まず、為替WEBシステム1の時価評価情報算出サーバ14は、明細情報記憶部11及びレート情報記憶部12を参照し、処理対象の基準日に対応する明細情報及びレート情報を取得する。次に、時価評価情報算出サーバ14は、基準日及びレート情報に基づいて演算用パラメータを算出する。そして、時価評価情報算出サーバ14は、レート情報、残高情報及び演算用パラメータを用いて時価評価情報を算出する。その後、時価評価情報算出サーバ14は、明細情報及びレート情報、並びに、算出した時価評価情報及び演算用パラメータを基準日に関連付けて照会用データ記憶部13に格納する。
【0044】
尚、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS10において、少なくとも以下の処理を行えばよい。つまり、時価評価情報算出サーバ14は、為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出し、当該基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記算出された演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する。尚、照会用データ作成処理の詳細は、図4で詳述する。
【0045】
次に、為替WEBシステム1は、端末3からネットワーク2を介してシミュレーション対象の基準日及び評価レートの入力を受け付ける(S20)。具体的には、為替WEBシステム1のWEBサーバ15は、端末3から基準日及び評価レートの入力を受け付け、時価評価情報算出サーバ14へ基準日及び評価レートを含めたシミュレーション要求を行う。尚、以下では、端末3から入力される基準日は、照会用データ記憶部13に格納された複数の基準日に含まれるものとする。そして、端末3から入力される評価レートは、照会用データ記憶部13において、当該入力される基準日に関連付けられた評価レートとは異なるレートであるものとする。
【0046】
そして、為替WEBシステム1は、シミュレーションデータ作成処理を行う(S30)。具体的には、まず、為替WEBシステム1の時価評価情報算出サーバ14は、WEBサーバ15から入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを照会用データ記憶部13から取得する。次に、時価評価情報算出サーバ14は、WEBサーバ15から入力された評価レート及び取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出する。尚、シミュレーションデータ作成処理の詳細は、図6で詳述する。
【0047】
その後、為替WEBシステム1は、シミュレーションデータを端末3へネットワーク2を介して出力する(S40)。これにより、端末3は、表示装置にシミュレーションデータを表示することができる。そのため、端末3を操作するユーザは、任意の基準日及び評価レートに基づいた時価評価情報のシミュレーションを行うことができる。
【0048】
図4は、本発明の実施の形態1にかかる照会用データ作成処理の詳細を示すフローチャート図である。まず、為替WEBシステム1の時価評価情報算出サーバ14は、当日を基準日として設定し、当日のレートを取得する(S11)。具体的には、まず、時価評価情報算出サーバ14は、日次で起動する。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、毎営業日の業後、22時に予め設定されたタイマーにより起動する。尚、非営業日及びシステム障害時は、これに限らない。次に、時価評価情報算出サーバ14は、当日の日付を以降の処理対象の基準日として設定する。但し、当日とは、業中のディール日を指す。また、時価評価情報算出サーバ14は、レート情報記憶部12から当日のレート情報を取得し、以降の処理対象の各種レートの初期値として設定する。より詳細には、時価評価情報算出サーバ14は、評価レートの初期値としてスポットレート(終値)、O/N(Over Night)(終値)及びT/N(Tomorrow Next)(終値)等をレート情報記憶部12から取得する。また、時価評価情報算出サーバ14は、円換算レートの初期値としてスポットレート(終値)、O/N(終値)及びT/N(終値)等をレート情報記憶部12から取得する。
【0049】
次に、時価評価情報算出サーバ14は、基準日の明細情報を取得する(S12)。具体的には、時価評価情報算出サーバ14は、明細情報記憶部11を参照し、ステップS11で設定された基準日に対応する明細情報を取得する。ここで、時価評価情報算出サーバ14は、取引日が基準日以前、かつ、期日が基準日以降で予約残高のある取引(アウトスタンディング)である明細情報を取得する。また、時価評価情報算出サーバ14は、明細情報として、例えば、顧客番号、受付番号、予約取引番号、基軸通貨、建値通貨、売買区分、締結日、受渡日(開始)、受渡日(終了)、残高(基軸通貨)、締結レート及び残高(建値通貨)等を取得する。
【0050】
続いて、時価評価情報算出サーバ14は、評価レート算出処理を行う(S13)。まず、時価評価情報算出サーバ14は、スポットレートを設定する(S131)。具体的には、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS11で取得した評価レートのスポットレート(終値)の中からステップS12で取得した基軸通貨及び建値通貨の通貨ペアにおけるスポットレート(終値)を設定する。
【0051】
次に、時価評価情報算出サーバ14は、スワップレートを算出する(S132)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS131により設定されたスポットレートと、基準日とを用いて以下の(1)式の線形補間により、スワップレートを算出する。尚、スワップレートの算出式は、(1)式に限定されない。
R = r1+(r2−r1)×(D−d1)/(d2−d1) ・・・(1)
ここで、RはODD期日のレート、DはODD期日、r1は前グリッドのレート、r2は先グリッドのレート、d1は前グリッドの期日及びd2は先グリッドの期日である。尚、期日のレートが予め登録されている場合、Rは、レギュラータームのレートとする。尚、ODD期日とは、レートの値が予め登録されていない期日である。また、前グリッドとは、レートが予め登録されている期日の内、基準日の直前の期日である。また、先グリッドとは、レートが予め登録されている期日の内、基準日の直後の期日である。
【0052】
尚、本発明の実施の形態1にかかる為替WEBシステム1には、予め、期日毎のレートを予め登録されているものとする。ここで、期日とは、為替予約の締結日における所定期間後の日付である。期日は、例えば、1週間後、1ヶ月後、3か月後、1年後等である。そのため、任意の基準日に対応する期日のレートが登録されていない場合が多い。そこで、(1)式を用いることにより、都度、算出する必要がある。
【0053】
その後、時価評価情報算出サーバ14は、フォワードレートを算出する(S133)。具体的には、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS131により設定されたスポットレートとステップS132により算出されたスワップレートとを用いて(2)式によりフォワードレートを算出する。
フォワードレート = スポットレート + スワップレート ・・・(2)
【0054】
すなわち、時価評価情報算出サーバ14は、基準日に基づく期間から線形補間によりスワップレートを算出し、当該基準日における第1の評価レートとしての第1のスポットレートと算出されたスワップレートとを用いて第1のフォワードレートを算出する。
【0055】
また、時価評価情報算出サーバ14は、円換算レート算出処理を行う(S14)。具体的には、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS11で取得した円換算レートのスポットレート(終値)、O/N(終値)、T/N(終値)及び公示レート等を用いて、円換算レートにおけるフォワードレートを算出する。尚、ステップS141乃至S143においては、上述したステップS131乃至S133と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0056】
さらに、時価評価情報算出サーバ14は、円金利算出処理を行う(S15)。まず、時価評価情報算出サーバ14は、適用金利を算出する(S151)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、基準日における円金利と、基準日に基づく期間とを用いて以下の(3)式の線形補間により、適用金利を算出する。尚、適用金利の算出式は、(3)式に限定されない。
R = r1+(r2−r1)×(D−d1)/(d2−d1) ・・・(3)
ここで、RはODD期日の金利、DはODD期日、r1は前グリッドの金利、r2は先グリッドの金利、d1は前グリッドの期日及びd2は先グリッドの期日である。尚、期日のレートが予め登録されている場合、Rは、レギュラーターム金利とする。
【0057】
次に、時価評価情報算出サーバ14は、時価割引率を算出する(S152)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS151により算出された適用金利と基準日に基づく期間とを用いて以下の(4)式の線形補間により時価割引率を算出する。尚、時価割引率の算出式は、(4)式に限定されない。

ここで、DF(Discount Factor)は時価割引率、eは自然対数の底、Rは適用金利及びTは基準日の翌日から起算した実行期日までの日数とする。
【0058】
すなわち、時価評価情報算出サーバ14は、基準日に基づく期間から線形補間により適用金利を算出し、基準日に基づく割戻期間と算出された適用金利とに応じた時価割引率を演算用パラメータとして算出する。又は、時価評価情報算出サーバ14は、所定の適用金利が予め定められている場合、基準日に基づく割戻期間と適用金利とに応じた時価割引率を演算用パラメータとして算出するとよい。
【0059】
尚、時価評価情報算出サーバ14は、上述したステップS13、S14及びS15を並列実行又は直列実行のいずれかで実行して構わない。さらに、直列実行の場合、ステップS13、S14及びS15の処理順序は限定されない。
【0060】
続いて、時価評価情報算出サーバ14は、レート情報、残高情報及び演算用パラメータを用いて時価評価情報算出処理を行う(S16)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、第1のフォワードレート及び算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出する。また、時価評価情報算出サーバ14は、第1の評価レート及び算出された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出する。
【0061】
ここで、図5は、本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報算出処理を示すフローチャート図である。まず、時価評価情報算出サーバ14は、引き直し額(建値通貨)を算出する(S161)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、以下の(5)式により引き直し額(建値通貨)を算出する。
引き直し額(建値通貨)=残高(基軸通貨)×フォワード(評価レート) ・・・(5)
ここで、残高(基軸通貨)は、ステップS12で取得したものであり、フォワード(評価レート)は、ステップS133で算出された評価レートのフォワードレートである。
【0062】
次に、時価評価情報算出サーバ14は、引き直し額(円)を算出する(S162)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、以下の(6)式により引き直し額(円)を算出する。
引き直し額(円)=引き直し額(建値通貨)×フォワード(円換算レート) ・・・(6)
ここで、引き直し額(建値通貨)は、ステップS161で算出されたものであり、フォワード(円換算レート)は、ステップS143で算出された円換算レートのフォワードレートである。
【0063】
また、時価評価情報算出サーバ14は、差損益(建値通貨)を算出する(S163)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、以下の(7)式により差損益(建値通貨)を算出する。
差損益(建値通貨)=残高(建値通貨)−引き直し額(建値通貨) ・・・(7)
ここで、残高(建値通貨)は、ステップS12で取得したものであり、引き直し額(建値通貨)は、ステップS161で算出されたものである。
【0064】
そして、時価評価情報算出サーバ14は、差損益(円)を算出する(S164)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、以下の(8)式により差損益(円)を算出する。
差損益(円)=差損益(建値通貨)×フォワード(円換算レート) ・・・(8)
ここで、差損益(建値通貨)は、ステップS163で算出されたものであり、フォワード(円換算レート)は、ステップS143で算出された円換算レートのフォワードレートである。
【0065】
その後、時価評価情報算出サーバ14は、含み損益(円)を算出する(S165)。例えば、時価評価情報算出サーバ14は、以下の(9)式により含み損益(円)を算出する。
含み損益(円)=差損益(円)×時価割引率DF ・・・(9)
ここで、差損益(円)は、ステップS164で算出されたものであり、時価割引率DFは、ステップS152で算出されたものである。
【0066】
これにより、時価評価情報として、引き直し損益及び引き直し損益の現在価値化である含み損益を算出することができる。
【0067】
尚、時価評価情報算出サーバ14は、上述したステップS162及びS163乃至S165を並列実行又は直列実行のいずれかで実行して構わない。さらに、直列実行の場合、ステップS162と、ステップS163乃至S165との処理順序は限定されない。
【0068】
その後、図4に戻って、時価評価情報算出サーバ14は、明細情報及びレート情報、並びに、算出した時価評価情報及び演算用パラメータを基準日に関連付けて照会用データとして照会用データ記憶部13に格納する(S17)。特に、時価評価情報算出サーバ14は、算出されたスワップレートを当該基準日に関連付けて照会用データ記憶部13に格納する。また、時価評価情報算出サーバ14は、算出された時価割引率を当該基準日に関連付けて照会用データ記憶部13に格納する。
【0069】
続いて、図6は、本発明の実施の形態1にかかるシミュレーションデータ作成処理を示すフローチャート図である。まず、時価評価情報算出サーバ14は、入力された基準日を基準日として設定し、入力された評価レートを評価レートのスポットレートとして設定する(S31)。なお、ここでは、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS131で設定されたスポットレートとは異なるスポットレートを評価レートとして入力を受け付けている。
【0070】
次に、時価評価情報算出サーバ14は、照会用データ記憶部13を参照し、ステップS31で設定された基準日に対応する照会用データを取得する(S32)。具体的には、時価評価情報算出サーバ14は、設定された基準日に関連付けられた時価割引率を照会用データ記憶部13から取得する。また、時価評価情報算出サーバ14は、設定された基準日に関連付けられたスワップレートを照会用データ記憶部13から取得する。さらに、時価評価情報算出サーバ14は、設定された基準日に関連付けられた明細情報を照会用データ記憶部13から取得する。
【0071】
続いて、時価評価情報算出サーバ14は、設定されたスポットレート及び取得されたスワップレートを用いて(2)式によりフォワードレートを算出する(S33)。
【0072】
その後、時価評価情報算出サーバ14は、図5に示した時価評価情報算出処理を行う(S34)。但し、ここでは、時価評価情報算出サーバ14は、ステップS32において取得された明細情報に含まれる残高情報と、ステップS32において取得された時価割引率と、ステップS33により算出されたフォワードレートとを用いて時価評価情報を算出する。
【0073】
尚、図3のステップS20において、フォワードレート自体の入力を受け付けた場合、図6のステップS33の処理は、必ずしも必要としない。
【0074】
尚、上述した図4のステップS132、S142、S151及びS152の処理は、計算負荷の高い処理である。つまり、照会用データ作成処理において、評価レート及び円換算レートのスワップレートの算出、適用金利の算出及び時価割引率の算出、という演算用パラメータの算出処理は、計算負荷が高い。しかしながら、これらの演算用パラメータは基準日に依存するが、シミュレーションにより時価評価情報を算出する際には、変動が少ない情報である。
【0075】
そこで、本発明の実施の形態1では、これら演算用パラメータを照会用データと共に照会用データ記憶部13に格納する。つまり、必ずしも時価評価情報の照会時に利用されないデータも含めて保存する。そして、任意の基準日及び評価レートにおける時価評価情報のシミュレーションを行う際に、設定された基準日における演算用パラメータを取得する。また、シミュレーションデータ作成処理においては、ユーザが指定し易いレートであるスポットレートのみを外部から入力させ、計算負荷の高い演算用パラメータの算出を行うことなく、比較的計算負荷が低い四則演算のみで、フォワードレートの算出及び時価評価情報の算出を行う。そのため、算出された演算用パラメータを再利用して計算を効率的に行うことができる。
【0076】
また、図4のステップS12は、複雑な条件指定により明細情報記憶部11から明細情報を取得する必要があり、計算負荷が高い。そこで、本発明の実施の形態1のシミュレーションデータ作成処理においては、明細情報記憶部11から明細情報を取得する代わりに、基準日指定により照会用データ記憶部13から明細情報を取得することで処理量を抑えることができる。
【0077】
以下に、時価評価情報のシミュレーションについて、為替WEBシステム1が提供するWEB画面の例を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態1にかかるシミュレーションデータの項目の例を示す図である。図8は、本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報シミュレーション画面の例を示す図である。
【0078】
図8の時価評価情報シミュレーション画面5aは、検索条件入力部51、照会用データ表示ボタン52、レート入力ボタン53、シミュレーション実行ボタン54、時価評価情報表示部55a、シミュレーション結果帳票出力ボタン56、ファイルダウンロードボタン57を備える。
【0079】
検索条件入力部51は、お客様名称、基準日、予約取引番号、Web受付番号、通貨ペア、通貨、売買区分、受渡開始日及び受渡終了日等の検索条件の入力を受け付ける。尚、検索条件入力部51において、基準日の入力が必須である。
【0080】
照会用データ表示ボタン52は、検索条件入力部51に入力された条件に基づき、為替WEBシステム1へ照会用データの検索要求を送信する。
【0081】
レート入力ボタン53は、後述する図9のシミュレーション用レート入力画面6へ遷移する。シミュレーション実行ボタン54は、検索条件入力部51に入力された条件及びシミュレーション用レート入力画面6において設定された評価レートに基づき、為替WEBシステム1へシミュレーション要求を送信する。
【0082】
時価評価情報表示部55aは、為替WEBシステム1から返信される照会用データ又はシミュレーションデータを表示する。尚、シミュレーションデータは、図7の出力項目の画面欄に従い表示される。
【0083】
シミュレーション結果帳票出力ボタン56は、時価評価情報表示部55aに表示されたデータがシミュレーションデータである場合に、図7の出力項目の帳票欄に従い、PDF(Portable Document Format)形式のファイルに出力する。ファイルダウンロードボタン57は、時価評価情報表示部55aに表示されたデータがシミュレーションデータである場合に、図7の出力項目のダウンロードファイル欄に従い、CSV(Comma Separated Values)形式のファイルに出力する。
【0084】
図9は、本発明の実施の形態1にかかるシミュレーション用レート入力画面の例を示す図である。図9に示すシミュレーション用レート入力画面6は、基準日入力部61、レート取得ボタン62、データアップロードボタン63、レート表示部64、確認ボタン65、閉じるボタン66を備える。
【0085】
基準日入力部61は、シミュレーション用レート入力画面6において設定する評価レートの基準日の入力を受け付ける。レート取得ボタン62は、基準日入力部61に入力された基準日における評価レートを取得する。例えば、端末3は、ネットワーク2を介してWEBサーバ15へ評価レートの取得要求を送信する。そして、WEBサーバ15は、時価評価情報算出サーバ14を介して又は直接、レート情報記憶部12から該当する基準日における評価レートを取得し、端末3へ返信する。端末3は、受信した評価レートをレート表示部64に表示する。
【0086】
データアップロードボタン63は、レート表示部64に表示された評価レートについてネットワーク2を介してWEBサーバ15へ送信する。そして、WEBサーバ15は、時価評価情報算出サーバ14へ当該評価レートを通知する。
【0087】
レート表示部64は、レート取得ボタン62により取得された評価レートを通貨ペアごとに表示する。また、レート表示部64のシミュレーション用SPOTレート欄は、評価レートが編集可能な欄である。尚、レート表示部64は、取得されないレート又は削除されたレートについては、空欄となる。
【0088】
確認ボタン65は、レート表示部64に表示された評価レートを確定し、時価評価情報シミュレーション画面5aへ遷移する。閉じるボタン66は、レート表示部64に表示された評価レートを確定せずに、時価評価情報シミュレーション画面5aへ遷移する。
【0089】
図10は、本発明の実施の形態1にかかるシミュレーションデータ作成処理の結果を表示する時価評価情報シミュレーション画面の例を示す図である。図10に示す時価評価情報シミュレーション画面5bは、時価評価情報シミュレーション画面5aの時価評価情報表示部55aの代わりに、シミュレーションデータ等を表示する時価評価情報表示部55bを備える。時価評価情報シミュレーション画面5bのその他の要素は、時価評価情報シミュレーション画面5aと同様であるため、説明を省略する。
【0090】
時価評価情報シミュレーション画面5aにおいてシミュレーション実行ボタン54が押下されると、シミュレーション用レート入力画面6において設定された評価レートに基づき、時価評価情報算出サーバ14はシミュレーションデータ作成処理を行う。その後、時価評価情報シミュレーション画面5bの時価評価情報表示部55bに、当該シミュレーションデータ作成処理の結果が表示される。
【0091】
時価評価情報表示部55bは、時価評価額表示欄551、評価レート表示欄552及び含み損益表示欄553を含む。時価評価額表示欄551は、為替WEBシステム1により算出されたシミュレーション結果における時価評価情報の内、引き直し額(円)を表示する。評価レート表示欄552は、為替WEBシステム1により算出されたフォワードレート(評価レート)を表示する。含み損益表示欄553は、為替WEBシステム1により算出された含み損益(円)を表示する。
【0092】
このように、為替WEBシステム1が提供するWEB画面を用いて、多数の顧客からのインターネットを通じた時価評価額のシミュレーション要求に対して、シミュレーションを要する処理についてリアルタイム且つ高レスポンスでシミュレーション結果を返信することができる。
【0093】
以上のように、本発明の実施の形態1では、照会用データ作成処理にて事前に算出した演算用パラメータを保持しておき、インターネットからのオンライン処理では画面入力値を使用した残りの計算処理のみリアルタイムで行う仕組みとした。これにより、シミュレーション処理の計算量を抑えることができ、リアルタイムな応答を可能とした。
【0094】
そのため、本発明の実施の形態1にかかる時価評価情報算出システムにより、為替予約における時価評価情報を任意の基準日及び評価レートに基づいて、効率的に算出してシミュレーションを行うことができる。
【0095】
また、本発明により、シミュレーション機能を利用することで、顧客が望むあらゆるレート値での評価結果を還元できるサービスの提供が可能となる。
【0096】
尚、上述した本発明の実施の形態1にかかる為替WEBシステム1では、レート情報に終値を用いたがこれに限定されない。例えば、レート情報には、公示レート又は任意の時刻におけるレートを用いても構わない。
【0097】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0098】
1 為替WEBシステム
11 明細情報記憶部
12 レート情報記憶部
13 照会用データ記憶部
14 時価評価情報算出サーバ
141 CPU
142 RAM
143 ROM
144 通信部
145 ハードディスク
41 OS
42 時価評価情報算出プログラム
15 WEBサーバ
2 ネットワーク
3 端末
5a 時価評価情報シミュレーション画面
5b 時価評価情報シミュレーション画面
51 検索条件入力部
52 照会用データ表示ボタン
53 レート入力ボタン
54 シミュレーション実行ボタン
55a 時価評価情報表示部
55b 時価評価情報表示部
551 時価評価額表示欄
552 評価レート表示欄
553 含み損益表示欄
56 シミュレーション結果帳票出力ボタン
57 ファイルダウンロードボタン
6 シミュレーション用レート入力画面
61 基準日入力部
62 レート取得ボタン
63 データアップロードボタン
64 レート表示部
65 確認ボタン
66 閉じるボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
為替予約における時価評価情報を算出する時価評価情報算出システムであって、
為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出し、当該基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記算出された演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する時価評価情報算出部と、
前記第1の評価レートとは異なる第2の評価レートと、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日との入力を受け付け、前記入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを前記記憶部から取得し、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出するシミュレーション処理部と、
を備える時価評価情報算出システム。
【請求項2】
前記時価評価情報算出部は、前記基準日に基づく割戻期間と適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出し、前記第1の評価レート及び前記算出された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記算出された時価割引率を当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、
前記シミュレーション処理部は、前記入力された基準日に関連付けられた時価割引率を前記記憶部から取得し、前記第2の評価レート及び前記取得された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の時価評価情報算出システム。
【請求項3】
前記時価評価情報算出部は、前記基準日に基づく期間から線形補間により前記適用金利を算出し、前記基準日に基づく割戻期間と前記算出された適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出することを特徴とする請求項2に記載の時価評価情報算出システム。
【請求項4】
前記時価評価情報算出部は、前記基準日に基づく期間から線形補間によりスワップレートを算出し、当該基準日における前記第1の評価レートとしての第1のスポットレートと前記算出されたスワップレートとを用いて第1のフォワードレートを算出し、前記第1のフォワードレート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、前記算出されたスワップレートを当該基準日に関連付けて記憶部にさらに格納し、
前記シミュレーション処理部は、前記第1のスポットレートとは異なる第2のスポットレートを前記第2の評価レートとして入力を受け付け、前記入力された基準日に関連付けられたスワップレートを前記記憶部からさらに取得し、前記第2のスポットレートと前記取得されたスワップレートとを用いて第2のフォワードレートを算出し、前記第2のフォワードレート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の時価評価情報算出システム。
【請求項5】
前記複数の基準日に含まれる任意の基準日に基づく為替予約の残高情報を含む明細情報を記憶する明細情報記憶部をさらに備え、
前記時価評価情報算出部は、前記基準日における明細情報を前記明細情報記憶部から取得し、前記取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出し、前記取得された明細情報を当該基準日に関連付けて記憶部にさらに格納し、
前記シミュレーション処理部は、前記入力された基準日に関連付けられた明細情報を前記記憶部からさらに取得し、当該取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の時価評価情報算出システム。
【請求項6】
為替予約における時価評価情報を算出する時価評価情報算出方法であって、
為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出するパラメータ算出ステップと、
前記複数の基準日のそれぞれについて、基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出する時価評価情報算出ステップと、
前記時価評価情報算出ステップにおいて用いられた演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する格納ステップと、
前記第1の評価レートとは異なる第2の評価レートと、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日との入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを前記記憶部から取得する取得ステップと、
前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出するシミュレーションステップと、
を備える時価評価情報算出方法。
【請求項7】
前記パラメータ算出ステップは、前記基準日に基づく割戻期間と適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出し、
前記時価評価情報算出ステップは、前記第1の評価レート及び前記算出された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出し、
前記格納ステップは、前記時価評価情報算出ステップにおいて用いられた時価割引率を当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、
前記取得ステップは、前記入力された基準日に関連付けられた時価割引率を前記記憶部から取得し、
前記シミュレーションステップは、前記第2の評価レート及び前記取得された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項6に記載の時価評価情報算出方法。
【請求項8】
前記パラメータ算出ステップは、前記基準日に基づく期間から線形補間により前記適用金利を算出し、前記基準日に基づく割戻期間と前記算出された適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出することを特徴とする請求項7に記載の時価評価情報算出方法。
【請求項9】
前記基準日に基づく期間から線形補間によりスワップレートを算出し、当該基準日における前記第1の評価レートとしての第1のスポットレートと前記算出されたスワップレートとを用いて第1のフォワードレートを算出する第1のレート算出ステップをさらに備え、
前記時価評価情報算出ステップは、前記第1のフォワードレート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、
前記格納ステップは、前記第1のレート算出ステップにおいて算出されたスワップレートを当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、
前記入力ステップは、前記第1のスポットレートとは異なる第2のスポットレートを前記第2の評価レートとして入力を受け付け、
前記取得ステップは、前記入力された基準日に関連付けられたスワップレートを前記記憶部からさらに取得し、
前記第2のスポットレートと前記取得されたスワップレートとを用いて第2のフォワードレートを算出する第2のレート算出ステップをさらに備え、
前記シミュレーションステップは、前記第2のフォワードレート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項6に記載の時価評価情報算出方法。
【請求項10】
前記複数の基準日に含まれる任意の基準日に基づく為替予約の残高情報を含む明細情報を取得する明細情報取得ステップをさらに備え、
前記時価評価情報算出ステップは、前記明細情報取得ステップにより取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出し、
前記格納ステップは、前記時価評価情報算出ステップにおいて用いられた明細情報を当該基準日に関連付けて前記記憶部にさらに格納し、
前記取得ステップは、前記入力された基準日に関連付けられた明細情報を前記記憶部からさらに取得し、
前記シミュレーションステップは、当該取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項6に記載の時価評価情報算出方法。
【請求項11】
為替予約における時価評価情報を算出する処理をコンピュータに実行させる時価評価情報算出プログラムであって、
為替予約によって定められた予約期間中の複数の基準日のそれぞれについて、基準日に基づく演算用パラメータを算出するパラメータ算出処理と、
前記複数の基準日のそれぞれについて、基準日における時価評価のために予め定められた第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出する時価評価情報算出処理と、
前記時価評価情報算出処理において用いられた演算用パラメータを当該基準日に関連付けて記憶部に格納する格納処理と、
前記第1の評価レートとは異なる第2の評価レートと、前記複数の基準日に含まれる任意の基準日との入力を受け付ける入力処理と、
前記入力された基準日に関連付けられた演算用パラメータを前記記憶部から取得する取得処理と、
前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出するシミュレーション処理と、
を備える時価評価情報算出プログラム。
【請求項12】
前記パラメータ算出処理は、前記基準日に基づく割戻期間と適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出し、
前記時価評価情報算出処理は、前記第1の評価レート及び前記算出された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出し、
前記格納処理は、前記時価評価情報算出処理において用いられた時価割引率を当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、
前記取得処理は、前記入力された基準日に関連付けられた時価割引率を前記記憶部から取得し、
前記シミュレーション処理は、前記第2の評価レート及び前記取得された時価割引率を少なくとも用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項11に記載の時価評価情報算出プログラム。
【請求項13】
前記パラメータ算出処理は、前記基準日に基づく期間から線形補間により前記適用金利を算出し、前記基準日に基づく割戻期間と前記算出された適用金利とに応じた時価割引率を前記演算用パラメータとして算出することを特徴とする請求項12に記載の時価評価情報算出プログラム。
【請求項14】
前記基準日に基づく期間から線形補間によりスワップレートを算出し、当該基準日における前記第1の評価レートとしての第1のスポットレートと前記算出されたスワップレートとを用いて第1のフォワードレートを算出する第1のレート算出処理をさらに備え、
前記時価評価情報算出処理は、前記第1のフォワードレート及び前記算出された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出し、
前記格納処理は、前記第1のレート算出処理において算出されたスワップレートを当該基準日に関連付けて前記記憶部に格納し、
前記入力処理は、前記第1のスポットレートとは異なる第2のスポットレートを前記第2の評価レートとして入力を受け付け、
前記取得処理は、前記入力された基準日に関連付けられたスワップレートを前記記憶部からさらに取得し、
前記第2のスポットレートと前記取得されたスワップレートとを用いて第2のフォワードレートを算出する第2のレート算出処理をさらに備え、
前記シミュレーション処理は、前記第2のフォワードレート及び前記取得された演算用パラメータを少なくとも用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項11に記載の時価評価情報算出プログラム。
【請求項15】
前記複数の基準日に含まれる任意の基準日に基づく為替予約の残高情報を含む明細情報を取得する明細情報取得処理をさらに備え、
前記時価評価情報算出処理は、前記明細情報取得処理により取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第1の評価レート及び前記算出された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出し、
前記格納処理は、前記時価評価情報算出処理において用いられた明細情報を当該基準日に関連付けて前記記憶部にさらに格納し、
前記取得処理は、前記入力された基準日に関連付けられた明細情報を前記記憶部からさらに取得し、
前記シミュレーション処理は、当該取得された明細情報に含まれる残高情報と、前記第2の評価レート及び前記取得された演算用パラメータとを用いて時価評価情報を算出することを特徴とする請求項11に記載の時価評価情報算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−231693(P2010−231693A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80983(P2009−80983)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)