説明

時計

【課題】従来のアナログ式又はデジタル式の時計に代わる時計を提供する。
【解決手段】時計1は、「時」と「分」を表示する一連の小型ライト4とを備えた基板と、小型ライト4を制御するための電気式又は電子式コントローラ、から成り、小型ライト4が、リング5の円周上に広がって配置されている。複数の宝石8が保護ガラスの中に組み込まれていて、複数の宝石8がライト4の位置、例えば「時」の位置に配置されている。複数の宝石8は、望ましくは蛍光性ダイアモンドの形式の宝石8が例えば15分を示す位置若しくは「分」などの位置に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文字盤と、該文字盤の中心を貫通して突出する中心軸に固定された少なくとも2つの針を備えたアナログ式の時計はすでに知られている。
【0003】
前記の2つの針は一つの機構によって前記中心軸を介して作動させ、それによってそれらの針は文字盤上で回転運動を行う。
【0004】
一方の針は12時間で1回転するものであって、時針と呼ばれている。該時針は該文字盤の円形に配列した12個の標識に沿って動く。それら12個の標識は全時間を表示し、文字盤上に数字、短い線及び/又はその他の記号で表示される。
【0005】
もう一方の針は1時間に1回転するものであって、分針と呼ばれている。この針は、しばしば文字盤上にさらなる標識、一般的にはいくつもの短い線で表示された「分」を指し示すものである。
【0006】
また、「時」と「分」が文字盤上に数字として表示されるデジタル式の時計も知られていて、デジタル式では「時」が「0」から「23」までを含む数字又は「1」から「12」までを含む数字として表示される。「分」は、適用可能な場合は「秒」についても、「0」から「59」までを含む数字として表示される。
【0007】
すでに知られているように、時計は機械的又は電気的な動力源からそのエネルギーを取り込むようにしてある。機械的な動力源としては錘又はバネがある。電気的動力源としては(蓄)電池又は太陽電池を採用することが可能である。
【0008】
在来の時計の不都合な点は、暗闇で時刻を読み取ることが困難若しくは不可能なことである。
【0009】
暗闇でそのような時計を使用することは、すでに知られている方法で照光手段を備えている場合にのみ可能である。
【0010】
このような時計の不都合な点は、光を発する前に上記照光手段を作動させなければならず、そのことは暗い環境下では容易でないことである。
【0011】
腕時計の場合は絶えず照光状態にしておくのは確かに適切でない。なぜならば、時計に動力を供給する動力源をあまりにも早く使い切ってしまうからである。
【0012】
デジタル式の時計の不都合な点は、例えば日光が文字盤を照らしたり、或いはある種の型のデジタル式時計においては文字盤の数字が比較的小さかったりするため、常に時間が読み取りやすいとは限らないことである。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、上記の幾つかの不都合な点の内の1つ及び/又はそれ以外の不都合な点についての解決を与えることにあり、従来のアナログ式又はデジタル式の時計に代わるものを具現化することにある。
【0014】
この目的のため、本発明は、主として、「時」を表示する一連の小型ライトと、「分」を表示する一連の小型ライトとを備えた基板と、「時」と「分」を表示するライトを制御するための電気式又は電子式コントローラ、から成る時計に関するものである。
【0015】
本発明による時計の有利な点は、暗闇でもはっきりと時刻が読み取れることである。
【0016】
本発明のさらなる有利な点は、暗闇で文字盤の全体を読み取るために照光手段を設ける必要がなく、エネルギーをほとんど必要としない非常に小さな局所照明を設けるだけで十分なことである。
【0017】
本発明による時計は、最小限度の数の稼動部品から成るものであり、このことは従来の機構による時計とは対照的である。このことによって、本発明による時計はメンテナンスがより少なくて済み、摩滅や損傷もないという有利な効果をもたらすのである。
【0018】
本発明の好ましい特徴によれば、「時」についての一連の小型ライトと「分」についての一連の小型ライトが、「時」についてのリングと「分」についてのリングそれぞれの役割を含む1つのリングの円周上に広がって配置されている。
【0019】
「時」についてのリングの一連のライトと「分」についてのリングの一連のライトは、前記リングの円周上に均等に広がっていて、12個の小型ライトが「時」を表示し、60個の小型ライトが「分」を表示するのが望ましい。
【0020】
このように構成された時計の有利な点は、針を備えた従来のアナログ式時計と同じやり方で時刻が読み取れる、慣れ染みのある時計として人々に歓迎されることである。
【0021】
本発明の別の望ましい特徴によれば、前記の小型ライトが発光ダイオード、すなわちLEDで構成されていることである。
【0022】
このように構成することの有利な点は、LEDがエネルギーをほとんど消費せず、長い寿命を有することである。
【0023】
LEDを使用することのさらなる有利な点は、ライトの拡散が最小限に抑えられ、光による害が制限されることである。
【0024】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明による時計の望ましい実施例を添付図面を参照しながら以下に記載するが、それは如何なる限定もするものではなく、一つの例として記載するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による時計の平面図である。
【図2】図1におけるII−II線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、ここでは腕時計の形式で構成された時計1を示すものである。該時計1は、ハウジング2と、リング5(この実施例では円形のリング)の円周上に広がって配置された一連の小型ライト4を備えた基板3から成っている。さらに、腕時計バンド6が前記ハウジングに取り付けられていて、それによって時計1を腕に巻くことが出来る。
【0027】
本発明による時計のさらに一般的な実施例においては、多くの連なった小型ライト4、すなわち「時」を表示する一連の小型ライト4と「分」を表示する一連の小型ライト4のそれぞれが前記基板上に配置される。もし適用可能であれば、該時計1は、「日」「月の位相」などを示すために、さらに1つ又はそれ以上の連なった小型ライト4によって拡張してもよい。
【0028】
そのようなさらなる一般的な実施例においては、「時」についての一連の小型ライト4と「分」についての一連の小型ライト4が、「時」についてのリング5と「分」についてのリング5それぞれの役割を含む1つのリング5の円周上に広がって配置されている。
【0029】
図1の実施例においては、「時」についてのリング5と「分」についてのリング5は同一である。この1つのリング5上に、この実施例ではLEDの様式による合計60個の小型ライト4を備えている。
【0030】
この実施例においては、時計1についての合計60個の小型ライトがリング5の円周上に均等に広がって配置されている。
【0031】
図2に示したように、複数の小型ライト4は、時計1のハウジング2に固定された保護ガラス7によって保護されている。該保護ガラス7は人造ダイアモンドで構成するのが望ましい。
【0032】
この実施例においては、磨き加工された複数の宝石が上記保護ガラス7の中に組み込まれていて、それによって複数の宝石8がライト4の位置、例えば図1に示したような「時」の位置に配置されている。そのような複数の宝石8、望ましくは蛍光性ダイアモンドの形式の複数の宝石8が例えば15分を示す位置若しくは「分」などの位置のみで示されていることを、もちろん排除するものではない。
【0033】
図2は、さらに、時計1がハウジング2内の基板3の下に配置させたコントローラ9を備えていることを示している。
【0034】
本発明による時計1の動作は単純であり、以下の通りである。
【0035】
リング5の1つの小型ライト4が従来のアナログ式時計の時針であれば指し示すであろう位置で常に照光するので、これによって何「時」なのかを全て確認できる。
【0036】
同時に、リング5の1つの小型ライト4が従来のアナログ式の時計の分針であれば指し示すであろう位置で照光するので、これによって何「分」なのかを確認できる。
【0037】
従って、本発明による時計1は、従来のアナログ式の時計と同じやり方で時刻を読み取ることができるのであり、違いは、時刻が時針と分針によってではなく、照光するライト4によって指し示されることである。
【0038】
前記時計1の読み取りやすさを向上させるために、本発明においては前記の複数の小型ライト4は、多数の色によるLED又は異なった強度で照光することができるLEDで構成されている。このようにして、前記リング5の小型ライト4は「時」を表示するか「分」を表示するかによって異なった色又は強度で照光することになる。
【0039】
例えば、前記LEDは、「時」を表示する色を赤色とし、「分」を表示する色を青色としてもよい。そうすると使用者はひと目見ただけで時計1を読み取ることができる。
【0040】
前記複数の宝石8が蛍光性のあるダイアモンドである場合、それらのダイアモンドはLEDによって照らされる時に魅力的な美的効果をもたらし、また時計の読み取りやすさもより向上したものになる。
【0041】
本発明によれば、前記時計1において紫外線蛍光のダイアモンドを用いることも可能であり、その場合には紫外線LEDと組み合わせて用いる。
【0042】
前記時計1のLEDは基板3の下に設けたコントローラ9によって制御される。このコントローラ9は添付図面には示されていないバッテリーからそのエネルギーを取り込む。
【0043】
「時」と「分」について用いることができる単一のリング5を用いる代わりに、本発明による別の可能な構成の仕方としてあるのは、2つのリングを設けて、それらの一方が「時」についてのリングとして、また他方は「分」についてのリングとして各々が別々に機能するように構成するものである。
【0044】
前記のリングは必ずしも円形である必要はなく、楕円形、長方形、星型などのような他の形にしてもよい。
【0045】
さらに別の実施例によれば、前記の複数のライトはリング状に配置する必要はなく、例えば、弓状又は直線状に配置してもよい。
【0046】
本発明は、一例として明細書に記載し図面に示した実施例に限定されるものでは決してなく、本発明による時計は、その発明の範囲から遊離することなく、あらゆる種類のバリエーションで理解できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として、「時」を表示する一連の小型ライト(4)と「分」を表示する一連の小型ライト(4)とを備えた基板(3)と、「時」と「分」を表示するライトを制御するための電気式又は電子式コントローラ、から成ることを特徴とする時計。
【請求項2】
「時」についての一連の小型ライト(4)と「分」についての一連の小型ライト(4)が、「時」についてのリングと「分」についてのリングそれぞれの役割を含む1つのリングの円周上に広がって配置されていることを特徴とする請求項1に記載の時計。
【請求項3】
「時」についてのリング(5)の一連の小型ライト(4)と「分」についてのリング(5)の一連の小型ライト(4)は、前記リング(5)の円周上に均等に広がって配置されていることを特徴とする請求項2に記載の時計。
【請求項4】
前記の1つ又は複数のリング(5)が円形であることを特徴とする請求項2又は3に記載の時計。
【請求項5】
「時」を表示する12個の小型ライトと、「分」を表示する60個の小型ライトを備えていることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計。
【請求項6】
前記の複数の小型ライト(4)が発光ダイオード、すなわちLEDで構成されていることを特徴とする先行する請求項のいずれかに記載の時計。
【請求項7】
「時」についてのリング(5)と「分」についてのリング(5)が同一であり、このリング(5)の複数の小型ライト(4)が「時」と「分」の両方を表示するために用いられることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計。
【請求項8】
前記の複数の小型ライト(4)は、多数の色によるLED又は異なった強度で照光することができるLEDで構成されていて、該小型ライト(4)は「時」を表示するか「分」を表示するかによって異なった色又は強度で照光することを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計。
【請求項9】
前記複数の小型ライト(4)が保護ガラス(7)によって保護されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計。
【請求項10】
前記保護ガラスが人造ダイアモンドで構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の時計。
【請求項11】
磨き加工された複数の宝石(8)が、上記保護ガラス7の中の「時」についての複数の小型ライト(4)及び/又は「分」についての複数の小型ライト(4)の位置に組み込まれていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の時計。
【請求項12】
前記の磨き加工された複数の宝石(8)が蛍光性ダイアモンドであることを特徴とする、請求項11に記載の時計。
【請求項13】
前記の複数の小型ライト(4)が紫外線LEDで構成され、前記の磨き加工された複数の宝石(8)が紫外線蛍光のダイアモンドであることを特徴とする、請求項6及び11に記載の時計。
【請求項14】
前記時計(1)が腕時計であることを特徴とする、先行請求項のいずれかに記載の時計。
【請求項15】
前記基板(3)が前記時計(1)のハウジング(2)の中に組み込まれていることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の時計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−150099(P2012−150099A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−272071(P2011−272071)
【出願日】平成23年12月13日(2011.12.13)
【出願人】(511303397)ダイアモンド トレーディング,ナームローゼ フェンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】DIAMOND TRADING,naamloze vennootschap
【住所又は居所原語表記】Pelikaanstraat 62 bus 325,B−2018 ANTWERPEN 1,Belgium
【Fターム(参考)】