説明

景品交換システム

【課題】遊技店側が簡便且つ合理的な手段によってワゴンサービス会社から場代を徴収することが可能な景品交換システムを提供する。
【解決手段】景品交換システムでは、リモコンによりワゴン情報が入力された場合には、計数機からワゴンレシート11を発行する。このとき、ワゴンレシート11は、獲得した遊技媒体数M3、管理装置により設定されたワゴンサービス用の交換単価に基づいた景品数M4、及びワゴンサービスに対して発行されたレシートであることを示すワゴンマークM6を記録する。これにより、ワゴンサービス専用の機器を設けることなく、従来の景品交換システムのプログラムを変更するだけで、ワゴンサービスの利用状況に応じて場代を徴収することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を対価として商品を提供する景品交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技店においては、遊技媒体を対価として遊技客に飲食物などの商品を提供する所謂ワゴンサービスを実施することが一般的になっている。このようなワゴンサービスは、ワゴンサービス会社が遊技店に所謂場代を支払うことによって遊技店内でサービスを実施しているという運営形態が多く、ワゴンサービスを効率化するためのシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−190056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のワゴンサービスの運営形態では、一旦換金して得た売上金から上述した場代を支払う、或いは、後日別途決済するなどの手間がかかり、遊技店及びワゴンサービス会社の双方にとって効率が悪かった。一方、ワゴンサービスに対して一定額の場代を徴収すると、ワゴンサービスが利用されないにも関わらず場代だけが徴収され、ワゴンサービス会社が不合理に感じることもあった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技店側が簡便且つ合理的な手段によってワゴンサービス会社から場代を徴収することが可能な景品交換システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技客が遊技機での遊技により獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された遊技媒体数を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、前記記録媒体に記録された遊技媒体数、及び景品毎に設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出する景品数算出手段と、を備えた遊技店における景品交換システムにおいて、遊技媒体を対価として遊技客に商品を提供するワゴンサービスにより獲得した遊技媒体であることを示すワゴン情報を前記記録媒体発行手段に対して入力するためのワゴン情報入力手段と、前記ワゴンサービスの担当者がワゴンサービスの対価として獲得した遊技媒体を景品と交換する際の交換単価を設定するワゴン用単価設定手段と、を備え、前記記録媒体発行手段は、前記ワゴン情報入力手段により前記ワゴン情報が入力されたときは、当該ワゴン情報を記録したワゴン用記録媒体を発行し、前記景品数算出手段は、前記ワゴン用記録媒体に記録された遊技媒体数、及び前記ワゴン用単価設定手段により設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記ワゴンサービスにより提供した商品の情報を記憶するワゴン情報記憶手段と、前記ワゴン用記録媒体に記録された遊技媒体数と、前記ワゴン情報記憶手段に記憶されたワゴン情報とを対応付けた状態で出力するワゴン情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、遊技客が遊技機での遊技により獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、遊技客のID情報を特定するID情報特定手段と、前記計数手段により計数された遊技媒体数を、前記ID情報特定手段が特定した遊技客のID情報と対応付けた貯蓄情報として記憶する貯蓄情報記憶手段と、前記貯蓄情報記憶手段により記憶された貯蓄情報が示す遊技媒体数、及び景品毎に設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出する景品数算出手段と、を備えた遊技店における景品交換システムにおいて、
遊技媒体を対価として遊技客に商品を提供するワゴンサービスの担当者のID情報を特定するワゴンID情報特定手段と、前記ワゴンサービスの担当者がワゴンサービスの対価として獲得した遊技媒体を景品と交換する際の交換単価を設定するワゴン用単価設定手段と、を備え、前記貯蓄情報記憶手段は、前記計数手段により計数された遊技媒体数を、前記ワゴンID情報特定手段が特定したID情報と対応付けたワゴン貯蓄情報として記憶可能であり、前記景品数算出手段は、前記ワゴン貯蓄情報により示される遊技媒体数、及び前記ワゴン用単価設定手段により設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、ワゴン情報入力手段によりワゴン情報が入力された場合にはワゴン用記録媒体を発行するので、ワゴンサービス専用の機器を設けることなく、従来の景品交換システムのプログラムを変更するだけで、ワゴンサービスの利用状況に応じて場代を徴収することが可能になり、ワゴンサービス会社と遊技店との間で特別な決済処理を行う必要もなく、非常に簡便且つ合理的に場代を徴収することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、ワゴン用記録媒体に記録された遊技媒体数とワゴン情報記憶手段に記憶されたワゴン情報とを対応付けた状態で出力するので、ワゴンサービスの利用状況を容易に確認することができ、ワゴンサービス会社が適正に景品交換を行っているかどうかを把握することができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、遊技媒体を当日中に景品交換することなく一旦貯蓄し、後日景品交換できるシステム(所謂貯玉システム)を導入している遊技店においても、ワゴンサービスの利用状況に応じて場代を徴収することが可能になり、ワゴンサービス会社と遊技店との間で特別な決済処理を行う必要もなく、非常に簡便且つ合理的に場代を徴収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による景品交換システムの構成を概略的に示す図
【図2】通常レシートを示す図
【図3】管理装置が記憶する特殊景品交換単価設定を示す図
【図4】ワゴンレシートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態による景品交換システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、景品交換システム1の全体構成を概略的に示している。遊技店内には、複数台の遊技機2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出装置3が設置されている。これら遊技機2及び貸出装置3は、LAN4を介して管理装置5に接続されている。尚、各遊技機2及び貸出装置3は、図示しない中継端末を介してLAN4に接続する構成であってもよい。また、遊技店内には、数百台の遊技機2が設置されている。
【0014】
遊技機2は、所謂デジパチとして周知のパチンコ機、或いは所謂スロットマシンとして周知のパチスロ機などである。遊技機2としてのパチンコ機は、遊技客がパチンコ玉(遊技媒体)を盤面に発射してそのパチンコ玉が入賞口に入賞すると、その入賞に応じた数のパチンコ玉の払出し、或いは大当たり抽選などを行う。この大当たり抽選では、所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口が開放され、遊技客は払出されたパチンコ玉を獲得する。このため、大当たりの回数が多いほど、また、確率変動や時短状態が多いほど、遊技客は多くの出玉を獲得することができる。
【0015】
遊技機2としてのパチスロ機は、遊技客がメダル(遊技媒体に相当)を投入してスタートレバーを操作すると、内部抽選を実行した後、例えば左リール、中リール、右リールの3つのリールを回転始動する。この状態で遊技客がストップボタンを操作すると、内部抽選の結果に応じて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リールを内部当選役の種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。このとき、有効ライン上に当選図柄が停止表示されると入賞となり、例えば所謂小役が入賞した場合には対応する枚数のメダルの払出し、或いはボーナス役が入賞した場合には、メダルを大量に獲得することができるボーナス状態が発生する。
【0016】
貸出装置3は、貨幣を投入する貨幣投入口、会員カードを挿入するカード挿入口などを備えた所謂CRユニットとして構成されている。貸出装置3は、CPUからなる制御部、RAM及びROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部などを備えており、貨幣が投入された状態で遊技客により貸出釦が操作されると、払出単位の遊技媒体を遊技機2の受皿に払出す。このとき、払出した遊技媒体の数に応じた信号を管理装置5に出力する。尚、貸出装置3の上部には動作状態を示す動作ランプが設けられており、不具合が生じた場合などに点灯し、例えば遊技店の従業員に報知する。
【0017】
このような遊技機側の装置(遊技機2、貸出装置3など)からは、遊技の進行に応じて、投入媒体数(打ち込んだパチンコ玉や投入したメダルの数)を特定可能なアウト信号、払出媒体数(払出されたパチンコ玉やメダルの数)を特定可能なセーフ信号、ボーナス状態を特定可能なボーナス信号(ボーナス状態中にレベル出力)などの各種の遊技信号が出力される。これら各遊技信号は、LAN4を介して管理装置5に出力される。
【0018】
管理装置5(ワゴン用単価設定手段、ワゴン情報記憶手段、ワゴン情報出力手段に相当)は、CPUからなる制御部、HDD(ハードディスク装置)、RAM、ROMからなる記憶部(ワゴン情報記憶手段に相当)、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部、モニタ5a及び図示しないプリンタなどからなる出力部(ワゴン情報出力手段に相当)を備えている。管理装置5は、遊技店内の例えば事務所などに設置され、LAN4を介して遊技機2側の装置と接続されており、遊技機2及び貸出装置3との間で情報を送受信し、受信した遊技信号に基づいて、周知の出玉率などの遊技情報を集計及び管理する。
【0019】
計数機6(計数手段、記録媒体発行手段、ワゴン情報記憶手段に相当)は、複数の遊技機2が設置されている遊技機島毎に設けられた所謂島端計数機であり、遊技店内に複数設置されている。計数機6は、遊技客が遊技により獲得した獲得玉を受入する受入口6a、計数情報等の各種情報を表示すると共に従業員からの入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部6b、計数した遊技媒体数を特定可能な情報が印字されたレシート(記憶媒体、ワゴン用記録媒体に相当)を発行するレシート発行口6c、従業員が所持するリモコン8からの操作信号を受光するリモコン受光部6d等を備えて構成されている。
【0020】
この計数機6は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部(ワゴン情報記憶手段に相当)、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部を備えている。計数機6は、例えばROMなどに記憶されている制御プログラムにしたがって動作し、遊技客が獲得した獲得媒体が受入口6aから受入れられると、受入口6aの奥に設けられている図示しない計数センサにより受入れた遊技媒体を計数し、計数を終了すると、獲得媒体数及び精算ボタンを液晶表示部6bに表示し、精算ボタンが押下された場合にレシート発行口6cからレシートを発行する。
【0021】
図2は、遊技客により獲得された遊技媒体を記録した通常レシート10(記録媒体に相当)を示している。通常レシート10には、遊技店名M1(パーラー○○○)、発行時刻M2(2009年8月20日 15:30)、遊技客が獲得した遊技媒体数M3(10000個)、景品数(400個)、これらの情報がまとめて記号化されたバーコードM5が印字(記録)されている。尚、景品数M4は、景品1個が100円に設定されている場合の個数である。
【0022】
また、計数機6は、遊技店の従業員が携帯するリモコン8(ワゴン情報入力手段に相当)から各種の操作が入力可能に構成されている。リモコン8には、7セグ表示部及び複数のボタンが設けられており、従業員は任意の操作を計数機6に対して入力する。ボタンとしては、数値入力用のテンキーや、ワゴンサービスの担当者の遊技媒体を計数する時に押下する「ワゴン計数」ボタンなどが設けられている。従業員は、ワゴンサービス担当者の遊技媒体を計数するときには、「ワゴン計数」ボタンを押下することにより、ワゴンサービスにより獲得した遊技媒体であることを示すワゴン情報をワゴン計数信号として計数機6に送信する。このとき、リモコン8の7セグ表示部には、押下されたボタンの種類などの操作内容に関する情報が表示される。尚、ここでいうリモコン8は、従業員が通常の業務に利用するために携帯しているものを想定している。
【0023】
POS端末7(景品数算出手段、ワゴン情報記憶手段に相当)は、遊技店内の景品交換カウンタに設置され、遊技店の従業員により操作される。POS端末7は、例えば遊技客が提出した通常レシート10から計数値や景品情報を示すバーコードM5を図示しないスキャナで読み取り、対応する数の景品(例えば、特殊景品)の数を算出する。POS端末7は、表面にタッチパネルを有した液晶パネルより構成される表示部7a、及び各種の操作キーを有した操作パネル7bが備えられている。POS端末7の操作パネル7bには、複数種類の景品(例えば、タバコやチョコレートなど数十玉で交換可能な景品)を選択するための複数の景品ボタン、或いは、他の一般景品(数玉で交換可能な景品)を選択するための端玉ボタン、交換する景品を確定する交換ボタンなどが設けられている。
【0024】
このような構成の景品交換システム1が設置された遊技店において、ワゴンサービスの担当者は、ドリンク類、軽食類或いはタバコなどの商品が準備されているワゴンサービスカウンタ9にて待機し、或いは遊技客のところまで出向いて注文をとり、その注文に応じて遊技媒体を対価として商品を提供する。ワゴンサービスの担当者は、例えば一日の営業が終了すると、獲得した遊技媒体をまとめて計数機6にて計数した後、POS端末7において特殊景品と交換する。尚、特殊景品は周知の買取所で買い取ってもらうことにより現金化することができる。
【0025】
このとき、従来では、遊技客の交換単価で交換し、その後に場代を支払うなどの決済を行っていたのに対し、本実施形態では、通常の遊技により獲得された遊技媒体であるか、ワゴンサービスによって獲得された遊技媒体であるかによって、異なる交換単価で特殊景品の交換を行っている。
図3(a)は、管理装置5により設定及び記憶される特殊景品交換単価設定を示している。この特殊景品交換単価設定には、以下の項目が設定されている。
遊技玉=パチンコ機に対する交換単価
遊技メダル=パチスロ機に対する交換単価
【0026】
また、特殊景品交換単価設定には、これら「遊技玉」及び「遊技メダル」に対して、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体に対する交換単価である「通常」と、ワゴンサービスによる獲得した遊技媒体に対する交換単価である「ワゴン」が設定されている。図3の場合、遊技客が獲得した遊技媒体に対しては、パチンコ機では1玉が4円(「遊技玉」の「通常」)、パチスロ機であれば1メダルが20円(「遊技メダル」の「通常」)に設定されている。一方、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体に対しては、パチンコ機では1玉が3円(「遊技玉」の「ワゴン」)、パチスロ機であれば1メダルが15円(「遊技メダル」の「ワゴン」)に設定されている。つまり、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体に対する交換単価であるワゴン単価と、通常の遊技により獲得された遊技媒体に対する交換単価である通常単価との間には、ワゴン単価=0.75×通常単価の関係がある。尚、この特殊景品交換単価設定は、計数機6及びPOS端末7にも記憶され、管理装置5において設定値が変更された場合には、計数機6及びPOS端末7が記憶する特殊景品交換単価設定も変更される。
【0027】
さて、ワゴンサービスの担当者がワゴンサービスにより獲得した遊技媒体、即ち、商品の対価として遊技客から受け取った遊技媒体を計数する場合、遊技店の従業員は、リモコン8を用いて、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体であることを示すワゴン情報を計数機6に送信する。ワゴン情報が入力された計数機6は、通常レシート10の代わりに、ワゴンサービスにより獲得された遊技媒体数を記録したレシート(後述するワゴンレシート11。ワゴン用記録媒体に相当)を発行する。この場合、ワゴンレシート11の発行は、計数機6を新規に交換しなくとも、従来のプログラムを変更して印字内容を変更することにより可能になる。
【0028】
図4は、ワゴンレシート11を示している。ワゴンレシート11には、通常レシート10(図2参照)と同様に、遊技店名M1、発行時刻M2、遊技客が獲得した遊技媒体数M3(10000玉)、景品数(300玉)、これらの情報がまとめて記号化されたバーコードM5が記録されている。さらに、ワゴンレシート11にはワゴンサービスに対して発行されたレシートであることを示すワゴンマークM6(図4では「◆ワゴン◆」)が記録されており、POS端末7の係員(遊技店の従業員)は、目視によりワゴンサービス用に発行されたレシートであることを認識できる。勿論、バーコードM5にもワゴンサービス用のレシートであることが記録されているので、POS端末7の操作時に通常と異なる作業が必要になることもない。
【0029】
ワゴンサービスの担当者は、このワゴンレシート11をPOS端末7にて特殊景品と交換することにより、ワゴンサービスによる売上金を得ることができる。このとき、POS端末7は、ワゴンレシート11と特殊景品との交換を、図3(a)に示す特殊景品交換単価設定に設定された交換単価に基づいて行う。具体的には、図2に示す通常レシート10又は図4に示すワゴンレシート11のようにパチンコ玉を10000玉交換する場合には、遊技客、ワゴンサービス会社及び遊技店がそれぞれ獲得する特殊景品(又は金額)は、以下の様になる。
【0030】
遊技客 :10000玉×4円=40000円分の特殊景品を獲得
ワゴンサービス会社:10000玉×3円=30000円分の特殊景品を獲得
遊技店 :10000玉×1円=10000円分を場代として徴収
このように、計数機6及びPOS端末7においてワゴンサービス用の交換単価に基づいてワゴンレシート11を特殊景品と交換することにより、通常と何ら変わらない操作で、ワゴンサービス業者は場代を除く売上金を獲得でき、遊技店は場代を徴収することが可能になる。即ち、ワゴンサービス業者も遊技店も別途場代の徴収や決済をする必要がない。
【0031】
以上説明した本実施形態の景品交換システム1によれば、次のような効果を奏する。
景品交換システム1では、計数機6は、リモコン8によりワゴン情報が入力された場合、通常レシート10の代わりにワゴンレシート11を発行する。このワゴンレシート11にはワゴンサービスにより獲得した遊技媒体数などのワゴン情報が記録されており、特殊景品交換単価設定(図3参照)に設定されている交換単価に基づいて特殊景品との交換が行われる。このとき、ワゴンサービス用の交換単価には、場代として徴収する金額を除いた金額が設定されており、ワゴンサービスの担当者は、ワゴンレシート11を用いて通常の景品交換を行うだけで、ワゴンサービスの売り上げに相当する数の特殊景品の獲得、及び遊技店への場代の支払いを同時に処理することができる。これにより、遊技店側は、ワゴンサービス専用の機器を設けることなく、従来の景品交換システムのプログラムを変更するだけで場代を徴収することが可能になる。したがって、ワゴンサービス会社と遊技店との間で特別な決済処理を行う必要もなく、非常に簡便に場代を徴収することができる。
【0032】
特殊景品交換単価設定を1玉或いは1メダルに対して設定しているので、ワゴンサービスの売り上げに応じて、即ち、ワゴンサービスの利用状況に応じて場代として徴収する金額が増減する。これにより、ワゴンサービスが利用されないにも関わらず場代だけが徴収されるなどの不合理さをワゴンサービス会社が感じることがなくなり、合理的に場代を徴収することができる。
【0033】
ワゴンレシート11にワゴンサービスに対して発行されたレシートであることを示すワゴンマークM6を記録するようにしたので、POS端末7の係員は、目視によりワゴンサービス用に発行されたレシートであることを容易に認識できる。この場合、バーコードM5にもワゴンサービス用のレシートであることが記録されるので、POS端末7の操作時に通常と異なる作業が必要になることもない。
【0034】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張できる。
ワゴンサービスカウンタ9にワゴンサービス用管理端末を設置し、遊技客から受けた注文データを入力して管理するようにしてもよい。注文データには、注文を受けた商品の情報及びその商品の対価となる遊技媒体数が含まれる。
【0035】
ワゴンサービス用管理端末に入力された注文データを管理装置5へ送信し、管理装置5側でも注文データを管理することが可能である。
さらに、管理装置5側で注文データを管理する場合には、その注文データとワゴンレシート11による景品交換データとに基づいて、注文を受けた商品の対価である遊技媒体数と、ワゴンレシート11によって景品交換された遊技媒体数とを照合することが可能となる。この場合、モニタ5aなどの出力手段に、ワゴンレシート11に記録された遊技媒体数とワゴン情報とを対応付けて出力することにより、ワゴンサービス会社が確実且つ適正に景品交換を行っているかどうかの確認をすることができる。
【0036】
特殊景品の交換単価として、図3(a)に示すように遊技玉及び遊技メダルそれぞれの単価を設定するようにしたが、単価の設定に代えて、図3(b)に示すように特殊景品1個(1000円相当)の交換遊技玉数及び遊技メダル数を設定するようにしてもよい。
一実施形態で示した交換単価などの数値は例示であり、これに限定されない。
【0037】
計数機6にて計数した遊技媒体を当日中に景品交換することなく一旦貯蓄し、後日景品交換できるシステム(所謂貯玉システム)を導入するようにしてもよい。貯玉システムにおいては、遊技客毎に遊技媒体数を貯蓄するための口座が設けられ、遊技媒体を計数する際に遊技客のID情報を特定し、そのID情報に対応付けられた口座に遊技媒体数を貯蓄情報として、例えば管理装置5や外部に設置された記憶手段などに記憶することになる。この場合も同様に、ワゴンサービス会社の担当者が遊技媒体を計数した場合には、その遊技媒体数をワゴンサービスの担当者のID情報と対応付けてワゴン貯蓄情報として記憶し、その記憶された遊技媒体数を景品交換する際にワゴンサービス用の交換単価が適用されることになる。これにより、非常に簡便且つ合理的に場代を徴収することができる。
【符号の説明】
【0038】
図面中、1は景品交換システム、2は遊技機、5は管理装置(ワゴン用単価設定手段、ワゴン情報記憶手段、ワゴン情報出力手段、貯蓄情報記憶手段)、6は計数機(計数手段、記録媒体発行手段、ワゴン情報記憶手段、ID情報特定手段、ワゴンID情報特定手段)、7はPOS端末(景品数算出手段、ワゴン情報記憶手段)、8はリモコン(ワゴン情報入力手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客が遊技機での遊技により獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された遊技媒体数を記録した記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、
前記記録媒体に記録された遊技媒体数、及び景品毎に設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出する景品数算出手段と、を備えた遊技店における景品交換システムにおいて、
遊技媒体を対価として遊技客に商品を提供するワゴンサービスにより獲得した遊技媒体であることを示すワゴン情報を前記記録媒体発行手段に対して入力するためのワゴン情報入力手段と、
前記ワゴンサービスの担当者がワゴンサービスの対価として獲得した遊技媒体を景品と交換する際の交換単価を設定するワゴン用単価設定手段と、を備え、
前記記録媒体発行手段は、前記ワゴン情報入力手段により前記ワゴン情報が入力されたときは、当該ワゴン情報を記録したワゴン用記録媒体を発行し、
前記景品数算出手段は、前記ワゴン用記録媒体に記録された遊技媒体数、及び前記ワゴン用単価設定手段により設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出することを特徴とする景品交換システム。
【請求項2】
前記ワゴンサービスにより提供した商品の情報を記憶するワゴン情報記憶手段と、
前記ワゴン用記録媒体に記録された遊技媒体数と、前記ワゴン情報記憶手段に記憶されたワゴン情報とを対応付けた状態で出力するワゴン情報出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の景品交換システム。
【請求項3】
遊技客が遊技機での遊技により獲得した遊技媒体を計数する計数手段と、
遊技客のID情報を特定するID情報特定手段と、
前記計数手段により計数された遊技媒体数を、前記ID情報特定手段が特定した遊技客のID情報と対応付けた貯蓄情報として記憶する貯蓄情報記憶手段と、
前記貯蓄情報記憶手段により記憶された貯蓄情報が示す遊技媒体数、及び景品毎に設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出する景品数算出手段と、を備えた遊技店における景品交換システムにおいて、
遊技媒体を対価として遊技客に商品を提供するワゴンサービスの担当者のID情報を特定するワゴンID情報特定手段と、
前記ワゴンサービスの担当者がワゴンサービスの対価として獲得した遊技媒体を景品と交換する際の交換単価を設定するワゴン用単価設定手段と、を備え、
前記貯蓄情報記憶手段は、前記計数手段により計数された遊技媒体数を、前記ワゴンID情報特定手段が特定したID情報と対応付けたワゴン貯蓄情報として記憶可能であり、
前記景品数算出手段は、前記ワゴン貯蓄情報により示される遊技媒体数、及び前記ワゴン用単価設定手段により設定された交換単価に基づいて、交換可能な景品数を算出することを特徴とする景品交換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−183039(P2011−183039A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53045(P2010−53045)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】