説明

景品交換システム

【課題】記憶媒体に対応付けられた持玉、貸玉、貯玉、プリペイド価値等の有価価値を分割処理する場合に、種別の異なる各種記憶媒体に対応付けられた有価価値を効率良く分割処理することを課題とする。
【解決手段】景品管理装置60の持玉分割処理部66dが、分割元カード及び分割先カードが、会員カード、一般カード及びワゴンカードのいずれであっても、また分割先カードが、あらかじめ持玉数が対応付けられている場合であっても、分割元カードに対応付けられた持玉数の一部を分割先カードに対応付ける持玉分割処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定の記憶媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換システムに関し、特に、記憶媒体に対応付けられた持玉、貸玉、貯玉、プリペイド価値等の有価価値を分割処理する場合に、種別の異なる各種記憶媒体に対応付けられた有価価値を効率良く分割処理することができる景品交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店などの遊技店には、パチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す台間カード処理機が遊技機に併設される事が多い。遊技客は、この台間カード処理機に現金を投入することで、遊技媒体の貸し出しを受けることができるとともに、この台間カード処理機で貯遊技媒体の引出操作を行うことで、再プレイを行うことができる。
【0003】
最近では、かかる台間カード処理機に対して遊技媒体数を計数する計数部を設け、この台間カード処理機の計数部で計数した遊技媒体数を持玉数としてカードIDに対応づけて台間カード処理機並びにカード管理装置で管理するとともに、遊技客が台間カード処理機で持玉払出操作を行うことで、かかる持玉数を所定数ずつ払い出す各台計数機付き台間カード処理機が普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種の各台計数機付き台間カード処理機を用いる場合に、かかる台間カード処理機上で遊技客により持玉分割操作がなされた際に、あらかじめ装置内部に収納された一般カードに対して持玉数の一部を対応付け、これを分割先カードとして発行することで、一人の遊技客が獲得した持玉数を複数人で共有する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−229111号公報
【特許文献2】特開2010−119756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2のものは、あらかじめ台間カード処理機のカード収納部に収納され、持玉数等が対応付けられていない空の一般カードのみしか分割先カードとすることができない。台間カード処理機の表示操作部は、通常7セグメントのLEDや小型液晶で形成されている関係上、様々なパターンの持玉分割の操作を誘導することが難しいためである。
【0007】
このため、上記特許文献2を用いた場合には、会員カードに対応付けられた持玉数の一部を他の会員カードに分割処理することができず、それぞれ会員カードを所持する会員間の持玉共有を行えないと言う問題がある。
【0008】
また、遊技店では、遊技中の遊技客に対して飲物等のワゴンサービスを提供することが多い。かかるワゴンサービスの提供を受ける遊技客が、ワゴンサービスの対価を持玉数を用いて支払う場合には、店員がワゴンカードを台間カード処理機に挿入し、サービスの対価に相当する持玉数を手入力して、遊技客が保有する持玉の一部(対価分)をワゴンカードに移すことになる。ここで、店員が手入力した持玉数が、ワゴンサービスに必要な持玉数を超える場合には、ワゴンカードの持玉数を分割して遊技客に返却することが望まれるが、上記特許文献2では、ワゴンカードに対応付けられた持玉数を分割処理することができないと言う問題もある。
【0009】
以上のことから、種別の異なる各種カードに対応付けられた持玉数をいかに効率良く分割処理するかが重要な課題となっている。かかる課題は、持玉数を対象とする場合だけではなく、貸玉、貯玉、プリペイド価値等の他の有価価値を共有する場合にも同様に生ずる課題である。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、記憶媒体に対応付けられた持玉、貸玉、貯玉、プリペイド価値等の有価価値を分割処理する場合に、種別の異なる各種記憶媒体に対応付けられた有価価値を効率良く分割処理することができる景品交換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、所定の記憶媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換システムであって、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値のうち分割先記憶媒体に対して分割する有価価値の分割数を受け付ける分割数受付手段と、前記分割数受付手段により受け付けた分割数を前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値から減算処理するとともに、前記分割数受付手段により受け付けた分割数を前記分割先記憶媒体に対応付けられた有価価値に対して加算処理して、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行う分割処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記分割元記憶媒体及び前記分割先記憶媒体は、遊技店に会員登録された会員に対して発行された会員用記憶媒体、一般用記憶媒体又はワゴンサービスを提供する際に利用されるサービス用記憶媒体のいずれかであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、景品管理装置を操作する操作者である店員向けの店側表示手段と、前記分割数受付手段により受け付けられる分割数の入力画面を前記店側表示手段に表示制御する表示制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、景品交換を行う遊技客向けの客側表示手段と、会員用記憶媒体の暗証番号入力を行う入力手段と、前記入力手段により入力された暗証番号に基づいて前記会員用記憶媒体の正当性を検証依頼処理する正当性検証依頼処理手段と、前記会員用記憶媒体を前記分割元記憶媒体又は前記分割先記憶媒体として用いる場合の暗証番号入力画面を前記客側表示手段に表示制御する第2の表示制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、景品管理装置を操作する操作者の識別情報に対応付けて前記分割処理手段により分割処理された分割履歴情報を管理する分割履歴情報管理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、景品管理装置を操作する操作者ごとに前記有価価値の分割数の上限値を管理する上限値管理手段をさらに備え、前記分割数受付手段は、操作者により入力された分割数が前記上限値管理手段により管理された当該操作者に対応する分割数の上限値以下である場合に、入力された有価価値の分割数を受け付けることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記分割処理手段は、遊技店内に配設された遊技機が複数のグループに区分され、同一グループに属する遊技機間でのみ台移動が許容され、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行う場合に、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値と同一の利用可能グループを前記分割先記憶媒体に設定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記の発明において、前記分割処理手段は、遊技店内に配設された遊技台の台移動が禁止されている場合には、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行わないことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記の発明において、前記分割処理手段は、前記分割元記憶媒体が前記サービス用記憶媒体である場合には、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を許容することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記の発明において、前記分割処理手段による分割処理結果を前記分割元記憶媒体又は前記分割先記憶媒体に対応付けられない場合には、前記分割処理結果を印字したレシートを発行するレシート発行手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、所定の記憶媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換システムであって、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値のうち分割処理後に分割元記憶媒体に残す有価価値の残数を受け付ける残数受付手段と、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値から前記残数受付手段により受け付けた残数を減算処理した値を前記分割先記憶媒体に対応付けられた有価価値に対して加算処理するとともに、前記分割元記憶媒体に対して前記残数受付手段により受け付けた残数を対応付けて、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行う分割処理手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値のうち分割先記憶媒体に対して分割する有価価値の分割数を受け付け、受け付けた分割数を分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値から減算処理するとともに、この分割数を分割先記憶媒体に対応付けられた有価価値に対して加算処理して、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を景品管理装置において行うよう構成したので、台間カード処理機の場合と異なり、種別の異なる各種記憶媒体に対応付けられた有価価値を柔軟かつ効率良く分割処理することができる。特に、事前に有価価値が対応付けられている記憶媒体に関しても分割先記憶媒体として取り扱うことができ、有価価値の共有に関する遊技客のニーズに対応することが可能となる。
【0023】
また、本発明によれば、分割元記憶媒体及び分割先記憶媒体は、遊技店に会員登録された会員に対して発行された会員用記憶媒体、一般用記憶媒体又はワゴンサービスを提供する際に利用されるサービス用記憶媒体のいずれかとなるよう構成したので、台間カード処理機で分割処理を行う場合のような制約がなくなり、様々な記憶媒体を用いた分割処理と言う遊技客のニーズに対応することができる。特に、ワゴンカードのようなサービス用記憶媒体を分割対象とすることにより、有価価値を取り過ぎた場合の返却を容易に行うことができる。
【0024】
また、本発明によれば、景品管理装置を操作する操作者である店員向けの店側表示手段を設け、分割数の入力画面を店側表示手段に表示制御するよう構成したので、遊技店の顧客サービスとして店員が有価価値の分割操作を行うことができる。
【0025】
また、本発明によれば、景品交換を行う遊技客向けの客側表示手段を設け、会員用記憶媒体を分割元記憶媒体又は分割先記憶媒体として用いる場合の暗証番号入力画面を客側表示手段に表示制御するよう構成したので、会員用記憶媒体を分割元記憶媒体又は分割先記憶媒体として利用することができる。
【0026】
また、本発明によれば、景品管理装置を操作する操作者の識別情報に対応付けて分割履歴情報を管理するよう構成したので、店員による誤った分割操作又は不正な分割操作が行われたか否かを検証することができる。
【0027】
また、本発明によれば、景品管理装置を操作する操作者ごとに有価価値の分割数の上限値を管理しておき、操作者により入力された分割数が当該操作者に対応する分割数の上限値以下である場合に、入力された有価価値の分割数を受け付けるよう構成したので、店員による多量分割操作と言う不正行為を未然に防止することができる。
【0028】
また、本発明によれば、遊技店内に配設された遊技機が複数のグループに区分され、同一グループに属する遊技機間でのみ台移動が許容され、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行う場合に、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値と同一の利用可能グループを分割先記憶媒体に設定するよう構成したので、グループ内での台移動が許容される運用に有価価値の分割処理を適合させることができる。
【0029】
また、本発明によれば、遊技店内に配設された遊技台の台移動が禁止されている場合には、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行わないこととしたので、意味のない分割処理を抑制することができる。
【0030】
また、本発明によれば、分割元記憶媒体がサービス用記憶媒体である場合には、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を許容することとしたので、台移動に制限が設けられている場合であっても、台移動と無関係なサービスに用いるサービス用記憶媒体の分割処理を実施することができる。
【0031】
また、本発明によれば、分割処理結果を分割元記憶媒体又は分割先記憶媒体に対応付けられない場合には、分割処理結果を印字したレシートを発行するよう構成したので、有価価値の分割処理の途中で障害等が発生した場合であっても、レシートに印字した分割処理結果を再度読み込むことで分割処理を完遂することができる。
【0032】
また、本発明によれば、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値のうち分割処理後に分割元記憶媒体に残す有価価値の残数を受け付け、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値から残数を減算処理した値を分割先記憶媒体に対応付けられた有価価値に対して加算処理するとともに、分割元記憶媒体に対して残数を対応付けて、分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行うよう構成したので、台間カード処理機の場合と異なり、種別の異なる各種記憶媒体に対応付けられた有価価値を柔軟かつ効率良く分割処理することができる。特に、事前に有価価値が対応付けられている記憶媒体に関しても分割先記憶媒体として取り扱うことができ、有価価値の共有に関する遊技客のニーズに対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した景品管理装置及びリーダライタの外観構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示した客側表示部の表示の一例を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した景品管理装置の内部構成を示す図である。
【図5】図5は、図3に示した操作者管理テーブル及び運用制限テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、図4に示した景品管理装置による持玉分割処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、持玉分割時の表示画面の一例(1)を示す図である。
【図8】図8は、持玉分割時の表示画面の一例(2)を示す図である。
【図9】図9は、持玉分割時の表示画面の一例(3)を示す図である。
【図10】図10は、持玉分割時の表示画面の一例(4)を示す図である。
【図11】図11は、持玉分割時に出力するレシートの一例を示す図である。
【図12】図12は、持玉分割リストを示すレシートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る景品交換システムの好適な実施例を詳細に説明する。以下では、記憶媒体がカードであり、このカードに関連付けられる持玉を分割対象とする場合を中心に説明することとする。
【実施例】
【0035】
まず、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。本発明に係る景品交換システムは、この遊技媒体処理システムに含まれる。同図に示すように、この遊技媒体処理システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、島端計数機80と、精算機90とが通信回線100を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線100に接続されて遊技島を形成する。また、景品管理装置60にはリーダライタ70が接続されて景品カウンターに設置される。
【0036】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
【0037】
この台間カード処理機10には、遊技客が獲得した玉数を計数する各台計数機が設けられている。この各台計数機で計数された玉数は、持玉数として台間カード処理機10内部のメモリに記憶される。遊技客が所定の持玉払出操作を行うと、この持玉数から所定数が減算処理されるとともに、所定数の玉がノズルを介して遊技機20の上皿に投出される。
【0038】
また、遊技客が、所定のカード返却操作を行うと、台間カード処理機10内部のメモリに記憶した持玉数がカードに記憶されるとともに、該カードのカードID、持玉数及び当該台間カード処理機10が属するグループ情報がカード管理装置40に通知され、その後にカードが排出される。このため、遊技客は、このカードを他の遊技機20に併設された台間カード処理機10に挿入して持玉払出操作を行うことで、他の遊技機で遊技を行うことができる。また、現金で遊技を開始する遊技客のために、台間カード処理機10には予め複数枚の一般カードが収納されている。
【0039】
なお、遊技店内に配設された遊技機20及び台間カード処理機10が複数のグループにグループ分けされ、遊技客による持玉を用いた台移動がグループ内でのみ許可される運用がなされる場合がある。この場合には、台移動を行う前の台間カード処理機10の識別情報と台移動後の台間カード処理機10の識別情報が同一のグループに属する場合にのみ、台移動後の持玉払出操作が有効となる。具体的には、台移動を行う前の台間カード処理機10からカードを排出処理する時点で持玉数とともにグループ情報が該カードに書き込まれ、カードID、持玉数及びグループ情報がカード管理装置40に送信される。その後、このカードが台移動後の台間カード処理機10に挿入されたならば、台間カード処理機10がこのカードのカードIDに対応する持玉数及びグループ情報をカード管理装置40に問い合わせ、同一グループに属する場合にはカード管理装置40から台間カード処理機10に持玉数が通知されることになる。なお、グループが異なる場合には、台間カード処理機10に持玉数は通知されず、台間カード処理機10の表示部にエラー表示がなされる。
【0040】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカード情報として管理する管理装置である。このカード情報は、プリペイド価値、持玉数及びグループ情報がカードIDに対応付けられた情報である。
【0041】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID、持玉数及びグループ情報を受信したならばカード情報を更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDのグループ情報と台移動後の台間カード処理機10のグループ情報が一致するか否かを確認し、グループ情報が一致する場合には、該カードIDに対応する持玉数を台間カード処理機10に通知する。
【0042】
また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数及びグループ情報を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機90からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応するプリペイド価値を精算機90に対して通知する。
【0043】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、会員の氏名及び住所等の会員データ並びに貯玉データ等を管理する。なお、本実施例では貯玉の分割処理についての説明を省略するが、持玉分割処理と同様に行うことができる。
【0044】
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置60には、リーダライタ70が接続されている。なお、かかる景品管理装置60には、特殊景品を払い出す景品払出装置が接続されるが、ここでは説明の便宜上景品払出装置についての説明を省略する。
【0045】
また、この景品管理装置60は、分割元カードに対応付けられた持玉数の一部を分割先カードに対応付ける持玉分割処理を行う。遊技客が、持玉が対応付けられた分割元カードを景品交換カウンターに持ち込むと、この分割元カードを受け取った店員が、景品管理装置60上で所定の持玉分割操作を行うことで、分割元カードに対応付けられた持玉数の一部を分割先カードに分割処理する。
【0046】
ここで、この景品管理装置60での持玉分割時に利用される分割元カード及び分割先カードは、会員カード、一般カード及びワゴンカードのいずれであっても良い。会員カードから会員カードへの持玉分割、一般カードから会員カードへの持玉分割、ワゴンカードから一般カードへの持玉分割等、様々なニーズに応じた持玉分割を行うことができる。従来の台間カード処理機10の持玉分割処理では、分割先カードが一般カードのみに制限されていたが、本実施例に係る景品管理装置60では、様々なカードを分割元カード及び分割先カードとすることができる。
【0047】
また、この景品管理装置60での持玉分割時に利用される分割先カードは、あらかじめ持玉数が対応付けられていても良い。従来の台間カード処理機10の持玉分割処理では、持玉数が対応付けられていない一般カードのみに分割先カードが制限されていたが、本実施例に係る景品管理装置60では、事前に持玉数が対応付けられているカードを分割先カードとすることができる。
【0048】
また、この景品管理装置60によれば、持玉分割操作を実行可能な店員(店員ID)を事前に登録し、登録された店員しか同操作を行えなくなっている。そして、持玉分割操作を行った店員毎の持玉分割結果の履歴を確認することができる。さらに、操作者である店員毎の持玉分割の上限値を設定し、大量の持玉分割処理に制限を課することで店員による不正行為を防止できる。また、遊技店内での台移動が禁止されている場合には、持玉分割処理を禁止することもできる。さらに、遊技店内に配設された複数の遊技機20及び台間カード処理機10を複数のグループに区分し、グループ内の台移動のみが許容されている場合には、分割元カードに対応付けられたグループ情報を分割先カードが受け継ぎ、同一グループ内でのみ持玉共有を行わせることにより、店内の運用ルールを維持したまま持玉分割を実行できる。なお、ワゴンカードについては台移動と無関係であるため、常に持玉分割を行うことができる。
【0049】
また、この景品管理装置60によれば、持玉分割処理の途中でリーダライタ70等に障害が発生し、持玉分割結果を分割元カード又は分割先カードに対応付けられない場合に、持玉分割結果をレシート発行することもできる。別の景品管理装置にてかかるレシートを読み取ることで、持玉分割結果を分割元カード又は分割先カードに対応付け、持玉分割結果を反映させることが可能となる。
【0050】
島端計数機80は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得した玉数を計数し、計数値をカードに関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機90は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0051】
次に、図1に示した景品管理装置60及びリーダライタ70の外観構成を示す図である。図2は、図1に示した景品管理装置60及びリーダライタ70の外観構成を示す図である。同図(a)には正面上方から見た景品管理装置60の斜視図を示し、同図(b)には景品管理装置60及びリーダライタ70の背面図を示している。
【0052】
図2(a)に示すように、景品管理装置60の前面には、店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及びバーコードリーダ67が設けられている。ここでは、説明の便宜上図示省略したが、電源スイッチやメモリカード差込口なども設けられる。
【0053】
店側表示部61は、操作者である遊技店の店員用の表示部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部61には、景品交換内容や操作ガイダンスなどが表示される。操作部62は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、景品交換操作入力及び持玉分割操作入力に使用される。レシート発行部63は、登録リスト及び集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。バーコードリーダ67は、レシートに印字されたバーコードを読み取って、情報内容を特定する。
【0054】
図2(b)に示すように、景品管理装置60の背面には、遊技客用の客側表示部64が設けられている。この客側表示部64は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。例えば、この客側表示部64を蛍光表示管で形成し、持玉分割処理を行う場合には、図3に示すように「現在玉数」及び「分割玉数」等を表示することができる。遊技客は、この客側表示部64の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる現在玉数や分割玉数を把握することができる。
【0055】
また、この景品管理装置60にはリーダライタ70が接続されており、このリーダライタ70には、表示操作部71、かざし部72、カード挿入口73及び扉カギ74が設けられている。表示操作部71は、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなり、カードの読み取り状況等が表示される。なお、会員カードの場合には、この表示操作部71を用いて暗証番号が入力される。
【0056】
かざし部72は、非接触ICカード又はいわゆるおサイフ携帯電話機との間で非接触でデータの授受を行うためのかざし部であり、カード挿入口73は、会員カード、一般カード及びワゴンカードを挿入する挿入口である。なお、本実施例では、説明の便宜上、このカード挿入口73にカードを挿入する場合について説明するが、かざし部72を介して非接触でデータ授受を行う場合に適用することもできる。
【0057】
なお、遊技客は、景品管理装置60の背面に存在する客側表示部64を確認しつつ、必要に応じてリーダライタ70にカードを挿入するとともに、リーダライタ70を用いて暗証番号入力を行うことになる。ただし、持玉分割操作については、遊技店の店員が実施するため、遊技客が操作を行う必要はない。
【0058】
次に、図1に示した景品管理装置60の内部構成について説明する。図4は、図1に示した景品管理装置60の内部構成を示す図である。同図に示すように、この景品管理装置60は、リーダライタ70に接続されている。
【0059】
景品管理装置60は、すでに説明した店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及び客側表示部64と、記憶部65と、制御部66とを有する。記憶部65は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、操作者管理テーブル65a、運用制限テーブル65b及びログデータ65cを記憶する。なお、ここでは説明の便宜上、本実施例に係る持玉分割処理と関連しない景品管理データ等については図示省略している。
【0060】
操作者管理テーブル65aは、景品管理装置60を操作する店員の店員IDと、該店員を認証するための暗証番号と、持玉分割操作を行う際の分割入力上限値とを対応付けて記憶するテーブルである。図5(a)は、操作者管理テーブル65aの一例を示す図である。ここでは、店員ID「3001」の店員について、暗証番号が「1234」、分割入力上限値が「5000玉」であり、店員ID「3002」の店員について、暗証番号が「5678」、分割入力上限値が「10000玉」である状況を示している。分割入力上限値は、権限を有する管理者が、各店員の職位や信頼度に基づいて、予め設定入力しておくものとする。
【0061】
運用制限テーブル65bは、遊技客による遊技機20の台移動の運用制限に関する情報を記憶するテーブルである。図5(b)は、運用制限テーブル65bの一例を示す図である。ここでは、台移動「不可」、グループ内台移動「可」、レート間台移動「不可」となる状況を示している。すなわち、ここでは台移動の無条件移動は認められないものの、同一のグループに属する遊技機20の台移動は可能であり、また貸出レートの異なる台移動も認められない状況を示している。
【0062】
ログデータ65cは、景品管理装置60の操作員である店員による操作履歴を蓄積したログデータである。具体的には、店員の店員IDごとに持玉分割処理結果を蓄積する。このため、かかるログデータ65cを参照すれば、店員ごとの持玉分割処理結果を抽出することができ、店員による不正な持玉分割処理がなされたか否か等を容易に把握することが可能となる。
【0063】
制御部66は、景品管理装置60を全体制御する制御部であり、景品管理部66a、会員サービス処理部66b、認証処理部66c、持玉分割処理部66d、履歴データ表示制御部66e及び設定処理部66fを有する。
【0064】
景品管理部66aは、図示しない景品管理データを用いて景品管理装置60の取扱対象となる景品種別並びにその在庫状況等を管理する管理部であり、会員サービス処理部66bは、会員登録処理並びに図示しない会員データを用いて会員データを管理する管理部である。
【0065】
認証処理部66cは、景品管理装置60の操作者が正当な店員であるか否かを認証する処理部である。具体的には、操作者により入力された店員ID及び暗証番号と操作者管理テーブル65aに記憶する店員ID及び暗証番号が一致すれば、正当な操作者であると判定することになる。
【0066】
持玉分割処理部66dは、分割元カードに対応付けられた持玉数の一部を分割先カードに対応付ける持玉分割処理を行う処理部である。この持玉分割処理部66dは、分割元カード及び分割先カードが、会員カード、一般カード及びワゴンカードのいずれであっても持玉分割処理を行うことができる。また、分割先カードが、あらかじめ持玉数が対応付けられている場合であっても持玉分割処理を行うことができる。
【0067】
また、持玉分割処理部66dは、操作者管理テーブル65aで管理される分割入力上限値を超える持玉分割操作がなされた場合には、該持玉分割操作を無効にする。さらに、運用制限テーブル65bで台移動が禁止されている場合には、持玉分割処理を禁止する。
【0068】
また、持玉分割処理部66dは、運用制限テーブル65bでグループ内台移動が許可されている場合には、分割元カードに対応付けられたグループ情報を分割先カードのグループ情報として対応付ける。ただし、ワゴンカードについては台移動と無関係であるため、常に持玉分割を可能とする。
【0069】
また、持玉分割処理部66dは、持玉分割処理の途中でリーダライタ70等に障害が発生し、持玉分割結果を分割元カード又は分割先カードに対応付けられない場合には、持玉分割結果をレシート発行するようレシート発行部63に対して指示する。レシートには、失敗した分割処理に関する情報が視認可能に印字されるとともに、同様の情報が機械読み取り可能にバーコードとして印字される。なお、持玉分割処理部66dは、持玉分割処理を終えたならば、持玉分割処理結果を店員IDに対応付けてログデータ65cに蓄積する。
【0070】
履歴データ表示制御部66eは、店員による持玉分割処理結果を店側表示部61に表示制御する制御部である。具体的には、店員の店員IDが入力されたならば、この店員IDに対応する持玉分割処理結果をログデータ65cから検索し、検索された持玉分割処理結果を店側表示部61に表示制御することになる。これにより、店員による持玉分割処理結果を一目で把握することが可能となる。
【0071】
設定処理部66fは、店員の店員ID、店員の分割入力上限値、台移動・グループ内台移動・レート間台移動の可・不可等を設定する処理部である。景品管理装置60の操作部62を用いて所定の設定操作がなされると、店側表示部61に設定画面が表示され、この設定画面上で店員の店員ID、店員の分割入力上限値、台移動・グループ内台移動・レート間台移動の可・不可等が設定されると、設定内容が操作者管理テーブル65a及び運用制限テーブル65b等に設定される。
【0072】
次に、図4に示した景品管理装置60による持玉分割処理手順について説明する。図6は、図3に示した景品管理装置60による持玉分割処理手順を示すフローチャートであり、図7〜図11は、持玉分割時の表示画面の一例を示す図である。
【0073】
持玉分割処理したいカードが景品カウンターに持ち込まれると、まず、店員は、景品管理装置60の操作部62を用いて所定の持玉分割操作を行う。具体的には、図7(a)に示すように店側表示部61に「待機中」の表示が行われる状態で所定の専用キー(操作部62或いは店側表示部61中に設定される)が押下操作されると、図7(b)に示す選択画面が店側表示部61に表示される。ここで、テンキーを用いて「2.持玉分割」が選択されると、図7(c)に示す暗証番号の入力画面が店側表示部61に表示される。
【0074】
ここで、店員がテンキーを用いて暗証番号を入力すると認証処理が実行される(ステップS101)。具体的には、入力された暗証番号が操作者管理テーブル65aに登録されている場合には、認証処理が成功であると判定される。その結果、認証が失敗した場合には(ステップS102:No)、店側表示部61に所定のエラー表示を行って処理を終了する。なお、持玉分割処理の実行を許可されていない店員の場合は、暗証番号の入力画面に移行することなく拒否される。
【0075】
これに対して、暗証番号が正しく入力され認証処理が成功した場合には(ステップS102:Yes)、リーダライタ70により持玉数Aが対応付けられた分割元カードを受け入れる(ステップS103)。具体的には、図8(a)に示す分割元入力画面を表示し、一般カードが挿入された場合には、図8(c)に示す分割元カードの状況を表示する。同様に、ワゴンカードが挿入された場合も図8(c)に示す分割元カードの状況を表示する。一方、会員カードが挿入された場合には、図8(b)に示す暗証番号入力画面を表示し、リーダライタ70により暗証番号が入力されたならば、図8(c)に示す分割元カードの状況を表示する。
【0076】
そして、図9(a)に示すように分割数Bを受け付けると(ステップS104)、分割元カードの持玉数Aから分割数Bを減算処理した値を分割元カードの新たな持玉数として対応付けた後に(ステップS105)、分割元カードを排出し(ステップS106)、図9(b)に示すように分割先カードの挿入を促す。分割数の受付は、遊技客(或いはワゴンサービスの販売員)の依頼を受けた店員が、景品管理装置60の操作部62を用いて入力するが、カードリーダ70の表示操作部71を用いて遊技客自身が入力するようにしてもよい。
【0077】
そして、持玉数Cが対応付けられた分割先カードを受け付けたならば(ステップS107)、図9(c)に示すように分割先カードの持玉数Cに分割数Bを加算処理した値を分割先カードの新たな持玉数として対応付ける(ステップS108)。ここでは、分割数Bが「300玉」であり、カード挿入時点での分割先カードの持玉数Cが「500玉」であるため、分割先カードの新たな持玉数が「800玉」となった状況を示している。
【0078】
ところで、持玉分割処理途中でリーダライタ70に障害が発生し、分割元カード又は分割先カードに新たな更新情報を書き込めない場合には、図10に示すように持玉分割処理を失敗した旨を表示する。そして、レシート発行を促し、図11に示した持玉分割入力リストのレシートを発行する。このレシートは、島端計数機80から発行される計数レシートと同様のものであり、玉数が対応付けられており、景品又は玉に交換できる。図11には、レシートの連番「0002」、号機「231」、遊技媒体の種別を示す「玉1」、計数された玉数を示す「2000個」、計数された玉数を最小の特殊景品で割った値を示す「84個」、計数された玉数を最小の特殊景品で割った余りを示す「余り28個」、レシートの印字を開始した年月日及び時間を示す「2000年09月08日 16時52分」及び玉数を記録したバーコードが印字されたレシートの一例を示している。このようにしてレシートが発行された場合には、このレシートを他の景品管理装置60で読み取ってカードに対応付けることにより、分割処理結果を反映させることが可能となる。
【0079】
なお、図7(b)に示した選択画面上で「3.持玉分割リスト」が選択され、店員IDが入力された場合には、この店員IDに対応する持玉分割処理結果をログデータ65cから検索して、店側表示部61に表示することができる。また、図12に示すように、かかる店員IDに対応する分割処理結果をレシート発行することもできる。
【0080】
上述してきたように、本実施例では、景品管理装置60の持玉分割処理部66dが、分割元カード及び分割先カードが、会員カード、一般カード及びワゴンカードのいずれであっても、また分割先カードが、あらかじめ持玉数が対応付けられている場合であっても、分割元カードに対応付けられた持玉数の一部を分割先カードに対応付ける持玉分割処理を行うよう構成したので、種別の異なる各種カードに対応付けられた持玉数を柔軟かつ効率良く分割処理することができる。特に、事前に持玉数が対応付けられているカードに関しても分割先カードとして取り扱うことができ、持玉共有に関する遊技客のニーズに対応することが可能となる。特に、ワゴンカードについても分割対象としたので、持玉数を取り過ぎた場合の返却を容易に行うことができる。また、景品管理装置80が設置される景品カウンターには常に店員がいるため、遊技客を待たせる可能性が低いうえ、店員が分割処理を行うので、遊技客自身が操作する場合に比べて操作ミスが少なくてすむ。
【0081】
また、景品管理装置60を操作する店員向けの店側表示部61を設け、分割数の入力画面を店側表示部61に表示制御するよう構成したので、遊技店の顧客サービスとして店員が持玉分割操作を行うことができる。さらに、景品交換を行う遊技客向けの客側表示部64を設け、会員カードを分割元記憶媒体又は分割先記憶媒体として用いる場合の暗証番号入力画面を客側表示部64に表示制御するよう構成したので、会員カードを分割元記憶媒体又は分割先記憶媒体として利用することができる。
【0082】
また、景品管理装置60を操作する店員IDに対応付けて持玉分割処理結果を管理するよう構成したので、店員による誤った分割操作又は不正な分割操作が行われたか否かを検証することができる。さらに、景品管理装置60を操作する操作者ごとに分割入力上限値を管理しておき、店員により入力された分割数が当該操作者に対応する分割入力上限値以下である場合に、入力された持玉分割操作を受け付けるよう構成したので、店員による多量の分割操作と言う不正行為を未然に防止することができる。
【0083】
また、遊技店内に配設された遊技機が複数のグループに区分され、同一グループに属する遊技機間でのみ台移動が許容され、分割元カードに対応付けられた持玉の持玉分割処理を行う場合に、分割元カードに対応付けられた持玉と同一の利用可能グループを分割先カードに設定するよう構成したので、グループ内での台移動が許容される運用に持玉分割処理を適合させることができる。
【0084】
また、遊技店内に配設された遊技台の台移動が禁止されている場合には、分割元カードに対応付けられた持玉の持玉分割処理を行わないこととしたので、意味のない分割処理を抑制することができる。さらに、分割元カードがワゴンカードである場合には、分割元カードに対応付けられた持玉の持玉分割処理を許容することとしたので、台移動に制限が設けられている場合であっても、台移動と無関係なサービスに用いるワゴンカードの持玉分割処理を実施することができる。
【0085】
また、分割処理結果を分割元カード又は分割先カードに対応付けられない場合には、分割処理結果を印字したレシートを発行するよう構成したので、持玉分割処理の途中で障害等が発生した場合であっても、レシートに印字した持玉分割処理結果を他の景品管理装置60で読み込むことで分割処理を完遂することができる。
【0086】
なお、本実施例では、持玉を分割処理対象とした場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯玉やプリペイド価値等の有価価値を分割処理対象とする場合に適用することもできる。また、本実施例では、カード管理装置40と会員管理装置50を別装置とした場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置40と会員管理装置50を一体化した場合に適用することもできる。
【0087】
また、本実施例では、1台のリーダライタ70により会員カード、一般カード及びワゴンカードのデータを読み書きする場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード種別に応じて別体のリーダライタを設けるよう構成することもできる。さらに、本実施例では、リーダライタ70のカード挿入口73にカードを挿入する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、かざし部72を介してカード又は携帯電話との間で持玉数を授受する場合に適用することもできる。なお、リーダライタ70の機能を景品管理装置60に持たせても良いし、逆に、景品管理装置60側で行う機能の一部をリーダライタ70側に設けても良い。
【0088】
また、分割数を入力する際に、テンキーによる数値入力で分割数を入力するのではなく、分割元カードの持玉を最大(MAX)とする複数の選択ボタンを表示し、いずれかの選択ボタンを押下操作するようにしても良い。このようにすれば、入力ミスが生じにくい。
【0089】
また、分割数を入力するのではなく、分割処理によって分割元カードに残したい残数を入力し、分割元カードの持玉数から残数を減算処理した値を分割先カードに加算処理するとともに、入力された残数を分割元カードに対応付けるよう構成することもできる。これにより、遊技客の様々なニーズに応えることができる。
【0090】
また、カードに対応付けられたプリペイド価値を分割することもできる。さらに、持玉を払い出す際に、遊技機20の玉投出機構から払い出すことにより、台間カード処理機10の玉投出機構(内部機構からノズルまで)を省略でき、コストダウンや遊技機20の扉解放時に障害にならない。
【0091】
また、カードに対応付けられる持玉データやプリペイド価値を、カード自体に記録するシステムに適用しても良い。カード管理装置40の機能負担を抑えることができ、カード管理装置40や島コントローラ30等の故障時(オフライン運用時)にも営業を継続できる。
【0092】
また、台移動・グループ内台移動・レート間台移動の可、不可等の各種設定内容は、カード管理装置40等の上位装置で設定するようにしても良い。景品管理装置60は、開店処理時にカード管理装置40から設定内容を取り込んだり、必要時に問い合わせることになる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明に係る景品交換システムは、種別の異なる各種記憶媒体に対応付けられた有価価値を効率良く分割処理する場合に適している。
【符号の説明】
【0094】
10 台間カード処理機
20 遊技機
30 島コントローラ
40 カード管理装置
50 会員管理装置
60 景品管理装置
61 店側表示部
62 操作部
63 レシート発行部
64 客側表示部
65 記憶部
65a 操作者管理テーブル
65b 運用制限テーブル
65c ログデータ
66 制御部
66a 景品管理部
66b 会員サービス処理部
66c 認証処理部
66d 持玉分割処理部
66e 履歴データ表示制御部
66f 設定処理部
70 リーダライタ
71 表示操作部
72 かざし部
73 カード挿入口
74 扉カギ
80 島端計数機
90 精算機
100 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の記憶媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換システムであって、
分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値のうち分割先記憶媒体に対して分割する有価価値の分割数を受け付ける分割数受付手段と、
前記分割数受付手段により受け付けた分割数を前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値から減算処理するとともに、前記分割数受付手段により受け付けた分割数を前記分割先記憶媒体に対応付けられた有価価値に対して加算処理して、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行う分割処理手段と
を備えたことを特徴とする景品交換システム。
【請求項2】
前記分割元記憶媒体及び前記分割先記憶媒体は、遊技店に会員登録された会員に対して発行された会員用記憶媒体、一般用記憶媒体又はワゴンサービスを提供する際に利用されるサービス用記憶媒体のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の景品交換システム。
【請求項3】
景品管理装置を操作する操作者である店員向けの店側表示手段と、
前記分割数受付手段により受け付けられる分割数の入力画面を前記店側表示手段に表示制御する表示制御手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の景品交換システム。
【請求項4】
景品交換を行う遊技客向けの客側表示手段と、
会員用記憶媒体の暗証番号入力を行う入力手段と、
前記入力手段により入力された暗証番号に基づいて前記会員用記憶媒体の正当性を検証依頼処理する正当性検証依頼処理手段と、
前記会員用記憶媒体を前記分割元記憶媒体又は前記分割先記憶媒体として用いる場合の暗証番号入力画面を前記客側表示手段に表示制御する第2の表示制御手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の景品交換システム。
【請求項5】
景品管理装置を操作する操作者の識別情報に対応付けて前記分割処理手段により分割処理された分割履歴情報を管理する分割履歴情報管理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の景品交換システム。
【請求項6】
景品管理装置を操作する操作者ごとに前記有価価値の分割数の上限値を管理する上限値管理手段をさらに備え、前記分割数受付手段は、操作者により入力された分割数が前記上限値管理手段により管理された当該操作者に対応する分割数の上限値以下である場合に、入力された有価価値の分割数を受け付けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の景品交換システム。
【請求項7】
前記分割処理手段は、遊技店内に配設された遊技機が複数のグループに区分され、同一グループに属する遊技機間でのみ台移動が許容され、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行う場合に、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値と同一の利用可能グループを前記分割先記憶媒体に設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の景品交換システム。
【請求項8】
前記分割処理手段は、遊技店内に配設された遊技台の台移動が禁止されている場合には、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行わないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の景品交換システム。
【請求項9】
前記分割処理手段は、前記分割元記憶媒体が前記サービス用記憶媒体である場合には、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を許容することを特徴とする請求項7又は8に記載の景品交換システム。
【請求項10】
前記分割処理手段による分割処理結果を前記分割元記憶媒体又は前記分割先記憶媒体に対応付けられない場合には、前記分割処理結果を印字したレシートを発行するレシート発行手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の景品交換システム。
【請求項11】
所定の記憶媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換システムであって、
分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値のうち分割処理後に分割元記憶媒体に残す有価価値の残数を受け付ける残数受付手段と、
前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値から前記残数受付手段により受け付けた残数を減算処理した値を前記分割先記憶媒体に対応付けられた有価価値に対して加算処理するとともに、前記分割元記憶媒体に対して前記残数受付手段により受け付けた残数を対応付けて、前記分割元記憶媒体に対応付けられた有価価値の分割処理を行う分割処理手段と
を備えたことを特徴とする景品交換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−95916(P2012−95916A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247623(P2010−247623)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】