説明

景品交換装置、景品交換システム及び景品交換方法

【課題】消費税の徴収若しくは消費税の徴収種別の変更等に伴う各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数を効率良く変更することを課題とする。
【解決手段】複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換玉数・交換メダル数をそれぞれ景品コードに対応付けた景品データ65aを記憶部に記憶し、消費税設定データ受付部66dが消費税の設定データ(消費税徴収の有無、消費税率及び消費税の徴収種別(内税又は外税))を受け付けた場合に、景品データ更新処理部66eが、一つの玉・メダルの基準交換単価、消費税徴収に係る情報並びに記憶部65から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換玉数・交換メダル数を算出し、算出した交換遊技媒体数により記憶部65に記憶された景品データ65aを更新処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、消費税の徴収若しくは消費税の徴収形態の変更に伴う各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数を効率良く変更することができる景品交換装置、景品交換システム及び景品交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店などの遊技店では、景品交換カウンターに景品管理装置が設置されるのが一般的である。遊技客が、島端計数機で発行されたレシートを景品交換カウンターに持ち込むと、景品交換カウンター内の店員が景品管理装置に接続されたハンドスキャナでレシートに印字されたバーコードを読み取り、読み取った玉数が景品交換処理される。また、各台計数システムから返却される持玉カードを受け付けて景品交換処理を行うこともできる。かかる景品交換処理では、玉数が特殊景品と呼ばれる換金可能な景品又はタバコやお菓子等の一般景品に景品交換処理される。
【0003】
このため、かかる特殊景品及び一般景品の景品マスタを効率良く管理するための技術が知られている。例えば、特許文献1には、いわゆる複数レートを取り扱う場合の景品マスタの設定作業を効率化する技術が開示されている。具体的には、景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得し、記憶しておいた基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、取得した基準貸出レートの交換遊技媒体数を他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算し、該換算した他の貸出レートの交換遊技媒体数を交換遊技媒体数管理テーブルに登録するものである。かかる特許文献1を用いることで、複数の貸出レートが存在する場合の交換遊技媒体数を効率良く登録できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、複数の貸出レートが存在する場合には有効であるものの、新たに消費税を内税で徴収する場合や、消費税の徴収形態を外税から内税又はその逆に変更する場合や、内税の消費税率を変更する場合には、景品毎に交換遊技媒体数を更新しなければならないと言う問題がある。
【0006】
例えば、遊技店が4円/玉で景品交換する場合に、消費税を徴収しない場合には、100円相当の景品の交換玉数が25玉となり、消費税10%を外税で徴収する場合には、100円相当の景品の交換玉数が25玉となる。一方で、消費税10%を内税で徴収する場合には、実質的な交換率が3.6円/玉となるため、100円相当の景品の交換玉数が28玉となる。
【0007】
特に、遊技店では、イベントの一環として消費税の一部又は全部を遊技店で負担するケースや、特定のグループに属する景品の消費税を遊技店で負担するケースが考えられるため、各景品の景品交換に要する玉数をグループ毎又は一括して効率良く変更可能にすることが望まれている。
【0008】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消するためになされたものであって、消費税の徴収若しくは消費税の徴収種別の変更等に伴う各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数を効率良く変更することができる景品交換装置、景品交換システム及び景品交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、所定の記録媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換装置であって、複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶する記憶部と、消費税徴収に係る情報を受け付けた場合に、一つの遊技媒体の基準交換単価、前記消費税徴収に係る情報並びに前記記憶部から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換遊技媒体数を算出し、算出した交換遊技媒体数により前記記憶部に記憶された前記景品データを更新処理する更新処理部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記消費税徴収に係る情報は、消費税徴収の有無、消費税率及び消費税の徴収種別を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記更新処理部は、前記消費税の徴収種別が内税である場合には、前記基準交換単価から前記消費税率を除外したものを交換単価として算出し、それ以外の場合には、前記基準交換単価を交換単価として算出する交換単価算出部と、前記交換単価算出部により算出された前記交換単価で各景品の景品金額を除算し、その小数点以下の端数を端数処理した値を交換玉数として算出する交換玉数算定部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記更新処理部は、消費税徴収に係る情報並びに全景品の一括更新指示を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶した景品データ内の各景品の交換遊技媒体数をそれぞれ更新処理することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶部は、複数の景品の景品金額、各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数並びにグループ情報をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶し、前記更新処理部は、消費税徴収に係る情報並びに所定のグループに属する景品の一括更新指示を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶した景品データ内の該当するグループに属する景品の交換遊技媒体数をそれぞれ更新処理することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、所定の記録媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換装置を含む景品交換システムであって、複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶する記憶部と、消費税徴収に係る情報を受け付けた場合に、一つの遊技媒体の基準交換単価、前記消費税徴収に係る情報並びに前記記憶部から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換遊技媒体数を算出し、算出した交換遊技媒体数により前記記憶部に記憶された前記景品データを更新処理する更新処理部とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、所定の記録媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換装置の景品交換方法であって、複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶部に格納する格納工程と、消費税徴収に係る情報を受け付けた場合に、一つの遊技媒体の基準交換単価、前記消費税徴収に係る情報並びに前記記憶部から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換遊技媒体数を算出し、算出した交換遊技媒体数により前記記憶部に記憶された前記景品データを更新処理する更新処理工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶部に記憶しておき、消費税徴収に係る情報を受け付けた場合に、一つの遊技媒体の基準交換単価、前記消費税徴収に係る情報並びに記憶部から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換遊技媒体数を算出し、算出した交換遊技媒体数により記憶部に記憶された前記景品データを更新処理するよう構成したので、消費税の徴収若しくは消費税の徴収種別の変更等に伴う各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数を効率良く変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、遊技店における消費税の徴収と景品交換の関係を説明するための説明図である。
【図2】図2は、本実施例に係る景品管理装置の概念を説明するための説明図である。
【図3】図3は、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。
【図4】図4は、図3に示した景品管理装置及びリーダライタの外観構成を示す図である。
【図5】図5は、図3に示した景品管理装置の内部構成を示す図である。
【図6】図6は、図5に示した景品データの一例を示す図である。
【図7】図7は、景品データの更新処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、消費税を徴収しない場合の設定登録画面及び景品データ登録画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、消費税を外税で徴収する場合の設定登録画面及び景品データ登録画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、消費税を内税で徴収する場合の設定登録画面及び景品データ登録画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、管理装置で消費税の一括設定を行う場合を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る景品交換装置、景品交換システム及び景品交換方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、主としてパチンコ玉を一般景品に交換する場合を中心に説明することとする。
【実施例】
【0019】
まず、遊技店における消費税の徴収と景品交換の関係について説明する。図1は、遊技店における消費税の徴収と景品交換の関係を説明するための説明図である。遊技店は、玉・メダル等の遊技媒体を遊技客に貸し出して遊技を提供するため、遊技店は遊技客に遊技媒体を貸し出す時点で消費税を徴収する。つまり、本実施例では、遊技媒体の貸し出しに要する消費税に焦点を当てており、景品自体の売買に関する消費税に焦点を当てているわけではない。ここでは、遊技店がパチンコ玉を一玉4円(本体価格4円)で遊技客に提供する場合を示すこととする。
【0020】
図1(a)に示すように、消費税を徴収しない場合には、遊技客が台間カード処理機に1000円札を投入して1000円分の玉貸し操作を行うと、本体価格4円のパチンコ玉が250玉払い出される。
【0021】
これに対して、図1(b)に示すように10%の消費税を外税で徴収する場合には、本体価格4円のパチンコ玉が228玉払い出され、88円(=(250−228)×4)の消費税が徴収される。また、図1(c)に示すように、10%の消費税を内税で徴収する場合には、本体価格3.6円のパチンコ玉が250玉払い出され、100円(=250×0.4)の消費税が徴収される。
【0022】
ここで、遊技店が、遊技媒体の貸出単価と同じ金額で遊技媒体を景品に交換する等価交換のケースを考えると、消費税を徴収しない場合には、パチンコ玉を一玉4円で景品交換することになる。例えば、図1(a)に示すように、景品金額410円のタバコXは本体価格4円のパチンコ玉103玉と交換され、景品金額280円の菓子Yは本体価格4円のパチンコ玉70玉と交換されることになる。
【0023】
また、10%の消費税を外税で徴収する場合には、消費税を徴収しない場合と同様にパチンコ玉が一玉4円で景品交換される。このため、図1(b)に示すように、景品金額410円のタバコXは本体価格4円のパチンコ玉103玉と交換され、景品金額280円の菓子Yは本体価格4円のパチンコ玉70玉と交換される。
【0024】
これに対して、10%の消費税を内税で徴収する場合には、パチンコ玉が一玉3.6円で景品交換される。このため、図1(c)に示すように、景品金額410円のタバコXは本体価格3.6円のパチンコ玉114玉と交換され、景品金額280円の菓子Yは本体価格3.6円のパチンコ玉78玉と交換される。
【0025】
このように、消費税を徴収しないケースや消費税を外税で徴収するケースと、消費税を内税で徴収するケースとで、景品マスタ(以下、「景品データ」と言う)の各景品の交換玉数が変動する事態が生じる。このため、本実施例に係る景品管理装置では、消費税を遊技客から徴収する場合、消費税の税率を変更する場合若しくは消費税の徴収形態(内税、外税)を変更する場合に、景品管理装置の操作画面から消費税に関する情報の設定を行うと、景品データ内の各景品の交換玉数を一括更新できるようにしている。
【0026】
図2は、本実施例に係る景品管理装置の概念を説明するための説明図である。この景品管理装置では、まず消費税に関する情報の設定を行う(ステップS101)。具体的には、(1)消費税の徴収の有無、(2)消費税の税率、(3)消費税を徴収する場合の外税又は内税の種別を設定する。ここでは、x%の消費税を内税で徴収する場合を示している。
【0027】
その後、この税率x%と基準交換単価y0円を用いて交換単価y円を算出する(ステップS102)。この基準交換単価y0円とは、消費税を徴収しない場合の交換単価(例えば、一玉4円)を意味する。具体的には、x%の消費税を内税で徴収する場合には、「y=y0×(1−(x/100))」の算定式により交換単価y円を算出する。例えば、基準交換単価が4円であり、消費税が10%である場合には、y=4×(1−0.1)=3.6円となる。一方、消費税を徴収しない場合又は消費税を外税で徴収する場合には、基準交換単価y0を交換単価yとする。
【0028】
その後、景品データ65aから景品の景品金額(A円)を読み出し、この景品金額を交換単価で除算するとともに、その商の小数点以下を切り上げて交換玉数を算出する(ステップS103)。例えば、図2に示した菓子Yの景品金額Aが280円であり、交換単価yが3.6円である場合には、菓子Yの交換玉数Cは78玉(=280÷3.6;小数点以下切り上げ)となる。そして、この交換玉数Cで景品データ65aの菓子Yの交換玉数を更新する処理を行う。
【0029】
これにより、景品データ65aに登録した景品の交換玉数を更新できることになる。なお、本実施例に係る景品管理装置を用いると、景品データ65aに登録した全ての景品の交換玉数を一括して更新することができる。同様に、特定のグループに属する景品の交換玉数を一括して更新することも可能となる。
【0030】
次に、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成について説明する。図3は、本実施例に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。本発明に係る景品交換装置は、この遊技媒体処理システムに含まれる。
【0031】
同図に示すように、この遊技媒体処理システムは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、島端計数機80と、精算機90とが通信回線100を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線100に接続されて遊技島を形成する。また、景品管理装置60にはリーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されて景品カウンターに設置される。
【0032】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
【0033】
この台間カード処理機10には、遊技客が獲得した玉数を計数する各台計数機が設けられている。この各台計数機で計数された玉数は、持玉数として台間カード処理機10内部のメモリに記憶される。遊技客が所定の持玉払出操作を行うと、この持玉数から所定数が減算処理されるとともに、所定数の玉がノズルを介して遊技機20の上皿に投出される。
【0034】
また、遊技客が、所定のカード返却操作を行うと、台間カード処理機10内部のメモリに記憶した持玉数がカードに記憶されるとともに、該カードのカードID及び持玉数がカード管理装置40に通知され、その後にカードが排出される。このため、遊技客は、このカードを他の遊技機20に併設された台間カード処理機10に挿入して持玉払出操作を行うことで、他の遊技機で遊技を行うことができる。また、現金で遊技を開始する遊技客のために、台間カード処理機10には予め複数枚の一般カードが収納されている。
【0035】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカード情報として管理する管理装置である。このカード情報は、プリペイド価値及び持玉数がカードIDに対応付けられた情報である。
【0036】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を受信したならばカード情報を更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに対応する持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機90からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応するプリペイド価値を精算機90に対して通知する。
【0037】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、会員の氏名及び住所等の会員データ並びに貯玉データ等を管理する。
【0038】
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、計数玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置60には、リーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されている。リーダライタ70は、カードの挿入を受け付けた際に、該カードのカードIDを読み取る装置である。特殊景品払出装置75は、景品管理装置60からの指示に応答して、特殊景品を払い出す装置である。
【0039】
ここで、この景品管理装置60は、すでに説明したように、消費税を遊技客から徴収する場合、消費税の税率を変更する場合若しくは消費税の徴収形態(内税、外税)を変更する場合に、景品管理装置60の操作画面から消費税に関する情報の設定を行うと、景品データ内の各景品の交換玉数を一括更新できるようにしている。なお、この景品管理装置60の詳細な説明については後述する。
【0040】
島端計数機80は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得した玉数を計数し、計数値をカードに関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機90は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0041】
次に、図3に示した景品管理装置60及びリーダライタ70の外観構成について説明する。図4は、図3に示した景品管理装置60及びリーダライタ70の外観構成を示す図である。同図(a)には正面上方(景品カウンターの店員側)から見た景品管理装置60の斜視図を示し、同図(b)には景品管理装置60及びリーダライタ70の背面図(景品カウンターの遊技客側)を示している。
【0042】
図4(a)に示すように、景品管理装置60の前面には、店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及びバーコードリーダ67が設けられている。ここでは、説明の便宜上図示省略したが、電源スイッチやメモリカード差込口なども設けられる。
【0043】
店員は、島端計数機80で発行されたレシートを遊技客から受け取ったならば、バーコードリーダ67でレシートに印字されたバーコードを読み取り、遊技客が獲得した玉数を特定する。また、リーダライタ70のカード挿入口73にカードが挿入された場合には、該カードに記憶された玉数を読み出して、遊技客が獲得した玉数を特定する。その後、特定した玉数を特殊景品又は一般景品に景品交換することになる。
【0044】
店側表示部61は、操作者である遊技店の店員用の表示部(兼、操作部)であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部61には、景品交換内容や操作ガイダンスなどが表示され、消費税の徴収等に伴う景品データ65aの更新操作は、この店側表示部61上で受け付ける。
【0045】
操作部62は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、景品交換操作入力などを行う際に使用される。レシート発行部63は、登録リスト及び集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。バーコードリーダ67は、レシートに印字されたバーコードを読み取って、情報内容を特定する。
【0046】
図4(b)に示すように、景品管理装置60の背面には、遊技客用の客側表示部64が設けられている。この客側表示部64は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この客側表示部64の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる現在玉数や端数玉数を確認することができる。
【0047】
また、この景品管理装置60にはリーダライタ70が接続されている。このリーダライタ70には、表示操作部71、かざし部72、カード挿入口73及び扉カギ74が設けられている。表示操作部71は、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなり、カードの読み取り状況等が表示される。なお、会員カードの場合には、この表示操作部71を用いて暗証番号が入力される。かざし部72は、非接触ICカード又はICチップ内蔵の携帯電話機との間で非接触でデータの授受を行うためのかざし部である。カード挿入口73は、会員カード及び一般カードを挿入する挿入口である。
【0048】
次に、図4に示した景品管理装置60の内部構成について説明する。図5は、図4に示した景品管理装置60の内部構成を示す図である。同図に示すように、この景品管理装置60は、リーダライタ70及び特殊景品払出装置75に接続されている。
【0049】
景品管理装置60は、すでに説明した店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及び客側表示部64と、記憶部65と、制御部66とを有する。記憶部65は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、景品データ65a、基準交換単価データ65b及び消費税設定データ65cを記憶する。なお、ここでは説明の便宜上図示省略したが、記憶部65には、取引ログデータ等についても記憶する。
【0050】
景品データ65aは、景品交換に必要となるデータであり、図6に示すように、景品群、景品名、バーコード情報、景品金額、交換玉数及び交換メダル数等を景品コードに対応付けて記憶したものである。なお、ここでは説明の便宜上図示省略するが、この景品データ65aには特殊景品及び一般景品の在庫数等も含まれる。
【0051】
ここで、景品群とは、各景品が属するカテゴリーを意味し、例えば特殊景品を群1とし、タバコを群2とし、菓子を群3とし、飲料を群4とし、日用品を群5とし、雑貨を群6とし、食品を群7とし、文房具を群8とし、CD・おもちゃを群9とし、その他を群10にすることができる。
【0052】
景品金額とは、遊技客に景品を提供する際の基準となる金額であり、景品の仕入原価や移動平均原価を考慮して決定する。なお、各景品の景品金額には、該景品の消費税が含まれる。ただし、遊技店は、各景品を現金で売買しないため、この景品金額は交換玉数や交換メダル数を算定する基準データとして利用される。
【0053】
交換玉数及び交換メダル数は、景品金額等から算定された景品の交換に必要となる玉数及びメダル数である。消費税の徴収の有無、消費税率、消費税の徴収種別(内税又は外税)が変更された場合には、この交換玉数及び交換メダル数が変動する。本実施例では、消費税設定データが入力されると、全ての景品又は所定の景品群内の景品の交換玉数及び交換メダル数が一括して更新される。なお、例えば1円交換、2円交換、4円交換と言うように複数レートでの玉貸しを行う場合には、それぞれのレートに応じた交換玉数が格納される。
【0054】
基準交換単価データ65bは、消費税を徴収しない場合における玉・メダル一つあたりの交換単価として遊技店により設定されたデータである。例えば、一玉4円で玉貸しを行い、かつ、いわゆる等価交換を行う場合には、パチンコ玉の基準交換単価は「4円」となる。ただし、遊技店が一玉あたり「0.5円」の交換手数料を徴収する場合には、パチンコ玉の基準交換単価が「3.5円」となる。
【0055】
消費税設定データ65cは、消費税の徴収に関するデータであり、(1)消費税の徴収の有無、(2)消費税の税率、(3)消費税の徴収の態様(内税又は外税)が含まれる。また、この消費税設定データ65cには、全ての景品を対象とするか特定の景品グループを対象とするか等の情報も含まれる。
【0056】
制御部66は、景品管理装置60を全体制御する制御部であり、景品管理部66a、特殊景品交換処理部66b、一般景品交換処理部66c、消費税設定データ受付部66d及び景品データ更新処理部66eを有する。この制御部66は、店側表示部61及び客側表示部64の表示制御及び操作入力制御を実施する。
【0057】
景品管理部66aは、記憶部65に記憶した景品データ65aを用いて景品管理装置60の取扱対象となる特殊景品、一般景品並びにその在庫状況等を管理する管理部である。特殊景品交換処理部66bは、獲得玉数により景品交換可能な特殊景品を景品データ65aに基づいて特定し、特定した特殊景品の種別とその個数を特殊景品払出装置75に通知する処理部である。一般景品交換処理部66cは、景品データ65aに基づいて獲得玉数の範囲内で一般景品の景品交換処理を行う処理部である。
【0058】
消費税設定データ受付部66dは、消費税の徴収に関する消費税設定データ65cの入力を受け付けて記憶部65に格納する処理部である。具体的には、景品管理装置60の操作部62から所定のキー操作がなされると、店側表示部61に設定・登録画面が表示され、この設定・登録画面の入力枠にデータ入力が行われると、入力されたデータを消費税設定データ65cとして受け付ける。なお、設定・登録画面については、後ほどその一例を示す。
【0059】
景品データ更新処理部66eは、消費税設定データ受付部66dにより消費税設定データ65cが受け付けられた場合に、この消費税設定データ65cに適合する交換玉数及び交換メダル数を算出して景品データ65aに設定する処理部である。
【0060】
具体的には、消費税設定データ65c及び基準交換単価データ65bから交換単価(y円)を算出する。x%の消費税を内税で徴収する場合には、基準交換単価をy0円であるとすると、「y=y0×(1−(x/100))」の算定式により交換単価(y円)が算出される。なお、消費税を外税で徴収する場合や消費税を徴収しない場合には、「y=y0」の算定式より交換単価(y円)を算出する。その後、景品データ65a内の各景品の景品金額(A円)を交換単価(y円)で除算し、小数点以下を切り上げすることで交換玉数及び交換メダル数を算出する。
【0061】
次に、図7に示した景品管理装置60による景品データの更新処理について説明する。図6は、図7に示した景品管理装置60による景品データの更新処理手順を示すフローチャートであり、図8〜図10は設定登録画面及び景品データ登録画面の一例を示す図である。なお、ここでは説明の便宜上一つの景品の交換玉数のみを更新する場合を示すこととする。
【0062】
図7に示すように、まず消費税の設定データを受け付ける(ステップS201)。この消費税の設定データには、(1)消費税の徴収の有無、(2)消費税の税率、(3)消費税の徴収の態様(内税又は外税)が含まれる。具体的には、消費税を徴収しない場合には、図8(a)に示すように、消費税なしを示す「2」を設定する。また、10%の消費税を外税で徴収する場合には、図9(a)に示すように、消費税ありを示す「1」、税率「10%」、外税を示す「1」を設定する。さらに、10%の消費税を内税で徴収する場合には、図10(a)に示すように、消費税ありを示す「1」、税率「10%」、内税を示す「2」を設定する。
【0063】
その後、記憶部65から基準交換単価データ(y0円)を読み出し(ステップS202)、交換単価(y円)を算出する。具体的には、消費税を内税で徴収する場合には(ステップS203;Yes、ステップS204;Yes)、「y=y0×(1−(x/100))」の算定式により交換単価(y円)を算出する(ステップS206)。一方、消費税を徴収しない場合(ステップS203;No)又は消費税を外税で徴収する場合には(ステップS203;Yes、ステップS204;No)、「y=y0」の算定式により交換単価(y円)を算出する(ステップS205)。
【0064】
その結果、設定登録画面には玉・メダルの交換単価が表示される。消費税を徴収しない場合には、図8(a)に示すように、玉25個、100円、交換単価4円/個と表示され、メダル50枚、1000円、交換単価20円/枚と表示される。また、10%の消費税を外税で徴収する場合には、図9(a)に示すように、玉25個、110円、交換単価4円/個と表示され、メダル50枚、1100円、交換単価20円/枚と表示される。さらに、10%の消費税を内税で徴収する場合には、図10(a)に示すように、玉25個、100円、交換単価3.6円/個と表示され、メダル50枚、1000円、交換単価18円/枚と表示される。
【0065】
その後、景品データ65aから景品の景品価格(A円)を読み出し(ステップS207)、「C=A÷y」の算定式により交換玉数(C玉)を算出し(ステップS208)、算出した交換玉数(C玉)で景品データ65aを更新する(ステップS209)。
【0066】
これにより、消費税を徴収しない場合には、図9(b)の設定登録画面には、景品金額280円の菓子Yが交換玉数「70玉」、交換メダル数「14枚」で交換可能となる旨が表示されることになる。また、10%の消費税を外税で徴収する場合には、図9(b)の設定画面には、景品金額280円の菓子Yが交換玉数「70玉」、交換メダル数「14枚」で交換可能となる旨が表示される。さらに、10%の消費税を内税で徴収する場合には、図10(b)の設定画面には、景品金額280円の菓子Yが交換玉数「78玉」、交換メダル数「16枚」で交換可能となる旨が表示される。
【0067】
なお、上記一連の説明では、説明の便宜上一つの景品(菓子Y)の交換玉数及び交換メダル数を変更する場合を示したが、実際には、景品データ65aに登録した全景品又は所定のグループ内の景品の交換玉数及び交換メダル数を一括して更新することができる。この場合には、消費税の設定画面で消費税設定データを入力することになる。
【0068】
図11は、消費税の設定画面の一例を示す図である。同図(a)に示すように、まず消費税運用設定単位を選択する。具体的には店全体の設定であるか群単位の設定であるかを選択する。そして、店全体が選択された場合には、同図(b)に示すように、消費税の徴収の有無、消費税の税率、消費税の徴収態様(内税又は外税)を設定することになる。一方、群単位が選択された場合には、同図(c)に示すように、消費税の徴収の有無、消費税の税率、消費税を設定する群、消費税の徴収態様(内税又は外税)を設定することになる。かかる設定が行われると、図7のステップS207〜S209の処理が各景品について繰り返され、一括して交換玉数・交換メダル数の設定がなされることになる。
【0069】
上述してきたように,本実施例では、複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換玉数・交換メダル数をそれぞれ景品コードに対応付けた景品データ65aを記憶部に記憶し、消費税設定データ受付部66dが消費税の設定データ(消費税徴収の有無、消費税率及び消費税の徴収種別(内税又は外税))を受け付けた場合に、景品データ更新処理部66eが、一つの玉・メダルの基準交換単価、消費税徴収に係る情報並びに記憶部65から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換玉数・交換メダル数を算出し、算出した交換遊技媒体数により記憶部65に記憶された景品データ65aを更新処理するよう構成したので、消費税の徴収若しくは消費税の徴収種別の変更等に伴う各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数を効率良く変更することができる。
【0070】
なお、本実施例では、景品管理装置60において消費税設定データを受け付ける場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技店内に配設された会員管理装置50等で消費税設定データを受け付けることもできる。会員管理装置50等が消費税設定データを受け付けたならば、この消費税設定データを景品管理装置60に送信することになる。特に、遊技店内に複数台の景品管理装置60を配設する場合には、会員管理装置50等で消費税設定データを受け付けることが望ましい。
【0071】
また、交換玉数及びメダル数を算出したときに、小数点以下の端数が発生した場合、切り上げ処理だけではなく、切り下げ処理或いは四捨五入処理等自由に小数点以下の端数処理を行うようにしても良い。かかる設定は、遊技店のニーズ、規制等に合わせて設定できるようにしても良い。
【0072】
また、本実施例では、1台のリーダライタ70により会員カード及び一般カードのデータを読み書きする場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード種別に応じて別体のリーダライタを設けるよう構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明に係る景品交換装置、景品交換システム及び景品交換方法は、消費税の徴収若しくは消費税の徴収種別の変更等に伴う各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数を効率良く変更する場合に適している。
【符号の説明】
【0074】
10 台間カード処理機
20 遊技機
30 島コントローラ
40 カード管理装置
50 会員管理装置
60 景品管理装置
61 店側表示部
62 操作部
63 レシート発行部
64 客側表示部
65 記憶部
65a 景品データ
65b 基準交換単価データ
65c 消費税設定データ
66 制御部
66a 景品管理部
66b 特殊景品交換処理部
66c 一般景品交換処理部
66d 消費税設定データ受付部
66e 景品データ更新処理部
70 リーダライタ
71 表示操作部
72 かざし部
73 カード挿入口
74 扉カギ
80 島端計数機
90 精算機
100 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の記録媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換装置であって、
複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶する記憶部と、
消費税徴収に係る情報を受け付けた場合に、一つの遊技媒体の基準交換単価、前記消費税徴収に係る情報並びに前記記憶部から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換遊技媒体数を算出し、算出した交換遊技媒体数により前記記憶部に記憶された前記景品データを更新処理する更新処理部と
を備えたことを特徴とする景品交換装置。
【請求項2】
前記消費税徴収に係る情報は、消費税徴収の有無、消費税率及び消費税の徴収種別を含むことを特徴とする請求項1に記載の景品交換装置。
【請求項3】
前記更新処理部は、
前記消費税の徴収種別が内税である場合には、前記基準交換単価から前記消費税率を除外したものを交換単価として算出し、それ以外の場合には、前記基準交換単価を交換単価として算出する交換単価算出部と、
前記交換単価算出部により算出された前記交換単価で各景品の景品金額を除算し、その小数点以下の端数を端数処理した値を交換玉数として算出する交換玉数算定部と
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の景品交換装置。
【請求項4】
前記更新処理部は、消費税徴収に係る情報並びに全景品の一括更新指示を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶した景品データ内の各景品の交換遊技媒体数をそれぞれ更新処理することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の景品交換装置。
【請求項5】
前記記憶部は、複数の景品の景品金額、各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数並びにグループ情報をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶し、
前記更新処理部は、消費税徴収に係る情報並びに所定のグループに属する景品の一括更新指示を受け付けた場合に、前記記憶部に記憶した景品データ内の該当するグループに属する景品の交換遊技媒体数をそれぞれ更新処理することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の景品交換装置。
【請求項6】
所定の記録媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換装置を含む景品交換システムであって、
複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶する記憶部と、
消費税徴収に係る情報を受け付けた場合に、一つの遊技媒体の基準交換単価、前記消費税徴収に係る情報並びに前記記憶部から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換遊技媒体数を算出し、算出した交換遊技媒体数により前記記憶部に記憶された前記景品データを更新処理する更新処理部と
を備えたことを特徴とする景品交換システム。
【請求項7】
所定の記録媒体に対応付けられた有価価値を景品に交換する処理を行う景品交換装置の景品交換方法であって、
複数の景品の景品金額並びに各景品の景品交換に要する交換遊技媒体数をそれぞれ景品識別情報に対応付けた景品データを記憶部に格納する格納工程と、
消費税徴収に係る情報を受け付けた場合に、一つの遊技媒体の基準交換単価、前記消費税徴収に係る情報並びに前記記憶部から読み取った各景品の景品金額に基づいて、該景品の交換遊技媒体数を算出し、算出した交換遊技媒体数により前記記憶部に記憶された前記景品データを更新処理する更新処理工程と
を含んだことを特徴とする景品交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−192092(P2012−192092A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59532(P2011−59532)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】