景品取得ゲーム機
【課題】 把持装置による景品に対する押し圧を調整できるようにする。
【解決手段】 クレーンゲーム機10には、景品を把持するためのキャッチャー部14が設けられている。キャッチャー部14は、キャッチャー上下移動機構によって、景品が山積みされたケース内で上下方向に移動される。制御部30は、キャッチャー部14が下方向に移動されて景品等に圧接することにより発生する応力(押し圧)のレベルを検出するためのしきい値を予め設定しておく。制御部30は、応力センサ37によって検出される応力レベルが、予め設定されたしきい値まで到達したことを検出すると、キャッチャー部14の下方向への移動を停止させる。
【解決手段】 クレーンゲーム機10には、景品を把持するためのキャッチャー部14が設けられている。キャッチャー部14は、キャッチャー上下移動機構によって、景品が山積みされたケース内で上下方向に移動される。制御部30は、キャッチャー部14が下方向に移動されて景品等に圧接することにより発生する応力(押し圧)のレベルを検出するためのしきい値を予め設定しておく。制御部30は、応力センサ37によって検出される応力レベルが、予め設定されたしきい値まで到達したことを検出すると、キャッチャー部14の下方向への移動を停止させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンゲーム機などの景品を把持するためのキャッチャー部が設けられた景品取得ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、景品取得ゲームとしてクレーンゲーム機が広く知られている。クレーンゲーム機は、ケース内のゲームフィールドに複数の景品が山積みされており、この山積みされた中から把持装置(キャッチャー部)を操作することで景品を取得することができる。通常、クレーンゲーム機では、把持装置を目的とする景品の上方位置に移動させた後、昇降装置によって下降させて景品を把持する動作をさせた後に、再度、上昇させて景品払い出し口まで移動させる。
【0003】
このようなクレーンゲーム機では、把持装置を吊り下げているワイヤーを送り出すことにより、キャッチャー部を下降させている。そして、把持装置が景品に圧接したり、フィールド床面に到達したりしたときのワイヤーの緩みを検知することによって、ワイヤを送り出すモータの回転を停止させて把持装置の下降を停止させ、景品を把持するための動作に入るようにしている。
【0004】
また、特許文献1に記載されたクレーンゲーム機では、昇降装置のステッピングモータにより回転軸を回転させて、巻き上げプーリからワイヤを巻き出して把持装置を下降させる。そして、把持装置が下降して、床部や景品の何れかにアームの爪部材が当接し、爪部材がアームに対して相対的に上方に移動したことをセンサによって検知し、その時点で景品を挟持する動作に移行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−175273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来のクレーンゲーム機では、把持装置が景品や床部に当接したことを検知して下降動作を停止させて把持動作に移行している。すなわち、従来のクレーンゲーム機では、予め決められた一定の押し圧で当接した時点で把持装置の下降動作を停止させていた。従って、ケース内のフィールドに山積みされている景品の種類の違い、例えば形状やサイズ、重さなどに関係なく、把持装置(爪部材)による景品に対する押し圧が同じとなってしまう。従って、景品の種類によって景品取得の難易度が変化してしまい、ペイアウト率の調整が困難となってしまう。従来のクレーンゲーム機では、把持装置の景品を把持する強さを調整することで、ペイアウト率を調整することが行われていたが、把持装置の景品に対する押し圧により調整することができなかった。
【0007】
また、クレーンゲーム機では、フィールドに山積みされた景品を把持装置により掴んで取得する方法だけでなく、景品の山を崩して把持しやすい状態にしたり、景品を景品払出口に転がり落とすといった攻略法がある。しかしながら、従来のクレーンゲーム機では、一定の押し圧でしか把持装置により景品を押すことができないため、この攻略法を有効に利用することができなかった。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、把持装置による景品に対する押し圧を調整することが可能な景品取得ゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の景品取得ゲーム機は、景品を把持するための把持手段と、前記把持手段を上下方向に移動させる上下移動手段と、前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを検出するためのしきい値を抽選によって選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを、前記しきい値に基づいて検出する応力検出手段と、前記応力検出手段によって検出された応力レベルに応じて、前記上下移動手段による前記把持手段の移動を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、把持手段による景品等に対する応力レベルを検出するためのしきい値を、予め決められた一定の値とするのではなく、任意に設定できるようにすることで、把持手段による景品に対する押し圧を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態におけるクレーンゲーム機10の外観構成を示す図。
【図2】本実施形態におけるクレーンゲーム機10及びホスト装置6の機能構成を示すブロック図。
【図3】キャッチャー部14の構成を分解して示す外観図。
【図4】キャッチャー部14に設けられたおもり取付ユニット14eによって重り14gを取り付けた状態を示す図。
【図5】本実施形態におけるキャッチャー上下移動機構40の構成を示す図。
【図6】本実施形態におけるキャッチャー上下移動機構40の構成を示す図。
【図7】本実施形態における応力センサ37の検出動作を説明するための図。
【図8】管理者等の操作によって設定する第1の方法を説明するためのフローチャート。
【図9】ゲーム実行時に抽選により設定する第2の方法を説明するためのフローチャート。
【図10】プレイヤにより指示されたゲームモードに応じて設定する第3の方法を説明するためのフローチャート。
【図11】ペイアウト率に応じて設定する第4の方法を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の外観構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態によるクレーンゲーム機10は、プレイフィールド11内に積載された景品を、キャッチャー部14によって把持することで外部に払い出すことができる。
【0013】
クレーンゲーム機10の筐体上半部は、前面と側面が透明の透明ケース13に覆われており、透明ケース13の内部が視認できるようになっている。透明ケース13内のプレイフィールド11には、複数の景品が山積みされている。
【0014】
また、透明ケース13内の上部には、キャッチャー部14と、キャッチャー部14をプレイフィールド11の内において、例えばXY軸方向に移動させるための機構(図示せず)と、Z軸方向(上下方向)に移動させるための機構部(キャッチャー上下移動機構40)が設けられている。キャッチャー部14は、ユーザ操作に応じて動作する機構部によってXY方向で所定の位置に移動されると、プレイフィールド11内に積載された景品を把持するために下方に移動される。キャッチャー部14の先端部には、景品を把持するための2本の把持爪(以下、アームと称する)が設けられており、閉じることによって景品を把持することができる(なお、3本あるいは4本のアームが設けられていても良い)。
【0015】
プレイフィールド11には、景品払出口16が設けられている。景品払出口16は、景品をプレイフィールド11から外部に払い出すためのもので、筐体下部に設けられた景品取出口17と景品払出通路18を介して連通している。キャッチャー部14によって景品が景品払出口16に落下されることにより、景品取出口17から景品を取り出すことができる。景品払出通路18には、景品払い出しセンサ15が設けられている。景品払い出しセンサ15は、景品払出通路18を通過して払い出される景品を検知する。
【0016】
また、プレイフィールド11内の背面側には、ディスプレイ25が設けられている。ディスプレイ25は、視覚的な演出をするための映像やプレイフィールド11内に用意されている景品に関する情報などが表示される。
【0017】
透明ケース13の正面には、操作パネル19が設けられている。操作パネル19の上面部には、キャッチャー部14の移動操作や各種の選択操作に用いられるジョイスティック20とボタン21、及びコインが投入されるコイン投入口23が設けられている。例えば、ジョイスティック20は、キャッチャー部14をプレイフィールド11内でXY方向に移動させるために使用され、ボタン21は、キャッチャー部14をZ方向(下方)に移動させると共に景品を把持する動作を開始させるために使用される。
【0018】
また、下部筐体の前面には、コイン投入口22に投入された規定外のコインを返却するためのコイン返却口23、ゲーム実行中の効果音や音楽、説明音声などを出力して聴覚的な演出をするためのスピーカ24が設けられている。
【0019】
図2は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10及びホスト装置6を含む景品取得ゲームシステムの機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、クレーンゲーム機10にはホスト装置6が接続されている。ホスト装置6は、ネットワークを介して複数のクレーンゲーム機10と接続し、管理者によって設定されたデータを、一括して複数のクレーンゲーム機10に対して送信して設定させることができる。
【0020】
ホスト装置6には、ネットワークを介して接続された複数のクレーンゲーム機10との通信を制御する通信部(図示せず)、管理者による操作に用いられる入力装置(キーボードやマウス)や表示装置が設けられている他(図示せず)、クレーンゲーム機10のキャッチャー部14による景品等に対する応力レベル(押し圧)を検出するために用いるしきい値を設定する応力レベル設定部6aが設けられている。応力レベル設定部6aは、管理者によって設定された応力レベルのしきい値を示すデータをクレーンゲーム機10に送信して設定させる。
【0021】
一方、クレーンゲーム機10は、制御部30、入力部31、コイン検出センサ32、出力部33、記憶装置34、キャッチャー駆動部35、通信部36が設けられている。
【0022】
制御部30は、プロセッサやメモリ等により構成されるもので、クレーンゲーム機10全体の制御を司る。制御部30は、記憶装置34に記憶された各種プログラムを実行することによって各種の機能を制御する。制御部30は、通信部36を通じて受信されたデータをもとに、キャッチャー部14による応力レベルを検出するために用いるしきい値を設定してクレーンゲーム処理を実行する。
【0023】
入力部31は、クレーンゲーム機10に設けられた各種入力デバイスからのデータを入力する。入力部31は、ジョイスティック20、ボタン21、コイン検出センサ32、応力センサ37、景品払い出しセンサ15などからデータを入力する。コイン検出センサ32は、コイン投入口22に投入されたコインを検知するためのセンサである。応力センサ37は、キャッチャー部14による応力、すなわち景品等に対する押し圧を検知するためのセンサである。応力センサ37は、例えばキャッチャー部14をプレイフィールド11において上下方向に移動させるための機構部(キャッチャー上下移動機構40)、あるいはキャッチャー部14に設けることができる。キャッチャー上下移動機構40に設けた場合の具体的な構成については図5、図6に示す。
【0024】
出力部33は、制御部30の制御のもとで、ディスプレイ25における映像表示、及びスピーカ24からの音声出力を制御する。
【0025】
記憶装置34は、各種プログラムやデータなどを記憶する。記憶装置34には、ホスト装置6から送信されたデータをもとにして設定された、キャッチャー部14による応力レベルを判定するためのしきい値データなどが記憶される。また、記憶装置34には、ゲームを実施している間に演出出力をするための出力データが記憶される。演出出力としては、ディスプレイ25における表示やスピーカ24からの音声出力がされるものとする。なお、応力レベルを判定するためのデータや演出出力のための出力データは、ホスト装置6から送信されるものとしても良いし、可搬型の記憶媒体(DVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM)などによって提供されても良い。
【0026】
キャッチャー駆動部35は、制御部30の制御のもとで、キャッチャー部14に設けられたアーム開閉機構14aを駆動して、アーム14bにより景品を把持させるための動作を制御する。アーム開閉機構14aには、握力調整機構14a1が設けられている。握力調整機構14a1は、キャッチャー駆動部35の制御によって、アーム開閉機構14aがアーム14bを閉じる際の握力を調整する。
【0027】
通信部36は、制御部30の制御のもとでホスト装置6との通信を制御する。
【0028】
次に、本実施形態におけるキャッチャー部14の詳細な構成について説明する。
図3は、キャッチャー部14の構成を分解して示す外観図である。キャッチャー部14は、カバー14cの内部にアーム開閉機構14aが収容されている。アーム開閉機構14aは、ワイヤー39によって吊り下げられると共に、制御用の信号を入力するためのケーブル(図示せず)が接続される。アーム開閉機構14aは、キャッチャー駆動部35からの信号に応じて2本のアーム14bの開閉を制御する。また本実施形態のキャッチャー部14には、おもり取付ユニット14eを装着するためのユニット取付具14dが設けられている。ユニット取付具14dは、例えばアーム14bの開閉方向と同一線上のアーム開閉機構14aの両側面部に設けられている。ユニット取付具14dには、重り14gに設けられた穴に貫通可能な取付棒14fが設けられており、重り14gを着脱可能にしている。
【0029】
図4は、キャッチャー部14に設けられたおもり取付ユニット14eによって重り14gを取り付けた状態を示す図である。図4に示すように、重り14gの穴に、おもり取付ユニット14eの取付棒14fを貫通させることで、重り14gをキャッチャー部14に装着している。取付棒14fには、任意に重り14gを着脱可能としている。従って、おもり取付ユニット14eに装着する重り14gの数を調整して、キャッチャー部14全体の自重を調整することができる。これにより、キャッチャー部14が下方向に移動された場合の景品に対する押し圧を調整することができる。
【0030】
次に、キャッチャー部14を上下方向に移動させるキャッチャー上下移動機構40の詳細な構成について説明する。
図5及び図6は、本実施形態におけるキャッチャー上下移動機構40の構成を示す図である。図5と図6に示すキャッチャー上下移動機構40は、キャッチャー部14を上下方向に移動させるための機構は同じであるが、キャッチャー部14による応力レベルを検出する応力センサ37の構成が異なっている。
【0031】
図5に示すように、キャッチャー上下移動機構40には、キャッチャー部14を吊り下げているワイヤー39の長さを調整するためのワイヤー巻き取りプーリ41が設けられている。ワイヤー巻き取りプーリ41には、テンションアーム42の一方の端部近傍に設けられたローラ43を介して導入されたワイヤー39が巻回される。テンションアーム42は、長手方向の一方の端部近傍にローラ43が設けられ、他方の端部近傍にバネ取付部材46が設けられている。テンションアーム42には、長手方向の中心に回転軸45が設けられており、所定範囲内で回転することができる。
【0032】
バネ取付部材46には、固定位置に取り付けられたバネ取付部材47との間に弾性部材としてバネ48が取り付けられている。バネ48は、テンションアーム42のバネ取付部材46が設けられている側の端部を下げる方向に付勢されている。キャッチャー部14が景品(あるいはプレイフィールド11の床面)に到達していない状態では、図7(a)に示すように、キャッチャー部14の自重がローラ43に掛かるため、バネ48による付勢力と釣り合って、テンションアーム42がほぼ水平となる。これに対して、キャッチャー部14が景品(あるいはプレイフィールド11の床面)に到達して反力がある場合には、ローラ43に掛かる重さがキャッチャー部14より軽くなるため、図7(b)に示すように、バネ48の付勢力によって、バネ取付部材46が取り付けられた側が下がる。
【0033】
図5に示す構成では、応力センサ37として、複数のフォトカプラ50a,50bが設けられている。フォトカプラ50aには、発光部50a1と受光部50a2が設けられている。発光部50a1から出力された光は、受光部50a2によって受光される。テンションアーム42のバネ取付部材46が設けられた側の端部には遮光板49が設けられており、この遮光板49が発光部50a1と受光部50a2との間を通過するように配置されている。
【0034】
テンションアーム42がほぼ水平の状態にある場合には、上部に配置されたフォトカプラ50aの発光部50a1と受光部50a2との間に遮光板49が位置し、発光部50a1から出力される光を遮断する。
【0035】
キャッチャー部14が下降されて景品等に圧接すると、図7(b)に示すように、遮光板49が下方向に移動する。この状態にある場合には、フォトカプラ50aの発光部50a1から出力された光は、受光部50a2によって受光されるようになる。一方、下部に配置されたフォトカプラ50bでは発光部と受光部との間に遮光板49が位置するようになるため、発光部から出力される光が受光部に到達しなくなる。
【0036】
さらに、キャッチャー部14が下降されることによりワイヤー39が弛むと、遮光板49がさらに下方向に移動する。この状態にある場合には、フォトカプラ50a,50bの何れにおいても、それぞれの発光部から出力された光は、対応する受光部によって受光されるようになる。
【0037】
このように、複数のフォトカプラ50a,50bにより応力センサ37を構成することで、何れのフォトカプラ50a,50bにおいて発光部から出力された光が受光部によって受光されているかによって、テンションアーム42の回転量を複数段階で検出することができる。
【0038】
図6に示す構成では、テンションアーム42の回転軸45に、テンションアーム42の回転量を検知するロータスイッチ51を設けている。ロータスイッチ51は、テンションアーム42の回転量に応じた信号を出力する。なお、その他の構成は、図5と同じであるので詳細な説明を省略する。
【0039】
このように、ロータスイッチ51を回転軸45に設けることで、ロータスイッチ51が検出可能な複数の段階でテンションアーム42の回転量を検出することができる。
【0040】
なお、図5及び図6に示す応力センサ37の構成は一例であって、テンションアーム42の回転量を検出することができれば、他の構成を用いることも可能である。
【0041】
次に、本実施形態における景品取得ゲームシステム(ホスト装置6、クレーンゲーム機10)の動作について説明する。
本実施形態におけるクレーンゲーム機10は、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値の設定方法として、(1)管理者等の操作によって設定する第1の方法、(2)ゲーム実行時に抽選により設定する第2の方法、(3)プレイヤにより指示されたゲームモードに応じて設定する第3の方法、(4)ペイアウト率に応じて設定する第4の方法を用いることができる。この(1)(2)(3)(4)の方法について、フローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0042】
(1)管理者等の操作によって設定する第1の方法。
【0043】
この方法では、クレーンゲーム機10を管理する管理者(あるいは運営者)などが、クレーンゲーム機10においてキャッチャー部14により景品にどの程度の押し圧を加えるかを任意に設定することができる。従って、クレーンゲーム機10のプレイフィールド11に入れた景品の種類(大きさ、形状、材質等)に応じて、キャッチャー部14による押し圧を変更することができる。これにより、クレーンゲーム機10のペイアウト率(=景品払出し総額/売上総額)の調整をすることも可能となる。
【0044】
以下、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ホスト装置6では、管理者によって応力レベルのしきい値設定要求が入力される(ステップA1)。しきい値設定要求に応じて、応力レベル設定部6aは、例えば設定可能な複数の段階のしきい値を、表示装置を通じて管理者に提示する。管理者は、提示された複数の段階のしきい値の何れかを選択すると共に、クレーンゲーム機10に対するしきい値設定指示を入力する(ステップA2)。
【0045】
応力レベル設定部6aは、しきい値設定指示に応じて、選択されたしきい値を示すしきい値設定データをクレーンゲーム機10に対して送信し、応力レベルのしきい値の設定を要求する(ステップA3)。
【0046】
一方、クレーンゲーム機10の制御部30は、通信部36を通じて、しきい値設定データを受信すると(ステップB1)、このしきい値設定データをもとにキャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定する(ステップB2)(記憶装置34にしきい値を記憶させる)。
【0047】
なお、応力レベルのしきい値の設定は、任意のタイミングで実行することができる。クレーンゲーム機10は、プレイヤからの要求に応じてクレーンゲームを実行する場合に、その時に記憶装置34に記憶された最新のしきい値をもとにして、キャッチャー部14の下方向への移動制御を実行する。
【0048】
ここでは、ホスト装置6において管理者により応力レベルのしきい値を設定するとしているが、クレーンゲーム機10において個別に応力レベルのしきい値を設定するようにしても良い。この場合、クレーンゲーム機10に設けられたジョイスティック20やボタン21、あるいは専用の入力装置(図示せず)を用いて、キャッチャー部14による押し圧を検出するためのしきい値を指定できるようにする(ステップB0)。制御部30は、この指定された応力レベルのしきい値を設定する(ステップB2)。
【0049】
なお、ホスト装置6(あるいはクレーンゲーム機10)では、応力レベルのしきい値だけでなく、キャッチャー部14のアーム開閉機構14a(握力調整機構14a1)による握力を指示することができる。制御部30は、指示された握力でキャッチャー部14のアーム14bが閉じられるようにキャッチャー駆動部35を制御する。こうして、キャッチャー部14の握力を調整することで、プレイフィールド11に山積みされた景品がキャッチャー部14によって把持されやすくしたり、逆に把持されにくくすることができるので、例えばペイアウト率を調整することができる。
【0050】
ところで、クレーンゲーム機10は、初期状態においては、コイン投入待ちの状態となっている。制御部30は、コイン検出センサ32によってコインが投入されたことを検知すると、クレーンゲームを開始させる(ステップB3)。
【0051】
ここで、プレイヤによってジョイスティック20が操作されると、制御部30は、ジョイスティック20に対する操作方向に応じてキャッチャー部14をXY方向に移動させて、プレイフィールド11内に山積みされた景品の上方に移動させる(ステップB4)。
【0052】
キャッチャー部14が景品の上方に移動された後にボタン21が操作されると、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によってキャッチャー部14の下方への移動を開始する(ステップB5)。キャッチャー部14が景品やプレイフィールド11の床面などに到達していない間には、図7(a)に示すように、テンションアーム42がほぼ水平状態を維持している。すなわち、キャッチャー部14による景品等に対する押し圧は、予め設定されたしきい値に到達していないと判別される(ステップB6、No)。制御部30は、キャッチャー部14が景品等に到達するまで、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降を継続させる(ステップB5,B6)。
【0053】
そして、キャッチャー部14が景品等にまで到達して、その自重によって景品等を押し下げていくと、図7(b)に示すように、テンションアーム42が徐々に回転しはじめる。制御部30は、入力部31を通じて応力センサ37からのデータを入力しており、応力センサ37により検知された応力レベル(キャッチャー部14による押し圧)が予め設定されたしきい値に到達したかを判定する。
【0054】
例えば、図5に示すように、応力センサ37が複数のフォトカプラ50a,50bにより構成されている場合、フォトカプラ50bによりテンションアーム42の回転が検出された時の応力レベルに対応するしきい値が設定されているものとする。制御部30は、フォトカプラ50bによる検知に変化があると(遮光板49がフォトカプラ50bの発光部と受光部との間に到達すると)、キャッチャー部14による景品に対する押し圧が予め設定されたしきい値に到達したものと判定し(ステップB6、Yes)、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップB7)。
【0055】
なお、図6に示すように、応力センサ37がロータスイッチ51により構成されている場合には、フォトカプラ50a,50bを用いた構成よりも多段階でキャッチャー部14による応力レベルの変化を検知することができる。従って、図5に示す構成を用いた場合よりも、細かにしきい値を設定することができる。制御部30は、ロータスイッチ51によって検出されるテンションアーム42の回転量が、予め設定されたしきい値に対応する位置まで到達すると、キャッチャー部14による景品に対する押し圧が予め設定されたしきい値に到達したものと判定し(ステップB6、Yes)、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップB7)。
【0056】
そこで、制御部30は、キャッチャー駆動部35を通じてアーム開閉機構14aを動作させて、キャッチャー部14のアーム14bを景品が把持されるように閉じさせる(ステップB8)。ここでは、握力調整機構14a1の制御によって、予め指定された握力で景品を把持するようにアーム14bが閉じられる。
【0057】
制御部30は、キャッチャー部14のアーム14bが閉じられた後、キャッチャー部14を上昇移動させ(ステップB9)、さらにXY方向で移動させることにより景品払出口16の上方に移動させる(ステップB10)。制御部30は、キャッチャー部14が景品を景品払出口16の上方まで移動すると、キャッチャー部14のアーム14bを開かせる。この時、キャッチャー部14(アーム14b)によって景品が把持されていた場合には、把持されていた景品が景品払出口16に落下されて、景品払出通路18を通じて景品取出口17に到達する。
【0058】
このように、第1の方法では、キャッチャー部14の下降動作は、応力センサ37によって検出される応力レベル(押し圧)が管理者等によって予め設定されたしきい値に到達した時点で停止されるため、管理者が任意のしきい値を設定することで景品等に対するキャッチャー部14による押圧を調整することができる。また、キャッチャー部14に装着された重り14gの重さに応じて、その時のキャッチャー部14の自重に対して最適なしきい値を設定することも可能である。
【0059】
(2)ゲーム実行時に抽選により設定する第2の方法。
【0060】
この方法では、クレーンゲームを実施するたびに機械的に抽選を実施し、この抽選結果に応じて応力レベルのしきい値を設定する。従って、クレーンゲームを実施するたびにキャッチャー部14によって景品等に加えられる押し圧が変化することになるので、景品が把持しやすくなったり、あるいは把持されにくくなったりするなどの変化を与えることができる。
【0061】
以下、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
クレーンゲーム機10は、初期状態においては、コイン投入待ちの状態となっている。制御部30は、コイン検出センサ32によってコインが投入されたことを検知すると、クレーンゲームを開始させる(ステップC1)。
【0062】
制御部30は、キャッチャー部14を移動させる処理を開始する前に、キャッチャー部14の景品等に対する応力レベルのしきい値を抽選によって求める(ステップC2)。例えば、抽選の方法としては、プログラムによる処理によって乱数値を発生させて、この乱数値に応じてしきい値を選択することができる。あるいは、不規則に異なるしきい値データが配列されたデータテーブル中から所定の順番で読み出すようにしても良い。その他、任意の方法で抽選を実施することができる。
【0063】
制御部30は、抽選によって求められたしきい値データをもとにキャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定する(ステップC3)(記憶装置34にしきい値を記憶させる)。
【0064】
以下、図9に示すステップC4〜C10ついては、図8におけるステップB4〜B10と同様の処理を実行するものとして説明を省略する。
【0065】
このように、第2の方法では、クレーンゲームを実施するたびに、キャッチャー部14により景品等に加えられる押し圧が変化するので、ゲームに変化を持たせて、プレイヤのプレイ意欲を向上させることができる。例えば、プレイフィールド11に山積みされた景品の種類(大きさ、形状、材質等)によっては、キャッチャー部14による押し圧が大きい場合に把持しやすかったり、逆に押し圧が小さい場合に把持しやすくなる場合がある。プレイヤは、こうしたキャッチャー部14によって景品が把持されやすい抽選が行われることを期待して、クレーンゲームを実行するようになる。また、景品の山を崩したり、景品を景品払出口に転がり落とすといった攻略法を使用しようとする場合に、キャッチャー部14による押し圧が通常よりも大きくなるように抽選が行われることで、より有効に目的を達成することも期待できる。
【0066】
(3)プレイヤにより指示されたゲームモードに応じて設定する第3の方法。
【0067】
この方法を用いるクレーンゲーム機10では、景品くずしモードと景品つかみモードの何れかをプレイヤが選択できるものとする。景品くずしモードは、景品の山を崩してキャッチャー部14によって把持しやすい状態にしたり、景品を景品払出口16に転がり落とすといった攻略法を実行する場合の動作モードであり、景品つかみモードは、キャッチャー部14によって景品を把持させる通常の動作モードである。
【0068】
以下、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ボタン21に対するプレイヤの操作によって、景品くずしモードと景品つかみモードの何れのゲームモードを実行するか指示される。
【0069】
制御部30は、景品くずしモードの実行が指示されると(ステップD2、Yes)、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を、予め設定された景品くずしモード用の第1しきい値に設定する(ステップD3)。例えば、景品くずしモード用の第1しきい値は、景品の山を崩すことを目的とした場合に使用されるので、後述する景品つかみモード用の第2しきい値が設定される場合よりも、キャッチャー部14による押し圧が大きくなる値に設定されるものとする。
【0070】
ここで、プレイヤによってジョイスティック20が操作されると、制御部30は、ジョイスティック20に対する操作方向に応じてキャッチャー部14をXY方向に移動させて、プレイフィールド11内に山積みされた景品の上方に移動させる(ステップD4)。
【0071】
そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、アーム14bを景品くずしモード用の状態にする(ステップD5)。例えば、山積みされた景品を崩す場合に、アーム14bが閉じた状態にある方が効果的である場合には、キャッチャー部14を下降させる前にアーム14bを閉じるように動作させる。なお、その他の景品くずしモード用の形態にすることも可能である。
【0072】
キャッチャー部14が景品の上方に移動された後にボタン21が操作されると、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によってキャッチャー部14の下方への移動を開始する(ステップD6)。
【0073】
キャッチャー部14が景品等にまで到達して、その自重によって景品等を押し下げていくことにより、図7(b)に示すように、テンションアーム42が徐々に回転しはじめる。制御部30は、入力部31を通じて応力センサ37からのデータを入力し、応力センサ37により検知された応力レベル(キャッチャー部14による押し圧)が予め設定された第1しきい値に到達したかを判定する(ステップD7)。
【0074】
ここで、応力レベルが第1しきい値に到達したと判定されると(ステップD7、Yes)、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップB8)。そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、アーム14bを景品くずしモード用の状態にする(ステップD9)。例えば、アーム14bが閉じた状態でキャッチャー部14が下降されている場合に、第1しきい値をもとに調整された押し圧で押している状態でアーム14bを開くように動作させる。これにより、景品の山を崩したり、景品の位置を移動させるといったことが容易に実行することができる。
【0075】
なお、景品くずしモードでは、アーム14bだけでなく、景品くずしモードの動作時に使用する部材、例えば伸縮可能な棒などをキャッチャー部14に設けて、この部材を動かして(伸ばして)、景品の山を崩すことができるようにしても良い。
【0076】
制御部30は、キャッチャー部14のアーム14bが動作された後、景品くずしモード用の方法によりキャッチャー部14を初期位置まで移動させる(ステップD10)。
【0077】
例えば、通常の動作(景品つかみモード)と同様にして、キャッチャー部14を上昇移動させたのち、XY方向で移動させることにより初期位置に移動させるようにしても良い。また、キャッチャー部14が下降された状態のまま所定の距離分、XY方向で移動させた後に上昇移動させるようにしても良い。この場合、キャッチャー部14のXY方向の移動によって、さらに山積みされた景品を崩したり、さらに景品払出口16の方向に移動させることで景品を景品払出口16に落とすこともできる。
【0078】
以上で景品くずしモードによるクレーンゲームの動作を終了する。こうして、山積みされた景品を崩しておくことで、その後、景品つかみモードによりクレーンゲームを実行した場合に、キャッチャー部14によって景品が把持されやすくなる。
【0079】
制御部30は、景品つかみモードの実行が指示されると(ステップD11、Yes)、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を、予め設定された景品つかみモード用の第2しきい値に設定する(ステップD12)。
【0080】
ここで、プレイヤによってジョイスティック20が操作されると、制御部30は、ジョイスティック20に対する操作方向に応じてキャッチャー部14をXY方向に移動させて、プレイフィールド11内に山積みされた景品の上方に移動させる(ステップD13)。
【0081】
そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、アーム14bを景品つかみモード用の状態にする(ステップD14)。例えば、キャッチャー部14が下降される前に、アーム14bを開いた状態にする。
【0082】
キャッチャー部14が景品の上方に移動された後にボタン21が操作されると、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によってキャッチャー部14の下方への移動を開始する(ステップD15)。
【0083】
キャッチャー部14が景品等にまで到達して、その自重によって景品等を押し下げていくことにより、図7(b)に示すように、テンションアーム42が徐々に回転しはじめる。制御部30は、入力部31を通じて応力センサ37からのデータを入力し、応力センサ37により検知された応力レベル(キャッチャー部14による押し圧)が予め設定された第2しきい値に到達したかを判定する(ステップD16)。
【0084】
ここで、応力レベルが第2しきい値に到達したと判定されると(ステップD16、Yes)、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップD17)。そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、景品を把持することができるようにアーム14bを閉じさせる(ステップD18)。
【0085】
制御部30は、キャッチャー部14のアーム14bが動作された後、景品つかみモード用の方法によりキャッチャー部14を初期位置まで移動させる(ステップD19)。すなわち、制御部30は、キャッチャー部14を上昇移動させたのち、景品払出口16の上方まで移動させて、キャッチャー部14のアーム14bを開かせる。この時、キャッチャー部14(アーム14b)によって景品が把持されていた場合には、把持されていた景品が景品払出口16に落下されて、景品払出通路18を通じて景品取出口17に到達する。
【0086】
このように、第3の方法では、異なるゲームモードのそれぞれに応じて、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定することができるので、キャッチャー部14による景品等に対する押し圧を各ゲームモードにおいて適切なレベルに調整することができる。
【0087】
なお、前述した第3の方法では、景品くずしモードと景品つかみモードの2つのゲームモードがある場合を例にしているが、3つ以上のゲームモードがある場合に、それぞれのモードに応じた異なるしきい値を設定することも勿論可能である。
【0088】
(4)ペイアウト率に応じて設定する第4の方法。
【0089】
この方法を用いるクレーンゲーム機10では、景品が払い出されることにより変化するペイアウト率に応じて応力レベルのしきい値を設定し、キャッチャー部14による押し圧変えてペイアウト率を調整できるようにする。
【0090】
クレーンゲーム機10は、例えば前述した第1の方法におけるステップB3〜B10の処理を実行する。この結果、キャッチャー部14により把持された景品が景品払出口16から落下されると、景品払出通路18を通過する間に景品払い出しセンサ15によって検知される(ステップE1)。制御部30は、景品払い出しセンサ15により景品の払い出しが検知されると、ホスト装置6に対して払い出し検知データを送信する(ステップE2)。
【0091】
一方、ホスト装置6は、クレーンゲーム機10から払い出し検知データを受信し(ステップF1)、ペイアウト率(=景品払出し総額/売上総額)を算出する(ステップF2)。なお、ホスト装置6は、クレーンゲーム機10からゲームの実施回数のデータも受信しているものとする(売上総額=1回のゲーム料金×実施回数)。また、クレーンゲーム機10のプレイフィールド11に収納された景品の単価(複数種類の景品が混在する場合には平均価格)のデータについても予め記憶装置34に記憶されているものとする。
【0092】
制御部30は、算出されたペイアウト率が予め設定されている設定範囲内にある場合には(ステップF3、No)、目標とするペイアウト率が維持されているものとして、ペイアウト率に応じた応力レベルのしきい値の設定(変更)を実行しない。
【0093】
一方、ペイアウト率が予め設定されている設定範囲内にない場合には(ステップF3、Yes)、制御部30は、ペイアウト率に応じた応力レベルのしきい値を決定する(ステップF4)。すなわち、ペイアウト率が設定範囲を超えた場合には、景品の払い出しを抑えるために、例えばキャッチャー部14による景品に対する押し圧を弱くするように、応力レベルのしきい値を決定する。また、ペイアウト率が設定範囲を下回る場合には、景品が払い出されやすくするために、例えばキャッチャー部14による景品に対する押し圧を強くするように、応力レベルのしきい値を決定する。
【0094】
ホスト装置6の応力レベル設定部6aは、ペイアウト率に応じて決定されたしきい値を示すしきい値設定データをクレーンゲーム機10に対して送信する(ステップF5)。
【0095】
クレーンゲーム機10の制御部30は、通信部36を通じて、しきい値設定データを受信すると(ステップE3)、このしきい値設定データをもとにキャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定する(ステップE4)(記憶装置34にしきい値を記憶させる)。
【0096】
なお、前述した説明では、ホスト装置6においてペイアウト率を算出しているが、クレーンゲーム機10(制御部30)においてペイアウト率を算出するようにしても良い。この場合、クレーンゲーム機10は、自機におけるペイアウト率に応じて、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定して、キャッチャー部14に対する駆動制御を実行する。
【0097】
このようにして、第4の方法を用いることにより、キャッチャー部14による景品に対する押し圧を変化させてペイアウト率を調整することが可能となる。
【0098】
なお、前述した第1、第2、及び第3の方法についても、それぞれ個別に実施しても良いし、組み合わせて実施することも勿論可能である。例えば、第1と第3の方法を組み合わせることによって、各ゲームモード(景品くずしモード、景品つかみモード)のそれぞれにおける景品くずしモード用の第1しきい値と、景品つかみモード用の第2しきい値を、例えば管理者がそれぞれ任意に設定することができる。さらに、第4の方法を組み合わせることができる。また、第2と第3の方法を組み合わせることによって、第1しきい値と第2しきい値とをそれぞれ抽選によって設定し、クレーンゲームを実行する毎にキャッチャー部14による景品に対する押し圧を変化させて、ゲーム性を向上させることも可能である。また、第4の方法は、例えば前述した第1または第3の方法と組み合わせて実施することができる。
【0099】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0100】
6…ホスト装置、6a…応力レベル設定部、11…プレイフィールド、13…透明ケース、14…キャッチャー部、14a…アーム開閉機構、14b…アーム、14c…カバー、14d…ユニット取付具、14e…おもり取付ユニット、14f…取付棒、14g…重り、16…景品払出口、17…景品取出口、18…景品払出通路、19…操作パネル、20…ジョイスティック、21…ボタン、22…コイン投入口、23…コイン返却口、24…スピーカ、25…ディスプレイ、30…制御部、31…入力部、32…コイン検出センサ、32…コイン検出センサ、33…出力部、34…記憶装置、35…キャッチャー駆動部、36…通信部、39…ワイヤー、40…キャッチャー上下移動機構、41…ワイヤー巻き取りプーリ、42…テンションアーム、43…ローラ、45…回転軸、46,47…バネ取付部材、48…バネ、49…遮光板、50a,50b…フォトカプラ、50a1…発光部、50a2…受光部、51…ロータスイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンゲーム機などの景品を把持するためのキャッチャー部が設けられた景品取得ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、景品取得ゲームとしてクレーンゲーム機が広く知られている。クレーンゲーム機は、ケース内のゲームフィールドに複数の景品が山積みされており、この山積みされた中から把持装置(キャッチャー部)を操作することで景品を取得することができる。通常、クレーンゲーム機では、把持装置を目的とする景品の上方位置に移動させた後、昇降装置によって下降させて景品を把持する動作をさせた後に、再度、上昇させて景品払い出し口まで移動させる。
【0003】
このようなクレーンゲーム機では、把持装置を吊り下げているワイヤーを送り出すことにより、キャッチャー部を下降させている。そして、把持装置が景品に圧接したり、フィールド床面に到達したりしたときのワイヤーの緩みを検知することによって、ワイヤを送り出すモータの回転を停止させて把持装置の下降を停止させ、景品を把持するための動作に入るようにしている。
【0004】
また、特許文献1に記載されたクレーンゲーム機では、昇降装置のステッピングモータにより回転軸を回転させて、巻き上げプーリからワイヤを巻き出して把持装置を下降させる。そして、把持装置が下降して、床部や景品の何れかにアームの爪部材が当接し、爪部材がアームに対して相対的に上方に移動したことをセンサによって検知し、その時点で景品を挟持する動作に移行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−175273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来のクレーンゲーム機では、把持装置が景品や床部に当接したことを検知して下降動作を停止させて把持動作に移行している。すなわち、従来のクレーンゲーム機では、予め決められた一定の押し圧で当接した時点で把持装置の下降動作を停止させていた。従って、ケース内のフィールドに山積みされている景品の種類の違い、例えば形状やサイズ、重さなどに関係なく、把持装置(爪部材)による景品に対する押し圧が同じとなってしまう。従って、景品の種類によって景品取得の難易度が変化してしまい、ペイアウト率の調整が困難となってしまう。従来のクレーンゲーム機では、把持装置の景品を把持する強さを調整することで、ペイアウト率を調整することが行われていたが、把持装置の景品に対する押し圧により調整することができなかった。
【0007】
また、クレーンゲーム機では、フィールドに山積みされた景品を把持装置により掴んで取得する方法だけでなく、景品の山を崩して把持しやすい状態にしたり、景品を景品払出口に転がり落とすといった攻略法がある。しかしながら、従来のクレーンゲーム機では、一定の押し圧でしか把持装置により景品を押すことができないため、この攻略法を有効に利用することができなかった。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、把持装置による景品に対する押し圧を調整することが可能な景品取得ゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の景品取得ゲーム機は、景品を把持するための把持手段と、前記把持手段を上下方向に移動させる上下移動手段と、前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを検出するためのしきい値を抽選によって選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを、前記しきい値に基づいて検出する応力検出手段と、前記応力検出手段によって検出された応力レベルに応じて、前記上下移動手段による前記把持手段の移動を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、把持手段による景品等に対する応力レベルを検出するためのしきい値を、予め決められた一定の値とするのではなく、任意に設定できるようにすることで、把持手段による景品に対する押し圧を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態におけるクレーンゲーム機10の外観構成を示す図。
【図2】本実施形態におけるクレーンゲーム機10及びホスト装置6の機能構成を示すブロック図。
【図3】キャッチャー部14の構成を分解して示す外観図。
【図4】キャッチャー部14に設けられたおもり取付ユニット14eによって重り14gを取り付けた状態を示す図。
【図5】本実施形態におけるキャッチャー上下移動機構40の構成を示す図。
【図6】本実施形態におけるキャッチャー上下移動機構40の構成を示す図。
【図7】本実施形態における応力センサ37の検出動作を説明するための図。
【図8】管理者等の操作によって設定する第1の方法を説明するためのフローチャート。
【図9】ゲーム実行時に抽選により設定する第2の方法を説明するためのフローチャート。
【図10】プレイヤにより指示されたゲームモードに応じて設定する第3の方法を説明するためのフローチャート。
【図11】ペイアウト率に応じて設定する第4の方法を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10の外観構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態によるクレーンゲーム機10は、プレイフィールド11内に積載された景品を、キャッチャー部14によって把持することで外部に払い出すことができる。
【0013】
クレーンゲーム機10の筐体上半部は、前面と側面が透明の透明ケース13に覆われており、透明ケース13の内部が視認できるようになっている。透明ケース13内のプレイフィールド11には、複数の景品が山積みされている。
【0014】
また、透明ケース13内の上部には、キャッチャー部14と、キャッチャー部14をプレイフィールド11の内において、例えばXY軸方向に移動させるための機構(図示せず)と、Z軸方向(上下方向)に移動させるための機構部(キャッチャー上下移動機構40)が設けられている。キャッチャー部14は、ユーザ操作に応じて動作する機構部によってXY方向で所定の位置に移動されると、プレイフィールド11内に積載された景品を把持するために下方に移動される。キャッチャー部14の先端部には、景品を把持するための2本の把持爪(以下、アームと称する)が設けられており、閉じることによって景品を把持することができる(なお、3本あるいは4本のアームが設けられていても良い)。
【0015】
プレイフィールド11には、景品払出口16が設けられている。景品払出口16は、景品をプレイフィールド11から外部に払い出すためのもので、筐体下部に設けられた景品取出口17と景品払出通路18を介して連通している。キャッチャー部14によって景品が景品払出口16に落下されることにより、景品取出口17から景品を取り出すことができる。景品払出通路18には、景品払い出しセンサ15が設けられている。景品払い出しセンサ15は、景品払出通路18を通過して払い出される景品を検知する。
【0016】
また、プレイフィールド11内の背面側には、ディスプレイ25が設けられている。ディスプレイ25は、視覚的な演出をするための映像やプレイフィールド11内に用意されている景品に関する情報などが表示される。
【0017】
透明ケース13の正面には、操作パネル19が設けられている。操作パネル19の上面部には、キャッチャー部14の移動操作や各種の選択操作に用いられるジョイスティック20とボタン21、及びコインが投入されるコイン投入口23が設けられている。例えば、ジョイスティック20は、キャッチャー部14をプレイフィールド11内でXY方向に移動させるために使用され、ボタン21は、キャッチャー部14をZ方向(下方)に移動させると共に景品を把持する動作を開始させるために使用される。
【0018】
また、下部筐体の前面には、コイン投入口22に投入された規定外のコインを返却するためのコイン返却口23、ゲーム実行中の効果音や音楽、説明音声などを出力して聴覚的な演出をするためのスピーカ24が設けられている。
【0019】
図2は、本実施形態におけるクレーンゲーム機10及びホスト装置6を含む景品取得ゲームシステムの機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、クレーンゲーム機10にはホスト装置6が接続されている。ホスト装置6は、ネットワークを介して複数のクレーンゲーム機10と接続し、管理者によって設定されたデータを、一括して複数のクレーンゲーム機10に対して送信して設定させることができる。
【0020】
ホスト装置6には、ネットワークを介して接続された複数のクレーンゲーム機10との通信を制御する通信部(図示せず)、管理者による操作に用いられる入力装置(キーボードやマウス)や表示装置が設けられている他(図示せず)、クレーンゲーム機10のキャッチャー部14による景品等に対する応力レベル(押し圧)を検出するために用いるしきい値を設定する応力レベル設定部6aが設けられている。応力レベル設定部6aは、管理者によって設定された応力レベルのしきい値を示すデータをクレーンゲーム機10に送信して設定させる。
【0021】
一方、クレーンゲーム機10は、制御部30、入力部31、コイン検出センサ32、出力部33、記憶装置34、キャッチャー駆動部35、通信部36が設けられている。
【0022】
制御部30は、プロセッサやメモリ等により構成されるもので、クレーンゲーム機10全体の制御を司る。制御部30は、記憶装置34に記憶された各種プログラムを実行することによって各種の機能を制御する。制御部30は、通信部36を通じて受信されたデータをもとに、キャッチャー部14による応力レベルを検出するために用いるしきい値を設定してクレーンゲーム処理を実行する。
【0023】
入力部31は、クレーンゲーム機10に設けられた各種入力デバイスからのデータを入力する。入力部31は、ジョイスティック20、ボタン21、コイン検出センサ32、応力センサ37、景品払い出しセンサ15などからデータを入力する。コイン検出センサ32は、コイン投入口22に投入されたコインを検知するためのセンサである。応力センサ37は、キャッチャー部14による応力、すなわち景品等に対する押し圧を検知するためのセンサである。応力センサ37は、例えばキャッチャー部14をプレイフィールド11において上下方向に移動させるための機構部(キャッチャー上下移動機構40)、あるいはキャッチャー部14に設けることができる。キャッチャー上下移動機構40に設けた場合の具体的な構成については図5、図6に示す。
【0024】
出力部33は、制御部30の制御のもとで、ディスプレイ25における映像表示、及びスピーカ24からの音声出力を制御する。
【0025】
記憶装置34は、各種プログラムやデータなどを記憶する。記憶装置34には、ホスト装置6から送信されたデータをもとにして設定された、キャッチャー部14による応力レベルを判定するためのしきい値データなどが記憶される。また、記憶装置34には、ゲームを実施している間に演出出力をするための出力データが記憶される。演出出力としては、ディスプレイ25における表示やスピーカ24からの音声出力がされるものとする。なお、応力レベルを判定するためのデータや演出出力のための出力データは、ホスト装置6から送信されるものとしても良いし、可搬型の記憶媒体(DVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM)などによって提供されても良い。
【0026】
キャッチャー駆動部35は、制御部30の制御のもとで、キャッチャー部14に設けられたアーム開閉機構14aを駆動して、アーム14bにより景品を把持させるための動作を制御する。アーム開閉機構14aには、握力調整機構14a1が設けられている。握力調整機構14a1は、キャッチャー駆動部35の制御によって、アーム開閉機構14aがアーム14bを閉じる際の握力を調整する。
【0027】
通信部36は、制御部30の制御のもとでホスト装置6との通信を制御する。
【0028】
次に、本実施形態におけるキャッチャー部14の詳細な構成について説明する。
図3は、キャッチャー部14の構成を分解して示す外観図である。キャッチャー部14は、カバー14cの内部にアーム開閉機構14aが収容されている。アーム開閉機構14aは、ワイヤー39によって吊り下げられると共に、制御用の信号を入力するためのケーブル(図示せず)が接続される。アーム開閉機構14aは、キャッチャー駆動部35からの信号に応じて2本のアーム14bの開閉を制御する。また本実施形態のキャッチャー部14には、おもり取付ユニット14eを装着するためのユニット取付具14dが設けられている。ユニット取付具14dは、例えばアーム14bの開閉方向と同一線上のアーム開閉機構14aの両側面部に設けられている。ユニット取付具14dには、重り14gに設けられた穴に貫通可能な取付棒14fが設けられており、重り14gを着脱可能にしている。
【0029】
図4は、キャッチャー部14に設けられたおもり取付ユニット14eによって重り14gを取り付けた状態を示す図である。図4に示すように、重り14gの穴に、おもり取付ユニット14eの取付棒14fを貫通させることで、重り14gをキャッチャー部14に装着している。取付棒14fには、任意に重り14gを着脱可能としている。従って、おもり取付ユニット14eに装着する重り14gの数を調整して、キャッチャー部14全体の自重を調整することができる。これにより、キャッチャー部14が下方向に移動された場合の景品に対する押し圧を調整することができる。
【0030】
次に、キャッチャー部14を上下方向に移動させるキャッチャー上下移動機構40の詳細な構成について説明する。
図5及び図6は、本実施形態におけるキャッチャー上下移動機構40の構成を示す図である。図5と図6に示すキャッチャー上下移動機構40は、キャッチャー部14を上下方向に移動させるための機構は同じであるが、キャッチャー部14による応力レベルを検出する応力センサ37の構成が異なっている。
【0031】
図5に示すように、キャッチャー上下移動機構40には、キャッチャー部14を吊り下げているワイヤー39の長さを調整するためのワイヤー巻き取りプーリ41が設けられている。ワイヤー巻き取りプーリ41には、テンションアーム42の一方の端部近傍に設けられたローラ43を介して導入されたワイヤー39が巻回される。テンションアーム42は、長手方向の一方の端部近傍にローラ43が設けられ、他方の端部近傍にバネ取付部材46が設けられている。テンションアーム42には、長手方向の中心に回転軸45が設けられており、所定範囲内で回転することができる。
【0032】
バネ取付部材46には、固定位置に取り付けられたバネ取付部材47との間に弾性部材としてバネ48が取り付けられている。バネ48は、テンションアーム42のバネ取付部材46が設けられている側の端部を下げる方向に付勢されている。キャッチャー部14が景品(あるいはプレイフィールド11の床面)に到達していない状態では、図7(a)に示すように、キャッチャー部14の自重がローラ43に掛かるため、バネ48による付勢力と釣り合って、テンションアーム42がほぼ水平となる。これに対して、キャッチャー部14が景品(あるいはプレイフィールド11の床面)に到達して反力がある場合には、ローラ43に掛かる重さがキャッチャー部14より軽くなるため、図7(b)に示すように、バネ48の付勢力によって、バネ取付部材46が取り付けられた側が下がる。
【0033】
図5に示す構成では、応力センサ37として、複数のフォトカプラ50a,50bが設けられている。フォトカプラ50aには、発光部50a1と受光部50a2が設けられている。発光部50a1から出力された光は、受光部50a2によって受光される。テンションアーム42のバネ取付部材46が設けられた側の端部には遮光板49が設けられており、この遮光板49が発光部50a1と受光部50a2との間を通過するように配置されている。
【0034】
テンションアーム42がほぼ水平の状態にある場合には、上部に配置されたフォトカプラ50aの発光部50a1と受光部50a2との間に遮光板49が位置し、発光部50a1から出力される光を遮断する。
【0035】
キャッチャー部14が下降されて景品等に圧接すると、図7(b)に示すように、遮光板49が下方向に移動する。この状態にある場合には、フォトカプラ50aの発光部50a1から出力された光は、受光部50a2によって受光されるようになる。一方、下部に配置されたフォトカプラ50bでは発光部と受光部との間に遮光板49が位置するようになるため、発光部から出力される光が受光部に到達しなくなる。
【0036】
さらに、キャッチャー部14が下降されることによりワイヤー39が弛むと、遮光板49がさらに下方向に移動する。この状態にある場合には、フォトカプラ50a,50bの何れにおいても、それぞれの発光部から出力された光は、対応する受光部によって受光されるようになる。
【0037】
このように、複数のフォトカプラ50a,50bにより応力センサ37を構成することで、何れのフォトカプラ50a,50bにおいて発光部から出力された光が受光部によって受光されているかによって、テンションアーム42の回転量を複数段階で検出することができる。
【0038】
図6に示す構成では、テンションアーム42の回転軸45に、テンションアーム42の回転量を検知するロータスイッチ51を設けている。ロータスイッチ51は、テンションアーム42の回転量に応じた信号を出力する。なお、その他の構成は、図5と同じであるので詳細な説明を省略する。
【0039】
このように、ロータスイッチ51を回転軸45に設けることで、ロータスイッチ51が検出可能な複数の段階でテンションアーム42の回転量を検出することができる。
【0040】
なお、図5及び図6に示す応力センサ37の構成は一例であって、テンションアーム42の回転量を検出することができれば、他の構成を用いることも可能である。
【0041】
次に、本実施形態における景品取得ゲームシステム(ホスト装置6、クレーンゲーム機10)の動作について説明する。
本実施形態におけるクレーンゲーム機10は、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値の設定方法として、(1)管理者等の操作によって設定する第1の方法、(2)ゲーム実行時に抽選により設定する第2の方法、(3)プレイヤにより指示されたゲームモードに応じて設定する第3の方法、(4)ペイアウト率に応じて設定する第4の方法を用いることができる。この(1)(2)(3)(4)の方法について、フローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0042】
(1)管理者等の操作によって設定する第1の方法。
【0043】
この方法では、クレーンゲーム機10を管理する管理者(あるいは運営者)などが、クレーンゲーム機10においてキャッチャー部14により景品にどの程度の押し圧を加えるかを任意に設定することができる。従って、クレーンゲーム機10のプレイフィールド11に入れた景品の種類(大きさ、形状、材質等)に応じて、キャッチャー部14による押し圧を変更することができる。これにより、クレーンゲーム機10のペイアウト率(=景品払出し総額/売上総額)の調整をすることも可能となる。
【0044】
以下、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ホスト装置6では、管理者によって応力レベルのしきい値設定要求が入力される(ステップA1)。しきい値設定要求に応じて、応力レベル設定部6aは、例えば設定可能な複数の段階のしきい値を、表示装置を通じて管理者に提示する。管理者は、提示された複数の段階のしきい値の何れかを選択すると共に、クレーンゲーム機10に対するしきい値設定指示を入力する(ステップA2)。
【0045】
応力レベル設定部6aは、しきい値設定指示に応じて、選択されたしきい値を示すしきい値設定データをクレーンゲーム機10に対して送信し、応力レベルのしきい値の設定を要求する(ステップA3)。
【0046】
一方、クレーンゲーム機10の制御部30は、通信部36を通じて、しきい値設定データを受信すると(ステップB1)、このしきい値設定データをもとにキャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定する(ステップB2)(記憶装置34にしきい値を記憶させる)。
【0047】
なお、応力レベルのしきい値の設定は、任意のタイミングで実行することができる。クレーンゲーム機10は、プレイヤからの要求に応じてクレーンゲームを実行する場合に、その時に記憶装置34に記憶された最新のしきい値をもとにして、キャッチャー部14の下方向への移動制御を実行する。
【0048】
ここでは、ホスト装置6において管理者により応力レベルのしきい値を設定するとしているが、クレーンゲーム機10において個別に応力レベルのしきい値を設定するようにしても良い。この場合、クレーンゲーム機10に設けられたジョイスティック20やボタン21、あるいは専用の入力装置(図示せず)を用いて、キャッチャー部14による押し圧を検出するためのしきい値を指定できるようにする(ステップB0)。制御部30は、この指定された応力レベルのしきい値を設定する(ステップB2)。
【0049】
なお、ホスト装置6(あるいはクレーンゲーム機10)では、応力レベルのしきい値だけでなく、キャッチャー部14のアーム開閉機構14a(握力調整機構14a1)による握力を指示することができる。制御部30は、指示された握力でキャッチャー部14のアーム14bが閉じられるようにキャッチャー駆動部35を制御する。こうして、キャッチャー部14の握力を調整することで、プレイフィールド11に山積みされた景品がキャッチャー部14によって把持されやすくしたり、逆に把持されにくくすることができるので、例えばペイアウト率を調整することができる。
【0050】
ところで、クレーンゲーム機10は、初期状態においては、コイン投入待ちの状態となっている。制御部30は、コイン検出センサ32によってコインが投入されたことを検知すると、クレーンゲームを開始させる(ステップB3)。
【0051】
ここで、プレイヤによってジョイスティック20が操作されると、制御部30は、ジョイスティック20に対する操作方向に応じてキャッチャー部14をXY方向に移動させて、プレイフィールド11内に山積みされた景品の上方に移動させる(ステップB4)。
【0052】
キャッチャー部14が景品の上方に移動された後にボタン21が操作されると、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によってキャッチャー部14の下方への移動を開始する(ステップB5)。キャッチャー部14が景品やプレイフィールド11の床面などに到達していない間には、図7(a)に示すように、テンションアーム42がほぼ水平状態を維持している。すなわち、キャッチャー部14による景品等に対する押し圧は、予め設定されたしきい値に到達していないと判別される(ステップB6、No)。制御部30は、キャッチャー部14が景品等に到達するまで、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降を継続させる(ステップB5,B6)。
【0053】
そして、キャッチャー部14が景品等にまで到達して、その自重によって景品等を押し下げていくと、図7(b)に示すように、テンションアーム42が徐々に回転しはじめる。制御部30は、入力部31を通じて応力センサ37からのデータを入力しており、応力センサ37により検知された応力レベル(キャッチャー部14による押し圧)が予め設定されたしきい値に到達したかを判定する。
【0054】
例えば、図5に示すように、応力センサ37が複数のフォトカプラ50a,50bにより構成されている場合、フォトカプラ50bによりテンションアーム42の回転が検出された時の応力レベルに対応するしきい値が設定されているものとする。制御部30は、フォトカプラ50bによる検知に変化があると(遮光板49がフォトカプラ50bの発光部と受光部との間に到達すると)、キャッチャー部14による景品に対する押し圧が予め設定されたしきい値に到達したものと判定し(ステップB6、Yes)、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップB7)。
【0055】
なお、図6に示すように、応力センサ37がロータスイッチ51により構成されている場合には、フォトカプラ50a,50bを用いた構成よりも多段階でキャッチャー部14による応力レベルの変化を検知することができる。従って、図5に示す構成を用いた場合よりも、細かにしきい値を設定することができる。制御部30は、ロータスイッチ51によって検出されるテンションアーム42の回転量が、予め設定されたしきい値に対応する位置まで到達すると、キャッチャー部14による景品に対する押し圧が予め設定されたしきい値に到達したものと判定し(ステップB6、Yes)、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップB7)。
【0056】
そこで、制御部30は、キャッチャー駆動部35を通じてアーム開閉機構14aを動作させて、キャッチャー部14のアーム14bを景品が把持されるように閉じさせる(ステップB8)。ここでは、握力調整機構14a1の制御によって、予め指定された握力で景品を把持するようにアーム14bが閉じられる。
【0057】
制御部30は、キャッチャー部14のアーム14bが閉じられた後、キャッチャー部14を上昇移動させ(ステップB9)、さらにXY方向で移動させることにより景品払出口16の上方に移動させる(ステップB10)。制御部30は、キャッチャー部14が景品を景品払出口16の上方まで移動すると、キャッチャー部14のアーム14bを開かせる。この時、キャッチャー部14(アーム14b)によって景品が把持されていた場合には、把持されていた景品が景品払出口16に落下されて、景品払出通路18を通じて景品取出口17に到達する。
【0058】
このように、第1の方法では、キャッチャー部14の下降動作は、応力センサ37によって検出される応力レベル(押し圧)が管理者等によって予め設定されたしきい値に到達した時点で停止されるため、管理者が任意のしきい値を設定することで景品等に対するキャッチャー部14による押圧を調整することができる。また、キャッチャー部14に装着された重り14gの重さに応じて、その時のキャッチャー部14の自重に対して最適なしきい値を設定することも可能である。
【0059】
(2)ゲーム実行時に抽選により設定する第2の方法。
【0060】
この方法では、クレーンゲームを実施するたびに機械的に抽選を実施し、この抽選結果に応じて応力レベルのしきい値を設定する。従って、クレーンゲームを実施するたびにキャッチャー部14によって景品等に加えられる押し圧が変化することになるので、景品が把持しやすくなったり、あるいは把持されにくくなったりするなどの変化を与えることができる。
【0061】
以下、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
クレーンゲーム機10は、初期状態においては、コイン投入待ちの状態となっている。制御部30は、コイン検出センサ32によってコインが投入されたことを検知すると、クレーンゲームを開始させる(ステップC1)。
【0062】
制御部30は、キャッチャー部14を移動させる処理を開始する前に、キャッチャー部14の景品等に対する応力レベルのしきい値を抽選によって求める(ステップC2)。例えば、抽選の方法としては、プログラムによる処理によって乱数値を発生させて、この乱数値に応じてしきい値を選択することができる。あるいは、不規則に異なるしきい値データが配列されたデータテーブル中から所定の順番で読み出すようにしても良い。その他、任意の方法で抽選を実施することができる。
【0063】
制御部30は、抽選によって求められたしきい値データをもとにキャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定する(ステップC3)(記憶装置34にしきい値を記憶させる)。
【0064】
以下、図9に示すステップC4〜C10ついては、図8におけるステップB4〜B10と同様の処理を実行するものとして説明を省略する。
【0065】
このように、第2の方法では、クレーンゲームを実施するたびに、キャッチャー部14により景品等に加えられる押し圧が変化するので、ゲームに変化を持たせて、プレイヤのプレイ意欲を向上させることができる。例えば、プレイフィールド11に山積みされた景品の種類(大きさ、形状、材質等)によっては、キャッチャー部14による押し圧が大きい場合に把持しやすかったり、逆に押し圧が小さい場合に把持しやすくなる場合がある。プレイヤは、こうしたキャッチャー部14によって景品が把持されやすい抽選が行われることを期待して、クレーンゲームを実行するようになる。また、景品の山を崩したり、景品を景品払出口に転がり落とすといった攻略法を使用しようとする場合に、キャッチャー部14による押し圧が通常よりも大きくなるように抽選が行われることで、より有効に目的を達成することも期待できる。
【0066】
(3)プレイヤにより指示されたゲームモードに応じて設定する第3の方法。
【0067】
この方法を用いるクレーンゲーム機10では、景品くずしモードと景品つかみモードの何れかをプレイヤが選択できるものとする。景品くずしモードは、景品の山を崩してキャッチャー部14によって把持しやすい状態にしたり、景品を景品払出口16に転がり落とすといった攻略法を実行する場合の動作モードであり、景品つかみモードは、キャッチャー部14によって景品を把持させる通常の動作モードである。
【0068】
以下、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ボタン21に対するプレイヤの操作によって、景品くずしモードと景品つかみモードの何れのゲームモードを実行するか指示される。
【0069】
制御部30は、景品くずしモードの実行が指示されると(ステップD2、Yes)、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を、予め設定された景品くずしモード用の第1しきい値に設定する(ステップD3)。例えば、景品くずしモード用の第1しきい値は、景品の山を崩すことを目的とした場合に使用されるので、後述する景品つかみモード用の第2しきい値が設定される場合よりも、キャッチャー部14による押し圧が大きくなる値に設定されるものとする。
【0070】
ここで、プレイヤによってジョイスティック20が操作されると、制御部30は、ジョイスティック20に対する操作方向に応じてキャッチャー部14をXY方向に移動させて、プレイフィールド11内に山積みされた景品の上方に移動させる(ステップD4)。
【0071】
そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、アーム14bを景品くずしモード用の状態にする(ステップD5)。例えば、山積みされた景品を崩す場合に、アーム14bが閉じた状態にある方が効果的である場合には、キャッチャー部14を下降させる前にアーム14bを閉じるように動作させる。なお、その他の景品くずしモード用の形態にすることも可能である。
【0072】
キャッチャー部14が景品の上方に移動された後にボタン21が操作されると、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によってキャッチャー部14の下方への移動を開始する(ステップD6)。
【0073】
キャッチャー部14が景品等にまで到達して、その自重によって景品等を押し下げていくことにより、図7(b)に示すように、テンションアーム42が徐々に回転しはじめる。制御部30は、入力部31を通じて応力センサ37からのデータを入力し、応力センサ37により検知された応力レベル(キャッチャー部14による押し圧)が予め設定された第1しきい値に到達したかを判定する(ステップD7)。
【0074】
ここで、応力レベルが第1しきい値に到達したと判定されると(ステップD7、Yes)、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップB8)。そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、アーム14bを景品くずしモード用の状態にする(ステップD9)。例えば、アーム14bが閉じた状態でキャッチャー部14が下降されている場合に、第1しきい値をもとに調整された押し圧で押している状態でアーム14bを開くように動作させる。これにより、景品の山を崩したり、景品の位置を移動させるといったことが容易に実行することができる。
【0075】
なお、景品くずしモードでは、アーム14bだけでなく、景品くずしモードの動作時に使用する部材、例えば伸縮可能な棒などをキャッチャー部14に設けて、この部材を動かして(伸ばして)、景品の山を崩すことができるようにしても良い。
【0076】
制御部30は、キャッチャー部14のアーム14bが動作された後、景品くずしモード用の方法によりキャッチャー部14を初期位置まで移動させる(ステップD10)。
【0077】
例えば、通常の動作(景品つかみモード)と同様にして、キャッチャー部14を上昇移動させたのち、XY方向で移動させることにより初期位置に移動させるようにしても良い。また、キャッチャー部14が下降された状態のまま所定の距離分、XY方向で移動させた後に上昇移動させるようにしても良い。この場合、キャッチャー部14のXY方向の移動によって、さらに山積みされた景品を崩したり、さらに景品払出口16の方向に移動させることで景品を景品払出口16に落とすこともできる。
【0078】
以上で景品くずしモードによるクレーンゲームの動作を終了する。こうして、山積みされた景品を崩しておくことで、その後、景品つかみモードによりクレーンゲームを実行した場合に、キャッチャー部14によって景品が把持されやすくなる。
【0079】
制御部30は、景品つかみモードの実行が指示されると(ステップD11、Yes)、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を、予め設定された景品つかみモード用の第2しきい値に設定する(ステップD12)。
【0080】
ここで、プレイヤによってジョイスティック20が操作されると、制御部30は、ジョイスティック20に対する操作方向に応じてキャッチャー部14をXY方向に移動させて、プレイフィールド11内に山積みされた景品の上方に移動させる(ステップD13)。
【0081】
そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、アーム14bを景品つかみモード用の状態にする(ステップD14)。例えば、キャッチャー部14が下降される前に、アーム14bを開いた状態にする。
【0082】
キャッチャー部14が景品の上方に移動された後にボタン21が操作されると、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によってキャッチャー部14の下方への移動を開始する(ステップD15)。
【0083】
キャッチャー部14が景品等にまで到達して、その自重によって景品等を押し下げていくことにより、図7(b)に示すように、テンションアーム42が徐々に回転しはじめる。制御部30は、入力部31を通じて応力センサ37からのデータを入力し、応力センサ37により検知された応力レベル(キャッチャー部14による押し圧)が予め設定された第2しきい値に到達したかを判定する(ステップD16)。
【0084】
ここで、応力レベルが第2しきい値に到達したと判定されると(ステップD16、Yes)、制御部30は、キャッチャー上下移動機構40によるキャッチャー部14の下降移動を停止させる(ステップD17)。そして、制御部30は、キャッチャー駆動部35によってアーム開閉機構14aを動作させて、景品を把持することができるようにアーム14bを閉じさせる(ステップD18)。
【0085】
制御部30は、キャッチャー部14のアーム14bが動作された後、景品つかみモード用の方法によりキャッチャー部14を初期位置まで移動させる(ステップD19)。すなわち、制御部30は、キャッチャー部14を上昇移動させたのち、景品払出口16の上方まで移動させて、キャッチャー部14のアーム14bを開かせる。この時、キャッチャー部14(アーム14b)によって景品が把持されていた場合には、把持されていた景品が景品払出口16に落下されて、景品払出通路18を通じて景品取出口17に到達する。
【0086】
このように、第3の方法では、異なるゲームモードのそれぞれに応じて、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定することができるので、キャッチャー部14による景品等に対する押し圧を各ゲームモードにおいて適切なレベルに調整することができる。
【0087】
なお、前述した第3の方法では、景品くずしモードと景品つかみモードの2つのゲームモードがある場合を例にしているが、3つ以上のゲームモードがある場合に、それぞれのモードに応じた異なるしきい値を設定することも勿論可能である。
【0088】
(4)ペイアウト率に応じて設定する第4の方法。
【0089】
この方法を用いるクレーンゲーム機10では、景品が払い出されることにより変化するペイアウト率に応じて応力レベルのしきい値を設定し、キャッチャー部14による押し圧変えてペイアウト率を調整できるようにする。
【0090】
クレーンゲーム機10は、例えば前述した第1の方法におけるステップB3〜B10の処理を実行する。この結果、キャッチャー部14により把持された景品が景品払出口16から落下されると、景品払出通路18を通過する間に景品払い出しセンサ15によって検知される(ステップE1)。制御部30は、景品払い出しセンサ15により景品の払い出しが検知されると、ホスト装置6に対して払い出し検知データを送信する(ステップE2)。
【0091】
一方、ホスト装置6は、クレーンゲーム機10から払い出し検知データを受信し(ステップF1)、ペイアウト率(=景品払出し総額/売上総額)を算出する(ステップF2)。なお、ホスト装置6は、クレーンゲーム機10からゲームの実施回数のデータも受信しているものとする(売上総額=1回のゲーム料金×実施回数)。また、クレーンゲーム機10のプレイフィールド11に収納された景品の単価(複数種類の景品が混在する場合には平均価格)のデータについても予め記憶装置34に記憶されているものとする。
【0092】
制御部30は、算出されたペイアウト率が予め設定されている設定範囲内にある場合には(ステップF3、No)、目標とするペイアウト率が維持されているものとして、ペイアウト率に応じた応力レベルのしきい値の設定(変更)を実行しない。
【0093】
一方、ペイアウト率が予め設定されている設定範囲内にない場合には(ステップF3、Yes)、制御部30は、ペイアウト率に応じた応力レベルのしきい値を決定する(ステップF4)。すなわち、ペイアウト率が設定範囲を超えた場合には、景品の払い出しを抑えるために、例えばキャッチャー部14による景品に対する押し圧を弱くするように、応力レベルのしきい値を決定する。また、ペイアウト率が設定範囲を下回る場合には、景品が払い出されやすくするために、例えばキャッチャー部14による景品に対する押し圧を強くするように、応力レベルのしきい値を決定する。
【0094】
ホスト装置6の応力レベル設定部6aは、ペイアウト率に応じて決定されたしきい値を示すしきい値設定データをクレーンゲーム機10に対して送信する(ステップF5)。
【0095】
クレーンゲーム機10の制御部30は、通信部36を通じて、しきい値設定データを受信すると(ステップE3)、このしきい値設定データをもとにキャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定する(ステップE4)(記憶装置34にしきい値を記憶させる)。
【0096】
なお、前述した説明では、ホスト装置6においてペイアウト率を算出しているが、クレーンゲーム機10(制御部30)においてペイアウト率を算出するようにしても良い。この場合、クレーンゲーム機10は、自機におけるペイアウト率に応じて、キャッチャー部14による応力レベルのしきい値を設定して、キャッチャー部14に対する駆動制御を実行する。
【0097】
このようにして、第4の方法を用いることにより、キャッチャー部14による景品に対する押し圧を変化させてペイアウト率を調整することが可能となる。
【0098】
なお、前述した第1、第2、及び第3の方法についても、それぞれ個別に実施しても良いし、組み合わせて実施することも勿論可能である。例えば、第1と第3の方法を組み合わせることによって、各ゲームモード(景品くずしモード、景品つかみモード)のそれぞれにおける景品くずしモード用の第1しきい値と、景品つかみモード用の第2しきい値を、例えば管理者がそれぞれ任意に設定することができる。さらに、第4の方法を組み合わせることができる。また、第2と第3の方法を組み合わせることによって、第1しきい値と第2しきい値とをそれぞれ抽選によって設定し、クレーンゲームを実行する毎にキャッチャー部14による景品に対する押し圧を変化させて、ゲーム性を向上させることも可能である。また、第4の方法は、例えば前述した第1または第3の方法と組み合わせて実施することができる。
【0099】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0100】
6…ホスト装置、6a…応力レベル設定部、11…プレイフィールド、13…透明ケース、14…キャッチャー部、14a…アーム開閉機構、14b…アーム、14c…カバー、14d…ユニット取付具、14e…おもり取付ユニット、14f…取付棒、14g…重り、16…景品払出口、17…景品取出口、18…景品払出通路、19…操作パネル、20…ジョイスティック、21…ボタン、22…コイン投入口、23…コイン返却口、24…スピーカ、25…ディスプレイ、30…制御部、31…入力部、32…コイン検出センサ、32…コイン検出センサ、33…出力部、34…記憶装置、35…キャッチャー駆動部、36…通信部、39…ワイヤー、40…キャッチャー上下移動機構、41…ワイヤー巻き取りプーリ、42…テンションアーム、43…ローラ、45…回転軸、46,47…バネ取付部材、48…バネ、49…遮光板、50a,50b…フォトカプラ、50a1…発光部、50a2…受光部、51…ロータスイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品を把持するための把持手段と、
前記把持手段を上下方向に移動させる上下移動手段と、
前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを検出するためのしきい値を抽選によって選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたしきい値を設定するしきい値設定手段と、
前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを、前記しきい値に基づいて検出する応力検出手段と、
前記応力検出手段によって検出された応力レベルに応じて、前記上下移動手段による前記把持手段の移動を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする景品取得ゲーム機。
【請求項2】
前記選択手段は、複数の異なるしきい値を抽選によって選択し、
前記しきい値設定手段は、前記選択手段により選択された複数のしきい値を設定し、
前記制御手段は、前記複数のしきい値のそれぞれに基づいて前記応力検出手段によって検出された応力レベルに応じて、前記上下移動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム機。
【請求項3】
複数のゲームモードの何れかを設定するゲームモード設定手段をさらに具備し、
前記選択手段は、前記複数のゲームモードのそれぞれに対応する前記複数の異なるしきい値を抽選によって選択することを特徴とする請求項2記載の景品取得ゲーム機。
【請求項4】
前記選択手段は、乱数値を発生させて、この発生された乱数値に応じてしきい値を選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の景品取得ゲーム機。
【請求項5】
前記選択手段は、複数の異なるしきい値データが配列されたデータテーブル中から所定の順番で前記しきい値データを読み出すことにより、しきい値を選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の景品取得ゲーム機。
【請求項1】
景品を把持するための把持手段と、
前記把持手段を上下方向に移動させる上下移動手段と、
前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを検出するためのしきい値を抽選によって選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたしきい値を設定するしきい値設定手段と、
前記上下移動手段によって下方向に移動される前記把持手段による応力レベルを、前記しきい値に基づいて検出する応力検出手段と、
前記応力検出手段によって検出された応力レベルに応じて、前記上下移動手段による前記把持手段の移動を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする景品取得ゲーム機。
【請求項2】
前記選択手段は、複数の異なるしきい値を抽選によって選択し、
前記しきい値設定手段は、前記選択手段により選択された複数のしきい値を設定し、
前記制御手段は、前記複数のしきい値のそれぞれに基づいて前記応力検出手段によって検出された応力レベルに応じて、前記上下移動手段を制御することを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム機。
【請求項3】
複数のゲームモードの何れかを設定するゲームモード設定手段をさらに具備し、
前記選択手段は、前記複数のゲームモードのそれぞれに対応する前記複数の異なるしきい値を抽選によって選択することを特徴とする請求項2記載の景品取得ゲーム機。
【請求項4】
前記選択手段は、乱数値を発生させて、この発生された乱数値に応じてしきい値を選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の景品取得ゲーム機。
【請求項5】
前記選択手段は、複数の異なるしきい値データが配列されたデータテーブル中から所定の順番で前記しきい値データを読み出すことにより、しきい値を選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の景品取得ゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−88021(P2011−88021A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27065(P2011−27065)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【分割の表示】特願2006−316617(P2006−316617)の分割
【原出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【分割の表示】特願2006−316617(P2006−316617)の分割
【原出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
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