説明

景品取得ゲーム装置

景品取得ゲーム装置10は、景品18が収納された景品収納部14を有する。景品収納部14には、移動体24によって把持された景品18を落下させる落下口26が設けられている。この落下口26は、落下口開閉機構37のシャッター74により開閉される。また、落下口26の下方には景品保管室30が設けられ、景品保管室30の正面側には景品18を取出すための取出口32が設けられている。そして、取出口32は、景品取出ドア34によって開閉される。ゲーム中は、シャッター74が落下口26を開放して景品18の落下を受け入れており、且つ景品取出ドア34は、ロック機構62によって閉位置にロックされる。ゲーム終了後は、シャッター74が落下口26を閉塞し、且つロック機構62による景品取出ドア34のロックが解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は景品取得ゲーム装置に係り、特にプレイヤの操作により筐体の内部に収容された景品を取出口に落下させて取得する景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の景品取得ゲーム装置としては、例えば、UFOキャッチャーと呼ばれるゲーム装置がある。この種の景品取得ゲーム装置は、コインを投入した後、プレイヤの釦操作により天井に設けられた景品把持機構を左右方向及び前後方向に移動させ、透明ガラスに囲まれた筐体の内部に載置された複数の景品の中から任意の景品に向けて一対のアームを有するクランプ部(UFOのような形状に形成されている)を降下させて狙った景品を把持するものである。
【0003】
このクランプ部に設けられた一対のアームが開いて閉じるクランプ操作を行うことで、一対のアームが景品を把持する場合(成功のケース)と、あるいは一対のアームが景品を把持できない場合(失敗のケース)もある。そして、一対のアームの閉動作が行われると共に、クランプ部が上昇して景品落下口の上方に移動する。その後、クランプ部は、一対のアームを開いて把持した景品を景品落下口に落下させる。これにより、プレイヤは、景品落下口と連通された景品取出口から景品を受け取ることができる。尚、クランプ部が景品を把持した場合(成功のケース)、あるいは景品が搬送途中で落下した場合(失敗のケース)でも、一対のアームの開閉動作及びクランプ部の移動は同じように行われる。
【0004】
このように、景品取得ゲーム装置においては、景品把持機構による一連の動作が1プレイとして行われる。そして、従来は、景品の大きさが例えば20cm〜25cm程度の縫ぐるみ(例えば、熊の縫ぐるみ等)を上限としていたが、近年は、景品の大型化が進められており、景品の大きさを例えば35cm〜40cm程度の大きな縫ぐるみを扱えるように要望されている。
【0005】
このような景品の大型化を進める場合、景品を把持する一対のアームを大きくする必要があるが、それと共に、景品取出口の開口面積を景品の大きさに合わせて大きくしなければならない。その場合に問題となるのが、景品の大型化に伴う景品取出口からの盗難防止対策である。
【0006】
上記のように景品取出口の開口面積を大型化した場合、例えば、小さな子供が景品取り出し口に入ってしまい、景品取出口から筐体内部の景品を不正に獲得してしまうなどのセキュリティ面での対策が要望されている。
【0007】
このようなセキュリティ問題に対処するため、景品取出口と景品落下口との間で回動可能に設けられ、景品落下口を下側から閉じるように設けられた第1の扉と、筐体の外壁に回動可能に設けられ、景品取出口を開閉する第2の扉とを有する構成の景品取得ゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1:特開平11−192375号公報参照)。
【0008】
この構成では、第2の扉を開けて景品取出口から手を入れても、第1の扉が垂直状態に開いて景品取出口と景品落下口との間を遮蔽しており、景品取出口から第1の扉を押圧して水平状態に回動させると、第1の扉によって景品落下口を下側から閉じることになる。そのため、特許文献1に記載された景品取得ゲーム装置では、景品取出口から景品を取り出そうとしても第1の扉が外側からの侵入を阻止して景品の盗難を防止することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の景品取得ゲーム装置では、例えば手の長い大人が景品取出口から手を入れた場合、垂直状態の第1の扉の下縁と景品取出口の底面との隙間から手を入れることが可能であり、景品落下口の周辺に置かれた景品を景品落下口へ引き込むことができてしまうという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は上記問題を解決した景品取得ゲーム装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
【0012】
本発明は、プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、前記落下口に落下させた景品をプレイヤが前記取出口から取り出す際に開閉自在に設けられた取出口開閉部と、前記取出口開閉部の開閉状態を検出する取出口開閉検出手段と、前記落下口及び/又は前記取出口の開閉制御をする制御手段とを有し、前記制御手段は、前記取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態であるならば、前記開閉駆動機構により前記落下口が開いている状態となるように前記落下口開閉部を駆動制御することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明は、前記取出口開閉部を係止して前記取出口が閉じている状態を維持する取出口ロック手段と、を有し、前記制御手段は、前記取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態であるならば、前記取出口ロック手段をロックして前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態を維持するとともに、前記開閉駆動機構により前記落下口が開いている状態となるように前記落下口開閉部を駆動制御することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明は、前記制御手段が、前記取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記取出口が開いている状態であるならば、前記取出口が閉じている状態になるよう前記プレイヤに報知する報知手段を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明は、プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、前記落下口の開閉状態を検出する落下口開閉検出手段と、前記落下口に落下させた景品をプレイヤが前記取出口から取り出す際に開閉自在に設けられた取出口開閉部と、前記取出口開閉部を係止して前記取出口が閉じている状態を維持する取出口ロック手段と、前記落下口及び/又は前記取出口の開閉制御をする制御手段とを有し、前記制御手段は、前記開閉駆動機構により前記落下口開閉部を駆動させ、前記落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態であるならば、前記取出口ロック手段のロックを解除して前記取出口開閉部の開閉可能に制御することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明は、前記落下開閉部が前記落下口を閉じている状態を維持する落下口ロック手段とを有し、前記制御手段は、前記開閉駆動機構により前記落下口開閉部を駆動させ、前記落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態であるならば、前記落下口ロック手段により前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態を維持させるとともに、前記取出口ロック手段のロックを解除して前記取出口が開いている状態となるように前記取出口開閉部の開閉制御することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明は、プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品を前記プレイヤが取り出す取出口と、前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、前記落下口に落下された前記景品の衝突により前記落下口開閉部が回動した後に、付勢手段により元の位置に前記落下口開閉部が回動して戻るよう付勢された開閉機構と、前記落下口の開閉状態を検出する落下口開閉検出手段と、前記落下口に落下させた景品をプレイヤが前記取出口から取り出す際に開閉自在に設けられた取出閉部と、前記取出口開閉部を係止して前記取出口が閉じている状態を維持する取出口ロック手段と、前記取出口の開閉制御をする制御手段とを有し、前記制御手段は、前記落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態であるならば、前記取出口ロック手段のロックを解除して前記取出口開閉部の開閉可能に制御することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明は、前記取出口ロック手段によって前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態が維持されているときに、前記プレイヤが操作することにより、前記取出口ロック手段によるロックを解除するロック解除操作部を設け、前記制御手段は、前記ロック解除操作部からの操作信号に応答して、前記開閉駆動機構を駆動させて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態にさせた後に、前記取出口ロック手段によるロックを解除することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明は、プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、前記落下口に落下した景品を一時的に保管し、保管した景品を取り出す取出口を有する景品保管部と、前記景品保管部の内部に物体が存在するか否かを検出する物体検出手段と、プレイヤに前記景品保管部内の物を取り出すように報知する物体取出報知手段と、前記落下口の開閉制御をする制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記景品検出手段からの検出信号に基づいて前記景品保管部内に落下した景品があるならば、前記景品取出報知手段によりプレイヤに前記景品保管部内の景品を取り出すように報知することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明は、プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、前記落下口に落下した景品を一時的に保管し、保管した景品を取り出す取出口を有する景品保管部と、前記景品保管部の内部に加えられた圧力を検出する圧力検出手段と、前記落下口の開閉制御をする制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記圧力検出手段からの検出信号に基づいて圧力が前記景品保管部の内部に加えられていないならば、前記開閉駆動機構により前記落下口が開いている状態となるように前記落下口開閉部を駆動制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて取出口開閉部が取出口を閉じている状態であるならば、開閉駆動機構により落下口が開いている状態となるように落下口開閉部を駆動制御するため、プレイヤが操作中は落下口が開いており、景品を落下口に落下させることができると共に、取出口から筐体内部の景品を不正に取り出すことができず、景品の盗難を防止できる。
【0022】
また、本発明によれば、取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて取出口開閉部が取出口を閉じている状態であるならば、取出口ロック手段をロックして取出口開閉部が取出口を閉じている状態を維持するため、プレイヤが操作中は取出口開閉部を開くことが防止され、取出口から筐体内部の景品を不正に取り出すことができず、落下口が開いていても景品の盗難を防止できる。
【0023】
また、本発明によれば、取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて取出口が開いている状態であるならば、取出口が閉じている状態になるようプレイヤに報知するため、プレイヤがゲーム開始前に取出口開閉部を開いたままゲーム開始しようとした場合、プレイヤに取出口開閉部を閉じた状態にするように促すことができる。
【0024】
また、本発明によれば、開閉駆動機構により落下口開閉部を駆動させ、落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて落下口開閉部が落下口を閉じている状態であるならば、取出口ロック手段のロックを解除して取出口開閉部の開閉可能に制御するため、取出口開閉部を開いても落下口開閉部を開くことができず、取出口から筐体内部の景品を不正に取り出すことができず、景品の盗難を防止できる。
【0025】
また、本発明によれば、開閉駆動機構により落下口開閉部を駆動させ、落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて落下口開閉部が落下口を閉じている状態であるならば、落下口ロック手段により取出口開閉部が取出口を閉じている状態を維持させるとともに、取出口ロック手段のロックを解除して取出口が開いている状態となるように取出口開閉部の開閉制御するため、取出口から筐体内部の景品を不正に取り出すことができず、景品の盗難を防止できる。
【0026】
また、本発明によれば、落下口に落下された景品の衝突により落下口開閉部が回動した後に、付勢手段により元の位置に落下口開閉部が回動して戻るよう付勢された開閉機構を有するため、電気系統で故障が生じた場合でも落下口開閉部が景品の落下後に自動的に復帰して取出口から筐体内部の景品を不正に取り出すことができず、景品の盗難を防止できる。
【0027】
また、本発明によれば、取出口ロック手段によって取出口開閉部が取出口を閉じている状態が維持されているときに、プレイヤが操作することにより、取出口ロック手段によるロックを解除するロック解除操作部を設け、ロック解除操作部からの操作信号に応答して、開閉駆動機構を駆動させて落下口開閉部が落下口を閉じている状態にさせた後に、取出口ロック手段によるロックを解除するため、例えば、複数プレイ分のコインが投入して複数プレイを連続して行う場合に途中プレイで景品が獲得された時点でロック解除操作部を操作することでプレイを一時的に中止させて景品を取り出すことができる。
【0028】
また、本発明によれば、景品検出手段からの検出信号に基づいて景品保管部内に落下した景品があるならば、景品取出報知手段によりプレイヤに景品保管部内の景品を取り出すように報知するため、プレイヤが景品を取り出すのを忘れないように指示することができる。
【0029】
また、本発明によれば、圧力検出手段からの検出信号に基づいて圧力が景品保管部の内部に加えられていないならば、開閉駆動機構により落下口が開いている状態となるように落下口開閉部を駆動制御するため、例えば、取出口から子供が入ったとしても子供の体重を圧力検出手段が検出して落下口開閉部が落下口を閉じる位置に駆動して取出口から筐体内部の景品を不正に取り出すことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明になる景品取得ゲーム装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】景品取得ゲーム装置の筐体を一部切載して各内部機構を示す正面図である。
【図3】景品取得ゲーム装置10の操作部38、景品保管室30を拡大して示す斜視図である。
【図4】景品取出ドア34を開いた状態を示す平面図である。
【図5】景品取出ドア34を閉じた状態を示す平面図である。
【図6】落下口開閉機構37を拡大して示す正面図である。
【図7】落下口26を閉じた状態の落下口開閉機構37を示す平面図である。
【図8】落下口26を開いた状態の落下口開閉機構37を示す平面図である。
【図9】制御装置と各機器の構成を示すブロック図である。
【図10】CPU92が実行するメイン制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】CPU92が実行するシャッター開放制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】CPU92が実行するドア開閉制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】CPU92が実行するシャッター閉塞制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】CPU92が実行するセンサ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】実施例3の景品取得ゲーム装置を示す斜視図である。
【図16】実施例3の景品取得ゲーム装置を正面からみた縦断面図である。
【図17】実施例3の景品取得ゲーム装置を側面からみた縦断面図である。
【図18】実施例3の景品18が落下口26から落下したときのシャッター104の動作を説明するための工程図であり、(A)は景品18がシャッター104に当接する前の状態を示す図、(B)は景品18がシャッター104に当接した状態を示す図、(C)は景品18に押圧されたシャッター104が回動した状態を示す図、(D)は景品18が落下してシャッター104が復帰した状態を示す図である。
【図19】実施例4の景品取得ゲーム装置を側面からみた縦断面図であり、(A)は景品18が一対のシャッター124に当接する前の状態を示す図、(B)は景品18が一対のシャッター124に当接して落下した状態を示す図である。
【図20】実施例5の景品取得ゲーム装置を側面からみた縦断面図である。
【図21】実施例5のシャッター134の構成を示す斜視図である。
【図22】実施例5のロック機構142の構成を示す平面図である。
【図23】一対のシャッター134が開いた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0031】
10,100,120,130 景品取得ゲーム装置
12 筐体
14 景品収納部
18 景品
24 移動体
24a,24b アーム
26 落下口
30 景品保管室
32 取出口
34 景品取出ドア
37,102,122,132 落下口開閉機構
38 操作部
42 ドアロック解除スイッチ釦
44 X方向操作スイッチ釦
46 Y方向操作スイッチ釦
51 景品落下検出部
52(52〜52) 赤外線センサ
54 反射板
56 底板
58 圧力センサ
59 ブザー
60 フック
62 ドアロック機構
64 ロック用モータ
66 係合部材
68 ドアセンサ
69a ドアロック検出スイッチ
69b ドアロック解除検出スイッチ
74,104,124,134 シャッター
76,77 ガイドレール
78 駆動部
80 旋回アーム
82 シャッター駆動モータ
84 閉位置検出スイッチ
86 開位置検出スイッチ
90 制御装置
92 CPU
94 ROM
98 I/Oインターフェイス
106,126 第1の遮蔽板
108,128 第2の遮蔽板
138 ストッパ
142 ロック機構
144 ソレノイド
146 当接部材
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明をより詳細に説明するために、以下、図面と共に本発明の一実施例について説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は本発明になる景品取得ゲーム装置の一実施例を示す構成図である。図2は景品取得ゲーム装置の筐体を一部切載して各内部機構を示す正面図である。
図1及び図2に示されるように、景品取得ゲーム装置10は、筐体12の内部に景品収納部14が設けられ、筐体12の正面及び左右側面には景品収納部14を囲む大型の透明窓16a〜16cが、背面には背面板が設けられている。景品収納部14には、複数の景品18が並べられており、例えば、比較的大きな縫いぐるみ等が収納されている。
【0034】
また、透明窓16a〜16cの上部に支持された天井20には、景品取得機構(景品取得手段)22が設けられている。尚、景品取得機構22の構成は、周知であるので、ここではその説明を省略する。
【0035】
そして、景品取得機構22には、前後方向(Ya,Yb方向)及び左右方向(Xa,Xb方向)及び上下方向(Za,Zb方向)に移動する移動体24が吊下されている。ゲーム開始前の移動体24は、図1に示す待機位置(スタート位置)に停止している。この待機位置(スタート位置)は、景品を落下させる落下口26より上昇した位置にある。それとは異なる位置に設けても良い。
【0036】
落下口26は、景品18よりも十分に大きい面積の開口により形成されている。落下口26と景品収納部14の底面との境界には、アクリル板などからなる仕切り板28が起立しており、景品収容部内に景品を仕切る機能をもつ景品仕切り手段であるとともに、例えば、積み重なった景品が筐体の振動等(お客さんが筐体にぶつかることで振動が発生するなど)により落下口26に落下しないように防ぐ落下防止手段として、また、落下口26の下方から手を入れようとしても景品収納部14に収納された景品18に手が届かないように邪魔をするため、景品18の盗難を防止するための防護壁としても機能する。尚、仕切り板28は、取り外し可能に構成されており、店舗によって装着する場合と無くす場合がある。
【0037】
移動体24は、UFOをイメージして楕円形状にデザインされており、その下側には一対のアーム(把持部材)24a,24bが設けられている。そして、移動体24は、内部に一対のアーム24a,24bを開閉動作させるクランプ機構(図示せず)が設けられている。このクランプ機構は、移動体24が景品取得機構22により前後方向及び左右方向に移動して任意の位置で停止した後、一対のアーム24a,24bを開き、そして移動体24を降下させた後、一対のアーム24a,24bを閉じて任意の景品18を把持する。その後、移動体24を上昇させる。
【0038】
また、移動体24が景品取得機構22により待機位置(スタート位置)に向かって移動し、落下口26の上方で停止し、再び、一対のアーム24a,24bを開き、把持した景品18を落下口26に落下させる。
【0039】
落下口26と取出口32と間の経路には、景品保管室(景品保管部)30が形成されている。そして、景品保管室30に落下された景品18は、筐体12の正面に設けられた取出口32から取り出せる。取出口32及び景品保管室30は、景品18の大型化に対応するように十分に大きい開口面積が確保されている。
【0040】
また、取出口32は、透明または半透明なアクリル板からなる景品取出ドア(取出口開閉部)34が開閉可能に設けられている。この景品取出ドア34は、正面からみて左端にヒンジ(図示せず)が設けられており、景品取出ドア34の右端には、取手36が設けられている。そのため、景品取出ドア34を水平方向に回動させることで取出口32が開放され、落下口26から景品保管室30に落下された景品18を取出すことが可能になる。
【0041】
また、筐体12の内部には、落下口26を開閉する落下口開閉機構(開閉駆動機構)37が設けられている。この落下口開閉機構37は、後述するように景品取出ドア34の開閉と連係して制御され、ゲーム中は景品取出ドア34が取出口32を閉じているときのみ落下口26を開放する。そして、落下口開閉機構37が落下口26を閉じているときのみ、景品取出ドア34のロックが解除されて景品18の取り出しが可能になる。
【0042】
さらに、筐体12の正面には、プレイヤが操作するための操作部38が設けられ、操作部38の下方には、ドア閉表示ランプ40、ドア開表示ランプ41及び複数プレイの途中で獲得した景品18を景品保管室30から取り出す際に操作される景品取出ドア34のドアロック解除スイッチ釦(ロック解除操作部)42が設けられている。
【0043】
図3は景品取得ゲーム装置10の操作部38、景品保管室30を拡大して示す斜視図である。
図3に示されるように、景品保管室30に落下させた景品18を取り出す場合、プレイヤは、取手36を引張って景品取出ドア34を横方向に回動させると、取出口32を開にすることができる。そして、景品取出ドア34は、後述する付勢部材72により閉じ方向に付勢されているため、景品18を取り出した後、プレイヤによる閉じ動作の有無にかかわらず閉じ方向に回動して取出口32を閉じるよう構成されている。
【0044】
操作部38は、筐体12の正面より突出しており、景品取出ドア34が開いた状態のときにプレイヤに対して景品取出ドア34を閉じるように指示する指示部43と、移動体24を水平方向に移動させるX方向操作スイッチ釦44と、移動体24を前後方向に移動させるY方向操作スイッチ釦46と、スイッチ44、46以外の動作であって予め設定された動作(移動体を上下方向に移動・停止させるなど)を行うための操作スイッチ釦48と、コイン投入口50とが設けられている。
【0045】
プレイヤがゲームを複数回つづけて行いたい場合には、1ゲーム分の料金以上の額をコイン投入口50から投入することで、次回以降のゲーム分をクレジットとして蓄えることができる。プレイヤには、残りのプレイ回数として表示部(図示せず)に表示され、複数のプレイが設定されている状態となる。
【0046】
景品保管室30は、上方に落下口26が開口し、正面側に取出口32が開口している。落下口26から取出口32までの経路の側壁面には、景品18が投入されたことを検出するための景品落下検出部51が設けられている。この景品落下検出部51は、赤外線センサ52(物体検出手段:図3では破線で示す)と、赤外線センサ52からの検出光(赤外線)を反射させる反射板54とから構成されている。複数の赤外線センサ52は、例えば、発光素子と受光素子を組み合わせたものであり、発光素子からの赤外線を受光素子で受光できないとき、検出信号を出力する。
【0047】
景品落下検出部51では、複数の赤外線センサ52(52〜52)が横一列に配置されており、複数の赤外線センサ52(52〜52)の発光素子から発光された赤外線が反射板54で反射し、その反射光が赤外線センサ52の受光素子に受光される。複数の赤外線センサ52(52〜52)は、景品18が落下口26を通過する際に、複数の赤外線を遮ることで景品18が投入されたことを検出する。尚、赤外線センサ52(52〜52)の設置数は、多いほど分解能を高めることができ、本実施例では、14個以上設置してある。
【0048】
また、景品落下検出部51は、複数の赤外線センサ52(52〜52)が落下口26の片側に集中的に配置し、対向面側に反射板54を設けている。受光素子と発光素子とを別体にし、それぞれ対向させて両側に設けてもよいのだが、赤外線センサ52が配置されているその片側は筐体内部のゲーム基板(図示せず)から近い位置となるので、センサを両側に配置するよりも配線作業が容易に行える。
【0049】
尚、赤外線センサ52は、一定の周期で赤外線を発光し、反射板54で反射させ、それを受光することによりセンシングするため、複数の赤外線センサ52(52〜52)が所定周期で順番に発光受光することで、検知エリアとしての落下口26を面として捕らえることができる。そして、発光された赤外線が受光できなかった場合には、物体が存在していることを検知できるため、落下した景品18の有無を検知できると共に、子供が景品保管室30に侵入して赤外線を遮っている場合も検知できる。
【0050】
また、景品保管室30の底板56は、裏面に重量を検知する圧力センサ58(図3中、破線で示す)が設けられている。この圧力センサ58は5kg以上で反応して検出信号を出力するものでもよい。例えば、5kg以下の景品18が落下した場合には反応せず、例えば、5kg以上の体重を有する子供が取出口32から景品保管室30に侵入した場合には、子供の体重に反応して検出信号を出力する。尚、本実施例では、テープスイッチと呼ばれる薄い帯状に形成された圧力センサが用いられているが、これに限らず、他の圧力センサ(例えば、ロードセルなど)を用いても良い。
【0051】
また、予め設定された所定時間以上の間、圧力センサ58によって荷重が検出された場合には、景品保管室30に物体が存在するもの(例えば子供等が侵入して出ない)と判断し、ブザー59(図9参照)により大音量のブザー音が発せられる。これにより、景品保管室30に侵入した子供を怪我する前に景品保管室30から出るよう促すことができる。
【0052】
また、景品取出ドア34の右端内側には、ドアロック用のフック60が取り付けられている。このフック60は、後述するドアロック機構62(図3では隠れて見えない)によりドア閉状態でロックされる。
【0053】
ここで、ドアロック機構について説明する。
図4は景品取出ドア34を開いた状態を示す平面図である。図5は景品取出ドア34を閉じた状態を示す平面図である。
【0054】
図4に示されるように、筐体12の内側には、景品取出ドア34を閉じた状態でロックするロック機構(取出口ロック手段)62が設けられている。このロック機構62は、ロック用モータ64と、ロック用モータ64の回転軸に設けられた板状の係合部材66と、景品取出ドア34が閉位置にあるか否かを検出するドアセンサ(取出口開閉検出手段)68とを有する。
【0055】
また、ロック機構62には、係合部材66がフック60に係合して景品取出ドア34をロックするドアロック位置に回動したことを検出するドアロック検出スイッチ69a(図6参照)と、係合部材66がフック60から離間して景品取出ドア34のロックを解除するドアロック解除位置に回動したことを検出するドアロック解除検出スイッチ69bとが設けられている。
【0056】
景品取出ドア34は、ヒンジ70を支点としてほぼ90度〜100度の角度で回動して全開となる。また、ヒンジ70には、景品取出ドア34を閉方向に付勢する付勢部材72が設けられている。そのため、プレイヤが景品取出ドア34を開いて景品18を取り出した後、プレイヤが景品取出ドア34から手を離すと、景品取出ドア34は付勢部材72により自動的に閉状態(図5に示す)に復帰する。
【0057】
図5に示されるように、ロック機構62は、景品取出ドア34が取出口32を閉じた状態で、コイン投入口50に予め決められた金額のコインが投入されると、ロック用モータ64が駆動されて係合部材66が回動してフック60に係合する。これにより、景品取出ドア34は、フック60が係合部材66に係止されて開くことができない。つまり、ロック機構62は景品取出ドア34を閉位置にロックする。
【0058】
そのため、取出口32から景品保管室30への侵入が防止され、景品収納部14に置かれた景品18を不正に取り出すことが防止される。従って、ロック機構62は、景品取出ドア34をロックして取出口32を閉じることにより、取出口32から手を入れることができず、景品18の盗難を防止できる。
【0059】
また、ロック機構62のドアセンサ68が景品取出ドア34を閉じた状態を検出できない場合には、指示部43にプレイヤに対して景品取出ドア34を閉じるように指示するためのメッセージが点灯される、またはスピーカ49から「ドアを閉めて下さい」といったようなアナウンスを行う。
【0060】
そして、景品取出ドア34が閉じられてドアセンサ68がオンになると、ロック用モータ64が駆動されて係合部材66が回動してフック60に係合して景品取出ドア34を閉位置にロックする。
【0061】
ここで、前述した落下口開閉機構37の構成について説明する。
図6は落下口開閉機構37を拡大して示す正面図である。図7は落下口26を閉じた状態の落下口開閉機構37を示す平面図である。図8は落下口26を開いた状態の落下口開閉機構37を示す平面図である。
【0062】
図6及び図7に示されるように、落下口開閉機構37は、落下口26を開閉するスライド板からなるシャッター(落下口開閉部)74と、シャッター74の両側をガイドする一対のガイドレール76,77と、シャッター74をXa,Xb方向(閉位置方向、または開位置方向)に移動させる駆動部78とから構成されている。
【0063】
駆動部78は、シャッター74に係合する旋回アーム80と、旋回アーム80を水平方向に旋回させるシャッター駆動モータ82と、旋回アーム80が閉位置に回動したことを検出する閉位置検出スイッチ(落下口閉検出手段)84と、旋回アーム80が開位置に回動したことを検出する開位置検出スイッチ(落下口開検出手段)86とから構成されている。
【0064】
シャッター74は、ゲーム中に落下口26を開放する開位置と、ゲーム終了後に落下口26を閉じる閉位置との間でスライド可能に設けられている。従って、落下口開閉機構37は、シャッター74をスライドさせて落下口26を閉じることにより、景品保管室30と落下口26との間が遮断されるため、取出口32から手を入れて落下口26近傍の景品18を盗もうとしても閉位置のシャッター74に邪魔されて盗難が防止される。
【0065】
シャッター74の前後方向の側面には、ガイドレール76,77を転動する複数のローラ88〜91が設けられている。ローラ88は、ガイドレール76の水平部76aに当接し、ローラ89はガイドレール76の垂直部76bに当接するように設けられている。また、ローラ90は、ガイドレール77の水平部77aに当接し、ローラ91はガイドレール77の垂直部77bに当接するように設けられている。
【0066】
従って、シャッター74は、ローラ88〜91によって前後方向及び上下方向を規制されながらXa,Xb方向(閉位置方向、または開位置方向)へガイドされる。また、シャッター74の下面には、前後方向に延在形成された係合溝92が設けられている。この係合溝92には、旋回アーム80の先端に設けられた係合ローラ94が嵌合されている。従って、旋回アーム80の旋回動作は、係合ローラ94が係合溝92に沿って移動しながらシャッター74のスライド動作(直線運動)に変換される。
【0067】
また、旋回アーム80の下面には、位置検出片80aが突出しており、位置検出片80aはシャッター駆動モータ82のブラケット83に支持されたシャッター閉位置検出スイッチ84及びシャッター開位置検出スイッチ86を通過する。本実施例において、閉位置検出スイッチ84及び開位置検出スイッチ86は、U字状に形成されたフォトインタラプタからなり、位置検出片80aが発光素子と受光素子との間を通過すると、検出光が遮断されて検出信号が出力される。そのため、位置検出片80aは、シャッター閉位置検出スイッチ84及びシャッター開位置検出スイッチ86を通過した際にその通過位置を検出される。
【0068】
シャッター74のスライド動作によるXa,Xb方向の移動量は、旋回アーム80の長さによって決まる。そして、旋回アーム80の回動角度は、およそ190度に設定されている。すなわち、図7に示されるように、旋回アーム80の回動位置としては、シャッター74を閉状態にロックするロック位置Aと、シャッター74が閉位置に到達する閉位置Bと、シャッター74がスライド動作の中間となる中間位置Cと、シャッター74が開位置に到達する開位置Dとがある。尚、図7においては、シャッター74のフレームが図示されており、フレーム上に固定される平板が省略されている。
【0069】
シャッター閉位置検出スイッチ84は、旋回アーム80がロック位置Aにあることを検出し、シャッター開位置検出スイッチ86は、旋回アーム80が開位置Dあることを検出する。また、旋回アーム80がロック位置Aにある場合、往復運動に対する旋回半径の死点を行過ぎているため、シャッター74をXb方向へスライドさせようとしても旋回アーム80がつっかえ棒となって落下口ロック手段として機能しているため、シャッター74は閉位置に保持される。従って、故障などで電源がオフとなった場合、旋回アーム80の回動角度によりシャッター74が閉位置にロックされ、景品保管室30に手を入れてシャッター74を開けようとしても旋回アーム80が回動せず、シャッター74を開けることが阻止される。
【0070】
ここで、上記のように構成された落下口開閉機構37の動作について説明する。
プレイヤがコイン投入口50にコインを投入する前の落下口開閉機構37は、図7に示されるように、シャッター74は閉位置Dに保持される。そして、プレイヤがコイン投入口50にコインを投入すると、シャッター駆動モータ82が駆動されて旋回アーム80をロック位置Aから開位置Dへ旋回させる。これにより、シャッター74は、旋回アーム80が反時計方向に回動するのに伴ってXb方向へスライドして図8に示す開位置へ移動する。
【0071】
よって、シャッター74が開位置へ移動することにより、落下口26は全開される。そして、ゲームが開始されて移動体24のアーム24a,24bに景品18が把持されて落下口26に落下されると、シャッター駆動モータ82が駆動されて旋回アーム80を開位置Dからロック位置Aへ旋回させる。これにより、シャッター74は、旋回アーム80が時計方向に回動するのに伴ってXa方向へスライドして図7に示す閉位置へ移動する。
【0072】
そのため、景品取出ドア34を開けて景品保管室30に落下された景品18を取り出す際は、落下口26がシャッター74によって閉塞され、且つ旋回アーム80がロック位置Aでシャッター74をスライドしないように保持しているので、プレイヤが落下口26から景品収納部14に手を入れ、不正に景品を取得することができない。
【0073】
図9は制御装置と各機器の構成を示すブロック図である。
図9に示されるように、上記景品取得ゲーム装置10の制御装置90は、CPU(中央演算処理装置)92と、ROM94と、RAM96と、I/Oインターフェイス98とから構成されている。そして、I/Oインターフェイス98には、前述した各機器が接続されている。
【0074】
例えば、景品取得機構22の各モータ、ドア閉表示ランプ40、ドア開表示ランプ41、ドアロック解除スイッチ42a、指示部表示ランプ43a,X方向操作スイッチ44a、Y方向操作スイッチ46a、他の操作スイッチ48a、スピーカ49、コイン投入口50のコインスイッチ50a、赤外線センサ52(52〜52)、圧力センサ58、ブザー59、ロック用モータ64、ドアセンサ68、ドアロック検出スイッチ69a、ドアロック解除検出スイッチ69b、シャッター駆動モータ82、シャッター閉位置検出スイッチ84、シャッター開位置検出スイッチ86などがI/Oインターフェイス98を介してCPU92と接続されている。
【0075】
また、ROM94には、ドアセンサ68からの検出信号に基づいて景品取出ドア34が取出口30を閉じている状態であるならば、落下口開閉機構37により落下口26が開いている状態となるようにシャッター74を駆動制御する制御プログラムP1と、ドアセンサ68からの検出信号に基づいて景品取出ドア34が取出口32を閉じている状態であるならば、ロック機構62をロックして景品取出ドア34が取出口32を閉じている状態を維持する制御プログラムP2と、ドアセンサ68からの検出信号に基づいて取出口32が開いている状態であるならば、取出口32が閉じている状態になるようプレイヤに報知する制御プログラムP3等が格納されている。
【0076】
また、ROM94には、落下口開閉機構37によりシャッター74を駆動させ、シャッター閉位置検出スイッチ84からの検出信号に基づいてシャッター74が落下口26を閉じている状態であるならば、ロック機構62のロックを解除して景品取出ドア34の開閉可能に制御する制御プログラムP4と、落下口開閉機構37によりシャッター74を駆動させ、シャッター閉位置検出スイッチ84からの検出信号に基づいてシャッター74が落下口26を閉じている状態であるならば、ロック機構62により景品取出ドア34が取出口32を閉じている状態を維持させるとともに、ドアロック解除スイッチ42aからの信号によりロック機構62のロックを解除して取出口32が開いている状態となるように景品取出ドア34の開閉制御する制御プログラムP5等が格納されている。
【0077】
ここで、上記制御装置90のCPU92が実行する制御処理について説明する。
図10はCPU92が実行するメイン制御処理を説明するためのフローチャートである。図11はCPU92が実行するシャッター開放制御処理を説明するためのフローチャートである。図12はCPU92が実行するドア開閉制御処理を説明するためのフローチャートである。図13はCPU92が実行するシャッター閉塞制御処理を説明するためのフローチャートである。
【0078】
制御装置90のCPU92は、図10のS11において、プレイヤが予め決められた金額のコインをコイン投入口50に投入すると、コインスイッチ50aがオンに切り替わる。これにより、S12に進み、ゲームが開始され、例えば、電子音による音楽がスピーカ49から演奏される。
【0079】
次のS13では、シャッター駆動モータ82を駆動してシャッター74を開方向(Xb方向)に移動させて落下口26を開放させる。そして、S14では、シャッター74が開いたかどうかを確認する。すなわち、シャッター開位置検出スイッチ86が旋回アーム80を検出したことを確認する。
【0080】
次のS15では、X方向操作スイッチ44aがオンに操作されたかどうかを確認する。プレイヤがX方向操作スイッチ釦44を押圧操作すると、X方向操作スイッチ44aがオンになるため、S16に進み、景品取得機構22を駆動して移動体24をXb方向(正面からみて右方向)に移動させる。続いて、S17に進み、プレイヤがX方向操作スイッチ釦44から手を離してX方向操作スイッチ44aがオフになったか、またはX方向リミット位置に達したかどうかを確認する。
【0081】
S17において、X方向操作スイッチ44aがオンであるときは、S16に戻り、移動体24をXb方向に移動させる。そして、S17において、X方向操作スイッチ44aがオフ、または移動体24がX方向リミット位置に達したときは、S18に進み、移動体24を停止させる。次のS19では、Y方向操作スイッチ46aがオンに操作されたかどうかを確認する。
【0082】
プレイヤがY方向操作スイッチ釦46を押圧操作すると、Y方向操作スイッチ46aがオンになるため、S20に進み、景品取得機構22を駆動して移動体24をYb方向(正面からみて後方向)に移動させる。続いて、S21に進み、プレイヤがY方向操作スイッチ釦46から手を離してY方向操作スイッチ46aがオフになったか、またはY方向リミット位置に達したかどうかを確認する。
【0083】
S21において、Y方向操作スイッチ46aがオンであるときは、S20に戻り、移動体24をYb方向に移動させる。そして、S21において、Y方向操作スイッチ46aがオフ、または移動体24がY方向リミット位置に達したときは、S22に進み、移動体24を停止させる。
【0084】
景品取得機構22による移動体24の移動が終了すると、S23に進み、移動体24に設けられた一対のアーム24a,24bを開く。そして、S24に進み、移動体24を降下(Zb方向)させる。次のS25では、一対のアーム24a,24bを閉じて景品収納部14に置かれた任意の景品18を把持する。
【0085】
続いて、S26では、移動体24を景品取得機構22により上昇させて把持した景品18を吊り上げる。そして、S27では、移動体24を景品取得機構22により待機位置(スタート位置)に戻す。その後、移動体24が待機位置(スタート位置)に到着して停止すると、一対のアーム24a,24bを開く。これにより、一対のアーム24a,24bに把持された景品18は、落下口26に落下する。尚、景品18を把持できなかったときは、一対のアーム24a,24bを開くが、景品8は落下口26に落下しない。
【0086】
次のS29では、複数のプレイが設定されている場合、つまり使用していないクレジットの残りがあるかどうかを確認する。S29において、クレジットが残っていないときは、S30に進み、シャッター駆動モータ82を駆動してシャッター74を閉方向(Xa方向)に移動させて落下口26を閉じさせる。そして、S31では、シャッター74を閉じたかどうかを確認する。すなわち、シャッター閉位置検出スイッチ84が閉位置Aに旋回した旋回アーム80を検出したことを確認する。これで、今回のゲームが終了する。
【0087】
また、上記S29において、使用していないクレジットの残っているときは、S32に進み、ドアロック解除スイッチ釦42を点滅させる。そして、上記S15に戻り、再度、S15以降の処理を実行する。
【0088】
ここで、上記S13のシャッター74を開く処理について図11を参照して詳しく説明する。
図11に示されるように、S41でシャッター開を指示するコードを受信すると、S42に進み、ドアセンサ68からの出力(ボリューム)の有無をチェックする。
【0089】
次のS43において、上記S42の結果、ドアセンサ68から検出信号が出力されているときは、S44に進み、ドアセンサ68から検出信号が出力されていないときは、S48に進む。S44では、ロック機構62のロック用モータ64を駆動して係合部材66をフック60に係止させる。これにより、景品取出ドア34は、ロック機構62により閉状態でロックされる。
【0090】
次のS45では、シャッター駆動モータ82を駆動してシャッター74を開方向(Xb方向)に移動させて落下口26を開放させる。続いて、S46に進み、シャッター74が開いたかどうかを確認する。すなわち、シャッター開位置検出スイッチ86が旋回アーム80を検出したことを確認する。
【0091】
S46でシャッター開位置検出スイッチ86がオンになると、S47に進み、シャッター74を開位置に移動させたことを知らせるコードを返信する。
【0092】
また、上記S43において、ドアセンサ68から検出信号が出力されていないときは、景品取出ドア34が取出口32を閉じていないので、S48に進み、指示部43の表示ランプ43aを点滅させてプレイヤに対して景品取出ドア34を閉じるように指示する。
【0093】
次のS49では、予め設定された所定時間が経過したかどうかを確認しており、所定時間が経過するまで、上記S43、S48の処理を繰り返す。S49で所定時間が経過しても景品取出ドア34を閉じない場合は、S50に進み、スピーカ49から例えば、「景品取出ドアを閉じてください」といったようなアナウンスを行う。
【0094】
次のS51では、再度、ドアセンサ68からの出力の有無をチェックする。S51において、ドアセンサ68から検出信号が出力された場合には、景品取出ドア34を閉じたため、前述したS44に戻り、S44以降の処理を行う。また、S51において、ドアセンサ68から検出信号が出力されないときは、まだ景品取出ドア34を閉じていないので、S52に進み、エラーとなり、ブザー音を発して店員に景品取出ドア34を閉じていないことを報知する。
【0095】
また、S46において、シャッター開位置検出スイッチ86がオンにならず、シャッター74が開位置に移動したことを確認できないときは、S53に進み、予め設定された所定時間が経過したかどうかを確認しており、所定時間が経過するまで、上記S46、S53の処理を繰り返す。S53で所定時間が経過してもシャッター74が開位置へ移動しないときは、S54に進み、エラーとなり、スピーカ49からアラーム音を発して店員にシャッター故障を報知する。
【0096】
ここで、上記S32でドアロック解除スイッチ42aがオンに操作された場合に実行される処理、すなわち、複数のプレイが設定され、且つ景品18が落下口26から景品保管室30に落下された場合に、プレイヤがまだ全プレイが終わっていない段階で景品取出ドア34を開けて景品保管室30に落下された景品18を取り出す際のドアロック解除処理について図12を参照して詳しく説明する。
【0097】
図12に示されるように、ドアロック解除スイッチ42aがオンに操作されると、S61でドアロック解除スイッチ42aがオンであることを指示するコードを受信し、S62に進み、1プレイのボタン操作(X方向操作スイッチ釦44、Y方向操作スイッチ釦46の操作)を無効にセットする。
【0098】
次のS63では、シャッター駆動モータ82を駆動してシャッター74を閉方向(Xa方向)に移動させて落下口26を閉じさせる。そして、S64では、シャッター74を閉じたかどうかを確認する。すなわち、シャッター閉位置検出スイッチ84が閉位置Aに旋回した旋回アーム80を検出したことを確認する。
【0099】
S64において、シャッター閉位置検出スイッチ84がオンになると、S65に進み、ロック機構62のロック用モータ64を駆動して係合部材66をフック60から離間させ、景品取出ドア34のロックを解除する。次のS66では、ドアセンサ68からの出力の有無をチェックする。
【0100】
次のS66において、ドアセンサ68から検出信号が出力されているときは、景品取出ドア34が閉じているので、S47に進み、所定時間が経過したかどうかを確認する。S47で所定時間が経過していないときは、上記S66に戻る。
【0101】
また、上記S66において、ドアセンサ68から検出信号が出力されていないときは、景品取出ドア34が開いて景品18が取出口32から取出されたため、S68に進み、再度、ドアセンサ68からの出力の有無をチェックする。そして、S68において、ドアセンサ68から検出信号が出力されているときは、景品18が取出された後、景品取出ドア34が閉じているので、S69に進む。また、上記S67において、所定時間が経過した場合は、所定時間内に景品18を取出さないため、S69に進む。
【0102】
S69では、ロック機構62のロック用モータ64を駆動して係合部材66をフック60に係合させて景品取出ドア34を閉状態にロックする。次のS70では、シャッター駆動モータ82を駆動してシャッター74を開方向(Xb方向)に移動させて落下口26を開放させる。
【0103】
そして、S71に進み、S62で無効にセットした1プレイのボタン操作(X方向操作スイッチ釦44、Y方向操作スイッチ釦46の操作)を有効にセットする。続いて、S72で、シャッター74を開位置に移動させたことを示すコードを返信する。
【0104】
また、上記S68において、ドアセンサ68から検出信号が出力されていないときは、景品取出ドア34が開いているので、S73に進み、指示部43の表示ランプ43aを点滅させてプレイヤに対して景品取出ドア34を閉じるように指示する。
【0105】
次のS74では、予め設定された所定時間が経過したかどうかを確認しており、所定時間が経過するまで、上記S68、S73の処理を繰り返す。S74で所定時間が経過しても景品取出ドア34を閉じない場合は、S75に進み、スピーカ49から例えば、「景品取出ドアを閉じてください」といったようなアナウンスを行う。
【0106】
次のS76では、再度、ドアセンサ68からの出力の有無をチェックする。S76において、ドアセンサ68から検出信号が出力された場合には、景品取出ドア34を閉じたため前述したS69に戻り、S69以降の処理を行う。また、S76において、ドアセンサ68から検出信号が出力されないときは、まだ景品取出ドア34を閉じていないので、S77に進み、エラーとなり、ブザー音を発して店員に景品取出ドア34を閉じていないことを報知する。
【0107】
ここで、上記S31で実行されるシャッター閉処理について図13を参照して詳しく説明する。
図13に示されるように、S81でシャッター閉を指示するコードが受信されると、S82に進み、シャッター74を閉じたかどうかを確認する。すなわち、シャッター閉位置検出スイッチ84が閉位置Aに旋回した旋回アーム80を検出したことを確認する。
【0108】
S82において、シャッター74が閉じた場合には、S83に進み、ロック機構62のロック用モータ64を駆動して係合部材66をフック60から離間させて、景品取出ドア34のロックを解除する。続いて、S84に進み、シャッター74を閉位置に移動させたことを指示するコードを返信する。
【0109】
また、上記S82において、シャッター74が開いている場合には、S85に進み、予め設定された所定時間が経過したかどうかを確認しており、所定時間が経過するまで、上記S82、S85の処理を繰り返す。S85で所定時間が経過しても景品取出ドア34を閉じない場合は、S86に進み、エラーとなり、ブザー音を発して店員にシャッター74が閉じないことを報知する。
【0110】
ここで、赤外線センサ52(52〜52)及び圧力センサ58を監視する制御処理について図14を参照して説明する。尚、CPU92は、ゲーム中であるか否かに関係なく、図14の制御処理は所定時間毎に割り込み処理するように設定されている。
図14に示されるように、CPU92は、S91で、赤外線センサ52(52〜52)のうち少なくとも2個以上がオンになったかどうかを確認する。2個以上の赤外線センサ52がオンかどうかをチェックする理由は、例えば、反射板54に汚れなどが付着して赤外線を反射しなくなった場合に誤検出となるからである。
【0111】
S91において、赤外線センサ52(52〜52)のうち2個以上がオンにならないときは、S92に進み、圧力センサ58がオンかどうかを確認する。このS92において、圧力センサ58がオンでないときは、異常がないので、S103に進み、シャッター開コードを送信して今回の処理を終了する。
【0112】
また、S91において、赤外線センサ52(52〜52)のうち2個以上がオンになったときは、S93に進み、赤外線センサ52のオン状態が予め設定された所定時間以上継続されたかどうかを確認する。S93において、赤外線センサ52のオン状態が所定時間以上継続しないときは、景品18が落下口26を通過して景品保管室30に落下されたものと判断してS94に進む。
【0113】
S94では、今回のゲームで景品18を取得したものと認識し、景品取得カウンタに1を加算する。そして、S95では、景品獲得ファンファーレ等の効果音をスピーカ49から発声させる。続いて、S96に進み、ロック機構62による景品取出ドア34のロック解除コードを送信する。次のS97では、景品取出ドア34が開いたかどうかを確認する。このS97において、ドアセンサ68がオフになると、景品取出ドア34が開いて景品18が取りされたものと判断して、今回の処理を終了する。
【0114】
また、上記S97において、ドアセンサ68がオンであるときは、景品取出ドア34が開かれていないので、S98に進み、所定時間が経過したかどうかを確認する。S98において、所定時間が経過していないときは上記S97に戻り、再度、景品取出ドア34が開いたかどうかを確認する。
【0115】
また、S98において、所定時間が経過したときは、S99に進み、スピーカ49よりプレイヤに対して例えば、「景品を取出してください」といったようなメッセージを報知する(報知手段)。その後、再び、S97に戻り、再度、景品取出ドア34が開いたかどうかを確認する。そして、スピーカ49からのメッセージを聞いたプレイヤが景品取出ドア34を開いて景品18を取出すと、今回の処理を終了する。
【0116】
また、上記S92において、圧力センサ58がオンになった場合には、S100に進み、圧力センサ58のオン状態が予め設定された所定時間以上継続されたかどうかを確認する。S100において、圧力センサ58のオン状態が予め設定された所定時間以上継続された場合には、景品保管室30に子供等が侵入しているものと判断して、S101に進む。次のS101では、ブザー59により大音量のブザー音が発せられる。これにより、景品保管室30に侵入した子供を怪我する前に景品保管室30から追い出すことができる。
【0117】
続いて、S102では、シャッター閉を指示するためのコードを送信する。そして、今回の処理を終了する。
【0118】
また、上記S100において、赤外線センサ52のオン状態が所定時間以上継続しない場合には、異常がないものと判断して今回の処理を終了する。また、上記S93において、赤外線センサ52のオン状態が所定時間以上継続したときは、景品保管室30に子供が侵入したか、あるいは大人が圧力センサ58を作動させないように取出口32から手を入れて赤外線を遮断したものと判断してS101に進む。この場合もS101で、ブザー59により大音量のブザー音が発せられる。これにより、景品保管室30で何らかの不正行為があったとしても、ブザー音によって不正行為を阻止することができる。
【実施例2】
【0119】
上記実施例1の景品取得ゲーム装置10では、景品取出ドア34をロック機構62により閉状態にロックして取出口32を閉じる方法と、落下口開閉機構37によりシャッター74が落下口26を閉塞する方法の両方のうち何れか一方が閉じることで景品収納部14の景品18が取出口32及び落下口26から盗まれることを防止したが、いずれか一方の方法のみを用いた構成とすることも可能である。
【0120】
例えば、景品取出ドア34のロック機構62のみでも取出口32から景品収納部14の景品18を盗むことを防止することができる。その場合、落下口開閉機構37を設けないため、装置の構成を簡略化することができると共に、シャッター74を開閉するための処理が不用になり、制御処理も簡略化される。
【0121】
また、落下口開閉機構37のみでも取出口32から景品収納部14の景品18を盗むことを防止できる。その場合、ロック機構62を設けないため、装置の構成を簡略化することができると共に、ロック機構62を駆動するための処理が不用になり、制御処理も簡略化される。
【実施例3】
【0122】
図15は実施例3の景品取得ゲーム装置を示す斜視図である。図16は実施例3の景品取得ゲーム装置を正面からみた縦断面図である。図17は実施例3の景品取得ゲーム装置を側面からみた縦断面図である。尚、図15乃至図17において、上記実施例1と共通部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0123】
図15乃至図17に示されるように、実施例3の景品取得ゲーム装置100では、景品保管室30の上方には、落下口26を覆う円筒部材101が取り付けられており、保管室30の内部には、落下口開閉機構102が設けられている。この落下口開閉機構102は、側面からみるとL字状に形成されたシャッター104を軸105により回動可能に支持しており、図示しない付勢部材によりシャッター104を復帰させるように構成されている。
【0124】
シャッター104は、景品保管室30を横切るように水平状態に延在する第1の遮蔽板106と、第1の遮蔽板106に対して直角な方向に延在する第2の遮蔽板108とを有する。そして、第1の遮蔽板106と第2の遮蔽板108との連結部分には、軸105が貫通するための軸孔110が設けられている。尚、本実施例では、軸105から第1の遮蔽板106の先端までの幅寸法Laは、景品保管室30の幅寸法Lよりも小さく、軸105から第2の遮蔽板108の先端までの幅寸法Lbは、景品保管室30の幅寸法Lよりも長くなるように形成されている(La<L<Lb)。
【0125】
また、シャッター104は、景品18が落下口26から落下したときに軸105を中心にA方向(図17中、反時計方向)に回動するように取り付けられている。そのため、取出口32から景品保管室30に手を入れてシャッター104をB方向(図17中、時計方向)に回動させようとしても、第2の遮蔽板108が景品保管室30の側壁に当接して落下口ロック手段として機能するため、上方に回動することが阻止される。
【0126】
よって、落下口開閉機構102は、シャッター104の回動方向が規制されることで取出口32から景品収納部14の景品18を盗むことを防止できる。
【0127】
図18(A)〜(D)は実施例3の景品18が落下口26から落下したときのシャッター104の動作を説明するための工程図であり、(A)は景品18がシャッター104に当接する前の状態を示す図、(B)は景品18がシャッター104に当接した状態を示す図、(C)は景品18に押圧されたシャッター104が回動した状態を示す図、(D)は景品18が落下してシャッター104が復帰した状態を示す図である。
図18(A)に示されるように、景品18が落下口26から景品保管室30に落下される際、第1の遮蔽板106が水平状態に保持されており、景品保管室30を遮断している。図18(B)に示されるように、景品18が第1の遮蔽板106に当接することで、シャッター104は、軸105を中心にA方向に回動する。これにより、第1の遮蔽板106に当接した景品18は、下方に落下する。
【0128】
そして、図18(C)に示されるように、シャッター104は、第2の遮蔽板108の上端108aが景品保管室30の側壁30aに当接してそれ以上の回動が規制される。また、シャッター104がA方向に回動した傾斜状態では、第2の遮蔽板108が景品保管室30を遮蔽する。そして、この傾斜状態でシャッター104は、回動を停止する。そのため、景品18は、傾斜した状態で停止した第1の遮蔽板106を滑って下方に移動する。
【0129】
図18(D)に示されるように、景品18は、第1の遮蔽板106から景品保管室30の底板56に落下する。そして、第1の遮蔽板106に作用していた景品18の荷重が取り除かれると、シャッター104は、付勢部材の付勢力によりB方向に回動して図18(A)に示す動作前の状態に復帰する。
【0130】
このように、落下口開閉機構102は、上記実施例1のように駆動モータや各検出スイッチを設けなくても、機械的な構成だけでも十分に機能する。
【実施例4】
【0131】
図19は実施例4の景品取得ゲーム装置を側面からみた縦断面図であり、(A)は動作前の状態を示す図、(B)は景品落下時の動作を示す図である。尚、図19(A)(B)において、上記実施例1と共通部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0132】
図19(A)に示されるように、実施例4の景品取得ゲーム装置120では、景品保管室30に落下口開閉機構122が設けられている。この落下口開閉機構122は、側面からみるとL字状に形成された一対のシャッター124を軸125により回動可能に支持しており、図示しない付勢部材によりシャッター124を復帰させるように構成されている。
【0133】
一対のシャッター124は、景品保管室30を横切るように水平状態に延在する第1の遮蔽板126と、第1の遮蔽板126に対して直角な方向に延在する第2の遮蔽板128とを有する。そして、第1の遮蔽板126と第2の遮蔽板128との連結部分には、軸125が貫通するための軸孔(図示せず)が設けられている。
【0134】
図19(B)に示されるように、また、一対のシャッター124は、景品18が落下口26から落下したときに軸125を中心にA方向に回動するように取り付けられている。そのため、取出口32から景品保管室30に手を入れて一対のシャッター124をB方向に回動させようとしても、第2の遮蔽板128が景品保管室30の側壁に当接して上方に回動することが阻止される。
【0135】
よって、落下口開閉機構122は、一対のシャッター124の回動方向が規制されることで取出口32から景品収納部14の景品18を盗むことを防止できる。
【0136】
また、一対のシャッター124は、景品18が第1の遮蔽板126に当接することで、軸125を中心にA方向に回動する。これにより、景品18は、一対のシャッター124がA方向に回動するのに伴って傾斜する第1の遮蔽板126間に形成された隙間を通過して下方に落下する。
【0137】
そして、一対のシャッター124は、第2の遮蔽板128が90度回動して景品保管室30の側壁に当接してそれ以上の回動が規制されると共に、第2の遮蔽板128が景品保管室30を遮蔽する。そして、一対のシャッター124は、この回動状態で停止する。
【0138】
その後、一対のシャッター124は、景品18が落下した時点で景品18の荷重が作用しなくなるので、付勢部材(図示せず)の付勢力によりB方向に回動して動作前の状態に復帰する。
【0139】
このように、落下口開閉機構122は、上記実施例1のように駆動モータや各検出スイッチを設けなくても、機械的な構成だけでも十分に機能する。
【実施例5】
【0140】
図20は実施例5の景品取得ゲーム装置を側面からみた縦断面図である。図21はシャッター134の構成を示す斜視図である。図22はロック機構142の構成を示す平面図である。図23は一対のシャッター134が開いた状態を示す側面図である。尚、図20乃至図23において、上記実施例1と共通部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0141】
図20に示されるように、実施例5の景品取得ゲーム装置130では、景品保管室30に落下口開閉機構132が設けられている。この落下口開閉機構132は、側面からみると板状に形成された一対のシャッター134を軸135により回動可能に支持しており、図示しない付勢部材により一対のシャッター134を水平状態に保持するように構成されている。
【0142】
図21に示されるように、一対のシャッター134は、景品保管室30を横切るように水平状態に延在する遮蔽板136と、遮蔽板136の回動中心となる端部に三角形状のストッパ138を有する。そして、遮蔽板136とストッパ138との連結部分には、軸135が貫通するための軸孔140が設けられている。
【0143】
また、落下口開閉機構132の構成では、ストッパ138の突出量が小さいので、一対のシャッター134がA方向に回動すると、遮蔽板136が傾斜するのに伴って一対のシャッター134間の隙間が増大してしまい、この隙間から手を入れられるおそれがある。そのため、本実施例の場合、図22に示されるように、ゲーム中を除いて一対のシャッター134をロックするためのロック機構142が設けられている。
【0144】
このロック機構142は、ソレノイド144と、ソレノイド144に駆動されて一対のシャッター134の回動を規制するロック部材146とを有する。また、ロック部材146は、シャッター134の下面に当接する一対の当接部146a,146bを有する。ロック部材146は、通常、一対の当接部146a,146bをシャッター134の下面に当接するロック位置に保持されており、ゲーム開始と共にソレノイド144の電磁力により吸引されて一対の当接部146a,146bをシャッター134から離間させるロック解除位置にスライドするように設けられている。
【0145】
従って、一対の当接部146a,146bをシャッター134の下面に当接したロック状態のときに、例えば、手の長い人が一対のシャッター134を下方(A方向)に回動させようとしてもロック機構142によって一対のシャッター134の回動が阻止される。
【0146】
景品18が落下口26から落下したときには、上記ソレノイド144の吸引動作により一対の当接部146a,146bをシャッター134から離間する。そのため、一対のシャッター134は、図23に示されるように、落下してきた景品18の荷重に押圧されて軸136を中心にA方向に回動して、景品18をさらに下方に落下させる。
【0147】
また、ロック解除状態のときに取出口32から景品保管室30に手を入れて一対のシャッター134をB方向に回動させようとしても、ストッパ138が景品保管室30の側壁に当接して落下口ロック手段として機能するため、上方に回動することが阻止される。
【0148】
よって、落下口開閉機構132は、一対のシャッター134の回動方向が規制されることで取出口32から景品収納部14の景品18を盗むことを防止できる。
【0149】
また、一対のシャッター134は、景品18が遮蔽板136に当接することで、軸136を中心にA方向に回動する。これにより、景品18は、一対のシャッター124がA方向に回動するのに伴って傾斜する遮蔽板136間に形成された隙間を通過して下方に落下する。
【0150】
そして、一対のシャッター134は、景品18が通過した時点で景品18の荷重が作用しなくなるので、付勢部材(図示せず)の付勢力によりB方向に回動して動作前の状態に復帰する。
【0151】
このように、落下口開閉機構132は、上記実施例1のように駆動モータや各検出スイッチを設けなくても、機械的な構成だけでも十分に機能する。
【産業上の利用可能性】
【0152】
上記各実施例では、景品取得ゲーム装置を一例として挙げたが、これに限らず、天井に設けられた景品取得機構以外の機構により移動体を移動させる構成でも良いし、あるいは一対のアームで景品を把持する構成以外の移動体を移動させる構成のものにも本発明を適用できるのは勿論である。
【0153】
また、景品が落下するとは、景品保管室に直接落下するものだけでなく、景品を傾斜した壁面に沿って落下させるような経路を有する構成の落下も含まれる。
【0154】
また、上記実施例1では、旋回アーム80がロック位置Aにある場合、シャッター74をXb方向へスライドさせようとしても旋回アーム80がつっかえ棒となって落下口ロック手段を構成したが、これに限らず、例えば、モータ等の駆動手段によりロック部材を回動させてシャッター74を閉位置に保持する構成の落下口ロック手段を設けても良い。
【0155】
また、上記実施例1では、シャッター閉位置検出スイッチ84により旋回アーム80の回動位置を検出してシャッター74が閉位置にあることを確認したが、必ずしもシャッター閉位置検出スイッチ84のような検出手段を設ける必要はなく、例えば、旋回アーム80を閉位置に駆動するように駆動信号を出力したことを検出することでシャッター74が閉位置にあることを確認するようにしても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、
前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、
前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、
前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、
前記落下口に落下させた景品をプレイヤが前記取出口から取り出す際に開閉自在に設けられた取出口開閉部と、
前記取出口開閉部の開閉状態を検出する取出口開閉検出手段と、
前記落下口及び/又は前記取出口の開閉制御をする制御手段と
を有し、
前記制御手段は、
前記取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態であるならば、前記開閉駆動機構により前記落下口が開いている状態となるように前記落下口開閉部を駆動制御することを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記取出口開閉部を係止して前記取出口が閉じている状態を維持する取出口ロック手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態であるならば、前記取出口ロック手段をロックして前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態を維持するとともに、前記開閉駆動機構により前記落下口が開いている状態となるように前記落下口開閉部を駆動制御することを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記取出口ロック手段によって前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態が維持されているときに、前記プレイヤが操作することにより、前記取出口ロック手段によるロックを解除するロック解除操作部を設け、
前記制御手段は、
前記ロック解除操作部からの操作信号に応答して、前記開閉駆動機構を駆動させて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態にさせた後に、前記取出口ロック手段によるロックを解除することを特徴とする請求項2記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記取出口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記取出口が開いている状態であるならば、前記取出口が閉じている状態になるよう前記プレイヤに報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、
前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、
前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、
前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、
前記落下口の開閉状態を検出する落下口開閉検出手段と、
前記落下口に落下させた景品をプレイヤが前記取出口から取り出す際に開閉自在に設けられた取出口開閉部と、
前記取出口開閉部を係止して前記取出口が閉じている状態を維持する取出口ロック手段と、
前記落下口及び/又は前記取出口の開閉制御をする制御手段と
を有し、
前記制御手段は、前記開閉駆動機構により前記落下口開閉部を駆動させ、
前記落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態であるならば、前記取出口ロック手段のロックを解除して前記取出口開閉部の開閉可能に制御することを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記落下開閉部が前記落下口を閉じている状態を維持する落下口ロック手段と
を有し、
前記制御手段は、前記開閉駆動機構により前記落下口開閉部を駆動させ、
前記落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態であるならば、前記落下口ロック手段により前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態を維持させるとともに、前記取出口ロック手段のロックを解除して前記取出口が開いている状態となるように前記取出口開閉部の開閉制御することを特徴とする請求項5記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項7】
プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、
前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品を前記プレイヤが取り出す取出口と、
前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、
前記落下口に落下された前記景品の衝突により前記落下口開閉部が回動した後に、付勢手段により元の位置に前記落下口開閉部が回動して戻るよう付勢された開閉機構と、
前記落下口の開閉状態を検出する落下口開閉検出手段と、
前記落下口に落下させた景品をプレイヤが前記取出口から取り出す際に開閉自在に設けられた取出口開閉部と、
前記取出口開閉部を係止して前記取出口が閉じている状態を維持する取出口ロック手段と、
前記取出口の開閉制御をする制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記落下口開閉検出手段からの検出信号に基づいて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態であるならば、前記取出口ロック手段のロックを解除して前記取出口開閉部の開閉可能に制御することを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項8】
前記取出口ロック手段によって前記取出口開閉部が前記取出口を閉じている状態が維持されているときに、前記プレイヤが操作することにより、前記取出口ロック手段によるロックを解除するロック解除操作部を設け、
前記制御手段は、
前記ロック解除操作部からの操作信号に応答して、前記開閉駆動機構を駆動させて前記落下口開閉部が前記落下口を閉じている状態にさせた後に、前記取出口ロック手段によるロックを解除することを特徴とする請求項7記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項9】
プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、
前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、
前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、
前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、
前記落下口に落下した景品を一時的に保管し、保管した景品を取り出す取出口を有する景品保管部と、
前記景品保管部の内部に物体が存在するか否かを検出する物体検出手段と、
プレイヤに前記景品保管部内の物を取り出すように報知する物体取出報知手段と、
前記落下口の開閉制御をする制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記物体検出手段からの検出信号に基づいて前記景品保管部内に物体があるならば、前記物体取出報知手段によりプレイヤに前記景品保管部内の物体を取り出すように報知することを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項10】
プレイヤの操作により筐体内部に収容された景品を落下させる落下口と、
前記筐体の外壁に設けられ、前記落下口に落下した景品をプレイヤが取り出す取出口と、
前記落下口の上方に又は前記落下口から前記取出口までの経路途中に配置され、前記落下口又は経路を開閉する落下口開閉部と、
前記落下口開閉部を駆動させて前記落下口を開閉する開閉駆動機構と、
前記落下口に落下した景品を一時的に保管し、保管した景品を取り出す取出口を有する景品保管部と、
前記景品保管部の内部に加えられた圧力を検出する圧力検出手段と、
前記落下口の開閉制御をする制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記圧力検出手段からの検出信号に基づいて圧力が前記景品保管部の内部に加えられていないならば、前記開閉駆動機構により前記落下口が開いている状態となるように前記落下口開閉部を駆動制御することを特徴とする景品取得ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【国際公開番号】WO2005/025704
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【発行日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513839(P2005−513839)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012565
【国際出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)