説明

景品払出装置

【課題】 遊技機で獲得したパチンコ玉またはメダル等の遊技媒体と交換する景品を複数の交換率の異なる景品から選択して払い出すことができる景品払出装置を提供する。
【解決手段】 景品を収納した収納カートリッジを交換率に応じたグループに分けて景品払出装置に装填し、グループ毎に収納された景品の収納カートリッジを選択する景品選択手段により、複数の交換率の異なる景品を1つの払出口から払い出すことを可能にする。景品選択手段は払出口に対応するレーンに装填されている複数の収納カートリッジのいずれか一つを、収納カートリッジ内の最前列にある景品を引き上げる引上げ機構の位置に移動させる移動機構を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技ホールに備えられ、遊技客がパチンコ玉およびメダル等の獲得した遊技媒体の獲得数および交換率に応じて遊技者に景品を払い出す景品払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ玉、メダルなどを用いた遊技場においては、遊技の結果獲得されたパチンコ玉およびコインなどの獲得数に応じて、景品(薄板状のカード型で特殊景品と呼ばれる)に交換するサービスがなされている。こうした景品の交換は景品払出装置を用いてなされることが多くなっている。
【0003】
景品払出装置は、カード状をなす景品を収める複数の収納カートリッジを上下方向に積み重ねて配置し、あるいは、横方向に並列に配置し、この収納カートリッジの取り出し口から、景品を一枚ずつ取出しができるようにしてある。
【0004】
複数の収納カートリッジを上下方向に積み重ねて配置した景品払出装置としては、遊技店の景品カウンターの下方に設置し、カウンター上に景品供給する景品を起立状態に並列させて収納すると共に、最前列にある景品を一個ずつ順次上方に引き出し可能とする取出し口を備えた収納カートリッジと、前記収納カートリッジ内の最前列にある景品を引っ掛けて、景品を前記取出し口から上方に引き出させる引っ掛け部を備えた景品の引上げ機構と、横方向に走行されるベルトコンベヤと、このベルトコンベヤの屈曲部の側方に備えられる姿勢変更ローラとを有し、かつ、当該姿勢変更ローラがこの姿勢変更ローラの回転軸中心を通る水平線をベルトコンベヤの屈曲頂端を通る水平線よりも上方に位置されるように備え付けられた景品の側方移送機構とを備えており、前記引上げ機構により上方に移送された景品が、前記姿勢変更ローラとベルトコンベヤのベルトの屈曲頂端との間で挟み込まれながら、ベルトコンベヤのベルトの走行方向に倒し込まれ、排出機構により景品カウンター上に排出する構成としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、カード状をなす景品を収める複数の収納カートリッジを横方向に並列に配置した景品払出装置としては、特殊景品を払い出す1つの景品払出レーンに対して、景品を収納した複数の景品カセットを横方向に並べて、このうちの1つの景品カセットを特殊景品を取り出し可能な位置まで降下させ、最も下端に収納された特殊景品を無端ベルト上に押出して所定位置まで搬送する。そして、1つの景品払出レーンに対して備えられた複数の景品カセットのうち、少なくとも、景品払出口から最も離れた位置に備えられた景品カセット以外の景品カセットである景品カセットを、搬送される特殊景品の厚さに応じて上下方向の移動量を変えて移動する景品カセット移動機構を備えたものや(例えば、特許文献2参照)、パチンコ等の遊戯の結果に応じて遊戯者に引き渡される景品を複数収納可能であり、外面に景品払出口が形成された本体と、該本体に収納された景品の種類を識別する景品識別手段と、遊戯の結果を入力可能な遊戯結果入力手段と、該遊戯結果入力手段によって入力された遊戯の結果に応じて、前記景品識別手段によって識別した景品の種類の中から払い出す景品の種類を選択する景品選択手段と、前記景品選択手段によって選択された種類の景品を、前記景品払出口から払い出す景品払い出し手段とを備える景品払出装置がある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3010323号公報
【特許文献2】特開2008−295948号公報
【特許文献3】特開2003−311009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
景品管理(POS)システムや情報処理技術の高度化により、遊技店の景品カウンターにおいても、景品のより細かい在庫管理を行い、景品の動向をパチンコおよびスロットの遊技種類別に管理および把握をしようとしている。
【0008】
また、遊技者へのサービスを図るため、獲得したパチンコ玉とメダルに対して、それぞれ別種類の景品を提供したり、異なる貸出単価で遊技した結果獲得したパチンコ玉とメダルに対して、異なる交換率で景品と交換したいという要望が高まっている。これは、自治体の指導等により、遊技種別、交換率により景品を別々にしなければならないといった制約がある場合がある。
【0009】
そこで、遊技店の景品カウンターにおいて、パチンコおよびスロット等の遊技種類毎およびパチンコおよびスロット等の交換率毎に別々の景品を払い出す必要がでてきた。
【0010】
しかし、パチンコとスロットとの景品交換率に差異がある場合や、1円パチンコ、2円パチンコなどの営業方法による景品交換率に差異がある場合などでは、景品交換率ごとの景品を用意(1円パチンコ用特大、大、中、小景品、2円パチンコ用特大、大、中、小景品など)し、払出しを行なうが、従来の景品払出装置では機構上、同一払出しレーンからの払出し景品は1種類のみで、払出しレーンを特定しても、2種類の交換率(2レート)の景品払出しまでは可能であるが、3レート以上の景品払出しには対応できていないのが実情である。
【0011】
3レート以上の景品払出しのためには、交換複数レートに対応するPOS−景品払出装置の運用セット数を増やさねばならないが、設備費用の増大やカウンター作業スペースが狭くなるという問題が生ずる。また、各POS−景品払出し装置セットで、対応できる交換景品が異なってしまうため、景品カウンターでの景品交換業務でお客とのトラブル、交換ミスが発生するという問題もある。
【0012】
従来の景品払出装置(8個の払出口がある例)では、1つの景品払出口から1種類の景品の払い出しを行うので、最大で2種類の交換率に対応出来ていた。例えば、一般的な景品の種類は4種類(特大景品、大景品、中景品、小景品)であり、パチンコ用、スロット用と2種類の景品の交換が必要な場合は景品払出装置の払出口が8個の装置で対応出来ていた。さらに加えて、パチンコの遊技で前記異なる貸出単価で遊技した結果獲得した遊技媒体の交換は景品交換率が異なるために、3種類の景品が必要となってきた。そのため従来の払出方法では12個の払出口が必要となってしまう。
【0013】
そこで、本発明では、1つの払出口から複数種類の交換率に応じた景品を払い出すことを可能にし、景品交換率の種類分の払出口がなくても複数種類の景品を払い出すことが可能となる景品払出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、上記課題を達成するために、景品払出装置は景品管理装置(POS)から出力される、景品払出信号を受信して、複数の景品の収納カートリッジから払い出すための景品を選択する景品選択手段に基づき、景品の収納カートリッジの選択制御を行う。
【0015】
景品を起立状態に並列させて収納する収納カートリッジを、景品払出装置の1つの払出口に対応したレーンに複数装填する。景品を収納した収納カートリッジを交換率に応じたグループに分け、グループに収納された景品の収納カートリッジを選択する景品選択手段と、選択された景品の情報を表示する表示機構と前記景品の引上げ機構と移送機構と排出機構により、景品を景品カウンター上に排出する。景品選択手段は払出口に対応するレーンに装填されている複数の収納カートリッジのいずれか一つを、収納カートリッジ内の最前列にある景品を引き上げる引上げ機構の位置に移動させる移動機構を備える構成とし、1台の景品払出装置で、例えば4レート(異品種景品16種類)乃至6レート(異品種景品24種類)を払出せることを可能にした。
【0016】
本発明の具体的要旨は、次の通りである。
【0017】
(1) カード状をなす景品を起立状態に並列させて収納すると共に、最前列にある景品を一個ずつ順次上方に引き出し可能とする取出し口を備えた収納カートリッジと、
前記収納カートリッジ内の最前列にある景品を引っ掛けて、景品を前記取出し口から上方に引き出させる引っ掛け部を備えた景品の引上げ機構と、
横方向に走行されるベルトコンベヤと、このベルトコンベヤの屈曲部の側方に備えられる姿勢変更ローラとを有し、かつ、当該姿勢変更ローラがこの姿勢変更ローラの回転軸中心を通る水平線をベルトコンベヤの屈曲頂端を通る水平線よりも上方に位置されるように備え付けられた景品の側方移送機構とを備えており、
前記引上げ機構により上方に移送された景品が、前記姿勢変更ローラとベルトコンベヤのベルトの屈曲頂端との間で挟み込まれながら、当該ベルトコンベヤのベルトの走行方向に倒し込まれる構成としてあることを特徴とする景品の払出機構であって、
景品を収納した収納カートリッジを交換率に応じたグループに分けて、グループ毎に収納された景品の中から払出を行う収納カートリッジを選択する景品選択手段により、複数の交換率の異なる景品を1つの払出口から払い出すことを可能にする景品の払出機構を具備することを特徴とする景品払出装置。
【0018】
(2) 略水平に保持された複数の収納カートリッジを上下方向に向けて積み重ね状に備えると共に、交換率の異なる景品を収納した収納カートリッジを景品選択手段により選択し、指定された景品が収納されている収納カートリッジを、収納カートリッジ内の最前列にある景品に引上げ機構の引っ掛け部が引っ掛かる位置に移動させる移動機構を備えていることを特徴とする上記(1)記載の景品払出装置。
【0019】
(3) 収納カートリッジの選択は、払出口に対応するレーンに装着されている複数の収納カートリッジのいずれか1つを奥側から取出し口側に向けて移動可能なスライド部材と、このスライド部材を当該取出し口側に付勢させる付勢手段とを備えており、当該スライド部材と取出し口との間に景品が収められる構成としてあることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の景品払出装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、景品管理装置(POS)からの信号により、複数の交換率の異なる景品を選択する景品選択手段によって選択した景品を収納する収納カートリッジから景品を払い出すことで、1つの払出口から交換率の異なる景品の払出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】景品管理システムと遊技場の概要を示す図である。
【図2】景品払出装置のブロック図である。
【図3】景品払出装置の収納カートリッジの装填部を示し、カートリッジが16本装填される払出機の扉側からの斜視図である。
【図4】交換率4種類の景品を収納した収納カートリッジ構成配置図である。
【図5】交換率3種類の景品を収納した収納カートリッジ構成配置図である。
【図6】交換率2種類の景品を収納した収納カートリッジ構成配置図である。
【図7】交換率2種類の景品を収納した別の構成の収納カートリッジ構成配置図である。
【図8】カートリッジが24本装填される払出機の扉側からの斜視図である。
【図9】交換率6種類の景品を収納した収納カートリッジ構成配置図である。
【図10】カートリッジが12本装填される払出機の扉側からの斜視図である。
【図11】交換率4種類の景品を収納した収納カートリッジ構成配置図である。
【図12】交換率2種類の景品を収納した収納カートリッジ構成配置図である。
【図13】カートリッジが12本装填される払出機の扉側からの斜視図である。
【図14】交換率6種類の景品を収納した収納カートリッジ構成配置図である。
【図15】2段カートリッジの引き上げ機構の景品移動機構を示す図である。
【図16】3段カートリッジの引き上げ機構の景品移動機構を示す図である。景品が引き上げ位置に移動した状態を示す図である。
【図17】2段カートリッジの景品払出し機構の側方からの払出機構図である。
【図18】引き上げチェーンの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下本発明の実施の形態を図面を参酌して詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の実施形態の景品交換管理システムと遊技場の概要を示す図である。遊技媒体はパチンコ玉を例に説明する。
【0024】
景品交換管理システムは、図1に示すように、遊技店内に設けられた遊技機(パチンコ機)1、玉貸出ユニット2、遊技媒体計数機3、景品カード発行機4、景品管理装置(POS)5、景品管理装置(POS)に接続された景品払出装置6、表示器7とで構成される。また、景品カード発行機4は会員カードに記録される機能も併せ持つこととしている(図示せず)。
【0025】
遊技機がパチンコ機1であり、パチンコ機1に対応する玉貸出ユニット2には、パチンコ玉を貸与する貸玉料金の異なる2種類があり、パチンコ玉1個あたりの貸玉料金が1円である遊技を「1円パチンコ」とし、パチンコ玉1個あたりの貸玉料金が4円である遊技を「4円パチンコ」とする。
【0026】
遊技者は玉貸出ユニット2より玉を借り遊技した結果、獲得した遊技媒体を貸玉料金に対応した遊技媒体計数機3により計数し、計数結果として景品カード発行機4から計数カード8に記録を行い、景品カウンターにて景品と交換する。そのさい、景品との交換率を「4円パチンコ」ではパチンコ玉1個あたり2.5円とし、「1円パチンコ」ではパチンコ玉1個あたり0.6円とする。
【0027】
景品管理装置(POS)5は計数カード8に記録されたパチンコ玉の数量および交換率に応じて、遊技者に対して払い出すべき景品の種類および数量を算出し、景品払出装置6へ信号を送信する。例えば、「4円パチンコ」での獲得数がパチンコ玉5080個であった場合、交換率が2.5円なので景品は12700円分となり、特大景品(2500円)×4枚、大景品(1000円)×2枚、中景品(500円)×1枚、小景品(100円)×2枚となる。景品管理装置(POS)5は算出の結果を景品払出装置6へ信号を送信する。
【0028】
景品払出装置6では、景品選択手段10により「4円パチンコ」で交換率2.5円グループAの収納カートリッジKの特大景品A1、大景品A2、中景品A3、小景品A4が収納された収納カートリッジKを移動機構Mにより、景品を引き上げる引上げ機構Hの位置に移動し、排出機構Pにより前記算出枚数に応じた景品を景品カウンター上へ排出し、景品の払出枚数を表示器7に表示する。
【0029】
同様に、「1円パチンコ」での獲得数がパチンコ玉7000玉であった場合、交換率が0.6円なので景品は4200円分となり、特大景品(2500円)×1枚、大景品(1000円)×2枚、中景品(500円)×1枚、小景品(100円)×2枚となる。景品管理装置(POS)5は算出の結果を景品払出装置6へ信号を送信する。
【0030】
景品払出装置6では、図2の景品払出装置のブロック図に示すように、景品選択手段10により「1円パチンコ」で換金率0.6円グループBの収納カートリッジKの特大景品B1、大景品B2、中景品B3、小景品B4が収納された収納カートリッジKを移動機構Mにより、景品を引き上げる引上げ機構Hの位置に移動し、排出機構Pにより前記算出枚数に応じた景品を景品カウンター上へ排出し、景品の払出枚数を表示器7に表示する。
【0031】
図2は景品払出装置6のブロック図で、制御部として通信制御手段9、景品選択手段10、表示手段11、機構制御手段12があり、機構部としての移動機構M、引上げ機構H、側方移送機構Y、払出機構Pを制御している。
【0032】
まず、交換率4種類、景品16種類、レーン8本の景品払出装置の例について説明する。
【0033】
図3は景品払出装置6の収納カートリッジKの装填部G(装置の後方から)を示していて、扉をあけた状態で上下の2段に収納カートリッジKが装填されている状態を示す図である。図3に示すように、景品払出口に対応して1から8までのレーンがあり、上下2段の装填部で16本の収納カートリッジKが装填されている。
【0034】
図4は交換率4種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例(図3に相当する)を示している。収納カートリッジKの交換率別のグループとして、グループAは1から4までのレーン上側装填部Gに特大景品A1、大景品A2、中景品A3、小景品A4で構成され、グループBは5から8までのレーン上側装填部Gに特大景品B1、大景品B2、中景品B3、小景品B4、グループCは1から4までのレーン下側装填部Gに特大景品C1、大景品C2、中景品C3、小景品C4、グループDは5から8までのレーン下側装填部Gに特大景品D1、大景品D2、中景品D3、小景品D4で構成される。
【0035】
1レーンに交換率グループA1、C1の景品S、2レーンに交換率グループA2、C2の景品S、3レーンに交換率グループA3、C3の景品S、4レーンに交換率グループA4、C4の景品S、5レーンに交換率グループB1、D1の景品S、6レーンに交換率グループB2、D2の景品S、7レーンに交換率グループB3、D3の景品S、8レーンに交換率グループB4、D4の景品Sが装填される。
【0036】
景品払出は、景品管理装置(POS)5からの信号を受信し、景品選択手段10は換金率を判断し、グループAの払出が必要と判断すれば、後述する図15〜17に示すように、装填部G上側のグループA側の収納カートリッジKを移動機構Mにより、払出が必要な収納カートリッジK(特大景品A1、大景品A2、中景品A3,小景品A4)を個別に選択し引上げ機構Hの位置まで移動する。景品の払出機構は、収納カートリッジK内の最前列にある景品Sを引っ掛けて、景品Sを前記取出し口から上方に引き出させる引っ掛け部を備えた景品の引上げ機構Hと、横方向に走行されるベルトコンベヤ13と、このベルトコンベヤ13の屈曲部の側方に備えられる姿勢変更ローラ14とを有し、かつ、当該姿勢変更ローラ14がこの姿勢変更ローラ14の回転軸中心を通る水平線をベルトコンベヤ13の屈曲頂端を通る水平線X(図17参照)よりも上方に位置されるように備え付けられた景品Sの側方移送機構Yとを備えており、前記引上げ機構Hにより上方に移送された景品が、前記姿勢変更ローラ14とベルトコンベヤ13のベルトの屈曲頂端との間で挟み込まれながら、当該ベルトコンベヤ13のベルトの走行方向に倒し込まれ、排出機構Pにより景品カウンター上に排出する。排出後はグループAの収納カートリッジKは元の待機位置に戻り、次の景品選択機構の動作指示を待つことになる。
【0037】
同様に景品管理装置(POS)5からの信号を受信し、景品選択手段10はグループCの払出が必要と判断すれば、装填部G上側のグループC側の収納カートリッジKを移動機構Mにより、払出が必要な収納カートリッジKを個別に選択し引上げ機構Hの位置まで移動機構Mにより移動させ、上記移送機構Y、排出機構Pにより景品カウンター上に排出する。
【0038】
景品管理装置(POS)5からの信号受信から景品カウンター上に排出するまでの1動作中、1レーンからは、景品選択手段61により交換率の異なる上側装填部Gの特大景品A1と下側装填部Gの特大景品C1のいずれかが払出し可能となる。他の2から8レーンは同様の動作が可能となる。
【0039】
また、別の装填例として、交換率3種類、景品12種類、レーン8本の景品払出し機の例について説明する。
【0040】
図5は交換率3種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例を示している。収納カートリッジKの交換率別のグループとして、グループAは1から4までのレーン上下装填部Gに特大景品A1、大景品A2、中景品A3、小景品A4で構成され、グループBは5から8間でのレーン上装填部Gに特大景品B1、大景品B2、中景品B3、小景品B4、グループCは5から8までのレーン下側装填部Gに特大景品C1、大景品C2、中景品C3、小景品C4で構成される。
1レーンに交換率グループA1、A1の景品S、2レーンに交換率グループA2、A2の景品S、3レーンに交換率グループA3、A3の景品S、4レーンに交換率グループA4、A4の景品S、5レーンに交換率グループB1、C1、6レーンに交換率グループB2、C2の景品S、7レーンに交換率グループB3、C3の景品S、8レーンに交換率グループB4、C4の景品Sが装填される。
【0041】
また、別の装填例として、交換率2種類、景品8種類、レーン8本の景品払出し機の例について説明する。
【0042】
図6は交換率2種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例を示している。収納カートリッジKの交換率別のグループとして、グループAは1から4までのレーン上下装填部Gに特大景品A1、大景品A2、中景品A3、小景品A4で構成され、グループBは5から8間でのレーン上下装填部Gに特大景品B1、大景品B2、中景品B3、小景品B4で構成される。
【0043】
1レーンに交換率グループA1、A1の景品S、2レーンに交換率グループA2、A2の景品S、3レーンに交換率グループA3、A3の景品S、4レーンに交換率グループA4、A4の景品S、5レーンに交換率グループB1、B1の景品S、6レーンに交換率グループB2、B2の景品S、7レーンに交換率グループB3、B3の景品S、8レーンに交換率グループB4、B4の景品Sが装填される。
【0044】
さらに、別の装填例として、交換率1種類、景品8種類、レーン8本の景品払出し機の例について説明する。
【0045】
図7は交換率1種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例を示している。収納カートリッジKの交換率別のグループとして、グループAは1から4までのレーン上下装填部Gに特大景品A1、大景品A2、中景品A3、小景品A4で構成される。
【0046】
具体的には、1レーンに交換率グループA1、A1の景品S、2レーンに交換率グループA1、A1の景品S、3レーンに交換率グループA2、A2の景品S、4レーンに交換率グループA2、A2の景品S、5レーンに交換率グループA3、A3の景品S、6レーンに交換率グループA3、A3の景品S、7レーンに交換率グループA4、A4の景品S、8レーンに交換率グループA4、A4の景品Sが装填される。
【0047】
次に、景品の種類が多い交換率6種類、景品24種類、レーン8本の景品払出し機の例について説明する。
【0048】
図8は景品払出装置6の収納カートリッジ装填部G(装置の後方から)であり、扉をあけた状態で上中下の3段に収納カートリッジKが装填されている。景品払出口に対応して1から8までのレーンがあり、上下の装填部Gで24本の収納カートリッジが装填されている。
【0049】
図9は交換率6種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例を示している。収納カートリッジKの交換率別のグループとして、グループAは1から4までのレーン上側装填部Gに特大景品A1、大景品A2、中景品A3、小景品A4で構成され、グループBは5から8間でのレーン上側装填部Gに特大景品B1、大景品B2、中景品B3、小景品B4、グループCは1から4までのレーン中側装填部Gに特大景品C1、大景品C2、中景品C3、小景品C4、グループDは5から8までのレーン中側装填部Gに特大景品D1、大景品D2、中景品D3、小景品D4、グループEは1から4までのレーン下側装填部Gに特大景品E1、大景品E2、中景品E3、小景品E4、グループFは5から8までのレーン下側装填部Gに特大景品F1、大景品F2、中景品F3、小景品F4で構成される。
【0050】
1レーンに交換率グループA1、C1、E1の景品S、2レーンに交換率グループA2、C2、E2に景品S、3レーンに交換率グループA3、C3、E3の景品S、4レーン交換率グループにA4、C4、E4の景品S、5レーンに交換率グループB1、D1、F1の景品S、6レーンに交換率グループB2、D2、F2の景品S、7レーンに交換率グループB3、D3、F3の景品S、8レーンに交換率グループB4、D4、F4の景品Sが装填される。
【0051】
景品管理装置(POS)5からの信号を受信し、前記の景品選択手段10と同様に、図16に示すように、上中下の3段の景品Sの収納カートリッジKのいずれか1つの収納カートリッジKを移動機構Mにより払出が必要な収納カートリッジKを個別に選択し引き上げ機構Hの位置まで移動する。収納カートリッジKの最前列にある景品Sを引っ掛けて、景品を前記取出し口から上方に引き出させる引っ掛け部を備えた景品の引上げ機構Hと、前記側方移送機構Yと前記排出機構Pにより景品カウンター上に排出する。排出後は移動した収納カートリッジKは元の待機位置に戻り、次の景品選択手段10の動作指示を待つことになる。
【0052】
また、交換率4種類、景品12種類、レーン6本の場合について説明する。
【0053】
図10は景品払出装置6の収納カートリッジ装填部G(装置の後方から)であり、扉をあけた状態で上下の2段に収納カートリッジKが装填されている。景品払出口に対応して1から6までのレーンがあり、上下の装填部Gで12本の収納カートリッジKが装填されている。
【0054】
図11は交換率4種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例を示している。収納カートリッジの交換率別のグループとして、グループAは1から3までのレーン上側装填部Gに大景品A1、中景品A2、小景品A3で構成され、グループBは4から6までのレーン上側装填部Gに大景品B1、中景品B2、小景品B3、グループCは1から3までのレーン下側装填部Gに大景品C1、中景品C2、小景品C3、グループDは4から6までのレーン下側装填部Gに大景品D1、中景品D2、小景品D3で構成される。
【0055】
1レーンに交換率グループA1、C1の景品S、2レーンに交換率グループA2、C2の景品S、3レーンに交換率グループA3、C3の景品S、4レーンに交換率グループB1、D1の景品S、5レーンに交換率グループB2、D2の景品S、6レーンに交換率グループB3、D3の景品Sが装填される。
【0056】
景品管理装置(POS)5からの信号を受信し、前記の景品選択手段10と同様に、上下の2段の景品Sの収納カートリッジKのいずれか1つの収納カートリッジKを移動機構Mにより払出が必要な収納カートリッジを個別に選択し引き上げ機構Hの位置まで移動する。収納カートリッジKの最前列にある景品Sを引っ掛けて、景品Sを前記取出し口から上方に引き出させる引っ掛け部を備えた景品の引上げ機構Hと、前記側方移送機構Yと前記排出機構Pにより景品カウンター上に排出する。排出後は移動した収納カートリッジKは元の待機位置に戻り、次の景品選択手段10の動作指示を待つことになる。
【0057】
また、別の装填例として交換率2種類、景品6種類、レーン6本の場合について説明する。
【0058】
図12は交換率2種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例を示している。収納カートリッジKの交換率別のグループとして、グループAは1から3までのレーン上下の装填部Gに大景品A1、中景品A2、小景品A3で構成され、グループBは4から6のまでの上下の装填部Gに大景品B1、中景品B2、小景品B3で構成される。
【0059】
1レーンに交換率グループA1、A1の景品S、2レーンに交換率グループA2、A2の景品、3レーンに交換率グループA3、A3の景品S、4レーンに交換率グループB1、B1の景品S、5レーンに交換率グループB2、B2の景品S、6レーンに交換率グループB3、B3の景品Sが装填される。
【0060】
また、別の装填例として、交換率6種類、景品18種類、レーン6本の場合について説明する。
【0061】
図13は景品払出装置6の収納カートリッジ装填部G(装置の後方から)であり、扉をあけた状態で上中下の3段に収納カートリッジKが装填されている。景品払出口に対応して1から6までのレーンがあり、上下の装填部Gで18本の収納カートリッジKが装填されている。
【0062】
図14は交換率6種類の景品Sの収納カートリッジKの装填部Gの配置図で、景品選択手段10の装填例を示している。収納カートリッジの交換率別のグループとして、グループAは1から3までのレーン上側装填部Gに大景品A1、中景品A2、小景品A3で構成され、グループBは4から6までのレーン上側装填部Gに大景品B1、中景品B2、小景品B3、グループCは1から3までのレーン中側装填部Gに大景品C1、中景品C2、小景品C3、グループDは4から6までのレーン中側装填部Gに大景品D1、中景品D2、小景品D3、グループEは1から3までのレーン下側装填部Gに大景品C1、中景品C2、小景品C3、グループDは4から6までのレーン下側装填部Gに大景品D1、中景品D2、小景品D3で構成される。
【0063】
1レーンに交換率グループA1、B2、E1の景品S、2レーンに交換率グループA2、C2、E2の景品S、3レーンに交換率グループA3、C3、E3の景品S、4レーンに交換率グループB1、D1、F1の景品S、5レーンに交換率グループB2、D2、F2の景品S、6レーンに交換率グループB3、D3、F3の景品Sが装填される。
【0064】
図15及び図17に示すように、カード状をなす景品Sを起立状態に並列させて収納すると共に、最前列にある景品Sを一個ずつ順次上方に引き出し可能とする取出し口15を備えた収納カートリッジKを2段に積み重ね状に配置し、収納カートリッジK内の最前列にある景品Sを引っ掛けて、景品Sを前記取出し口15から上方に引き出させる引っ掛け部16を備えた景品Sの引上げ機構Hと、横方向に走行されるベルトコンベヤ13と、このベルトコンベヤ13の屈曲部の側方に備えられる姿勢変更ローラ14とを有し、かつ、姿勢変更ローラ14がこの姿勢変更ローラ14の回転軸中心を通る水平線Xをベルトコンベヤ13の屈曲頂端を通る水平線Xよりも上方に位置されるように備え付けられた景品Sの側方移送機構Yとを備えている。そして、引上げ機構Hにより上方に移送された景品Sが、姿勢変更ローラ14とベルトコンベヤ13のベルトの屈曲頂端との間で挟み込まれながら、ベルトコンベヤ13のベルトの走行方向に倒し込まれる構成としてある。
【0065】
引上げ機構Hにより収納カートリッジK内に収納された景品Sを一個ずつ上方に移送さることができると共に、このように移送された景品Sを、側方移送機構Yを構成する姿勢変更ローラ14とベルトコンベヤ13のベルトの屈曲頂端との間で挟み込みながら、ベルトコンベヤ13のベルトの走行方向に倒し込ませ、このように倒し込んだ景品Sをベルトコンベヤ13により側方に移送させることができる。
【0066】
図15ないし図16に示されるように、カード状をなす景品Sを並列させて収納した収納カートリッジKを2段或いは3段に配置し、景品Sが収納カートリッジK内において起立状態となるように略水平に位置付けておくと共に、このように位置付けられた収納カートリッジKから取り出される景品Sを収納カートリッジKの上方において景品Sを倒し込んだ状態で供給することが可能となる。
【0067】
景品Sの提供がなされるカウンターの下方にこの引上げ機構Hを設置して、このカウンター上に景品Sを支障なく供給するように用いることができる。また、収納カートリッジKは略水平に位置付けられることから、引上げ機構Hにおける収納カートリッジKの装填部Gに対して、収納カートリッジKの一端側から横方向に収納カートリッジKを差し込むように移動させることにより装填をなすことができ、景品Sが満載された状態にあってもこの装填作業を容易かつスムースになすことができる。
【0068】
収納カートリッジKの取出し口15は、収納カートリッジKの前端部17側にある上面にこの収納カートリッジK内に収められる景品Sを引き出し可能な大きさの穴15を設けて構成することができる。そして、収納カートリッジKの前端部17側にある下面の一部と前端部面17とに、引っ掛け部16が最前列にある景品Sの下端面に引っ掛かりながら上方に移動できる大きさの収納カートリッジK内に連通される取り出し口15の溝状開口を設けておくことにより、取出し口15から最前列にある景品Sを一個ずつ上方に引き出すことができる。
【0069】
引上げ機構Hは、図18に示すように、上下一対のスプロケットホイール18間に張り込まれる無端状のチェーン19や、上下一対のベルト車間に張り込まれるベルトなどに引っ掛け部16を設け、このチェーン19などの走行に伴って引っ掛け部16が収納カートリッジKの取り出し口15の溝状開口を通り抜けるようにして構成することができる。
【0070】
引上げ機構Hにおいて、略水平に保持された複数の収納カートリッジKを上下方向に向けて、例えば、2段或いは3段に積み重ね状に備えると共に、景品Sが収められている複数の収納カートリッジKのいずれか一つのみを、収納カートリッジK内の最前列にある景品Sに引上げ機構Hの引っ掛け部16が引っ掛かる位置に移動させる移動機構Mを備える構成とすることが景品選択手段10の一つとされる。
【0071】
この構成によれば、景品Sが収められている複数の収納カートリッジKのいずれか一つのみから、引上げ機構Hにより最前列にある景品Sを上方に引き出すことができ、景品Sを収めた複数の収納カートリッジKを上下方向に向けて支障なく積み重ね状に備えさせることができる。
【0072】
図15および図16は、引上げ機構Hと移動機構Yを示した構成図であり、図15は収納カートリッジKの待機位置状態を示す。図16は中段の収納カートリッジKを引上げ機構Hの側に前進させて、この中段に位置される収納カートリッジKから景品Sが引き出される状態をそれぞれ示している。
【0073】
図17は、2段に積み重ね状にカートリッジK、引上げ機構H、側方移送機構Y、移動機構Mの組込み部の構成を側方から見た状態を示している。引上げ機構Hを構成するチェーン19を省略して示している。図18は引上げ機構Hを構成するチェーン19を側方から見た状態である。
【0074】
所望の景品カードを払い出すには、払出し方向(前進)と退避方向とに可動となっている収納カートリッジKの内で所望の景品カードを収納している収納カートリッジKを払出し方向に移動させる。なお、その他の全ての収納カートリッジKは退避方向に移動させられている。払出し方向に移動させられた収納カートリッジKでは、その最前列にある景品カードS(例えば、3mm厚の景品カード)が、景品払出し突起(引っ掛け部)16と係合し、モーターで駆動させられている景品送り出しチェーン19により引き上げられる。景品カードが引き上げられると、その景品カードを収納していた収納カートリッジKは退避方向に移動させられる。
【0075】
引き上げられた景品カードは、景品を反転する姿勢変更ローラ14により、垂直方向から水平方向に倒されて景品カード払出しベルト上に載置され、上下可動の景品スタックテーブル上に堆積して集められる。そして、景品払出し窓のシャツターを開放すると共に、景品スタックテーブルを上昇せしめ、景品カードが払いだされる。
【0076】
収納カートリッジKが2段又は3段或いはそれ以上の段数で装填部Gに配置されていても、所望の景品ガードが収納されている格段の収納カートリッジKを選択して払出し方向に移動させることで、同様に所望の景品カードを払い出すことができる。そして、払いだす順番も、例えば、大景品から小景品へと順番に選択すれば、その順序で払いだされるので、景品カードの必要枚数の計算を容易に行なうことができる。
【0077】
従来公知の例えば3段の収納カートリッジを備えた景品払出し装置では、下段に装填された収納カートリッジ内の景品から払出しを開始し、下段の景品が無くなると、中段の収納カートリッジが自動的に払出し位置に移動して払出しを開始し、景品が無くなると上段の収納カートリッジが自動的に払出し位置に移勤し払出しを行なうようになっていた。そして、全段、景品が無くなると「景品切れ」の合図を払出機が出す。その時、カートリッジを払出機より抜取り、景品を補充して払出機に再装填する。その後、操作盤上で諸操作を行うと引き続き払出しを行うようになっていて、任意の収納カートリッジを選択して景品を取出すことはできなかった。しかし、本発明の景品払出し装置によれば、任意の収納カートリッジ内の景品の払出しが可能となる。
【0078】
図15および図16に基づいて、引上げ機構Hの詳細を説明する。カード状をなす景品Sを起立状態に並列させて収納できるように構成された二つの収納カートリッジKと、この二つの収納カートリッジKを上下方向に向けて積み重ね状に装填、保持する装填部Gと、このように装填された収納カートリッジKの一端側にあって、この収納カートリッジK内に収められた景品Sのうち最前列にある景品Sに引っ掛かる引っ掛け部16を備え、この最前列にある景品Sを収納カートリッジKの取出し口15から上方に引き出させる引上げ機構Hと、このように上方に引き出された景品Sを側方に移送させる側方移送機構Yと、装填部Gに保持された二つの収納カートリッジKのうち景品選択手段10が指定した交換率の景品Sが収納されている収納カートリッジKのいずれか一つのみを、引上げ機構Hの設けられている側に移動させる移動機構Mとを備えている。
【0079】
収納カートリッジKを略長方形状をなす四つの幅広の板部を備えた長箱状に構成すると共に、この長箱状をなす収納カートリッジKの一端側を前記引上げ機構Hに向き合わせるように、装填部Gによりこの収納カートリッジKを略水平に装填・保持できる構成としてある。
【0080】
収納カートリッジKの一端側、すなわち、引上げ気候Hに向き合った前端部17側にある上面には、この収納カートリッジK内に収められる景品Sを引き出し可能な大きさの穴10aが設けてある。収納カートリッジKの前端部17側にある下面の一部と前端部17の面とには、引っ掛け部16が最前列にある景品Sの下端面に引っ掛かりながら上方に移動できる大きさの収納カートリッジK内に連通される取出し口15の溝状開口が設けてある。
【0081】
引上げ機構Hは、上下一対のスプロケットホイール18間に張り込まれた無端状のチェーン19に、略等しい間隔を開けて外側に突き出す一対の引っ掛け部16を設けて構成してある。この引上げ機構Hを構成するチェーン19は、前記のように装填された二つの収納カートリッジKにおける取出し口15の溝状開口の延設方向に沿って走行されるように配してある。
【0082】
移動機構Mは、引上げ機構Hを挟んだ収納カートリッジKの配される側と反対の側に配されるカム手段20と、収納カートリッジKにおける後端部15側に配される収納カートリッジKの装填部Gを構成する側壁に設けられた圧縮コイルバネ21とから構成されている。
【0083】
カム手段20は、上下方向に沿った回転軸を偏心位置に備えた円板状体と、引上げ機構Hを構成するチェーン19を間に収めるように略平行に配される左右押し込みロッド22と、この左右押し込みロッド22における収納カートリッジKと向き合わない側においてこの左右押し込みロッド22を連結する連結部23と、この連結部23に設けられた円板状体の周面に常時接するローラ24とを備えている。
【0084】
装填部Gに上下方向に向けて積み重ね状に装填、保持された二つの収納カートリッジKの上段に位置する収納カートリッジKと、下段に位置する収納カートリッジKとに、それぞれにカム手段20が対向するように設けてある。
【0085】
装填部Gに装填、保持された二つの収納カートリッジKを、バネ25によりいずれも引上げ機構Hの側に向けて常時付勢させておくことができ、かかる収納カートリッジKを、かかる引上げ機構Hに設けられた前記引っ掛け部16が前記チェーン19の走行により、収納カートリッジKの取出し口10の溝状開口に入り込み、この溝状開口を通り抜ける位置に位置付けておくことができる。
【0086】
バネ25により付勢される収納カートリッジKは、いずれもカム手段20により、バネ25の付勢に抗して、これらの収納カートリッジKの取出し口10の溝状開口に引上げ機構Hの引っ掛け部16が入り込まない位置に押し戻し、すなわち退避移動させておくことができる構成としてある。
【0087】
カム手段20の円板状体は回転軸を偏心位置に備えていることから、この円板状体42を回転させることにより前記左右押し込みロッド22を前記収納カートリッジKの側に向けて前進させ、また、後退させることができる。そして、この左右押し込みロッド22の先端は、バネ25の付勢により収納カートリッジKの取出し口10の溝状開口を挟んだ前端部面14に常時当接される構成としてある。したがって、この左右押し込みロッド22の前進により収納カートリッジKをバネ25の付勢に抗して、この収納カートリッジKの溝状開口に引上げ機構Hの引っ掛け部16が入り込まない位置に退避移動させておくことができ、また、この左右押し込みロッド22の後退により収納カートリッジKをバネ25の付勢により、この収納カートリッジKの溝状開口に引上げ機構Hの引っ掛け部16が入り込む位置に移動させることができる。
【0088】
この引上げ機構Hは図16に示されるように、二つの収納カートリッジKのいずれにも景品Sを収めた状態において、カム手段20により下段に位置する収納カートリッジKがその取出し口10の溝状開口に前記引上げ機構Hの引っ掛け部16を入り込ませるようにしておくことができ、この下段の収納カートリッジKから景品Sが上方に移送されるようにすることができる。
【0089】
側方移送機構Yは、図15、図17に示すように、略同一の水平線上に回転軸を配する一対のベルト車に張り込まれたベルトを備えたベルトコンベヤ13と、このベルトコンベヤ13の屈曲部の側方に備えられると共に、回転軸を水平に配した姿勢変更ローラ14とを備えている。また、かかる姿勢変更ローラ14は、この姿勢変更ローラ14の回転軸中心を通る水平線Xをベルトコンベヤ13の屈曲頂端を通る水平線X、前記一対のベルト車の回転軸が配される水平線よりも上方に位置されるように備え付けられている。
【0090】
ベルトコンベヤ13の屈曲部の一方が、引上げ機構Hにより上方に移送される景品Sの一面側に接する位置にあると共に、かかる屈曲部の他方が収納カートリッジKの後端部側に向けられるように配されている。
【0091】
姿勢変更ローラ14は、ベルトコンベヤ13の屈曲部の一方に対して、ローラ面を常時近接させるように、圧縮コイルバネ21によりかかるベルトコンベヤ13の側に付勢された構成としてある。
【0092】
引上げ機構Hにより上方に移送された景品Sを、その景品Sの上端縁側から、姿勢変更ローラ14とベルトコンベヤ13のベルト30bの屈曲頂端との間で、姿勢変更ローラ14をバネ26の付勢に抗してベルトコンベヤ13から離れる向きにやや押し戻しながら、挟み込むことができる。そして、このように挟み込んだ景品Sを、さらに前記姿勢変更ローラ14をベルトコンベヤ13から離れる向きに押し戻しながら上方に移動させることができると共に、この景品Sの挟み込み位置がこの景品Sの下端縁側に向かうに連れて、この景品Sを次第にこのベルトコンベヤ13のベルトの走行方向に倒し込ませることができる。そしてこのように倒し込まれた景品Sの下端縁が姿勢変更ローラ14とベルトコンベヤ13の屈曲部との間から抜け出した後は、この景品Sを当該ベルトコンベヤ13の走行方向に移送することができる。
【0093】
従来公知の例えば3段に積み重ねられた収納カートリッジを備えた景品払出し装置では、下段に装填された収納カートリッジ内の景品から払出しを開始し、下段の景品が無くなると、中段の収納カートリッジが自動的に払出し位置に移動して払出しを開始し、景品が無くなると上段の収納カートリッジが自動的に払出し位置に移勤し払出しを行なうようになっていて、任意の位置の収納カートリッジから景品を払い出すことができなかった。しかし、本発明によれば、1つの払出口から複数種類の交換率に応じて任意の収納カートリッジから景品を払い出すことができ、また、景品交換率の種類分の払出口がなくても複数種類の景品を払い出すことが可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 パチンコ機
2 玉貸出ユニット
3 遊技媒体計数機
4 景品カード発行機
5 景品管理装置(POS)
6 景品払出装置
7 表示器
8 計数カード
9 通信制御手段
10 景品選択手段
11 表示手段
12 機構制御手段
13 ベルトコンベヤ
14 姿勢変更ローラ
15 取出し口
16 引っ掛け部
17 前端部
18 スプロケットホイール
19 チェーン
20 カム手段
21 圧縮コイルバネ
22 左右押し込みロッド
23 連結部
24 ローラ
25 バネ
26バネ
S 景品
G 装填部
K 収納カートリッジ
M 移動機構
H 引上げ機構
X 水平線
Y 側方移送機構
P 排出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード状をなす景品を起立状態に並列させて収納すると共に、最前列にある景品を一個ずつ順次上方に引き出し可能とする取出し口を備えた収納カートリッジと、
前記収納カートリッジ内の最前列にある景品を引っ掛けて、景品を前記取出し口から上方に引き出させる引っ掛け部を備えた景品の引上げ機構と、
横方向に走行されるベルトコンベヤと、このベルトコンベヤの屈曲部の側方に備えられる姿勢変更ローラとを有し、かつ、当該姿勢変更ローラがこの姿勢変更ローラの回転軸中心を通る水平線をベルトコンベヤの屈曲頂端を通る水平線よりも上方に位置されるように備え付けられた景品の側方移送機構とを備えており、
前記引上げ機構により上方に移送された景品が、前記姿勢変更ローラとベルトコンベヤのベルトの屈曲頂端との間で挟み込まれながら、当該ベルトコンベヤのベルトの走行方向に倒し込まれる構成としてあることを特徴とする景品の払出機構であって、
景品を収納した収納カートリッジを交換率に応じたグループに分けて、グループ毎に収納された景品の中から払出を行う収納カートリッジを選択する景品選択手段により、複数の交換率の異なる景品を1つの払出口から払い出すことを可能にする景品の払出機構を具備することを特徴とする景品払出装置。
【請求項2】
略水平に保持された複数の収納カートリッジを上下方向に向けて積み重ね状に備えると共に、交換率の異なる景品を収納した収納カートリッジを景品選択手段により選択し、指定された景品が収納されている収納カートリッジを、収納カートリッジ内の最前列にある景品に引上げ機構の引っ掛け部が引っ掛かる位置に移動させる移動機構を備えていることを特徴とする請求項1記載の景品払出装置。
【請求項3】
収納カートリッジの選択は、払出口に対応するレーンに装着されている複数の収納カートリッジのいずれか1つを奥側から取出し口側に向けて移動可能なスライド部材と、このスライド部材を当該取出し口側に付勢させる付勢手段とを備えており、当該スライド部材と取出し口との間に景品が収められる構成としてあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の景品払出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−92548(P2011−92548A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250863(P2009−250863)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(591154267)有限会社相原製作所 (2)
【Fターム(参考)】