説明

景品管理システムおよび各台対応装置

【課題】ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を向上させること。
【解決手段】カード保持部11が、メニューカードを受け付け、交換玉数取得部14aが、景品との交換に要する遊技媒体数である交換玉数を取得し、減算処理部14cが、遊技客が獲得した遊技媒体の数を含んだ持玉価値から交換玉数を減算し、関連付け部14dが、減算処理部14cによって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報をメニューカードに対して関連付けるように台間装置10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技台に対応して設けられる各台対応装置を有する景品管理システムおよび各台対応装置に関し、特に、ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を向上させることができる景品管理システムおよび各台対応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ店などの遊技店において提供されるサービスの一つとして、ワゴンサービスが知られている。ワゴンサービスとは、たとえば、サービス員が飲食物やタバコ等の商品を積んだワゴンを運搬しながら遊技店内を巡回し、遊技中の遊技客から注文を受けると、注文された商品を遊技客へ提供するといったサービスである。
【0003】
かかるワゴンサービスでは、一般的に、遊技客が獲得した遊技媒体を商品対価として徴収する。そして、ワゴンサービスでは、各遊技客から徴収した遊技媒体をバケツ等に溜めておき、営業終了後に、島端に設置された大型の計数機(島端計数機)でまとめて計数することによって、商品(景品)の入出庫管理や収支管理等を行っている。
【0004】
ところが、近年では、遊技客が獲得した遊技媒体の数量を各台間装置と接続された計数部が計数する各台計数方式(たとえば、特許文献1参照)の普及によって、遊技店内に島端計数機が設置されないケースが増えており、徴収した遊技媒体を計数する作業が困難となりつつある。そこで、現物の遊技媒体を徴収するのではなく、台間装置の計数部によって計数された遊技媒体数の値(持玉価値)から商品代金に相当する遊技媒体数を減算することによって商品代金を徴収する運用が提案されている。
【0005】
このような運用の一つとして、たとえば、持玉価値が関連付けられた一般カードや会員カードといった遊技カードを一時的に台間装置から排出させ、かかる遊技カードに関連付けられた持玉価値をサービス員が所持する決済用端末によって読み取り、読み取った持玉価値から商品対価に相当する遊技媒体数を減算するシステムが考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−229111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来のシステムでは、持玉価値の徴収に要する作業が効率的ではないために、ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を低下させてしまうという問題があった。すなわち、上述したシステムでは、遊技カードに関連付けられた持玉価値を決済端末で読み取る必要があるため、遊技カードを一時的に台間装置から排出させなければならないという煩雑さがある。しかも、かかるカードの排出操作を遊技客に対して行わせることによって、遊技客にとっての利便性を損なう恐れもある。
【0008】
これらのことから、ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を向上させることができる景品管理システムあるいは各台対応装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0009】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を向上させることができる景品管理システムあるいは各台対応装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技台に対応して設けられる各台対応装置を有する景品管理システムであって、前記各台対応装置は、所定の記録媒体を受け付ける受付手段と、所定の景品との交換に要する遊技媒体数を特定可能な減算数情報を取得する減算数情報取得手段と、遊技客が獲得した遊技媒体の数を含んだ持玉価値から前記減算数情報取得手段によって取得された減算数情報に含まれる遊技媒体数を減算する減算手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記各台対応装置は、前記減算手段によって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報を前記受付手段によって受け付けられた記録媒体に対して関連付ける関連付け手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記所定の記録媒体は、ワゴンサービスにおけるワゴン景品交換用の記録媒体である景品交換用媒体であり、前記景品交換用媒体は、前記景品に対応する減算数情報を予め記憶しており、減算数情報取得手段は、前記受付手段によって受け付けられた景品交換用媒体から前記減算数情報を取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、遊技客が獲得した遊技媒体と交換される景品を管理する景品管理装置をさらに有し、前記景品交換用媒体は、前記景品を識別する景品識別情報をさらに記憶しており、前記景品管理装置は、受け付けた景品交換用媒体から前記景品識別情報を読み取る読取手段と、受け付けた景品交換用媒体に対して関連付けられた減算結果情報に基づき、前記読取手段によって読み取られた景品識別情報によって識別される景品の出庫数を含んだ出庫情報を更新する出庫情報更新手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記関連付け手段は、前記減算手段によって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報を前記受付手段によって受け付けられた記録媒体に対して記憶させ、前記景品管理装置の読取手段は、受け付けた記録媒体から前記減算結果情報をさらに読み取ることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記記録媒体を含む携帯端末をさらに有し、前記携帯端末は、所定の景品との交換に要する遊技媒体数を指定する指定手段と、前記指定手段によって指定された遊技媒体数を特定可能な減算数情報を前記各台対応装置に対して通知する通知手段とを備え、前記各台対応装置の減算数情報取得手段は、前記通知手段によって通知された減算数情報を取得することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記各台対応装置は、自装置に対して設定された前記遊技媒体の貸出レートを記憶するレート記憶手段と、前記レート記憶手段に記憶された貸出レートに基づき、前記減算数情報取得手段によって取得された減算数情報から特定される遊技媒体数を所定の貸出レートの数量へ変換する変換手段とをさらに備え、前記減算手段は、前記変換手段によって変換された遊技媒体数を前記持玉価値から減算することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、遊技台に対応して設けられる各台対応装置であって、所定の記録媒体を受け付ける受付手段と、所定の景品との交換に要する遊技媒体数を含んだ減算数情報を特定可能な減算数情報取得手段と、自装置に対応する遊技台で遊技客が獲得した遊技媒体の数を含んだ持玉価値から前記減算数情報取得手段によって取得された減算数情報に含まれる遊技媒体数を減算する減算手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各台対応装置が、所定の記録媒体を受け付ける受付手段と、所定の景品との交換に要する遊技媒体数を特定可能な減算数情報を取得する減算数情報取得手段と、遊技客が獲得した遊技媒体の数を含んだ持玉価値から減算数情報取得手段によって取得された減算数情報に含まれる遊技媒体数を減算する減算手段とを備えることとしたので、ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、各台対応装置が、減算手段によって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報を受付手段によって受け付けられた記録媒体に対して関連付ける関連付け手段をさらに備えることとしたので、1つの記録媒体によって複数の利用者の取引結果を記録することができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、所定の記録媒体は、ワゴンサービスにおけるワゴン景品交換用の記録媒体である景品交換用媒体であり、景品交換用媒体は、景品に対応する減算数情報を予め記憶しており、減算数情報取得手段は、受付手段によって受け付けられた景品交換用媒体から減算数情報を取得することとしたので、景品との交換に要する遊技媒体数をワゴンサービスのサービス員が取引の都度入力する必要がなくなる結果、サービス員による作業を簡略化できるとともに、入力ミスによるトラブルを防止することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、遊技客が獲得した遊技媒体と交換される景品を管理する景品管理装置をさらに有し、景品交換用媒体は、景品を識別する景品識別情報をさらに記憶しており、景品管理装置は、受け付けた景品交換用媒体から景品識別情報を読み取る読取手段と、受け付けた景品交換用媒体に対して関連付けられた減算結果情報に基づき、読取手段によって読み取られた景品識別情報によって識別される景品の出庫数を含んだ出庫情報を更新する出庫情報更新手段とを備えることとしたので、複数の取引結果が一括して出庫情報へ反映される結果、たとえば、営業終了時に行われる締め上げ作業の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、関連付け手段は、減算手段によって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報を受付手段によって受け付けられた記録媒体に対して記憶させ、景品管理装置の読取手段は、受け付けた記録媒体から減算結果情報をさらに読み取ることとしたので、遊技店内の機器を集中的に管理する管理装置に対して減算結果情報を問い合わせる必要がなくなる結果、管理装置と景品管理装置との通信状態に左右されることなく出庫情報の更新を行うことができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、記録媒体を含む携帯端末をさらに有し、携帯端末は、所定の景品との交換に要する遊技媒体数を指定する指定手段と、指定手段によって指定された遊技媒体数を特定可能な減算数情報を各台対応装置に対して通知する通知手段とを備え、各台対応装置の減算数情報取得手段は、通知手段によって通知された減算数情報を取得することとしたので、サービス員が入力しやすい姿勢で作業を行うことができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、各台対応装置が、自装置に対して設定された遊技媒体の貸出レートを記憶するレート記憶手段と、レート記憶手段に記憶された貸出レートに基づき、減算数情報取得手段によって取得された減算数情報から特定される遊技媒体数を所定の貸出レートの数量へ変換する変換手段とをさらに備え、減算手段が、変換手段によって変換された遊技媒体数を持玉価値から減算することとしたので、遊技店内に異なる貸出レートの遊技台が設置される場合であっても、貸出レートごとに記録媒体を用意する必要がなくなる結果、サービス員の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に係る景品管理手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に係る台間装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係る台間装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例1に係る台間装置の外観図である。
【図5】図5は、実施例1に係る台間装置の動作例を示す図である。
【図6】図6は、実施例1に係る景品管理装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、出庫管理情報の一例を示す図である。
【図8】図8は、台間装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、1枚のメニューカードを用いて複数種類のワゴン景品の取引結果を管理する場合について説明するための図である。
【図10】図10は、実施例2に係る景品管理システムの概要を示す図である。
【図11】図11は、実施例2に係るサービス員端末の構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、サービス員端末と台間装置との間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、交換玉数を貯玉価値から優先的に徴収する場合の動作の概要を示す図である。
【図14】図14は、交換玉数を貯玉価値から優先的に徴収する場合における台間装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、台間装置の操作・表示部への入力操作のみによって持玉価値を徴収する場合の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る景品管理システムおよび各台対応装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、各台対応装置の一例として、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技機に対して併設される計数機能付き台間装置(以下、単に「台間装置」と記載する)を用いて説明する。
【0027】
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る景品管理手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る景品管理手法の概要を示す図である。同図に示すように、本発明に係る景品管理手法では、台間装置が、ワゴンサービスにおいて提供される商品との交換に必要な遊技媒体数を持玉価値から減算するとともに、自装置に対して受け付けられた所定の記録媒体へ減算結果を関連付ける点に主たる特徴がある。
【0028】
ここで、「ワゴンサービス」とは、たとえば、遊技中の遊技客からの注文に応じてジュースやタバコといった商品(以下、「ワゴン景品」と記載する)をデリバリーするサービスである。また、「持玉価値」は、遊技客が遊技台で獲得した遊技媒体の数量であり、たとえば、台間装置に設けられた計数部によって計数される。
【0029】
図1の(A)に示したように、本発明に係る景品管理手法では、ワゴン景品交換用のIC(Integrated Circuit)カードである「メニューカード」がワゴン景品の種類ごとに用意される。かかるメニューカードは、ワゴン景品との交換に必要な遊技媒体数である減算数情報(以下、「交換玉数」と記載する)を予め記憶している。
【0030】
また、各メニューカードには、対応するワゴン景品の景品名や交換玉数が印字されており、ワゴンサービスのサービス員は、遊技中の遊技客から注文を受けると、各ワゴン景品に対応する複数枚のメニューカードの中から、注文されたワゴン景品に対応するメニューカードを取り出す。そして、サービス員は、一般カードや会員カードを受け付けるカード挿入部へメニューカードを挿入したり、あるいは、メニューカードとの間で非接触データ通信を行うリーダライタ部に対してメニューカードをかざしたりすることによって、メニューカードを台間装置に対して受け付けさせる。
【0031】
一方、台間装置は、メニューカードを受け付けると、メニューカードに記憶された交換玉数を読み取る(同図の(A−1)参照)。たとえば、同図の(A)に示したように、交換玉数「50玉」が予め記憶されたジュース用のメニューカードを受け付けると、台間装置は、かかるメニューカードから交換玉数「50玉」を読み取る。
【0032】
つづいて、台間装置は、自装置に対して関連付けられた持玉価値から交換玉数を減算する(同図の(A−2)参照)。たとえば、自装置に関連付けられた持玉価値が「1000玉」である場合には、台間装置は、持玉価値「1000玉」から交換玉数「50玉」を減算する。ここで、台間装置は、自装置に対して設定された貸出レートに応じて交換玉数を調整することもできる。
【0033】
つづいて、台間装置は、減算結果をメニューカードに対して記録させる(同図の(A−3)参照)。同図に示した場合、台間装置は、交換玉数「50玉」を減算結果としてメニューカードへ通知する。そして、メニューカードは、各遊技客から徴収した持玉価値の総数である「徴収総数」に対して減算結果「50玉」を加算するとともに、各遊技客へ提供したワゴン景品の個数である「売上数」に対して「1本」を加算する(同図の(A−4)参照)。
【0034】
なお、ここでは、メニューカードが、各遊技客から徴収した持玉価値(減算結果)を合算して記憶する場合について説明したが、減算結果を個別に記憶するようにしてもよい。
【0035】
このように、本発明に係る景品管理手法では、台間装置が、持玉価値から交換玉数を減算するとともに、自装置に対して受け付けられたメニューカードへ減算結果を関連付けるため、ワゴン景品の対価として持玉価値を徴収する場合に、従来のように一般カードや会員カードを一時的に台間装置から排出させる必要がなくなる。
【0036】
したがって、本発明に係る景品管理手法によれば、一般カードや会員カードの排出操作を遊技客に対して行わせることなく、しかも、持玉価値の徴収を迅速に行うことができるため、遊技客にとってのワゴンサービスの利便性を向上させることができる。
【0037】
なお、ここでは、メニューカードに交換玉数が予め記憶されている場合について説明したが、メニューカードには、必ずしも交換玉数が記憶されていなくともよい。たとえば、サービス員は、メニューカードを台間装置へ挿入あるいはかざした後に、台間装置に設けられた操作部に対して交換玉数を入力するようにしてもよい。また、メニューカードには各ワゴン景品を識別する識別情報である景品コードを記憶させておき、台間装置が、メニューカードから景品コードを読み取るとともに、読み取った景品コードに基づいて交換玉数を特定してもよい。かかる場合には、景品コードが減算数情報となる。
【0038】
また、ここでは、ワゴンサービス専用のメニューカードに対して減算結果を関連付けることとしたが、減算結果を一般カードや会員カードへ関連付けてもよい。
【0039】
ところで、本発明に係る景品管理手法では、ワゴン景品の出庫状況を管理する景品管理装置に対してメニューカードを読み取らせることで、ワゴン景品の出庫管理を一括して行うこともできる。
【0040】
具体的には、景品管理装置は、メニューカードとの間で非接触データ通信を行うリーダライタ部を備えており、かかるリーダライタ部を用いてメニューカードから徴収総数や売上数といった取引結果情報を読み取る(同図の(B−1)参照)。
【0041】
そして、景品管理装置は、読み取った取引結果情報を用いて、各ワゴン景品の出庫数を含んだ出庫管理情報を更新する(同図の(B−2)参照)。たとえば、ジュースのメニューカードに徴収総数「500玉」および売上数「10本」が記憶されている場合、景品管理装置は、出庫管理情報の更新処理として、景品名「ジュース」の徴収総数に「500玉」を加算するとともに、出庫数に「10本」を加算する。なお、景品管理装置は、メニューカードから徴収総数および交換玉数を読み出し、徴収総数を交換玉数で除算することによって出庫数を算出することとしてもよい。
【0042】
このように、メニューカードに記憶された取引結果情報に基づいて出庫管理情報を更新することとしたため、サービス員は、営業終了時やシフトチェンジ時に、メニューカードを景品管理装置に対して読み取らせるだけで、複数の遊技客との取引結果を出庫管理情報に対して一括で反映させることができる。また、景品管理装置が、取引結果情報をメニューカードから直接読み出すことにより、遊技店内の各種機器を集中管理する管理装置と景品管理装置との通信状態に左右されることなく出庫管理情報の更新を行うことができる。
【0043】
なお、台間装置による減算結果を管理装置側でも管理することとしてもよい。このようにすれば、景品管理装置によって更新された出庫管理情報と管理装置に記憶させた減算結果とを対比することによって、出庫管理情報の整合性をチェックすることもできる。
【0044】
以下では、図1を用いて説明した景品管理手法を適用した台間装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、遊技客が獲得した遊技媒体を遊技台ごとに計数する各台計数機能を備えた台間装置について説明するが、各台計数機能を備えない台間装置に対しても本発明を適用することができる。
【0045】
また、以下に示す実施例では、メニューカードとの台間装置との通信方式として、一般カードや会員カードといった遊技カードを受け付けるカード挿入部に対してメニューカードを挿入する場合について説明する。なお、遊技客が所持する携帯電話機との間で非接触データ通信を行うリーダライタ部に対してメニューカードをかざすことによって、メニューカードとの台間装置とを通信させることとしてもよい。
【実施例1】
【0046】
図2は、本実施例に係る台間装置10が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、遊技台100ごとに設けられる台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理装置500、カード処理機600、景品払出機700といった各機器と接続されている。なお、景品管理システムは、少なくとも台間装置10を含むものとする。
【0047】
ここで、ワゴンサービスのサービス員は、遊技中の遊技客からの注文を受けると、注文されたワゴン景品に対応するメニューカードを取り出し、取り出したメニューカードを遊技客が遊技中の遊技台100に対応する台間装置10へ挿入する。また、サービス員は、所定のタイミング(たとえば、勤務交代時や営業終了後など)に、自分が所持するメニューカードを景品管理装置に順次読み取らせることによって、各メニューカードに記憶された取引結果を出庫管理情報に対して反映させる。
【0048】
島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間の通信データを中継する。
【0049】
また、台間装置10が遊技カード(一般カードや会員カード)を返却した場合、他の遊技台100で遊技を継続する意志がない遊技客は、遊技カードを精算機400へ挿入することで、プリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。
【0050】
また、遊技客は、景品交換コーナーへ遊技カードを持参し、カード処理機600に遊技カードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理装置500や景品払出機700を操作することで、遊技客は、持玉価値に応じた景品を受け取ることになる。
【0051】
なお、同図に示すように、管理装置200は、一般カードや会員カードといった遊技カードに関連付けられる価値を管理する記録媒体管理DB(データベース)201を有している。そして、記録媒体管理DB201は、プリペイド価値を管理するカードDB(データベース)201aと、遊技客が獲得した遊技媒体を換金したり景品交換したりすることなく遊技店へ預けておくことを指す貯玉を管理する貯玉DB(データベース)201bと、遊技店が獲得した持玉価値を管理する持玉DB(データベース)201cとから構成される。
【0052】
たとえば、台間装置10が返却する遊技カードに価値付けられる持玉価値やプリペイド価値は、管理装置200が管理するプリペイドカードDB201aや、持玉DB201cによっても管理されている。
【0053】
また、貯玉DB(データベース)201bは、遊技店の会員に対して配布される会員カードに付与された貯玉サービスを行うためのデータベースであり、一般カードの場合には、プリペイドカードDB(データベース)201aおよび持玉DB(データベース)201cのみが関連する。なお、遊技カードに価値付けられる持玉価値やプリペイド価値は、台間装置10からのカード返却時だけでなく、所定のタイミング(定期的な通信時、入金時あるいは後述する景品交換時など)においても管理装置200へ通知されてデータ更新される。
【0054】
ここで、貯玉DB(データベース)201bについては、会員用の管理装置を別途設けることとしたうえで、かかる会員用の管理装置が貯玉DB(データベース)201bを管理することとしてもよい。
【0055】
次に、本実施例に係る台間装置10の構成について図3を用いて説明する。図3は、台間装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0056】
同図に示すように、台間装置10は、カード保持部11と、カード退避部12と、計数部13と、制御部14と、記憶部15とを備えている。また、制御部14は、交換玉数取得部14aと、交換玉数変換部14bと、減算処理部14cと、関連付け部14dとをさらに備えている。また、記憶部15は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、レート情報15aおよび持玉情報15bを記憶する。
【0057】
カード保持部11は、メニューカードの挿入を受け付けて保持する。また、カード保持部11は、カードR/W(リーダ/ライタ)を有しており、保持したメニューカードとの間でデータ通信を行う。なお、カード保持部11は、メニューカードの他に、遊技店の会員に対して発行される会員カードや、他の台間装置10などによって発行された一般カードの挿入も受け付けて保持する。
【0058】
ここで、カード保持部11は、会員カードや一般カードを保持している状態でメニューカードが挿入された場合には、既に保持している会員カードや一般カードをカード退避部12へと退避させたうえで、挿入されたメニューカードを保持する。
【0059】
カード退避部12は、カード保持部11から退避してきた会員カードや一般カードを保持する。また、カード退避部12は、カード保持部11からメニューカードが排出された場合には、保持した会員カードや一般カードをカード保持部11へと移動させる。
【0060】
なお、カード退避部12は、台間装置10にあらかじめ内蔵された内蔵カード(一般カード)を積層状態で保持している。そして、カード保持部11から退避してきた会員カードや一般カードは、積層状態で保持されている内蔵カードの最上面に載置されることとなる。
【0061】
計数部13は、遊技客が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を計数し、計数した計数値(持玉価値)を持玉情報15bとして記憶部15に記憶させる。なお、かかる計数値がカウントアップされるたびに持玉情報15bは更新されるものとする。
【0062】
ここで、図3に示した台間装置10の外観構成について図4を用いて説明しておく。図4は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
【0063】
図4に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52とを備えている。また、台間装置10は、遊技店の従業員が携帯するリモコン等の携帯端末からの指示を受け付けるリモコン受光部53と、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、カードの返却ボタンといった操作部を含んだ操作・表示部54とを備えている。
【0064】
また、台間装置10は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた持玉払出部55と、遊技客が所持する携帯電話機との間で非接触データ通信を行うリーダライタ部56とを備えている。
【0065】
また、台間装置10は、メニューカードや遊技カードの受け付けや返却を行うカード挿入部57と、遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する計数部58と、持玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部59とを備えている。
【0066】
なお、遊技台100には、カードの残額(プリペイド残高)や、貸し出された遊技媒体の数などを表示する表示部100aと、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示する返却ボタンといった操作ボタン100bとが設けられる。
【0067】
台間装置10は、同図に示す遊技台100の下皿100cから落下した持玉(獲得玉)を玉貯留部59でいったん貯留し、貯留した持玉(獲得玉)を計数部58へ導く。そして、計数部58で持玉(獲得玉)の数量を計数し、計数値を持玉価値として記憶部15に記憶する。なお、計数後の遊技媒体は、遊技島内に形成される図示しない遊技媒体回収経路へ排出される。
【0068】
そして、台間装置10に持玉価値が記憶された状態で、遊技客が貸出ボタンを押下した場合には、持玉(獲得玉)を持玉払出部55経由で遊技台100へ投出するとともに持玉価値を減算する。なお、持玉払出部55は、紙幣挿入部52へ紙幣が挿入されたり、カード挿入部57へプリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されたりして、遊技台100の貸し出しボタンが押下された場合の払い出しを併せて行う場合もある。
【0069】
図3の説明に戻り、制御部14について説明する。制御部14は、交換玉数の取得、貸出レートに応じた交換玉数の変換処理、持玉価値の減算処理、減算結果の関連付けといった処理を行う処理部である。交換玉数取得部14aは、カード保持部11によってメニューカードから読み出された交換玉数を取得する処理部である。
【0070】
交換玉数変換部14bは、レート情報15aに含まれる貸出レートが基準レートと異なる場合に、交換玉数取得部14aによって取得された交換玉数を設定レートに対応する交換玉数へ変換する処理部である。ここで、レート情報15aには、自装置に対して設定された貸出レート(以下、「設定レート」と記載する)が含まれている。
【0071】
また、交換玉数変換部14bは、変換後の交換玉数を減算処理部14cへ渡す処理も行う。なお、交換玉数変換部14bは、設定レートが基準レートと同一である場合には、交換玉数取得部14aによって取得された交換玉数を変換することなく減算処理部14cへ渡す。
【0072】
減算処理部14cは、持玉情報15bとして記憶部15に記憶された持玉価値から、交換玉数変換部14bから取得した交換玉数を減算する処理部である。また、減算処理部14cは、減算後の持玉価値を持玉情報15bとして記憶部15に記憶する処理も行う。
【0073】
関連付け部14dは、減算処理部14cによる減算結果をカード保持部11へ渡すとともに、かかる減算結果をメニューカードへ通知するようにカード保持部11に対して指示する処理部である。ここで、減算結果とは、減算処理部14cによる持玉価値の減算数を含んだ情報である。
【0074】
ここで、台間装置10の動作例について説明する。図5は、実施例1に係る台間装置10の動作例を示す図である。なお、以下では、メニューカードに記憶されている情報について説明したあとに、台間装置10の動作例を説明することとする。
【0075】
同図に示すように、メニューカードには、「景品コード」と、「交換玉数」と、「徴収総数」と、「売上数」とが記憶されている。ここで、「景品コード」とは、各ワゴン景品を識別する識別情報である。また、「交換玉数」は、ワゴン景品との交換に必要な遊技媒体数である。また、「徴収総数」は、各遊技客から徴収した持玉価値の総数であり、「売上数」は、各遊技客へ提供したワゴン景品の個数である。
【0076】
ここで、「景品コード」および「交換玉数」は、メニューカードにあらかじめ記憶された情報であり、「徴収総数」および「売上数」は、メニューカードが、台間装置10から取得した減算結果に応じて記憶する情報である。また、「徴収総数」および「売上数」は、貸出レートごとに記憶される。
【0077】
たとえば、同図に示したように、ジュースAのメニューカードには、ジュースAの景品コード「0001」と、交換玉数「50玉」とが記憶されている。また、ジュースAのメニューカードには、貸出レート「4円/玉」で遊技中の遊技客から徴収した持玉価値「150玉」と、貸出レート「2円/玉」で遊技中の遊技客から徴収した持玉価値「0玉」とが記憶されている(同図の(a−1)参照)。さらに、ジュースAのメニューカードには、貸出レート「4円/玉」で遊技中の遊技客へ提供したジュースAの本数「3本」と、貸出レート「2円/玉」で遊技中の遊技客へ提供したジュースAの本数「0本」とが記憶されている(同図の(b−1)参照)。
【0078】
なお、同図に示したように、メニューカードには、対応するワゴン景品の景品名や交換玉数、基準とする貸出レート等が印字されている。このため、サービス員は、大量のメニューカードを所持する場合であっても、目的とするメニューカードを容易に見つけることができる。ここでは、同図に示したように、貸出レート「4円/玉」が基準レートであり、台間装置10の設定レートが「2円/玉」である場合について説明する。
【0079】
ジュースAのメニューカードがカード挿入部57へ挿入されると、台間装置10では、カード保持部11がメニューカードから交換玉数「50玉」を読み取り、読み取った交換玉数「50玉」を交換玉数取得部14aへ渡す(同図の(1)参照)。なお、メニューカードに記憶されている交換玉数は、基準レート「4円/玉」における交換玉数である。
【0080】
つづいて、交換玉数変換部14bは、メニューカードから取得した交換玉数を設定レート「2円/玉」における交換玉数へと変換する(同図の(2)参照)。具体的には、交換玉数変換部14bは、メニューカードから取得した交換玉数「50玉」に対して、基準レート「4円/玉」を設定レート「2円/玉」で除算した値「2」を乗じる。これによって、設定レート「2円/玉」における交換玉数「100玉」が得られる。なお、ここでは、基準レートが既知の値であるものとして説明したが、基準レートは、メニューカードに記憶されていてもよい。
【0081】
つづいて、台間装置10では、減算処理部14cが、持玉情報15bとして記憶部15に記憶されている持玉価値から交換玉数を減算する(同図の(3)参照)。同図に示した場合には、減算処理部14cは、交換玉数変換部14bによって変換された交換玉数「100玉」を持玉価値「2000玉」から減算する。この結果、持玉価値は、「1900玉」となる。
【0082】
つづいて、台間装置10では、関連付け部14dが、減算結果をメニューカードへ記憶させるようカード保持部11に対して指示し、カード保持部11が、メニューカードに対して減算結果を通知する(同図の(4)参照)。ここで、減算結果には、減算処理部14cによって減算された持玉価値「100玉」および設定レート「2円/玉」が含まれる。
【0083】
そして、メニューカードは、カード保持部11から取得した減算結果に応じて、「徴収総数」および「売上数」を更新する。具体的には、メニューカードは、貸出レート「2円/玉」に対応する「徴収総数」および「売上数」をそれぞれ「100玉」、「1本」に更新する(同図の(a−2),(b−2)参照)。なお、「売上数」は、「徴収総数」を「交換玉数」で除算することによって得られる。
【0084】
このように、減算結果をメニューカードに対して直接記録することによって、管理装置200と台間装置10との通信状態に左右されることなくワゴンサービスを実施することができる。
【0085】
次に、実施例1に係る景品管理装置500の構成について図6を用いて説明する。図6は、実施例1に係る景品管理装置の構成を示すブロック図である。なお、同図には、景品管理装置500の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0086】
同図に示すように、景品管理装置500は、リーダライタ部501と、制御部502と、記憶部503とを備えている。また、制御部502は、取引結果取得部502aと、出庫管理情報更新部502bと、初期化指示部502cとを備えており、記憶部503は、出庫管理情報503aを記憶している。
【0087】
リーダライタ部501は、メニューカードとの間で非接触データ通信を行うデバイスである。具体的には、リーダライタ部501は、サービス員によるかざし操作によってメニューカードとの間で通信リンクが確立すると、かかるメニューカードに記憶された徴収総数や売上数といった情報を読み取る。また、リーダライタ部501は、通信リンクが確立したメニューカードに対して、情報の読み取りが正常に行われたことを条件として減算結果の削除指示等も行う。
【0088】
制御部502は、メニューカードに記憶された情報の取得、出庫管理情報503aの更新処理、メニューカードの初期化処理といった処理を行う処理部である。取引結果取得部502aは、リーダライタ部501によってメニューカードから読み出された取引結果情報を取得する処理部である。具体的には、取引結果取得部502aは、取引結果情報として、景品コード、徴収総数および売上数を取得する。
【0089】
出庫管理情報更新部502bは、取引結果取得部502aによって取得された情報を用いて出庫管理情報503aを更新する。ここで、記憶部503に記憶される出庫管理情報503aの一例について図7を用いて説明する。図7は、出庫管理情報503aの一例を示す図である。
【0090】
図7に示すように、出庫管理情報503aは、「景品コード」項目と、「景品名」項目と、「徴収総数」項目と、「出庫数」項目とを含んだ情報である。「景品コード」項目は、各ワゴン景品の景品コードが格納される項目である。「景品名」項目は、ワゴン景品の景品名が格納される項目である。たとえば、「景品名」項目には、「ジュースA」や「タバコA」、「お菓子A」といった景品名が格納されている。
【0091】
「徴収総数」項目は、ワゴン景品の対価として遊技客から徴収した持玉価値を貸出レートごとに格納する項目である。具体的には、「徴収総数」項目は、貸出レート「4円/玉」で遊技中の遊技客から徴収した持玉価値の総数と、貸出レート「2円/玉」で遊技中の遊技客から徴収した持玉価値の総数と、これらの合計数とを格納する。
【0092】
たとえば、景品コード「0001」と関連付けられた「徴収総数」項目には、貸出レート「4円/玉」で遊技中の遊技客から徴収した持玉価値の総数「500玉」と、貸出レート「2円/玉」で遊技中の遊技客から徴収した持玉価値の総数「2000玉」と、これらの合計数「2500玉」とが格納されている。
【0093】
「出庫数」項目は、遊技客へ提供したワゴン景品の数量が貸出レートごとに格納される項目である。たとえば、景品コード「0001」と関連付けられた「出庫数」項目には、貸出レート「4円/玉」で遊技中の遊技客へ提供したジュースAの本数「10本」と、貸出レート「2円/玉」で遊技中の遊技客へ提供したジュースAの本数「20本」と、これらの合計数「30本」とが格納されている。
【0094】
ここで、出庫管理情報更新部502bの動作例について説明する。たとえば、図7に示した出庫管理情報503aが記憶されている状態で、取引結果取得部502aが、新たなメニューカードのカード情報として、景品コード「0001」、貸出レート「4円/玉」の徴収総数「150玉」および売上数「3本」、貸出レート「2円/玉」の徴収総数「100玉」および売上数「1本」をリーダライタ部501から取得したとする。
【0095】
かかる場合、出庫管理情報更新部502bは、景品コード「0001」に対応する「徴収総数」のうち、貸出レート「4円/玉」の徴収総数を「650玉」に更新し、貸出レート「2円/玉」の徴収総数を「2100玉」に更新し、合計数を「2750玉」に更新する。また、出庫管理情報更新部502bは、景品コード「0001」に対応する「出庫数」を更新する。
【0096】
このように、ワゴンサービスのサービス員は、メニューカードをリーダライタ部501にかざすだけで、複数の遊技客との取引結果を一括で出庫管理情報503aへ反映させることができるため、営業終了時の締め上げ作業を容易に行うことができる。また、徴収総数や出庫数を貸出レートごとに更新することによって、ワゴンサービスにおける収支管理や出庫管理をより適切に行うことができる。
【0097】
初期化指示部502cは、出庫管理情報更新部502bが出庫管理情報503aの更新処理を終えた場合に、減算結果を削除すべき旨をメニューカードへ通知するようリーダライタ部501に対して指示する。なお、メニューカードは、リーダライタ部501から減算結果の削除指示を受けると、徴収総数および売上数を削除する。
【0098】
このように、メニューカードをリーダライタ部501にかざすことによって、出庫管理情報503aの更新だけでなく、メニューカードの初期化処理も行われるため、処理済みのメニューカードをサービス員が誤って再度かざしてしまい、出庫管理情報503aに徴収総数や出庫数が余計に記憶されるといった事態を防ぐことができる。
【0099】
次に、実施例1に係る台間装置10が実行する処理手順について図8を用いて説明する。図8は、台間装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、図8においては、台間装置10が実行する各種の処理手順のうち、メニューカードの挿入を受け付けてから排出するまでの処理手順を示している。
【0100】
図8に示すように、カード保持部11が、メニューカードの挿入を受け付けて保持すると(ステップS101)、交換玉数取得部14aは、カード保持部11によってメニューカードから読み取られた交換玉数を取得する(ステップS102)。
【0101】
なお、ステップS101において、会員カードや一般カードを保持している状態でメニューカードが挿入された場合には、カード保持部11は、既に保持している会員カードや一般カードをカード退避部12へと退避させたうえで、挿入されたメニューカードを保持する。
【0102】
つづいて、交換玉数変換部14bは、レート情報15aを参照して、設定レートが基準レートと異なるか否かを判定する(ステップS103)。そして、設定レートが基準レートと異なると判定した場合(ステップS103、Yes)、交換玉数変換部14bは、メニューカードから取得した交換玉数を設定レートに対応した交換玉数へ変換する(ステップS104)。
【0103】
ステップS104の処理を終えた場合、あるいは、ステップS103において設定レートが基準レートと同じである場合(ステップS103、No)、減算処理部14cは、持玉価値から交換玉数を減算する(ステップS105)。つづいて、関連付け部14dは、カード保持部11を介して減算処理部14cによる減算結果をメニューカードへ通知する(ステップS106)。これにより、メニューカードは、台間装置10から取得した減算結果に応じて、徴収総数および売上数を更新することとなる。
【0104】
そして、台間装置10は、関連付け部14dが、カード保持部11に対してメニューカードを排出するよう指示し、カード保持部11が、関連付け部14dからの指示に応じて、メニューカードを排出して(ステップS107)、処理を終了する。
【0105】
上述してきたように、実施例1では、カード保持部が、メニューカードを受け付け、交換玉数取得部が、景品との交換に要する遊技媒体数である交換玉数を取得し、減算処理部が、遊技客が獲得した遊技媒体の数を含んだ持玉価値から交換玉数を減算し、関連付け部が、減算処理部によって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報をメニューカードに対して関連付けることとしたため、ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を向上させることができる。
【0106】
ところで、これまでは、ワゴン景品ごとにメニューカードを用意する場合について説明してきたが、メニューカードは1枚であってもよい。すなわち、1枚のメニューカードを用いて複数種類のワゴン景品の取引結果を管理することとしてもよい。以下では、かかる場合について図9を用いて説明する。図9は、1枚のメニューカードを用いて複数種類のワゴン景品の取引結果を管理する場合について説明するための図である。
【0107】
図9の(A)に示すように、かかる場合におけるメニューカードには、景品コードおよび交換玉数は記憶されておらず、ワゴン景品ごとの徴収総数のみが記憶される。以下では、かかるメニューカードを「マルチカード」と記載する。たとえば、同図の(A)に示した場合、マルチカードには、ジュースAの徴収総数「150玉」がジュースAの景品コード「0001」と関連付けて記憶されているとともに、タバコAの徴収総数「1000玉」がタバコAの景品コード「0011」と関連付けて記憶されている。
【0108】
また、台間装置10の記憶部15には、交換玉数管理情報があらかじめ記憶される。ここで、交換玉数管理情報は、各ワゴン景品に対応する交換玉数を管理する情報であり、図9の(A)に示したように、「景品コード」項目と、「景品名」項目と、「交換玉数」項目とを含んでいる。たとえば、景品コード「0001」には、景品名「ジュースA」と、交換玉数「50玉」とが関連付けられている。これは、景品コード「0001」によって識別されるワゴン景品が「ジュースA」であり、ジュースAとの交換に必要な遊技媒体数が「50玉」であることを示している。
【0109】
サービス員は、遊技客から注文を受けると、まず、マルチカードを台間装置10のカード挿入部57へ挿入する(図9の(A)参照)。つづいて、サービス員は、台間装置10の操作・表示部54に対して、遊技客が所望するワゴン景品の景品コードを入力する。たとえば、遊技客からお菓子Aの注文を受けた場合、サービス員は、お菓子Aに対応する景品コード「0021」を入力する。
【0110】
一方、操作・表示部54に対して景品コードが入力されると、台間装置10の交換玉数取得部14aは、交換玉数管理情報を参照して、入力された景品コードに対応する交換玉数を取得する(同図の(B−1)参照)。ここでは、入力された景品コードが「0021」であるため、交換玉数取得部14aは、交換玉数「60玉」を取得する。
【0111】
つづいて、減算処理部14cは、交換玉数取得部14aによって取得された交換玉数を持玉価値から減算する(同図の(B−2)参照)。ここでは、持玉価値「2000玉」から交換玉数「60玉」が減算される。なお、かかる処理に先立って、設定レートに応じた交換玉数の変換処理を行ってもよい。
【0112】
そして、関連付け部14dは、減算結果として、操作・表示部54に対して入力された景品コードおよび交換玉数をカード保持部11経由でマルチカードへ通知する(同図の(B−3)参照)。ここでは、景品コード「0021」および交換玉数「60玉」が、マルチカードへ通知される。これにより、マルチカードには、お菓子Aに対応する徴収総数「60玉」が、景品コード「0021」と関連付けて記憶されることとなる(同図の(B−4)参照)。
【0113】
このように、1枚のメニューカードに対して複数種類のワゴン景品の取引結果を管理することとすれば、ワゴン景品ごとにメニューカードを用意する必要がなくなる。したがって、サービス員が、遊技客から注文されたワゴン景品のメニューカードを探すのに手間取ったり、遊技客が所望するワゴン景品とは異なるワゴン景品のメニューカードを誤って使用したりする事態を防止できる。
【0114】
また、これまでは、減算処理部14cによる減算結果をメニューカードに対して直接書き込む場合について説明してきたが、管理装置200が減算結果を記憶することとしてもよい。そこで、かかる場合について図2を用いて説明しておく。
【0115】
図2に示したように、台間装置10の関連付け部14dは、カード保持部11によって保持されたメニューカードの識別情報(以下、「カードID」と記載する)と、減算処理部14cによる減算結果とを店舗内LAN20を介して管理装置200へ通知する。また、管理装置200は、台間装置10からカードIDおよび減算結果を取得すると、取得したカードIDと減算結果とを関連付けてワゴン景品交換用DB(図示せず)に記憶する。
【0116】
一方、営業終了後に、サービス員がメニューカードを景品管理装置500に対してかざすと、景品管理装置500は、景品管理装置500のリーダライタ部501が、カードIDを読み取り、取引結果取得部502aが、店舗内LAN20を介してカードIDを管理装置200へ通知することによって、カードIDに対応する減算結果を問い合わせる。そして、景品管理装置500では、取引結果取得部502aが、管理装置200から減算結果を取得すると、出庫管理情報更新部502bが、取得した減算結果に応じて出庫管理情報503aを更新する。
【0117】
このように、減算結果をメニューカードに対して直接書き込むのではなく、管理装置200に管理させることとすれば、たとえば、サービス員がメニューカードを紛失した場合であっても、出庫管理情報503aの更新を行うことができる。また、減算結果をメニューカードおよび管理装置200の双方で管理することとすれば、景品管理装置500によって更新された出庫管理情報503aと管理装置200に記憶させた減算結果とを対比することで、出庫管理情報503aの整合性をチェックすることもできる。
【0118】
なお、実施例1では、メニューカードとの台間装置10との通信方式として、カード挿入部57に対してメニューカードを挿入する場合について説明してきたが、メニューカードをリーダライタ部56に対してかざすことによって、メニューカードと台間装置とを通信させることとしてもよい。かかる場合、リーダライタ部56は、メニューカードとの間で通信リンクが確立すると、メニューカードに記憶された交換玉数等の情報を読み取ったり、メニューカードに対して減算結果等の情報を通知したりする。
【0119】
このように、リーダライタ部56を用いてメニューカードと台間装置とを通信させる方式を採用した場合、カード退避部12のような特別な機構を台間装置10に設ける必要がなくなるため、簡単な構成の台間装置10に対しても本実施例に係る景品管理システムを適用することが可能となる。
【実施例2】
【0120】
上述した実施例1では、メニューカードやマルチカードを用いて持玉価値を徴収する場合について説明してきたが、リモコン装置や携帯電話機といった携帯端末を用いて持玉価値を徴収することとしてもよい。そこで、実施例2では、携帯端末を用いて持玉価値を徴収する場合について説明する。
【0121】
まず、実施例2に係る景品管理システムの概要について説明する。図10は、実施例2に係る景品管理システムの概要を示す図である。なお、図10の(A)には、サービス員が所持するサービス員端末の外観を示し、図10の(B)には、サービス員端末の表示部に表示される画面の一例を示している。また、図10の(C)には、サービス員端末を用いて持玉価値を徴収する場合の動作例を示している。
【0122】
図10の(A)に示したように、実施例2では、サービス員端末30を用いて持玉価値を徴収する。ここで、サービス員端末30は、同図の(A)に示したように、カーソルキーやテンキー、決定ボタン等からなる操作部31と、各種の情報を表示する表示部32とを備えている。サービス員は、遊技客から注文を受けると、サービス員端末30の操作部31を操作して遊技客が所望するワゴン景品を選択する。
【0123】
なお、ワゴン景品の選択操作としては、操作部31のカーソルキーを用いて、表示部32に表示されたワゴン景品の中から1つのワゴン景品を選択する操作であってもよいし、操作部31のテンキーを用いて景品コードを入力する操作であってもよい。
【0124】
サービス員によってワゴン景品の選択操作が行われると、サービス員端末30の表示部32には、確認画面として、選択されたワゴン景品およびかかるワゴン景品に対応する交換玉数が表示される。サービス員は、かかる確認画面を遊技客に提示して、注文内容に間違いがないかを確認させる。そして、注文内容に間違いがないことを遊技客が確認すると、サービス員は、操作部31の決定ボタンを押下する。
【0125】
サービス員によって決定ボタンが押下されると、サービス員端末30は、選択されたワゴン景品に対応する交換玉数を台間装置10に対して通知する(同図の(C−1)参照)。なお、サービス員端末30は、交換玉数を赤外線通信によって台間装置10へ通知してもよいし、台間装置10のリーダライタ部56に対して交換玉数を読み取らせてもよい。
【0126】
一方、台間装置10は、交換玉数取得部14aが、リモコン受光部53あるいはリーダライタ部56を介して交換玉数を取得すると、減算処理部14cが、取得した交換玉数を持玉価値から減算する(同図の(C−2)参照)。なお、実施例1と同様、かかる処理に先立って、設定レートに応じた交換玉数の変換処理を行ってもよい。
【0127】
つづいて、台間装置10は、関連付け部14dが、リーダライタ部56を介して減算結果をサービス員端末30へ通知する(同図の(C−3)参照)。そして、サービス員端末30は、台間装置10から取得した減算結果に応じた取引結果を記憶する(同図の(C−4)参照)。
【0128】
次に、実施例2に係るサービス員端末30の構成について図11を用いて説明する。図11は、実施例2に係るサービス員端末30の構成を示すブロック図である。なお、同図には、サービス員端末30の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0129】
図11に示すように、サービス員端末30は、操作部31と、表示部32と、近距離通信部33と、制御部34と、記憶部35とを備えている。また、制御部34は、交換玉数取得部34aと、交換玉数通知部34bと、取引結果更新部34cとを備えている。また、記憶部35は、交換玉数管理情報35aと、取引結果情報35bとを記憶している。なお、交換玉数管理情報35aは、図9の(A)に示した交換玉数管理情報と同様の情報である。
【0130】
操作部31は、図10の(A)に示したように、カーソルキーやテンキー、決定ボタン等を含んだ入力デバイスである。また、表示部32は、各種の情報を表示する表示デバイスである。近距離通信部33は、台間装置10のリーダライタ部56との間で非接触データ通信を行うためのデバイスである。なお、サービス員端末30は、台間装置10のリモコン受光部53との間で赤外線通信を行うための赤外線通信部をさらに備えていてもよい。
【0131】
制御部34は、交換玉数の取得、台間装置10への交換玉数の通知、取引結果情報の更新といった処理を行う処理部である。交換玉数取得部34aは、操作部31への入力内容に応じた交換玉数および景品名を交換玉数管理情報35aから取得する処理部である。
【0132】
具体的には、交換玉数取得部34aは、操作部31のカーソルキー操作によってワゴン景品が選択された場合には、選択されたワゴン景品に対応する交換玉数および景品名を交換玉数管理情報35aから取得する。また、交換玉数取得部34aは、操作部31のテンキー操作によって景品コードが入力された場合には、入力された景品コードに対応する交換玉数および景品名を交換玉数管理情報35aから取得する。
【0133】
また、交換玉数取得部34aは、交換玉数管理情報35aから取得した交換玉数および景品名を表示部32に対して表示させる。これにより、表示部32には、図10の(B)に示したような確認画面が表示される。
【0134】
交換玉数通知部34bは、交換玉数取得部34aから交換玉数を受け取るとともに、受け取った交換玉数を近距離通信部33を介して台間装置10へ通知する処理部である。なお、ここでは、台間装置10のリーダライタ部56を介した非接触データ通信によって交換玉数を通知する場合について説明するが、リモコン受光部53を介した赤外線通信によって交換玉数を通知することとしてもよい。
【0135】
取引結果更新部34cは、近距離通信部33を介して取得した減算結果に応じて、記憶部35に記憶された取引結果情報35bを更新する処理部である。ここで、取引結果情報35bとは、図9の(A)に示したマルチカードに記憶される情報と同様の情報である。具体的には、取引結果情報35bには、各ワゴン景品の景品コードごとに徴収総数や売上数が関連付けられている。たとえば、減算結果として、景品コード「0001」および交換玉数「50玉」を取得すると、取引結果更新部34cは、景品コード「0001」に対応する徴収総数に「50玉」を加算するとともに、売上数に「1本」を加算する。
【0136】
つぎに、サービス員端末30と台間装置10との間で実行される処理手順について図12を用いて説明する。図12は、サービス員端末30と台間装置10との間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【0137】
図12に示すように、操作部31への操作内容を取得すると(ステップS201)、交換玉数取得部34aは、取得した操作内容に対応する景品名および交換玉数を交換玉数管理情報から取得する(ステップS202)。そして、交換玉数取得部34aは、取得した景品名および交換玉数を含んだ確認画面を表示部32へ表示させる(ステップS203)。
【0138】
つづいて、交換玉数通知部34bは、操作部31の決定ボタンが押下されたか否かを判定し(ステップS204)、決定ボタンが押下された場合には(ステップS204、Yes)、交換玉数を台間装置10へ通知する(ステップS205)。
【0139】
一方、台間装置10は、交換玉数取得部14aが、サービス員端末30から交換玉数を取得すると、交換玉数変換部14bが、レート情報15aを参照して、設定レートが基準レートと異なるか否かを判定する(ステップS206)。そして、設定レートが基準レートと異なると判定した場合(ステップS206、Yes)、交換玉数変換部14bは、メニューカードから取得した交換玉数を設定レートに対応した交換玉数へ変換する(ステップS207)。
【0140】
ステップS207の処理を終えた場合、あるいは、ステップS206において設定レートが基準レートと同じである場合(ステップS206、No)、減算処理部14cは、持玉価値から交換玉数を減算する(ステップS208)。そして、台間装置10は、関連付け部14dが、リーダライタ部56を介して減算処理部14cによる減算結果をサービス員端末30へ通知して(ステップS209)、処理を終了する。
【0141】
また、サービス員端末30は、近距離通信部33を介して減算結果を取得すると、取引結果更新部34cが、取得した減算結果に応じて取引結果情報35bを更新して(ステップS210)、処理を終了する。
【0142】
上述してきたように、実施例2では、携帯端末を用いて持玉価値を徴収することとしたため、マルチカードを用いた場合と同様、ワゴン景品ごとにメニューカードを用意する必要がなくなる。さらに、台間装置10の操作・表示部54を用いてワゴン景品を指定する場合と比較して、入力しやすい姿勢で操作を行うことができるため、ワゴン景品を指定する場合の操作利便性を向上させることができる。
【0143】
なお、実施例2では、携帯端末の一例として、サービス員端末30を用いて説明したが、携帯端末は、近距離通信機能を備えた携帯電話機等であってもよい。
【0144】
ところで、上述してきた実施例1および実施例2では、交換玉数を持玉価値から減算する場合について説明してきたが、遊技店の会員である遊技客にとっては、交換玉数を持玉価値からではなく貯玉価値から減算してほしい場合もある。
【0145】
すなわち、遊技店によっては、貯玉価値を用いて遊技を行う際に貯玉価値から再プレイ手数料が差し引かれる場合があるが、そのような店舗であっても、貯玉価値を景品に交換する場合や持玉価値を遊技に用いる場合あるいは持玉価値を景品に交換する場合には手数料が発生しない。したがって、交換玉数を持玉価値からではなく貯玉価値から減算した方が、実際に遊技に使用できる遊技媒体数が多くなるため、遊技客は、交換玉数を貯玉価値から減算したいと考えるのである。
【0146】
そこで、以下では、交換玉数を持玉価値からではなく貯玉価値から優先的に徴収する場合について説明する。まず、台間装置10が、交換玉数を貯玉価値から優先的に徴収する場合の動作の概要を図13を用いて説明する。図13は、交換玉数を貯玉価値から優先的に徴収する場合の動作の概要を示す図である。
【0147】
同図の(A)に示すように、台間装置10のカード保持部11に会員カードが保持されているとする。かかる会員カードには、持玉価値「1000玉」および貯玉価値「800玉」が関連付けられている。ここで、カード保持部11は、保持した会員カードから会員IDを読み出し、記憶部15に記憶しておくこととする。
【0148】
かかる場合において、同図の(A)に示したように、ジュースAのメニューカードが挿入されると、台間装置10の交換玉数取得部14aは、メニューカードに記憶された交換玉数「50玉」を取得する。
【0149】
なお、会員カードは、メニューカードの挿入時までに台間装置10に挿入されていればよい。すなわち、遊技客は、ワゴン景品の注文時に会員カードを挿入してもよい。また、遊技客は、ワゴン景品の注文時に、会員登録された(会員IDを割り当てられた)携帯電話機をリーダライタ部56へかざすこととしてもよい。
【0150】
なお、上述してきたように、交換玉数取得部14aは、操作・表示部54への入力内容を交換玉数として取得してもよいし、サービス員端末30から交換玉数を取得してもよい。また、上述してきたように、カード保持部11は、既に保持している会員カードをカード退避部12へと退避させたうえで、挿入されたメニューカードを保持する。
【0151】
つづいて、台間装置10の減算処理部14cは、まず、自装置に会員カードが挿入されているか否かを判定する。かかる判定は、たとえば、記憶部15に会員IDが記憶されているか否か等によって判定されるものとする。そして、減算処理部14cは、会員カードが挿入されていると判定すると、かかる会員カードに対して関連付けられた貯玉価値から交換玉数を減算する。なお、かかる減算処理に先立って、設定レートに応じた交換玉数の変換処理を行ってもよい。
【0152】
この結果、同図の(B)に示すように、会員カードに対して関連付けられた貯玉価値は「800玉」から「750玉」に減算され、減算された遊技媒体数「50玉」が減算結果としてメニューカードへ加算される。
【0153】
このように、台間装置10に対して会員カードが挿入されている場合には、交換玉数を貯玉価値から減算することによって、遊技客は、より多くの遊技媒体を遊技に使用することが可能となる。また、持玉価値あるいは貯玉価値のどちらから交換玉数を減算するかを選択するまでもなく、自動的に貯玉価値から減算されるため、操作を簡略化することができ、誤操作を防止することもできる。
【0154】
なお、貯玉価値から交換玉数を減算する場合に貯玉価値が不足したならば、かかる不足分を持玉価値から減算することとしてもよい。たとえば、交換玉数が「300玉」、貯玉価値が「100玉」、持玉価値が「1000玉」である場合、減算処理部14cは、貯玉価値を「100玉」減算するとともに、不足分である「200玉」を持玉価値「1000玉」から減算する。このように、不足分を他方の持玉価値から減算することによって、貯玉価値が残りわずかであっても、所望のワゴン景品を貯玉価値を利用しつつ購入することができる。
【0155】
つぎに、交換玉数を貯玉価値から優先的に徴収する場合における台間装置10の処理手順について図14を用いて説明する。図14は、交換玉数を貯玉価値から優先的に徴収する場合における台間装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【0156】
同図に示すように、カード保持部11が、メニューカードの挿入を受け付けて保持すると(ステップS301)、交換玉数取得部14aは、カード保持部11によってメニューカードから読み取られた交換玉数を取得する(ステップS302)。
【0157】
つづいて、減算処理部14cは、会員カードが挿入されているか否かを判定し(ステップS303)、会員カードが挿入されている場合には(ステップS303、Yes)、かかる会員カードに関連付けられた貯玉価値から交換玉数を減算する(ステップS304)。なお、減算処理部14cは、記憶部15に記憶されたカードIDを管理装置200へ通知することによって、会員カードに関連付けられた貯玉価値を問い合わせる。
【0158】
一方、減算処理部14cは、会員カードが挿入されていない場合には(ステップS303、No)、持玉情報15bとして記憶部15に記憶された持玉価値から交換玉数を減算する(ステップS305)。
【0159】
ステップS304,S305の処理を終えると、減算処理部14cは、不足が生じたか否かを判定し(ステップS306)、不足が生じた場合には(ステップS306、Yes)、不足分を他方の価値から減算する(ステップS307)。すなわち、減算処理部14cは、貯玉価値から交換玉数を減算して不足が生じた場合には、不足分を持玉価値から減算し、持玉価値から交換玉数を減算して不足が生じた場合には、不足分を貯玉価値から減算する。
【0160】
ステップS307を終えたとき、あるいは、ステップS306において不足が生じていない場合(ステップS306、No)、関連付け部14dは、カード保持部11を介して減算処理部14cによる減算結果をメニューカードへ通知する(ステップS308)。これにより、メニューカードは、台間装置10から取得した減算結果に応じて、徴収総数および売上数を更新することとなる。
【0161】
そして、台間装置10は、関連付け部14dが、カード保持部11に対してメニューカードを排出するよう指示し、カード保持部11が、関連付け部14dからの指示に応じて、メニューカードを排出して(ステップS309)、処理を終了する。
【0162】
なお、上述した説明では、交換玉数を貯玉価値から優先的に減算することがあらかじめ決められているものとしたが、遊技客による操作・表示部54への操作に応じて、減算処理部14cが、交換玉数の減算対象となる価値を決定することとしてもよい。このように、交換玉数の減算対象を遊技客に選択させることによって、遊技客の要望に対してより柔軟に対応することが可能となる。
【0163】
ところで、これまでは、メニューカードやマルチカードあるいはサービス員端末30といった専用媒体・専用機器を用いて持玉価値を徴収する場合について説明してきたが、これらを使用することなく、台間装置10の操作・表示部54への入力操作のみによって持玉価値を徴収することとしてもよい。以下では、かかる場合について図15を用いて説明する。図15は、台間装置10の操作・表示部54への入力操作のみによって持玉価値を徴収する場合の動作を説明するための図である。
【0164】
同図の(A)に示すように、台間装置10の記憶部15には、交換玉数管理情報が記憶される。ここで、交換玉数管理情報は、図9の(A)に示した交換玉数管理情報と同様の情報である。
【0165】
遊技客は、ワゴン景品を注文したい場合は、注文したいワゴン景品に対応する景品コードを台間装置10の操作・表示部54に対して入力する。たとえば、お菓子Aを注文したい遊技客は、同図の(B)に示したように、お菓子Aに対応する景品コード「0021」を操作・表示部54に対して入力する。
【0166】
なお、操作・表示部54としてタッチパネルディスプレイを台間装置10に設け、タッチパネルディスプレイに対してワゴン景品の景品名や画像等を表示することとし、遊技客に対して、これら景品名や画像等を押下させるようにしてもよい。これにより、遊技客は、景品コードを入力する必要がなくなるため、ワゴンサービスの利便性を向上させることができる。
【0167】
一方、操作・表示部54に対して景品コードが入力されると、台間装置10の交換玉数取得部14aは、交換玉数管理情報を参照して、入力された景品コードに対応する交換玉数を取得する(同図の(B−1)参照)。ここでは、入力された景品コードが「0021」であるため、交換玉数取得部14aは、交換玉数「60玉」を取得する。
【0168】
つづいて、減算処理部14cは、交換玉数取得部14aによって取得された交換玉数を持玉価値から減算する(同図の(B−2)参照)。ここでは、持玉価値「2000玉」から交換玉数「60玉」が減算される。
【0169】
つづいて、関連付け部14dは、減算結果として、操作・表示部54に対して入力された景品コードおよび交換玉数を店舗内LAN20を介して管理装置200へ通知する。ここでは、景品コード「0021」、交換玉数「60玉」および台間装置10の台番号「100」が、管理装置200へ通知される。そして、管理装置200は、台間装置10から減算結果を取得すると、取得した交換玉数を景品コードや台番号と関連付けてワゴン景品交換用DBに記憶する。
【0170】
なお、遊技客による景品コードの入力操作に先立って、サービス員が、あらかじめ登録された認証情報(たとえば、店員番号)をリモコンや操作・表示部54を用いて入力するようにしてもよい。具体的には、サービス員によって認証情報が入力されることなく、景品コードが入力された場合には、減算処理部14cは、減算処理を実行しないこととすればよい。これにより、遊技客による誤操作を防止することができる。
【0171】
また、図15では、サービス員が操作・表示部54に対して景品コードを入力して持玉価値を徴収する場合について説明したが、景品コードが記憶されたメニューカードを台間装置10に対して挿入したりかざしたりすることによって、持玉価値を徴収することとしてもよい。すなわち、台間装置10は、受け付けたメニューカードから景品コードを読み取った場合に、交換玉数管理情報を参照して、読み取った景品コードに対応する交換玉数を取得するようにしてもよい。
【0172】
なお、上述してきた各実施例では、各台対応装置の一例として、計数部58が台間装置10の下部に設けられている場合について示したが、計数部58を、台間装置10や遊技台100が設置される遊技島の膳板を貫通させた位置(膳板の下方)に設けることとしてもよい。また、計数部58を、呼出ランプのように台間装置10の上部に設けることとしてもよいし、台間装置10とは独立した装置として構成することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0173】
以上のように、本発明に係る景品管理システムおよび台間装置は、ワゴンサービスにおける遊技客の利便性を高めたい場合に有用であり、特に、各台計数方式を用いた遊技店システムへの適用に適している。
【符号の説明】
【0174】
10 台間装置
11 カード保持部
12 カード退避部
13 計数部
14 制御部
14a 交換玉数取得部
14b 交換玉数変換部
14c 減算処理部
14d 関連付け部
15 記憶部
15a レート情報
15b 持玉情報
20 店舗内LAN
30 サービス員端末
31 操作部
32 表示部
33 近距離通信部
34 制御部
34a 交換玉数取得部
34b 交換玉数通知部
34c 取引結果更新部
35 記憶部
35a 交換玉数管理情報
35b 取引結果情報
51 状態表示部
52 紙幣挿入部
53 リモコン受光部
54 操作・表示部
55 持玉払出部
56 リーダライタ部
57 カード挿入部
58 計数部
59 玉貯留部
100 遊技台
100a 表示部
100b 操作ボタン
100c 下皿
200 管理装置
300 島コントローラ
400 精算機
500 景品管理装置
501 リーダライタ部
502 制御部
502a 取引結果取得部
502b 出庫管理情報更新部
502c 初期化指示部
503 記憶部
503a 出庫管理情報
600 カード処理機
700 景品払出機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台に対応して設けられる各台対応装置を有する景品管理システムであって、
前記各台対応装置は、
所定の記録媒体を受け付ける受付手段と、
所定の景品との交換に要する遊技媒体数を特定可能な減算数情報を取得する減算数情報取得手段と、
遊技客が獲得した遊技媒体の数を含んだ持玉価値から前記減算数情報取得手段によって取得された減算数情報に含まれる遊技媒体数を減算する減算手段と
を備えたことを特徴とする景品管理システム。
【請求項2】
前記各台対応装置は、
前記減算手段によって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報を前記受付手段によって受け付けられた記録媒体に対して関連付ける関連付け手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の景品管理システム。
【請求項3】
前記所定の記録媒体は、ワゴンサービスにおけるワゴン景品交換用の記録媒体である景品交換用媒体であり、
前記景品交換用媒体は、前記景品に対応する減算数情報を予め記憶しており、
減算数情報取得手段は、前記受付手段によって受け付けられた景品交換用媒体から前記減算数情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の景品管理システム。
【請求項4】
遊技客が獲得した遊技媒体と交換される景品を管理する景品管理装置をさらに有し、
前記景品交換用媒体は、前記景品を識別する景品識別情報をさらに記憶しており、
前記景品管理装置は、
受け付けた景品交換用媒体から前記景品識別情報を読み取る読取手段と、
受け付けた景品交換用媒体に対して関連付けられた減算結果情報に基づき、前記読取手段によって読み取られた景品識別情報によって識別される景品の出庫数を含んだ出庫情報を更新する出庫情報更新手段と
を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の景品管理システム。
【請求項5】
前記関連付け手段は、
前記減算手段によって減算された遊技媒体数を含んだ減算結果情報を前記受付手段によって受け付けられた景品交換用媒体に対して記憶させ、
前記景品管理装置の読取手段は、
受け付けた景品交換用媒体から前記減算結果情報をさらに読み取ることを特徴とする請求項4に記載の景品管理システム。
【請求項6】
前記記録媒体を含む携帯端末をさらに有し、
前記携帯端末は、
所定の景品との交換に要する遊技媒体数を指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定された遊技媒体数を特定可能な減算数情報を前記各台対応装置に対して通知する通知手段とを備え、
前記各台対応装置の減算数情報取得手段は、
前記通知手段によって通知された減算数情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の景品管理システム。
【請求項7】
前記各台対応装置は、
自装置に対して設定された前記遊技媒体の貸出レートを記憶するレート記憶手段と、
前記レート記憶手段に記憶された貸出レートに基づき、前記減算数情報取得手段によって取得された減算数情報から特定される遊技媒体数を所定の貸出レートの数量へ変換する変換手段とをさらに備え、
前記減算手段は、
前記変換手段によって変換された遊技媒体数を前記持玉価値から減算することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の景品管理システム。
【請求項8】
遊技台に対応して設けられる各台対応装置であって、
所定の記録媒体を受け付ける受付手段と、
所定の景品との交換に要する遊技媒体数を特定可能な減算数情報を取得する減算数情報取得手段と、
自装置に対応する遊技台で遊技客が獲得した遊技媒体の数を含んだ持玉価値から前記減算数情報取得手段によって取得された減算数情報に含まれる遊技媒体数を減算する減算手段と
を備えたことを特徴とする各台対応装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−104112(P2011−104112A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262181(P2009−262181)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】