景品管理装置および景品交換方法
【課題】景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる景品管理装置、および、それを利用した景品交換方法を提供する。
【解決手段】景品管理装置では、制御部に対して店側表示部14(4)および客側表示部が接続されている。制御部が、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品について、当該景品に対応付けられた景品識別標識(たとえば、色)の選択ボタン47を店側表示部14(4)および客側表示部の少なくとも一方に表示する。そのため、店員は、店側表示部14(4)に表示された選択ボタン47の色を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。また、客は、店員から教わらなくても、客側表示部に表示された選択ボタン47の色を見れば、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
【解決手段】景品管理装置では、制御部に対して店側表示部14(4)および客側表示部が接続されている。制御部が、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品について、当該景品に対応付けられた景品識別標識(たとえば、色)の選択ボタン47を店側表示部14(4)および客側表示部の少なくとも一方に表示する。そのため、店員は、店側表示部14(4)に表示された選択ボタン47の色を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。また、客は、店員から教わらなくても、客側表示部に表示された選択ボタン47の色を見れば、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行うための景品管理装置、および、それを利用した景品交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗には、客が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタが設けられている。客は、獲得したパチンコ玉の数(獲得数)を記憶したレシートやカード等の記憶媒体を景品カウンタに持ち込む。景品カウンタには、景品管理装置が設置されている(たとえば、特許文献1参照)。
景品管理装置は、景品と遊技媒体との交換による景品払出しおよび景品の在庫を管理している。景品管理装置は、客の記憶媒体から獲得数を読み取ることができる。景品管理装置が獲得数を読み取った後に、遊技店舗の店員が、客が所望する種類の景品を選択し、景品の個数を景品管理装置に入力すると、景品管理装置の店側表示部には、獲得数や、今回選択した景品の種類および個数といった景品情報が表示される。
【0003】
店員は、店側表示部に表示された景品情報に基づいて、該当する種類の景品を必要な数だけ客に払い出す。このとき、景品管理装置は、景品と交換するのに必要なパチンコ玉数を客の獲得数から差し引くとともに、景品の在庫を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−22508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
景品には、タバコやお菓子やジュース等のいわゆる一般景品と、貴金属等の有価物が内蔵された特殊景品とがある。大体の客は、自分の獲得数分のパチンコ玉の大部分を特殊景品に交換して、特殊景品に交換しきれなかった端数分のパチンコ玉を一般景品に交換しようとする。
この場合、端数分のパチンコ玉と交換できる一般景品が何であるかは客には分からないことが多いので、店員が、端数で交換可能な景品をその場で考えて、その景品名を客に教えねばならず、そのために時間がかかる虞がある。また、客が店員から教わった景品名の一般景品を探すのにも時間がかかる虞がある。特に、客にとっては、店員から景品名を教わっても、その景品名の景品がどれなのかが事前に分かっていなければ、当該景品名の景品を速やかに見つけ出すこと自体が難しい。そのため、景品交換に要する時間が長引く虞がある。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる景品管理装置、および、それを利用した景品交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う装置であって、店舗の店員が確認および操作をするための店側表示部と、客に景品交換のための情報を表示するための客側表示部と、を有する景品管理装置において、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品に対応付けられた景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する景品識別標識表示制御手段、を有することを特徴とする、景品管理装置である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記景品識別標識は、色、数字または記号を含むことを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置である。
請求項3記載の発明は、前記景品識別標識表示制御手段は、景品交換の対象となる遊技媒体数が所定数以下または所定数未満になった場合に、前記景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示することを特徴とする、請求項1または2記載の景品管理装置である。
【0009】
請求項4記載の発明は、交換する景品が選択されることで遊技媒体数が変化すれば、前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示される前記景品識別標識を変更する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
請求項5記載の発明は、前記店側表示部の近傍に設けられ、前記景品識別標識が付された景品陳列棚をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理装置である。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記景品陳列棚に付された景品識別標識は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされており、前記店側表示部または客側表示部において表示された複数の景品識別標識のいずれかが選択されたことに応じ、前記景品陳列棚に付された景品識別標識を点灯または点滅させる識別標識連動制御手段、を有することを特徴とする、請求項5記載の景品管理装置である。
【0011】
請求項7記載の発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う景品管理装置を利用した景品交換方法であって、景品に対して、色、数字または記号を含む識別標識を関連付けるステップと、客が獲得した遊技媒体を景品に交換することを希望する際、前記景品管理装置の表示画面に、交換可能な景品に関連付けられた前記識別標識を表示するステップと、客が識別標識を選択することにより、その識別標識に関連付けられた景品を、客の獲得した遊技媒体と交換するステップと、を含むことを特徴とする、景品交換方法である。
【0012】
請求項8記載の発明は、客が交換したい景品を選ぶことによって、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると、残りの遊技媒体数に応じて前記識別標識を変更するステップと、変更された前記識別標識を前記表示画面に表示するステップとを含むことを特徴とする、請求項7記載の景品交換方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、景品管理装置において、店側表示部では、店舗の店員が確認および操作をすることができ、客側表示部には、景品交換のための客向けの情報が表示される。
景品管理装置では、景品識別標識表示制御手段が、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品について、当該景品に対応付けられた景品識別標識を店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する。そのため、店員は、店側表示部に表示された景品識別標識を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。また、客は、店員から教わらなくても、客側表示部に表示された景品識別標識を見れば、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
【0014】
ここで、客は、交換可能な景品について、景品の具体的な名前(景品名)ではなく、景品識別標識といった簡単な情報だけを店員または客側表示部から得るので、景品名を知らなくても、該当する景品識別標識で特定された景品を選べばよい。これにより、客は、景品名に基づいて景品を探す場合と比べて、スムーズに景品を見つけて選択できる。
以上の結果、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、景品識別標識は、色、数字または記号を含む簡単な内容の標識である。そのため、店員は、交換可能な景品に対応付けられた色、数字または記号といった簡単な内容の景品識別標識を客に伝えることで、交換可能な景品を客に正確かつスピーディに教えることができる。また、客も、このような簡単な景品識別標識を正確かつスピーディに把握でき、さらに、このような簡単な景品識別標識で特定された景品を間違えることなくスムーズに見つけて選択できる。よって、景品交換に要する時間の更なる短縮化を図ることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、景品識別標識表示制御手段は、景品交換の対象となる遊技媒体数が所定数以下または所定数未満になった場合に、景品識別標識を店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する。これにより、景品識別標識が表示されると、遊技媒体数が所定数以下または未満になったことを把握できるので、使い勝手がよい。
請求項4記載の発明によれば、交換する景品が選択されることで遊技媒体数が変化すれば、店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示される景品識別標識が変更されるので、店側表示部および客側表示部には、現時点の遊技媒体数で交換できる景品についての景品識別標識が正しく表示されることとなり、使い勝手がよい。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、店側表示部の近傍に設けられた景品陳列棚には景品識別標識が付されているので、客は、景品陳列棚において、交換可能な景品の景品識別標識と一致する景品識別標識を見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚の中から速やかに見つけることができる。
請求項6記載の発明によれば、景品陳列棚に付された景品識別標識は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされていて、店側表示部または客側表示部において表示された複数の景品識別標識のいずれかが選択されたことに応じて、識別標識連動制御手段が、景品陳列棚に付された景品識別標識を点灯または点滅させる。つまり、景品陳列棚において、交換可能な景品の景品識別標識と一致する景品識別標識が、点灯または点滅することで強調表示されるので、客は、該当する景品識別標識(交換可能な景品)を景品陳列棚の中から一層速やかに見つけることができる。
【0018】
請求項7記載の発明によれば、この景品交換方法は、景品管理装置を利用した景品交換方法である。この景品交換方法では、景品に対して、色、数字または記号を含む識別標識を関連付け、客が獲得した遊技媒体を景品に交換することを希望する際、景品管理装置の表示画面に、交換可能な景品に関連付けられた識別標識を表示し、客が表示画面に表示された識別標識の中から選択した識別標識に関連付けられた景品を、客の獲得した遊技媒体と交換する。
【0019】
この場合、店員は、景品管理装置の表示画面に表示された識別標識を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。また、客は、店員から教わらなくても、表示部に表示された識別標識を見れば、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
ここで、客は、交換可能な景品について、景品の具体的な名前(景品名)ではなく、色、数字または記号を含む識別標識といった簡単な情報だけを店員または表示部から得るので、景品名を知らなくても、該当する識別標識で特定された景品を選べばよい。これにより、客は、景品名に基づいて景品を探す場合と比べて、スムーズに景品を見つけて選択できる。
【0020】
以上の結果、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる。
請求項8記載の発明によれば、客が景品を選ぶことで、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると、残りの遊技媒体数に応じて識別標識を変更して表示画面に表示するので、表示画面には、現時点の遊技媒体数で交換できる景品についての識別標識が正しく表示されることとなり、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
【図2】図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【図3】図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、景品管理装置2の制御部30のメモリ30Aに記憶される内容を示す図である。
【図5A】図5Aは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
【図5B】図5Bは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
【図5C】図5Cは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
【図6】図6は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図7A】図7Aは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7B】図7Bは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7C】図7Cは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7D】図7Dは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7E】図7Eは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7F】図7Fは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
図1を参照して、たとえばパチンコ店などの遊技店舗には、遊技台での遊技によって獲得したパチンコ玉やメダル等の遊技媒体(ここでは、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタKが設けられている。景品カウンタKの近傍(ここでは、背後)には、景品陳列棚Tが配置されていて、景品陳列棚Tには、タバコやお菓子やジュース等のいわゆる一般景品が陳列されている。具体的に、景品陳列棚Tは、水平方向に延びる横板Iと、水平方向に間隔を隔てて複数設けられて横板Iを水平方向において仕切る仕切り板Sとを含んでいる。横板Iにおいて、隣り合う仕切り板Sの間、および、水平方向において端に位置する仕切り板Sと景品陳列棚Tの側壁との間のそれぞれの領域には、景品Jが陳列されている。ここでは、横板Iにおいて同じ領域に陳列される景品Jの種類は同じであり、横板Iにおける前記領域毎に景品Jの種類が異なるものとする。
【0023】
遊技店舗の店員は、景品カウンタKと景品陳列棚Tとの間に立って接客を行う。
景品カウンタK上には、景品払出装置1と、景品管理装置2とが配置されている。
ここで、景品Jには、前述した一般景品の他に、貴金属等の有価物が内蔵されたカード状の特殊景品がある。特殊景品には、その価値に応じて、たとえば大景品、中景品、小景品という複数の種類がある。景品払出装置1は、内蔵した特殊景品を客に払い出すものである。
【0024】
景品管理装置2は、POSとも呼ばれる。景品管理装置2は、通信回線(図示せず)を介して、景品払出装置1や遊技店舗内のターミナルコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。
景品管理装置2は、景品J(一般景品および特殊景品を含む)の在庫を管理している。そして、景品管理装置2は、客が獲得したパチンコ玉と景品Jとの交換処理を行う機能を主に有している。
【0025】
景品管理装置2の機能の概略を説明すると、まず、客が獲得したパチンコ玉は、計数機(図示せず)によって計数され、その計数データ(計数結果)であるパチンコ玉の獲得数(遊技媒体数)は、レシートやカード(ここでは、カード)等の遊技媒体数記憶手段に記憶される。
カードとして、磁気カードやICチップを備えたICカード(ここでは、ICカード)が挙げられる。カード自体に獲得数が記憶されてもよいし、各カードに割り振られたID(識別番号)に関連付けて、獲得数がターミナルコントローラ(図示せず)内のデータベースに記憶されてもよい。なお、客個人の携帯電話がカードの役割を果たしてもよい。この場合、携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号(IDm)が前述したIDと同じ役割を果たし、客個人の携帯電話のIDmに関連付けて、獲得数がターミナルコントローラ(図示せず)内のデータベースに記憶される。また、データベース(図示せず)では、当日獲得されたパチンコ玉(いわゆる「持玉(もちだま)」)の数に限らず、遊技店舗に会員登録している会員客が前日以前に獲得したパチンコ玉(いわゆる「貯玉(ちょだま)」)の数も獲得数として管理している。また、獲得数がレシートに記憶(記録)される場合には、獲得数を示すバーコードがレシートに印刷される。
【0026】
客は、自分が獲得したパチンコ玉を景品Jに交換することを希望する際、このカードを景品カウンタKに持ち込む。景品管理装置2は、持ち込まれたカードに記憶された獲得数を読み取ったり、このカードのIDに関連付けられた獲得数をターミナルコントローラのデータベース(図示せず)から呼び出したりすることで、このカードの持ち主(客)の獲得数を取得する。
【0027】
そして、景品Jが一般景品の場合、獲得数の範囲内で交換可能な一般景品が選択されると、店員によって一般景品が客に払い出されるとき等に、景品管理装置2は、払い出された一般景品について在庫を更新する。景品Jが特殊景品の場合、獲得数の範囲内で交換可能な特殊景品が選択されると、景品管理装置2は、景品払出装置1に対して特殊景品の払い出し指示を送信するとともに、払い出す特殊景品について在庫を更新する。景品払出装置1は、景品管理装置2からの指示に沿って特殊景品を客に払い出す。
【0028】
景品Jの在庫の更新は、景品Jとパチンコ玉との交換に基づく交換実績であり、景品交換が繰り返されることで、景品管理装置2は、景品Jの在庫の更新を繰り返して交換実績収集を行う。
次に、景品管理装置2の詳細について説明する。
図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【0029】
図2は、景品カウンタKにいる店員から見たときの景品管理装置2を示している。
図2を参照して、景品管理装置2は、本体3と、ディスプレー4と、ICカードリーダ5と、バーコードリーダ6とを備えている。
本体3は、上下に扁平なボックス形状である。本体3の上面には、キーボード7が設けられている。キーボード7は、景品管理装置2にデータ信号を入力するための入力操作部を構成する。キーボード7は、テンキー8と、一般景品選択キー9とを主に含んでいる。一般景品選択キー9は、多数設けられていて、それぞれの表面には、いずれかの一般景品の名前または交換玉(メダル)数が記されている。
【0030】
また、本体3の上面において、キーボード7以外の領域には、モード切換部10と、用紙排出口11とが設けられている。
モード切換部10は、本体3の上面に露出される位置に鍵穴10Aが形成されたシリンダー錠である。鍵穴10Aに専用の鍵(図示せず)を差し込んでモード切換部10を所定角度だけ回動させることによって、景品管理装置2の運転モードを、景品交換を行う景品交換モードや、景品交換モード以外のモードに切り換えることができる。景品交換モード以外のモードとして、景品管理装置2における設定内容を変更する設定モードや、会員客の登録内容等を変更する会員処理モードや、景品の在庫集計を行う集計モードや、在庫データの変更等を行う在庫処理モードや、在庫データ等のクリアを行うクリアモード等がある。モード切換部10は、モード切換のための信号を景品管理装置2に入力するための入力操作部を構成する。
【0031】
用紙排出口11は、細長いスリット状である。たとえば、景品の在庫集計を行ったときに、用紙排出口11には、集計結果を記載した用紙が本体3の内部から排出される。
本体3において、図2における手前側端面には、電源スイッチ12とメディア差込口13とが設けられている。電源スイッチ12を操作することによって、景品管理装置2の電源をオン/オフすることができる。メディア差込口13は、奥側へ窪むU字をなすスリット状である。景品管理装置2内のデータを外部に持ち出す場合、または、外部のデータを景品管理装置2に取り込みたい場合には、データを記憶したメディア(図示せず)がメディア差込口13に対して抜き差しされる。
【0032】
ディスプレー4は、板状であり、図2における姿勢を基準として、本体3の奥側端部から奥側上方ヘ傾斜して延びている。ディスプレー4において、図2における手前側の側面には、略矩形状の店側表示部14(表示画面)が設けられている。店側表示部14は、液晶表示器であり、その上には、透明なタッチパネルスイッチ15が積層されている。タッチパネルスイッチ15は、店側表示部14に含まれる。店側表示部14は、景品カウンタKの店員側を臨んでいる。店側表示部14には、店舗の店員が確認および操作をするために必要な種々のデータが表示される(後述する)。
【0033】
本体3およびディスプレー4において、図2における奥側の側面には、客側表示部16(表示画面)が設けられている(図1も参照)。客側表示部16は、たとえば液晶のタッチパネルであり、景品カウンタKに来た客側を臨んでいる。客側表示部16には、景品交換のための客向けの情報が表示される。
ICカードリーダ5は、たとえば、図2に示すような平板形状である。ICカードリーダ5は、電気ケーブル17を介して本体3に対して電気的に接続されている。前述した客のカード(ICカード)Cは、客自身または客からカードCを預かった店員によってICカードリーダ5の上面に載置されることで、ICカードリーダ5にセットされる。ICカードリーダ5は、カードCのICチップを認識することで、カードCがセットされたことを認識し、セットされたカードCのICチップに記憶されたデータ(前述した獲得数)を読み出す。また、ICカードリーダ5は、ICチップ内のデータを書き換えることもできる。ICカードリーダ5は、前述した平板形状に限らず、カードCの差込が可能なカードホルダーを有するようなボックス形状であってもよい。
【0034】
バーコードリーダ6は、把持できるグリップ形状であり、その先端部に、バーコードを読み取るためのバーコード読取部18を有している。バーコードリーダ6は、電気ケーブル19を介して本体3に対して電気的に接続されている。
図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、景品管理装置2の本体3は、制御部30(景品識別標識表示制御手段、識別標識連動制御手段)を備えている。制御部30は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等のメモリ30Aを備えており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。メモリ30Aには、遊技店舗で取り扱われる景品の在庫(景品毎の在庫数)等の必要な情報が記憶されている。
【0035】
制御部30には、前述した店側表示部14、客側表示部16、電源スイッチ12、モード切換部10、キーボード7、ICカードリーダ5およびバーコードリーダ6と、計時を行う計時部31(計時手段)とが電気的に接続されている。計時部31は、景品管理装置2に備えられている。
ICカードリーダ5は、セットされたカードCのICチップに記憶されたデータ(前述した獲得数)を読み出して制御部30へ出力する。モード切換部10およびキーボード7を操作すると、制御部30に対してデータや信号が入力される。
【0036】
また、制御部30は、店側表示部14および客側表示部16のそれぞれにおける表示を制御する。
図4は、メモリ30Aに記憶される内容を示す図である。
ここで、客が遊技台で遊技を開始するには、遊技店舗から遊技媒体(パチンコ玉やメダル)を貸し出してもらう必要があるが、パチンコ玉およびメダルのそれぞれには、複数の貸出レートが設定されている。たとえば、パチンコ玉の貸出レートには、4円/1玉の通常レートと、1円/1玉の低レートとがある。なお、メダルの貸出レートにも、複数の貸出レートがあるが、ここでは、20円/1枚の通常レートだけを例示する。このように、通常レートの他に低レートが設定されているのは、低レートで遊技媒体を貸し出すことによって、初心者等が気軽に遊技できるようにし、客に対して遊技店舗へ何度も足を運んでもらうようにするためである。
【0037】
そして、客が獲得したパチンコ玉やメダル玉(遊技媒体)を景品に交換する一般的な態様としては、まず、獲得した遊技媒体のほとんどを特殊景品に交換して、特殊景品に交換しきれない端数(パチンコ玉の場合には、「残玉数」という)の遊技媒体を一般景品に交換する。そこで、遊技店舗では、端数分の遊技媒体と交換できる一般景品が用意されている。
【0038】
図4(a)を参照して、このような一般景品として、この実施形態では、200玉景品、160玉景品、120玉景品、100玉景品、60玉景品、40玉景品および20玉景品が設定されている。各景品名における数字は、それぞれの景品と交換するのに必要な低レートのパチンコ玉の数である。たとえば、200玉景品1つと交換するのに必要な低レートのパチンコ玉(「1円パチンコ玉」という)の数は、200玉である。なお、200玉景品1つと交換する場合に必要な他の遊技媒体の数は、通常レートのパチンコ玉(「4円パチンコ玉」という)の場合は、1円パチンコ玉の場合の4分の1の個数(50玉)であり、通常レートのメダル(「20円メダル」という)の場合は、1円パチンコ玉の場合の20分の1の個数(10枚)である。各貸出レートの遊技媒体について、所定の景品1つと交換する場合に必要な遊技媒体数は、いずれかの貸出レート(ここでは、1円パチンコ玉)の遊技媒体数を基準として、制御部30によって自動算出される。
【0039】
そして、各景品には、それぞれの種類を識別するために、色や数字や記号(ここでは、アルファベット)という個別の(景品)識別標識が割り振られている。つまり、各景品には、色、数字または記号を含む識別標識が関連付けられている。たとえば、図4(a)の場合では、赤色、数字の(1)、アルファベットのAという識別標識が200玉景品のことを指し、青色、数字の(2)、アルファベットのBという識別標識が160玉景品のことを指し、黄色、数字の(3)、アルファベットのCという識別標識が120玉景品のことを指している。100玉景品、60玉景品、40玉景品および20玉景品のそれぞれについても、同様である。つまり、識別標識は、景品毎に対応付けられている。また、景品の種類の中に複数の景品を準備している場合もある。たとえば、100玉景品として、お菓子(ガム)や文房具(ボールペン)等がある場合である。つまり、景品毎といっても景品1品毎ではなく、同じ価値の景品の集合の1つを、景品毎(1つの景品)とみなしてもよい。
【0040】
そして、制御部30のメモリ30Aは、図4(a)に示すように、各一般景品について、それぞれの一般景品の識別標識(色、数字およびアルファベットの少なくともいずれか)と、それぞれの一般景品と交換するのに必要な1円パチンコ玉、4円パチンコ玉および20円メダルのそれぞれの遊技媒体数とをテーブル形式で記憶している。つまり、遊技媒体の貸出レートが異なっても、交換する一般景品が同じであれば、その一般景品の識別標識毎に複数の貸出レートの(景品交換に必要な)遊技媒体数がまとめられている。換言すれば、価値が同等のものは、1つの識別標識にまとめられている。
【0041】
なお、前述した識別標識について、複数種類の一般景品に共通の識別標識が割り当てられてもよい。たとえば、図4(b)に示すように、青色、数字の(2)、アルファベットのBが160玉景品および120玉景品の両方のことを指していたり、ピンク色、数字の(4)、アルファベットのDが60玉景品および40玉景品の両方のことを指していたりしてもよい。
【0042】
図5A〜図5Cは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
図5Aを参照して、たとえば、赤色の識別標識が割り振られた200玉景品がタバコであって、青色の識別標識が割り振られた160玉景品がジュースであって、黄色の識別標識が割り振られた120玉景品がスナックであるとする。
この場合、景品カウンタKの背後の景品陳列棚T(図1も参照)には、それぞれの一般景品Jが陳列されているとともに、景品陳列棚Tにおいて各一般景品Jが陳列(載置)された横板Iの前端面には、背後の一般景品Jの種類を示す札Fが取り付けられている。各札Fには、背後の一般景品Jに割り当てられた色と、その一般景品と交換するのに必要な1円パチンコ玉、4円パチンコ玉および20円メダルのそれぞれの遊技媒体数とが表示されている。
【0043】
なお、図5Aでは、各札Fの上部に、背後の一般景品Jに割り当てられた色が表示されているが、図5Bに示すように、一般景品Jに割り当てられた数字が各札Fの上部に表示されてもよいし、図5Cに示すように、一般景品Jに割り当てられたアルファベットが各札Fの上部に表示されてもよい。色や数字やアルファベットは、札Fにおいて目立つように表示されていることが好ましい。
【0044】
また、札Fにおいて、たとえば外縁部分には、イルミネーションライトLが取り付けられている。イルミネーションライトLは、図示しない電源から電力を受けることによってON・OFFされ、ON時に発光する。これにより、札F(札Fに表示された識別標識等の表示内容も含む)は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされている。図5A〜図5Cのそれぞれでは、左端の札Fだけが点灯している状態が図示されている。
【0045】
このように、景品陳列棚Tには、同じ景品Jがまとめて陳列された位置に、色や数字やアルファベットといった識別標識を示す札Fが付されている。換言すれば、景品Jは、対応する識別標識に関連付けて景品陳列棚Tに陳列されている。
また、この実施形態では、札Fを景品陳列棚Tに取り付けているが、景品Jをまとまった状態で箱に収容している場合には、この箱において客の目に付き易い部分に札Fを取り付けたり、箱自身に、札Fの内容を表示したりしてもよい。
【0046】
図6は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図7A〜図7Fは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
次に、図6および図7A〜図7Fを参照して、景品管理装置2によって実行される処理について説明する。以下では、計数データ(獲得数)分のパチンコ玉をまず特殊景品に交換する場合を想定している。
【0047】
まず、景品管理装置2が、景品交換モードにあって景品交換に係る処理が行われていない待機状態にある場合、店側表示部14および客側表示部16(図1および図2参照)のそれぞれには、図示しない待機画面が表示されている。なお、特別な待機画面が表示される必要はなく、計数データが入力(表示)されていない通常の(後述する)交換画面40(図7Aにおいて残玉数表示が空白の状態)が待機画面であってもよい。
【0048】
図6を参照して、待機状態において、制御部30(図3参照)は、ICカードリーダ5にカードCがセットされてICカードリーダ5がカードCから計数データを受け付けたか否かを監視している(ステップS1)。また、このとき、ICカードリーダ5がカードCからIDを受け付けた場合には、制御部30は、そのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている計数データをデータベースから受け付けたか否かを監視している、さらに、このとき、制御部30は、バーコードリーダ6(図2参照)がレシート(図示せず)のバーコードを読み取ることでレシートから計数データを受け付けたか否かも監視している。
【0049】
ICカードリーダ5がカードCから計数データを受け付けたり、データベースから計数データを受け付けたり、バーコードリーダ6がレシート(図示せず)から計数データを受け付けたりすることで計数データが入力されると(ステップS1でYES)、制御部30は、店側表示部14に交換画面40を表示する(ステップS2)。店側表示部14に交換画面40が表示された直後の状態が、図7Aに示されている。交換画面40では、たとえば、左上に、<交換モード>という見出しが表示され、この見出しの下に、残玉数表示欄41、特殊景品(大)表示欄42、特殊景品(中)表示欄43、特殊景品(小)表示欄44および一般景品表示欄45が、所定の配置パターンで表示されている。
【0050】
残玉数表示欄41には、前述したステップS1で入力された計数データ(獲得数)が残玉数として表示される。図7Aでは、残玉数は、1円パチンコ玉の残玉数であり、23980玉である。
特殊景品(大)表示欄42には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される大景品(特殊景品)の数が表示される。ここで、1円パチンコ玉は、大景品1個と交換するのに5000玉必要であるとする。
【0051】
特殊景品(中)表示欄43には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される中景品(特殊景品)の数が表示される。ここで、1円パチンコ玉は、中景品1個と交換するのに1000玉必要であるとする。
特殊景品(小)表示欄44には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される小景品(特殊景品)の数が表示される。ここで、1円パチンコ玉は、小景品1個と交換するのに500玉必要であるとする。つまり、1円パチンコ玉は、低レートであることから価値が低いので、500玉近くあったとしても500玉以上なければ、特殊景品に交換できない。そのため、遊技店舗において1円パチンコ玉の運用が進むと、1円パチンコ玉を一般景品に交換する頻度が増えることが想定される。
【0052】
一般景品表示欄45には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される一般景品の種類(名前)とその個数とが表示される。
ここで、たとえば、客側表示部16(図1参照)には、残玉数の範囲内で交換可能な特殊景品の種類(大景品、中景品または小景品)とその個数が表示されていて、客は、その表示に基づいて、自分が所望する特殊景品の種類および個数を店員に伝える。これに応じて、店員は、キーボード7(図2参照)等を操作することによって、客が所望する特殊景品の種類および個数を入力して特殊景品を選択する。
【0053】
図6を参照して、このような特殊景品の選択があると(ステップS3でYES)、制御部30は、店側表示部14の交換画面40を更新する(ステップS4)。図7Bは、当初の残玉数が23980玉である場合(図7A参照)において4個の大景品および3個の中景品の選択(これらの特殊景品の種類および個数の入力)があった直後の状態を示している。この場合、特殊景品(大)表示欄42には、大景品の交換予定数(4個)が表示され、特殊景品(中)表示欄43には、中景品の交換予定数(3個)が表示されている。そして、残玉数表示欄41には、4個の大景品および3個の中景品と交換した後に景品と交換できる残玉数(残玉数の残り)が表示されている。つまり、制御部30は、景品選択があると、その都度、残玉数を、景品交換に必要なパチンコ玉数を差し引くことによって、更新する。
【0054】
一方、図6を参照して、ステップS2で交換画面40が表示されてから所定時間経過しても特殊景品の選択がない場合(ステップS3でNO,ステップS5でYES)、制御部30は、今回の取引をキャンセルして(ステップS6)、新たな計数データの入力を待つ(ステップS1)。
そして、制御部30は、特殊景品の選択が完了したか否かを確認する(ステップS7)。具体的には、店員がキーボード7(図2参照)等を操作することによって特殊景品の選択が完了したことを制御部30に入力したか否かを確認する。
【0055】
特殊景品の選択が完了していない場合には(ステップS7でNO)、制御部30は、特殊景品の新たな選択があるか否かを監視する(ステップS3)。図7Bの場合、残玉数が980玉なので、そのうちの500玉の1円パチンコ玉が小景品1個と交換できる。そのため、小景品1個の選択があれば(ステップS3でYES)、制御部30は、特殊景品(小)表示欄44に小景品の交換予定数(1個)を表示し、さらに、残玉数表示欄41の残玉数を更新することで(図7C参照)、交換画面40を更新する(ステップS4)。なお、残玉数に余裕があってまだパチンコ玉を特殊景品に交換できるとしても、その交換を望まない場合には、特殊景品の選択を完了することができる。
【0056】
図6を参照して、特殊景品の選択が完了すると(ステップS7でYES)、制御部30は、現時点における残玉数が所定数以上であるか否かを確認する(ステップS8)。この所定数とは、最も価値の低い一般景品1個と交換するのに必要なパチンコ玉数であり、この実施形態では、20玉景品(図4参照)と交換するのに必要な20玉である。
残玉数が所定数以上であれば(ステップS8でYES)、制御部30は、その残玉数で交換可能な一般景品のそれぞれに関連付けられた識別標識を交換画面40に表示する(ステップS9)。具体的には、図7Cを参照して、残玉数が480玉である場合には、480玉の残玉数は、前述した200玉景品、160玉景品、120玉景品、100玉景品、60玉景品、40玉景品および20玉景品(図4参照)という7種類の一般景品における少なくともいずれかと交換可能である。この場合、制御部30は、交換画面40の一般景品表示欄45に、一般景品選択欄46を表示する。一般景品選択欄46には、「一般景品を選択して下さい」というメッセージが表示されるとともに、そのメッセージの下に、「交換可能景品→」という見出しが表示され、この見出しの右側に、交換可能な全ての一般景品の識別標識を示す選択ボタン47を表示される。図7Cの場合、480玉の残玉数と交換可能な7種類の一般景品に応じて、7つの選択ボタン47が表示されている。各選択ボタン47には、対応する景品の識別標識である色が付されている。
【0057】
なお、一般景品の識別標識を、色でなく、数字とする場合には、図7Dに示すように、各選択ボタン47には、対応する景品の識別標識である数字が付されていて、一般景品の識別標識を、アルファベットとする場合には、図7Eに示すように、各選択ボタン47には、対応する景品の識別標識であるアルファベットが付されている。
そして、店員は、一般景品選択欄46に表示された選択ボタン47に付された識別標識(図7C〜図7E参照)を見て、客に、その識別標識が割り当てられた一般景品が選択できることを伝える。たとえば、図7Cの場合、店員は、赤、青、黄、緑、ピンク、オレンジ、紫の7つの選択ボタン47を見て、客に対して、「景品陳列棚において、赤、青、黄、緑、ピンク、オレンジ、紫の札のところの景品を選択できますよ。」と伝える。すると、客は、図5Aに示す景品陳列棚T(図1も参照)の景品Jを確認して、店員から伝えられた色の札Fの景品Jを探す。客は、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品の色(識別標識)と一致する色を見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。このとき、客が、たとえば、赤色の識別標識を選択して、赤色の札Fの景品J(200玉景品であり、ここでは、タバコ)が2個欲しいと店員に伝えると、店員は、交換画面40において赤色が付された選択ボタン47(図7C参照)を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)で景品の交換個数(2個)を入力する。これにより、一般景品の選択がなされる(ステップS10でYES)。
【0058】
また、図7Dの場合、店員は、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)の7つの選択ボタン47を見て、客に対して、「景品陳列棚において、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)の札のところの景品を選択できますよ。」と伝える。すると、客は、図5Bに示す景品陳列棚Tの景品Jを確認して、店員から伝えられた数字の札Fの景品Jを探す。客は、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品の数字(識別標識)と一致する数字を見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。このとき、客が、たとえば、数字(1)の識別標識を選択して、(1)の数字が付された札Fの景品J(200玉景品であり、ここでは、タバコ)が2個欲しいと店員に伝えると、店員は、交換画面40において(1)の数字が付された選択ボタン47(図7D参照)を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)で景品の交換個数(2個)を入力する。これにより、一般景品の選択がなされる(ステップS10でYES)。
【0059】
また、図7Eの場合、店員は、A、B、C、D、E、F、Gの7つの選択ボタン47を見て、客に対して、「景品陳列棚において、A、B、C、D、E、F、Gの札のところの景品を選択できますよ。」と伝える。すると、客は、図5Cに示す景品陳列棚Tの景品Jを確認して、店員から伝えられたアルファベットの札Fの景品Jを探す。客は、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品のアルファベット(識別標識)と一致するアルファベットを見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。このとき、客が、たとえば、アルファベットAの識別標識を選択して、Aのアルファベットが付された札Fの景品J(200玉景品であり、ここでは、タバコ)が2個欲しいと店員に伝えると、店員は、交換画面40においてAのアルファベットが付された選択ボタン47(図7E参照)を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)で景品の交換個数(2個)を入力する。これにより、一般景品の選択がなされる(ステップS10でYES)。
【0060】
ここで、図6を参照して、ステップS9において、制御部30は、店側表示部14の交換画面40における一般景品選択欄46の内容(図7C〜図7F参照)を、店側表示部14だけでなく、客側表示部16(図1参照)に表示してもよい。つまり、制御部30は、ステップS9において、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品について、当該景品の識別標識(色や数字やアルファベット)を店側表示部14および客側表示部16の少なくとも一方に表示する。
【0061】
以上により、店員は、残玉数で交換できる一般景品が何かを、自分の頭で考えなくても、選択ボタン47に付された色、数字またはアルファベットといった簡単な識別標識を見ることで直感的に把握できる。また、店員は、店側表示部14に表示された選択ボタン47の識別標識(図7C〜図7E参照)を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに分かり易く教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。一方、客は、店員から伝えられた識別標識から、選択できる景品を景品陳列棚T(図1および図5A〜図5C参照)から直感的に素早く見つけることができる。よって、景品交換を迅速に行うことができ、その分、景品カウンタKにおける客の待ち時間の短縮を図ることができる。また、識別標識が客側表示部16(図1参照)に表示されれば、客は、店員から教わらなくても、客側表示部16に表示された一般景品選択欄46の選択ボタン47の識別標識を見ることによって、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
【0062】
ここで、客は、交換可能な景品について、景品の具体的な名前(景品名)ではなく、識別標識といった簡単な情報だけを店員または客側表示部16から得るので、景品名を知らなくても、該当する識別標識で特定された景品を選べばよい。これにより、客は、景品名に基づいて景品を探す場合と比べて、スムーズに景品を見つけて選択できる。よって、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0063】
また、識別標識は、色、数字または記号(ここでは、アルファベット)を含む簡単な内容の標識である。そのため、店員は、交換可能な景品に対応付けられた色、数字または記号といった簡単な内容の識別標識を客に伝えることで、交換可能な景品を客に正確かつスピーディに教えることができる。また、客も、このような簡単な識別標識を正確かつスピーディに把握でき、さらに、このような簡単な識別標識で特定された景品を間違えることなくスムーズに見つけて選択できる。よって、景品交換に要する時間の更なる短縮化を図ることができる。
【0064】
そして、前述した一般景品の選択がされると(ステップS10でYES)、制御部30は、残玉数を算出(更新)する(ステップS11)。具体的には、前述したように、一般景品を選択する前の時点における残玉数が480玉であった場合において(図7C〜図7E参照)、200玉景品が2個選択されると(ステップS10でYES)、制御部30は、ステップS11において、残玉数が80玉(=480−200×2)であると算出する。
【0065】
そして、制御部30は、ステップS11で算出した最新の残玉数(ここでは、80玉)を残玉数表示欄41に表示し、ステップS10で選択された一般景品の種類(景品名)および個数を一般景品表示欄45に表示する(ステップS12)。つまり、図7Cの状態で200玉景品が2個選択されると、図7Fに示すように、残玉数表示欄41の残玉数は、80玉になり、一般景品表示欄45には、「200玉景品」という景品名と、「2個」という個数とが表示される。
【0066】
そして、図6を参照して、制御部30は、ステップS11で算出した残玉数が前記所定数(ここでは、20個)以上であるか否かを確認する(ステップS13)。残玉数が前記所定数以上であれば(ステップS13でYES)、この残玉数で交換可能な一般景品の識別標識を新たに表示する(ステップS9)。具体的には、各一般景品の識別標識が色であって(図7C参照)、ステップS11で算出された残玉数が80玉である場合には、80玉の残玉数は、60玉景品、40玉景品および20玉景品(図4参照)という3種類の一般景品における少なくともいずれかと交換可能である。この場合、制御部30は、図7Fに示すように、一般景品選択欄46に、この残玉数で交換可能な全ての一般景品の識別標識を示す選択ボタン47を表示する。図7Fでは、60玉景品の識別標識であるピンク色が付された選択ボタン47と、40玉景品の識別標識であるオレンジ色が付された選択ボタン47と、20玉景品の識別標識である紫色が付された選択ボタン47という3つの選択ボタン47が表示されている。
【0067】
このように、交換する景品が選択されることで遊技媒体数(残玉数)が変化すれば(ステップS13)、店側表示部14および客側表示部16の少なくとも一方の表示画面に表示される識別標識が制御部30によって変更(更新)される。つまり、客が交換したい景品を選ぶことによって(ステップS10)、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると(ステップS13)、制御部30は、残りの遊技媒体数に応じて識別標識を変更して前記表示画面に表示する(ステップS9)。そのため、店側表示部14および客側表示部16には、現時点の遊技媒体数で交換できる景品についての識別標識(選択ボタン47)が正しく表示されることとなり、使い勝手がよい。
【0068】
店員は、今回表示された選択ボタン47を見て、その識別標識(色、数字またはアルファベット)の景品が交換できることを客に伝える。このときも、一般景品選択欄46の内容が店側表示部14だけでなく、客側表示部16(図1参照)に表示されてもよい。客は、店員から伝えられたり、客側表示部16の表示から自分で見つけたりした識別標識が付された札Fの景品Jを景品陳列棚T(図5A〜図5C参照)の中から見つけて、交換を希望する景品の識別標識を店員に伝える。
【0069】
店員は、客の所望する景品の識別標識(図7Fでは色)が付された選択ボタン47を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)等で景品の交換個数を入力する。これにより、図6を参照して、一般景品が再び選択される(ステップS10でYES)。一般景品が再び選択されると、残玉数が更新され(ステップS11)、更新された残玉数と、選択された一般景品名および個数とが交換画面40に表示される(ステップS12)。なお、今回追加で選択された一般景品名および個数は、既に一般景品表示欄45に表示されている一般景品名および個数(図7Fでいう「200玉景品」「2個」)の下に表示される。
【0070】
このように、残玉数が前記所定数以上であると、その残玉数で交換可能な一般景品の識別標識が選択ボタン47となって表示され、一般景品の選択によって残玉数が更新される(減少する)と、その都度、選択ボタン47の表示数も更新されて減少する(図7Cおよび図7F参照)。
そして、残玉数が前記所定数未満になると(ステップS13でNO)、制御部30は、景品交換処理を行う(ステップS14)。また、特殊景品の選択完了直後の残玉数が前記所定数未満である場合にも(ステップS8でNO)、制御部30は、景品交換処理を行う(ステップS14)。また、残玉数が前記所定数以上あって交換可能な一般景品の識別標識が表示されている場合において(ステップS9)、一般景品の選択が所定時間行われなかった場合にも(ステップS10でNO,ステップS15でYES)、制御部30は、景品交換処理を行う(ステップS14)。
【0071】
景品交換処理の際、制御部30は、ステップS3で選択された特殊景品の種類および個数を含む特殊景品払い出し指令を、景品払出装置1(図1参照)に送信するとともに、ステップS3で選択された特殊景品について、メモリ30A(図3参照)で記憶されている在庫数を減らして更新する。特殊景品払い出し指令を受信した景品払出装置1は、その指令で指定された種類の特殊景品を指定された数だけ客に払い出す。
【0072】
また、ステップS10において識別標識に基づく一般景品の選択があった場合には、景品交換処理に関連して、店員は、バーコードリーダ6(図2参照)を把持する。そして、店員は、交換画面40を見ながら、交換画面40の一般景品表示欄45に表示された景品名(図7F参照)の景品Jを、景品陳列棚T(図1参照)から交換個数(一般景品表示欄45に表示された個数)だけ取り出す。ここで、各景品Jには、それぞれの景品名を識別するためのバーコードが付与されている。店員は、景品陳列棚Tから取り出した各景品Jのバーコードにバーコードリーダ6のバーコード読取部18(図2参照)を接近させてバーコードリーダ6に各景品Jのバーコードを読み取らせた後、バーコードの読み取りが完了した景品Jを客に払い出す。このように、店員は、店側表示部14に表示された景品名および交換個数(景品情報)に基づいて、景品Jを客に払い出すことができる。そして、景品Jを客に払い出すことにより、当該客が選択した識別情報に関連付けられた景品Jが、この客の獲得したパチンコ玉(厳密には、残玉数分のパチンコ玉)と交換される。
【0073】
制御部30は、景品交換処理として、バーコードリーダ6が景品Jのバーコードを読み取る毎に、その景品Jが客に正しく払い出されたとして、メモリ30Aに記憶されているその景品Jの在庫数を減らして更新する。制御部30は、交換画面40の一般景品表示欄45に表示された全ての景品名(図7Fの場合は、200玉景品だけ)の景品Jについて、同様の処理を行う。
【0074】
また、制御部30は、景品交換処理の一環として、交換画面40の一般景品表示欄45に表示された全ての景品名(図7F参照)の景品Jのうち、客に払い出されていない最後の景品Jのバーコードがバーコードリーダ6によって読み取られたときに、制御部30は、カードCに記憶されている計数データ(図7Aでいう23980玉)を、最終的に景品交換されなかった残玉数(図7Fでいう80玉)に書き換えてもよい。
【0075】
なお、計数データが、カードCのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている場合には、制御部30は、最後の景品のバーコードがバーコードリーダ6によって読み取られたときに、データベースに記憶されている計数データを書き換える旨の指令をターミナルコンピュータに送信する。この指令を受けたターミナルコンピュータは、データベースにおいて該当する獲得数(図7Aでいう23980玉)を、最終的に景品交換されなかった残玉数(図7Fでいう80玉)に書き換える。
【0076】
景品交換処理の後、ICカードリーダ5からカードCが取り外されると、一連の景品交換取引が完了する。このタイミング(景品交換取引完了後)に景品の在庫数を更新してもよい。また、景品の在庫数の更新タイミングを、特殊景品および一般景品のそれぞれが選択されたタイミング(ステップS3,S10でYES)としてもよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0077】
たとえば、前述したように店側表示部14の表示内容(図7A〜図7F参照)が客側表示部16(図1参照)に表示される場合、客側表示部16に選択ボタン47(図7C〜図7F参照)を表示することができて、客が選択ボタン47を選んで押すことによって、客自らが一般景品を選択できてもよい。
また、前述した実施形態では、ICカードリーダ5等から入力された当初の計数データ(獲得数)のパチンコ玉のうち、特殊景品に交換できなかった分を一般景品に交換しているが、当初の計数データのパチンコ玉を全て一般景品に交換する場合にも、本発明は適用できる。この場合、前述したステップS3〜ステップS8の処理が省略され、計数データが入力されると(ステップS1でYES)、交換画面40(図7A参照)が表示され(ステップS2)、その計数データで交換可能な一般景品の識別標識が速やかに表示される(ステップS9)。
【0078】
また、前述した実施形態では、一般景品を、色、数字またはアルファベットといった識別標識で区別して、交換可能な景品の識別標識を客に伝えている。これに代えて、または、これに組み合わせて、景品陳列棚T(図1および図5A〜図5C参照)において、陳列された景品毎に電子棚札やイルミネーションを設けておいて、残玉数と交換可能な景品については、景品管理装置2からの制御によって当該景品に対応する電子棚札やイルミネーションだけが発光や点滅等するようにして、交換可能な景品を客に伝えてもよい。たとえば、図5Aを参照して、前述した札FのイルミネーションライトLを発光させたりしなかったりすることで、札Fを点灯または点滅させる。具体的には、店側表示部14または客側表示部16において表示された複数の選択ボタン47(識別標識)のいずれかがステップS10で選択されたことに応じて、制御部30が、選択された識別標識を示す札Fを点灯または点滅させる。つまり、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品Jの識別標識と一致する識別標識が、点灯または点滅することで強調表示されるので、客は、該当する識別標識(交換可能な景品J)を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。
【0079】
また、交換が制限されている一般景品があれば、残玉数が必要数以上あっても、当該一般景品についての識別標識(前述した選択ボタン47)が交換画面40に表示されないようにしてもよい。
また、一般景品表示欄45(図7A参照)は、全ての景品についての景品表示欄であってもよい。つまり、一般景品表示欄45には、一般景品だけでなく、交換する特殊景品の種類および個数も表示してもよい。
【0080】
また、一般景品の選択方法の別の実施例として、タッチパネルスイッチ15による選択以外に、キーボード7の一般景品選択キー9を押すことで選択してもよい(図2参照)。
また、図6を参照して、前述した制御部30(図3参照)は、特殊景品の選択(ステップS3)によって残玉数が少なくなって当該残玉数では交換可能な特殊景品がなくなったときに、当該残玉数で交換可能な一般景品の識別標識を自動的に表示してもよい(ステップS9)。具体的には、景品交換の対象となる遊技媒体数(残玉数)が、前述した小景品を交換するために必要な数に1つ足らない(第1)所定数(ここでは499玉)以下、または小景品を交換するために必要な(第2)所定数(ここでは500玉)未満になった場合には、当該(第1)所定数(499玉)以下または当該(第2)所定数(500玉)未満の残玉数(つまり、499玉)では遊技媒体を特殊景品にできない。このような場合になると、制御部30は、当該(第1)所定数以下または当該(第2)所定数未満の残玉数(499玉)で交換可能な一般景品の識別標識を自動的に店側表示部14および客側表示部16の少なくとも一方に表示する。これにより、識別標識が表示されると、遊技媒体数(残玉数)が(第1)所定数以下または(第2)所定数未満になったことを把握できるので、使い勝手がよい。
【符号の説明】
【0081】
2 景品管理装置
14 店側表示部
16 客側表示部
30 制御部
T 棚
J 景品
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行うための景品管理装置、および、それを利用した景品交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗には、客が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタが設けられている。客は、獲得したパチンコ玉の数(獲得数)を記憶したレシートやカード等の記憶媒体を景品カウンタに持ち込む。景品カウンタには、景品管理装置が設置されている(たとえば、特許文献1参照)。
景品管理装置は、景品と遊技媒体との交換による景品払出しおよび景品の在庫を管理している。景品管理装置は、客の記憶媒体から獲得数を読み取ることができる。景品管理装置が獲得数を読み取った後に、遊技店舗の店員が、客が所望する種類の景品を選択し、景品の個数を景品管理装置に入力すると、景品管理装置の店側表示部には、獲得数や、今回選択した景品の種類および個数といった景品情報が表示される。
【0003】
店員は、店側表示部に表示された景品情報に基づいて、該当する種類の景品を必要な数だけ客に払い出す。このとき、景品管理装置は、景品と交換するのに必要なパチンコ玉数を客の獲得数から差し引くとともに、景品の在庫を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−22508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
景品には、タバコやお菓子やジュース等のいわゆる一般景品と、貴金属等の有価物が内蔵された特殊景品とがある。大体の客は、自分の獲得数分のパチンコ玉の大部分を特殊景品に交換して、特殊景品に交換しきれなかった端数分のパチンコ玉を一般景品に交換しようとする。
この場合、端数分のパチンコ玉と交換できる一般景品が何であるかは客には分からないことが多いので、店員が、端数で交換可能な景品をその場で考えて、その景品名を客に教えねばならず、そのために時間がかかる虞がある。また、客が店員から教わった景品名の一般景品を探すのにも時間がかかる虞がある。特に、客にとっては、店員から景品名を教わっても、その景品名の景品がどれなのかが事前に分かっていなければ、当該景品名の景品を速やかに見つけ出すこと自体が難しい。そのため、景品交換に要する時間が長引く虞がある。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる景品管理装置、および、それを利用した景品交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う装置であって、店舗の店員が確認および操作をするための店側表示部と、客に景品交換のための情報を表示するための客側表示部と、を有する景品管理装置において、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品に対応付けられた景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する景品識別標識表示制御手段、を有することを特徴とする、景品管理装置である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記景品識別標識は、色、数字または記号を含むことを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置である。
請求項3記載の発明は、前記景品識別標識表示制御手段は、景品交換の対象となる遊技媒体数が所定数以下または所定数未満になった場合に、前記景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示することを特徴とする、請求項1または2記載の景品管理装置である。
【0009】
請求項4記載の発明は、交換する景品が選択されることで遊技媒体数が変化すれば、前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示される前記景品識別標識を変更する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
請求項5記載の発明は、前記店側表示部の近傍に設けられ、前記景品識別標識が付された景品陳列棚をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理装置である。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記景品陳列棚に付された景品識別標識は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされており、前記店側表示部または客側表示部において表示された複数の景品識別標識のいずれかが選択されたことに応じ、前記景品陳列棚に付された景品識別標識を点灯または点滅させる識別標識連動制御手段、を有することを特徴とする、請求項5記載の景品管理装置である。
【0011】
請求項7記載の発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う景品管理装置を利用した景品交換方法であって、景品に対して、色、数字または記号を含む識別標識を関連付けるステップと、客が獲得した遊技媒体を景品に交換することを希望する際、前記景品管理装置の表示画面に、交換可能な景品に関連付けられた前記識別標識を表示するステップと、客が識別標識を選択することにより、その識別標識に関連付けられた景品を、客の獲得した遊技媒体と交換するステップと、を含むことを特徴とする、景品交換方法である。
【0012】
請求項8記載の発明は、客が交換したい景品を選ぶことによって、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると、残りの遊技媒体数に応じて前記識別標識を変更するステップと、変更された前記識別標識を前記表示画面に表示するステップとを含むことを特徴とする、請求項7記載の景品交換方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、景品管理装置において、店側表示部では、店舗の店員が確認および操作をすることができ、客側表示部には、景品交換のための客向けの情報が表示される。
景品管理装置では、景品識別標識表示制御手段が、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品について、当該景品に対応付けられた景品識別標識を店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する。そのため、店員は、店側表示部に表示された景品識別標識を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。また、客は、店員から教わらなくても、客側表示部に表示された景品識別標識を見れば、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
【0014】
ここで、客は、交換可能な景品について、景品の具体的な名前(景品名)ではなく、景品識別標識といった簡単な情報だけを店員または客側表示部から得るので、景品名を知らなくても、該当する景品識別標識で特定された景品を選べばよい。これにより、客は、景品名に基づいて景品を探す場合と比べて、スムーズに景品を見つけて選択できる。
以上の結果、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、景品識別標識は、色、数字または記号を含む簡単な内容の標識である。そのため、店員は、交換可能な景品に対応付けられた色、数字または記号といった簡単な内容の景品識別標識を客に伝えることで、交換可能な景品を客に正確かつスピーディに教えることができる。また、客も、このような簡単な景品識別標識を正確かつスピーディに把握でき、さらに、このような簡単な景品識別標識で特定された景品を間違えることなくスムーズに見つけて選択できる。よって、景品交換に要する時間の更なる短縮化を図ることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、景品識別標識表示制御手段は、景品交換の対象となる遊技媒体数が所定数以下または所定数未満になった場合に、景品識別標識を店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する。これにより、景品識別標識が表示されると、遊技媒体数が所定数以下または未満になったことを把握できるので、使い勝手がよい。
請求項4記載の発明によれば、交換する景品が選択されることで遊技媒体数が変化すれば、店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示される景品識別標識が変更されるので、店側表示部および客側表示部には、現時点の遊技媒体数で交換できる景品についての景品識別標識が正しく表示されることとなり、使い勝手がよい。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、店側表示部の近傍に設けられた景品陳列棚には景品識別標識が付されているので、客は、景品陳列棚において、交換可能な景品の景品識別標識と一致する景品識別標識を見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚の中から速やかに見つけることができる。
請求項6記載の発明によれば、景品陳列棚に付された景品識別標識は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされていて、店側表示部または客側表示部において表示された複数の景品識別標識のいずれかが選択されたことに応じて、識別標識連動制御手段が、景品陳列棚に付された景品識別標識を点灯または点滅させる。つまり、景品陳列棚において、交換可能な景品の景品識別標識と一致する景品識別標識が、点灯または点滅することで強調表示されるので、客は、該当する景品識別標識(交換可能な景品)を景品陳列棚の中から一層速やかに見つけることができる。
【0018】
請求項7記載の発明によれば、この景品交換方法は、景品管理装置を利用した景品交換方法である。この景品交換方法では、景品に対して、色、数字または記号を含む識別標識を関連付け、客が獲得した遊技媒体を景品に交換することを希望する際、景品管理装置の表示画面に、交換可能な景品に関連付けられた識別標識を表示し、客が表示画面に表示された識別標識の中から選択した識別標識に関連付けられた景品を、客の獲得した遊技媒体と交換する。
【0019】
この場合、店員は、景品管理装置の表示画面に表示された識別標識を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。また、客は、店員から教わらなくても、表示部に表示された識別標識を見れば、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
ここで、客は、交換可能な景品について、景品の具体的な名前(景品名)ではなく、色、数字または記号を含む識別標識といった簡単な情報だけを店員または表示部から得るので、景品名を知らなくても、該当する識別標識で特定された景品を選べばよい。これにより、客は、景品名に基づいて景品を探す場合と比べて、スムーズに景品を見つけて選択できる。
【0020】
以上の結果、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる。
請求項8記載の発明によれば、客が景品を選ぶことで、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると、残りの遊技媒体数に応じて識別標識を変更して表示画面に表示するので、表示画面には、現時点の遊技媒体数で交換できる景品についての識別標識が正しく表示されることとなり、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
【図2】図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【図3】図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、景品管理装置2の制御部30のメモリ30Aに記憶される内容を示す図である。
【図5A】図5Aは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
【図5B】図5Bは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
【図5C】図5Cは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
【図6】図6は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図7A】図7Aは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7B】図7Bは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7C】図7Cは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7D】図7Dは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7E】図7Eは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図7F】図7Fは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
図1を参照して、たとえばパチンコ店などの遊技店舗には、遊技台での遊技によって獲得したパチンコ玉やメダル等の遊技媒体(ここでは、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタKが設けられている。景品カウンタKの近傍(ここでは、背後)には、景品陳列棚Tが配置されていて、景品陳列棚Tには、タバコやお菓子やジュース等のいわゆる一般景品が陳列されている。具体的に、景品陳列棚Tは、水平方向に延びる横板Iと、水平方向に間隔を隔てて複数設けられて横板Iを水平方向において仕切る仕切り板Sとを含んでいる。横板Iにおいて、隣り合う仕切り板Sの間、および、水平方向において端に位置する仕切り板Sと景品陳列棚Tの側壁との間のそれぞれの領域には、景品Jが陳列されている。ここでは、横板Iにおいて同じ領域に陳列される景品Jの種類は同じであり、横板Iにおける前記領域毎に景品Jの種類が異なるものとする。
【0023】
遊技店舗の店員は、景品カウンタKと景品陳列棚Tとの間に立って接客を行う。
景品カウンタK上には、景品払出装置1と、景品管理装置2とが配置されている。
ここで、景品Jには、前述した一般景品の他に、貴金属等の有価物が内蔵されたカード状の特殊景品がある。特殊景品には、その価値に応じて、たとえば大景品、中景品、小景品という複数の種類がある。景品払出装置1は、内蔵した特殊景品を客に払い出すものである。
【0024】
景品管理装置2は、POSとも呼ばれる。景品管理装置2は、通信回線(図示せず)を介して、景品払出装置1や遊技店舗内のターミナルコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。
景品管理装置2は、景品J(一般景品および特殊景品を含む)の在庫を管理している。そして、景品管理装置2は、客が獲得したパチンコ玉と景品Jとの交換処理を行う機能を主に有している。
【0025】
景品管理装置2の機能の概略を説明すると、まず、客が獲得したパチンコ玉は、計数機(図示せず)によって計数され、その計数データ(計数結果)であるパチンコ玉の獲得数(遊技媒体数)は、レシートやカード(ここでは、カード)等の遊技媒体数記憶手段に記憶される。
カードとして、磁気カードやICチップを備えたICカード(ここでは、ICカード)が挙げられる。カード自体に獲得数が記憶されてもよいし、各カードに割り振られたID(識別番号)に関連付けて、獲得数がターミナルコントローラ(図示せず)内のデータベースに記憶されてもよい。なお、客個人の携帯電話がカードの役割を果たしてもよい。この場合、携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号(IDm)が前述したIDと同じ役割を果たし、客個人の携帯電話のIDmに関連付けて、獲得数がターミナルコントローラ(図示せず)内のデータベースに記憶される。また、データベース(図示せず)では、当日獲得されたパチンコ玉(いわゆる「持玉(もちだま)」)の数に限らず、遊技店舗に会員登録している会員客が前日以前に獲得したパチンコ玉(いわゆる「貯玉(ちょだま)」)の数も獲得数として管理している。また、獲得数がレシートに記憶(記録)される場合には、獲得数を示すバーコードがレシートに印刷される。
【0026】
客は、自分が獲得したパチンコ玉を景品Jに交換することを希望する際、このカードを景品カウンタKに持ち込む。景品管理装置2は、持ち込まれたカードに記憶された獲得数を読み取ったり、このカードのIDに関連付けられた獲得数をターミナルコントローラのデータベース(図示せず)から呼び出したりすることで、このカードの持ち主(客)の獲得数を取得する。
【0027】
そして、景品Jが一般景品の場合、獲得数の範囲内で交換可能な一般景品が選択されると、店員によって一般景品が客に払い出されるとき等に、景品管理装置2は、払い出された一般景品について在庫を更新する。景品Jが特殊景品の場合、獲得数の範囲内で交換可能な特殊景品が選択されると、景品管理装置2は、景品払出装置1に対して特殊景品の払い出し指示を送信するとともに、払い出す特殊景品について在庫を更新する。景品払出装置1は、景品管理装置2からの指示に沿って特殊景品を客に払い出す。
【0028】
景品Jの在庫の更新は、景品Jとパチンコ玉との交換に基づく交換実績であり、景品交換が繰り返されることで、景品管理装置2は、景品Jの在庫の更新を繰り返して交換実績収集を行う。
次に、景品管理装置2の詳細について説明する。
図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【0029】
図2は、景品カウンタKにいる店員から見たときの景品管理装置2を示している。
図2を参照して、景品管理装置2は、本体3と、ディスプレー4と、ICカードリーダ5と、バーコードリーダ6とを備えている。
本体3は、上下に扁平なボックス形状である。本体3の上面には、キーボード7が設けられている。キーボード7は、景品管理装置2にデータ信号を入力するための入力操作部を構成する。キーボード7は、テンキー8と、一般景品選択キー9とを主に含んでいる。一般景品選択キー9は、多数設けられていて、それぞれの表面には、いずれかの一般景品の名前または交換玉(メダル)数が記されている。
【0030】
また、本体3の上面において、キーボード7以外の領域には、モード切換部10と、用紙排出口11とが設けられている。
モード切換部10は、本体3の上面に露出される位置に鍵穴10Aが形成されたシリンダー錠である。鍵穴10Aに専用の鍵(図示せず)を差し込んでモード切換部10を所定角度だけ回動させることによって、景品管理装置2の運転モードを、景品交換を行う景品交換モードや、景品交換モード以外のモードに切り換えることができる。景品交換モード以外のモードとして、景品管理装置2における設定内容を変更する設定モードや、会員客の登録内容等を変更する会員処理モードや、景品の在庫集計を行う集計モードや、在庫データの変更等を行う在庫処理モードや、在庫データ等のクリアを行うクリアモード等がある。モード切換部10は、モード切換のための信号を景品管理装置2に入力するための入力操作部を構成する。
【0031】
用紙排出口11は、細長いスリット状である。たとえば、景品の在庫集計を行ったときに、用紙排出口11には、集計結果を記載した用紙が本体3の内部から排出される。
本体3において、図2における手前側端面には、電源スイッチ12とメディア差込口13とが設けられている。電源スイッチ12を操作することによって、景品管理装置2の電源をオン/オフすることができる。メディア差込口13は、奥側へ窪むU字をなすスリット状である。景品管理装置2内のデータを外部に持ち出す場合、または、外部のデータを景品管理装置2に取り込みたい場合には、データを記憶したメディア(図示せず)がメディア差込口13に対して抜き差しされる。
【0032】
ディスプレー4は、板状であり、図2における姿勢を基準として、本体3の奥側端部から奥側上方ヘ傾斜して延びている。ディスプレー4において、図2における手前側の側面には、略矩形状の店側表示部14(表示画面)が設けられている。店側表示部14は、液晶表示器であり、その上には、透明なタッチパネルスイッチ15が積層されている。タッチパネルスイッチ15は、店側表示部14に含まれる。店側表示部14は、景品カウンタKの店員側を臨んでいる。店側表示部14には、店舗の店員が確認および操作をするために必要な種々のデータが表示される(後述する)。
【0033】
本体3およびディスプレー4において、図2における奥側の側面には、客側表示部16(表示画面)が設けられている(図1も参照)。客側表示部16は、たとえば液晶のタッチパネルであり、景品カウンタKに来た客側を臨んでいる。客側表示部16には、景品交換のための客向けの情報が表示される。
ICカードリーダ5は、たとえば、図2に示すような平板形状である。ICカードリーダ5は、電気ケーブル17を介して本体3に対して電気的に接続されている。前述した客のカード(ICカード)Cは、客自身または客からカードCを預かった店員によってICカードリーダ5の上面に載置されることで、ICカードリーダ5にセットされる。ICカードリーダ5は、カードCのICチップを認識することで、カードCがセットされたことを認識し、セットされたカードCのICチップに記憶されたデータ(前述した獲得数)を読み出す。また、ICカードリーダ5は、ICチップ内のデータを書き換えることもできる。ICカードリーダ5は、前述した平板形状に限らず、カードCの差込が可能なカードホルダーを有するようなボックス形状であってもよい。
【0034】
バーコードリーダ6は、把持できるグリップ形状であり、その先端部に、バーコードを読み取るためのバーコード読取部18を有している。バーコードリーダ6は、電気ケーブル19を介して本体3に対して電気的に接続されている。
図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、景品管理装置2の本体3は、制御部30(景品識別標識表示制御手段、識別標識連動制御手段)を備えている。制御部30は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したROM、RAM等のメモリ30Aを備えており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。メモリ30Aには、遊技店舗で取り扱われる景品の在庫(景品毎の在庫数)等の必要な情報が記憶されている。
【0035】
制御部30には、前述した店側表示部14、客側表示部16、電源スイッチ12、モード切換部10、キーボード7、ICカードリーダ5およびバーコードリーダ6と、計時を行う計時部31(計時手段)とが電気的に接続されている。計時部31は、景品管理装置2に備えられている。
ICカードリーダ5は、セットされたカードCのICチップに記憶されたデータ(前述した獲得数)を読み出して制御部30へ出力する。モード切換部10およびキーボード7を操作すると、制御部30に対してデータや信号が入力される。
【0036】
また、制御部30は、店側表示部14および客側表示部16のそれぞれにおける表示を制御する。
図4は、メモリ30Aに記憶される内容を示す図である。
ここで、客が遊技台で遊技を開始するには、遊技店舗から遊技媒体(パチンコ玉やメダル)を貸し出してもらう必要があるが、パチンコ玉およびメダルのそれぞれには、複数の貸出レートが設定されている。たとえば、パチンコ玉の貸出レートには、4円/1玉の通常レートと、1円/1玉の低レートとがある。なお、メダルの貸出レートにも、複数の貸出レートがあるが、ここでは、20円/1枚の通常レートだけを例示する。このように、通常レートの他に低レートが設定されているのは、低レートで遊技媒体を貸し出すことによって、初心者等が気軽に遊技できるようにし、客に対して遊技店舗へ何度も足を運んでもらうようにするためである。
【0037】
そして、客が獲得したパチンコ玉やメダル玉(遊技媒体)を景品に交換する一般的な態様としては、まず、獲得した遊技媒体のほとんどを特殊景品に交換して、特殊景品に交換しきれない端数(パチンコ玉の場合には、「残玉数」という)の遊技媒体を一般景品に交換する。そこで、遊技店舗では、端数分の遊技媒体と交換できる一般景品が用意されている。
【0038】
図4(a)を参照して、このような一般景品として、この実施形態では、200玉景品、160玉景品、120玉景品、100玉景品、60玉景品、40玉景品および20玉景品が設定されている。各景品名における数字は、それぞれの景品と交換するのに必要な低レートのパチンコ玉の数である。たとえば、200玉景品1つと交換するのに必要な低レートのパチンコ玉(「1円パチンコ玉」という)の数は、200玉である。なお、200玉景品1つと交換する場合に必要な他の遊技媒体の数は、通常レートのパチンコ玉(「4円パチンコ玉」という)の場合は、1円パチンコ玉の場合の4分の1の個数(50玉)であり、通常レートのメダル(「20円メダル」という)の場合は、1円パチンコ玉の場合の20分の1の個数(10枚)である。各貸出レートの遊技媒体について、所定の景品1つと交換する場合に必要な遊技媒体数は、いずれかの貸出レート(ここでは、1円パチンコ玉)の遊技媒体数を基準として、制御部30によって自動算出される。
【0039】
そして、各景品には、それぞれの種類を識別するために、色や数字や記号(ここでは、アルファベット)という個別の(景品)識別標識が割り振られている。つまり、各景品には、色、数字または記号を含む識別標識が関連付けられている。たとえば、図4(a)の場合では、赤色、数字の(1)、アルファベットのAという識別標識が200玉景品のことを指し、青色、数字の(2)、アルファベットのBという識別標識が160玉景品のことを指し、黄色、数字の(3)、アルファベットのCという識別標識が120玉景品のことを指している。100玉景品、60玉景品、40玉景品および20玉景品のそれぞれについても、同様である。つまり、識別標識は、景品毎に対応付けられている。また、景品の種類の中に複数の景品を準備している場合もある。たとえば、100玉景品として、お菓子(ガム)や文房具(ボールペン)等がある場合である。つまり、景品毎といっても景品1品毎ではなく、同じ価値の景品の集合の1つを、景品毎(1つの景品)とみなしてもよい。
【0040】
そして、制御部30のメモリ30Aは、図4(a)に示すように、各一般景品について、それぞれの一般景品の識別標識(色、数字およびアルファベットの少なくともいずれか)と、それぞれの一般景品と交換するのに必要な1円パチンコ玉、4円パチンコ玉および20円メダルのそれぞれの遊技媒体数とをテーブル形式で記憶している。つまり、遊技媒体の貸出レートが異なっても、交換する一般景品が同じであれば、その一般景品の識別標識毎に複数の貸出レートの(景品交換に必要な)遊技媒体数がまとめられている。換言すれば、価値が同等のものは、1つの識別標識にまとめられている。
【0041】
なお、前述した識別標識について、複数種類の一般景品に共通の識別標識が割り当てられてもよい。たとえば、図4(b)に示すように、青色、数字の(2)、アルファベットのBが160玉景品および120玉景品の両方のことを指していたり、ピンク色、数字の(4)、アルファベットのDが60玉景品および40玉景品の両方のことを指していたりしてもよい。
【0042】
図5A〜図5Cは、景品陳列棚Tにおける景品Jの陳列状態の一例を示す図である。
図5Aを参照して、たとえば、赤色の識別標識が割り振られた200玉景品がタバコであって、青色の識別標識が割り振られた160玉景品がジュースであって、黄色の識別標識が割り振られた120玉景品がスナックであるとする。
この場合、景品カウンタKの背後の景品陳列棚T(図1も参照)には、それぞれの一般景品Jが陳列されているとともに、景品陳列棚Tにおいて各一般景品Jが陳列(載置)された横板Iの前端面には、背後の一般景品Jの種類を示す札Fが取り付けられている。各札Fには、背後の一般景品Jに割り当てられた色と、その一般景品と交換するのに必要な1円パチンコ玉、4円パチンコ玉および20円メダルのそれぞれの遊技媒体数とが表示されている。
【0043】
なお、図5Aでは、各札Fの上部に、背後の一般景品Jに割り当てられた色が表示されているが、図5Bに示すように、一般景品Jに割り当てられた数字が各札Fの上部に表示されてもよいし、図5Cに示すように、一般景品Jに割り当てられたアルファベットが各札Fの上部に表示されてもよい。色や数字やアルファベットは、札Fにおいて目立つように表示されていることが好ましい。
【0044】
また、札Fにおいて、たとえば外縁部分には、イルミネーションライトLが取り付けられている。イルミネーションライトLは、図示しない電源から電力を受けることによってON・OFFされ、ON時に発光する。これにより、札F(札Fに表示された識別標識等の表示内容も含む)は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされている。図5A〜図5Cのそれぞれでは、左端の札Fだけが点灯している状態が図示されている。
【0045】
このように、景品陳列棚Tには、同じ景品Jがまとめて陳列された位置に、色や数字やアルファベットといった識別標識を示す札Fが付されている。換言すれば、景品Jは、対応する識別標識に関連付けて景品陳列棚Tに陳列されている。
また、この実施形態では、札Fを景品陳列棚Tに取り付けているが、景品Jをまとまった状態で箱に収容している場合には、この箱において客の目に付き易い部分に札Fを取り付けたり、箱自身に、札Fの内容を表示したりしてもよい。
【0046】
図6は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図7A〜図7Fは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
次に、図6および図7A〜図7Fを参照して、景品管理装置2によって実行される処理について説明する。以下では、計数データ(獲得数)分のパチンコ玉をまず特殊景品に交換する場合を想定している。
【0047】
まず、景品管理装置2が、景品交換モードにあって景品交換に係る処理が行われていない待機状態にある場合、店側表示部14および客側表示部16(図1および図2参照)のそれぞれには、図示しない待機画面が表示されている。なお、特別な待機画面が表示される必要はなく、計数データが入力(表示)されていない通常の(後述する)交換画面40(図7Aにおいて残玉数表示が空白の状態)が待機画面であってもよい。
【0048】
図6を参照して、待機状態において、制御部30(図3参照)は、ICカードリーダ5にカードCがセットされてICカードリーダ5がカードCから計数データを受け付けたか否かを監視している(ステップS1)。また、このとき、ICカードリーダ5がカードCからIDを受け付けた場合には、制御部30は、そのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている計数データをデータベースから受け付けたか否かを監視している、さらに、このとき、制御部30は、バーコードリーダ6(図2参照)がレシート(図示せず)のバーコードを読み取ることでレシートから計数データを受け付けたか否かも監視している。
【0049】
ICカードリーダ5がカードCから計数データを受け付けたり、データベースから計数データを受け付けたり、バーコードリーダ6がレシート(図示せず)から計数データを受け付けたりすることで計数データが入力されると(ステップS1でYES)、制御部30は、店側表示部14に交換画面40を表示する(ステップS2)。店側表示部14に交換画面40が表示された直後の状態が、図7Aに示されている。交換画面40では、たとえば、左上に、<交換モード>という見出しが表示され、この見出しの下に、残玉数表示欄41、特殊景品(大)表示欄42、特殊景品(中)表示欄43、特殊景品(小)表示欄44および一般景品表示欄45が、所定の配置パターンで表示されている。
【0050】
残玉数表示欄41には、前述したステップS1で入力された計数データ(獲得数)が残玉数として表示される。図7Aでは、残玉数は、1円パチンコ玉の残玉数であり、23980玉である。
特殊景品(大)表示欄42には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される大景品(特殊景品)の数が表示される。ここで、1円パチンコ玉は、大景品1個と交換するのに5000玉必要であるとする。
【0051】
特殊景品(中)表示欄43には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される中景品(特殊景品)の数が表示される。ここで、1円パチンコ玉は、中景品1個と交換するのに1000玉必要であるとする。
特殊景品(小)表示欄44には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される小景品(特殊景品)の数が表示される。ここで、1円パチンコ玉は、小景品1個と交換するのに500玉必要であるとする。つまり、1円パチンコ玉は、低レートであることから価値が低いので、500玉近くあったとしても500玉以上なければ、特殊景品に交換できない。そのため、遊技店舗において1円パチンコ玉の運用が進むと、1円パチンコ玉を一般景品に交換する頻度が増えることが想定される。
【0052】
一般景品表示欄45には、残玉数の範囲内でこれからパチンコ玉と交換される一般景品の種類(名前)とその個数とが表示される。
ここで、たとえば、客側表示部16(図1参照)には、残玉数の範囲内で交換可能な特殊景品の種類(大景品、中景品または小景品)とその個数が表示されていて、客は、その表示に基づいて、自分が所望する特殊景品の種類および個数を店員に伝える。これに応じて、店員は、キーボード7(図2参照)等を操作することによって、客が所望する特殊景品の種類および個数を入力して特殊景品を選択する。
【0053】
図6を参照して、このような特殊景品の選択があると(ステップS3でYES)、制御部30は、店側表示部14の交換画面40を更新する(ステップS4)。図7Bは、当初の残玉数が23980玉である場合(図7A参照)において4個の大景品および3個の中景品の選択(これらの特殊景品の種類および個数の入力)があった直後の状態を示している。この場合、特殊景品(大)表示欄42には、大景品の交換予定数(4個)が表示され、特殊景品(中)表示欄43には、中景品の交換予定数(3個)が表示されている。そして、残玉数表示欄41には、4個の大景品および3個の中景品と交換した後に景品と交換できる残玉数(残玉数の残り)が表示されている。つまり、制御部30は、景品選択があると、その都度、残玉数を、景品交換に必要なパチンコ玉数を差し引くことによって、更新する。
【0054】
一方、図6を参照して、ステップS2で交換画面40が表示されてから所定時間経過しても特殊景品の選択がない場合(ステップS3でNO,ステップS5でYES)、制御部30は、今回の取引をキャンセルして(ステップS6)、新たな計数データの入力を待つ(ステップS1)。
そして、制御部30は、特殊景品の選択が完了したか否かを確認する(ステップS7)。具体的には、店員がキーボード7(図2参照)等を操作することによって特殊景品の選択が完了したことを制御部30に入力したか否かを確認する。
【0055】
特殊景品の選択が完了していない場合には(ステップS7でNO)、制御部30は、特殊景品の新たな選択があるか否かを監視する(ステップS3)。図7Bの場合、残玉数が980玉なので、そのうちの500玉の1円パチンコ玉が小景品1個と交換できる。そのため、小景品1個の選択があれば(ステップS3でYES)、制御部30は、特殊景品(小)表示欄44に小景品の交換予定数(1個)を表示し、さらに、残玉数表示欄41の残玉数を更新することで(図7C参照)、交換画面40を更新する(ステップS4)。なお、残玉数に余裕があってまだパチンコ玉を特殊景品に交換できるとしても、その交換を望まない場合には、特殊景品の選択を完了することができる。
【0056】
図6を参照して、特殊景品の選択が完了すると(ステップS7でYES)、制御部30は、現時点における残玉数が所定数以上であるか否かを確認する(ステップS8)。この所定数とは、最も価値の低い一般景品1個と交換するのに必要なパチンコ玉数であり、この実施形態では、20玉景品(図4参照)と交換するのに必要な20玉である。
残玉数が所定数以上であれば(ステップS8でYES)、制御部30は、その残玉数で交換可能な一般景品のそれぞれに関連付けられた識別標識を交換画面40に表示する(ステップS9)。具体的には、図7Cを参照して、残玉数が480玉である場合には、480玉の残玉数は、前述した200玉景品、160玉景品、120玉景品、100玉景品、60玉景品、40玉景品および20玉景品(図4参照)という7種類の一般景品における少なくともいずれかと交換可能である。この場合、制御部30は、交換画面40の一般景品表示欄45に、一般景品選択欄46を表示する。一般景品選択欄46には、「一般景品を選択して下さい」というメッセージが表示されるとともに、そのメッセージの下に、「交換可能景品→」という見出しが表示され、この見出しの右側に、交換可能な全ての一般景品の識別標識を示す選択ボタン47を表示される。図7Cの場合、480玉の残玉数と交換可能な7種類の一般景品に応じて、7つの選択ボタン47が表示されている。各選択ボタン47には、対応する景品の識別標識である色が付されている。
【0057】
なお、一般景品の識別標識を、色でなく、数字とする場合には、図7Dに示すように、各選択ボタン47には、対応する景品の識別標識である数字が付されていて、一般景品の識別標識を、アルファベットとする場合には、図7Eに示すように、各選択ボタン47には、対応する景品の識別標識であるアルファベットが付されている。
そして、店員は、一般景品選択欄46に表示された選択ボタン47に付された識別標識(図7C〜図7E参照)を見て、客に、その識別標識が割り当てられた一般景品が選択できることを伝える。たとえば、図7Cの場合、店員は、赤、青、黄、緑、ピンク、オレンジ、紫の7つの選択ボタン47を見て、客に対して、「景品陳列棚において、赤、青、黄、緑、ピンク、オレンジ、紫の札のところの景品を選択できますよ。」と伝える。すると、客は、図5Aに示す景品陳列棚T(図1も参照)の景品Jを確認して、店員から伝えられた色の札Fの景品Jを探す。客は、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品の色(識別標識)と一致する色を見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。このとき、客が、たとえば、赤色の識別標識を選択して、赤色の札Fの景品J(200玉景品であり、ここでは、タバコ)が2個欲しいと店員に伝えると、店員は、交換画面40において赤色が付された選択ボタン47(図7C参照)を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)で景品の交換個数(2個)を入力する。これにより、一般景品の選択がなされる(ステップS10でYES)。
【0058】
また、図7Dの場合、店員は、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)の7つの選択ボタン47を見て、客に対して、「景品陳列棚において、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)の札のところの景品を選択できますよ。」と伝える。すると、客は、図5Bに示す景品陳列棚Tの景品Jを確認して、店員から伝えられた数字の札Fの景品Jを探す。客は、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品の数字(識別標識)と一致する数字を見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。このとき、客が、たとえば、数字(1)の識別標識を選択して、(1)の数字が付された札Fの景品J(200玉景品であり、ここでは、タバコ)が2個欲しいと店員に伝えると、店員は、交換画面40において(1)の数字が付された選択ボタン47(図7D参照)を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)で景品の交換個数(2個)を入力する。これにより、一般景品の選択がなされる(ステップS10でYES)。
【0059】
また、図7Eの場合、店員は、A、B、C、D、E、F、Gの7つの選択ボタン47を見て、客に対して、「景品陳列棚において、A、B、C、D、E、F、Gの札のところの景品を選択できますよ。」と伝える。すると、客は、図5Cに示す景品陳列棚Tの景品Jを確認して、店員から伝えられたアルファベットの札Fの景品Jを探す。客は、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品のアルファベット(識別標識)と一致するアルファベットを見つけることで、交換可能な景品を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。このとき、客が、たとえば、アルファベットAの識別標識を選択して、Aのアルファベットが付された札Fの景品J(200玉景品であり、ここでは、タバコ)が2個欲しいと店員に伝えると、店員は、交換画面40においてAのアルファベットが付された選択ボタン47(図7E参照)を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)で景品の交換個数(2個)を入力する。これにより、一般景品の選択がなされる(ステップS10でYES)。
【0060】
ここで、図6を参照して、ステップS9において、制御部30は、店側表示部14の交換画面40における一般景品選択欄46の内容(図7C〜図7F参照)を、店側表示部14だけでなく、客側表示部16(図1参照)に表示してもよい。つまり、制御部30は、ステップS9において、客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品について、当該景品の識別標識(色や数字やアルファベット)を店側表示部14および客側表示部16の少なくとも一方に表示する。
【0061】
以上により、店員は、残玉数で交換できる一般景品が何かを、自分の頭で考えなくても、選択ボタン47に付された色、数字またはアルファベットといった簡単な識別標識を見ることで直感的に把握できる。また、店員は、店側表示部14に表示された選択ボタン47の識別標識(図7C〜図7E参照)を客に伝えるだけで、交換可能な景品を客に速やかに分かり易く教えることができる。よって、交換可能な景品を店員自身が考える手間や時間を省くことができる。一方、客は、店員から伝えられた識別標識から、選択できる景品を景品陳列棚T(図1および図5A〜図5C参照)から直感的に素早く見つけることができる。よって、景品交換を迅速に行うことができ、その分、景品カウンタKにおける客の待ち時間の短縮を図ることができる。また、識別標識が客側表示部16(図1参照)に表示されれば、客は、店員から教わらなくても、客側表示部16に表示された一般景品選択欄46の選択ボタン47の識別標識を見ることによって、交換可能な景品を速やかに把握することができる。
【0062】
ここで、客は、交換可能な景品について、景品の具体的な名前(景品名)ではなく、識別標識といった簡単な情報だけを店員または客側表示部16から得るので、景品名を知らなくても、該当する識別標識で特定された景品を選べばよい。これにより、客は、景品名に基づいて景品を探す場合と比べて、スムーズに景品を見つけて選択できる。よって、景品交換に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0063】
また、識別標識は、色、数字または記号(ここでは、アルファベット)を含む簡単な内容の標識である。そのため、店員は、交換可能な景品に対応付けられた色、数字または記号といった簡単な内容の識別標識を客に伝えることで、交換可能な景品を客に正確かつスピーディに教えることができる。また、客も、このような簡単な識別標識を正確かつスピーディに把握でき、さらに、このような簡単な識別標識で特定された景品を間違えることなくスムーズに見つけて選択できる。よって、景品交換に要する時間の更なる短縮化を図ることができる。
【0064】
そして、前述した一般景品の選択がされると(ステップS10でYES)、制御部30は、残玉数を算出(更新)する(ステップS11)。具体的には、前述したように、一般景品を選択する前の時点における残玉数が480玉であった場合において(図7C〜図7E参照)、200玉景品が2個選択されると(ステップS10でYES)、制御部30は、ステップS11において、残玉数が80玉(=480−200×2)であると算出する。
【0065】
そして、制御部30は、ステップS11で算出した最新の残玉数(ここでは、80玉)を残玉数表示欄41に表示し、ステップS10で選択された一般景品の種類(景品名)および個数を一般景品表示欄45に表示する(ステップS12)。つまり、図7Cの状態で200玉景品が2個選択されると、図7Fに示すように、残玉数表示欄41の残玉数は、80玉になり、一般景品表示欄45には、「200玉景品」という景品名と、「2個」という個数とが表示される。
【0066】
そして、図6を参照して、制御部30は、ステップS11で算出した残玉数が前記所定数(ここでは、20個)以上であるか否かを確認する(ステップS13)。残玉数が前記所定数以上であれば(ステップS13でYES)、この残玉数で交換可能な一般景品の識別標識を新たに表示する(ステップS9)。具体的には、各一般景品の識別標識が色であって(図7C参照)、ステップS11で算出された残玉数が80玉である場合には、80玉の残玉数は、60玉景品、40玉景品および20玉景品(図4参照)という3種類の一般景品における少なくともいずれかと交換可能である。この場合、制御部30は、図7Fに示すように、一般景品選択欄46に、この残玉数で交換可能な全ての一般景品の識別標識を示す選択ボタン47を表示する。図7Fでは、60玉景品の識別標識であるピンク色が付された選択ボタン47と、40玉景品の識別標識であるオレンジ色が付された選択ボタン47と、20玉景品の識別標識である紫色が付された選択ボタン47という3つの選択ボタン47が表示されている。
【0067】
このように、交換する景品が選択されることで遊技媒体数(残玉数)が変化すれば(ステップS13)、店側表示部14および客側表示部16の少なくとも一方の表示画面に表示される識別標識が制御部30によって変更(更新)される。つまり、客が交換したい景品を選ぶことによって(ステップS10)、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると(ステップS13)、制御部30は、残りの遊技媒体数に応じて識別標識を変更して前記表示画面に表示する(ステップS9)。そのため、店側表示部14および客側表示部16には、現時点の遊技媒体数で交換できる景品についての識別標識(選択ボタン47)が正しく表示されることとなり、使い勝手がよい。
【0068】
店員は、今回表示された選択ボタン47を見て、その識別標識(色、数字またはアルファベット)の景品が交換できることを客に伝える。このときも、一般景品選択欄46の内容が店側表示部14だけでなく、客側表示部16(図1参照)に表示されてもよい。客は、店員から伝えられたり、客側表示部16の表示から自分で見つけたりした識別標識が付された札Fの景品Jを景品陳列棚T(図5A〜図5C参照)の中から見つけて、交換を希望する景品の識別標識を店員に伝える。
【0069】
店員は、客の所望する景品の識別標識(図7Fでは色)が付された選択ボタン47を押し、さらに、キーボード7のテンキー8(図2参照)等で景品の交換個数を入力する。これにより、図6を参照して、一般景品が再び選択される(ステップS10でYES)。一般景品が再び選択されると、残玉数が更新され(ステップS11)、更新された残玉数と、選択された一般景品名および個数とが交換画面40に表示される(ステップS12)。なお、今回追加で選択された一般景品名および個数は、既に一般景品表示欄45に表示されている一般景品名および個数(図7Fでいう「200玉景品」「2個」)の下に表示される。
【0070】
このように、残玉数が前記所定数以上であると、その残玉数で交換可能な一般景品の識別標識が選択ボタン47となって表示され、一般景品の選択によって残玉数が更新される(減少する)と、その都度、選択ボタン47の表示数も更新されて減少する(図7Cおよび図7F参照)。
そして、残玉数が前記所定数未満になると(ステップS13でNO)、制御部30は、景品交換処理を行う(ステップS14)。また、特殊景品の選択完了直後の残玉数が前記所定数未満である場合にも(ステップS8でNO)、制御部30は、景品交換処理を行う(ステップS14)。また、残玉数が前記所定数以上あって交換可能な一般景品の識別標識が表示されている場合において(ステップS9)、一般景品の選択が所定時間行われなかった場合にも(ステップS10でNO,ステップS15でYES)、制御部30は、景品交換処理を行う(ステップS14)。
【0071】
景品交換処理の際、制御部30は、ステップS3で選択された特殊景品の種類および個数を含む特殊景品払い出し指令を、景品払出装置1(図1参照)に送信するとともに、ステップS3で選択された特殊景品について、メモリ30A(図3参照)で記憶されている在庫数を減らして更新する。特殊景品払い出し指令を受信した景品払出装置1は、その指令で指定された種類の特殊景品を指定された数だけ客に払い出す。
【0072】
また、ステップS10において識別標識に基づく一般景品の選択があった場合には、景品交換処理に関連して、店員は、バーコードリーダ6(図2参照)を把持する。そして、店員は、交換画面40を見ながら、交換画面40の一般景品表示欄45に表示された景品名(図7F参照)の景品Jを、景品陳列棚T(図1参照)から交換個数(一般景品表示欄45に表示された個数)だけ取り出す。ここで、各景品Jには、それぞれの景品名を識別するためのバーコードが付与されている。店員は、景品陳列棚Tから取り出した各景品Jのバーコードにバーコードリーダ6のバーコード読取部18(図2参照)を接近させてバーコードリーダ6に各景品Jのバーコードを読み取らせた後、バーコードの読み取りが完了した景品Jを客に払い出す。このように、店員は、店側表示部14に表示された景品名および交換個数(景品情報)に基づいて、景品Jを客に払い出すことができる。そして、景品Jを客に払い出すことにより、当該客が選択した識別情報に関連付けられた景品Jが、この客の獲得したパチンコ玉(厳密には、残玉数分のパチンコ玉)と交換される。
【0073】
制御部30は、景品交換処理として、バーコードリーダ6が景品Jのバーコードを読み取る毎に、その景品Jが客に正しく払い出されたとして、メモリ30Aに記憶されているその景品Jの在庫数を減らして更新する。制御部30は、交換画面40の一般景品表示欄45に表示された全ての景品名(図7Fの場合は、200玉景品だけ)の景品Jについて、同様の処理を行う。
【0074】
また、制御部30は、景品交換処理の一環として、交換画面40の一般景品表示欄45に表示された全ての景品名(図7F参照)の景品Jのうち、客に払い出されていない最後の景品Jのバーコードがバーコードリーダ6によって読み取られたときに、制御部30は、カードCに記憶されている計数データ(図7Aでいう23980玉)を、最終的に景品交換されなかった残玉数(図7Fでいう80玉)に書き換えてもよい。
【0075】
なお、計数データが、カードCのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている場合には、制御部30は、最後の景品のバーコードがバーコードリーダ6によって読み取られたときに、データベースに記憶されている計数データを書き換える旨の指令をターミナルコンピュータに送信する。この指令を受けたターミナルコンピュータは、データベースにおいて該当する獲得数(図7Aでいう23980玉)を、最終的に景品交換されなかった残玉数(図7Fでいう80玉)に書き換える。
【0076】
景品交換処理の後、ICカードリーダ5からカードCが取り外されると、一連の景品交換取引が完了する。このタイミング(景品交換取引完了後)に景品の在庫数を更新してもよい。また、景品の在庫数の更新タイミングを、特殊景品および一般景品のそれぞれが選択されたタイミング(ステップS3,S10でYES)としてもよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0077】
たとえば、前述したように店側表示部14の表示内容(図7A〜図7F参照)が客側表示部16(図1参照)に表示される場合、客側表示部16に選択ボタン47(図7C〜図7F参照)を表示することができて、客が選択ボタン47を選んで押すことによって、客自らが一般景品を選択できてもよい。
また、前述した実施形態では、ICカードリーダ5等から入力された当初の計数データ(獲得数)のパチンコ玉のうち、特殊景品に交換できなかった分を一般景品に交換しているが、当初の計数データのパチンコ玉を全て一般景品に交換する場合にも、本発明は適用できる。この場合、前述したステップS3〜ステップS8の処理が省略され、計数データが入力されると(ステップS1でYES)、交換画面40(図7A参照)が表示され(ステップS2)、その計数データで交換可能な一般景品の識別標識が速やかに表示される(ステップS9)。
【0078】
また、前述した実施形態では、一般景品を、色、数字またはアルファベットといった識別標識で区別して、交換可能な景品の識別標識を客に伝えている。これに代えて、または、これに組み合わせて、景品陳列棚T(図1および図5A〜図5C参照)において、陳列された景品毎に電子棚札やイルミネーションを設けておいて、残玉数と交換可能な景品については、景品管理装置2からの制御によって当該景品に対応する電子棚札やイルミネーションだけが発光や点滅等するようにして、交換可能な景品を客に伝えてもよい。たとえば、図5Aを参照して、前述した札FのイルミネーションライトLを発光させたりしなかったりすることで、札Fを点灯または点滅させる。具体的には、店側表示部14または客側表示部16において表示された複数の選択ボタン47(識別標識)のいずれかがステップS10で選択されたことに応じて、制御部30が、選択された識別標識を示す札Fを点灯または点滅させる。つまり、景品陳列棚Tにおいて、交換可能な景品Jの識別標識と一致する識別標識が、点灯または点滅することで強調表示されるので、客は、該当する識別標識(交換可能な景品J)を景品陳列棚Tの中から速やかに見つけることができる。
【0079】
また、交換が制限されている一般景品があれば、残玉数が必要数以上あっても、当該一般景品についての識別標識(前述した選択ボタン47)が交換画面40に表示されないようにしてもよい。
また、一般景品表示欄45(図7A参照)は、全ての景品についての景品表示欄であってもよい。つまり、一般景品表示欄45には、一般景品だけでなく、交換する特殊景品の種類および個数も表示してもよい。
【0080】
また、一般景品の選択方法の別の実施例として、タッチパネルスイッチ15による選択以外に、キーボード7の一般景品選択キー9を押すことで選択してもよい(図2参照)。
また、図6を参照して、前述した制御部30(図3参照)は、特殊景品の選択(ステップS3)によって残玉数が少なくなって当該残玉数では交換可能な特殊景品がなくなったときに、当該残玉数で交換可能な一般景品の識別標識を自動的に表示してもよい(ステップS9)。具体的には、景品交換の対象となる遊技媒体数(残玉数)が、前述した小景品を交換するために必要な数に1つ足らない(第1)所定数(ここでは499玉)以下、または小景品を交換するために必要な(第2)所定数(ここでは500玉)未満になった場合には、当該(第1)所定数(499玉)以下または当該(第2)所定数(500玉)未満の残玉数(つまり、499玉)では遊技媒体を特殊景品にできない。このような場合になると、制御部30は、当該(第1)所定数以下または当該(第2)所定数未満の残玉数(499玉)で交換可能な一般景品の識別標識を自動的に店側表示部14および客側表示部16の少なくとも一方に表示する。これにより、識別標識が表示されると、遊技媒体数(残玉数)が(第1)所定数以下または(第2)所定数未満になったことを把握できるので、使い勝手がよい。
【符号の説明】
【0081】
2 景品管理装置
14 店側表示部
16 客側表示部
30 制御部
T 棚
J 景品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う装置であって、
店舗の店員が確認および操作をするための店側表示部と、客に景品交換のための情報を表示するための客側表示部と、を有する景品管理装置において、
客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品に対応付けられた景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する景品識別標識表示制御手段、を有することを特徴とする、景品管理装置。
【請求項2】
前記景品識別標識は、色、数字または記号を含むことを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置。
【請求項3】
前記景品識別標識表示制御手段は、景品交換の対象となる遊技媒体数が所定数以下または所定数未満になった場合に、前記景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示することを特徴とする、請求項1または2記載の景品管理装置。
【請求項4】
交換する景品が選択されることで遊技媒体数が変化すれば、前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示される前記景品識別標識を変更する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項5】
前記店側表示部の近傍に設けられ、前記景品識別標識が付された景品陳列棚をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項6】
前記景品陳列棚に付された景品識別標識は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされており、
前記店側表示部または客側表示部において表示された複数の景品識別標識のいずれかが選択されたことに応じ、前記景品陳列棚に付された景品識別標識を点灯または点滅させる識別標識連動制御手段、を有することを特徴とする、請求項5記載の景品管理装置。
【請求項7】
遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う景品管理装置を利用した景品交換方法であって、
景品に対して、色、数字または記号を含む識別標識を関連付けるステップと、
客が獲得した遊技媒体を景品に交換することを希望する際、前記景品管理装置の表示画面に、交換可能な景品に関連付けられた前記識別標識を表示するステップと、
客が識別標識を選択することにより、その識別標識に関連付けられた景品を、客の獲得した遊技媒体と交換するステップと、
を含むことを特徴とする、景品交換方法。
【請求項8】
客が交換したい景品を選ぶことによって、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると、残りの遊技媒体数に応じて前記識別標識を変更するステップと、
変更された前記識別標識を前記表示画面に表示するステップとを含むことを特徴とする、請求項7記載の景品交換方法。
【請求項1】
遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う装置であって、
店舗の店員が確認および操作をするための店側表示部と、客に景品交換のための情報を表示するための客側表示部と、を有する景品管理装置において、
客が獲得した遊技媒体の数で交換可能な景品に対応付けられた景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示する景品識別標識表示制御手段、を有することを特徴とする、景品管理装置。
【請求項2】
前記景品識別標識は、色、数字または記号を含むことを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置。
【請求項3】
前記景品識別標識表示制御手段は、景品交換の対象となる遊技媒体数が所定数以下または所定数未満になった場合に、前記景品識別標識を前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示することを特徴とする、請求項1または2記載の景品管理装置。
【請求項4】
交換する景品が選択されることで遊技媒体数が変化すれば、前記店側表示部および客側表示部の少なくとも一方に表示される前記景品識別標識を変更する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項5】
前記店側表示部の近傍に設けられ、前記景品識別標識が付された景品陳列棚をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項6】
前記景品陳列棚に付された景品識別標識は、電気・電子的に点灯・消灯可能にされており、
前記店側表示部または客側表示部において表示された複数の景品識別標識のいずれかが選択されたことに応じ、前記景品陳列棚に付された景品識別標識を点灯または点滅させる識別標識連動制御手段、を有することを特徴とする、請求項5記載の景品管理装置。
【請求項7】
遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換処理を行う景品管理装置を利用した景品交換方法であって、
景品に対して、色、数字または記号を含む識別標識を関連付けるステップと、
客が獲得した遊技媒体を景品に交換することを希望する際、前記景品管理装置の表示画面に、交換可能な景品に関連付けられた前記識別標識を表示するステップと、
客が識別標識を選択することにより、その識別標識に関連付けられた景品を、客の獲得した遊技媒体と交換するステップと、
を含むことを特徴とする、景品交換方法。
【請求項8】
客が交換したい景品を選ぶことによって、新たに景品と交換できる遊技媒体数が減少すると、残りの遊技媒体数に応じて前記識別標識を変更するステップと、
変更された前記識別標識を前記表示画面に表示するステップとを含むことを特徴とする、請求項7記載の景品交換方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【公開番号】特開2012−139261(P2012−139261A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292175(P2010−292175)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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