説明

景品識別装置

【課題】景品の識別をより効率的に行う。
【解決手段】遊技媒体の数に応じた価値を有する金属が非金属ケースに内蔵されている景品の真偽を識別する景品識別装置において、前記景品を装着可能に形成された複数の景品装着部が整列して設けられたトレイを収容可能なトレイ収容部と、前記トレイが前記トレイ収容部に収容された際に、前記トレイに整列して設けられた前記景品装着部に沿って移動し、前記景品装着部に装着された景品に近接する毎に、景品内の金属の特性を検知するセンサユニットと、前記センサユニットによる検知結果に応じて、当該金属を内蔵する前記景品の真偽を識別する識別回路と、を備えることを特徴とする景品識別装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体の数に応じた価値を有する金属が非金属ケースに内蔵された景品が知られている。例えば、純金等の貴金属がプラスチックケース内に埋め込まれた景品が遊技施設等で使用されており、この景品は貴金属の重量に応じた価値を有している。
【0003】
このような景品の価値を識別するに際しては、先ず、同景品が真正品であることが前提となる。このため、景品が真正品であるか否かの識別を行うための様々な技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−125211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これまでの技術では、景品識別装置に識別対象の景品をセットすると、モータ等により駆動されたベルト上を景品が1枚ずつ搬送され、センサにより景品が1枚ずつ識別されていた。そのため全ての景品を識別するために相応の時間を要していた。
【0006】
また景品の識別作業を行う作業者は、景品を所定のトレイに並べて取り扱っているため、景品の真偽を識別する際には、景品をトレイから一旦取り出して景品識別装置にセットし、さらに識別処理を終了した景品を景品識別装置から取り出して再びトレイに戻す手間や時間も掛かっていた。
そのため、景品の識別をより効率的に行うことを可能にする技術が求められている。
本発明はこのような課題を鑑みてなされたもので、景品の識別をより効率的に行うことを可能にする景品識別装置を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段の一つは、遊技媒体の数に応じた価値を有する金属が非金属ケースに内蔵されている景品の真偽を識別する景品識別装置において、前記景品を装着可能に形成された複数の景品装着部が整列して設けられたトレイを収容可能なトレイ収容部と、前記トレイが前記トレイ収容部に収容された際に、前記トレイに整列して設けられた前記景品装着部に沿って移動し、前記景品装着部に装着された景品に近接する毎に、景品内の金属の特性を検知するセンサユニットと、前記センサユニットによる検知結果に応じて、当該金属を内蔵する前記景品の真偽を識別する識別回路と、を備える景品識別装置である。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄の記載、及び図面の記載等により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、景品の識別をより効率的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る景品識別装置の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係るトレイの平面図である。
【図3】本実施形態に係るトレイの正面図である。
【図4】本実施形態に係るセンサユニットの構成例を示す図である。
【図5】本実施形態に係るセンサユニットの位置を示す図である。
【図6】本実施形態に係るセンサユニットの位置を示す図である。
【図7】本実施形態に係るセンサユニットの位置を示す図である。
【図8】本実施形態に係る景品識別装置のA−A’断面図である。
【図9】本実施形態に係る景品識別装置のA−A’断面図である。
【図10】本実施形態に係るコイルホルダと景品内の金属とを示す図である。
【図11】本実施形態に係る景品識別装置の処理を司る構成の一例を示す図である。
【図12】本実施形態に係る整流回路からの検出電圧の時間変化の一例を示すグラフである。
【図13】本実施形態に係る景品の真偽を識別するための判定条件の一例を示す図である。
【図14】本実施形態に係る表示部の一例を示す図である。
【図15】本実施形態に係る景品識別装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
===景品識別装置の構成例===
図1乃至図11を参照しつつ、本実施の形態の景品識別装置1000の構成例について説明する。
【0011】
<全体構成>
図1に示すように、景品識別装置1000は、筐体100と、センサユニット700と、ガイドシャフト200と、位置検出用部材(目印形成部)300と、トレイ受け(トレイ収容部)400と、制御部(識別回路)500と、センサユニット待機部600と、センサユニット駆動装置800とを備えて構成される。なお図1では、制御部500とセンサユニット駆動装置800は省略されている。
筐体100は、前面及び上面が開口された直方形状をしている。この前面は、図1においてY−Z平面に平行な開口面であり、上面は、X−Y平面に平行な開口面である。
【0012】
筐体100には、筐体100の長尺方向(第1方向。図1に示すY軸方向)に沿ってガイドシャフト200が設置されている。そしてこのガイドシャフト200に沿ってセンサユニット700が移動する。センサユニット700は、制御部500がモータ等のセンサユニット駆動装置800を駆動することにより、ガイドシャフト200に沿って移動する。
【0013】
また位置検出用部材300が、筐体100の背面(図1においてY−Z平面に平行な、上記前面に対向する面)に、上記長尺方向に沿って設けられている。位置検出用部材300は、センサユニット700がガイドシャフト200に沿って移動する方向に沿って所定間隔ごとに目印(突起部)が形成されており、センサユニット700がこの目印を検出することにより、制御部500はセンサユニット700の位置を特定する。
【0014】
図8及び図9に示す景品識別装置1000のA−A’断面図を参照すると、センサユニット700は、発光部741と受光部742とを有するフォトインタラプタ740を備えている。詳細は後述するが、本実施形態に係るセンサユニット700は、2個のフォトインタラプタ740A、740Bを備えている。
【0015】
この発光部741と受光部742は、センサユニット700がガイドシャフト200に沿って移動する際に、発光部741と受光部742との間を位置検出用部材300に所定間隔毎に形成されている突起部(目印)が通過するように、センサユニット700に取り付けられている。センサユニット700は、発光部741から出力された光が位置検出用部材300の突起部により遮られ、受光部742で受光できなくなることを検知することによって、位置検出用部材300の目印を検知する。
【0016】
図1に戻って、トレイ受け400は、筐体100の底面(X−Y平面に平行な、上記上面に対向する面)上にトレイ10を収容可能に形成されている。トレイ10は、図2及び図3に示すように、長方形板状の形状をしており、長尺方向に相対する2つの短辺には、取っ手12が形成されている。トレイ10の内部には、矩形板状の景品20の形状に合わせて形成された複数の景品装着部11が長尺方向及び短尺方向にそれぞれ整列して設けられている。
【0017】
景品装着部11は、例えば、景品20をはめ込めるように景品20の形状に合わせてトレイ10上に形成されたくぼみである。各景品装着部11に景品20を装着することによって、トレイ10上に複数の景品20を整列して装着することが可能である。本実施形態に係るトレイ10は、例えば4×10のマトリクス状に景品装着部11が形成されており、最大で40個の景品20を装着可能である。
【0018】
尚、本実施形態に係る景品20は、各種遊技媒体の数に応じた価値を有する例えば純金等の金属21が例えばプラスチック等の非金属ケース22に内蔵されたものである。
【0019】
図1に戻って、センサユニット700は、トレイ10がトレイ受け400に収容された際に、ガイドシャフト200に沿って移動することによりトレイ10上に整列する景品装着部11に沿って移動し、景品装着部11に装着された景品20に近接する毎に、景品20内の金属21の特性を検知する。そしてその検知結果に応じて、制御部500が、当該金属21を内蔵している景品20の真偽を識別する。
【0020】
なお、本実施形態に係るトレイ受け400には、トレイアダプタ410を装着することが可能である。トレイアダプタ410をトレイ受け400に装着することにより、様々なサイズのトレイ10をトレイ受け400に収容することが可能である。例えば、図15に示すようにトレイアダプタ410をトレイ受け400に装着することにより、図1に示したトレイ10よりも長尺方向に短いトレイ10を収容することが可能である。
【0021】
また図1や図15に示すように、本実施形態では、センサユニット700の移動方向とトレイ10の長尺方向とが平行になる向きにトレイ10をトレイ受け400に収容する。
【0022】
また、位置検出用部材300に設けられている目印は、トレイ受け400にトレイ10が収容された際に、トレイ10の長尺方向に整列する10個の景品装着部11のそれぞれに相対する位置に設けられている。つまり、本実施形態に係る位置検出用部材300は、センサユニット700が移動する方向に沿ってトレイ10上に並ぶ10個の景品装着部11にそれぞれ対応する位置に10個の目印が形成されている。
【0023】
また本実施形態に係る位置検出用部材300は、トレイ受け400に収容されるトレイ10のサイズに応じて、隣接する目印同士の間隔が異なる位置検出用部材300A、300Bを備えている。そしてセンサユニット700に設けられる2個のフォトインタラプタ740A、740Bのうち一方のフォトインタラプタ740Aは、位置検出用部材300Aに設けられた目印を検知し、他方のフォトインタラプタ740Bは、位置検出用部材300Bに設けられた目印を検知する。
【0024】
なお、本実施形態に係る景品識別装置1000は、識別対象の景品20を装着するトレイ10のサイズに合わせて、隣接する目印同士の間隔が異なる様々な種類の位置検出用部材300を採用することが可能である。そのため、例えばこれまで使用してきたトレイ10とはサイズの異なるトレイ10を新たに使用する場合などには、新たなトレイ10において長尺方向に隣接する景品装着部11間の間隔に合わせて目印が形成された新たな位置検出用部材300に交換することも可能である。
【0025】
センサユニット待機部600は、本実施形態に係る景品識別装置1000が景品20の真偽の識別処理を開始する前や識別処理を終了した後に、センサユニット700が待機するスペースである。センサユニット待機部600は、トレイ受け400に隣接する位置に設けられているため、トレイ10をトレイ受け400に収容する作業やトレイ受け400から取り出す作業の際に、センサユニット700が邪魔にならずに済む。そのため、トレイ10の収容作業や取り出し作業を効率良く行うことが可能である。
【0026】
またセンサユニット待機部600には、制御部500が景品装着部11に装着された景品20の真偽を識別する際の基準を定めるための金属21が装着されている。基準を定めるための金属21は、例えば純金などの真正な金属21である。そしてセンサユニット700がセンサユニット待機部600に待機している間に、センサユニット700はセンサユニット待機部600に装着されている基準となる金属21の特性を検知しておく。そして制御部500は、トレイ10上に並べられた識別対象の景品20の真偽を識別する際に参照する判定条件(閾値等)等の基準を、上記基準となる金属21に対する検知結果に基づいて求め、記憶しておく。
【0027】
このように、トレイ10上の景品20に対する識別処理が行われていない間に、基準となる金属21に対する特性の検知を行い、トレイ10上の景品20の識別処理に用いる判定条件の設定や更新を行っておくようにすることにより、景品識別装置1000の利用者が上記設定や更新を行う手間や時間を省くことができると共に、例えば温度や湿度、電源電圧等の外部環境条件の変化や、経年変化等によってセンサユニット700の検知能力が変化したとしても、景品20の真偽の識別を正確に行うことが可能となる。
なお、トレイ10上の景品20に対する識別処理が行われていない間に、センサユニット700が基準となる金属21に対する特性の検知を行い、トレイ10上の景品20の識別処理に用いる判定条件の設定や更新を行っておくようにする機能を、以下キャリブレーション機能とも記す。
【0028】
<センサユニット>
センサユニット700は、トレイ10がトレイ受け400に収容された際に、トレイ10に整列して設けられた景品装着部11に沿って移動し、景品装着部11に装着された景品20に近接する毎に、景品20内の金属21の特性を検知する。
図4に示すように、センサユニット700は、ホルダ750と、センサベース760と、コイルホルダ770と、を備えている。
【0029】
ホルダ750には、ガイドシャフト200を貫通させるための穴が設けられており、この穴を通したガイドシャフト200に沿ってセンサユニット700が摺動する。
【0030】
また詳細は後述するが、センサベース760は、ホルダ750に取り付けられた略L字型のアーム720により支持されている。そしてアーム720が接続部722を中心に回動することにより、センサベース760が上昇、下降する。
【0031】
センサベース760にはコイルホルダ770が装着されている。従ってセンサベース760が上昇、下降することによって、コイルホルダ770も上昇、下降する。
【0032】
また、センサユニット700がガイドシャフト200に沿って摺動すると、それに伴い、コイルホルダ770がトレイ10上に装着された景品20上を移動する。その際コイルホルダ770は、トレイ10に装着された景品20に近接する毎に、各景品20内の金属21の特性を検知する。
【0033】
なお本実施形態に係るセンサユニット700には、トレイ10をトレイ受け400に収容した場合にガイドシャフト200の方向と直交する方向(第2方向。図1に示すX軸方向)にトレイ10上に形成されている4個の景品装着部11に対応して、4個のコイルホルダ770が設けられている。このため、本実施形態に係るセンサユニット700は、センサユニット700の移動方向(第1方向)に直交する方向(第2方向)に並ぶ4個の景品20内の金属21の特性を並列に検知することが可能である。これにより、トレイ10上の景品20の真偽を行うために要する時間を短縮することが可能である。
【0034】
また各コイルホルダ770には車輪772が設けられている。コイルホルダ770に車輪772を設けることにより、例えばトレイ10上に並べられた隣り合う景品20間に段差等があっても、車輪772がクッションとして機能し、景品20とコイルホルダ770の衝突を防ぎ、コイルホルダ770のスムースな移動が可能となる。このため、センサユニット700の移動速度を向上させ、より短時間でトレイ10上の景品20の真偽を行うことが可能となる。
【0035】
またコイルホルダ770に車輪772を設けたことにより、センサユニット700がガイドシャフト200に沿って移動する際に、コイルホルダ770は車輪772を景品20と接触させながら走行することも可能である。このようにすることにより、トレイ10上に並ぶ各景品20に対して、コイルホルダ770と景品20との間の距離を同一にして金属21の特性を検知することが可能となる。このため、各金属21に対する特性の検知結果のばらつきを抑え、各景品20の真偽の識別精度を向上させることも可能となる。
【0036】
センサベース760は、ホルダ750に取り付けられた、略L字型に屈曲した板状のアーム720によって支持されている。アーム720は、屈曲部がホルダ750に設けられた接続部722に回動可能に取り付けられている。
【0037】
図8及び図9に示すように、センサベース760は、アーム720の一方の端部であるセンサベース支持部723に支持されている。従って、アーム720が接続部722を中心に回動することにより、センサベース支持部723の位置が移動し、センサベース760の高さが制御される。
図8はセンサベース760が上昇した位置にある場合を示し、図9は、センサベース760が下降した位置にある場合を示す。
センサベース760の上昇及び下降は、制御部500が、ホルダ750に取り付けられたステッピングモータ710を制御することにより行われる。
【0038】
ステッピングモータ710は、モータ本体711と軸712とを備えており、制御部500がモータ本体711に所定数のパルスを入力することにより、軸712が軸方向に所定量だけ移動する。
ステッピングモータ710は、軸712の先端がアーム720に設けられた接触部721に当接するように、ホルダ750に取り付けられている。
【0039】
ステッピングモータ710の軸712がアーム720の接触部721を押す向きに移動すると、軸712の先端に当接するアーム720の接触部721には、接続部722を中心にアーム720を、図8及び図9において反時計回りに回動させるように力が加わる。そしてアーム720が回動すると、アーム720のセンサベース支持部723の位置が下降し、それに伴いセンサベース760が下降する。
【0040】
また一方で、アーム720を、図8及び図9において時計回りに回動させるために、アーム720は、ステッピングモータ710の軸712と平行に設けられるばね730により牽引されている。ばね730の一端はアーム720に固定され、他端はホルダ750に固定されている。
【0041】
従って、ステッピングモータ710の軸712がアーム720の接触部721から離れる向きに移動すると、アーム720はばね730に牽引され、接続部722を中心に図8及び図9において時計回りに回動し、センサベース760が上昇する。
【0042】
<センサユニット700の動き>
本実施形態に係るセンサユニット700は、景品識別装置1000が景品20の真偽の識別処理を開始する前は、図5に示すように、センサユニット待機部600に待機している。このときセンサユニット700は、図8に示すように、センサベース760を上昇位置に保持している。
【0043】
景品識別装置1000が景品20の真偽の識別処理を開始すると、センサユニット700は、図6及び図7に示すように、トレイ10上に整列する景品20に沿って移動する。このときセンサユニット700は、図9に示すように、センサベース760を下降位置に移動させる。そしてコイルホルダ770は、車輪772を景品20に接触させながら景品20上を移動し、各景品20に近接する毎に、移動方向に並ぶ各景品20の金属21の特性を検知する。
景品識別装置1000が景品20の真偽の識別処理を終了すると、センサユニット700は、図5及び図8に示すように、センサベース760を上昇位置に移動させ、再びセンサユニット待機部600に戻る。
【0044】
<コイルホルダ770>
次に、コイルホルダ770が、景品20内の金属21の特性を検知する際の様子を図10を参照しながら説明する。
図10に示すように、コイルホルダ770は、車輪772を景品20に接触させながら、景品20上を移動し、景品20内の金属21の特性を検知する。
【0045】
コイルホルダ770はコイル773を有する。コイル773は、コイルホルダ770が景品20の上を移動する際に、景品20内の矩形シート状の金属21と対向する位置を通過するようにコイルホルダ770内に設けられる。
【0046】
コイル773は、略円盤状のフェライトコア777に巻回された状態でコイルホルダ770に収容されている。コイル773をフェライトコア777に巻回することにより、コイル773から発生する磁界の強度を上げ、コイル773から発生する磁界を、景品20内の金属21と相互作用する範囲まで及ぼすことが可能となる。
【0047】
また、コイルホルダ770が景品20内の金属21上を通過する際に、コイルホルダ770内のコイル773と対をなして相互作用することにより磁界を強めあうように、対となるコイル773を予めトレイ10の内部に設置しておくようにしても良い。
【0048】
この場合、トレイ10の内部にあらかじめ設置しておく、対となるコイル773は、トレイ10の景品装着部11に装着した景品20内の金属21と対向する位置に設置しておく。
【0049】
このように対となるコイル773をトレイ10内に設置しておくことにより、コイルホルダ770が景品20内の金属21上を通過する際に、コイルホルダ770内のコイル773とトレイ10内のコイル773とが対をなして相互作用することにより磁界を強めあうことができ、金属21の検知精度をさらに向上させることが可能となる。
【0050】
また図11に示すように、コイルホルダ770は、発振器774、検出回路775、整流回路776を有している。
発振器774は、コイル773に対し、例えば略10kHzの正弦波を出力する。
検出回路775は、発振器774から出力された正弦波によってコイル773から発生した磁界が金属21との相互作用により影響を受けた結果、コイル773のインピーダンスが変化したとき、その変化量を検出して同変化量に応じた交流信号を出力する。尚、コイル773のインピーダンスは、金属21の導電率に応じた変化量をもって変化する。
【0051】
具体的には、検出回路775は、発振器774から出力された正弦波の振幅の変化と位相の変化を検出し、振幅の変化に応じた第1交流信号と、位相の変化に応じた第2交流信号とを出力する。
【0052】
整流回路776は、検出回路775から出力された第1交流信号を整流して、この整流の結果得られた信号を第1検出電圧として出力する。また整流回路776は、検出回路775から出力された第2交流信号を整流して、この整流の結果得られた信号を第2検出電圧として出力する。
【0053】
<制御部500>
図11に示すように、制御部500は、コイルホルダ770内の整流回路776から出力された第1検出電圧及び第2検出電圧に応じて、景品20の真偽を識別する。
制御部500は、判別回路510、CPU560、カウンタ540、541、RAM550、ROM551、操作スイッチ520、表示部530を備えている。
【0054】
判別回路510は、コイルホルダ770内の整流回路776から出力された検出電圧のピーク値に応じて、金属21の材質の真偽を判別する。
尚、後述するように、判別回路510は、景品20内の金属21とコイル773とが対向したときの検出電圧のピーク値が真正品の金属に対応する所定の基準範囲(例えば第1閾値と第2閾値との間)にあるか否かを判定し、同ピーク値が同基準範囲にある場合に金属21の材質が真であると判別する。
また、本実施形態に係るセンサユニット700は4個のコイルホルダ770を有し、各コイルホルダ770は独立に景品20内の金属21の読み取りを行うため、4個の整流回路760からはそれぞれ独立に検出電圧が出力されるが、判別回路510は、それぞれの検出電圧に応じて、個別に各金属21の判別処理を実行する。
【0055】
CPU560は、発振器774、検出回路775、整流回路776、判別回路510、表示部530、操作スイッチ520、カウンタ540、541、RAM550、ROM551、ステッピングモータ710、フォトインタラプタ740、及びセンサユニット駆動装置800を統括制御する。
【0056】
このCPU560は、例えば、判別回路510による金属21の材質の判別結果に応じて景品20の真偽を識別し、識別結果を表示部530に表示させるとともに、同識別結果をカウンタ540、541を通じて集計し、その集計結果を表示部530に表示させる。
【0057】
またCPU560は、フォトインタラプタ740から、センサユニット700による位置検出用部材300の目印の検出結果を取得する。CPU560は、センサユニット700が位置検出用部材300の目印を検出する毎にトレイ10上の各景品装着部11の位置を順次特定し、トレイ10上の各景品20の真偽の識別結果を、各景品20が装着されている景品装着部11のトレイ10上の位置と対応付けて、RAM550に記憶する。
CPU560は、どのコイルホルダ770が検出したのかを示す情報と、位置検出用部材300の何番目の目印のときに検出したかを示す情報と、によって、各景品20の位置を特定することができる。
またCPU560は、ステッピングモータ710の制御も行う。これにより、センサユニット700のコイルホルダ770の上昇及び下降が制御される。
またCPU560は、センサユニット700をガイドシャフト200に沿って摺動させる際に使用するモータ等のセンサユニット駆動装置800の制御も行う。
【0058】
RAM550は、CPU560の処理に用いられる各種データを記憶する。例えばRAM550は、上述した第1閾値や第2閾値を記憶する。また例えばRAM550は、上述したトレイ10上の各景品20の真偽の識別結果を記憶する。
ROM551は、CPU560の処理手順を定めたプログラム等を記憶する。
【0059】
カウンタ540は、景品20の識別結果が真である場合に+1だけインクリメントし、カウンタ541は、景品20の識別結果が偽である場合に+1だけインクリメントする。
【0060】
表示部530は、CPU560によるトレイ10上の各景品20の真偽の識別結果を、各景品20が装着されている景品装着部11のトレイ10上の位置に対応させた態様で表示する。
【0061】
具体的には図14に示すように、表示部530には、例えば40個のLED531が、トレイ10上に整列する景品装着部11の配置パターンにあわせて4×10のマトリクス状に配置されている。そして表示部530は、トレイ10上に装着されている各景品20の真偽の識別結果を、各景品20のトレイ10上の位置に対応する位置に表示する。表示部530は、識別結果が真であった場合には、例えばLED531を緑色に点灯し、偽であった場合には例えば赤色に点灯する。
【0062】
また図14に例示されているように、表示部530は、カウンタ540、541に記憶されている、真と識別された景品20の数、及び偽と識別された景品20の数を表示する。
もちろん表示部530の形態は図14に示すものに限定されず、例えば、液晶ディスプレイ等であっても良い。
【0063】
図11に戻って、操作スイッチ520は様々な用途に利用される。例えば、操作スイッチ520は、発振器774から出力される正弦波の周波数の設定や切り替えの際に使用される。この場合CPU560は、操作スイッチ520により入力された周波数の正弦波が出力されるように発振器774を制御する。
【0064】
発振器774から出力される正弦波の周波数を切り替えることによって、金属21との相互作用によるコイル773のインピーダンスの変化の度合いを変えることができ、金属21の材質判別の精度を切り替えることができる。
【0065】
また操作スイッチ520によってコイル773の感度の切り換えを行なうことも可能である。コイル773の感度は、例えば検出電圧のピーク値と比較するべき前述した基準範囲を変更することによって切り換え可能である。
【0066】
なお上述したように、本実施形態に係る景品識別装置1000は、トレイ10上の景品20に対する識別処理が行われていない間に、センサユニット待機部600に装着された基準となる金属21に対する特性の検知を行い、トレイ10上の景品20の識別処理に用いる判定条件の設定や更新を行っておくようにするキャリブレーション機能を有している。
【0067】
そのため利用者は、操作スイッチ520を操作して上記基準範囲を設定する作業を省略することができる。このため、効率的に景品20の真偽識別作業を行うことが可能である。
【0068】
なお、センサユニット待機部600に基準品装着部610が設けられ、基準品装着部610に純金等の基準品(基準となる金属)620が埋設されている様子を図6及び図7に示す。基準品装着部610には、待機中のセンサユニット700の各コイルホルダ770内のコイル773に対向する位置に、例えば純金が基準品620として埋設されている。
【0069】
また基準品装着部610には、基準品620を埋設しておくのではなく、基準品620の形状に合わせたくぼみ等を形成しておくことにより、基準品620を装着可能あるいは着脱可能に形成しておくようにしてもよい。また基準品620は、基準となる金属21のみであっても良いし、景品20(非金属ケース22の内部に基準となる金属21を内蔵したもの)であっても良い。
【0070】
===景品識別装置の動作===
次に、図12を参照しつつ、前述した構成を備えた景品識別装置1000の識別動作の一例について説明する。尚、図12は、本実施の形態の整流回路776からの検出電圧の時間変化の一例を示すグラフである。
【0071】
図12の曲線A、B、Cに例示されるように、コイルホルダ770が景品20上を通過する場合、整流回路776からの出力波形の電圧(検出電圧)は、景品20内の金属21がコイル773に近づくにつれて徐々に大きくなり、金属21がコイル773と対向したときにピークを迎え、金属21がコイル773から遠ざかるにつれて徐々に小さくなる。
【0072】
このピーク値は金属21の導電率が高くなるほど大きくなるという相関があるため、予め、金属21の材質に特有なピーク値の範囲を求め、同材質とピーク値の範囲とを対応付けておけば、判別回路510は、整流回路776からの検出電圧のピーク値から金属21の材質が所定の金属に該当するか否かを判別できる。
景品20内の金属21が例えば純金であり、純金に対応する検出電圧の時間変化の曲線がAであるとする。
【0073】
例えば銅又は銅に金メッキしたものは、純金よりも導電率が高いため、その検出電圧の時間変化は、曲線Aのピーク値よりも大きなピーク値を有する曲線Bとなる。
例えば真鍮は、純金よりも導電率が低いため、その検出電圧の時間変化は、曲線Aのピーク値よりも小さいピーク値を有する曲線Cとなる。
【0074】
本実施の形態では、純金に対応する曲線Aのピーク値の近傍の上限を与える第1閾値(V1)と、同近傍の下限を与える第2閾値(V2)とが予めRAM550に記憶されており、判別回路510は、検出電圧のピーク値がV1及びV2の間にある場合、金属21が純金の真正品であると判別する。そしてCPU560は、同金属21を含む景品20が真であると識別する。
【0075】
なおここで、上述したように本実施形態に係る整流回路776は、検出回路775から出力された第1交流信号及び第2交流信号を整流して、これらの整流の結果得られた信号をそれぞれ第1検出電圧及び第2検出電圧として出力する。
【0076】
そのため、本実施形態に係る判別回路510は、図13に示すように、整流回路776から出力された第1検出電圧のピーク値が真正品の金属に対応する所定の基準範囲(例えば第3閾値V3と第4閾値V4との間)にあり、かつ、第2検出電圧のピーク値が真正品の金属に対応する所定の基準範囲(例えば第5閾値V5と第6閾値V6との間)にある場合に、金属21の材質が真であると判別する。
【0077】
判別回路510により金属21の材質が真であると判別されると、CPU560は、同金属21を含む景品20が真であると識別し、景品20の真偽の識別結果を、景品20が装着されている景品装着部11のトレイ10上の位置と対応付けて、RAM550に記憶する。
【0078】
そしてCPU560は、景品20が装着されている景品装着部11のトレイ10上の位置に対応する位置のLED531を、景品20が真であることを示す緑色で点灯する。
またCPU560は、カウンタ540を+1だけインクリメントすると共に、その時点までに真と識別された景品20の計数値を表示部530に表示させる。
【0079】
一方、第1検出電圧のピーク値がV3より大きい場合又はV4より小さい場合、あるいは第2検出電圧のピーク値がV5より大きい場合又はV6より小さい場合は、判別回路510は、金属21が真正品ではないと判別する。そしてCPU560は、同金属21を含む景品20が偽であると識別する。
CPU560は、景品20の真偽の識別結果を、景品20が装着されている景品装着部11のトレイ10上の位置と対応付けて、RAM550に記憶する。
【0080】
そしてCPU560は、景品20が装着されている景品装着部11のトレイ10上の位置に対応する位置のLED531を、景品20が偽であることを示す赤色に点灯する。
またCPU560は、カウンタ541を+1だけインクリメントすると共に、その時点までに偽と識別された景品20の計数値を表示部530に表示させる。
【0081】
ここで、本実施形態に係る景品識別装置1000は上述したようにキャリブレーション機能を備えている。そのため、センサユニット700は、トレイ10上の景品20に対する識別処理を行っていない間に、予め、センサユニット待機部600においてコイルホルダ770と基準品620とが近接した際に、基準品620から検出される検出電圧を出力する。そしてその際、制御部500は、その検出電圧のピーク値に対して、所定量(所定値あるいは所定割合)だけ増加及び減少させた値を上記第1閾値と第2閾値、あるいは、第3閾値、第4閾値、第5閾値、第6閾値として求め、RAM550にあらかじめ記憶しておく。
【0082】
上記基準品620から検出される検出電圧のピーク値に対して、増加あるいは減少させる所定量(所定値あるいは所定割合)は、操作スイッチ520からの入力により設定することが可能である。
なお基準品620は、真正な景品20に内蔵される真正な金属21と同一の真正な金属21であってもよいし、真正な金属21との特性差が事前に特定された銅などの金属21でもよい。
前者の場合には、基準品620から検出される検出電圧のピーク値を基準に、所定量だけ増加及び減少させた値を上記第1閾値と第2閾値、あるいは、第3閾値、第4閾値、第5閾値、第6閾値とすれば良い。
後者の場合には、基準品620から検出される検出電圧のピーク値に対して上記特性差の分だけ補正した値を基準に、所定量だけ増加及び減少させた値を上記第1閾値と第2閾値、あるいは、第3閾値、第4閾値、第5閾値、第6閾値とすれば良い。
これにより、純金等の真正な金属21以外であっても様々な金属21を基準品620として採用することが可能になるため、例えば、本景品識別装置1000の製造コストを抑制することが可能となる。
【0083】
以上本実施形態に係る景品識別装置1000について詳細に説明したが、本実施形態に係る景品識別装置1000は、トレイ10に景品20を装着したまま景品20の識別作業を行うことを可能とする構成を有するため、例えばトレイ10から景品20を取り出したり元に戻したりする作業を省くことができ、景品20の識別作業をより効率的に行うことが可能となる。
【0084】
また本実施形態に係る景品識別装置1000は、景品20の識別処理中において、識別対象の景品20を搭載したトレイ10をトレイ受け400に固定し、そのトレイ10上をセンサユニット700が移動する構成を有するため、景品識別装置1000の設置スペース程度の小さなスペースで景品20の識別作業を行うことが可能である。
【0085】
また本実施形態に係る景品識別装置1000は、トレイ10上に並ぶ景品20内の金属21の特性を並列に検知可能な複数のコイルホルダ770を有するため、トレイ10上の景品20の識別処理をより短時間で行うことが可能となる。
【0086】
また本実施形態に係る景品識別装置1000のコイルホルダ770には車輪772が設けられているため、センサユニット700がトレイ10上の景品20に沿って移動中に、コイルホルダ770と景品20との衝突を防止できる。そのため、センサユニット700の移動速度を向上させ、より短時間に景品20の識別処理を行うことが可能となる。また、車輪772によってコイルホルダ770と景品20との距離を一定に保ちながら各景品20の特性を検知できるので、検知結果のばらつきを抑制し、各景品20の真偽の識別をより正確に行うことが可能となる。
【0087】
また本実施形態に係る景品識別装置1000は、コイルホルダ770内のコイル773に正弦波を与えることにより発生する磁界と、景品20内の金属21と、の相互作用により変化する上記正弦波の振幅と位相の両変化の度合いによって、金属21の材質が真であるか偽であるかを判別する構成を有するため、金属21の判別をより正確に行うこととが可能となる。
【0088】
また本実施形態に係る景品識別装置1000は、キャリブレーション機能を有する構成であるため、景品20内の金属21に対する特性検知能力の経年変化の影響を受けずに、正確に金属21の特性検知を行うことが可能である。また、景品識別装置1000は、周囲の温度や湿度、電磁場等の影響、あるいは電源電圧の変動等による影響を受けずに、金属21の特性検知を行うことが可能である。
【0089】
また本実施形態に係る景品識別装置1000は、トレイ受け400にトレイ10が収容された際に、そのトレイ10上にセンサユニット700の移動方向に並ぶ各景品装着部11の位置に対応する位置にそれぞれ目印が設けられた位置検出用部材300を有し、センサユニット700が、それらの目印を検知しながらトレイ10上を移動する構成であるため、トレイ10上の各景品20の真偽の識別結果を、各景品20の位置と対応付けて記憶することが可能となる。
【0090】
またそれにより、各景品20の識別結果を各景品20のトレイ10上の位置と対応付けた態様で表示することが可能となる。このため、景品20の識別結果を分かりやすく識別作業従事者に対して提示することができ、作業効率を向上させることができる。
【0091】
また本実施形態に係る景品識別装置1000は、トレイ受け400にトレイアダプタ410を装着することにより、サイズの異なる複数種類のトレイ10を収容することができ、またトレイ10のサイズに合わせて目印が設けられた様々な位置検出用部材300を取り付け可能な構成であるため、各遊技施設でそれぞれ使用されているトレイ10のサイズに合わせて柔軟に対応することができる。
【0092】
また、前述した景品識別装置1000において、コイルホルダ770は金属21の導電率に応じて変化の度合が異なる検出電圧を発生する検出回路775を有し、制御部500は検出電圧のピーク値に応じて金属21の材質を判別する判別回路510を有している。
【0093】
この景品識別装置1000によれば、判別回路510は、検出回路775からの検出電圧のピーク値を通じて、景品20内の金属21の材質を判別することによって、同金属21が同景品20の価値に対応する材質を有する金属であるか否かを判定できる。よって、この判別回路510は、例えば真正品の金属の材質に対応する検出電圧を基準として、識別対象の景品20内の金属21の真偽を正確に判定できる。従って、この景品識別装置1000は、景品の真偽を確実に識別できる。
【0094】
また、前述した景品識別装置1000において、判別回路510は、検出電圧のピーク値が第1閾値(V1)と第2閾値(V2)の間の値である場合、金属21の材質を真と判別し、制御部500は、判別回路510が金属21の材質を真と判別した場合、景品20を真と識別する。
【0095】
この景品識別装置1000によれば、例えば真正品の金属の材質に対応する検出電圧の範囲をV1及びV2によって予め定めておくことにより、判別回路510は、検出回路775からの検出電圧のピーク値が同範囲内であるか否かによって、識別対象の景品20内の金属21の真偽を正確に判定できる。従って、この景品識別装置1000は、景品20の真偽を確実に識別できる。
【0096】
以上、本発明の好適な実施例を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲を実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
【符号の説明】
【0097】
10 トレイ
11 景品装着部
20 景品
21 金属
100 筐体
200 ガイドシャフト
300 位置検出用部材
400 トレイ受け
500 制御部
510 判別回路
520 操作スイッチ
530 表示部
560 CPU
600 センサユニット待機部
700 センサユニット
710 ステッピングモータ
720 アーム
730 ばね
740 フォトインタラプタ
750 ホルダ
760 センサベース
770 コイルホルダ
772 車輪
773 コイル
800 センサユニット駆動装置
1000 景品識別装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の数に応じた価値を有する金属が非金属ケースに内蔵されている景品の真偽を識別する景品識別装置において、
前記景品を装着可能に形成された複数の景品装着部が整列して設けられたトレイを収容可能なトレイ収容部と、
前記トレイが前記トレイ収容部に収容された際に、前記トレイに整列して設けられた前記景品装着部に沿って移動し、前記景品装着部に装着された景品に近接する毎に、景品内の金属の特性を検知するセンサユニットと、
前記センサユニットによる検知結果に応じて、当該金属を内蔵する前記景品の真偽を識別する識別回路と、
を備えることを特徴とする景品識別装置。
【請求項2】
請求項1に記載の景品識別装置において、
前記センサユニットは、磁界を発生させるコイルを有し、前記景品装着部に装着された景品に近接する毎に、前記コイルに対する金属の影響の度合いを検知し、
前記識別回路は、前記コイルに対する前記金属の影響の度合いに応じて、当該金属を内蔵する前記景品の真偽を識別する
ことを特徴とする景品識別装置。
【請求項3】
請求項2に記載の景品識別装置において、
前記センサユニットは、
前記コイルに磁界を発生させるための正弦波を出力する発振器と、
前記磁界と金属との相互作用により変化する前記コイルのインピーダンスの変化の度合いに応じた検出電圧を出力する検出回路と、
を有し、
前記識別回路は、前記検出電圧のピーク値に応じて、当該金属を内蔵する前記景品の真偽を識別する
ことを特徴とする景品識別装置。
【請求項4】
請求項3に記載の景品識別装置において、
前記識別回路は、前記検出電圧のピーク値が第1閾値と第2閾値との間の値である場合、当該金属を内蔵する前記景品を真と識別する
ことを特徴とする景品識別装置。
【請求項5】
請求項3に記載の景品識別装置において、
前記検出回路は、前記磁界と金属との相互作用により変化する前記正弦波の振幅の変化の度合いに応じた第1検出電圧と、前記正弦波の位相の変化の度合いに応じた第2検出電圧と、を出力し、
前記識別回路は、前記第1検出電圧のピーク値及び前記第2検出電圧のピーク値に応じて、当該金属を内蔵する前記景品の真偽を識別する
ことを特徴とする景品識別装置。
【請求項6】
請求項5に記載の景品識別装置において、
前記識別回路は、前記第1検出電圧のピーク値が第3閾値と第4閾値との間の値であり、かつ、前記第2検出電圧のピーク値が第5閾値と第6閾値との間の値である場合、当該金属を内蔵する前記景品を真と識別する
ことを特徴とする景品識別装置。
【請求項7】
請求項4に記載の景品識別装置において、
前記第1閾値及び前記第2閾値を記憶する閾値記憶部と、
前記識別回路が前記景品装着部に装着された景品の真偽を識別する際の基準を定めるための金属を装着可能に形成された基準品装着部と、
前記センサユニットが前記基準品装着部に装着された前記金属に近接した際に、前記センサユニット内の前記検出回路によって出力された検出電圧のピーク値に対し所定量だけ増加及び減少させた値を、前記第1閾値及び前記第2閾値として前記閾値記憶部に記憶する閾値設定部と、
を備えることを特徴とする景品識別装置。
【請求項8】
請求項2に記載の景品識別装置において、
前記トレイ上の各景品装着部は、前記センサユニットが移動する第1方向及び前記第1方向と直交する第2方向のいずれにも整列する2次元平面状に設けられてなり、
前記センサユニットは、前記第2方向に整列する景品装着部にそれぞれ対応して複数の前記コイルを有し、前記トレイが前記トレイ収容部に収容された際に、前記第2方向に整列する各景品内の金属による影響の度合いを前記各コイルにより並列に検知しながら前記第1方向に移動することにより、前記トレイに装着された各景品内の金属による影響の度合いを検知する、
ことを特徴とする景品識別装置。
【請求項9】
請求項1に記載の景品識別装置において、
前記トレイ収容部に収容された前記トレイ上に、前記センサユニットが移動する方向に整列する景品装着部のそれぞれに相対する位置に所定の目印が形成された目印形成部と、
を備え、
前記センサユニットは、前記トレイに整列する景品装着部に沿って移動する際に、前記目印形成部に形成された前記目印を順次検出し、
前記識別回路は、前記センサユニットが前記目印を検出する毎に前記トレイ上の各景品装着部の位置を順次特定し、前記トレイ上の各景品の真偽の識別結果を、各景品が装着されている景品装着部の前記トレイ上の位置と対応付けて記憶する
ことを特徴とする景品識別装置。
【請求項10】
請求項9に記載の景品識別装置において、
前記トレイ上の各景品の真偽の識別結果を、各景品が装着されている景品装着部の前記トレイ上の位置に対応させた態様で表示する表示部と、
を備えることを特徴とする景品識別装置。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−115512(P2012−115512A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268457(P2010−268457)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(596062336)エス・イー・エル株式会社 (2)
【Fターム(参考)】