説明

景色重ねシート

【課題】専門知識を持たない者でも簡易に景色の情報を得ることができ、撮影写真に写る景色の情報を得るのにも好適な景色重ねシートを提供する。
【解決手段】景色重ねシート10は、所定の景色を覗く透明な透かし部として機能する透明シート11を備え、この透明シート11には、当該シート11を通して見える景色中の特徴箇所に合わせる基準部21と、この基準部21を合わせた際に上記景色Gと重なる箇所或いは該箇所近傍に関する情報を提供する景色情報部22とが描画されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観光者等が景色の情報を得るのに好適な景色重ねシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、観光用地図や、その地図が描かれて観光場所に設置される観光案内板が提供されている。そして、観光者は、これら地図や観光案内板を利用することにより、観光地の景色にある山やビル等の名称を知ることができる。
また、デジタルカメラや双眼鏡等の光学機器には、この機器が取り込んだ画像に、GPSの位置情報等を利用して現在位置と向きに対応する景観輪郭線や山の名称等の文字を書き入れるものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−86110号公報
【特許文献2】特開2004−356769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、観光用地図や観光案内板は、人が実際の景色と地図等とを相互に見て判断する必要があるため、現地の十分な知識や専門知識を持たない観光者にとって山の名前等を特定するのが難しい場合がある。特に、それらがデフォルメした模式図であったり、観光者が実際に見る景色とは視点が異なる景色であったりすると、困難であった。また、観光地から自宅に帰った後、観光地で撮影した写真に写る山の名称等を知ることが難しかった。
一方、特許文献1,2に記載する装置は、装置そのものが高価であり、低コストで簡易に山の名称等を知ることはできない。また、これらの装置は現在場所で見える情報を表示等するため、山の名称等の文字を入れずに撮影した風景写真からは、山の名称等を知ることはできない。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、専門知識を持たない者でも簡易に景色の情報を得ることができ、撮影写真に写る景色の情報を得るのにも好適な景色重ねシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、所定の景色を覗く透明な透かし部を備えた景色重ねシートであって、前記透かし部には、当該透かし部を通して見える前記景色中の特徴箇所に合わせる基準部と、この基準部を合わせた際に前記景色と重なる箇所或いは該箇所近傍に関する情報を提供する景色情報部とが描画されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記構成において、前記基準部は、前記透かし部の上半部に描画されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記構成において、前記基準部は、前記景色中に存在する高い山や建物等に対応して描画されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、景色重ねシートの透かし部には、該透かし部を通して見える景色中の特徴箇所に合わせる基準部と、この基準部を合わせた際に前記景色と重なる箇所或いは該箇所近傍に関する情報を提供する景色情報部とが描画されているので、基準部と景色とを重ね合わせた後に景色情報部を見る、という簡易な方法で景色の情報を容易に得ることができ、かつ、実際の景色を見るときと、その景色を撮影した撮影写真を見るときの両方にこの景色重ねシートを使用することができる。
従って、専門知識を持たない者でも簡易に景色の情報を得ることができ、撮影写真に写る景色の情報を得るのにも好適な景色重ねシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る景色重ねシートを示す図である。
【図2】(A)は対象景色を示し、(B)は景色重ねシートを対象景色に重ね合わせた状態を示す図である。
【図3】景色重ねシートの変形例の説明に供する図である。
【図4】第2実施形態に係る景色重ねシートを示す図である。
【図5】第3実施形態に係る景色重ねシートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る景色重ねシートを示す図である。
景色重ねシート10は、所定の景色、本実施形態では、上高地の河童橋から見た山並みの景色(以下、対象景色と言う)に関する情報を提供するシート部材(情報提供シート)である。
この景色重ねシート10は、ユーザー(観光者等)が容易に把持できる大きさの透明シート11に、この透明シート11を通して見える対象景色中の特徴箇所に合わせる基準部21と、対象景色に関する情報を提供する景色情報部22とを描画することによって形成されている。
透明シート11は、B5サイズ又はA4サイズ等の横長板状で、且つ、柔軟性を有する透明樹脂板であり、その長手方向の左右両側をユーザーが左右の手で持ち、この透明シート11を対象景色に重ねた際に該シート11を通して対象景色を見ることが可能である。また、小型で軽量であるため、バッグやリュック等に入れて容易に持ち運び可能である。
【0011】
図2(A)は河童橋から見える対象景色Gを示し、図2(B)はユーザーが河童橋に立って、該ユーザーが把持する景色重ねシート11を対象景色Gに重ね合わせた状態を示す図である。なお、図2(B)では、説明を分かりやすくするため、基準部21を破線で示している。
基準部21は、景色重ねシート11を通して見える対象景色Gに重ね合わせ可能な描画部であり、該景色G中に存在する特徴部分に合わせて描画される。特徴部分は、対象景色Gの内容(山や建物等)によって異なるが、特徴部分の輪郭に沿う線画を基準部21として描画している。なお、この基準部21は、印刷等の公知の方法によって透明シート11に描画される。
基準部21は、以下の条件を満たしている。
【0012】
第1条件として、基準部21は、ユーザーが予め定められた場所(本実施形態では、上高地の河童橋)から目視で見た対象景色に重ね合うように作成される。このため、ユーザーの立ち位置が上記場所の場合に、基準部21を重ね合わせることができ、上記場所と異なる位置の場合には、そこから見える景色に基準部21を重ね合わせることはできない。
第2条件として、基準部21は、対象景色Gのうち相対的に高い山や高い建物といった景色構成部材(自然物、人工物のいずれも含む))に合わせて描画されている。相対的に高い景色構成物は目立つので、ユーザーが視覚で見つけやすく、また、対象景色Gの上半部内に存在するので、対象景色Gの上半部と基準部21とを位置合わせすればよく、位置合わせ作業が容易になる。
また、第3条件として、周囲に比して形状が特徴的な山や建物等があれば、それを基準部として描画している。形状が特徴的であれば、ユーザーが視覚で容易に見つけることができる。
更に、第4条件として、基準部21は、水平方向には連続しても良いが、上下方向には互いに間隔を空けて設けられる。目安として、景色構成物の一単位(1つの山、1つの建物、1つの川)に対応する各基準部21に対応する線は、見やすさの観点から、上下方向に5本以内、より好ましくは4本以内とされる。
【0013】
図2(A)に示すように、実際の景色(対象景色G)は、複数の山の稜線や尾根や山肌、川等の多数の情報を含んでいる。その中から、上記条件を満たす基準部21として、本実施形態では、少なくとも相対的に高く、且つ、周囲と比べて独特な形状を有する山である「ジャンダルム」と「明神岳」の稜線を選んでいる。さらに、本実施形態では、これら「ジャンダルム」と「明神岳」の左右に連なる山々のうち、対象景色G中で空との境を構成する山(西穂高岳、間ノ岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳)の稜線を、各々基準部21Aとして描画すると共に、対象景色Gに唯一存在する川(梓川)の輪郭を基準部21Bとして描画している。
【0014】
景色重ねシート10には、上記第4条件に従って、各基準部21(21A,21B)に対応する線(稜線や川の輪郭線)が上下方向に多数存在することを避けるべく、相対的に低い山の稜線については殆ど記載していない。これにより、各基準部21が上下に近接することが回避され、各基準部21の上下に透明領域を広く確保して該シート10を介して対象景色Gを見えやすくし、位置合わせをし易くしている。
さらに、景色重ねシート10には山肌(木も含む)を記載していない。これによっても透明領域を広く確保でき、透明シート11を介して対象景色を見えやすくし、位置合わせをし易くしている。
【0015】
また、第5条件として、基準部21は、景色重ねシート10の上半部に描画される。この構成によれば、景色重ねシート10の下半部に透明領域を広く確保でき、ユーザーが該シート10を顔の前方に把持しながら該シート10を介して地上の景色を容易に見ることができる。これによっても、位置合わせし易くなり、基準部21と対象景色Gとを容易に重ね合わせることが可能になる。
なお、本実施形態では、対象景色Gの中で唯一存在する川(梓川)は視覚で容易に探しやすいため、対象景色Gの相対的に低い位置に存在しても、川の輪郭に対応する基準部21は描画している。
【0016】
また、図2(B)に示すように、基準部21と対象景色Gとを重ね合わせた場合、景色重ねシート10の上下の側縁10A,10Bが対象景色Gの水平線と平行になる。つまり、重ね合わせをする際に、景色重ねシート10の上下の側縁10A,10Bを水平にし、その状態で景色重ねシート10を上下左右に平行移動することで、基準部21と対象景色Gとを簡易かつ迅速に重ね合わせることが可能である。
【0017】
次に、景色情報部22について説明する。
景色情報部22は、上記基準部21を対象景色に重ね合わせた際に景色と重なる箇所、或いは、該箇所近傍に関する情報を提供する描画部であり、印刷等の公知の方法で描画されている。図1に示すように、景色情報部22としては、その景色重ねシート10が対象とする対象景色Gの山の情報(「西穂高岳2,909m」、「ジャンダルム3,163m」といったように山名や標高の情報)22Aや、川の情報(「梓川」といった川名)22Bが描画される。更に、景色情報部22(山の情報22A)が指し示す山の位置が明確に分かるように、引き出し線22Cも描画されている。
また、川の情報22Bについては、川と重なる領域に設けられ、山の情報22Aについては、山の上方に見える空と重なる領域に設けられている。
更に、景色情報部22として、この景色重ねシート10の対象景色Gを特定するためのタイトル情報(「上高地 河童橋より山々」)22Dが中央上部に描画されている。
【0018】
次いで、この景色重ねシート10の利用態様を説明する。
この景色重ねシート10を所有するユーザー(例えば観光者)は、タイトル情報22Dを見て、この景色重ねシート10の対象景色Gが実際に見える場所を特定し、その場所で景色重ねシート10の透明領域を通して対象景色Gを見る。
この場合、ユーザーは、該シート10の左右側縁10C,10Dを両手で持って顔の前に持っていき、該シート10の位置を調整することによって、該シート10に描画された各基準部21を、対象景色Gにある山等の輪郭に重ね合わせる。
この重ね合わせた位置で、ユーザーは、景色重ねシート10に描画された景色情報部22(22A,22B)を見ることによって、このシート10を通して見える対象景色Gについての情報(山の名称、標高、川の名称)を容易に知ることができる。
このようにして、ユーザーは方位や距離を調べることなく、その場所にある山や川の名称等の情報を知ることができ、専門装備や専門知識を持たなくても、視覚だけで景色の情報を容易かつ迅速に知ることができる。
【0019】
続いて、ユーザーは、景色重ねシート10を片付けた状態で、同じ場所、かつ、同じ向きで、所有の撮影機器(デジタルカメラ又は銀塩カメラ等)で撮影する。このとき、景色重ねシート10と重なる画角とできるだけ同じ画角になるように対象景色Gを撮影する。これによって、観光地の風景写真が撮影される。この画角の調整は、いわゆるズーム付きの撮影機器であればズーム調整で可能であり、レンズ交換式の撮影機器であればレンズ交換による焦点切り替えによっても可能である。
その後、ユーザーは撮影写真を現像または印刷し、その撮影写真に写る山や川の名所等を知りたい場合、再び景色重ねシート10を用意する。そして、この景色重ねシート10の透明領域を通して撮影写真を見て、そのシート10の各基準部21を、撮影写真にある山等の輪郭に重ね合わせるようにする。
この場合、撮影写真には対象景色Gが写っているので、シート10の各基準部21と撮影写真にある山等の輪郭とをおおよそ重ね合わせることができ、その状態で、景色重ねシート10の景色情報部22(22A,22B)を見ることによって、撮影写真についての情報(山の名称、標高、川の名称)を容易に知ることができる。
すなわち、この景色重ねシート10を用いれば、他の専門装備や専門知識を必要とせずに、視覚だけで撮影写真にある山や川の名称等の情報を知ることができる。従って、自宅に帰った後や撮影して時間が経過した後であったり、撮影場所の記憶が薄れた状況であったりしても、撮影写真から容易かつ迅速に山の名称等を知ることが可能である。
【0020】
以上説明したように、本実施形態の景色重ねシート10は、所定の景色G(図2(A))を覗く透明な透かし部として機能する透明シート11を備え、この透明シート11には、当該シート11を通して見える景色G中の特徴箇所に合わせる基準部21と、この基準部21を合わせた際に上記景色Gと重なる箇所或いは該箇所近傍に関する情報を提供する景色情報部22とが描画されているので、基準部21と景色Gとを重ね合わせた後に景色情報部22を見る、という簡易な方法で景色Gの情報を容易に得ることができる。従って、専門装備や専門知識を持たない観光者等でも実際に見える景色Gの情報を容易に得ることができる。
しかも、上記景色重ねシート10と重ね合わせる上記景色Gを同じ場所で撮影しておくことにより、その撮影写真と景色重ねシート10の基準部21とを重ね合わせ、このシート10上の景色情報部22を見る、という簡易な方法で、撮影写真の情報を容易に得ることもできる。
【0021】
このように、この景色重ねシート10は、実際の景色を見るときと撮影写真を見るときの両方に使用することができる。これらにより、本実施形態では、専門装備や専門知識を持たない観光者等が、観光地や撮影写真についての情報を得るのに好適な情報提供ツールを提供することができる。
また、この景色重ねシート10は透明シート11に基準部21と景色情報部22とを描画する簡易な構成であるため、低コストで製作でき、かつ、軽量で薄型であるため、かさばらない。従って、観光者が容易に購入できると共に、持ち運びも容易である。
なお、基準部21と景色情報部22とは同色で描画しても良いし、異なる色で描画しても良い。同色で描画した場合は、多色で描画する場合よりも低コストで製作することが可能である。
【0022】
また、基準部21は、透明シート11の上半部に描画されているので、透明シート11の下半部の透明領域を広く確保でき、ユーザーは下半部を通して地上の景色を見ながら、上半部に描画された基準部21を景色に重ね合わせることが可能であり、重ね合わせ作業が容易である。
さらに、基準部21は、上記景色G中に存在する高い山等に対応して描画されるので、これによっても、基準部21と景色Gとの重ね合わせ作業を容易にすることができる。
【0023】
なお、上述した景色重ねシート10は、当該シート10を曲げない状態(平らな平面の状態)で使用した場合に、基準部21と実際の景色G(又は撮影写真)とが重なるように基準部21及び景色情報部22を描画している。
但し、これに限らず、図3に模式的に示すように、ユーザー(図3中、符号Uを付して示す)が景色重ねシート10を前方凸に湾曲させた状態で景色重ねシート10を持っている場合に、基準部21と実際の景色Gとが重なるように基準部21や景色情報部22等を描画するようにしても良い。この場合、景色重ねシート10を目の前に移動した際に、このシート11を通して見える左右の視野角度が広くなり、シート10を左右に大型化することなく左右に大きく拡がる対象景色Gに重ね合わせることができる、というメリットが得られる。また、景色重ねシート10を湾曲した状態で保持するため、シート10が強い風を受けてもシート10がそれ以上曲がりにくく、持ちやすくなる、といったメリットも得られる。
【0024】
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る景色重ねシート10を示す図である。
この景色重ねシート10は、富士山五合目から見た山並みの景色(対象景色G)に関する情報を提供するシート部材であり、景色情報部22として、日本の山を標高順で描画した追加情報部22Fを設けている点が、第1実施形態と異なっている。以下、異なる部分について詳述する。
追加情報部22Fは、透明シート11の上半部に描画され、より具体的には、基準部21を対象景色Gに重ねた場合に空に対応する領域であって、タイトル情報22Dの左右に空くデッドスペースを利用して描画されている。この追加情報部22Fは、日本の山を標高の高い順で記載した情報(山の名称と標高)であり、図中、黒丸は、追加情報部22Fに記載される山のうち、この景色重ねシート10に存在する山を示している。つまり、このシート10には、北岳、奥穂高岳、間ノ岳、槍ヶ岳の山の稜線が基準部21として描画されており、これら情報によって、富士山五合目からは富士山の次に高い山々(北岳、奥穂高岳、間ノ岳、槍ヶ岳)が存在することがユーザーに判るようになっている。
【0025】
同図4に示すように、基準部21として記載される山の稜線は、透明シート11の上半部に描画され、下半部には山の稜線は殆ど記載されず、また、領域全体に山肌を描画しないので、透明領域が広く確保される。また、対象景色G中で視覚で見つけやすい湖(本栖湖、精進湖)については、透明シート11の下半部であっても、その輪郭が基準部21Bとして描画される。
従って、この景色重ねシート10を所有するユーザーは、タイトル情報22Dに記述された「富士山五合目」にてこのシート10を使用することにより、その場所から見える景色の情報(山の名称、標高、湖の名前等)を容易に知ることができる。また、同じ場所で写真を撮影し、その撮影写真にこのシート10を使用することにより、撮影写真に写る景色の情報(山の名称、標高、湖の名前等)を容易に知ることができる。つまり、本実施形態でも、第1実施形態と同様の各種効果を得ることができると共に、上記追加情報部22Fにより、より詳しい情報を得ることができる。
【0026】
<第3実施形態>
第3実施形態は、景色重ねシート10を観光地に固定設置した態様を示している。図5は、この景色重ねシート10を示す図である。この図5では、景色重ねシート10の各基準部21(図5中、破線で示す)が対象景色Gと重なっている状態を示している。
この景色重ねシート10は、当該シート10の外周を囲う枠フレーム31に固定部材32を介して固定されており、この枠フレーム31が複数本の足部33によって地面に固定設置され、これによって、いわゆる観光案内板として機能している。なお、この景色重ねシート10は、屋外に設置されるため、比較的肉厚のポリカーボネートやアクリル等の透明材で形成されている。
【0027】
このように景色重ねシート10を固定設置した場合、観光者等がこの景色重ねシート10中の基準部21と該シート10を通して見える外の景色(対象景色G)とが重なる位置に立つことによって、上記第1及び第2実施形態と同様に、その場所から見える景色の情報(山の名称、標高、湖の名前等)を容易に知ることができる、等の各種効果を得ることができる。
【0028】
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、景色重ねシート10の大きさ、材質は適宜に変更が可能である。また、上述の実施形態では、景色重ねシート10全面を景色が見える透かし部に形成したが、これに限らず、一部を透かし部にしても良い。
また、上述の実施形態では、山岳景色の情報を得るための景色重ねシート10を例に説明したが、これに限らず、様々な景色に重ねてその景色の情報を得る景色重ねシート10に本発明を広く適用可能である。
具体的には、筑波山等の山頂からの眺望に重ね合わせて、その眺望内の街並みの情報を得るための景色重ねシート、東京タワー等の建物や施設の景色に重ね合わせて施設の情報を得るための景色重ねシート、神社や仏閣等の境内の景色に重ね合わせて境内案内用、或いは、境内の説明用教材に使用するための景色重ねシート、人体や蒸気機関車等の車両(模型(実物大でも良い)を含む)に重ね合わせて各部の情報を得るための景色重ねシート、草花や動物や魚介類や樹木や集合写真やパンフレットや書籍類や天文や医学関係の画像に重ね合わせて、動植物の名前や集合写真(アルバムを含む)に写る人の名前等を知るための景色重ねシートに本発明を適用しても良い。
【符号の説明】
【0029】
10 景色重ねシート
11 透明シート(透かし部)
21 基準部
22 景色情報部
G 対象景色

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の景色を覗く透明な透かし部を備えた景色重ねシートであって、
前記透かし部には、当該透かし部を通して見える前記景色中の特徴箇所に合わせる基準部と、この基準部を合わせた際に前記景色と重なる箇所或いは該箇所近傍に関する情報を提供する景色情報部とが描画されていることを特徴とする景色重ねシート。
【請求項2】
請求項1に記載の景色重ねシートにおいて、
前記基準部は、前記透かし部の上半部に描画されていることを特徴とする景色重ねシート。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の景色重ねシートにおいて、
前記基準部は、前記景色中に存在する高い山や建物等に対応して描画されていることを特徴とする景色重ねシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−104946(P2013−104946A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247290(P2011−247290)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(511274798)有限会社ダイユウ商会 (1)
【Fターム(参考)】