説明

曲げコントローラ・ロック一体型内視鏡

曲げられることが可能な遠位端を有するシャフトと、シャフトの近位端に設けられるハンドルと、遠位端に接続される曲げコントローラとを備える、内視鏡。曲げコントローラは、ハンドルに、ロックおよび曲げ動作に共用される制御部品を備える。この制御部品は、ユーザの1本の指によって、選択された場所へ移動させられ、それによって、遠位端を曲げるようにされる。制御部品は、ユーザの1本の指による、ロック位置への制御部品の移動によって、ユーザによって選択された場所でロックするようにされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関し、より具体的には、曲げコントロールおよびロック機構を一体化した内視鏡に関する。
【従来技術の簡単な説明】
【0002】
先端部を操作して曲げることが可能な機構を有し、曲げコントローラとそれとは別体のロック(またはブレーキ)レバーを備える内視鏡が存在する。この構造の不利な点は、曲げコントローラと、それとは別体のロック/ブレーキの動作には、2つの手もしくは指を使用すること、または、1つの指を使用して少なくとも2つのステップ(ロック/ロック解除ステップ、および曲げステップ)を行う必要があるということである。例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,780,151 B2号明細書は、コントロールレバー17と、それとは別体のブレーキレバー22とを有する、内視鏡を開示する。コントロールレバー17が、親指といった指によって移動された後、ブレーキ22を、同一の指、または別の手の指によって移動することができる。
【0003】
内視鏡曲げコントローラとロックとをユーザの1本の指によって作動可能としたいという要望が存在する。
【特許文献1】米国特許第6,780,151 B2号明細書
【摘要】
【0004】
以下の摘要は、例示的なものであるに過ぎず、特許請求される発明の範囲を制限することは意図されていない。
【0005】
本発明の一側面によると、曲げることが可能な前端または遠位端を有するシャフトと、前記シャフトの後端または近位端に設けられるハンドルと、前記遠位端に接続される曲げコントローラとを備える内視鏡が提供される。前記曲げコントローラは、前記ハンドルに、ロックおよび曲げ動作に共用される制御部品を含む。前記制御部品は、ユーザの1本の指によって、選択された場所へ移動され、それによって、前記遠位端を曲げるようにされる。前記制御部品は、前記ユーザの前記1本の指による、ロック位置への前記制御部品の移動によって、前記ユーザによって選択された場所でロックするようにされる。
【0006】
本発明の別の側面によると、曲げることが可能な前端または遠位端を有するシャフトと、前記シャフトの後端または近位端に設けられるハンドルと、前記遠位端に接続される曲げコントローラとを備える、内視鏡が提供される。前記曲げコントローラは、前記ハンドルに接続される可動な第1のレバーと、前記第1のレバーに接続される可動な第2のレバーとを備える。前記第2のレバーは、前記ハンドル上のロック部に接触するように設けられるロック部を備える。
【0007】
本発明の別の側面による、内視鏡を製造する方法は、第1のレバーを、内視鏡の曲げコントロールシステムの制御ワイヤプーリに接続することと、第2のレバーを第1のレバーに接続することとを含む。ここで前記第1のレバーは、プーリを回転させるべく回動可能に構成され、前記第2のレバーは、前記第1のレバーに対して移動しうるように構成される。
【0008】
本発明の別の側面によると、第1のロック位置から第2のロック解除位置へ、第1の方向に指レバーを回動させることを含む方法が提供される。ここで前記指レバーは、可動なようにコントロールレバーに接続され、前記コントロールレバーは、内視鏡の曲げコントロールシステムの制御ワイヤプーリに接続される。前記方法は、前記指レバーが前記第2のロック解除位置へと動かされた後、前記指レバーを第2の方向に動かし、それによって、前記コントロールレバーおよび制御ワイヤプーリを前記第2の方向に回転させることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の前述の側面および他の特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明において説明される。
【0010】
【図1】本発明の特徴を備える、内視鏡の側面図である。
【0011】
【図2】図1に示される内視鏡の斜視図である。
【0012】
【図3】図1〜2に示される内視鏡の一部分を拡大した部分断面図である。
【0013】
【図4】図1〜2に示される内視鏡の一部分の上部平面図である。
【0014】
【図5】図3に示されるロック/ブレーキパッドの斜視図である。
【0015】
【図6】図5に示されるパッドの上部平面図である。
【0016】
【図7】線7−7に沿った、図6に示されるパッドの部分断面図である。
【0017】
【図8】図5〜7に示されるパッドの別の実施形態の斜視図である。
【0018】
【図9】一体化して形成されたロック/ブレーキパッドを示す、図3に示される、フレーム部品の別の実施形態の斜視図である。
【0019】
【図10】本発明の別の実施形態に関する一部分の斜視図である。
【0020】
【図11】図10に示される構成要素のうちのいくつかの断面図である。
【実施形態の詳細な説明】
【0021】
図1および2を参照すると、本発明の特徴を組み込む、内視鏡10が示されている。本発明は、図面に示される例示的な実施形態を参照して説明されるが、本発明は、多くの代替の形態の実施形態において具現化することができることを理解されたい。加えて、任意の好適なサイズ、形状、もしくはタイプの要素または材料が使用されてもよい。
【0022】
内視鏡10は、この実施形態において、患者の子宮腔の検査のために使用される、子宮鏡である。子宮鏡は、ビデオ装置に接続される光学機器であり、膨張媒体およびツールの送達および除去のためのチャネルを備える。しかしながら、本発明の特徴は、任意の好適なタイプの内視鏡において使用されうる。示される実施例において、内視鏡は、シャフト12と、ハンドルを形成する主要部14とを備える。シャフト12は、曲げ制御可能な前端または遠位端16を有する。この実施形態において、シャフトの残りの部分は事実上固い。遠位端16は、左および右方向に曲げられうる。しかしながら、任意の適当な曲げ能力が与えられてもよい。
【0023】
主要部14は、シャフト12の近位端に位置する。図3も参照すると、主要部14は、作業に必要なものや注水のための入口20と、別のデバイスと接続するためのコネクタ24を有するケーブル22とを有する。電気ケーブルは、遠位端16の発光ダイオード(LED)から主要部14へと配設される。または、遠位端16の前に照明のための光ケーブルが提供されてもよい。曲げ制御ワイヤまたはケーブル26は、遠位端16から主要部14内のプーリ28へと張り渡される。プーリ28は、主要部14のフレーム30に回転可能なように載置される。図4に見られるように、この実施形態の主要部14はボタン15を有する。このボタンは、コネクタ24に接続される他のデバイスの機能をコントロールするためのものである。
【0024】
前述のように、遠位端16は曲げることが可能である。ユーザは、主要部14から、曲げコントローラによって遠位端16の曲げを制御することができる。プーリ28およびワイヤ26は曲げコントローラの一部を形成する。曲げコントローラはまた、レバーアセンブリ32を備える。レバーアセンブリ32は、レバーアセンブリ32が、図4の矢印33によって示されるように、右または左に回転するとき、プーリ28を軸方向に回転させるように、プーリ28に接続される。レバーアセンブリ32は、第1のレバー34と、第2のレバー36とを備える。第1のレバー34は、プーリ28に固定して接続される。第2のレバー36は、枢動ピン38によって、第1のレバー34に枢動可能に接続される。このため、第2のレバー36は、第1のレバー34に対して枢動することができ、第2のレバー36は、第1のレバー34を介してプーリ28に接続される。しかしながら、第2のレバーは任意適切に可動となるよう第1のレバーに接続されてもよい。
【0025】
第2のレバー36は、第1の端部40と、枢動ピン38の反対の側面にある第2の端部42とを有する。図3も参照すると、第1の端部40は、親指といった、ユーザの指を受容するようにサイズが決められて形成される、指受容部領域44を形成する。第2の端部42は、ロック/ブレーキ46を有する。この実施形態において、ロック/ブレーキ46は、第2の端部42に設けられるピンである。しかしながら、任意の好適なロック/ブレーキが提供されてもよい。バネ48は、第1のレバー34に対して、第2の端部42を上方(矢印50の向き)に、および第1の端部40を下方(矢印52の向き)に付勢するように、第1および第2のレバー34、36の間に設けられる。しかし、ユーザは、第1の端部40を(方向50と逆に)押下し、それによって、枢動ピン38で第2のレバー36を枢動させ、第2の端部42を上方(方向52と逆)に移動させるように、ユーザの親指を使用することができる。
【0026】
主要部14は、ロック/ブレーキ46と反対に位置するロックパッド54を含む。この実施形態において、パッド54は、主要部の受容領域の中に固定して挿入される挿入物である。挿入物は、略湾曲もしくは弓形形状を有する。しかしながら、別の実施形態において、ロックパッドは、主要部のフレームと一体化して形成されてもよいか、または任意の好適にサイズが決められて形成されたロック/ブレーキ部(レバーアセンブリのロック/ブレーキ46との係合のための)が提供されてもよい。
【0027】
図5〜7も参照すると、パッド54は、一連の凹部58を有する上面56を備える。凹部58は、レバーアセンブリ32の異なる角度位置で、ピン46の底部先端を受容するように、サイズが決められて形成され、弓形または湾曲して配設される。凹部58は、ユーザによって選択される、複数の固定された既定の場所のうちの1つにおいて、ピン46の場所、ひいては、レバーアセンブリ32の角度位置の場所を、明確に規定する。第2のレバー36がその定位置にあるとき(第2の端部42が、バネ48によって下方に付勢された状態)、ピン46は、凹部58のうちの1つの中に付勢される。これは、レバーアセンブリ32が、主要部14に対して回転することを防止し、ひいては、レバーアセンブリ32が、プーリ28を回転させることを防止する。これは、曲げコントロールシステムのためのロックまたはブレーキを形成し、シャフト12上の遠位端16の位置もしくは形状を固定する。ピン46は、パッド54によって形成される第2のロック/ブレーキ部と係合する、第1のロック/ブレーキ部を形成する。
【0028】
主要部14によって形成されるハンドルを保持した状態で、ユーザは、同一の手によって、第2のレバー36の第1の端部40を押下し(方向50と逆の方向に)し、それによって、ピン46をロックパッド54から係脱するように、その親指を使用することができる。次いで、ユーザは、矢印33によって示されるように、左または右に、レバーアセンブリ32を自由に回動させる(レバー34、36の両方をともにそろえて動かす)ことができる。遠位端16の所望の曲げが得られると、ユーザは、第2のレバー36の第1の端部40を離してもよく、するとバネ48は、その定位置に第2のレバー36を自動的に付勢し戻すことができる。これは、ロック/ブレーキ部46、54の再係合により、レバーアセンブリを主要部14上の固定された角度位置で自動的にロックする。
【0029】
本発明では、人間工学的なデザインを有する、曲げコントロールおよびロック(ブレーキ)機能が一体化されたレバーを有する構造を提供することができる。このレバーは、(右利きの者でも左利きの者でも)1本の指で操作することができ、2本の手もしくは指を使用する、または1本の指による2つのステップの必要性を排除する。
【0030】
上に説明される本発明の例示的な実施形態では、コントロールレバー34は、ネジ等で、プーリまたはプルケーブル機構28の外部に固定される。ロック(ブレーキ)レバー36は、コントロールレバー34に枢動可能なように設けられる。ピンロック46は、ロックレバーの1つの側面に取設され、圧縮バネは、ロックレバーの他方の側面で、両方のレバーの間に配置され、枢動ピンがその間にある。ロック挿入物54は、内視鏡エンクロージャ/ハウジングの頂面に配置され、固設される。挿入物は、様々な材料および構成から作製することができる。
【0031】
ロックピン、圧縮バネ、および枢動ピンの場所により、ロックピンは、ロックパッド/挿入物への圧縮力を生成し、コントロールレバーがロックされる。例示的な構造において、複合レバーは、ユーザによって実際に動かされるまで、常にロックモードにある。内視鏡の遠位端16を曲げるために、ロックレバーの近位端は、まず、(示される実施形態に関して)ロックピンをロックパッドから係脱するように、親指で押し下げられる。次いで、複合レバーアセンブリを、親指で右または左に回転させ、プルケーブルまたはワイヤをプーリに取り付ける方法に依存して、適宜遠位先端を曲げることができる。
【0032】
ロックパッド挿入物は、ブレーキ作用を有するゴム、またはクリッキング作用を有するくぼみ、もしくはロック作用のための孔を有する金属から作製することができる。図8も参照すると、パッドがゴムでできているとき等の、凹部を伴わない、主要部のロックパッド54'の別の実施形態が示されている。図9も参照すると、ロックパッド54''が、フレーム部品60と一体の金属でできている、別の実施形態が示されている。ピン46は、好ましくは金属であるが、ゴムまたはポリマー材料でもよく、または第2のレバーと一体化して形成されてもよい。
【0033】
第1のレバーを、内視鏡の曲げコントロールシステムの制御ワイヤプーリに接続することと、第2のレバーを、第1のレバーに接続することとを含む、内視鏡を製造する方法を提供することができる。ここで前記第1のレバーは、前記プーリを回転させるべく、回動可能に構成される。また、前記第2のレバーは、前記第1のレバーに対して枢動するように構成される。
【0034】
上記方法は、第2のレバーをロック位置へ付勢するように、前記第1のレバーと前記第2のレバーとの間にバネを設けることをさらに含むことができる。上記方法は、第2のレバーのロック部を、内視鏡のハンドルのロック部に対して付勢することをさらに含むことができ、第1の位置から第2の位置への第1のレバー上の第2のレバーの移動は、ロック部の係合を解く。
【0035】
ロック位置からロック解除位置へ、第1の方向に指レバーを回動させることを含む、内視鏡を動作させる方法を提供することができる。ここで前記指レバーは、コントロールレバーに枢動可能なように接続され、前記コントロールレバーは、内視鏡の曲げコントロールシステムの制御ワイヤプーリに接続される。前記方法は、前記指レバーが前記ロック解除位置へと動かされた後、指レバーを第2の方向に動かし、それによって、コントロールレバーおよび制御ワイヤプーリを第2の方向に回転させることを更に含む。
【0036】
上記方法は、前記指レバーおよびコントロールレバーが、ユーザによって選択された場所へと第2の方向に回動させられた後、前記指レバーのロック部が、内視鏡のハンドル上のロック部と係合するように、バネが、コントロールレバー上の指レバーを、第1の方向と反対の第3の方向に枢動することを可能にすることをさらに含むことができる。
【0037】
本発明の特徴のうちの1つは、バネが装荷されたコントロールレバーサブアセンブリである。図面に示される実施形態において、サブアセンブリは、2つのレバー34、36と、バネ48と、ピン46とを備える。本発明の特徴のうちの1つは、レバー36上のピン46と、フレーム30上の係合パッド54とを有する、ロック/ブレーキアセンブリであり、これは、1本の手/指のみの動作で使用することができる。ピンとパッドとの間の係合は、(例えば)摩擦係合、(ピンが孔の中へ位置される等の)積極的なロック係合、および/または、戻り止めもしくは歯止めタイプの相対位置決定システムとすることができる。
【0038】
ここで図10を参照すると、本発明の別の実施形態が示されている。この例示的な実施形態に係る内視鏡62は、水平方向に左右に曲がるように構成される前端・遠位端16を有するのではなく、鉛直方向に上下に曲がるように構成される前端・遠位端を有する。主要部64は、鉛直方向に向いたプーリ28を有するのではなく、フレーム68の横方向側面に位置する外端部66を有する、水平方向に向いたプーリを有する。プーリ、および前端・遠位端まで延在する曲げ制御ワイヤは、前端部の曲げをコントロールするための曲げコントローラの一部を形成し、ユーザは、この曲げコントローラを用いて、主要部14から前端部の曲げをコントロールすることができる。曲げコントローラはまた、レバーアセンブリ70を備える。レバーアセンブリ70は、図10で矢印74によって示されるように、レバーアセンブリ70が、前方または後方に回転させられるとき、プーリを軸方向に回転させるように、ネジ72によって、プーリの外端部66に接続される。
【0039】
レバーアセンブリ70は、レバー部材76と、バネ80とを備える。レバー部材76は、フレーム68の反対の横方向側面に位置する、2つのアーム82を有する。上および底部84、86は、互いに2つのアーム82に接続する。図11に見られるように、各アーム82は、その中心に、細長いスロット88を有する。アーム82のうちの少なくとも1つはまた、バネ受容ポケット90を有する。この例示的な実施形態において、プーリシャフトの正方形の端部67は、スロット88内に摺動可能に位置する。プーリの外端部66の部分92は、ポケット90内に位置する。バネ80は、ポケット90内に位置し、部分92をポケット90の底部に向かって付勢する。より具体的には、バネ80は、矢印75によって示されるように、レバー部材76を上方に付勢する。
【0040】
底部86は、ブレーキ/ロックピン94を有する。フレーム68は、ブレーキ/ロックパッドまたはピン係合領域96を有する。レバー部材76が、(1または複数の)バネ80によって上方に付勢されるとき、これは、レバー部材76の回転を防止するように、ひいては、曲げ制御ワイヤプーリの回転を防止するように、パッド76とともに、ピン94をブレーキまたはロック位置へ付勢する。シャフトの前端・遠位端を上または下に能動的に曲げるために、ユーザは、矢印75'によって示されるように、上部84を下方に押すことができる。スロット88は、ネジ72に対して、アーム82のための隙間を提供する。(1または複数の)バネ80は、(1または複数の)ポケット90内で圧縮される。次いで、ユーザは、矢印74によって示されるように、レバー部材76を後方または前方に回転させることができる。前端・遠位端の所望の曲げが得られると、ユーザは、レバー部材76を解放することができ、(1または複数の)バネ80は、レバー部材を上方の定位置へ付勢し戻すことができる。ピン94は、レバーアセンブリ70を、フレーム68と再度ロックする、または摩擦で係合し、それによって、その曲げされた構成/位置で遠位前端部を保持するように、再度パッド96に係合する。
【0041】
ユーザの1本の指を使用して、(上部84上での押下75'によって)ピン94およびパッド96のロック係合を解除し、(上部84を前方または後方に回転させることによって)同一の指で曲げ制御ワイヤプーリを回転させ、(指を上部84から解放し、バネ(80)がレバー部材76をその定位置に付勢し戻すことによって)ピン94およびパッド96のロックを再係合することができる。レバーアセンブリ70は、ハンドルに、ロックおよび曲げ動作に共用される制御部品を提供することができる。レバーアセンブリ70(ロックおよび曲げ動作に共用される制御部品)は、ユーザの1本の指によって、選択された場所へ移動させられ、それによって、遠位端を曲げるようにされる。この制御部品は、ユーザの1本の指(この場合、レバー部材76の押下を解放する1本の指)による、レバーアセンブリ70(ロックおよび曲げ動作に共用される制御部品)のロック位置への移動によって、ユーザによって選択された場所でロックするようにされる。
【0042】
前述の説明は、本発明の例示にすぎないことを理解されたい。本発明から逸脱することなく、当業者によって、種々の代替および修正が考えられる。例えば、種々の従属請求項に記載される特徴は、任意の(1または複数の)好適な組み合わせにおいて、互いに組み合されてもよい。加えて、上に説明される異なる実施形態からの特徴は、選択的に、新たな実施形態に組み合されてもよい。したがって、本発明は、添付の請求項の範囲内にある、全てのそのような代替、修正、および変更を包含することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡であって、
曲げられることが可能な遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの近位端に設けられるハンドルと、
前記遠位端に接続される曲げコントローラであって、前記ハンドルに、ロックおよび曲げ動作に共用される制御部品を備える、曲げコントローラと、
を備え、前記制御部品は、ユーザの1本の指によって、選択された場所へ移動させられ、それによって前記遠位端を曲げるように構成され、前記制御部品は、前記ユーザの前記1本の指による、ロック位置への前記制御部品の移動によって、前記ユーザによって選択された場所でロックするように構成される、内視鏡。
【請求項2】
前記制御部品は、前記曲げコントローラの制御ワイヤプーリに接続される第1のレバーを備え、前記制御ワイヤプーリは、前記曲げられることが可能な遠位端に接続され、前記第1のレバーは、前記ハンドルに対して回転可能なように接続される、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記制御部品は、前記第1のレバーに枢動可能なように接続される第2のレバーを備える、請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記制御部品は、第1のレバーと、第2のレバーとを備え、前記第2のレバーは、前記第1のレバーに枢動可能なように接続され、前記第2のレバーは、バネによって、前記ロック位置に向かって付勢される、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記第2のレバーの第1の端部は、前記ユーザの親指を受容しうるようにサイズが決められて形成される、指受容部領域を備える、請求項4に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記第2のレバーの第2の端部は、前記制御部品が、前記ロック位置にあるとき、前記ハンドル上のロック部に接触するように設けられるロック部を備え、前記第2のレバーの前記ロック部は、前記第2のレバーが、ロック解除位置へ前記第1のレバー上で枢動されるとき、前記ハンドル上の前記ロック部から係脱される、請求項5に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記ハンドル上の前記ロック部は、前記ハンドルに載置される湾曲した挿入物を備える、請求項6に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記ハンドル上の前記ロック部は、頂面上の湾曲した経路に沿った既定の場所に凹部を備える、請求項6に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記制御部品は、前記ハンドルに対して枢動可能且つ縦方向に摺動可能である、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記制御部品の第1の部分は、前記ハンドルの第1の外側に位置し、前記制御部品の第2の部分は、前記ハンドルの反対の第2の外側に位置する、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項11】
内視鏡であって、
曲げられることが可能な遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの近位端に設けられるハンドルと、
前記遠位端に接続される曲げコントローラと、
を備え、前記曲げコントローラは、
前記ハンドルに対して可動に接続される第1のレバーと、
前記第1のレバーに対して可動に接続される第2のレバーと、
を備え、前記第2のレバーは、前記第1のレバーを介して前記ハンドルに接続され、前記第2のレバーは、前記ハンドル上のロック部に接触するように設けられるロック部を備える、内視鏡。
【請求項12】
前記第1のレバーは、前記曲げコントローラの制御ワイヤプーリに接続され、前記制御ワイヤプーリは、制御ワイヤによって、前記曲げられることが可能な遠位端に接続される、請求項11に記載の内視鏡。
【請求項13】
前記第2のレバーは、前記第1のレバー上のバネによって、ロック位置に向かって付勢される、請求項11に記載の内視鏡。
【請求項14】
前記第2のレバーの第1の端部は、1本の指を受容しうるようにサイズが決められて形成される、指受容部領域を備える、請求項11に記載の内視鏡。
【請求項15】
前記第2のレバーの第2の端部は、前記第2のレバーの前記ロック部を備え、前記第2のレバーの前記ロック部は、前記第2のレバーが、ロック解除位置へ前記第1のレバー上を移動するとき、前記ハンドル上の前記ロック部から係脱される、請求項11に記載の内視鏡。
【請求項16】
前記ハンドル上の前記ロック部は、前記ハンドルに載置される湾曲した挿入物を備える、請求項11に記載の内視鏡。
【請求項17】
前記ハンドル上の前記ロック部は、頂面上の湾曲した経路に沿った既定の場所に凹部を備える、請求項11に記載の内視鏡。
【請求項18】
内視鏡を製造する方法であって、
第1のレバーを、前記内視鏡の曲げコントロールシステムの制御ワイヤプーリに接続することと、
第2のレバーを、前記第1のレバーに接続することと、
を含み、前記第2のレバーは、前記第1のレバーに対して移動しうるようにされる、方法。
【請求項19】
前記第2のレバーをロック位置へ付勢するように、前記第1のレバーと前記第2のレバーとの間にバネを設けることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のレバーのロック部を、前記内視鏡のハンドルのロック部に対して付勢することをさらに含み、第1の位置から第2の位置への前記第1のレバー上の前記第2のレバーの移動は、前記ロック部の係合を解く、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
内視鏡の曲げコントロールシステムの制御ワイヤプーリに接続されるコントロールレバーに対して可動に接続される指レバーを、第1のロック位置から第2のロック解除位置へと第1の方向に回動させることと、
前記指レバーが前記第2のロック解除位置へと回動された後、前記指レバーを第2の方向に動かし、それによって、前記コントロールレバーおよび制御ワイヤプーリを前記第2の方向に回動させることと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記指レバーおよびコントロールレバーが、前記ユーザによって選択された場所へと第2の方向に回動させられた後、前記指レバーのロック部が、前記内視鏡のハンドル上のロック部と係合するように、バネが、前記コントロールレバー上の前記指レバーを、前記第1の方向と反対の第3の方向に枢動することを可能にすることをさらに含む、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−528650(P2012−528650A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513696(P2012−513696)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052290
【国際公開番号】WO2010/140080
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(500498763)ジャイラス エーシーエムアイ インク (7)
【Fターム(参考)】