説明

書込みビーム角度整合装置

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、電子的な信号の入力を用いるカラー校正刷り装置に関し、より詳細には、サーマルプリンタの書込みアレーを回転ドラム部材上の走査角度に関して好ましい角度で整合させる方法及び装置に関する。
背景技術 カラープルーフィングすなわちカラー校正刷りは、意図する像の例を印刷する高速かつ大容量の印刷機を実際に設置するために必要とされる経費及び時間をかけることなく、印刷される像の外観を模写する見本像を形成するために、印刷産業で用いられる手順である。理想的には、これらの見本像あるいは校正刷りは、結果として生ずる像の変動が極力少なくなるように、印刷機で用いられる個々のカラー版面を製造するために使用される同一の色分解から形成される。校正刷りを形成するための種々のカラー校正刷り装置が考案されており、そのような装置は、小型でかつ低速の印刷機、並びに、写真プロセス、電子写真プロセス及び非写真プロセス等の印刷機以外の手段を用いている。
形成された校正刷りは、組成、スクリーニング、解像度、色、編集及び他の視覚的な要素に関して判定を受ける。校正刷りが印刷機で製造される最終的な像に近づき、また、像、印刷機及びショップすなわち工場間の一致が高まる程、校正刷り装置は印刷産業においてより受け入れられる。校正刷り装置を判定する際に考慮される他の事柄は、再現性、装置のコスト、個々の校正刷りのコスト、速度、及び環境的な問題からの自由度である。また、ほぼ総ての印刷機が絵画的な像を形成するために中間調処理を用い、オリジナルの像をスクリーンしている、すなわち、スクリーンを介してオリジナルの像を撮影し、オリジナルの像の変化する密度を模倣する複数の細かいドットから形成される像をもつ1又はそれ以上の版面を形成しているので、中間調処理を用いて像を形成する校正刷りプロセスが、連続調の装置よりも印刷作業により受け入れられ易い。
過去数年において、像を電子的に形成し、記憶しかつ処理し、これにより、像の実際の印刷並びに校正刷りを行うための種々のプロセスが開発されかつ工夫されてきた。そのような電子的な装置はアナログ像を処理しかつ形成することができるが、最も広く使用されている装置はデジタルプロセスを採用しており、その理由は、デジタル像は処理し易いためである。上記各々の電子的なプロセスにおいては、生じた像をCRTディスプレー上に表示することができるが、一般には、その像を十分に検討して最終的に印刷作業をする承認を与える前に、「ハードコピー」(すなわち、用紙又は他の材料の上に実際に形成される像)を作る必要がある。従って、上述の各々の電子装置は、実際に評価するための像のハードコピーを形成することのできる何等かの形態の出力装置すなわちプリンタを用いる必要がある。本発明はそのような校正刷り出力装置の分野に関する。
共に1989年12月18日に出願され同一出願人に譲渡された米国特許出願シリアル番号451,655及び451,656においては、サーマルプリンタが開示され、このサーマルプリンタは、中間調機能を有する直接的なデジタルカラー校正刷り装置として使用することができる。このプリンタは、サーマル印刷媒体に像を形成するようになされており、十分な量の熱エネルギを受けた時に、ドナー要素が色素をレシーバ要素に移送する。このリンタは、複数のダイオードレーザを備えており、これらダイオードレーザは個別に変調され、情報信号に従って媒体の選択された領域にエネルギを供給することができる。このプリンタの印刷ヘッドは、ダイオードレーザに接続された複数の光ファイバを有する光ファイバ列すなわちアレーの一端部を有している。サーマル印刷媒体は回転可能なドラム上に支持され、また光ファイバアレーを有する印刷ヘッドはドラムと相対的に運動可能である。光ファイバによってダイオードレーザからドナー要素へ伝達された放射線がドナー要素で熱エネルギに変換された時に、色素は昇華によりレシーバ要素へ移送される。
上述の米国特許出願に記載されるように、光ファイバの列すなわちアレーは、像を形成するために使用される書込み要素を担持する回転ドラムの軸線に関してある角度をなして配列される直線的なアレーとして配列されるのが好ましい。直線的なアレーは、ドラムの軸線に関してある角度をなして配列され、これにより、隣接する光ファイバとこれら光ファイバにより書かれるミニピクセル(微細な画素)との間にあるピッチを提供し、このピッチは、実際のファイバの間の可能な最小ピッチよりもかなり小さい。直線的なアレーの角度は、形成される像の均一性及び解像度を決定する役割を果たすので、角度的な整合を極めて小さな許容範囲内に制御する必要がある。そのような整合は、校正刷り装置のオペレータによって簡単かつ容易に実行されなければならない。
従って、デジタル式の校正刷り装置に対して、必要な書込みビームの角度的な整合を終始一貫して迅速かつ正確に行うための方法及び装置が、技術的に望まれかつ経済的に有利であることが分かろう。
発明の開示 本発明の一実施例によれば、書込み要素を担持するようになされた回転キャリア部材を備え、該キャリア部材の表面には軸方向に伸長する標識が設けられる画像装置において、上記書込み要素に関して運動可能であると共に該書込み要素に投射して像を形成することのできる光発生手段が設けられる。光発生手段は、ハウジング部材の中で直線的な列すなわちアレーとして配列され、上記ハウジング部材は、上記キャリア部材の軸線とほぼ直交するように設けられた軸線を有している。上記ハウジング部材及び直線的なアレーを上記キャリア部材に関して選択的にかつ角度的に位置決めするための手段が設けられる。この位置決め手段は、上記直線的なアレーに関して所定の関係をなすように上記ハウジング部材の軸線の両側に設けられると共に上記キャリア部材の方を向いた光検知手段を備えている。この光検知手段は上記標識と協働し、ハウジング手段がその軸線の周囲で選択的に回転されると、上記直線的なアレーが上記キャリア部材の軸線に関して所定の関係に配列されていることを示す信号を発生するようになされている。
本発明の他の実施例によれば、書込み要素を担持するようになされた回転キャリア部材を備え、該キャリア部材の表面には軸方向に伸長する標識が設けられる画像装置において、上記書込み要素に関して運動可能であると共に該書込み要素に投射して像を形成することのできる光手段が設けられる。この光手段は、ハウジング部材の中で直線的な列すなわちアレーとして配列され、上記ハウジング部材は、上記キャリア部材の軸線とほぼ直交するように設けられた軸線を有しており、上記ハウジング部材の軸線の両側には、上記直線的なアレーに関して所定の関係となるようにかつ上記キャリア部材の方を向いた状態で、光検知手段が設けられている。ハウジング部材及び直線的なアレーを上記キャリア部材に関して選択的にかつ角度的に位置決めする方法は、上記キャリア部材の表面から反射された光を検知する段階と、上記軸方向に伸長する標識を検知した時に信号を発生する段階とを備える。両方の光検知手段が第1の信号を発生した時に第2の信号を発生し、直線的なアレーがキャリア部材の軸線に関して所定の関係で配列されていることをほぼ同時に示す。
本発明を実施するための種々の手段、並びに本発明の特徴及び利点は、添付の図面を参照して本発明の例示的な好ましい実施例を詳細に説明する以下の記載から明らかとなろう。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の結像装置の斜視図であって、該装置の隠れた部分を表すために一部を破断してある。
図2は、図1の線2−2に沿って書込みヘッド及びレンズアセンブリを示す断面図である。
図3は、プリントヘッド・アセンブリの端面図である。
図4は、光ファイバを支持する基板の平面図である。
発明を実施する最善の態様 図1を参照すると、サーマルプリンタ10が示されており、このサーマルプリンタは、フレーム部材14の中で軸線15の周囲で回転可能に装着されたドラム部材12を備えている。ドラム部材12は図示しないサーマルプリント媒体を支持するようになされており、上記サーマルプリント媒体は、ドナーの色素を加熱する結果として、色素が昇華によってドナー要素(供与要素)からレシーバ要素(受容要素)へ移送されるタイプのものである。ドナー要素及びレシーバ要素は、比較的緊密に接触した状態で重ね合わされており、ドラムの内部から重ね合わされた上記要素に与えられる真空等の手段によって、ドラム部材の周面上に保持されている。プリンタ10に用いるサーマルプリント媒体は、例えば米国特許第4,772,582号明細書に開示される如き媒体とすることができ、この媒体は、露光光源の波長において強く吸収する材料を有するドナーシートを備えている。ドナー要素が照射されると、上記吸収材料は、光エネルギを熱エネルギに変換してすぐ周囲の色素に熱を伝達し、これにより、色素をその蒸発温度まで加熱してレシーバ要素へ移行する。吸収材料は、色素の下の層に設けるか、あるいは、色素と混合することができ、800nm−880nmの範囲の波長を有する光に対して強い吸収性を有している。本発明に用いることのできるレシーバ要素の好ましい実施例の一例が、本件出願と同時に係属しかつ本件出願人に譲渡された1990年10月31日出願の「中間レシーバ不透明サポート」と題する米国特許出願シリアル番号606,404に開示されている。上記米国出願に開示されたレシーバ要素は、色素のレシーバ要素への移送効率を改善する反射層を備えている。
光源は、ドラム部材と相対的に移動可能であり、化学作用のある光をドナー要素へ導くように配列されている。光源は、オリジナルの像の形状及び色を表す電子信号によって個別に変調することのできる図示しない複数のレーザダイオードを備えるのが好ましく、これにより、各々の色素が加熱され、オリジナルの対象物の色を再構成するためにレシーバ上に存在することが必要とされる領域においてのみ色素の蒸発が生ずる。好ましい実施例においては、レーザダイオードは、フレーム14の静止する部分の上でドラム部材12から離れた位置に設けられ、各々のレーザダイオードは、これらレーザダイオードによって発生された光を、ドラム部材に隣接する運動可能な書込みヘッド20まで伸長し光を該書込みヘッドへ伝達するそれぞれの光ファイバの入力端へ導く。レーザダイオードは、800nm−880nmの範囲の波長、大部分の場合において好ましいのは830nmの波長、を有する第1の光ビームを発生するように選択される。
書込みヘッド20は、ドラム部材12に隣接して運動可能に支持され、かつ運動する移動部材16に装着されており、該移動部材は、バー22、24上で摺動可能に支持されている。バー22、24は十分な剛性を有しており、従って、それぞれの両端部の装着点の間でたわむことがなく、また、ドラム部材の軸線に対して可能な限り厳密に平行になるように配列されている。上方のバー22は、書込みヘッドの軸線をドラムの軸線に直交させた状態で、書込みヘッドの軸線をドラムの軸線上に厳密に位置決めするように配列されている。上方のバー22は、移動部材をドラム部材の軸線に関して垂直方向及び水平方向において位置決めしている。下方のバー24は、バー22の周囲の移動部材の回転に関してだけ移動部材を位置決めし、従って、像を発生する際に移動部材が動かなくなったり、がたがたしたり、あるいは書込みヘッドに望ましくない振動を与えたりする原因となる移動部材の過度な拘束はない。移動部材16は、モータ(図示せず)によって駆動され、上記モータは、バー22、24に平行な親ネジ26を回転させ、書込みヘッドをドラム部材の軸線と平行に動かす。移動部材を親ネジに接続する継手(図示せず)は、親ネジによってトランスレータに与えられる唯一の力がドラムの軸線に平行となるように注意深く選定される。
書込みヘッド20は、ドラムの軸線に関する上述の好ましい向きを自動的に取るように、移動部材16に取り外し可能に装着されている。書込みヘッドは、ドラムの表面からの距離に関して、また該書込みヘッド自身の軸線の周囲の角度的な位置に関して、トランスレータと相対的に、従ってドラムの表面及び軸線と相対的にかつ選択的に位置決め可能である。従って、書込みッドを移動部材上で上記2つの軸線に関して正確に位置決めするための一対の調節可能な位置決め手段が設けられる。調節可能な位置決め手段の一方、すなわちマイクロメータ調節ネジ25だけが図示されている。上記位置決め手段に抗して書込みヘッドを押し付けるねじれ及び圧縮バネが27が設けられている。
ドラム部材12に隣接する書込みヘッド20の端部には、ドラム部材の表面に向けられた一対の光センサ29が設けられている。各々の光センサは、赤外線光源を備えるか、あるいは、外部の光エネルギ源を利用することができる。光センサは、書込みヘッドの光軸の直径方向の両側部に書込みヘッドに固定された関係で設けられている。
書込みヘッド20の断面が図2に示されており、その断面は、ほぼ円筒形の筒部分50を備えており、該筒部分は、そのドラムの端部にフランジ52を有している。筒部分の内側は、固定された鏡筒54を書込み端部に収容するようになされており、上記鏡筒は固定されたレンズ56を収容している。印刷ヘッド・アセンブリ58が、書込み端部とは反対側の筒の端部に該筒の中で選択的な向きに設けられている。印刷ヘッド・アセンブリは、筒部分50の中で選択的な向きに設けられる管状の部材58を備え、この管状の部材は、光ファイバの直線的な列すなわちアレーを収容している。この直線的なアレーは、ファイバを支持するウエーハ34と、該ウエーハに装着された複数の光ファイバ60とを備えている。光ファイバは、筒の反対側の端部でドラム部材12の方を向いている書込み端部36を有している。光ファイバ60は、印刷ヘッド・アセンブリの端部から、保護シース64を通って書込みヘッドの筒の外へ出て、図示しないダイオードレーザまで伸長している。
コップ型の蓋部材66が、書込みヘッドの筒50のフランジ52と嵌合するようになされ、後に説明する焦点駆動手段用のハウジングを形成している。ドラム部材12に隣接する蓋部材の端部には軸方向に形成された開口が設けられており、この開口には一対の可撓性のシート部材68、70が延び、これらシート部材の外周部は環状のプレート手段72、74によって蓋部材66に取り付けられている。可撓性のシート部材の中央部は、運動可能なレンズ80を収容する剛性で円筒形の運動可能なレンズハウジング76に取り付けられている。円筒形のボビン82が固定された鏡筒54の端部の周囲に設けられ、可撓性の部材68、70の脚部の間に伸長し均等に隔置されたアーム84を介して運動可能なレンズハウジング76に接続されている。音声コイル86が、ボビン82の円筒形の部分の周囲に巻かれ、後述する駆動回路に接続されている。
蓋66とフランジ52との間で包囲されているのは、高パワーのトロイダル磁石90と環状の磁性板92であって、これら磁石及び磁性板は共に、固定された鏡筒54の端部から隔置されかつ該端部の周囲に設けられている。ボビン82の音声コイルの部分は、板92の内周と固定された鏡筒54の外周との間の隙間の中に設けられている。磁石、環状の板、固定された鏡筒及びボビンは、ボビンが鏡筒の軸方向に自由に動けるような寸法になされている。可撓性のプレート68、70によって適所に保持される運動可能なレンズハウジング76に取り付けられることにより、ボビンは上記隙間の中で支持されている。筒部分50、フランジ52、固定された鏡筒54及び環状の板92は総て通常のスチール等の磁性材料から形成されており、従ってトロイダル磁石90と組合わされて、環状の板92の内周と固定された鏡筒54の端部との間に強い磁場が生ずることは理解されよう。その結果、レンズ焦点合わせ回路(図示せず)等によりボビン82の音声コイル86に電流が導入された時に、ボビン及び運動可能なレンズハウジング76に軸方向の力が与えられ、これにより、運動可能なレンズ80をアセンブリの光軸に沿って選択的に動かす。従って、後述する適宜な焦点検知装置を用いた場合には、運動可能なレンズアセンブリが駆動され、これにより、光ファイバの列の出力が、ドラム部材12の上、あるいはドラム部材に装着された書込み要素(図示せず)の上又はその中の適宜な位置で焦点を合わせて維持される。
光ファイバ列(図2及び図3参照)は複数のファイバ60を備え、これらファイバは各々、遠くに設けられた図示しないそれぞれのダイオードレーザに接続されている。ダイオードレーザは個々に変調され、光ファイバの書込み端部36から、固定されたレンズ56及び運動可能なレンズ80から成るレンズアセンブリを介して、ドラム部材12に支持されたサーマルプリント媒体上に光を選択的に放射することができる。上記光ファイバ列は、本件と共に係属し本件出願人に譲渡された1989年12月18日出願の米国特許出願シリアル番号451,656に示されるタイプのものとすることができる。各々の光ファイバは、当業界においては周知のように、ジャケット、クラッドすなわち被覆材及びコアを備えている。本件と同時に係属する上記米国特許出願に開示されるように、ファイバは、レーザダイオードから列すなわちアレーまで伸長し、溝100(図4)の組の中に装着されており、上記溝は、基板に形成されており、従って、書込み端部36のファイバは、互いに極めて接近した状態でほぼ平行に配列され、各端部は、ファイバの軸線に直交する共通の平面に設けられている。
本件と同時に係属する上記米国特許出願に開示されるように、ファイバは、基板34に形成された溝100の中に設けられる。列すなわちアレーの好ましい実施例においては、20の書込みファイバ60が用いられる。図3に示すように、基板34は、印刷ヘッド・アセンブリ58の管状の部材の中に設けられている。管状の部材には、筒部分50の内側面の対応するキー(図示せず)と嵌合するキー溝59が設けられており、従って、直線的なアレー60の向きは、ドラムの軸線15に関して予め選択された角度θとなる。印刷ヘッド・アセンブリ58の外側面のキー溝59、筒部分50の内側の対応するキー、及び書込みヘッドの軸線の直径方向の両側に設けられる光センサ29の向きは総て対応し、これにより、2つの光センサ29の間の線がドラム部材12の軸線に正確に平行となった時に、ドラム部材の軸線に関する直線的なアレー60の書込み角度が、本装置に対して予め選択された角度となる。この関係を決定することは、ドラムの軸線と平行になるように注意深く形成された視覚可能な線61がドラムの表面に設けられる限り、本発明の構造を用いて比較的簡単に実行される。従って、光センサ29が共に線61を同時に検知した時に、書込みヘッドは適正な角度方向の向きを有し、これにより、ドラムの軸線に関して直線的なアレーの所望の角度を提供する。書込みヘッドの角度的な位置の調節も同様に容易に実行される。書込みヘッド20を移動部材16に固定する取り付けクランプ102を緩め、マイクロメータ調節ネジ25を移動部材の停止部に向けて調節し、ヘッド部材をねじれバネ27の力に抗して回転させるか、あるいは、必要であれば、ねじれバネを回転させて書込みヘッドを反対方向に回転させる。ドラムが書込み要素を装着した状態で又は装着しない状態で移動するかあるいは静止している時に、両方の光センサ29が同時に線61を検知すると、直線的なアレーとドラムの軸線との間に所望の角度θが達成される。この構成においては、使用位置の中にある書込みヘッドを、慎重に設定あるいは整合することを必要とせずに、新しい書込みヘッドと交換することが可能であり、その理由は、書込みヘッドが組み立てられた時には既に、光センサ29と直線的なアレーとの間に所定の関係が確立されているからである。
焦点検知装置は、光ファイバの第2のアレー62を備え、このアレーは、書込みアレー60とは反対側の基板34の面に設けられている。焦点付けアレー62は単一のファイバだけを必要とするが、実際には、3つのファイバを設け、2つのファイバを第1のファイバが故障した場合の控えとすることができる。焦点付けファイバの入口端部がレーザダイオード(図示せず)に接続されており、該レーザダイオードは、書込みダイオードと同じ領域に設けることができるが、書込みビームの波長とは異なる波長、好ましくは800nm−880nmの範囲外の波長、を有する第2の光ビームを発生するように選定される。好ましい実施例においては、焦点付け光源は、960nmの主波長を有する光ビームを発生する。960nmの波長を有する焦点付けビームは、総ての色素ドナー材料によって実質的に吸収されないことが判明している。その結果、この波長を有するほぼ総ての焦点付けビームは、使用するカラー色素に無関係に、ドナー材料を通り、レシーバ要素の一部である反射面から反射される。この表面が、ドナー層の頂面よりも、書込みビームを焦点付けするのに望ましい色素の層にかなり接近していることが分かっているので、焦点付けビームがドナー要素の頂面から反射される場合に比較して、書込みビーム及び焦点付けビームの両方をより同一に近い接近した表面に当てることが可能となる。その結果、焦点付けレンズは、焦点付けビーム及び書込みビームがより広く分離された表面に焦点付けされる場合に必要とされるよりも、より狭いラチチュードを有することができる。
焦点検知装置はまた、直線的なアレー60の書込み端部36と固定されたレンズ56との間に設けられるビームスプリッタ120を備え、このビームスプリッタは半反射型の埋設面122を有している。分割セル光検出器130が、筒50の側壁に設けられており、ビームスプリッタの埋設層によって反射された書込み要素からの焦点付けビームの部分を受けるようになされている。光検知器には、この光検知器へ反射される可能性のある書込みビームのいかなる部分からも分割セルを遮蔽するマスクが設けられている。
代替実施例 好ましい実施例においては、本発明の角度調節装置は、光センサがドラム部材の標識をほぼ同時に検知した時、直線的なアレーがドラムの軸線に関して好ましい角度的な関係で配列されたことを検出するように構成されるとして説明されたが、所定の時間差において上記標識を検知し、直線的なアレーがドラム部材の軸線に関して異なった角度的な関係で配列されていることを知らせるように、上記光検知手段を構成することもできる。
産業上の適用可能性 従って、本発明は、サーマル校正刷り画像装置において書込みアレーを所望の角度的な整合状態に簡単かつ経済的に設定するための方法及び装置を提供し、これにより、容易、迅速かつより経済的な校正刷りの像を印刷産業に提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】書込み要素を担持するようになされた回転するキャリア部材と、前記書込み要素に関して運動可能であると共に前記書込み要素に投射して像を形成することのできる光手段とを備え、前記キャリア部材は、このキャリア部材の表面で軸方向に伸長する標識を有し、前記光手段は、ハウジング部材の中で直線的なアレーとして配列され、前記ハウジング部材は、前記キャリア部材の軸線にほぼ直交するように配列された軸線を有している画像装置において、前記ハウジング部材及び前記直線的なアレーを前記キャリア部材に関して選択的にかつ角度的に位置決めするための手段を備え、該位置決め手段は、前記ハウジング部材の軸線の両側において前記直線的なアレーに関して所定の関係になるようにかつ前記キャリア部材の方を向くように配列された光検知手段を備え、該光検知手段は、前記ハウジング手段が前記ハウジングの軸線の周囲で選択的に回転される時に、前記標識と協働してある信号を発生し、これにより、前記直線的なアレーが前記キャリア部材の軸線に関して所定の関係で配列されていることを示すことを特徴とする画像装置。
【請求項2】請求項1の画像装置において、前記光検知手段が共に前記標識を検出した時を示し、前記直線的なアレーが前記キャリア部材の軸線に関して所定の角度で配列されていることをほぼ同時に知らせる手段を備えることを特徴とする画像装置。
【請求項3】請求項1の画像装置において、前記光検知手段が所定の時間差において前記標識を検出した時を示し、前記直線的なアレーが前記キャリア部材の軸線に関して他の所定の角度で配列されたことを知らせる手段を備えることを特徴とする画像装置。
【請求項4】書込み要素を担持するようになされた回転するキャリア部材と、前記書込み要素に関して運動可能であると共に前記書込み要素に投射して像を形成することのできる光手段とを備え、前記キャリア部材は、このキャリア部材の表面で軸方向に伸長する標識を有し、前記光手段は、ハウジング部材の中で直線的なアレーとして配列され、前記ハウジング部材は、前記キャリア部材の軸線にほぼ直交するように配列された軸線を有しており、更に、前記ハウジング部材の軸線の両側において前記直線的なアレーに関して所定の関係になるようにかつ前記キャリアの部材の方を向くように配列された光検知手段を備える画像装置において、前記キャリア部材の表面から反射される光を検知し、前記軸方向に伸長する標識を検出した時に信号を発生する段階と、両方の光検知手段が前記第1の信号を発生した時に第2の信号を発生し、これと同時に、前記直線的なアレーが前記キャリア部材の軸線に関して所定の関係で配列されたことを知らせる段階とによって、前記ハウジング部材及び前記直線的なアレーが前記キャリア部材に関して選択的にかつ角度的に位置決めされることを特徴とする画像装置。
【請求項5】請求項4の画像装置において、前記キャリア部材の表面から反射される前記光を検出しながら、前記ハウジング手段を該ハウジング手段自身の軸線の周囲で選択的に回転させることを特徴とする画像装置。
【請求項6】請求項4の画像装置において、前記光検知手段が所定の時間差において前記標識を検出した時を表示し、これにより、前記直線的なアレーが前記キャリア部材の軸線に関して他の所定の角度で配列されたことを知らせることを特徴とする画像装置。

【第2図】
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【第3図】
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【第4図】
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【第1図】
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【特許番号】特許第3114993号(P3114993)
【登録日】平成12年9月29日(2000.9.29)
【発行日】平成12年12月4日(2000.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−508321
【出願日】平成4年3月11日(1992.3.11)
【公表番号】特表平5−508241
【公表日】平成5年11月18日(1993.11.18)
【国際出願番号】PCT/US92/01934
【国際公開番号】WO92/16869
【国際公開日】平成4年10月1日(1992.10.1)
【審査請求日】平成11年2月15日(1999.2.15)
【出願人】(999999999)イーストマン・コダック・カンパニー
【参考文献】
【文献】特開 平3−255476(JP,A)
【文献】実開 昭61−99166(JP,U)