説明

書類用綴り具

【課題】 新聞・設計図面等の大型の書類を手に持って広げて読むことができるように綴じ込むことができるうえ、保管・収納時に綴じたままで折畳むこのとできる書類用綴り具を提供する。
【解決手段】先端を挟持部10に形成した上下の横長挟持片部11、12の後端を弾性連結片部13で連結してなる断面横U字状のクリツプ式綴り具部材1の2個よりなるものであって、前記2個のクリツプ式綴り具部材1、1は互いにスライド自在に嵌合できる断面横U字状の大きさに形成して組み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞・設計図面等の大型の書類を手に持って広げて読むことができるように綴じ込むことができるうえ、保管・収納時にバラけることなく綴じたままで折畳むこのとできる書類用綴り具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新聞・設計図面等の大型の書類の両端を両手で把持して広げて読む場合に手手で把持した箇所を中心に上下方向において撓んで読みずらいという問題がある。そこで、大型の書類である新聞の端部を上下方向の全体に亘るホルダーに綴じ込んで、このホルダーにより広げた新聞が撓むことを防止して新聞を読み易いようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、前記のようなホルダーは、読み終わった新聞をコンパクトに保管するにはホルダーを軸にして丸めることができるが、ホルダーに綴じたままでは上下において折畳むことのできないもので、鞄等に収納することができないものである。また、ホルダーは大型の書類の端部の上下方向の全体に亘るものであるため、サイズの異なる大きさの書類に汎用できない問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−326483公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記したような問題を解決して、新聞・設計図面等の大型の書類を手に持って広げて読むことができるように綴じ込むことができるうえ、サイズの異なる大きさの書類に汎用でき、さらには、書類を保管・収納時に綴じたままで折畳むこのとできる書類用綴り具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決した本発明の書類用綴り具は、先端を挟持部に形成した上下の横長挟持片部の後端を弾性連結片部で連結してなる断面横U字状のクリツプ式綴り具部材の2個よりなるものであって、前記2個のクリツプ式綴り具部材は互いにスライド自在に嵌合できる断面横U字状の大きさに形成して組み合わせたことを特徴とするものを請求項1に記載の発明とする。
【0007】
そして、請求項1に記載の発明において、前記2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材を、それぞれの長さが綴じる書類の綴じ代部の長さの1/2より若干短い長さとした書類用綴り具を請求項2に記載の発明とする。
【0008】
さらに、請求項1又は2に記載の発明において、前記2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材のうち嵌合状態において外側となるクリツプ式綴り具部材の外面に滑り止め加工を施した書類用綴り具を請求項3に記載の発明とする。
【発明の効果】
【0009】
前記のような請求項1に記載の発明は、2個のクリツプ式綴り具部材を互いにスライド自在に嵌合できる断面横U字状の大きさに形成したものであるので、新聞・設計図面等の大型の書類の綴り代の長さに合わせて2個のクリツプ式綴り具部材を連結できるので、大型の書類の両端を両手により把持して広げた場合に連結された2個のクリツプ式綴り具部材が一連の芯となり上下方向において撓むことを防止して平面状に保持でき読み易いもとなる。
【0010】
また、前記したとおり、2個のクリツプ式綴り具部材を互いにスライド自在に嵌合したものであることから、嵌合状態を調整することによりサイズの異なる大きさの書類に汎用できものである。また、連結した2個のクリツプ式綴り具部材の嵌合を解除した状態にして、各クリツプ式綴り具部材を大型の書類の綴り代に分離して綴じれば、綴じた状態で分離した箇所において上下に折畳むことができバラけることなくコンパクトに鞄等に収納・保管できるものである。
【0011】
さらに、2個のクリツプ式綴り具部材を全体が完全に重なるよう嵌合して、書類の綴じ代のクリツプ式綴り具部材の長さのみを綴じて上下方向に折畳み自在としてもよい。このように2個のクリツプ式綴り具部材を全体が完全に重なるよう嵌合するので使用しない場合にはこの嵌合した状態で纏めて保管することができるものとなる。
【0012】
また、前記断面横U字状のクリツプ式綴り具部材を、それぞれの長さが綴じる書類の綴じ代部の長さの1/2より若干短い長さとしたものとすれば、例えば、新聞のように綴じ代部の長さが縦546mmとなる一頁の大きさが縦546mm、横407mmのものにあっては、クリツプ式綴り具の長さ250mmとして、連結した状態で綴じれば2個のクリツプ式綴り具部材が一連の芯となり上下方向において撓むことを防止して平面状に保持でき読み易いものとなる。また、2個のクリツプ式綴り具部材を全体が完全に重なるよう嵌合して、書類の綴じ代の半分のみを綴じて上下方向に折畳み自在として上下方向において二つ折りして、さらに左右方向に二つ折りして略A4版サイズに4つ折りすることができ、電車内で外の乗客の迷惑になることなく読むこともでき、また、鞄等に収納できるものである。
【0013】
さらには、前記2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材のうち嵌合状態において外側となるクリツプ式綴り具部材の外面に滑り止め加工を施したものとすると、外側のクリツプ式綴り具部材を内側のクリツプ式綴り具部材とスライドさせて嵌合状態を調整する場合に把持する際に便宜なものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の一使用例を示す切斜視図。
【図2】本発明の実施形態の一使用例を態様を異にして示す斜視図。
【図3】本発明の書類用綴の一使用例を態様を異にして示す斜視図。
【図4】本発明の書類用綴り具の一例を分離して示す一部切欠斜視図。
【図5】本発明の書類用綴り具の一例を連結して示す一部切欠斜視図。
【図6】本発明の実施形態の他の使用例を示す斜視図。
【図7】本発明の実施形態の他の使用例を態様を示す斜視図。
【図8】本発明の書類用綴り具の他例を分離して示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。
1は先端を挟持部10に形成した上下の横長挟持片部11、12の後端を弾性連結片部13で連結してなる断面横U字状のクリツプ式綴り具部材である。前記クリツプ式綴り具部材1は2個をよりなるものとしている。
【0016】
そして、この2個のクリツプ式綴り具部材1、1は互いにスライド自在に嵌合できる断面横U字形状の大きさに形成して組み合わせたものである。すなわち、図4及び図5に示すように、一方のクリツプ式綴り具部材1(1a)は内面断面形状を他方のクリツプ式綴り具部材1(1b)の外面断面形状に嵌合できる大きさに形成したもので、両クリツプ式綴り具部材1(1a)、(1b)は嵌合した状態で一方のクリツプ式綴り具部材1(1a)が他方のクリツプ式綴り具部材1(1b)の外側となるものである。なお、外側となる一方のクリツプ式綴り具部材1(1a)の外面に滑りとめ加工を施しておくことが好ましいものである。滑りとめ加工としては、図4及び図5に示すものは一部にセレーション加工を施したしたものであるが、シボ模様を施したものを始め滑り止め効果のあるものであればどのような技術手段であってもよい。
【0017】
また、前記互いにスライド自在に嵌合できる2個のクリツプ式綴り具部材1、1は図4及び図5に示すものは、一方のクリツプ式綴り具部材1(1a)と他方のクリツプ式綴り具部材1(1b)は連結片部13を湾曲させた構造として扁平卵形の断面横U字形状としているが、図8に示すように連結片部10をコ字状の構造として角形の断面横U字形状としてもよいものである。
【0018】
また、前記した断面横U字状のクリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)は、それぞれの長さが綴じる書類の綴じ代部の長さの1/2より若干短い長さとしたものである。図1−3に示すように例えば新聞用紙2の一頁のサイズ(縦546mm、横407mm)ようにで綴じ代部2aの長さが縦546mmとなるものにあっては、クリツプ式綴り具の長さを250mmとし、図6に示すようにA1サイズの製図用紙3(縦594mm、横841mm)のように綴じ代部3aの長さが縦594mmとなるものにあっては、クリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)の長さを280mmとするものである。
【0019】
このように構成されたものは、2個のクリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)は互いにスライド自在に嵌合できる断面横U字状の大きさに形成して組み合わせたものであるので、新聞・設計図面等の大型の書類の綴り代の長さに合わせてこの2個のクリツプ式綴り具部材1、1を連結して綴じれば、連結した2個のクリツプ式綴り具部材1、1は芯となり大型の書類を綴り代において上下方向において撓むことなく保持するので、クリツプ式綴り具部材1の下方を手指で把持して広げれば大型の書類は平面的な状態となるものである。なお、この場合に太さが大きい外側となる一方のクリツプ式綴り具部材1(1a)を綴り代の下方を綴じるものとして手指で把持すれば把持が容易なものとなる。
【0020】
また、前記したとおり2個のクリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)を互いにスライド自在に嵌合したものであることから、嵌合長さを調整することにより連結した長さを変更できるのでサイズの異なる大きさの書類に汎用できものである。
【0021】
なお、外側となる一方のクリツプ式綴り具部材1(1a)の外面に滑りとめ加工を施しておくことにより嵌合長さを調整のためにの該クリツプ式綴り具部材1(1a)を手指で把持して行うスライド作業が容易なものとなる。
【0022】
また、前記2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)を、それぞれの長さが綴じる書類の綴じ代部の長さの1/2より若干短い長さとしたものとしている。例えば、新聞のように綴じ代部の長さが縦546mmのものにあっては、クリツプ式綴り具の長さ250mmとして、図1に示すように連結した状態で綴じれば上下方向において撓むことなく平面状態を保持でき読み易いものとなる。そして、図2に示すようにこの連結を解除して2個のクリツプ式綴り具を綴じ代部の両側に移動させれば上下方向において二つ折りできるものである。これをさらに左右方向に二つ折りして略A4版サイズに4つ折りすることができ、電車内で外の乗客の迷惑になることなく読むこともでき、また、鞄等に収納できるものである。なお、図3に示すように2個のクリツプ式綴り具部材を全体が完全に重なるよう嵌合して、書類の綴じ代の半分のみを綴じて、重ね合わせた2個のクリツプ式綴り具部材1、1の下端で上下方向において二つ折りして、続いて左右方向に二つ折りして略A4版サイズに4つ折りしてもよいものである。
【0023】
また、例えばA1サイズの建築図面3の多数枚を折畳んで保管する場合には、2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)を図7に示すように2個のクリツプ式綴り具部材1,1を書類の綴り代に分離して綴じて、綴じた状態で分離した箇所において上下に折畳むことができコンパクトに鞄等に収納・保管できるものである。
【0024】
そして、建築現場等において図面を広げて見る場合には図6に示すように折畳んだ図面を広げたうえ2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)をスライドさせて嵌合すれば、クリツプ式綴り具部材1(1a)、1(1b)が連結して芯となり図面3を綴り代3aにおいて撓むことなく平面状態で保持するので、クリツプ式綴り具部材1を手指で把持して広げた場合に撓むことなく見やすいものである。
【0025】
また、前記したとおり、2個のクリツプ式綴り具部材1、1を互いにスライド自在に嵌合できる断面横U字状の大きさに形成したものであるので、不使用時には全体を嵌合させた状態で纏めることができるので、保管も容易なものとなる。
【符号の説明】
【0026】
1(1a、1b) 断面横U字状のクリツプ式綴り具部材
10 挟持部
11 横長挟持片部
12 横長挟持片部
13 弾性連結片部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端を挟持部に形成した上下の横長挟持片部の後端を弾性連結片部で連結してなる断面横U字状のクリツプ式綴り具部材の2個よりなるものであって、前記2個のクリツプ式綴り具部材は互いにスライド自在に嵌合できる断面横U字状の大きさに形成して組み合わせたことを特徴とする書類用綴り具。
【請求項2】
前記2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材を、それぞれの長さが綴じる書類の綴じ代部の長さの1/2より若干短い長さとした請求項1に記載の書類用綴り具。
【請求項3】
前記2個の断面横U字状のクリツプ式綴り具部材のうち嵌合状態において外側となるクリツプ式綴り具部材の外面に滑り止め加工を施した請求項1又は2に記載の書類用綴り具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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