説明

有価情報処理システム、中継器及び有価情報処理方法

【課題】支払者固有情報の登録を簡便に行うことができ、支払者固有情報の登録が必要な各種有価情報サービスの利用を促進することができる有価情報処理システムを提供する。
【解決手段】ポイント情報、及びICカード4の製造番号を対応付けて記憶するためのポイント情報テーブルを有するポイント処理装置1と、利用者通信装置3とを備えるポイント処理システムに、ポイント処理装置1の所在を示したURL情報を記憶してある記憶手段と、ICカード4が記憶した識別情報をIC通信にて取得する取得手段と、取得した識別情報及び前記URLを利用者通信装置3へIC通信にて送信する送信手段とを有する中継器5を備え、利用者通信装置3は、中継器5から送信された製造番号及びURLをIC通信にて受信する受信手段と、受信したURLにて特定されたポイント処理装置1へ、前記製造番号及び電子メールアドレスを送信する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対価の支払者に付与される有価情報を管理する有価情報処理システム、中継器及び有価情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア、ショッピングモール等の店舗において、磁気カード又はICカードをポイントカードとして利用することができるポイントサービスが実施されている。ポイントサービスとは、商品の購入金額に応じたポイントを、店舗利用者に付与するサービスである。付与されたポイントは、例えば、次回の商品購入時に換金して利用することができ、集客力の向上、顧客の囲い込みを図ることができる。
【0003】
ところが、従来のポイントサービスにおいては、利用者は、各店舗で所定の登録手続きを行い、各店舗から個別に発行されたポイントカードを携帯する必要があり、ポイントサービスの享受に不便を強いられていた。
【0004】
上述の問題を解決するポイント管理システムとして、利用者が常時携帯している非ポイントカード用途のICカード、例えばICカード通勤定期券、ICクレジットカード、ICチップを搭載した携帯電話等を、ポイントカードとして転用し、ポイントを管理することを可能にしたポイント管理システムが開示されている(特許文献1)。
特許文献1に係るポイント管理システムは、通信網を介して接続された店舗端末装置と、ポイント管理サーバ群とを備える。店舗端末装置には、カードリーダが設けられている。店舗端末装置は、ICカードの製造時に付与された製造番号をカードリーダにて取得し、ポイントを付与する。ポイント管理サーバ群は、店舗端末装置で取得した製造番号と、ポイントとを関連付けて蓄積することにより、ポイントを管理する。
このように構成されたポイント管理システムにおいては、製造番号と、ポイントとを関連付けることによって、ポイントを管理する構成であるため、利用者は、登録手続き無しで、ポイントサービスを享受することができる。
【0005】
また、ICカードの製造番号と、ポイントと、QRコードを用いて登録された利用者の電子メールアドレスとを対応付けると共に、一つの電子メールアドレスには常に単一の製造番号が対応するようにポイントを管理することによって、利便性を損なうこと無く、複数のICカードをポイントカードとして利用することができるポイント処理システムが開示されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
更に、カードID、電子メールアドレス、ポイントを対応付けた販売情報データベースを備え、利用者を特定した付加サービスを実施可能な自動販売機の管理システムが開示されている(例えば、特許文献3)。なお、電子メールアドレスは、自動販売機に設けられた入力装置を用いてキー入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−156740号公報
【特許文献2】特許第4377444号公報
【特許文献3】特開2003−256915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、先行技術においては、キー入力、またはQRコードの撮影によって、電子メールアドレス等のユーザ情報を登録する必要があり、ユーザ情報の登録に手間が掛かる。このため、店頭でのユーザ情報登録は敬遠されがちになり、ユーザ情報の登録が必要なポイント処理サービスの利用が促進されないという問題があった。
なお、特許文献1乃至3には、斯かる課題を解決する手段が開示されていない。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電子メールアドレス等の支払者固有情報の登録を簡便に行うことができ、支払者固有情報の登録が必要な各種有価情報サービスの利用を促進することができる有価情報処理システム、中継器及び有価情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る有価情報処理システムは、対価の支払者に対して付与されるべき有価情報、及び非接触通信が可能な可搬性記録媒体に固有の識別情報を対応付けて記憶する有価情報テーブルを有し、該有価情報テーブルに基づいて前記支払者の有価情報に係る処理を行う有価情報処理装置と、前記支払者に固有の支払者固有情報を記憶し、該支払者固有情報を送出する支払者通信装置とを備える有価情報処理システムであって、前記有価情報処理装置の所在を示した所在情報を記憶してある記憶手段と、可搬性記録媒体の識別情報を非接触通信にて取得する取得手段と、該取得手段にて取得した識別情報及び前記記憶手段が記憶している所在情報を前記支払者通信装置へ非接触通信にて送信する送信手段とを有する中継器を備え、前記支払者通信装置は、前記中継器から送信された識別情報及び所在情報を非接触通信にて受信する受信手段と、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、前記識別情報及び支払者固有情報を送信する固有情報送信手段とを備え、前記有価情報処理装置は、前記支払者通信装置から送信された識別情報及び支払者固有情報を受信する固有情報受信手段と、該固有情報受信手段にて受信した識別情報又は該識別情報と同一の登録済みの識別情報に、前記固有情報受信手段にて受信した支払者固有情報を対応付けて前記有価情報テーブルに登録する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る有価情報処理システムは、前記支払者通信装置の受信手段は、固有の識別情報を記憶した非接触通信部を備え、前記中継器は、前記非接触通信部が記憶した識別情報を非接触通信にて取得する手段を備え、前記中継器の送信手段は、取得された可搬性記録媒体の識別情報、前記非接触通信部の識別情報及び前記所在情報を送信し、前記支払者通信装置は、前記中継器から送信された可搬性記録媒体の識別情報、前記非接触通信部の識別情報及び所在情報を前記受信手段にて受信した場合、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、複数の識別情報及び支払者固有情報を送信するように構成してあり、前記有価情報処理装置は、前記支払者通信装置から送信された複数の識別情報及び支払者固有情報を受信した場合、各識別情報及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を実行する手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る有価情報処理システムは、前記中継器は、複数の可搬性記録媒体の識別情報夫々を前記取得手段にて取得した場合、取得した複数の識別情報及び所在情報を前記支払者通信装置へ送信し、前記支払者通信装置は、複数の識別情報及び所在情報を受信した場合、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、該複数の識別情報及び支払者固有情報を送信するように構成してあり、前記有価情報処理装置は、前記支払者通信装置から送信された複数の識別情報及び支払者固有情報を受信した場合、各識別情報及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を実行する手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る有価情報処理システムは、前記所定処理は、受信した複数の識別情報に対応付けられていた有価情報を、一の識別情報に対応付けて統合する処理であることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る中継器は、非接触通信が可能な可搬性記録媒体に固有の識別情報の中継を行う中継器であって、外部装置の所在を示した所在情報を記憶してある記憶手段と、可搬性記録媒体の識別情報を非接触通信にて取得する取得手段と、該取得手段にて取得した識別情報及び前記記憶手段が記憶している所在情報を非接触通信にて送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る有価情報処理方法は、対価の支払者に対して付与されるべき有価情報、及び非接触通信が可能な可搬性記録媒体に固有の識別情報を対応付けて記憶する有価情報テーブルを有し、該有価情報テーブルに基づいて前記支払者の有価情報に係る処理を行う有価情報処理装置と、前記支払者に固有の支払者固有情報を記憶し、該支払者固有情報を送出する支払者通信装置と、前記有価情報処理装置の所在を示した所在情報を記憶しており、可搬性記録媒体及び前記支払者通信装置の間で前記識別情報の中継を行う中継器とを用いて、識別情報及び支払者固有情報の対応付けを行う有価情報処理方法であって、前記中継器は、可搬性記録媒体の識別情報を非接触通信にて取得し、取得した識別情報及び記憶している所在情報を前記支払者通信装置へ非接触通信にて送信し、前記支払者通信装置は、前記中継器から送信された識別情報及び所在情報を非接触通信にて受信し、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、前記識別情報及び支払者固有情報を送信し、前記有価情報処理装置は、前記支払者通信装置から送信された識別情報及び支払者固有情報を受信し、受信した識別情報又は該識別情報と同一の登録済みの識別情報に、受信した支払者固有情報を対応付けて前記有価情報テーブルに登録することを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、支払者通信装置は、中継器を介して可搬性記録媒体の識別情報及び有価情報処理装置の所在を示した所在情報を非接触通信にて受信する。IC通信等の非接触通信を利用すると、可搬性記録媒体及び支払者通信装置を中継器にかざすだけで、支払者通信装置に識別情報及び所在情報を受信させることができる。そして、支払者通信装置は、受信した識別情報と、記憶している支払者固有情報とを有価情報処理装置へ送信することによって、識別情報及び支払者固有情報の対応付けを有価情報処理装置に実行させる。従って、識別情報、電子メールアドレス、所在情報のキー入力、及びアプリケーションプログラムの起動が必要なQRコードの撮影に比較して、支払者固有情報を簡易に登録することが可能になる。
【0017】
本発明にあっては、支払者通信装置は、該支払者通信装置の非接触通信部に固有の識別情報と、可搬性記録媒体の識別情報と、有価情報処理装置の所在情報とを非接触通信にて受信する。そして、支払者通信装置は、受信した各識別情報と、記憶している支払者固有情報とを有価情報処理装置へ送信することによって、各識別情報、及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を有価情報処理装置に実行させる。従って、QRコードの撮影及びキー入力に比較して、支払者通信装置の識別情報と、可搬性記録媒体の識別情報と、支払者固有情報との関連付けに係る所定処理を簡易に実行させることが可能である。
【0018】
本発明にあっては、支払者通信装置は、複数の可搬性記録媒体の識別情報夫々及び有価情報処理装置の所在情報を非接触通信にて受信する。そして、支払者通信装置は、受信した複数の識別情報と、記憶している支払者固有情報とを有価情報処理装置へ送信することによって、各識別情報、及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を有価情報処理装置に実行させる。従って、QRコードの撮影及びキー入力に比較して、複数の識別情報、及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を簡易に実行させることが可能である。
【0019】
本発明にあっては、支払者通信装置の非接触通信部に固有の識別情報又は可搬性記録媒体の識別情報のいずれかに有価情報を統合することが可能である。また、複数の可搬性記録媒体に対応付けられていた有価情報を、一の識別情報に統合することが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、支払者固有情報の登録を簡便に行うことができ、支払者固有情報の登録が必要な各種有価情報サービスの利用を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係るポイント処理システムの構成を示した模式図である。
【図2】ポイント処理装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】ポイント情報テーブルの一例を概念的に示す説明図である。
【図4】店舗側携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図5】利用者通信装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】中継器の構成を模式的に示すブロック図である。
【図7】ポイント管理に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】ポイント利用画面の一例を示す模式図である。
【図9】ポイント確認に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ポイント確認時におけるポイント利用画面の一例を示す模式図である。
【図11】ICカード使用時におけるポイント追加に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】ICカード使用時におけるポイント追加に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】ポイント追加時におけるポイント利用画面の一例を示す模式図である。
【図14】ポイント消費に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図15】ポイント消費に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図16】ポイント消費時におけるポイント利用画面の一例を示す模式図である。
【図17】製造番号の中継に係る中継器及び利用者通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】製造番号の中継に係る中継器及び利用者通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】電子メールアドレスの登録及びポイントの統合に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】電子メールアドレスの登録及びポイントの統合に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】ポイントの統合方法を概念的に示す説明図である。
【図22】ポイント統合におけるポイント情報テーブルの内容変化を示す説明図である。
【図23】ポイントの盗難防止方法を概念的に示す説明図である。
【図24】電子メール登録済みの正当利用者のICカードが中継器にかざされた場合におけるポイントの統合方法を概念的に示す説明図である。
【図25】変形例1における製造番号の中継に係る中継器及び利用者通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】変形例1における製造番号の中継に係る中継器及び利用者通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】変形例2に係るポイント処理システムの構成を示した模式図である。
【図28】カードポイント処理装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図29】第1及び第2ポイント情報テーブルの一例を概念的に示す説明図である。
【図30】変形例2における製造番号の中継に係る中継器及び利用者通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図31】変形例2における電子メールアドレスの登録及びポイントの統合に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図32】ポイント統合後の第1及び第2ポイント情報テーブルの内容を概念的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係るポイント処理システムの構成を示した模式図である。本発明の実施の形態に係るポイント処理システム(有価情報処理システム)は、店舗の利用者に対して付与されるべきポイント(有価情報)を送信する複数の店舗側携帯電話機2と、通信網Nを介して店舗側携帯電話機2に接続されており、利用者に対して付与されたポイントを処理するポイント処理装置1と、電子メール送信機能を有する利用者通信装置3と、ICカード(可搬性記録媒体)4に固有の製造番号の中継を行う中継器5とを備える。本実施の形態に係るポイント処理システムは、ICカードの製造番号に対応付けてポイントを発行するシステムであって、該製造番号に電子メールアドレスを対応付けるユーザ情報登録を簡便に行うことができ、電子メールアドレスの登録が必要な各種ポイントサービスの利用を促進するものである。
【0023】
図2は、ポイント処理装置1の構成を模式的に示すブロック図である。ポイント処理装置1は、装置全体を制御する制御部11、例えばCPU(Central Processing Unit)を備えたコンピュータである。制御部11には、バス10を介してROM12、RAM13、入力部14、表示部15、通信部(固有情報受信手段)16、内部記憶装置17、及び外部記憶装置18が接続されている。
【0024】
ROM12は、コンピュータの動作に必要な制御プログラムを記憶したマスクROM、EEPROM等の不揮発性メモリである。
RAM13は、制御部11の演算処理を実行する際に生ずる各種データを一時記憶するDRAM、SRAM等の揮発性メモリである。
入力部14は、ポイント処理装置1を操作するためのキーボード、マウス等の入力装置である。
表示部15は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRT等の表示装置である。
通信部16は、店舗側携帯電話機2及び利用者通信装置3との間でポイントに関する各種情報を送受信するインタフェースであり、通信部16による各種情報の送受信は制御部11によって制御される。
外部記憶装置18は、本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラム61をコンピュータ読み取り可能に記録したCD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray Disc)等の記録媒体6から情報を読み取る光ディスクドライブである。なお、言うまでもなく、光ディスク及び光ディスクドライブは、記録媒体6及び外部記憶装置18の一例であり、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、半導体メモリ等にコンピュータプログラム61をコンピュータ読み取り可能に記録し、外部記憶装置18にて読み出すように構成しても良い。また、通信網Nに接続されている図示しない外部コンピュータから本発明に係るコンピュータプログラム61をダウンロードするようにしても良い。
【0025】
内部記憶装置17は、例えばハードディスク、フラッシュメモリであり、外部記憶装置18にて記録媒体6から読み取られたコンピュータプログラム61を記憶する。また、内部記憶装置17は、利用者のポイントを管理するためのポイント情報テーブル(有価情報テーブル)17a、その他各種情報を記憶している。制御部11は、内部記憶装置17が記憶しているコンピュータプログラム61、各種情報をRAM13に読み出して実行することで、本発明に係る有価情報処理方法を実施する。コンピュータプログラム61は、コンピュータを本発明の実施の形態に係るポイント処理装置1として機能させるためのプログラムである。つまり、コンピュータプログラム61は、図7に示すポイント管理に係る処理、図9に示すポイント確認に係る処理、図11、12、14、15に示すポイントの追加及び消費に係る処理、図17及び図20に示す電子メールアドレスの登録及びポイントの統合に係る処理等を制御部11に実行させるためのプログラムを含む。
また、内部記憶装置17は、店舗側携帯電話機2との間で情報を送受信するためのコンピュータプログラム、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)等で各種情報を送受信する通信モジュールを記憶している。更に、内部記憶装置17は、ウェブクライアント機能、電子メール送受信機能を実現するためのコンピュータプログラムを記憶している。
【0026】
図3は、ポイント情報テーブル17aの一例を概念的に示す説明図である。ポイント情報テーブル17aは、複数の列、即ち「店舗識別情報」列、「製造番号」列、「電子メールアドレス」列、「利用日時」列及び「ポイント増減数」列から構成されている。
【0027】
「店舗識別情報」列は、ポイントの付与を行う各店舗を識別するための店舗識別情報を格納する。図3中、「店舗1」、「店舗2」は、店舗識別情報を示している。
「製造番号」列は、利用者が所有しているICカード4のICチップに記録された製造番号(識別情報)を格納する。製造番号は、ICチップの製造時に付与されるICカード4に固有の番号である。従って、同一の製造番号を記憶したICカード4は存在せず、製造番号によって、ICカード4の利用者を特定することが可能になる。
「電子メールアドレス」列は、各利用者の電子メールアドレス、例えば、利用者通信装置3で使用する電子メールアドレスを、ICカード4の製造番号夫々に対応付けて格納する。つまり、一の利用者が所有するICカード4の製造番号と、該一の利用者が所有する利用者通信装置3の電子メールアドレスとが対応付けられる。
「利用日時」列は、利用者が店舗を利用し、ポイントが増減した日時を格納する。
「ポイント増減数」列は、利用者に付与され、増加したポイント数、利用者が消費して減少したポイント数を格納している。「+」記号は、ポイントが増加したことを示しており、「−」記号はポイントが減少したことを示している。また、「+」記号又は「−」記号に続く数値は、増減したポイント数を示している。以下、「ポイント増減数」列に格納されている情報を、ポイント追加・消費情報という。
なお、ポイント情報テーブル17aの構成は一例であり、店舗識別情報、製造番号、電子メールアドレス、利用日時及びポイント増減数を対応付けて格納できれば、他のテーブル構成を採用しても良い。
【0028】
図4は、店舗側携帯電話機2の構成を示すブロック図である。店舗側携帯電話機2は、例えば、各店舗で利用される携帯電話機であり、装置全体を制御する制御部21を備える。制御部21には、バス20を介して記憶部22、RAM23、操作部24、表示部25、IC通信部26、通信部27、マイクロホン28及びスピーカ29が接続されている。また、制御部21には、日時を計時する図示しない時計部が接続されている。
【0029】
記憶部22は、コンピュータの動作に必要な制御プログラム及び本実施の形態に係るコンピュータプログラム71を記憶した不揮発性メモリである。コンピュータプログラム71は、携帯電話機のコンピュータを、本発明に係る有価情報処理方法を実施する店舗側携帯電話機2として機能させるためのプログラムであり、ポイントを利用するためのポイント利用画面(図8参照)を表示するためのポイント利用画面データ等の情報を含む。また、コンピュータプログラム71には、シリアルコードが付されており、該シリアルコードは、店舗を識別する店舗識別情報として利用される。更に、記憶部22は、制御部21がポイント処理装置1との間で情報を送受信するためのコンピュータプログラム、例えばHTTP等で各種情報を送受信する通信モジュールを記憶している。なお、コンピュータプログラム71は、制御部21の制御に従って、通信網N及び通信部27を介して外部の図示しないサーバからダウンロードされ、記憶部22に記憶されたものである。また、コンピュータプログラム71をコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体7から、該コンピュータプログラム71を読み出し、記憶部22に記憶するようにしても良い。記録媒体7は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリである。なお、言うまでもなく、携帯電話機にて読み出し可能な記録媒体であれば、特に記録媒体7の種類は限定されない。
【0030】
RAM23は、制御部21の演算処理を実行する際に生ずる各種データを一時記憶する揮発性メモリである。
表示部25は、ポイント処理装置1が備える表示部15と同様の構成である。
操作部24は、テンキー、十字キー、キャンセルボタン、決定ボタン、メニューボタン等で構成されている。なお、店舗側携帯電話機2の一例として、操作部をボタンにて構成した携帯電話機を例示するが、言うまでもなく、タッチセンサ式の操作部を備えた携帯電話機を利用しても良い。
【0031】
IC通信部26は、利用者所有のICカード4から製造番号を読み取る回路部品、例えば、Felica Faver2.0の規格に準拠したICチップである。該規格によれば、アドホック通信機能が用意されており、ICチップを非接触通信手段として利用することが可能になる。前記ICチップには、ICカード4との間で情報を無線で送受信するためのアンテナ及び通信回路が設けられている。IC通信部26と、ICカード4との間の非接触通信を、以下IC通信という。
【0032】
ICカード4は、ISO/IEC14443規格のTypeA、TypeB、又はISO/IEC18092規格のTypeC等に準拠しており、IC通信部26との間で無線による情報の送受信を行うアンテナ及びICチップを備えている。アンテナ及びICチップはプラスチックカード内に封入されている。ICチップは、IC通信部26が発生させた電波による磁界によって駆動し、アンテナにて製造番号を店舗側携帯電話機2へ送信する。IC通信部26は、店舗側携帯電話機2から送信された製造番号をIC通信によって受信する。
【0033】
通信部27は、ポイント処理装置1との間でポイントに関する各種情報を送受信するインタフェースであり、通信部27による各種情報の送受信は制御部21によって制御されている。
スピーカ29は、他の携帯電話機から送信された通話に係る情報、特に音声信号を増幅して出力する。
マイクロホン28は、外部から入力された音声を音声信号に変換し、変換した電気信号を通話に係る情報として通信部27に与え、外部の携帯電話機へ送信する。
【0034】
図5は、利用者通信装置3の構成を模式的に示すブロック図である。利用者通信装置3は、例えば電子メール通信機能及びウェブクライアント機能を有する携帯電話端末であり、装置全体を制御する制御部31を備えている。制御部31には、バス30を介して、記憶部32、RAM33、IC通信部(受信手段)34、通信部(固有情報送信部)35、操作部36、表示部37、マイクロホン38、及びスピーカ39が接続されている。
【0035】
記憶部32は、利用者通信装置3の動作に必要な制御プログラム、メーラ、HTMLブラウザ、その他各種ソフトウェアを記憶した不揮発性メモリであり、RAM33は、制御部31の演算処理を実行する際に生ずる各種データを一時記憶する揮発性メモリである。
IC通信部34は、店舗側携帯電話機2のIC通信部26と同様の構成である。IC通信部34は、固有の製造番号を記憶しており、IC通信にて該製造番号を送出できるように構成されている。
通信部35は、高周波送受信部及びアンテナ等を備え、ポイント処理装置1との間で電子メールに係る情報を無線で送受信する。また、通信部35は、他の利用者通信装置3との間で電子メール及び通話に係る情報を無線で送受信する。
操作部36は、通話及び電子メール通信を操作するための通話ボタン、電子メールの送信ボタン、数字キー、決定ボタン等を備える。
表示部37は例えば液晶ディスプレイ等であり、電子メールに含まれる文字、HTML画像等を表示する。
スピーカ39は、他の利用者通信装置3から送信された通話に係る情報、特に音声信号を増幅して出力する。マイクロホン38は、外部から入力された音声を音声信号に変換し、変換した電気信号を通話に係る情報として通信部35に与え、外部の利用者通信装置3へ送信する。
【0036】
図6は、中継器5の構成を模式的に示すブロック図である。
中継器5は、装置全体を制御する制御部51を備えている。制御部51には、バス50を介して、記憶部(記憶手段)52、RAM53、IC通信部(取得手段,送信手段)54、操作部55、発光部56、通信部57及びタイマー58が接続されている。
【0037】
記憶部52は、中継器5の動作に必要な制御プログラムを記憶した不揮発性メモリであり、ポイント処理装置1の所在を示したURLを記憶する。RAM53は、制御部51の演算処理を実行する際に生ずる各種データを一時記憶する揮発性メモリである。
IC通信部54は、店舗側携帯電話機2のIC通信部26と同様の構成である。IC通信部54は、ICカード4から製造番号を取得する取得手段、受信した製造番号及び記憶部52が記憶しているURLを送信する送信手段として機能する。
操作部55は、例えば押しボタン式のスイッチであり、中継器5の動作開始指示を受け付ける。
発光部56は、中継器5にて製造番号の中継に係る処理が実行中であることを示す発光ダイオード等の素子である。
通信部57は、外部のコンピュータとの間で情報を送受信するためのインタフェース、例えばUSB端子であり、ポイント処理装置1の所在を示すURLの初期登録時に利用される。制御部51は、外部のコンピュータにて入力されたURLを、通信部57を介して受信し、受信したURLを記憶部52に書き込む。
【0038】
図7は、ポイント管理に係る制御部の処理手順を示すフローチャート、図8は、ポイント利用画面の一例を示す模式図である。本発明に係るポイント処理の動作を開始する際、例えば、ポイント処理装置1は、店舗側携帯電話機2に対して、管理用のICカードの製造番号を店舗識別情報として要求する。店舗側携帯電話機2の制御部21は、管理用のICカードの製造番号を取得し、取得した製造番号をポイント処理装置1へ送信する。ポイント処理装置1は、店舗側携帯電話機2から送信された製造番号を受信し、受信した製造番号と、内部記憶装置17が記憶している店舗識別情報としての製造番号とを照合し、照合に成功した場合、ポイントに係る処理を実行する。ポイント処理を実行する前に、管理用の製造番号を用いて認証することによって、ポイント処理システムの不正使用を防止することができる。以下、認証に成功した場合の処理手順を説明する。なお、ここで説明した店舗側携帯電話機2の認証方法は、一例である。
【0039】
店舗側携帯電話機2の制御部21は、記憶部22からポイント利用画面データを読み出し、読み出したポイント利用画面データに基づいて、ポイント利用画面を表示部25に表示させる(ステップS11)。ポイント利用画面データは、店舗側携帯電話機2の記憶部22に予め格納しておいても良いが、本発明の処理手順を実行する都度、ポイント処理装置1からポイント利用画面データを取得するように構成しても良い。ポイント利用画面は、図8(a)に示すように、ポイント又は店舗での購入金額を入力するための入力フィールドと、該入力フィールドの上部に表示された「決済金額を入力して下さい。」の文字列等を有する。また、図8(a)のポイント利用画面が表示されている状態で、操作部24のメニューボタンが操作された場合、制御部21は、図8(b)に示すように、「発行」ボタン、「確認」ボタン、「消費」ボタンをメニュー表示させる。各ボタンは、十字キーによってカーソル選択することができ、決定ボタンを操作することによって、カーソルで選択されている各ボタンを操作することができる。なお、図8に示したポイント利用画面は一例である。
【0040】
そして、制御部21は、操作部24の操作状態を監視することによって、ポイント確認ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS12)。ポイント確認ボタンが操作されたと判定した場合(ステップS12:YES)、制御部21は、後述のサブルーチンを呼び出し、ポイントの確認処理を実行する(ステップS13)。
【0041】
ステップS13の処理を終えた場合、又はポイント確認ボタンが操作されていないと判定した場合(ステップS12:NO)、制御部21は、操作部24の操作状態を監視することによって、ポイント発行ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS14)。ポイント発行ボタンが操作されたと判定した場合(ステップS14:YES)、制御部21は、後述のサブルーチンを呼び出し、ポイントの追加処理を実行する(ステップS15)。
【0042】
ステップS15の処理を終えた場合、又はポイント発行ボタンが操作されていないと判定した場合(ステップS14:NO)、制御部21は、操作部24の操作状態を監視することによって、ポイント消費ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS16)。ポイント消費ボタンが操作されたと判定した場合(ステップS16:YES)、制御部21は、後述のサブルーチンを呼び出し、ICカード4使用時のポイントの消費処理を実行する(ステップS17)。
【0043】
ステップS17の処理を終えた場合、又はポイント消費ボタンが操作されていないと判定した場合(ステップS16:NO)、制御部21は、処理を終える。以上の処理は、繰り返し実行され、ポイントの確認、並びにポイントの追加を即時に行うことができる。
【0044】
<ポイント確認処理>
図9は、ポイント確認に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャート、図10は、ポイント確認時におけるポイント利用画面の一例を示す模式図である。ポイント確認に係るサブルーチンが呼び出された場合、制御部21は、図10(a)に示すポイント確認画面を表示部25に表示させ、IC通信部26にてICカード4の製造番号を取得する(ステップS31)。そして、制御部21は、記憶部22から店舗識別情報を読み出す(ステップS32)。次いで、制御部21は、ICカード4から取得した製造番号、及び記憶部22から読み出した店舗識別情報を、通信部27を介してポイント処理装置1へ送信する(ステップS33)。
【0045】
ポイント処理装置1の制御部11は、店舗側携帯電話機2から送信された製造番号及び店舗識別情報を通信部16にて受信する(ステップS34)。そして、制御部11は、ステップS34で受信した製造番号及び店舗識別情報に該当する全てのポイント追加・消費情報等をポイント情報テーブル17aから読み出す(ステップS35)。
【0046】
そして、制御部11は、ステップS35で読み出したポイント追加・消費情報に基づいて、ポイントの加減算処理を実行する(ステップS36)。つまり、制御部11は、前記店舗識別情報が示す店舗で追加又は消費されたポイント数を全て合算することによって、現在のポイント数を算出する。例えば、図3に示すように、店舗識別情報が「店舗1」の業者で、「製造番号1」のICカード4を用いて、ポイント確認を行った場合、ポイント追加・消費情報「+20ポイント」、「+10ポイント」及び「−10ポイント」を用いて、ポイント数、+20+10−10=20を算出する。
【0047】
そして、制御部11は、ステップS36で算出して得たポイント数を示すポイント情報及びアドレス登録状態情報を、通信部16を介して店舗側携帯電話機2へ送信する(ステップS37)。アドレス登録状態情報は、前記製造番号に対応する電子メールアドレスが登録されているか否か、つまり電子メールアドレスが関連付けられているか否かを示す情報である。例えば、図3に示すように、製造番号1には、電子メールアドレスが関連付けられているため、登録済であることを示すアドレス登録状態情報が店舗側携帯電話機2へ送信される。一方、製造番号4には、電子メールアドレスが関連付けられていないため、未登録であることを示すアドレス登録状態情報が店舗側携帯電話機2へ送信される。
【0048】
店舗側携帯電話機2の制御部21は、ポイント処理装置1から送信されたポイント情報及びアドレス登録状態情報を通信部27にて受信する(ステップS38)。そして、制御部21は、図10(b)、(c)に示すように、受信したポイント情報に基づいてポイントを表示部25に表示する(ステップS39)。
上述の処理によれば、利用者所有のICカード4を店舗側携帯電話機2にかざすことによって、該ICカード4の製造番号に対応付けられたポイントが店舗側携帯電話機2の表示部25に表示される。例えば、「製造番号1」を記録されたICカード4を店舗側携帯電話機2にかざした場合、ポイント数「20」が表示される。
【0049】
次いで、制御部21は、アドレス登録状態情報に基づいて、ステップS33で送信された製造番号に対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されているか否かを判定する(ステップS40)。対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されていないと判定した場合(ステップS40:NO)、制御部21は、図10(c)に示すように、「電子メールアドレスが未登録です。」の文字を表示部25に表示し(ステップS41)、処理を終える。
対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されていると判定した場合(ステップS40:YES)、制御部21は、図10(b)に示すように、「電子メールアドレスが未登録です。」の文字を表示部25に表示せずに処理を終える。
【0050】
上述の処理によれば、店舗側携帯電話機2にICカード4をかざし、ポイント確認ボタンを操作することによって、該ICカード4の製造番号に対応付けられたポイントを店舗側携帯電話機2の表示部25に表示させることができる。また、利用者所有のICカード4に対して電子メールアドレスが登録されていない場合、「電子メールアドレスが未登録です。」の文字列が表示される。例えば、「製造番号4」が記録されたICカード4を店舗側携帯電話機2にかざした場合、ポイント数「10」が表示される。また、図3に示すように「製造番号4」には電子メールアドレスが対応付けられていないため、「電子メールアドレスが未登録です。」の文字列が表示部25に表示される。
【0051】
<ポイント追加処理>
図11及び図12は、ポイント追加に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャート、図13は、ポイント追加時におけるポイント利用画面の一例を示す模式図である。以下、図13(a)に示すように、20ポイントを有している状態における処理を説明する。まず、店舗側携帯電話機2の制御部21は、図13(b)、(c)に示すポイント発行画面を表示部25に表示させ、ポイントを追加するために、操作部24にて入力されたポイントを受け付ける(ステップS51)。なお、ポイントの数は、例えば店舗側携帯電話機2がテンキーを有している場合、該テンキーを用いて、ポイント数を入力するように構成しても良い。また、店舗での購入金額と、該購入金額に応じて発行されるポイント数との割合を予め設定しておき、店舗側携帯電話機2には購入金額を入力するように構成すると良い。例えば、購入金額の5%のポイントを発行するように設定されている場合、購入金額として「1000」を入力することによって、50ポイントを入力したことになる。
【0052】
次いで、制御部21は、IC通信部26にてICカード4の製造番号を取得する(ステップS52)。そして、制御部21は、記憶部22から店舗識別情報を読み出し(ステップS53)、製造番号、店舗識別情報、ポイント追加情報を通信部27を介してポイント処理装置1へ送信する(ステップS54)。ポイント追加情報は、少なくともポイントの追加を指示する情報と、ステップS51で受け付けたポイントの数を含む情報である。
【0053】
ポイント処理装置1の制御部11は、店舗側携帯電話機2から送信された製造番号、店舗識別情報、及びポイント追加情報を通信部16にて受信する(ステップS55)。そして、制御部11は、受信した製造番号、店舗識別情報、ポイント追加情報及び利用日時情報をポイント情報テーブル17aに登録する(ステップS56)。利用日時情報は、ポイント処理装置1が計時している日時、時刻を含む情報である。
【0054】
次いで、制御部11は、ステップS55で受信した製造番号に対応するポイント追加・消費情報をポイント情報テーブル17aから読み出し、読み出したポイント追加・消費情報に基づいて、ポイントの加減算処理を実行する(ステップS57)。
【0055】
そして、制御部11は、ステップS55で受信した製造番号に対応する電子メールアドレスが登録済みであるか否かを判定する(ステップS58)。登録済みであると判定した場合(ステップS58:YES)、制御部11は、ステップS55で受信した製造番号に基づいて、電子メールアドレスをポイント情報テーブル17aから読み出し(ステップS59)、読み出した電子メールアドレス宛に、加算後のポイント情報を電子メールにて送信する(ステップS60)。
【0056】
ステップS60で送信する電子メールには、当該利用者の過去のポイント履歴を確認するウェブサイトへ誘導するためのURLを含ませるように構成しても良い。利用者通信装置3は、該URLを用いてポイント処理装置1にアクセスし、ポイントの利用履歴情報をダウンロードし、表示する。つまり、利用者は、利用者通信装置3の表示部37に表示されたURLを選択することによって、ポイント処理装置1にアクセスし、ポイントの利用履歴を確認することができる。
【0057】
ステップS60の処理を終えた場合、又はステップS58で電子メールアドレスが未登録であると判定した場合(ステップS58:NO)、制御部11は、加算後のポイント情報及びアドレス登録状態情報を、通信部16にて店舗側携帯電話機2へ送信する(ステップS61)。
【0058】
店舗側携帯電話機2の制御部21は、ポイント処理装置1から送信されたポイント情報及びアドレス登録状態情報を受信し(ステップS62)、図13(d)に示すように、受信したポイント情報に基づいてポイントを表示部25に表示する(ステップS63)。例えば、「製造番号1」が記録されたICカード4を店舗側携帯電話機2にかざし、図13(c)に示した状態で操作部24にて10ポイントを入力し、ポイント追加キーを操作した場合、元の20ポイントに10ポイントが加算され、図13(d)に示すように「製造番号1」に合計30ポイントが対応付けられる。
【0059】
ステップS63の処理を終えた場合、制御部21は、アドレス登録状態情報に基づいて、ステップS54で送信された製造番号に対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されているか否かを判定する(ステップS64)。対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されていないと判定した場合(ステップS64:NO)、制御部21は、図13(d)に示すように、「電子メールアドレスが未登録です。」の文字を表示部25に表示する(ステップS65)。
対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されていると判定した場合(ステップS64:YES)、又はステップS65の処理を終えた場合、制御部21は、処理を終える。
【0060】
<ポイントの消費処理>
図14及び図15は、ポイント消費に係るサブルーチンの処理手順を示すフローチャート、図16は、ポイント消費時におけるポイント利用画面の一例を示す模式図である。以下、図16(a)に示すように、30ポイントを有している状態における処理を説明する。まず、店舗側携帯電話機2の制御部21は、図16(b)、(c)に示すポイント消費画面を表示部25に表示させ、ポイントを消費するために、操作部24にて入力されたポイントを受け付ける(ステップS71)。次いで、制御部21は、IC通信部26にてICカード4の製造番号を取得する(ステップS72)。そして、制御部21は、記憶部22から店舗識別情報を読み出し(ステップS73)、製造番号、店舗識別情報、及びポイント消費情報を通信部27を介してポイント処理装置1へ送信する(ステップS74)。ポイント消費情報は、少なくともポイントの消費を指示する情報と、ステップS71で受け付けたポイントの数を含む情報である。
【0061】
ポイント処理装置1の制御部11は、店舗側携帯電話機2から送信された製造番号、店舗識別情報、及びポイント消費情報を通信部16にて受信する(ステップS75)。そして、制御部11は、受信した製造番号、店舗識別情報、ポイント消費情報及び利用日時情報をポイント情報テーブル17aに登録する(ステップS76)。利用日時情報は、ポイント処理装置1が計時している日時、時刻を含む情報である。
【0062】
次いで、制御部11は、ステップS75で受信した製造番号に対応するポイント消費情報をポイント情報テーブル17aから読み出し、読み出したポイント消費情報に基づいて、ポイントの加減算処理を実行する(ステップS77)。
【0063】
そして、制御部11は、ステップS75で受信した製造番号に対応する電子メールアドレスが登録済みであるか否かを判定する(ステップS78)。登録済みであると判定した場合(ステップS78:YES)、制御部11は、ステップS75で受信した製造番号に基づいて、電子メールアドレスをポイント情報テーブル17aから読み出し(ステップS79)、読み出した電子メールアドレス宛に、加算後のポイント情報を電子メールにて送信する(ステップS80)。電子メールの内容は、ステップS60で送信するものと同様である。
【0064】
ステップS80の処理を終えた場合、又はステップS78で電子メールアドレスが未登録であると判定した場合(ステップS78:NO)、制御部11は、加算後のポイント情報及びアドレス登録状態情報を、通信部16にて店舗側携帯電話機2へ送信する(ステップS81)。
【0065】
店舗側携帯電話機2の制御部21は、ポイント処理装置1から送信されたポイント情報及びアドレス登録状態情報を受信し(ステップS82)、図16(d)に示すように、受信したポイント情報に基づいてポイントを表示部25に表示する(ステップS83)。例えば、「製造番号1」が記録されたICカード4を店舗側携帯電話機2にかざし、図16(c)に示した状態で操作部24にて10ポイントを入力し、ポイント消費キーを操作した場合、元の30ポイントから10ポイントが減算され、図16(d)に示すように、「製造番号1」に20ポイントが対応付けられる。
【0066】
ステップS83の処理を終えた場合、制御部21は、アドレス登録状態情報に基づいて、ステップS74で送信された製造番号に対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されているか否かを判定する(ステップS84)。対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されていないと判定した場合(ステップS84:NO)、制御部21は、「電子メールアドレスが未登録です。」の文字を表示部25に表示する(ステップS85)。対応する電子メールアドレスがポイント情報テーブル17aに登録されていると判定した場合(ステップS84:YES)、又はステップS85の処理を終えた場合、制御部21は、処理を終える。
【0067】
<中継>
図17及び図18は、製造番号の中継に係る中継器5及び利用者通信装置3の処理手順を示すフローチャートである。中継器5の制御部51は、操作部55の操作状態を監視することによって、操作部55がオン状態であるか否かを判定する(ステップS91)。操作部55がオン状態で無いと判定した場合(ステップS91:NO)、制御部51は、再度ステップS91の処理を実行する。操作部55がオン状態にあると判定した場合(ステップS91:YES)、制御部51は、IC通信部54を駆動する(ステップS92)。IC通信部54の駆動中に、ICカード4又は利用者通信装置3が中継器5にかざされた場合、IC通信部54は、ICカード4及び利用者通信装置3から製造番号を取得すると共に、IC通信の相手方の種類を示した情報も取得する。IC通信の相手方の種類とは、例えばICカード4、携帯電話機等の種別を意味である。そして、制御部51は、製造番号の取得順序を示す変数としての取得番号iに0を代入する(ステップS93)。
【0068】
そして、制御部51は、IC通信部54の受信状態を監視することによって、製造番号を取得したか否かを判定する(ステップS94)。製造番号を取得したと判定した場合(ステップS94:YES)、制御部51は、取得番号iに1を加算する(ステップS95)。加算後の取得番号iが1より大きいか否かを判定する(ステップS96)。取得番号iが1より大きいと判定した場合(ステップS96:YES)、制御部51は、取得した取得番号iが、先に取得した製造番号と重複するか否かを判定する(ステップS97)。本実施の形態では、複数枚のICカード4の製造番号に対して電子メールアドレスを一度に登録することができるため、中継器5に複数枚のICカードがかざされることがあるが、利用者が誤って、同じICカード4を中継器5にかざした場合であっても、重複した製造番号は破棄される。取得番号iが重複しないと判定した場合(ステップS97:NO)、又はステップS96で取得番号iが1以下であると判定した場合(ステップS96:NO)、制御部51は、取得番号i及び製造番号をRAM53又は記憶部52に記憶させる(ステップS98)。
【0069】
製造番号が重複すると判定した場合(ステップS97:YES)、制御部51は、重複した製造番号のいずれか一方を破棄し(ステップS99)、取得番号iから1を減算する(ステップS100)。
【0070】
ステップS98又はステップS100の処理を終えた場合、制御部51は、IC通信部54にて取得した情報に基づいて、ステップS94で取得した製造番号が携帯電話機である利用者通信装置3から取得した製造番号であるか否かを判定する(ステップS101)。取得した製造番号が携帯電話機から取得したものでは無いと判定した場合(ステップS101:NO)、又はステップS94で製造番号を取得していないと判定した場合(ステップS94:NO)、制御部51は、操作部55の操作状態を監視することによって、操作部55がオン状態にあるか否かを判定する(ステップS102)。操作部55がオン状態にあると判定した場合(ステップS102:YES)、制御部51は、処理をステップS94に戻す。操作部55がオン状態にないと判定した場合(ステップS102:NO)、制御部51は、所得した全ての製造番号を破棄し(ステップS103)、IC通信部54を停止させ(ステップS104)、処理をステップS91に戻す。
【0071】
取得した製造番号が携帯電話機から取得したものであると判定した場合(ステップS101:YES)、制御部51は、記憶部52からURLを読み出し(ステップS105)、取得した全ての製造番号、取得番号i並びにURLを、IC通信部54を介して送信する(ステップS106)。なお、制御部51は、製造番号を終えた場合、記憶部52又はRAM53から製造番号を破棄する。
【0072】
利用者通信装置3の制御部31は、中継器5から送信された製造番号及び取得番号i並びにURLを、IC通信部34にて受信し(ステップS107)、処理を終える。
【0073】
<電子メールアドレス登録及びポイント統合>
図19及び図20は、電子メールアドレスの登録及びポイントの統合に係る制御部11,31の処理手順を示すフローチャートである。利用者通信装置3の制御部31は、中継器5から製造番号及びURLを受信した場合、受信した製造番号及び取得番号iをポイント処理装置1へ送信すると共に、会員登録を要求する(ステップS111)。具体的には、会員登録サイトを表示するためのURLであって、製造番号をパラメータとして含むURLをポイント処理装置1へ送信することによって、会員登録を要求する。
【0074】
ポイント処理装置1の制御部11は、利用者通信装置3から送信された製造番号、取得番号i、店舗識別情報及び会員登録要求を受信し(ステップS112)、該製造番号、取得番号i及び会員登録要求に応じた会員登録画面データを通信部16を通じて利用者通信装置3へ送信する(ステップS113)。
【0075】
利用者通信装置3の制御部31は、会員登録画面データを受信し(ステップS114)、受信した会員登録画面データに基づいて会員登録画面を表示部37に表示する(ステップS115)。会員登録画面には、メール送信ボタンが表示される。そして、制御部31は、操作部36の操作によってメール送信ボタンが操作された場合、製造番号、取得番号i、及び利用者通信装置3の電子メールアドレスを含む電子メールを、通信部35にてポイント処理装置1へ送信する(ステップS116)。会員登録画面から製造番号、取得番号i、及び電子メールアドレスを送信する方法としては、例えば、mailtoリンクを用いる方法がある。メール送信ボタンが操作された際、IC通信にて受信した製造番号、取得番号iを件名又は本文に含ませてメーラを立ち上げ、ポイント処理装置1宛にメールを送信するようにすれば良い。ポイント処理装置1は、電子メールを受信した場合、該電子メールから送信元の電子メールアドレスを特定することができる。また、ポイント処理装置1は、件名又は本文に入力された製造番号、取得番号iを抽出することによって、対応する電子メールアドレスと、製造番号、取得番号iを取得することができる。
また、表示部37にメールフォームを表示し、該メールフォームに入力された製造番号、及び取得番号iと、電子メールアドレスとをポイント処理装置1へ送信しても良い。
なお、上述した電子メールアドレスの送信方法は一例であり、製造番号、取得番号i、及び電子メールアドレスを対応付けてポイント処理装置1へ送信することができる構成であれば、他の方法を採用しても良い。メールアドレスを手動で入力しても良い。
【0076】
ポイント処理装置1の制御部11は、製造番号、取得番号i及び電子メールアドレスを含む電子メールを受信する(ステップS117)。そして、制御部11は、受信した一の製造番号と同一の登録済みの製造番号に電子メールアドレスが対応付けて既に登録されているか否かを判定する(ステップS118)。電子メールアドレスが未だ登録されていないと判定した場合(ステップS118:NO)、制御部11は、ステップS118で判定された製造番号及び電子メールアドレスを対応付けてポイント情報テーブル17aに登録する(ステップS119)。
なお、製造番号に電子メールアドレスが登録された場合、店舗でICカード4を利用する都度、ポイント利用に係る情報が前記電子メールアドレス宛に送信されるようになる。また、図10(c)に示すように店舗側携帯電話機2の表示部25には「電子メールアドレスが未登録です。」の文字列が表示されないようになる。
【0077】
ステップS119の処理を終えた場合、又はステップS118で電子メールアドレスが既に登録されていると判定した場合(ステップS118:YES)、制御部11は、受信した製造番号の全てについて、電子メールアドレスの登録の有無を判定したか否かを判定する(ステップS120)。未判定の製造番号があると判定した場合(ステップS120:NO)、制御部11は、処理をステップS118へ戻し、未判定の製造番号についてもステップS118の判定処理を実行する。
【0078】
全ての製造番号についてステップS118の判定を終えたと判定した場合(ステップS120:YES)、制御部11は、ステップS117で受信した電子メールアドレスに、複数の製造番号が対応付けられているか否かを判定する(ステップS121)。複数の製造番号が対応付けられていると判定した場合(ステップS121:YES)、制御部11は、前記電子メールアドレスに対応付けられているポイント追加・消費情報を統合する(ステップS122)。具体的には、前記電子メールアドレスに対応付けられた異なる製造番号を、取得番号iの最大値に対応する製造番号に書き換えることによって、異なる製造番号に対応付けられていたポイント追加・消費情報を、一の製造番号に対応付けることができる。取得番号iの最大値に対応する製造番号は、利用者通信装置3のIC通信部34に係る製造番号であるため、携帯電話機である利用者通信装置3にポイントが統合される。
なお、他の製造番号にポイントを統合するように構成しても良い。例えば、取得番号iの最大値よりも1小さい取得番号iに対応する製造番号に、ポイントを統合するように構成しても良い。この場合、中継器5に最後にかざしたICカード4にポイントが統合される。また、取得番号i=1に対応する製造番号に、ポイントを統合するように構成しても良い。更に、統合先の製造番号を利用者から受け付け、受け付けた製造番号にポイントを統合するように構成しても良い。
【0079】
次いで、制御部11は、前記一の製造番号に対応付けられたポイント追加・消費情報に基づいて、ポイントの加減算処理を実行する(ステップS123)。
【0080】
ステップS123の処理を終えた場合、又はステップS121で複数の製造番号が対応付けられていないと判定した場合(ステップS121:NO)、制御部11は、電子メールにてポイント統合後のポイント情報及び登録完了通知情報を、通信部16を介して利用者通信装置3へ送信する(ステップS124)。登録完了通知情報は、一対一で製造番号及び電子メールアドレスを紐付ける処理(図21(d)参照)を完了したことを通知するための情報である。
【0081】
利用者通信装置3の制御部31は、ポイント処理装置1から送信されたポイント情報及び登録完了通知情報を受信し(ステップS125)、受信したポイント情報及び登録完了通知情報に基づいて、ポイント及び登録が完了した旨を表示部37に表示し(ステップS126)、処理を終える。
【0082】
図21は、ポイントの統合方法を概念的に示す説明図、図22は、ポイント統合におけるポイント情報テーブル17aの内容変化を示す説明図である。図21(a)に示すように、一の利用者は、「製造番号1」が記録された1枚のICカード4を利用しており、「店舗1」から20ポイント発行されている。図21(a)に示した20ポイントは、図3に示すポイント情報テーブル17aに登録されているポイント「+20」、「+10」、「−10」を合算したポイントである。ただし、ここでは「製造番号1」には未だ電子メールアドレスが登録されていないものとする。なお、破線の矩形枠は、電子メールアドレスが対応付けられていないことを示している。
【0083】
図21(a)に示した状態で、「製造番号4」が記録された利用者通信装置3を、前記一の利用者がICカードとして利用した場合、図3及び図21(b)に示すように、「製造番号4」には、例えば「店舗1」から発行された10ポイントが対応付けられる。利用者通信装置3は、初回の利用であるため、店舗側携帯電話機2の表示部25には「電子メールアドレスが未登録です。」の文字列が表示される。ここで、中継器5の操作部55をオン状態にし、前記一の利用者が前記一のICカード4を中継器5にかざした場合、中継器5は、ICカード4の製造番号1を取得し、製造番号1に取得番号1が対応付けられる。続けて、利用者が、中継器5の操作部55をオン状態にしたまま、利用者通信装置3を中継器5にかざすと、中継器5は、利用者通信装置3のIC通信部54に係る製造番号4を取得し、該製造番号4及び取得番号2を対応付ける。ここで、中継器5は、IC通信の相手方が携帯電話機であると判定するため、取得した製造番号1,4、取得番号1,2及びURLを、利用者通信装置3にIC通信にて送信する。利用者通信装置3は、中継器5から送信された製造番号1,4、取得番号1,2及びURLをIC通信にて受信し、受信したURLを用いて会員登録サイトにアクセスし、製造番号1,4及び取得番号1,2を電子メールで送信した場合、図21(c)及び図22(a)に示すように、単一の電子メールアドレスに、「製造番号1」と、「製造番号4」とが対応付けられる。なお、既登録メールアドレスがある製造番号があれば、該製造番号には新しいメールアドレスは対応付けされることはない。詳細は、後述する。
【0084】
ところが、単一の電子メールアドレスに複数の製造番号が対応付けられた場合、各製造番号に対応付けられていたポイント「20」及び「10」は、図21(d)及び図22(b)に示すように、取得番号2に対応する利用者通信装置3の製造番号4に対応付けられ、統合される。
【0085】
図23は、ポイントの盗難防止方法を概念的に示す説明図である。図23(a)に示すように、一の利用者は、「製造番号3」が記録された1枚のICカード4を利用しており、「店舗1」から10ポイント発行されている。「製造番号3」には、一の利用者の電子メールアドレスが対応付けられている。
【0086】
「製造番号4」が記録された利用者通信装置3を、他の利用者がICカードとして利用した場合、図23(b)に示すように、「製造番号4」には、例えば「店舗1」から発行された10ポイントが対応付けられる。利用者通信装置3は、初回の利用であるため、店舗側携帯電話機2の表示部25には「電子メールアドレスが未登録です。」の文字列が表示される。
ここで、前記他の利用者が、何らかの方法で、「製造番号3」が記録された前記一の利用者のICカード4を入手したとする。中継器5の操作部55をオン状態にし、前記他の利用者が前記一のICカード4を中継器5にかざした場合、中継器5は、ICカード4の製造番号3を取得し、製造番号3に取得番号1が対応付けられる。続けて、利用者が、中継器5の操作部55をオン状態にしたまま、利用者通信装置3を中継器5にかざすと、中継器5は、利用者通信装置3のIC通信部54に係る製造番号4を取得し、該製造番号4及び取得番号2を対応付ける。ここで、中継器5は、IC通信の相手方が携帯電話機であると判定するため、取得した製造番号3,4、取得番号1,2及びURLを、利用者通信装置3にIC通信にて送信する。利用者通信装置3は、中継器5から送信された製造番号3,4、取得番号1,2及びURLをIC通信にて受信し、受信したURLを用いて会員登録サイトにアクセスし、製造番号3,4及び取得番号1,2を電子メールで送信した場合、図23(c)に示すように、「製造番号4」には、他の利用者の電子メールアドレスが登録されるが、既に「製造番号3」に対応付けられていた一の利用者の電子メールアドレスが、他の利用者の電子メールアドレスに書き換えられることは無い。
【0087】
このように、製造番号に電子メールアドレスが既に対応付けられている場合、該製造番号を記録したICカード4を中継器5にかざしても、前記製造番号に他の電子メールアドレスが対応付けられることは無い。従って、ICカード4に蓄積されたポイントが他の利用者のICカード4に統合されることを防止することができる。
【0088】
図24は、電子メール登録済みの正当利用者のICカード4が中継器5にかざされた場合におけるポイントの統合方法を概念的に示す説明図である。図24(a)に示すように、一の利用者は、「製造番号1」が記録された1枚のICカード4を利用しており、「店舗1」から20ポイント発行されている。また、「製造番号1」には一の利用者の電子メールアドレスが対応付けられている。
【0089】
図24(a)に示した状態で、「製造番号4」が記録された利用者通信装置3を、前記一の利用者がICカードとして利用した場合、図3及び図24(b)に示すように、「製造番号4」には、例えば「店舗1」から発行された10ポイントが対応付けられる。利用者通信装置3は、初回の利用であるため、店舗側携帯電話機2の表示部25には「電子メールアドレスが未登録です。」の文字列が表示される。ここで、中継器5の操作部55をオン状態にし、前記一の利用者が前記一のICカード4を中継器5にかざした場合、中継器5は、ICカード4の製造番号1を取得し、製造番号1に取得番号1が対応付けられる。続けて、利用者が、中継器5の操作部55をオン状態にしたまま、利用者通信装置3を中継器5にかざすと、中継器5は、利用者通信装置3のIC通信部54に係る製造番号4を取得し、該製造番号4及び取得番号2を対応付ける。ここで、中継器5は、IC通信の相手方が携帯電話機であると判定するため、取得した製造番号1,4、取得番号1,2及びURLを、利用者通信装置3にIC通信にて送信する。利用者通信装置3は、中継器5から送信された製造番号1,4、取得番号1,2及びURLをIC通信にて受信し、受信したURLを用いて会員登録サイトにアクセスし、製造番号1,4及び取得番号1,2を電子メールで送信した場合、「製造番号4」には、前記一の利用者の電子メールアドレスが登録されるが、既に「製造番号1」には電子メールアドレスが既に登録されているため、受信した電子メールアドレスに書き換えられることは無い。製造番号1、4が記録されたICカード4及び利用者通信装置3の利用者が同じで、各製造番号1,4に対応付けられた電子メールアドレスは同一である場合、結果として、図24(c)に示すように、単一の電子メールアドレスに、「製造番号1」と、「製造番号4」とが対応付けられる。
【0090】
単一の電子メールアドレスに複数の製造番号が対応付けられた場合、各製造番号1,4に対応付けられていたポイント「20」及び「10」は、図24(d)に示すように、取得番号2に対応する利用者通信装置3の製造番号4に対応付けられ、統合される。
【0091】
このように、製造番号に電子メールアドレスが既に対応付けられている場合であっても、正当な利用者であれば、該製造番号を記録したICカード4を中継器5にかざすことによって、ポイントを統合することができる。
【0092】
実施の形態によれば、利用者の電子メールアドレスの登録を簡便に行うことができ、電子メールアドレスの登録が必要なポイント情報サービスの利用を促進することができる。例えば、電子メールアドレスを登録することによって、複数のICカード4及び利用者通信装置3に分散して対応付けられていたポイント情報を、一のICカード4又は利用者通信装置3に統合することができる。
【0093】
また、中継器5の操作部55がオン状態になった場合にIC通信部54を駆動し、操作部55がオフ状態になった場合IC通信部54を停止させるため、中継器の消費電力を抑えることができる。
【0094】
更に、製造番号の入力を終えた場合、操作部55の操作を止めてオフ状態にするだけで、入力された製造番号が破棄されるため、一の利用者が所有するICカード4の製造番号に、他の利用者の電子メールが登録されることを効果的にかつ簡易に防止することができる。
【0095】
更にまた、はじめに電子メールアドレスの登録を所望するICカード4を中継器5にかざし、最後に利用者通信装置3を中継器5にかざすことによって、登録完了を指示するための各別の操作を行うことなく、製造番号及びURLの情報を利用者通信装置3へ送信することができる。
【0096】
更にまた、ポイントを統合したいICカード4の特定を、中継器5にかざす順番によって行うため、統合先を指示するための各別の操作を行うことなく、簡易に所望の統合処理を行うことができる。
【0097】
更にまた、一の電子メールアドレスに単一のICカード4が対応するようにポイントを管理することによって、利便性を損なうこと無く、複数のICカード4をポイントカードとして利用することができる。
本実施の形態にあっては、利用者所有のICカード4が変わる度に、製造番号が変更されるが、製造番号を新規登録しポイントを発行するのでは無く、変更後の製造番号にポイントが移行するのみである。従って、複数のICカード4を用いた柔軟なポイント管理が可能になる。
【0098】
(変形例1)
変形例1に係るポイント処理システムは、中継器5が、タイムアウト方式で製造番号の中継を行うように構成されており、中継に係る制御部51,31の処理手順のみが実施の形態とは異なるため、以下では主に上記相異点を説明する。
図25及び図26は、変形例1における製造番号の中継に係る中継器5及び利用者通信装置3の制御部31の処理手順を示すフローチャートである。中継器5の制御部51は、IC通信部54を駆動し(ステップS131)、製造番号の取得順序を示す変数である取得番号iに0を代入する(ステップS132)。
【0099】
次いで、制御部51は、IC通信部54の受信状態を監視することによって、製造番号を取得したか否かを判定する(ステップS133)。製造番号を受信したと判定した場合(ステップS133:YES)、制御部51は、取得番号iに1を加算し(ステップS134)、計時をリセットし、タイマー58による計時を開始させる(ステップS135)。一方、製造番号を取得していないと判定した場合(ステップS133:NO)、制御部51は、取得番号iが0以下であるか否かを判定する(ステップS136)。取得番号iが0未満であると判定した場合(ステップS136:NO)、制御部51は、処理をステップS133へ戻す。取得番号iが0超であると判定した場合(ステップS136:YES)、制御部51は、タイマ−58が計時を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS137)。所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS137:NO)、制御部51は、処理をステップS133へ戻す。所定時間が経過したと判定した場合(ステップS137:YES)、制御部51は、取得した全ての製造番号を破棄し(ステップS138)、処理をステップS132へ戻す。
【0100】
次いで、制御部51は、取得番号iが1より大きいか否かを判定する(ステップS139)。取得番号iが1より大きいと判定した場合(ステップS139:YES)、制御部51は、取得した製造番号が、先に取得した製造番号と重複するか否かを判定する(ステップS140)。製造番号が重複しないと判定した場合(ステップS140:NO)、又はステップS139で取得番号iが1以下であると判定した場合(ステップS139:NO)、制御部51は、取得番号i及び製造番号をRAM53又は記憶部52に記憶させる(ステップS141)。
【0101】
製造番号が重複すると判定した場合(ステップS140:YES)、制御部51は、重複した製造番号のいずれか一方を破棄し(ステップS142)、取得番号iから1を減算する(ステップS143)。そして、制御部51は、IC通信部54にて取得した情報に基づいて、ステップS133で取得した製造番号が携帯電話機である利用者通信装置3から取得した製造番号であるか否かを判定する(ステップS144)。取得した製造番号が携帯電話機から取得したものでは無いと判定した場合(ステップS144:NO)、制御部51は、処理をステップS133に戻す。取得した製造番号が携帯電話機から取得したものであると判定した場合(ステップS144:YES)、制御部51は、記憶部52からURLを読み出し(ステップS145)、取得した全ての製造番号及び取得番号i並びにURLを、IC通信部54を介して送信する(ステップS146)。
【0102】
利用者通信装置3の制御部31は、中継器5から送信された製造番号及び取得番号i並びにURLを、IC通信部34にて受信し(ステップS147)、処理を終える。
【0103】
変形例1によれば、実施の形態1と同様、利用者の電子メールアドレスの登録を簡便に行うことができ、電子メールアドレスの登録が必要なポイント情報サービスの利用を促進することができる。
【0104】
また、変形例1によれば、操作部55を操作することなく、ICカード4及び利用者通信装置3をこの順で中継器5にかざすのみで、製造番号及びURLを利用者通信装置3に送信することができ、より簡便に電子メールアドレスの登録を行うことができる。
【0105】
更に、製造番号の入力を終えた場合、一定時間が経過すると、入力された製造番号が破棄されるため、一の利用者が所有するICカード4の製造番号に、他の利用者の電子メールが登録されることを効果的にかつ簡易に防止することができる。
【0106】
(変形例2)
変形例2に係るポイント処理システムは、磁気カード209のポイントを利用者通信装置3のIC通信に係る製造番号に統合することを可能にするシステムである。
図27は、変形例2に係るポイント処理システムの構成を示した模式図である。変形例2に係るポイント処理システムは、複数の店舗側携帯電話機2と、通信網Nを介して店舗側携帯電話機2に接続されており、利用者に対して付与されたポイントを処理するポイント処理装置201と、磁気カード209のポイントを処理する一又は複数のカードポイント処理装置208、電子メール送信機能を有する利用者通信装置3と、ICカード4の製造番号の中継を行う中継器205とを備える。なお、図27には、作図の便宜上、一つのカードポイント処理装置208のみが図示されている。
【0107】
ポイント処理装置201は、実施の形態に係るポイント処理装置1と同様の構成である。ポイント処理装置201は、店舗側携帯電話機2が記憶する店舗識別情報と、特定のカードポイント処理装置208とを対応付けるテーブルを記憶しており、ポイント処理装置201は、ICカード4を利用して発行したポイント情報を外部のカードポイント処理装置208でも蓄積し、管理できるように構成されている。
【0108】
図28は、カードポイント処理装置208の構成を模式的に示すブロック図である。カードポイント処理装置208は、制御部281を備えたコンピュータである。カードポイント処理装置208は、公知の技術によって磁気カード209に付与されたポイントを管理する一方、ポイント処理装置201から送信される情報によって、ICカード4に付与されたポイントも管理している。カードポイント処理装置208は、基本的な構成はポイント処理装置201と同様である。制御部281には、バス280を介してROM282、RAM283、入力部284、表示部285、通信部286、内部記憶装置287が接続されている。内部記憶装置287は、磁気カード209に付与されたポイントを管理するための第1ポイント情報テーブル287aと、ICカード4又は利用者通信装置3に付与されたポイントを管理するための第2ポイント情報テーブル287bとを記憶する。
【0109】
図29は、第1及び第2ポイント情報テーブル287a、287bの一例を概念的に示す説明図である。
第1ポイント情報テーブル287aは、図28(a)に示すように、複数の列、即ち磁気カード209のカードIDを格納する「カードID」列、磁気カード209の利用者を認証するためのパスワードを格納する「パスワード」列、「利用日時」列、「ポイント増減数」列、及び磁気カード209に関連付けられたICカード4の製造番号を格納する「製造番号」列から構成されている。
第2ポイント情報テーブル287bは、図28(b)に示すように、複数の列、即ち利用者が所有しているICカード4の製造番号を格納する「製造番号」列、ICカード4に関連付けられた磁気カード209のカードIDを格納する「カードID」列、「電子メールアドレス」列、「利用日時」列、「ポイント増減数」列から構成されている。
【0110】
中継器5は、実施の形態1と同様の構成であり、制御部51、記憶部52、RAM53、IC通信部54、操作部55、発光部56等を備える。更に磁気カード209からカードIDを読み取る磁気カードリーダ、パスワードを入力するためのパスワード入力部などを備える。記憶部52は、中継器5が設置される店舗の店舗識別情報を記憶している。
【0111】
図30は、変形例2における製造番号の中継に係る中継器5及び利用者通信装置3の処理手順を示すフローチャートである。中継器5の制御部51は、磁気カードリーダにて磁気カード209のカードIDを取得する(ステップS151)。そして、制御部51は、パスワード入力部にてパスワードを受け付けて、利用者の認証を行う(ステップS152)。なお、認証は、カードポイント処理装置208に問い合わせることによって行う。次いで、制御部51は、IC通信部54を駆動する(ステップS153)。そして制御部51は、IC通信にてICカード4から製造番号を取得し(ステップS154)、取得した製造番号をRAM53又は記憶部52に記憶させる(ステップS155)。
【0112】
次いで、制御部51は、記憶部52からURL及び店舗識別情報を読み出し(ステップS156)、ステップS151で取得したカードID、ステップS154で取得した製造番号、ステップS156で読み出したURL及び店舗識別情報を、IC通信部54にて送信する(ステップS157)。
【0113】
利用者通信装置3の制御部31は、中継器5から送信されたカードID、製造番号、店舗識別情報及びURLを受信し(ステップS158)、処理を終える。
【0114】
図31は、変形例2における電子メールアドレスの登録及びポイントの統合に係る制御部51の処理手順を示すフローチャート、図32は、ポイント統合後の第1及び第2ポイント情報テーブル287a、287bの内容を概念的に示す説明図である。利用者通信装置3の制御部31は、中継器5から送信されたカードID、製造番号、店舗識別情報及びURLを受信した場合、受信したURLによって示されたポイント処理装置1へ、カードID、製造番号、店舗識別情報を送信すると共に、会員登録を要求する(ステップS171)。
【0115】
ポイント処理装置201の制御部11は、利用者通信装置3から送信されたカードID、製造番号、店舗識別情報を受信し(ステップS172)、受信した店舗識別情報に対応するカードポイント処理装置208を特定する(ステップS173)。そして、制御部11は、特定されたカードポイント処理装置208へカードID及び製造番号を送信する(ステップS174)。
【0116】
カードポイント処理装置208の制御部281は、ポイント処理装置201から送信されたカードID及び製造番号を受信し(ステップS175)、受信したカードID及び製造番号を、図32(a)及び(b)に示すように第1及び第2ポイント情報テーブル287a、287bに登録して、磁気カード209及びICカード4のポイントを関連付けることによって、磁気カード209のポイントを、ICカード4に統合し(ステップS176)、処理を終える。
【0117】
変形例2によれば、磁気カード209に付与されていたポイントをICカード4に統合し、ICカード4でポイントを利用することができる。なお、ICカード4に付与されていたポイントを磁気カード209で利用できるように構成しても良い。
【0118】
なお、本実施の形態及び変形例では、店舗側携帯電話機にてポイントを消費する例を示したが、ポイントの消費方法自体は、ポイントを発行する業者が決定すれば良い。例えば、利用者通信装置側でポイントを消費してサービスを享受できるようにしても良い。また、ポイントを発行した業者が提供する携帯サイトでポイントを消費できるように構成しても良い。
【0119】
また、本実施の形態では、固有の識別情報を記録した可搬性記録媒体としてICカードを例示したが、製造番号が記録されたICチップを有するICカード通勤定期券、ICクレジットカード、携帯電話端末を用いて、ポイントを管理するように構成しても良い。
【0120】
更に、固有の識別情報が非接触通信で読み出し可能に記録されている媒体であれば、必ずしもICチップに限定されることも無い。
【0121】
更にまた、利用者通信装置として、携帯電話端末を例示したが、少なくともIC通信機能、電子メール送信機能を有する通信装置であれば、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機器、その他の通信端末を用いて、電子メールアドレスを登録するように構成しても良い。
【0122】
更にまた、店舗側の通信装置として、IC通信部を備えた携帯電話機を例示したが、Felica Faver2.0の規格に準拠したICチップを備えたその他の携帯機器、例えばPDA、パーソナルコンピュータに本発明を適用しても良い。また、ICチップ同士の無線通信を可能にする技術の一例として、Felica Faver2.0を例示したが、ICチップ同士の無線通信を可能にする手法であれば、他の技術を採用しても良い。
【0123】
更にまた、製造番号に対応付ける利用者の情報として電子メールアドレスを例示したが、利用者の電話番号、ニックネーム、その他の情報を登録対象として本発明を適用しても良い。
【0124】
なお、以上の説明に対して更に以下の項を開示する。
(付記1)
対価の支払者に対して付与されるべき有価情報、及び非接触通信が可能な可搬性記録媒体に固有の識別情報を対応付けて記憶する有価情報テーブルを有し、該有価情報テーブルに基づいて前記支払者の有価情報に係る処理を行う有価情報処理装置と、前記支払者に固有の支払者固有情報を記憶し、該支払者固有情報を送出する支払者通信装置とを備える有価情報処理システムであって、
前記有価情報処理装置の所在を示した所在情報を記憶してある記憶手段と、
可搬性記録媒体の識別情報を非接触通信にて取得する取得手段と、
該取得手段にて取得した識別情報及び前記記憶手段が記憶している所在情報を前記支払者通信装置へ非接触通信にて送信する送信手段と
を有する中継器を備え、
前記支払者通信装置は、
前記中継器から送信された識別情報及び所在情報を非接触通信にて受信する受信手段と、
受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、前記識別情報及び支払者固有情報を送信する固有情報送信手段と
を備え、
前記有価情報処理装置は、
前記支払者通信装置から送信された識別情報及び支払者固有情報を受信する固有情報受信手段と、
該固有情報受信手段にて受信した識別情報又は該識別情報と同一の登録済みの識別情報に、前記固有情報受信手段にて受信した支払者固有情報を対応付けて前記有価情報テーブルに登録する登録手段と
を備えることを特徴とする有価情報処理システム。
【0125】
(付記2)
前記有価情報処理装置は、
前記固有情報受信手段にて受信した複数の識別情報と同一の登録済みの識別情報夫々に支払者固有情報が対応付けられているか否かを判定する判定手段と、
受信した複数の識別情報の内、支払者固有情報が対応付けられていない識別情報に対応付けられていた有価情報を、一の識別情報に対応付けて統合する処理を実行する手段と
を備えることを特徴とする付記1に記載の有価情報処理システム。
【0126】
(付記3)
前記支払者通信装置の受信手段は、
固有の識別情報を記憶した非接触通信部を備え、
前記中継器は、
前記非接触通信部が記憶した識別情報を非接触通信にて取得する手段を備え、
前記中継器の送信手段は、取得された可搬性記録媒体の識別情報、前記非接触通信部の識別情報及び前記所在情報を送信し、前記支払者通信装置は、前記中継器から送信された可搬性記録媒体の識別情報、前記非接触通信部の識別情報及び所在情報を前記受信手段にて受信した場合、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、複数の識別情報及び支払者固有情報を送信するように構成してあり、
前記有価情報処理装置は、
前記支払者通信装置から送信された複数の識別情報及び支払者固有情報を受信した場合、各識別情報及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする付記1に記載の有価情報処理システム。
【0127】
(付記4)
前記中継器は、複数の可搬性記録媒体の識別情報夫々を前記取得手段にて取得した場合、取得した複数の識別情報及び所在情報を前記支払者通信装置へ送信し、前記支払者通信装置は、複数の識別情報及び所在情報を受信した場合、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、該複数の識別情報及び支払者固有情報を送信するように構成してあり、
前記有価情報処理装置は、
前記支払者通信装置から送信された複数の識別情報及び支払者固有情報を受信した場合、各識別情報及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする付記1に記載の有価情報処理システム。
【0128】
(付記5)
前記所定処理は、
受信した複数の識別情報に対応付けられていた有価情報を、一の識別情報に対応付けて統合する処理である
ことを特徴とする付記3又は付記4に記載の有価情報処理システム。
【0129】
(付記6)
前記所定処理は、
受信した複数の識別情報の内、支払者固有情報が対応付けられていない識別情報に対応付けられていた有価情報を、一の識別情報に対応付けて統合する処理である
ことを特徴とする付記3又は付記4に記載の有価情報処理システム。
【0130】
(付記7)
前記所定処理は、
受信した支払者固有情報が既に対応付けられていた登録済みの識別情報と、受信した複数の識別情報の内、支払者固有情報が対応付けられていない識別情報とに夫々対応付けられていた有価情報とを、一の識別情報に対応付けて統合する処理である
ことを特徴とする付記3又は付記4に記載の有価情報処理システム。
【符号の説明】
【0131】
1 ポイント処理装置(有価情報処理装置)
2 店舗側携帯電話機
3 利用者通信装置(支払者通信装置)
4 ICカード(可搬性記録媒体)
5 中継器
6,7 記録媒体
11,21,31,51 制御部
12 ROM
13,23,33,53 RAM
14 入力部
15,25 表示部
16、27,35,57 通信部
17 内部記憶装置
17a ポイント情報テーブル
18 外部記憶装置
22,32,52 記憶部
24 タッチセンサ
26,34,54 IC通信部
28 マイクロホン
29 スピーカ
24,36,55 操作部
37 表示部
61,71 コンピュータプログラム
N 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対価の支払者に対して付与されるべき有価情報、及び非接触通信が可能な可搬性記録媒体に固有の識別情報を対応付けて記憶する有価情報テーブルを有し、該有価情報テーブルに基づいて前記支払者の有価情報に係る処理を行う有価情報処理装置と、前記支払者に固有の支払者固有情報を記憶し、該支払者固有情報を送出する支払者通信装置とを備える有価情報処理システムであって、
前記有価情報処理装置の所在を示した所在情報を記憶してある記憶手段と、
可搬性記録媒体の識別情報を非接触通信にて取得する取得手段と、
該取得手段にて取得した識別情報及び前記記憶手段が記憶している所在情報を前記支払者通信装置へ非接触通信にて送信する送信手段と
を有する中継器を備え、
前記支払者通信装置は、
前記中継器から送信された識別情報及び所在情報を非接触通信にて受信する受信手段と、
受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、前記識別情報及び支払者固有情報を送信する固有情報送信手段と
を備え、
前記有価情報処理装置は、
前記支払者通信装置から送信された識別情報及び支払者固有情報を受信する固有情報受信手段と、
該固有情報受信手段にて受信した識別情報又は該識別情報と同一の登録済みの識別情報に、前記固有情報受信手段にて受信した支払者固有情報を対応付けて前記有価情報テーブルに登録する手段と
を備えることを特徴とする有価情報処理システム。
【請求項2】
前記支払者通信装置の受信手段は、
固有の識別情報を記憶した非接触通信部を備え、
前記中継器は、
前記非接触通信部が記憶した識別情報を非接触通信にて取得する手段を備え、
前記中継器の送信手段は、取得された可搬性記録媒体の識別情報、前記非接触通信部の識別情報及び前記所在情報を送信し、前記支払者通信装置は、前記中継器から送信された可搬性記録媒体の識別情報、前記非接触通信部の識別情報及び所在情報を前記受信手段にて受信した場合、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、複数の識別情報及び支払者固有情報を送信するように構成してあり、
前記有価情報処理装置は、
前記支払者通信装置から送信された複数の識別情報及び支払者固有情報を受信した場合、各識別情報及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の有価情報処理システム。
【請求項3】
前記中継器は、複数の可搬性記録媒体の識別情報夫々を前記取得手段にて取得した場合、取得した複数の識別情報及び所在情報を前記支払者通信装置へ送信し、前記支払者通信装置は、複数の識別情報及び所在情報を受信した場合、受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、該複数の識別情報及び支払者固有情報を送信するように構成してあり、
前記有価情報処理装置は、
前記支払者通信装置から送信された複数の識別情報及び支払者固有情報を受信した場合、各識別情報及び支払者固有情報の関連付けに係る所定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の有価情報処理システム。
【請求項4】
前記所定処理は、
受信した複数の識別情報に対応付けられていた有価情報を、一の識別情報に対応付けて統合する処理である
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の有価情報処理システム。
【請求項5】
非接触通信が可能な可搬性記録媒体に固有の識別情報の中継を行う中継器であって、
外部装置の所在を示した所在情報を記憶してある記憶手段と、
可搬性記録媒体の識別情報を非接触通信にて取得する取得手段と、
該取得手段にて取得した識別情報及び前記記憶手段が記憶している所在情報を非接触通信にて送信する送信手段と
を備えることを特徴とする中継器。
【請求項6】
対価の支払者に対して付与されるべき有価情報、及び非接触通信が可能な可搬性記録媒体に固有の識別情報を対応付けて記憶する有価情報テーブルを有し、該有価情報テーブルに基づいて前記支払者の有価情報に係る処理を行う有価情報処理装置と、前記支払者に固有の支払者固有情報を記憶し、該支払者固有情報を送出する支払者通信装置と、前記有価情報処理装置の所在を示した所在情報を記憶しており、可搬性記録媒体及び前記支払者通信装置の間で前記識別情報の中継を行う中継器とを用いて、識別情報及び支払者固有情報の対応付けを行う有価情報処理方法であって、
前記中継器は、
可搬性記録媒体の識別情報を非接触通信にて取得し、
取得した識別情報及び記憶している所在情報を前記支払者通信装置へ非接触通信にて送信し、
前記支払者通信装置は、
前記中継器から送信された識別情報及び所在情報を非接触通信にて受信し、
受信した所在情報が示す有価情報処理装置へ、前記識別情報及び支払者固有情報を送信し、
前記有価情報処理装置は、
前記支払者通信装置から送信された識別情報及び支払者固有情報を受信し、
受信した識別情報又は該識別情報と同一の登録済みの識別情報に、受信した支払者固有情報を対応付けて前記有価情報テーブルに登録する
ことを特徴とする有価情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−192057(P2011−192057A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58106(P2010−58106)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(508339873)株式会社キーラボ (3)
【Fターム(参考)】