説明

有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム、方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 有価証券を預かっている金融機関と異なる金融機関での有価証券の売買するために、有価証券の売買及び振替を行う。
【解決手段】 金融機関システム3は、顧客からの売却注文を受け付けると、預かり証券の有無を第2の金融機関システムへ問い合わせる((2),(3))。そして、売却注文に係る銘柄コード及び数量の預かり証券があれば、売却注文を実行し、金融機関システム5へその結果を通知するとともに、売却した有価証券の入庫予定を記録する((4),(5))。金融機関システム5は、振替機関システム7に対して、売却した有価証券を金融機関Bから金融機関Aへ振り返るよう指示をする((6))。振替機関システム7が振替を実行すると、その結果を金融機関システム3,5へ通知し、金融機関システム5は、入庫予定と照合して入庫確認をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券の売買に連動させて、複数の金融機関で有価証券の振替を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融サービスが多様化している。それに連れて、複数の金融機関と取引を行っている顧客も多い。このような状況では、有価証券を預けている金融機関とは異なる金融機関において、自己が保有している有価証券の売買を希望する顧客もいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えば自分が有価証券を預けている金融機関とは異なる金融機関を利用して自己の有価証券を売却する場合は、それぞれの金融機関に連絡をとって、預け先の金融機関から売買する金融機関へ証券を預け替えた後でなければ売却ができない。このため、売買のタイミングが遅れるという問題があった。
【0004】
また、有価証券の振替を行う場合には、有価証券を預かっている金融機関で一時的に預かり資産が目減りするという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、有価証券を預かっている金融機関と異なる金融機関での有価証券の売買するために、有価証券の売買及び振替を行うシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様に従う有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステムは、顧客からの注文に基づいて有価証券の売買をする第1の金融機関の第1の金融機関システムと、前記顧客の有価証券を預かる第2の金融機関の第2の金融機関システムとを備える。そして、前記第1の金融機関システムは、銘柄コード及び数量を含む、顧客からの注文を受け付ける受付手段と、前記顧客について、前記受付手段が受け付けた売却注文に係る銘柄コード及び数量の預かり証券があるか否かを、第2の金融機関システムへ問い合わせる手段と、前記問い合わせ手段による問い合わせの結果、前記売却注文に係る銘柄コード及び数量の預かり証券があれば、前記売却注文を実行する手段と、前記売却注文実行手段が前記売却注文を実行すると、前記売却注文の実行結果を第2の金融機関システムへ通知する手段と、前記売却注文によって売却された有価証券と同一有価証券の入庫予定を記憶する入庫予定記憶手段と、前記第2の金融機関システムからの振り替え指示に応じて、外部の振替機関のシステムが振替を行った結果の通知を受けたときに、前記入庫予定記憶手段に記憶されている入庫予定と照合する手段と、を備える。前記第2の金融機関システムは、前記顧客からの預かり証券に関する情報を記憶した預かり証券記憶手段と、前記預かり証券記憶手段を参照して、前記第1の金融機関システムからの前記問い合わせに応答する手段と、前記外部の振替機関のシステムに対して、前記第2の金融機関から前記第1の金融機関へ、前記売却注文の実行によって売却された有価証券相当の有価証券を振り替えるように指示をする振替手段と、を備える。
【0007】
好適な実施形態では、前記第1の金融機関システムは、前記受付手段が銘柄コード及び数量を含む、前記顧客からの購入注文を受け付けると、当該購入注文を実行する手段と、前記購入注文実行手段が前記購入注文を実行すると、前記購入注文の実行によって購入された有価証券の振替予定を第2の金融機関システムへ通知する手段と、前記外部の振替機関のシステムに対して、前記第1の金融機関から前記第2の金融機関へ、前記購入注文の実行によって購入された有価証券を振り替えるように指示をする振替手段と、をさらに備える。前記第2の金融機関システムは、前記第1の金融機関システムからの前記振替予定通知を受信すると、前記購入注文によって購入された有価証券の入庫予定を記憶する入庫予定記憶手段と、前記外部の振替機関のシステムが前記振替指示に基づく振替を行った結果の通知を受けたときに、前記入庫予定記憶手段に記憶されている入庫予定と照合する手段と、をさらに備えてもよい。
【0008】
本発明の一実施態様に従う有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステムは、顧客からの注文に基づいて有価証券の売買をする第1の金融機関の第1の金融機関システムと、前記顧客の有価証券を預かる第2の金融機関の第2の金融機関システムとを備える。前記第1の金融機関システムは、銘柄コード及び数量を含む、顧客からの注文を受け付ける受付手段と、前記顧客について、前記受付手段が受け付けた売却注文に係る銘柄コード及び数量の預かり証券を第2の金融機関から第1の金融機関へ振り返るように、第2の金融機関システムへ振替指示をする手段と、前記第2の金融機関システムから外部の振替機関のシステムへ振替指示が実行されたことの通知を受けると、前記売却注文によって売却される有価証券と同一有価証券の入庫予定を記憶する入庫予定記憶手段と、前記第2の金融機関システムからの振り替え指示に応じて、外部の振替機関のシステムが振替を行った結果の通知を受けたときに、前記入庫予定記憶手段に記憶されている入庫予定と照合する手段と、前記照合の結果、前記振替結果が前記入庫予定と合致すれば、前記売却注文を実行する手段と、を備える。前記第2の金融機関システムは、前記顧客からの預かり証券に関する情報を記憶した預かり証券記憶手段と、前記預かり証券記憶手段を参照して、前記第1の金融機関システムからの振替指示に従って、前記外部の振替機関のシステムに対して、前記第2の金融機関から前記第1の金融機関へ、前記売却注文の実行によって売却された有価証券相当の有価証券を振り替えるように指示をする振替手段と、前記振替手段が前記外部の振替機関へ振替指示を実行した旨を前記第1の金融機関システムへ通知する手段と、を備える。
【0009】
好適な実施形態では、前記第1の金融機関システムは、前記売却注文の実行によって売却された有価証券の代金の出金予定を記憶する出金予定記憶手段と、前記外部の振替機関のシステムが振替を行った結果の通知を受けた後、前記出金予定記憶手段を参照して出金記録をする手段と、をさらに備える。前記第2の金融機関システムは、前記第1の金融機関システムからの前記売却注文の実行結果通知を受信すると、前記売却に係る代金の入金予定を記憶する入金予定記憶手段と、前記外部の振替機関のシステムから、前記振替手段による振り替え指示に応じた振替結果の通知を受けた後、前記入金予定記憶手段を参照して入金記録をする手段と、をさらに備えていてもよい。
【0010】
好適な実施形態では、前記第1の金融機関システムは、前記購入注文の実行によって購入された有価証券の代金の入金予定を記憶する入金予定記憶手段と、前記外部の振替機関のシステムが前記振替指示に基づく振替を行った結果の通知を受けた後、前記入金予定記憶手段を参照して入金記録をする手段と、をさらに備える。前記第2の金融機関システムは、前記第1の金融機関システムからの前記振替予定通知を受信すると、前記購入に係る代金の出金予定を記憶する出金予定記憶手段と、前記外部の振替機関のシステムが前記振替指示に基づく振替を行った結果の通知を受けた後、前記出金予定記憶手段を参照して出金記録をする手段と、をさらに備えてもよい。
【0011】
好適な実施形態では、前記第1の金融機関システムが受け付けた売却注文に係る売却対象の有価証券に担保が設定されている場合は、前記第2の金融機関システムの前記入金を記録する手段は、売却による代金に担保を設定して入金記録するようにしてもよい。
【0012】
好適な実施形態では、前記第1の金融機関システムが受け付けた購入注文は、担保が設定された資金での有価証券の購入注文である場合は、前記第2の金融機関システムの前記入庫予定記憶手段は、購入する有価証券に担保を設定するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る売買連動証券振替システムについて、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る売買連動証券振替システムの全体構成を示す図である。本システムは、顧客とのインタフェース装置である顧客端末1と、顧客からの要求によって有価証券の売買を行う金融機関Aの金融機関システム3と、顧客の有価証券を預かり、その監理を行っている金融機関Bの金融機関システム5と、有価証券の所有者の代わりに、有価証券の券面そのものを管理及び保管する振替機関の振替機関システム7とを備える。
【0015】
顧客端末1、金融機関システム3、5及び振替機関システム7は、いずれも例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する各システム等1,3,5,7内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0016】
金融機関システム3は、顧客の証券の預け先情報を記憶した顧客DB31と、顧客からの注文に応じて有価証券の売買を行う注文処理部32と、振替機関システム7に対して証券の振替指示などを行う振替処理部33と、証券の入庫予定を記録する入庫予定表34と、証券の出庫予定を記録する出庫予定表35と、入金予定を記録する入金予定表36と、出金予定を記録する出金予定表37と、入出金に関する処理を行う入出金処理部39と、振替予定を記録する振替予定表30とを備える。
【0017】
金融機関システム5は、顧客からの預かり証券に関する情報を記憶した預かり証券DB51と、預かり証券の管理を行う証券管理部52と、振替機関システム7に対して証券の振替指示などを行う振替処理部53と、証券の入庫予定を記録する入庫予定表54と、入金予定を記録する入金予定表56と、出金予定を記録する出金予定表57と、入金があったときにその実績を記録する入金記録表58と、入出金に関する処理を行う入出金処理部59と、振替予定を記録する振替予定表50とを備える。
【0018】
図2には、顧客DB31と預かり証券DB51のデータ構造を示す。
【0019】
顧客DB31は、証券の預け先金融機関コード311と、証券の預け先支店コード312と、口座番号313及び顧客名314とデータ項目として有する。
【0020】
預かり証券DB51は、自社の金融機関コード511と、支店コード512と、口座番号513と、有価証券種別514と、銘柄コード515と、預け入れ数量516と、担保区分517とをデータ項目として有する。
【0021】
図3には、入庫予定表34、54、出庫予定表35、入金予定表36、56、及び出金予定表37、57のデータ構造を示す。
【0022】
入庫予定表34、54は、自社における入庫先の口座番号341と、振替予定日342と、振替予定の銘柄コード343と、振替予定の振替数量344と、受け付け番号345と、振替元の金融機関コード346、担保区分347とをデータ項目として有する。
【0023】
出庫予定表35は、自社における振替元、つまり出庫する口座番号351と、振替予定日352と、振替予定の銘柄コード353と、振替予定の振替数量354と、受け付け番号355と、入庫先の金融機関コード346とをデータ項目として有する。
【0024】
入金予定表36、56、自社における入金先の口座番号361と、振替予定日362と、振替金額363と、受け付け番号364と、振替元の金融機関コード365とをデータ項目として有する。
【0025】
出金予定表37、57は、自社における出金先の口座番号371と、振替予定日372と、振替金額373と、受け付け番号374と、入金先の金融機関コード375とをデータ項目として有する。
【0026】
図4には、入金記録表58と振替予定表30、50のデータ構造を示す。
【0027】
入金記録表58は、自社の金融機関コード581と、入金先の支店コード582及び口座番号583と、入金金額584と、入金日585と、担保区分586をデータ項目として有する。
【0028】
振替予定表30、50は、自社の金融機関コード301と、振替元の支店コード302及び口座番号303と、銘柄コード304と、振替数量305と、振替日306と、受け付け番号307と、振替先の金融機関コード308とをデータ項目として有する。
【0029】
次に、上記の構成を備える売買連動証券振替システムにおいて、種々のケースの取引を行う際の具体的な処理について、図5〜図11を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各ケースの処理において、上記の各予定表及び記録表にデータが記録される場合は、上記の各項目のデータがそれぞれ記録される。
【0030】
<1> 顧客が、金融機関Bに預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼するケースについて、図5を用いて説明する。
【0031】
(1) 顧客は、有価証券を売買する金融機関システム3の顧客DB31に、自分が有価証券を預けている金融機関Bの情報を、顧客端末1を通じて登録する。
【0032】
(2) 有価証券を売却する場合、顧客の指示に従って顧客端末1が、売却する銘柄の銘柄コードと数量を含む売却注文を金融機関システム3へ通知する。このとき、顧客は自動振替か否かを指定してもよい。自動振替の場合は金融機関Bに預けている有価証券を売却し、自動振替でない場合は、金融機関Aに預けている有価証券を売却する。また、事前に登録している金融機関以外の金融機関から預かりを振替える場合は、その都度指定できるようにしてもよい。
【0033】
(3) 注文処理部32は、売却注文に基づき、金融機関システム5に対して売却対象銘柄及び数量の有無の問い合わせのため、預かり確認(金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、顧客名、銘柄コード、銘柄名、振替数量、振替日、問い合せ番号)を通知する。
【0034】
(4) 預かり確認の通知を受けた金融機関システム5の証券管理部52は、預かり証券DB51を参照して該当顧客の銘柄、数量を確認する。そして、売却対象の証券を預かっていれば、受付番号を発番して、金融機関システム3へ返信(問い合せ番号、預かりの有無、受付番号)をする。そして、売却対象証券を振替予定表50に記録する。また、証券管理部52は、該当の銘柄がない、もしくは数量が足りない場合は、その旨、金融機関システム3へ通知する。
【0035】
(5) 金融機関システム5から預かりありの通知を受けると、注文処理部32が注文を執行する。注文が成立すれば、金融機関システム5に対して、先の受付番号を含めた注文成立の通知(金融機関Bの金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、注文成立の区別)を送信する。顧客端末1に対しては、注文の成立と振替の通知を行う。さらに、この注文による入庫予定を入庫予定表34に記録をする。また、金融機関システム5から預かりなしの通知があれば、その旨、顧客に連絡し、注文の執行を行わない。
【0036】
(6) 金融機関システム5は、金融機関システム3から売却成立の通知を受け付けると、振替処理部53が受付番号 をキーにして振替予定表50を参照し、振替機関システム7に対して、売却した証券の金融機関Bから金融機関Aへ振替指示(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号)を作成し、送信する。また、同時に、売却した証券に関する情報を預かり証券DB51から削除する。
【0037】
(7) 振替機関システム7は、振替指示に従って振替を実施し、受付番号を含む処理結果(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、振替え済みの区別)を、金融機関システム3,5へ通知する。金融機関システム3では、振替機関システム7からの通知の内容と入庫予定表34を照合して入庫記録をする。
【0038】
<2> 顧客が、金融機関Aへ有価証券の購入を依頼し、金融機関Bに購入した有価証券を預けるケースについて、図6を用いて説明する。
【0039】
(1) 顧客は、有価証券を売買する金融機関システム3の顧客DB31に、自分が有価証券を預けている金融機関Bの情報を、顧客端末1を通じて登録する。
【0040】
(2) 有価証券を購入する場合、顧客の指示に従って顧客端末1が、購入する銘柄の銘柄コードと数量を含む購入注文を金融機関システム3へ通知する。このとき、顧客は自動振替か否かを指定してもよい。また、事前に登録している金融機関以外の金融機関から預かりを振替える場合は、その都度指定できるようにしてもよい。
【0041】
(3) 注文処理部32は、購入注文に基づいて注文を執行する。この注文が約定すると、注文処理部32は、金融機関システム5へ購入した有価証券の振替予定通知(金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、顧客名、銘柄コード、銘柄名、振替数量、振替日、問い合せ番号)を送る。
【0042】
(4) 金融機関システム5は、金融機関システム3から振替予定通知を受け付けると、預かり証券DB51を参照して当該顧客の口座の有無をチェックする。さらに、受付番号を発番し、金融機関システム3へ返信(問い合せ番号、口座の有無、受付番号)を返すとともに、入庫予定表54に入庫予定を記録する。
【0043】
(5) 金融機関システム3は金融機関システム5からの返信を受けると、金融機関システム5に該当顧客の口座があれば、振替予定表30に振替予定を記録する。
【0044】
(6) 振替処理部33は、振替予定表30を参照し、振替指定日が到来したものについて、振替指示(振替機関における金融機関Aの口座(振替元)、振替機関における金融機関Bの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号)を、振替機関システム7へ送信すると共に、振替により出庫した証券を記録する。
【0045】
(7) 振替機関システム7は、振替指示に基づいて振替を実施し、通知番号を含む振替結果(振替機関における金融機関Aの口座(振替元)、振替機関における金融機関Bの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、振替え済みの区別)を金融機関システム3,5へ通知する。金融機関システム5は、振替機関システム7からの通知と入庫予定表54とを照合して入庫記録をする。
【0046】
<3> 顧客が、金融機関Bに預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼するケースにおいて、金融機関Bから金融機関Aへ振替を行った後に売却するケースについて、図7を用いて説明する。
【0047】
(1) 顧客は、有価証券を売買する金融機関システム3の顧客DB31に、自分が有価証券を預けている金融機関Bの情報を、顧客端末1を通じて登録する。
【0048】
(2) 有価証券を売却する場合、顧客の指示に従って顧客端末1が、売却する銘柄の銘柄コードと数量を含む売却注文を金融機関システム3へ通知する。このとき、顧客は自動振替か否かを指定してもよい。また、事前に登録している金融機関以外の金融機関から預かりを振替える場合は、その都度指定できるようにしてもよい。
【0049】
(3) 注文処理部32は、顧客の指定に基づき、金融機関システム5へ売却対象銘柄の振替依頼(金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、顧客名、銘柄コード、銘柄名、振替数量、振替日、問い合せ番号)を行う。
【0050】
(4) 振替依頼を受けた金融機関システム5の証券管理部52は、該当顧客の銘柄、数量を確認する。預かりがあれば、振替処理部53が該当銘柄、数量を金融機関Bから、金融機関Aへ振替えるための振替指示(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号)を作成して、振替機関システム7へ送信する。さらに、証券管理部52は、振替対象となった銘柄及び数量を、預かり証券DB51から削除する。
【0051】
(5) 振替処理部53は、振替指図を行った旨の通知(問い合せ番号、振替実施の有無、預かりの有無、受付番号)を金融機関システム3へ送る。金融機関システム3は、その通知を受け付けると、入庫予定表34に入庫予定を記録する。また、金融機関システム5から預かりなしの通知があれば、その旨、顧客に連絡し、注文の執行を行わない。
【0052】
(6) 振替機関システム7は、振替指示に従って振替を実施し、処理結果(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、振替え済みの区別)を、金融機関システム3,5へ通知する。
【0053】
(7) 金融機関システム3は、振替機関システム7からの通知の内容と入庫予定表34を照合して振替内容と入庫予定とが合致すれば入庫記録をするとともに、注文処理部32が注文を執行する。
【0054】
(8) 注文が約定すれば、金融機関システム3は、顧客端末1に対して注文執行の結果及び振替報告を通知する。
【0055】
<4> 顧客が、金融機関Bに預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼するケースにおいて、売却によって得た資金の移動を伴うケースについて、図8を用いて説明する。
【0056】
(1) 顧客は、有価証券を売買する金融機関システム3の顧客DB31に、自分が有価証券を預けている金融機関Bの情報を、顧客端末1を通じて登録する。
【0057】
(2) 有価証券を売却する場合、顧客の指示に従って顧客端末1が、売却する銘柄の銘柄コードと数量を含む売却注文を金融機関システム3へ通知する。このとき、顧客は有価証券の売買と同時に資金の振り替えを行う証券資金同時振替を指定する。また、事前に登録している金融機関以外の金融機関から預かりを振替える場合は、その都度指定できるようにしてもよい。
【0058】
(3) 注文処理部32は、顧客の指定に基づき、金融機関システム5へ売却対象銘柄及び数量の有無の問い合わせ(金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、顧客名、銘柄コード、銘柄名、振替数量、振替日、問い合せ番号、証券資金同時振替区分)を行う。
【0059】
(4) 問い合わせを受けた金融機関システム5の証券管理部52は、該当顧客の銘柄、数量を確認し、預かりがあれば、受付番号を発番し、金融機関システム3へ返信(問い合せ番号、預かりの有無、受付番号)をするとともに、売却対象の証券の情報を振替予定表50に記録する。また、証券管理部52は、該当の銘柄がない、もしくは数量が足りない場合はその旨を金融機関システム3へ通知する。
【0060】
(5) 金融機関システム5から、預かりありの通知を受けると、注文処理部32が注文を執行する。注文が約定すれば、金融機関システム5に対して注文成立の通知(金融機関Bの金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、精算金額、注文成立の区別)を送信する。注文成立の通知を受けると、金融機関システム5は入金予定表56に入金予定を記録する。
【0061】
金融機関システム3は、顧客端末1に対しては、注文の成立と振替の通知を行い、入庫予定表34に入庫予定を記録し、出金予定表37に出金予定を記録する。また、金融機関システム5から預かりなしの通知があれば、その旨、顧客に連絡し、注文の執行を行わない。
【0062】
(6) 金融機関システム5は、金融機関システム3から注文成立の通知を受けると、振替処理部53が受付番号 をキーにして振替予定表50を参照し、売却した証券を金融機関Bから金融機関Aへ振替える指示(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号)を作成し、振替機関システム7へ送信する。また、証券管理部52は、売却した証券に関する情報を預かり証券DB51から削除するとともに、精算金額相当を金銭の預かりとして入金記録表58に記録する。
【0063】
(7) 振替機関システム7は、振替指示に従って振替を実施し、受付番号を含む処理結果(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、振替え済みの区別)を、金融機関システム3,5へ通知する。金融機関システム3では、振替機関システム7からの通知の内容と入庫予定表34を照合して入庫記録を記録する。さらに、入出金処理部39が、出金予定表37を参照し、金融機関Bに対する出金を記録する。金融機関システム5では、入出金処理部59が入金予定表56を参照して入金を確認する。
【0064】
<5> 顧客が、金融機関Aへ有価証券の購入を依頼し、金融機関Bに購入した有価証券を預けるケースにおいて、購入にかかった資金の移動を伴うケースについて、図9を用いて説明する。
【0065】
(1) 顧客は、有価証券を売買する金融機関システム3の顧客DB31に、自分が有価証券を預けている金融機関Bの情報を、顧客端末1を通じて登録する。
【0066】
(2) 有価証券を購入する場合、顧客の指示に従って顧客端末1が、購入する銘柄の銘柄コードと数量を含む購入注文を金融機関システム3へ通知する。このとき、顧客は有価証券の売買と同時に資金の振り替えを行う証券資金同時振替を指定する。また、事前に登録している金融機関以外の金融機関から預かりを振替える場合は、その都度指定できるようにしてもよい。
【0067】
(3) 注文処理部32は、購入注文に基づいて注文を執行する。この注文が約定すると、注文処理部32は、金融機関システム5へ購入した有価証券の振替予定通知(金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、顧客名、銘柄コード、銘柄名、振替数量、振替日、問い合せ番号、精算金額、証券資金同時振替区分)を送る。さらに入出金処理部39は、入金予定表36に入金予定を記録する。
【0068】
(4) 金融機関システム5は、金融機関システム3から振替予定通知を受け付けると、預かり証券DB51を参照して当該顧客の口座の有無をチェックする。さらに、受付番号を発番し、金融機関システム3へ返信(問い合せ番号、口座の有無、受付番号)を送るとともに、入庫予定表54に入庫予定を記録する。さらに、出金予定表57に出金予定を記録する。
【0069】
(5) 金融機関システム3は金融機関システム5からの返信を受けると、金融機関システム5に該当顧客の口座があれば、振替予定表30に振替予定を記録する。
【0070】
(6) 振替処理部33は、振替予定表30を参照して振替指定日が到来したものについて、振替指示(振替機関における金融機関Aの口座(振替元)、振替機関における金融機関Bの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号)を、振替機関システム7へ送信すると共に、振替により出庫した証券を記録する。
【0071】
(7) 振替機関システム7は、振替指示に基づいて振替を実施し、振替結果(振替機関における金融機関Aの口座(振替元)、振替機関における金融機関Bの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、振替え済みの区別)を金融機関システム3,5へ通知する。金融機関システム5は、振替機関システム7からの通知と入庫予定表54とを照合して入庫記録をする。さらに、入出金処理部59が出金予定表57を参照して金融機関Aに対する出金を記録する。金融機関システム3では、入出金処理部39が入金予定表36を参照して入金確認をする。
【0072】
<6> 顧客が、金融機関Bで担保が設定されている、顧客が預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼し、売却によって得た現金に引き続き担保が設定されるケースについて、図10を用いて説明する。
【0073】
(1) 顧客は、有価証券を売買する金融機関システム3の顧客DB31に、自分が有価証券を預けている金融機関Bの情報を、顧客端末1を通じて登録する。
【0074】
(2) 有価証券を売却する場合、顧客の指示に従って顧客端末1が、担保となっている売却する銘柄の銘柄コードと数量を含む売却注文を金融機関システム3へ通知する。このとき、顧客は有価証券の売買と同時に資金の振り替えを行う証券資金同時振替を指定する。また、事前に登録している金融機関以外の金融機関から預かりを振替える場合は、その都度指定できるようにしてもよい。
【0075】
(3) 注文処理部32は、売却注文に基づき、担保提供先の金融機関システム5へ売却対象銘柄及び数量の有無の問い合わせるための預かり確認(金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、顧客名、銘柄コード、銘柄名、振替数量、振替日、問い合せ番号、証券資金同時振替区分)を送信する。
【0076】
(4) 預かり確認通知を受けた金融機関システム5では、証券管理部52が該当顧客の銘柄、数量を確認し、担保区分517に担保設定済みと登録されている預かり証券があれば、受付番号を発番し、金融機関システム3へ返信(問い合せ番号、預かりの有無、受付番号)をする。さらに、売却対象となる担保として提供されている証券の振替予定を振替予定表50に記録する。また、証券管理部52は、該当の銘柄がない、もしくは数量が足りない場合はその旨を金融機関システム3へ通知する。
【0077】
(5) 金融機関システム5から担保設定済み預かりありの通知を受けると、注文処理部32が注文を執行する。注文が成立すれば、注文処理部32が金融機関システム5に対して注文成立の通知(金融機関Bの金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、精算金額、注文成立の区別)を送信する。そして、入庫予定表34及び出金予定表37には、それぞれ入庫予定及び出金予定が記録される。さらに、顧客端末1に対しては、注文の成立と振替が通知される。また、金融機関システム5から預かりなしの通知があれば、その旨を顧客に連絡し、注文の執行を行わない。
【0078】
(6) 金融機関システム5は、金融機関システム3から売却成立の通知を受けると、振替処理部53が受付番号307をキーにして振替予定表50を参照し、振替機関システム7に対し、売却した証券を金融機関Bから金融機関Aへ振替える指示(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号)を作成し、送信する。また、売却した証券に関する情報を預かり証券DB51から削除するとともに、入出金処理部59が入金予定表56に入金予定を記録する。
【0079】
(7) 振替機関システム7は、振替指図に従って振替を実施し、受付番号を含む処理結果(振替機関における金融機関Bの口座(振替元)、振替機関における金融機関Aの口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、振替え済みの区別)を、金融機関システム3,5へ通知する。金融機関システム3では、振替機関システム7からの通知の内容と入庫予定表34を照合して入庫記録を記録する。さらに、入出金処理部39が、出金予定表37を参照して、出金を記録する。金融機関システム5では、入出金処理部59が入金予定表56を参照して入金を確認すると、精算金額相当を金銭の担保預かり(担保区分586に担保済みが設定)として入金記録表58に記録し、入金された現金に担保が設定される。
【0080】
これにより、担保として提供されていた証券を売却することにより、現金担保に切り替わる。
【0081】
<7> 顧客が、金融機関Bで担保が設定されている顧客の預金を使った有価証券の購入を、金融機関Aへ依頼し、購入した有価証券に引き続き担保が設定されるときケースについて、図11を用いて説明する。
【0082】
(1) 顧客は、有価証券を売買する金融機関システム3の顧客DB31に、自分が有価証券を預けている金融機関Bの情報を、顧客端末1を通じて登録する。
【0083】
(2) 有価証券を購入する場合、顧客の指示に従って顧客端末1が、購入する銘柄の銘柄コードと数量を含む担保化された預金を使っての購入注文を金融機関システム3へ通知する。このとき、顧客は有価証券の売買と同時に資金の振り替えを行う証券資金同時振替を指定する。また、事前に登録している金融機関以外の金融機関から預かりを振替える場合は、その都度指定できるようにしてもよい。
【0084】
(3) 注文処理部32は、購入注文に基づいて注文を執行する。この注文が約定すると、注文処理部32は、金融機関システム5へ購入した有価証券の振替予定通知(金融機関コード、支店コード、金融機関Bにおける口座番号、顧客名、銘柄コード、銘柄名、振替数量、振替日、問い合せ番号、担保指定区分、証券資金同時振替区分)を送る。さらに入出金処理部39は、入金予定表36に入金予定を記録する。
【0085】
(4) 金融機関システム5は、金融機関システム3から振替予定通知を受け付けると、預かり証券DB51を参照して当該顧客の口座の有無をチェックする。さらに、受付番号を発番し、金融機関システム3へ返信(問い合せ番号、口座の有無、受付番号)を返るとともに、入庫予定表54に担保区分347に担保済みを設定して証券の入庫予定を記録する。さらに、出金予定表57に出金予定を記録する。
【0086】
(5) 金融機関システム3は金融機関システム5からの返信を受けると、金融機関システム5に該当顧客の口座があれば、振替予定表30に振替予定を記録する。
【0087】
(6) 振替処理部33は、振替予定表30を参照して振替指定日が到来したものについて、振替指示(振替機関における金融機関Aの口座(振替元)、振替機関における金融機関Bの自己口の担保の管理口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号)を、振替機関システム7へ送信すると共に、振替により出庫した証券を記録する。
【0088】
(7) 振替機関システム7は、振替指示に基づいて振替を実施し、通知番号を含む振替結果(振替機関における金融機関Aの口座(振替元)、振替機関における金融機関Bの自己口の担保の管理口座(振替先)、銘柄コード、振替数量、振替日、受付番号、振替え済みの区別)を金融機関システム3,5へ通知する。金融機関システム5は、振替機関システム7からの通知と入庫予定表54とを照合して入庫記録とともに担保を設定する。さらに、入出金処理部59が、出金予定表57を参照し、金融機関Aに対する出金を記録する。金融機関システム3では、入出金処理部39が入金予定表36を参照して入金確認をする。
【0089】
これにより、担保が設定されているものが現金から購入した有価証券へ切り替わった。
【0090】
本実施形態によれば、売買する金融機関のシステムと有価証券を預けている金融機関のシステムとが連動することで、顧客はそれぞれの金融機関に連絡をする手間が省ける。また、売買をする金融機関にとっては、売買に必要な有価証券の受け渡しが確実に実行され、決済リスクが削減される。さらに、有価証券の振替にあわせ、資金の記録も行うことで一時的な預かり資産の目減りを防ぐことができる。
【0091】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施形態に係る売買連動証券振替システムの全体構成を示す図である。
【図2】顧客DBと預かり証券DBのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】入庫予定表、出庫予定表、入金予定表及び出金記録表のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】入金記録表と振替予定表のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】金融機関Bに預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼したときのシーケンス図である。
【図6】金融機関Aへ有価証券の購入を依頼し、金融機関Bに購入した有価証券を預けるときのシーケンス図である。
【図7】金融機関Bに預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼するケースにおいて、金融機関Bから金融機関Aへ振替を行った後に売却するときのシーケンス図である。
【図8】金融機関Bに預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼するケースにおいて、売却によって得た資金の移動を伴うときのシーケンス図である。
【図9】金融機関Aへ有価証券の購入を依頼し、金融機関Bに購入した有価証券を預けるケースにおいて、購入にかかった資金の移動を伴うときのシーケンス図である。
【図10】金融機関Bで担保が設定されている、顧客が預けている有価証券の売却を金融機関Aへ依頼し、売却によって得た現金に引き続き担保が設定されるときのシーケンス図である。
【図11】金融機関Bで担保が設定されている顧客の預金を使った有価証券の購入を、金融機関Aへ依頼し、購入した有価証券に引き続き担保が設定されるときのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0093】
1 顧客端末
3 金融機関システム
3,5 金融機関システム
7 振替機関システム
30、50 振替予定表
32 注文処理部
33、53 振替処理部
34、54 入庫予定表
35 出庫予定表
36、56 入金予定表
37、57 出金予定表
39、59 入出金処理部
51 預かり証券DB
52 証券管理部
58 入金記録表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客からの注文に基づいて有価証券の売買をする第1の金融機関の第1の金融機関システムと、前記顧客の有価証券を預かる第2の金融機関の第2の金融機関システムとを備え、
前記第1の金融機関システムは、
銘柄コード及び数量を含む、顧客からの注文を受け付ける受付手段と、
前記顧客について、前記受付手段が受け付けた売却注文に係る銘柄コード及び数量の預かり証券があるか否かを、第2の金融機関システムへ問い合わせる手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせの結果、前記売却注文に係る銘柄コード及び数量の預かり証券があれば、前記売却注文を実行する手段と、
前記売却注文実行手段が前記売却注文を実行すると、前記売却注文の実行結果を第2の金融機関システムへ通知する手段と、
前記売却注文によって売却された有価証券と同一有価証券の入庫予定を記憶する入庫予定記憶手段と、
前記第2の金融機関システムからの振り替え指示に応じて、外部の振替機関のシステムが振替を行った結果の通知を受けたときに、前記入庫予定記憶手段に記憶されている入庫予定と照合する手段と、を備え、
前記第2の金融機関システムは、
前記顧客からの預かり証券に関する情報を記憶した預かり証券記憶手段と、
前記預かり証券記憶手段を参照して、前記第1の金融機関システムからの前記問い合わせに応答する手段と、
前記外部の振替機関のシステムに対して、前記第2の金融機関から前記第1の金融機関へ、前記売却注文の実行によって売却された有価証券相当の有価証券を振り替えるように指示をする振替手段と、を備える有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム。
【請求項2】
前記第1の金融機関システムは、
前記受付手段が銘柄コード及び数量を含む、前記顧客からの購入注文を受け付けると、当該購入注文を実行する手段と、
前記購入注文実行手段が前記購入注文を実行すると、前記購入注文の実行によって購入された有価証券の振替予定を第2の金融機関システムへ通知する手段と、
前記外部の振替機関のシステムに対して、前記第1の金融機関から前記第2の金融機関へ、前記購入注文の実行によって購入された有価証券を振り替えるように指示をする振替手段と、をさらに備え、
前記第2の金融機関システムは、
前記第1の金融機関システムからの前記振替予定通知を受信すると、前記購入注文によって購入された有価証券の入庫予定を記憶する入庫予定記憶手段と、
前記外部の振替機関のシステムが前記振替指示に基づく振替を行った結果の通知を受けたときに、前記入庫予定記憶手段に記憶されている入庫予定と照合する手段と、をさらに備える請求項1記載の有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム。
【請求項3】
顧客からの注文に基づいて有価証券の売買をする第1の金融機関の第1の金融機関システムと、前記顧客の有価証券を預かる第2の金融機関の第2の金融機関システムとを備え、
前記第1の金融機関システムは、
銘柄コード及び数量を含む、顧客からの注文を受け付ける受付手段と、
前記顧客について、前記受付手段が受け付けた売却注文に係る銘柄コード及び数量の預かり証券を第2の金融機関から第1の金融機関へ振り返るように、第2の金融機関システムへ振替指示をする手段と、
前記第2の金融機関システムから外部の振替機関のシステムへ振替指示が実行されたことの通知を受けると、前記売却注文によって売却される有価証券と同一有価証券の入庫予定を記憶する入庫予定記憶手段と、
前記第2の金融機関システムからの振り替え指示に応じて、外部の振替機関のシステムが振替を行った結果の通知を受けたときに、前記入庫予定記憶手段に記憶されている入庫予定と照合する手段と、
前記照合の結果、前記振替結果が前記入庫予定と合致すれば、前記売却注文を実行する手段と、を備え、
前記第2の金融機関システムは、
前記顧客からの預かり証券に関する情報を記憶した預かり証券記憶手段と、
前記預かり証券記憶手段を参照して、前記第1の金融機関システムからの振替指示に従って、前記外部の振替機関のシステムに対して、前記第2の金融機関から前記第1の金融機関へ、前記売却注文の実行によって売却された有価証券相当の有価証券を振り替えるように指示をする振替手段と、
前記振替手段が前記外部の振替機関へ振替指示を実行した旨を前記第1の金融機関システムへ通知する手段と、を備える有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム。
【請求項4】
前記第1の金融機関システムは、
前記売却注文の実行によって売却された有価証券の代金の出金予定を記憶する出金予定記憶手段と、
前記外部の振替機関のシステムが振替を行った結果の通知を受けた後、前記出金予定記憶手段を参照して出金記録をする手段と、をさらに備え、
前記第2の金融機関システムは、
前記第1の金融機関システムからの前記売却注文の実行結果通知を受信すると、前記売却に係る代金の入金予定を記憶する入金予定記憶手段と、
前記外部の振替機関のシステムから、前記振替手段による振り替え指示に応じた振替結果の通知を受けた後、前記入金予定記憶手段を参照して入金記録をする手段と、をさらに備える請求項1記載の有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム。
【請求項5】
前記第1の金融機関システムは、
前記購入注文の実行によって購入された有価証券の代金の入金予定を記憶する入金予定記憶手段と、
前記外部の振替機関のシステムが前記振替指示に基づく振替を行った結果の通知を受けた後、前記入金予定記憶手段を参照して入金記録をする手段と、をさらに備え、
前記第2の金融機関システムは、
前記第1の金融機関システムからの前記振替予定通知を受信すると、前記購入に係る代金の出金予定を記憶する出金予定記憶手段と、
前記外部の振替機関のシステムが前記振替指示に基づく振替を行った結果の通知を受けた後、前記出金予定記憶手段を参照して出金記録をする手段と、をさらに備える請求項2記載の有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム。
【請求項6】
前記第1の金融機関システムが受け付けた売却注文に係る売却対象の有価証券に担保が設定されている場合は、
前記第2の金融機関システムの前記入金を記録する手段は、売却による代金に担保を設定して入金記録することを特徴とする請求項4記載の有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム。
【請求項7】
前記第1の金融機関システムが受け付けた購入注文は、担保が設定された資金での有価証券の購入注文である場合は、
前記第2の金融機関システムの前記入庫予定記憶手段は、購入する有価証券に担保を設定することを記憶することを特徴とする請求項5記載の有価証券の売買に連動させて有価証券の振替を行うシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−285713(P2006−285713A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105634(P2005−105634)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)