有効成分の被写体への導入用シート及びその製造方法
【課題】コストが安価で、使い方が容易で、安全で、効果が高く、小型で携帯可能で、使い捨ても可能なイオン導入装置を提供する。
【解決手段】被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置H、Iに単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートA、Bに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
【解決手段】被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置H、Iに単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートA、Bに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物体内に有効成分を効率的に導入できるイオン導入装置に関し、更に詳細には、生物の体表の異なる二か所の表面電位差を利用すること、および体表面の電解質と電極との間のイオン化傾向を利用し発電した電力によりコストが安価で、使い方が容易で、安全で、有効成分の導入効果が高く、小型で、携帯可能で、使い捨ても可能なイオン導入装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
イオン導入装置については既に以下の特許が公知となっている。
電流が別の方向に流れるとき第2の貯蔵器の活性剤を送達するイオン導入装置(特許文献1参照)。
携帯用経皮質薬剤投与アプリケータ(特許文献2参照)。
イオン導入法による薬剤の供給装置およびその使用方法(特許文献3参照)。
電子美肌器と該電子美肌器によるイオン導入方法(特許文献4参照)。
該本体と挟持具とを電気的に接続する2芯線ケーブルと備えるイオン導入機(特許文献5参照)。
電極部が負の電位又は正の電位に偏ることによって帯電されにくいようにしたイオン導入機)(特許文献6参照)。
イオン導入装置と超音波美顔器が合体したもの(特許文献7参照)。
これらの装置は、携帯型のものであっても電源部に乾電池などを使用しているため、重量が重く内部構造が複雑でコストが高く使用法が煩雑であった。
また、電圧が高く電流量も多いため火傷や発疹などを生ずることがあり安全性にも問題があった。
【0003】
これらのイオン導入機は、少なくとも重さ100g以上、容積100CC以上で大型で重く価格はどんなに安価なものでも1000円以上のコストである。さらに使用方法が複雑でわかりにくく、高い電流が利用されるため火傷の危険があり、皮膚の炎症なども多発しており危険である。特にコストが高いイオン導入装置は、美容など日常的に使用するものとしては不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平9−503136号公報
【特許文献2】特表平8−505799号公報
【特許文献3】特表2000−510012号公報
【特許文献4】特開2001−259045号公報
【特許文献5】特開2003−19214号公報
【特許文献6】特開2004−202022号公報
【特許文献7】特開2005−245521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者らはコストが極めて安価で、使い方が容易で、安全で、有効成分の導入効果が高く、小型軽量で、携帯可能で、使い捨ても可能なイオン導入装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
溶液中にある単体と別の元素のイオンとが存在するとき、両者の間で酸化還元反応が生じると、単体は酸化されてイオン化するのに対してもう一方は還元されて単体として析出する。このとき「還元された元素より酸化された元素の方がイオン化傾向が大きい」ということになる。どちらが酸化されどちらが還元されるかは酸化還元電位の大小に依存するので、この電位の順に元素を並べたものがイオン化傾向の順となる。
【0007】
イオン化傾向が小さいほどイオンは還元され金属として析出しやすくなる。
また、イオン化傾向が大きい金属でも融解塩電解などで得ることができる。
イオン化傾向は、セシウム(Cs)が最大でイリジウム(Ir)・タンタル(Ta)が最小とされるが汎用物質のイオン化傾向の大きい順は以下のとおりとされる。リチウム(Li)>ルビジウム(Rb)>カリウム(K)>バリウム(Ba)>ストロンチウム(Sr)>カルシウム(Ca)>ナトリウム(Na)>マグネシウム(Mg)>アルミニウム(Al)>マンガン(Mn)>亜鉛(Zn)>クロム(Cr)>鉄(Fe)>カドミウム(Cd)>コバルト(Co)>ニッケル(Ni)>スズ(Sn)>鉛(Pb)>(水素(H2))>アンチモン(Sb)>ビスマス(Bi)>銅(Cu)>水銀(Hg)>銀(Ag)>パラジウム(Pd)>白金(Pt)>金(Au)
【0008】
異なる2種類の金属と電解液とを組み合わせると、2種類の金属電極の間に電位差が生じる。このとき、イオン化傾向の大きい方の金属が負極となり、小さい方が正極となる。また、2種類の金属のイオン化傾向の差が大きいほど、電極間の起電力は大きくなる。たとえば、銅と亜鉛板を汗に浸した場合では、亜鉛が負極になり、銅が正極になる(電解液は汗である)。
【0009】
イオン導入機の最大の問題は電源供給装置が占める容積、重さとコストであることから、本発明者らは生体内に自然に発生している電流をイオン導入機に利用できないかを考えた。
そこで人体の各部分に瞬間的に生じている電位差を電圧計により複数の人体の異なる二か所を測定した結果、平均で直流電圧で90mV、最大交流電圧65mVの電圧差が生じていることを見出した。さらに、生体表面とアース(地中)の間において電圧を測定したところ人体内の二か所で測定された電圧差よりもさらに高い最大直流電圧差−901mVから+912mV、最大交流電圧1.223vの電圧が観測された。これらの電圧は、体内の生理的な生化学反応によるもの、汗などの体液中の有機酸や電解質成分と電極金属の相互作用によるもの、体表や衣服の静電気によるもの。気象条件や建築物に蓄えられた静電気であると推定された。
【0010】
人体とアース間の最大900mVの電圧はイオン導入にとって十分高い電圧であるが、これらの電圧は経時的に絶えず変化するだけでなく気候変動や地電流等によりプラスとマイナスが逆転し電圧が安定しない。また、電流量が微量であるためイオン導入の効果を十分に発揮するほどの起電力を生じさせることが難しいという問題があった。そこで、本発明者らは長時間イオン導入を持続できるだけの電力を確保するために、リレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路を設置することにより、電極間の電位差を利用してGに蓄電し、一方の電極をマイナス、又はプラスに帯電させそれを維持しながら、電圧を高める装置を考案し本発明を完成させた。
【0011】
さらに、人体に接触させる電極を異なるイオン化傾向を持つ金属の組み合わせの金属で作成することにより、イオン電極と生体成分である汗の酸化還元反応により起電力を確保した。たとえば人間の汗の成分は電解質であるために銅と亜鉛電極又は銅とアルミの電極の組み合わせにより皮膚が極端に乾燥していなければ約400から1000mvの安定した電圧が生じる。銅が+に亜鉛やアルミ電極がマイナスになるためにアスコルビン酸等のマイナスに帯電する分子はアルミ電極側よりイオン導入する必要がある。皮膚が乾燥している場合は少量の水分を皮膚に補給すれば通電する。これらの水分は有効成分を含有する化粧品成分を皮膚に塗布することにより補給することもできる。
【0012】
プラス側電極の材質としては銅以外に皮膚に安全で微量栄養素としても重要な、金、銀、白金などを選択することもできる。マイナス側電極としては亜鉛、アルミニウム以外にカルシウム、鉄、ニッケルやこれらとカリウム、ナトリウム、マグネシウムなどを含む合金でもよい。さらに、これらの微弱な電力を有効利用するために回路の中にコンデンサなどの蓄電装置を組み込むこともできる。当然のことながら、光発電装置や温度差発電装置、微小乾電池などの電源を組み込むことによりイオン導入に必要な電源の安定供給を補うこともできる。
【0013】
すなわち本発明は以下の請求項からなる。
[請求項1]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
[請求項2]
異なる複数の成分を印刷した、請求項10に記載の複数の導入用シートを正確に重ねることにより、それぞれのシートの成分により化学反応を起こし、その反応の結果により生成又は変化した有効成分を、μm単位で正確にマスクシート上に配置した、有効成分の被写体への導入用シート。
[請求項3]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
[請求項4]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
[請求項5]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
【0014】
また、本発明は、以下に示す(1)〜(14)に関する。
(1)生物の体表面の異なる部位間の自然の電圧差により電極CD間に電圧差が生じることによりC、E、Dの一つ又はそれから選択される複数から有効成分を生物の体表面にイオン導入するイオン導入装置。(Aは、人体又は生物等の体表面を表し電解質の体液で満たされているため導電性の性質を持つ。Fは生物体表面に存在する有効成分を導入したいターゲット部位である。Eは、Cの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Fにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置された電極を表し、Bは2つの電極をつなぐ導電線を表す。電極Dは、体表面と接触している。電極Cは体表面Fと有効成分が含有された電解質溶液Eを介して接触している。DとCには生体の生理活動により瞬間的に微量な電位差が生じている。電極CおよびDの材質は同一でもかまわない。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路であり、電流を止めたり流したりするだけでなく微弱な電流を蓄電し電圧を高め電極Cをマイナス又はプラス極に帯電させることもできる。)
〔図1〕
(2)生物の体表とアース間の自然の電圧差により電極CとアースDとの間に電圧差が生じることによりC、Eの一つ又はそれらから選択される複数から有効成分を体表面にイオン導入するイオン導入装置。(Aは、人体又は生物等の体表面を表し電解質の体液で満たされているため導電性の性質を持つ。Eは、Cの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Fにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Fは生物体表面に存在する有効成分を導入したいターゲット部位である。Cは体表面に設置された電極を表し、Bは導電線を表す。Dは、地表等のアースと最終的に接触している。電極Cは体表面Fと有効成分が含有された電解質溶液Eを介して接触している。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路であり、電流を止めたり流したりするだけでなく微弱な電流を蓄電し電圧を高電極Cをマイナス又はプラス極に帯電させることもできる。)
〔図2〕
(3)生物の体表面に自然又は人工的に存在する電解質溶液と異なる2電極間のイオン化傾向の差を利用して発電し、電極Cと電極D間に電圧差を生じせしめ、この電力によりC,E,D,Fの一つ又はそれらから選択される複数から有効成分を体表面から導入するイオン導入装置。(Aは、人体又は生物の体表面を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置されたイオン化傾向の異なる材質から選択された金属電極を表す。E及びFは、C又はDの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Gにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Fは体表面に存在する自然な電解質液でもよい。)
〔図3〕
(4)生物の体表面に自然又は人工的に存在する電解質溶液と異なる2電極間のイオン化傾向の差を利用して発電し、電極CD間に電圧差を生じせしめ、この電力によりC,E,D,Fの一つ又はそれらから選択される複数から有効成分を体表面から導入するイオン導入装置。(E及びFは、C又はDの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Gにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Fは体表面に存在する自然な電解質液でもよい。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路であり、電流を止めたり流したりするだけでなく微弱な電流を蓄電し電圧を高め電極Cをマイナス又はプラス極に帯電させることもできる。このためE内のイオン化した有効成分がよりAに移行しやすく、効率的で安全性の向上した図4の(1)のイオン導入装置。)
〔図4〕
(5)電極C、Dが、それに接触するE、Fにイオン化して溶出可能な成分から選択される一種又は二種以上の混合物からなる(1)〜(4)のイオン導入装置用組成物。
(6)イオン化して溶出可能な成分が以下の原子または原子を含有する成分から選択される(5)のイオン導入装置用組成物。
C(炭素)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Cu(銅)、Ag(銀)、Pt(白金)、Au(金)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)
(7)電極の金属が、以下のA群またはB群のどちらか一方から選択され、D電極の金毒がC電極の金属と異なる群のイオン化傾向を持つ金属から選択される一種又は二種以上の混合物からなる(1)〜(6)のイオン導入装置用組成物。
A群)K、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni
B群)Sn、Cu、Ag、Pt、Au
(8)E又はFもしくはその両方が取り換え可能な担体と溶媒と生物の組織や細胞に生理学的効果を及ぼす有効成分からなり、この有効成分が電気泳動可能な物質から選択される単体又は二種以上の複合物から選択される(1)〜(4)のイオン導入装置。
(9)被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
(10)複数の(9)のシートに異なる複数の成分を印刷し、最終的にそれらのシートを正確に重ねることにより化学反応を起こし、その反応の結果により生成又は変化した有効成分をμm単位で正確にマスクシート上の有効成分を被写体へ導入するシート。
(11)被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
(12)伝導性液体溶媒を含んで印刷されたイオン導入用の単層又は複層の(9)〜(10)の有効成分導入用シート。
(13)伝導性液体溶媒を含んで印刷されたイオン導入用の単層又は複層の(9)〜(10)の有効成分導入用シートの製造方法。
(14)イオン導入装置が伝導性液体溶媒を含んで印刷された単層又は複層の(12)のイオン導入用シートである(1)〜(4)のイオン導入装置。
【0015】
本発明の(1)〜(7)は、以下の図のように2つ以上の複数の電極を接続することもでき、電極の面積を広げることもできる。電極の面積を広げることにより起電力を増加させることができ、有効成分を導入する側の電極を小さくすることにより電極単位面積当たりの電子の流量を増やすことにより単位面積当たりの有効成分の導入量を増やすことができる。
〔図5〕
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のイオン導入装置
【図2】本発明のイオン導入装置
【図3】本発明のイオン導入装置
【図4】本発明のイオン導入装置
【図5】複数電極を持つ本発明のイオン導入装置
【図6】キャップ式イオン導入装置
【図7】キャップ式イオン導入装置の使用例
【図8】イオン導入パッチ
【図9】イオン導入パッチ
【図10】イオン導入パッチ
【図11】イオン導入用マスクシート
【発明を実施するための形態】
【0017】
ある全反応のΔγGoは、それを構成している還元半反応のΔγGoの差に等しい。したがって、2つの還元半反応を組み合わせた全反応のEoの値は、それらの半反応のEoの差に等しい。例えば、銅と亜鉛の電極を使った本発明のイオン導入装置の起電力は次のように求められる。それぞれの還元半反応式は、
(化学式1)
(1)…Cu2+(aq)+2e−→Cu(s) Eo=+0.34V
(化学式2)
(2)…Zn2+(aq)+2e−→Zn(s) Eo=−0.76V
である。この差をとると、
(化学式3)
(1−2)…Cu2+(aq)+Zn(s)→Cu(s)+Zn2+(aq)
Eo=+1.1V
【0018】
本発明(1)のイオン導入装置に使用される電極の金属材質は、以下の金属から選ばれる単体又は2種以上の複合組成物が適しており、異なる電極でも同一金属又は同一組成の金属が好ましい。炭素、フラーレン、グラファイト、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)。特にK、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni、Sn、Cu、Ag、Pt、Auから選択される金属が望ましい。
本発明(2)のイオン導入装置に使用される電極の金属材質は、以下の金属から選ばれる単体又は2種以上の複合組成物が適しており、異なる電極でも異なるイオン化傾向をもつ異なる金属又は異なる組成の金属複合物が好ましい。炭素、フラーレン、グラファイト、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)。特に安全性や細胞への栄養学的効果を考えるとK、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni、Sn、Cu、Ag、Pt、Auから選択される金属の異なる組み合わせが望ましい。
【0019】
上記の金属の中でも安全性や微量金属ミネラルとしての栄養素としての優位性から電極の金属が、以下のA群またはB群のどちらか一方から選択され、他方の電極の金毒が前者と異なる群の金属から選択される単体又は二種以上の混合物からなる金属であるのが望ましい。
A群)K、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni
B群)Sn、Cu、Ag、Pt、Au
これらの金属は、本発明のイオン導入装置には金属板または金属成形品、金属を圧延した金属フィルム、金属多孔質成形体、金属複合体、金属ワイヤー、金属ワイヤーを編んで布状にしたもの又は金属粉末、又は金属蒸着させた成形体、金属粉末を樹脂に分散させたものや塗料に分散させたメタリック塗料、金属メッキをプラスチック等の絶縁成形体の上に塗装したものとして用いられることができる。さらに本発明の電極には、冷延鋼板,溶融亜鉛めっき鋼板,電気亜鉛めっき鋼板,溶融5%Al−Zn合金めっき鋼板,溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板,溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板,溶融アルミニウムめっき鋼板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合金板,銅板,銅合金板等、多様な金属板を使用できる。また、塗膜密着性,耐食性を改善するため脱脂,表面調整,クロメート処理,クロムフリー処理,リン酸塩処理等の塗装前処理を電極に施すこともできる。メタリック塗料には、ポリエステル系,アクリル系,シリコーンポリエステル系,ウレタン系から選ばれた一種又は二種以上の樹脂塗料も使用することができメタリック顔料としてアルミニウム等の金属フレークが添加されるが、たとえば平均粒径(長径):10〜20μm,アスペクト比(長径/厚みの比):50〜100のアルミニウムフレーク等が使用できる。アルミニウムフレークは、塗料樹脂100質量部に対し0.5〜20質量部の割合で配合してもよい。金属フレークが0.5質量部未満では導電性に乏しく、逆に20質量部を超えると塗料粘度が高くなって塗装性に劣り、塗膜が外観不良になりやすい。
更に耐候性向上のためヒンダートアミン系光安定剤を添加することもできるが塗料への分散が容易で耐候性向上効果が大きいことから液状ビスセバケート種(TINUVIN 292,TINUVIN 123,アデカスタブ LA−62,アデカスタブ LA−67)が好ましい。ヒンダートアミン系光安定剤は何れも水分含有雰囲気下で塩基性化するアミン系化合物であり、一種又は二種以上が塗料樹脂100質量部に対し0.1〜2質量部の割合で配合することもできる。0.1質量部に満たないと耐候性向上の効果が乏しいが、2質量部を超える過剰配合は塗膜表面へのブリードを起こし、添加量に見合った性能の向上を期待できず製品コストの上昇を招くことがある。ヒンダートアミン系光安定剤,アルミニウムフレークが共存する塗料の水分を除去する脱水剤として、オルトギ酸トリアルキル,オルト酢酸トリアルキル,オルト硼酸トリアルキルの一種又は二種以上を好ましくは1〜20質量部の割合で添加することもできる。メタリック塗料とともに、酸化チタン,酸化鉄等の無機顔料やフタロシアニン,アントシアン等の有機顔料を着色顔料として配合しても良い。硫酸バリウム,タルク等の体質顔料も添加可能である。また、意匠性,耐疵付き性を付与するため、ガラスビーズ,ガラスフレーク,アクリルビーズ,PANビーズ,ナイロンビーズ等の骨材やシリカ,微粒状尿素樹脂等の艶消し剤を必要に応じて添加しても良い。
本発明で使用できるメタリック塗料としてはアクリルウレタン系塗料のアクリルポリオール、セルロース系樹脂塗料、ポリイソシアネート系硬化剤等に、アルミ顔料を分散させたものを使用することもでき、具体例としてはグンゼ産業社製、Mr.カラー、Mr.メタルカラー、Mr.スプレーのシルバー(銀)、ゴールド(金)、メタリックレッド、タリックブルー、メタリックグリーン、メタルブラック、カッパー(銅)、スーパーシルバー、ガンクローム等の塗料、泰栄産業株式会社製、アクリトップ#500、ポリラップG41、ポリラップGX81−X、ポリラップNo.1、ポリラップK101、アクリシャイン#1000、シントラックシリーズ、メタルスターTS−260、シルバーメタルスターTS−260、シルバーハイパーメタルスターSP8シルバー、メタルスター BC−2000 シルバー等、スズカファイン社製、アクリル樹脂塗料.ラフトンアクリエナメル.アクリル樹脂メタリック塗料.ラフトンメタリック.弾性アクリル樹脂塗料.ラフトン弾性エナメル.アクリル樹脂クリヤー.ラフトンクリヤー.ラフトンメタリック塗料等があるが特に限定されない。
更に本発明の金属電極素材として、水溶性又は溶剤系の導電性銀塗料、導電性黒鉛塗料、導電性ニッケル塗料、導電性銅塗料、導電性銀メッキ銅塗料、導電性銀塗料、導電性銀メッキ銅塗料等を使用することができる。具体例としては、株式会社モリテックス社製、導電性塗料製品のうちニッケル含有塗料のELECTRODAG550、JEF−603、JEF−606、銅含有塗料のELECTRODAG SP−029等を使用することができる。
【0020】
本発明のイオン導入装置を使用してイオン導入できる物質は、生体が接触しても安全性が十分確保できる電解溶液にイオンとして溶解するものであれば良く、例えば脂質などのイオンとして溶解しないものであっても、カチオンやアニオン界面活性剤との組み合わせにより乳化粒子として溶媒中に分散できるものであれば特に限定されない。
【0021】
本発明のイオン導入装置を使用してイオン導入できる物質は、ビタミン誘導体の塩類などがあげられる。具体例としては、例えばL−アスコルビン酸マグネシウムナトリウム、L−アスコルビン酸マグネシウムアルミニウム、L−アスコルビン酸マグネシウムカリウム、L−アスコルビン酸マグネシウムカルシウム、L−アスコルビン酸マグネシウムゲルマニウム、L−アスコルビン酸マグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムアルミニウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムカリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムカルシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムゲルマニウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムナトリウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムアルミニウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムカリウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムカルシウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムゲルマニウ、等であればよい。
【0022】
さらに、カチオンやアニオン界面活性剤との組み合わせにより乳化粒子として溶媒中に分散できるものの例としては、エンドセリン拮抗薬、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン及びその誘導体並びにそれらの塩、レゾルシン及びその誘導体並びにそれらの塩、ハイドロキノン及びその誘導体並びにそれらの塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、胎盤抽出物、カロチノイド類及びこれらを含有する動植物抽出物、ネオアガロビオース、アガロースオリゴサッカライド、アスパラガス抽出物、イブキトラノオ抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、リノール酸を含有する植物油、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、ソウハクヒ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、トウキ抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブナノキ抽出物、ブドウ種子抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物及び羅漢果抽出物、アスタキサンチン、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、胎盤抽出物、ネオアガロビオース、アガロースオリゴサッカライド、イブキトラノオ抽出物、海藻抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、サンペンズ抽出物、センプクカ抽出物、緑茶、紅茶、烏龍茶などの茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ種子抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物及びヨクイニン抽出物が挙げられる。上記の海藻抽出物としては、コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、マツモ、モズク、イシゲ、ハバノリ、コンブモドキ、フクロノリ、イワヒゲ、カゴメノリ、アナメ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、エゾイシゲ、ラッパモク、ホンダワラ、オオバモク、ジャイアントケルプ等の褐藻類、及びテングサ、ヒラクサ、オニクサ、オバクサ、トサカノリ、キリンサイ、ツノマタ、トチヤカ、スギノリ、シキンノリ、カイノリ、ウスバノリ、ウシケノリ、アサクサノリ、フサノリ、カギノリ、ヒビロウド、カタノリ、ムカデノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、イバラノリ、オゴノリ、カイメンソウ、ダルス、イギス、エゴノリ、コノハノリ、ヒメゴケ等の紅藻類、及びクロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロがある。
【0023】
さらに、本発明のイオン導入装置に有効な成分でカチオンやアニオン界面活性剤との組み合わせにより乳化粒子として溶媒中に分散できるものの例としては、以下の細胞賦活剤、活性酸素消去剤、保湿剤、皮膚収斂剤、ビタミンやアミノ酸及びその誘導体や塩類がある。
【0024】
例えば、細胞賦活剤としては、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフェリン並びにそれらの塩等の核酸関連物質、幼牛血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリ等の卵成分、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、ラクトフェリン又はその分解物、イカスミ等の軟体動物抽出物、魚肉抽出物等、哺乳類、鳥類、貝類、昆虫類、魚類、軟体動物類、甲殻類等の動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物等の発酵代謝産物から選ばれる微生物由来の抽出物が挙げられる。
更に細胞賦活剤として、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、トレチノイン、カロチン等のカロチノイド等のビタミンA類、チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類、アンズ抽出物、イチョウ抽出物、オタネニンジン抽出物、オオムギ抽出物、オレンジ抽出物、キュウリ抽出物、キウイ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、トウガラシ抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ブクリョウ抽出物、モモ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、霊芝抽出物、ローズマリー抽出物、ヒノキチオール、セファランチン等の植物由来の抽出物、α−及びγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク酸、乳酸、サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。上記に挙げた細胞賦活剤は一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。
【0025】
活性酸素除去剤としては、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、フラーレン、水酸化フラーレン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、ルチン、ルチン誘導体、タウリン、チオタウリン、卵殻膜抽出物、没食子酸、没食子酸誘導体、酵母抽出物、霊芝抽出物、ヤシャジツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ボタンピ抽出物、メリッサ抽出物、パセリ抽出物及びジコッピ抽出物、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のビタミンA類;チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩等)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類;トコフェロール及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等)、ユビキノン類等のビタミンE類;ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0026】
保湿剤としては、アルカリ単純温泉水、深層水、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質またはそれらの誘導体並びにそれらの塩、大豆及び卵由来のリン脂質、糖脂質、セラミド、ムチン、ハチミツ、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、ペンタエリスリトール、フルクトース、デキストリン及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、ブドウ糖等の糖類、尿素、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、オルチニン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン、シスチン、シトルリン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、テアニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、リジンなどのアミノ酸及びそれらの誘導体又はそれらの塩などが挙げられる。更に保湿剤として、D−パンテノール、アボカド抽出物、アーモンド油、イナゴマメ抽出物、イネ抽出物、イチゴ抽出物、ウイキョウ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、オリーブ油、オドリコソウ抽出物、カカオ脂、カラスムギ抽出物、キズタ抽出物、クマザサ抽出物、クチナシ抽出物、グレープフルーツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゲンチアナ抽出物、ゴボウ抽出物、コボタンヅル抽出物、ゴマ抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、ショウガ抽出物、ジオウ抽出物、シア脂、シモツケ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ツバキ抽出物、トウモロコシ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、トルメンチラ抽出物、ドクダミ抽出物、バクモンドウ抽出物、ハウチマメ抽出物、ハマメリス抽出物、ハッカ抽出物、ミドリハッカ抽出物、セイヨウハッカ抽出物、パセリ抽出物、バラ抽出物、ヒマワリ抽出物、ヒノキ抽出物、ヘチマ抽出物、プルーン抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ボラージ油、ボタン抽出物、ホホバ油、ボダイジュ抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、マカデミアナッツ油、マルメロ抽出物、ムラサキ抽出物、メドウホーム油、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユリ抽出物、ユズ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンドウ抽出物、ワレモコウ抽出物及びリンゴ抽出物等が挙げられる。上記に挙げた保湿剤は、一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。
【0027】
ビタミン及びその誘導体や塩類としては、フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類、エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。血行促進剤としては、ノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、α−ボルネオール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、γ−オリザノール等及びこれらのリン酸エステル、硫酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、作酸エステル及びそのナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの塩類が挙げられる。皮膚収斂剤としてはタンニン酸等、抗脂漏剤としてはチアントロール等、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。
【0028】
本発明の特定のイオン導入装置には、他の有効成分導入器と結合する構造を取らせることもできる。他の有効成分導入器とは、加湿導入器、振動導入器、イオン導入装置、音波導入器、電磁波導入器から選択される単体及び複合体の有効成分導入器であればよい。
具体的には、蒸気を肌に噴霧して毛穴を開かせて薬効成分を導入するもの、微少な振動を皮膚表面に与えることにより血行を促進させ薬効成分を導入促進するもの、超音波振動を皮膚に当てることにより血行を促進し物質の拡散状態を促進させ物質を皮膚内に導入するもの、低周波、高周波、中周波の電磁波を暴露させることにより血行を促進し有効成分の浸透性を高めるものなどがある。これらは単独ではなくこれらの機能を複数組み合わせて用いることもできる。例えば本発明のイオン導入装置に振動や超音波を同時に付加することにより成分の皮膚浸透性を高めることができる。
【0029】
本発明のイオン導入装置の電圧はそのイオン導入装置内の回路により電圧や電流量、電流波形などを変化させることもできる。好ましくは、電極に0.01から10V程の電圧を付加すればよいが直流電圧であると長時間使用した場合にやけどなどの副作用を起こすため、交流電圧や直流電圧でも時間差をおいて交互に正負の電圧がかかるようにすることもできる。交流電圧の場合は好ましくは100Hzから0.1Hzがよく直流電圧でも時間的に交互に正負の電圧がかかるようにする場合は好ましくは直流電圧0.1秒から30秒の長さの後に0.01秒から10秒間の逆電圧を付加しこれを連続又は断続的に繰り返す。この断続時間は0.01秒から30秒までが好ましい。この場合の電極電圧も0.01から10Vが好ましい望ましい。正負の電極は皮膚の異なる部分に設置するが、一方の電極はイオン導入する皮膚の位置に設置する。この電極面積は広い方が刺激を受けにくく望ましく、顔全面に電極を張り付けることもできる。本発明の電解質のパック剤やパップ剤を電極の代わりにすることもできる。また、皮膚全体又は一部を本発明の電解質の浴剤やローション剤に浸し通電することも可能である。皮膚表面に設置する電極の正負の極性は導入する物質が正負どちらに帯電しているかによって決めるのが一般的でありL−アスコルビン酸やL−アスコルビン酸誘導体の電解溶液を使用してL−アスコルビン酸及びその誘導体を皮膚内に導入する場合はL−アスコルビン酸およびその誘導体が負に帯電しているので負の電圧を皮膚の外側から付加する。L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩やカルシウム塩及びこれらの誘導体塩を多く含有する複合塩の場合はマグネシウムやカルシウムとL−アスコルビン酸リン酸との結合力が強いため水溶液状態で十分解離することが困難なために分子が正に帯電する場合が多くこの場合は皮膚の外側から正の電圧を付加して導入することが望ましい。更に交流電圧及び直流電圧でも時間差をおいて交互に正負の電圧がかかるようにする場合はいかなる帯電物質にも対応できるためより好ましい。交流電圧の場合は急激に電圧が切り替わるタイプでも徐々に電圧が切り替わるタイプでもどちらでも構わないが後者の方がより皮膚刺激が少ないのでより好ましい。
【0030】
本発明のイオン導入装置に使用される有効成分の濃度は塩の配合量(含有量)により異なるが、乾燥固形分として、好ましくは0.001〜50重量%(以下、「重量%」を単に「%」で示す)である。この塩の配合量(含有量)が0.001%より少ないと十分な効果が得られないことがあり、また、50%を超えて配合してもそれ以上の効果の増大は見られない。
【0031】
本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分の組成物には抗炎症剤を併用添加することもできる。本発明に使用可能な抗炎症剤としては、酸化亜鉛、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム等のグリチルレチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、トラネキサム酸、コンドロイチン硫酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、ジクロフェナクナトリウム、アロエ抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、ウコン抽出物、オウバク抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、トウキンセンカ抽出物、ニワトコ抽出物、ホオウ抽出物、ムクロジ抽出物、レンゲソウ抽出物、ヨモギ抽出物及びユーカリ抽出物等が挙げられる。これらの抗炎症剤は一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。
【0032】
これら抗炎症剤のうち、特に好ましいものとしては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、インドメタシン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、アロエ抽出物、インチンコウ抽出物、オトギリソウ抽出物、コンフリー抽出物、シコン抽出物、及びムクロジ抽出物が挙げられる。抗炎症剤の配合量(含有量)は特に限定されないが好ましくは0.00001〜20%、より好ましくは0.0001〜10%である。植物抽出物等を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分換算の量である。
【0033】
本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分を配合する組成物の剤形は特に限定されない。その具体例としては、乳液、クリーム、ジェル剤、化粧水、美容液、パック、浴剤、洗浄料等のスキンケア化粧料、軟膏剤、パップ剤、分散液、クリーム剤、外用液剤等の医薬品などとすることができ、その剤型についても特に制限はなく、液状、ペースト状、ムース状、ジェル状、粉末状、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、多層状とすることができる。特に乳液、クリーム、ジェル剤、化粧水、美容液、パック剤については、水分含量が大きいため電解質の通電性が良好で適している。また、本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分を配合する剤形には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、PH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を適宜一種又は二種以上添加することができる。これらの成分の添加量は特に限定されないが通常は0.0001%から80%の範囲で添加する事ができる。これらの原料
を複数併用使用することもできる。マスクシートは有効成分を支持する担体として機能し、組織に良好な操作性や使用感を付与することができる。マスクシートの素材としては特に限定されることなく使用することができるが、透湿性を有するシート又はフィルムが好適に使用される。例えば、多孔質フィルムを用いることで透湿性をより高めることが可能であり、また創部への細菌の侵入が抑制されるため、細菌感染を予防することができる。本発明のマスクシートの素材としては、例えば、紙、布、不織布、プラスチックフィルム使用され、その材質としては、セルロース、及びポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリウレタン等が挙げられる。中でも、透湿性及び伸縮性に優れるポリウレタンが好適である。また、プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムのいずれであってもよく、例えば、無延伸フィルムの場合、微孔形成のための添加剤を樹脂中に混合分散し、成形後に添加剤を除去する抽出法等の公知の方法により多孔質フィルムにすることができる。また、樹脂組成物を延伸加工する公知の延伸法によっても多孔質フィルムを得ることが可能である。ここで、多孔質フィルムとは、微孔がフィルムの両面に連通しているものをいう。本発明のマスクシートとして使用できる素材としては具体的には、フェイスマスクシート(ITO社製)、テガダーム(3M社製),オプサイトウンド(Smith & Nephew社製),IV3000(Smith & Nepnew社製),バイオクルーシブ(Johnson & Johnson社製)などのポリウレタンフィルム・ドレッシング材。デュオアクティブ(Convatec社製),コムフィール(コロプラスト社製),テガソーブ(3M社製),アブソキュア(日東メディカル社製)などのハイドロコロイド・ドレッシング材。ハイドロサイト(Smith & Nephew社製)等のポリウレタンフォーム・ドレッシング材。カルトスタット(Convatec社製),ソーブサン(アルケア社製),アルゴダーム(メディコン社製),クラビオAG(クラレ社製)などのポリウレタンフォーム・ドレッシング材。ジェリパーム(竹虎),ニュージェル(Johnson & Johnson社製),イントラサイト(Smith & Nephew社製),グラニュゲル(Convatec社製),クリアサイト(日本シグマックス社製)などのハイドロジェル・ドレッシング材。ティエール(Johnson & Johnson社製)のハイドロポリマー材を使用することもできる。また、マスクシートの大きさは使用目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、厚みは通常10μm〜5mmである。これにより、操作性及び使用感を良好にすることができる。マスクシートは、皮膚への接着性を良くするために粘着剤を塗布することもでき、創傷被覆材を皮膚面に固定する機能を有する。粘着剤としては吸水性又は水膨潤性を有するものであれば特に限定されるものではないが、ハイドロコロイド型粘着剤が好適である。これにより、コールドフロー性が良好になるために、皮膚面に対する密着性に優れ、外部からの細菌感染を予防することができる。なお、吸水性に乏しいと、滲出液が多い場合に布帛に滲出液が貯留し、創部に悪影響を与える虞がある。ハイドロコロイド型粘着剤は、エラストマーと、吸水性物質とを含む混合分散体からなる。エラストマーは、粘着剤層に適度な凝集性を付与し、また粘着剤層形成後の粘着剤の滲出し防止に寄与する。エラストマーとしては、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、天然ゴム、ポリメチルシロキサン等を主成分としたシリコーン系重合体、ポリビニルエーテル系重合体等が挙げられる。中でも、耐コールドフロー性の点から、ポリイソブチレンが好適であり、凝集力を向上させるためにポリイソプレンを併用することがより好ましい。その場合、ポリイソプレンをポリイソブチレン及びポリイソプレンの合計重量に対して50重量%を超えない範囲で配合することが望ましい。本発明においては、エラストマーを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、エラストマーの粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは35,000〜1,500,000である。Mvが10,000未満であると、粘着剤層の凝集力が低下する傾向にあり、他方2,000,000を超えると、粘着剤層の吸水性が低下する傾向にある。
【0034】
油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等、いずれの油剤も使用することができる。例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類;牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類が挙げられる。
【0035】
油剤として、また、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油が挙げられる。
【0036】
更に、油剤として、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等のグリセライド油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン;高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーン油等のシリコーン系油剤;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤が挙げられる。
【0037】
本発明のマスクシート印刷用の有効成分の中には顔料は、印刷インキ、塗料等に使用される種々の顔料を配合することもできる。このような顔料をカラーインデックスで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー15,15:1,15:3,15:4,15:6,60、ピグメントグリーン7,36、ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,149,168,177,178,179,206,207,209,242,254,255、ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,120,125,128,137,138,139,147,148,150,151,154,155,166,168,180,185、ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61,71,74等があげられる。また、カーボンブラックについては中性、酸性、塩基性等のあらゆるカーボンブラックを使用することができる。これらの顔料は0.01〜10重量%含まれることが望ましい。本発明では、有効成分の分散性及び保存安定性を向上させるために分散剤を添加するのが好ましい。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822(塩基性分散剤)」等が挙げられる。分散剤はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。本発明ではマスクシートへの密着性を向上させるために樹脂を添加することもできる。使用できる樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等が挙げられる。樹脂の具体例としては、荒川化学社製のスーパーエステル75、エステルガムHP、マルキッド33、安原社製のYSポリスターT80、三井化学社製のHiretts HRT200X、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル586、ダウケミカルズ社製のユーカーソリューションビニル樹脂VYHD、VYHH、VMCA、VROH、VYLF−X、日信科学工業製のソルバイン樹脂CL、CNL、C5R、TA5Rを例示することができる。本発明の有効成分には可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、加水分解防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。本発明の非吸収性基材としては、ポリ塩化ビニル樹脂シート、ポリオレフィン系シート、ガラス、金属等が挙げられ、特に好ましくはポリ塩化ビニル樹脂シートである。本発明の請求項1の有効成分の印刷方式としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等が挙げられ、特に好ましくはインキジェット印刷方式である。本発明の有効成分は、印刷用まず始めにペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機等によって、単一もしくは混合溶媒中に顔料を樹脂または分散剤によって分散し、得られた顔料分散体を本発明の溶剤で希釈して製造されるものである。
【0038】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤が用いられるが、アニオン又はカチオン活性剤のほうがイオン導入しやすいのでより好ましい。しかし、非イオン界面は、製剤の安定性を高めるために配合するには有効である。
アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0039】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できるカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0040】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる金属セッケンとしては、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
ゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0041】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、無機粉体、有機粉体、顔料などいずれのものも使用することができる。例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含硫ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等が挙げられる。
【0042】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0043】
本発明の有効成分を含有する組成物に添加できる有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化した顔料、天然色素をレーキ化した顔料、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等が挙げられる。パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0044】
本発明の有効成分を含有する組成物に添加できるタール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられる。天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。上記した無機粉体、有機粉体、顔料、タール色素等の粉体は、複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行なってもよい。
【0045】
紫外線吸収剤も本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートの安定性を高めるのに有効である。使用可能な紫外線防御剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジパラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸ブチル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸アミル等の安息香酸系紫外線吸収剤が挙げられる。また紫外線防御剤として、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸カリウム等のサリチル酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−メトキシジベンゾイルメタン、4−t−ブチル−4’−ヒドロキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;メンチル−O−アミノベンゾエート、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
【0046】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子;デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール及びチアントール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。PH調整剤としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の実施例を記す。
実施例1
化粧品のキャップに応用された小型使い捨てイオン導入装置
(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した(株)ITO社製AP5ローションの水溶液8mlを(株)ITO社製フェイスマスクシートに染み込ませて顔面にマスクシートを張り付けた。次に以下の本発明の使い捨てイオン導入装置でマスクシートの上から15分間イオン導入を行った。
図のAは、顔面などの体表のターゲット部位に設置する亜鉛製電極であり。Bは手の指を接触させる銅製電極である。このB部分を指先でつまんでAを同一人物の顔面に張り付けたフェイスマスクシートに接触させたときAB間には535mvの電圧が発生しA極はマイナスに帯電した。これによりA電極付近のマスクシート内のマイナスにイオン化したアスコルビン酸リン酸を以下の試験により皮膚内に有効にイオン導入することができた。Eはアスコルビン酸リン酸ナトリウムの3%溶液が入った化粧品容器へ結合するためのネジ口である。
〔図6〕
【0048】
実施例2 ニキビに対する有効性試験
ニキビに悩む年齢25から67歳までの男女12人に上記実施例1の方法で一日朝晩の2回洗顔後に実施例1と同様の方法でアスコルビン酸リン酸ナトリウムをイオン導入させこれを三ヶ月間継続した。尚、顔面の右側には本発明実施例1のイオン導入装置を使用させ顔面の左側には電極Aと電極Bを銅線でショートさせイオン導入効果を消失させたコントロールの器具を用いて左右の効果を比較した。
三ヶ月後にニキビの数を数え、実験スタート時のニキビの数と比較した結果、本発明のイオン導入装置を使用した右側の顔面のニキビの数が実験スタート時を100%とした時、これに比較して平均値で14%まで極端に減少しニキビが改善した。左側のコントロールでは、ニキビの数は平均で43%まで減少したが、本発明のイオン導入装置を使用した右側は、コントロールの左側に比較しより顕著に改善した。
【0049】
実施例3 経皮吸収試験
5週齢雄性ヘアレスマウス20匹の背部皮膚表面に実施例1と同様のフェイスマスクシートを1平方cm(1cmx1cm)を使用し実施例1と同様の方法でアスコルビン酸リン酸ナトリウムを15分間イオン導入した。3時間後にマウスの背部からイオン導入した皮膚を摘出し高速液体クロマトグラフィーにより皮膚内のアスコルビン酸リン酸ナトリウム濃度を測定した。対照区として実施例2で使用した電極Aと電極Bを銅線でショートさせたイオン導入装置を使用して同様に皮膚内のアスコルビン酸リン酸ナトリウム濃度を測定し本発明のイオン導入装置の効果を確認した。その結果平均で皮膚中のアスコルビン酸濃度は本発明のイオン導入装置を使用した皮膚では対照区の皮膚に比較し平均で3.2倍のアスコルビン酸が検出され、本発明のイオン導入装置の有効性が確認された。
【0050】
実施例4
本発明実勢例のマイナス極の亜鉛電極の代わりにAl、Zn、Fe、Niの各電極、およびFe電極にK、Ca、Na、Mgの微量金属を0.1%重量配合した電極と、プラス極の銅電極の代わりにSn、Cu、Ag、Pt、Auについても試作し電圧を測定した。その結果実施例1と同様な実験系においてマイナス極金属とプラス極金属の全ての組み合わせにおいて212mV以上のイオン導入電圧を得た。これらの結果からこれらの電極の組み合わせにおいても同様のイオン導入効果が得られることが確認できた。対照区としてイオン化傾向のほとんどない金属同士の組み合わせ(マイナス極同士の異なる金属の組み合わせ及びプラス極同士の異なる金属の組み合わせ)において同様な実験を行ったところ、イオン導入電圧は瞬間最大電圧で−18から+21mVの範囲であり本発明のイオン導入装置の1/10以下であった。また、対照区の装置の電圧は常に変動し一定せず、時にプラスに時にマイナスになりイオン導入装置としては全く使用することができないことが判明した。
【0051】
実施例5
実施例1と同様な方法で本発明のイオン導入装置を使用したところ以下の薬効成分の美白効果、ニキビ抑制効果、しわ改善効果、毛穴縮小効果、タルミ改善効果、くま抑制効果、保湿改善効果、創傷治癒効果、感染症改善効果、アトピー改善効果を高めることが判明した。但し以下の薬効成分は(株)ITO社製のナノミックカプセル製剤(グリセリン20%、アスコルビン酸リン酸パルミテートNa1%、サーファクチン3%、ホホバオイル40%、以下の有効成分1%、精製水 残分)として平均粒子径312nmのイオン導入用ナノカプセルを作成しイオン導入した。上記はすべて重量%。
アスコルビン酸、クエン酸、トリプトファン、ヒドロキシプロリン、プロリン、システイン、メチオニン、リジン、ロイシン、アルギニン、アラニン、セロトニン、グリシン、チロシン、セロトニン、メラトニン、トラネキサム酸、グリコール酸、ハイドロキノン、レチノイン酸、アスタキサンチン、アスコルビン酸リン酸Mg、トコフェリルリン酸Na、トコフェリルジメチルグリシン、フラーレン、リノレン酸、リノール酸、トコトリエノール、セラミド、加水分解ヒアルロン酸、加水分解コラーゲン、ヒドロキシクエン酸、コウジ酸、エラグ酸、リポポリサカライド、アルブチン、ボロノフェニルアラニンン
【0052】
本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分の製剤例を以下に示す。
参考例.1
化粧水の調製例(処方) (%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 1.0(6)アスタキサンチン*2 0.001(7)防腐剤適量(8)香料適量(9)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 シグマ社製
(製法)
A.成分(3)、(4)、(6)、(7)及び(8)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)及び(9)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0053】
参考例.2化粧水の調製例(処方) (%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 1.0(6)烏龍茶抽出物*2 1.0(7)ゴカヒ抽出物*3 1.0(8)防腐剤 適量(9)香料 適量(10)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製*3 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(3)、(4)、(8)及び(9)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(10)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0054】
参考例.3
化粧水の調製例(処方) (%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 1.0(6)アロエ抽出物*2 1.0(7)ケイケットウ抽出物*3 1.0(8)防腐剤 適量(9)香料 適量(10)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製*3 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(3)、(4)、(8)及び(9)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(10)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0055】
参考例.4.乳液の調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 5.0(8)イブキトラノオ抽出物*2 0.1(9)防腐剤0.1(10)カルボキシビニルポリマー0.1(11)水酸化ナトリウム0.05(12)エチルアルコール5.0(13)精製水 残量(14)香料 適量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 香栄興業社製
(製法)
A.成分(9)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(7)、(8)、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0056】
参考例.5
乳液の調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 5.0(8)ムクロジ抽出物*2 1.0(9)防腐剤0.1(10)カルボキシビニルポリマー0.1(11)水酸化ナトリウム0.05(12)エチルアルコール5.0(13)精製水 残量(14)香料 適量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(9)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後成分(7)、(8)、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0057】
参考例.6
乳液の調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 5.0(8)シコン抽出物*2 1.0(9)オトギリソウ抽出物*3 1.0(10)防腐剤0.1(11)カルボキシビニルポリマー0.1(12)水酸化ナトリウム0.05(13)エチルアルコール5.0(14)精製水 残量(15)香料 適量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製*3 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(10)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後成分(7)〜(9)、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0058】
前記参考例の化粧水及び乳液はいずれも経時安定性に優れ、本発明実施例のイオン導入装置に適用することにより、日焼けによる肌の「くすみ」やシミやソバカスを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0059】
参考例7.パックの調製例(処方) (%)
(1)ポリビニルアルコール20.0(2)エチルアルコール20.0(3)グリセリン5.0(4)カオリン6.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.05(6)マイカイカ抽出物*2 0.2(7)防腐剤0.2(8)香料0.1(9)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製
【0060】
(製法)
A.成分(1)、(3)、(4)及び(9)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B.成分(2)、(7)及び(8)を混合する。
C.上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(5)、(6)を均一に分散してパックを得た。
参考例7.のパックは経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」やシミを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0061】
参考例8 洗浄料の調製例(処方) (%)
(1)ステアリン酸10.0(2)パルミチン酸8.0(3)ミリスチン酸12.0(4)ラウリン酸4.0(5)オレイルアルコール1.5(6)精製ラノリン1.0(7)香料0.1(8)防腐剤0.2(9)グリセリン18.0(10)水酸化カリウム6.0(11)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.5(12)インドメタシン*2 0.01(13)糖蜜抽出物*3 0.5(14)精製水残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 シグマ社製*3 太陽化学社製
(製法)
A.成分(9)、(10)、(12)及び(14)を混合し、70℃に加熱する。
B.成分(1)〜(6)及び(8)を混合し、70℃に加熱する。
C.上記Bを先のAに加え、しばらく70℃に保ち、反応が終了後、50℃まで冷却し、成分(7)、(11)及び(13)を加え、冷却して洗浄料を得た。
前記参考例8の洗浄料は経時安定性に優れ、本発明のイオン導入装置に適用することにより、くすみのない透明感のある美しい肌にするものであった。
【0062】
参考例9.ゲル軟膏の調製例(処方) (%)
(1)カルボキシビニルポリマー1.0(2)トリエタノールアミン1.0(3)1,3ブチレングリコール10.0(4)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.01(5)アラントイン*2 0.02(6)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 メルク社製
(製法)
A.成分(1)及び(3)〜(6)を混合溶解する。
B.Aに成分(2)を加え、混合して均一にし、ゲル軟膏を得た。
参考例9のゲル軟膏は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けによる紅斑を抑制し、効果的に色素沈着を防止するものであった。
【0063】
参考例10. クリームの調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート2.0(2)グリセリンモノステアレート(自己乳化型)5.0(3)ステアリン酸5.0(4)ベヘニルアルコール0.5(5)スクワラン15.0(6)イソオクタン酸セチル5.0(7)防腐剤適量(8)1,3−ブチレングリコール5.0(9)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.2(10)モッカ抽出物*2 0.5(11)精製水 残量(12)香料 適量*1 前記参考例で製造したもの*2 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(1)〜(7)を70℃にて加熱溶解する。
B.成分(8)、(11)を70℃に加熱する。
C.AをBに加え、(9)、(10)及び(12)を混合した後、冷却してクリームを得る。
参考例10.のクリームは経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、くすみのない透明感のある美しい肌にするものであった。
【0064】
実施例6
小型使い捨てイオン導入装置
有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した(株)ITO社製AP5ローションの水溶液8mlを(株)ITO社製フェイスマスクシートに染み込ませて顔面にこのマスクシートAを張り付けた。次に以下の本発明の使い捨てイオン導入装置でマスクシートの上から15分間イオン導入を行った。
下図は、ポリプロピレン製の成形体Eの上の一部に、亜鉛を90%以上含有する亜鉛塗料である株式会社 創新社製、ノックスドールZINKを膜厚50μmで吹き付け塗装を行った亜鉛電極Bがマスクシートを介して顔面の有効成分を導入したいターゲット部位に接触している。Cは銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmで塗装された電極部位でありこれは同一人物の手の指に接触している。この時CとBの間のCB間には632mvの電圧が発生しB極はマイナスに帯電した。これによりB電極付近のマスクシート内のマイナスにイオン化したアスコルビン酸リン酸を効率よく顔面ターゲット皮膚内に有効にイオン導入することができ、ニキビ、美白、しわの改善に高い効果が認められた。さらに、Bの亜鉛電極から微量に溶出した亜鉛の効果により創傷治癒効果が高められた。さらに、C電極から微量に放出されるAgイオンにより接触部に除菌効果が認められた。
〔図7〕
【0065】
実施例7
小型使い捨てイオン導入パッチ
下図は、(株)ITO社製フェイスマスクシートAの上の一部に、あらかじめ銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmで吹き付け塗装を行うことにより被膜状の電極Bを付着させた。この電極Bは導電線でアースCに接続された。有効成分として水溶液中でプラスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸マグネシウムの粉末5%重量を溶解した水溶液8mlをフェイスマスクシートAに染み込ませた。生体活動により生じる電気又は人体の持つ静電気により顔面とBとの間に313mVの電圧差が生じた。この電位差を使用してフェイスマスクシートAに染み込ませたアスコルビン酸リン酸マグネシウムを顔面に15分間イオン導入を行った。
〔図8〕
【0066】
実施例8
小型使い捨てイオン導入パッチ
下図は、(株)ITO社製フェイスマスクシートAの上の一部に、あらかじめ亜鉛を90%以上含有する亜鉛塗料である株式会社 創新社製、ノックスドールZINKを膜厚50μmで吹き付け塗装を行うことにより被膜状の亜鉛電極Bを付着させた。イオン導入の際に建物のコンクリートの壁であるアースCに体の一部を接触させた。有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した水溶液8mlをフェイスマスクシートAに染み込ませた。亜鉛電極のイオン化により生じる電気により顔面とBとの間に432mVの電圧差が生じた。この電位差を使用してフェイスマスクシートAに染み込ませたアスコルビン酸リン酸ナトリウムを顔面に対して15分間イオン導入を行った。
〔図9〕
【0067】
実施例9、小型使い捨てイオン導入装置
図15のB及びEは(株)ITO社製フェイスマスクシートから切り取られた直径1cmの円盤型の小型マスクシートである。そのマスクシートの一方のBの上に、亜鉛を90%以上含有する亜鉛塗料である株式会社 創新社製、ノックスドールZINKを膜厚50μmで吹き付け塗装を行った亜鉛電極Aがマスクシート上に塗装されている。他方の直径1cmの同様の円盤型マスクシートEの上には銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmで吹き付け塗装を行った銀メッキ銅電極Dがマスクシート上に塗装されている。
Bには有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した(株)ITO社製AP5ローションの水溶液0.5mlが含浸され顔面上のニキビ病変Cの上に設置されている。さらにEには有効成分として水溶液中でプラスイオンとなるトラネキサム酸5%重量水溶液(クエン酸バッファー溶液、pH5)0.5mlが含浸され顔面上の肝斑病変部Fの上に設置されている。この時AとDの間のAD間には572mvの電圧が発生しA極はマイナスにD極はプラスに帯電した。これによりA電極付近のマスクシート内のマイナスにイオン化したアスコルビン酸リン酸を効率よくニキビ病変部にイオン導入することができ、且つ同時に肝斑病変部Fにはプラスに帯電したトラネキサム酸が効果的に導入され、ニキビと肝斑を同時に改善できた。AB及びDEを顔面に複数枚設置したところ相乗効果が認められた。さらに、(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸マグネシウム亜鉛の5%水溶液は、マグネシウムが水溶液中で完全に解離しないために分子がプラスに帯電していることが判明したためEにトラネキサム酸とともに配合したところ肝斑の改善において相乗効果が認められた。DEからは、Agイオンが溶出するため、ABを顔面に適応すると同時にDEをわきに適用したところ優れた腋臭の抑制効果が認められ、DEを足に適用したところ水虫に対する改善効果が認められ、DEを頭皮に適用したところフケ、カユミに対する改善効果が、認められた。さらに複数のABを頭皮に複数のDEをわきと足に適用したところ頭皮では育毛効果が、わきでは腋臭の抑制効果が、足では水虫抑制効果が同時に認められた。
〔図10〕
図の説明:B及びEは小型マスクシートである。そのマスクシートの一方のBの上に、亜鉛電極Aが塗装されている。他方のマスクシートEの上には銀メッキ銅電極Dがマスクシート上に塗装されている。Bには有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなるアスコルビン酸リン酸ナトリウム5%重量水溶液0.5mlが含浸され顔面上のニキビ病変Cの上に設置されている。さらにEには有効成分として水溶液中でプラスイオンとなるトラネキサム酸5%重量水溶液(クエン酸バッファー溶液、pH5)0.5mlが含浸され顔面上の肝斑病変部Fの上に設置されている。
【0068】
実施例10
イオン導入用マスクシート
株式会社インテグラル社製皮膚画像解析カウンセリングシステム「VISIA」により色素沈着を持つ47歳成人男性の右側顔面の鼻の横に3センチの間隔をおいて基準点を2点水性インキで印をつけた後に可視光線とUVライト(ブラックライト)により顔面の写真撮影を行い画像データを「VISIA」内に取り込み付属ソフトで画像解析を行い、顔面写真上でシミ、シワ、毛穴、肌の色の均質性、ポルフィリン、かくれジミの位置、数量及び形状を特定した。
このうちシミの位置、数量及び形状を特定した情報を利用し基準点を指標に実際のスケールでITO社製フェイスマスクシートを縦に半分に切断した右側部分に以下の組成のビタミンC誘導体を有効成分として含有する組成物を印刷しこれをフェイスマスクAとした。フェイスマスクAには基準点も既存の黒インキで同時に印刷された。印刷後62℃の温風で3分間乾燥させた。
APPS 昭和電工社製アスコルビン酸リン酸パルミテート 3.5部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製顔料分散剤) 1.2部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 5.3部
ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂) 4.5部
BYK−361N(BYK Chemie社製アクリル樹脂) 0.5部
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 85部
同様にITO社製フェイスマスクシートを縦に半分に切断した右側シートにあらかじめ銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmでフェイスマスクシートの周囲を5mm幅で吹き付け塗装を行い乾燥させたものを用意しこれをフェイスマスクBとした。このフェイスマスクBに同様にシミの位置、数量及び形状を特定した情報を利用し実際のスケールで以下の組成の亜鉛微粉末を含有する有効成分を印刷した。これによりフェイスマスクAに印刷したアスコルビン酸リン酸パルミテートを印刷したのと全く同じ位置、同じ大きさでフェイスマスクBには亜鉛微粉末が印刷された。基準点も既存の黒インキで同時に印刷された。印刷後62℃の温風で3分間乾燥させた。
亜鉛微粉末(平均粒子径100μm) 3.5部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製顔料分散剤) 1.2部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 5.3部
ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂) 4.5部
BYK−361N(BYK Chemie社製アクリル樹脂) 0.5部
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 85部
次に顔面にフェイスマスクAとBの基準点が一致するよう重ねて両面から1%NaCl溶液を霧状に噴霧してフェイスマスクAが顔面に接触するように、又フェイスマスクの基準点と顔面の基準点が重なるように2重のABのフェイスマスクを顔面に接触させた。閉じ込められた気泡部分を軽く指圧して取り除き15分間その状態で維持することによりイオン導入を行った。
〔図11〕
【符号の説明】
【0069】
〔図1〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Fは薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。Eは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置された電極。Bは2つの電極をつなぐ導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。
〔図2〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Fは薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。Eは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Cは体表面の異なる場所に設置された電極。Bは導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。Dはアースを表す。
〔図3〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Gは薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。E及びFは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C、Dは電極。
〔図4〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Gは、薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。E、Fは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置された電極。Bは導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。
〔図5〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Eは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C、C’、D、D’は体表面の異なる場所に設置された電極。Bは導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。
〔図6〕
Aは、亜鉛等の導電性電極であり。Bは銅製電極である。Eは化粧品容器へ結合するためのネジ山の断面である。
〔図7〕
ポリプロピレン製の成形体E上の一部に、亜鉛電極Bがマスクシートを介して顔面に接触している。Cは銀メッキ銅の電極部位であり手の指に接触している。
〔図8〕
アスコルビン酸リン酸マグネシウム5%水溶液を染み込ませたフェイスマスクシートAの上の一部に、銀メッキ銅の電極Bを付着させた。この電極Bは導電線でアースCに接続された。
〔図9〕
アスコルビン酸リン酸マグネシウム5%水溶液を染み込ませたフェイスマスクシートAの上の一部に、亜鉛電極Bを付着させた。イオン導入の際に建物のコンクリートの壁であるアースCに体の一部(手)を接触させた。
〔図10〕
B及びEは円盤型の小型マスクシートである。アスコルビン酸リン酸ナトリウム5%重量水溶液を含むBの上に、亜鉛電極Aがマスクシート上に塗装されている。E上には銀メッキ銅電極Dがマスクシート上に塗装されている。Cは、ニキビ病変である。さらにEは有効成分としてトラネキサム酸5%重量水溶液が含浸されたマスクシートが顔面上の肝斑病変部F上に設置されている。
〔図11〕
図の説明:A:フェイスマスクA、B:フェイスマスクB、Cは顔面に重ねられたフェイスマスク、E:フェイスマスクAに印刷された基準点、F:フェイスマスクBに印刷された基準点、G:被験者の顔面上に水性インクで付けられた基準点、H:アスコルビン酸リン酸パルミテートが正確に印刷された箇所、I:亜鉛微粒子が正確に印刷された箇所、D:銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料が塗布された箇所、J:被験者の顔面上の実際のシミ
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物体内に有効成分を効率的に導入できるイオン導入装置に関し、更に詳細には、生物の体表の異なる二か所の表面電位差を利用すること、および体表面の電解質と電極との間のイオン化傾向を利用し発電した電力によりコストが安価で、使い方が容易で、安全で、有効成分の導入効果が高く、小型で、携帯可能で、使い捨ても可能なイオン導入装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
イオン導入装置については既に以下の特許が公知となっている。
電流が別の方向に流れるとき第2の貯蔵器の活性剤を送達するイオン導入装置(特許文献1参照)。
携帯用経皮質薬剤投与アプリケータ(特許文献2参照)。
イオン導入法による薬剤の供給装置およびその使用方法(特許文献3参照)。
電子美肌器と該電子美肌器によるイオン導入方法(特許文献4参照)。
該本体と挟持具とを電気的に接続する2芯線ケーブルと備えるイオン導入機(特許文献5参照)。
電極部が負の電位又は正の電位に偏ることによって帯電されにくいようにしたイオン導入機)(特許文献6参照)。
イオン導入装置と超音波美顔器が合体したもの(特許文献7参照)。
これらの装置は、携帯型のものであっても電源部に乾電池などを使用しているため、重量が重く内部構造が複雑でコストが高く使用法が煩雑であった。
また、電圧が高く電流量も多いため火傷や発疹などを生ずることがあり安全性にも問題があった。
【0003】
これらのイオン導入機は、少なくとも重さ100g以上、容積100CC以上で大型で重く価格はどんなに安価なものでも1000円以上のコストである。さらに使用方法が複雑でわかりにくく、高い電流が利用されるため火傷の危険があり、皮膚の炎症なども多発しており危険である。特にコストが高いイオン導入装置は、美容など日常的に使用するものとしては不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平9−503136号公報
【特許文献2】特表平8−505799号公報
【特許文献3】特表2000−510012号公報
【特許文献4】特開2001−259045号公報
【特許文献5】特開2003−19214号公報
【特許文献6】特開2004−202022号公報
【特許文献7】特開2005−245521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者らはコストが極めて安価で、使い方が容易で、安全で、有効成分の導入効果が高く、小型軽量で、携帯可能で、使い捨ても可能なイオン導入装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
溶液中にある単体と別の元素のイオンとが存在するとき、両者の間で酸化還元反応が生じると、単体は酸化されてイオン化するのに対してもう一方は還元されて単体として析出する。このとき「還元された元素より酸化された元素の方がイオン化傾向が大きい」ということになる。どちらが酸化されどちらが還元されるかは酸化還元電位の大小に依存するので、この電位の順に元素を並べたものがイオン化傾向の順となる。
【0007】
イオン化傾向が小さいほどイオンは還元され金属として析出しやすくなる。
また、イオン化傾向が大きい金属でも融解塩電解などで得ることができる。
イオン化傾向は、セシウム(Cs)が最大でイリジウム(Ir)・タンタル(Ta)が最小とされるが汎用物質のイオン化傾向の大きい順は以下のとおりとされる。リチウム(Li)>ルビジウム(Rb)>カリウム(K)>バリウム(Ba)>ストロンチウム(Sr)>カルシウム(Ca)>ナトリウム(Na)>マグネシウム(Mg)>アルミニウム(Al)>マンガン(Mn)>亜鉛(Zn)>クロム(Cr)>鉄(Fe)>カドミウム(Cd)>コバルト(Co)>ニッケル(Ni)>スズ(Sn)>鉛(Pb)>(水素(H2))>アンチモン(Sb)>ビスマス(Bi)>銅(Cu)>水銀(Hg)>銀(Ag)>パラジウム(Pd)>白金(Pt)>金(Au)
【0008】
異なる2種類の金属と電解液とを組み合わせると、2種類の金属電極の間に電位差が生じる。このとき、イオン化傾向の大きい方の金属が負極となり、小さい方が正極となる。また、2種類の金属のイオン化傾向の差が大きいほど、電極間の起電力は大きくなる。たとえば、銅と亜鉛板を汗に浸した場合では、亜鉛が負極になり、銅が正極になる(電解液は汗である)。
【0009】
イオン導入機の最大の問題は電源供給装置が占める容積、重さとコストであることから、本発明者らは生体内に自然に発生している電流をイオン導入機に利用できないかを考えた。
そこで人体の各部分に瞬間的に生じている電位差を電圧計により複数の人体の異なる二か所を測定した結果、平均で直流電圧で90mV、最大交流電圧65mVの電圧差が生じていることを見出した。さらに、生体表面とアース(地中)の間において電圧を測定したところ人体内の二か所で測定された電圧差よりもさらに高い最大直流電圧差−901mVから+912mV、最大交流電圧1.223vの電圧が観測された。これらの電圧は、体内の生理的な生化学反応によるもの、汗などの体液中の有機酸や電解質成分と電極金属の相互作用によるもの、体表や衣服の静電気によるもの。気象条件や建築物に蓄えられた静電気であると推定された。
【0010】
人体とアース間の最大900mVの電圧はイオン導入にとって十分高い電圧であるが、これらの電圧は経時的に絶えず変化するだけでなく気候変動や地電流等によりプラスとマイナスが逆転し電圧が安定しない。また、電流量が微量であるためイオン導入の効果を十分に発揮するほどの起電力を生じさせることが難しいという問題があった。そこで、本発明者らは長時間イオン導入を持続できるだけの電力を確保するために、リレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路を設置することにより、電極間の電位差を利用してGに蓄電し、一方の電極をマイナス、又はプラスに帯電させそれを維持しながら、電圧を高める装置を考案し本発明を完成させた。
【0011】
さらに、人体に接触させる電極を異なるイオン化傾向を持つ金属の組み合わせの金属で作成することにより、イオン電極と生体成分である汗の酸化還元反応により起電力を確保した。たとえば人間の汗の成分は電解質であるために銅と亜鉛電極又は銅とアルミの電極の組み合わせにより皮膚が極端に乾燥していなければ約400から1000mvの安定した電圧が生じる。銅が+に亜鉛やアルミ電極がマイナスになるためにアスコルビン酸等のマイナスに帯電する分子はアルミ電極側よりイオン導入する必要がある。皮膚が乾燥している場合は少量の水分を皮膚に補給すれば通電する。これらの水分は有効成分を含有する化粧品成分を皮膚に塗布することにより補給することもできる。
【0012】
プラス側電極の材質としては銅以外に皮膚に安全で微量栄養素としても重要な、金、銀、白金などを選択することもできる。マイナス側電極としては亜鉛、アルミニウム以外にカルシウム、鉄、ニッケルやこれらとカリウム、ナトリウム、マグネシウムなどを含む合金でもよい。さらに、これらの微弱な電力を有効利用するために回路の中にコンデンサなどの蓄電装置を組み込むこともできる。当然のことながら、光発電装置や温度差発電装置、微小乾電池などの電源を組み込むことによりイオン導入に必要な電源の安定供給を補うこともできる。
【0013】
すなわち本発明は以下の請求項からなる。
[請求項1]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
[請求項2]
異なる複数の成分を印刷した、請求項10に記載の複数の導入用シートを正確に重ねることにより、それぞれのシートの成分により化学反応を起こし、その反応の結果により生成又は変化した有効成分を、μm単位で正確にマスクシート上に配置した、有効成分の被写体への導入用シート。
[請求項3]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
[請求項4]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
[請求項5]
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
【0014】
また、本発明は、以下に示す(1)〜(14)に関する。
(1)生物の体表面の異なる部位間の自然の電圧差により電極CD間に電圧差が生じることによりC、E、Dの一つ又はそれから選択される複数から有効成分を生物の体表面にイオン導入するイオン導入装置。(Aは、人体又は生物等の体表面を表し電解質の体液で満たされているため導電性の性質を持つ。Fは生物体表面に存在する有効成分を導入したいターゲット部位である。Eは、Cの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Fにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置された電極を表し、Bは2つの電極をつなぐ導電線を表す。電極Dは、体表面と接触している。電極Cは体表面Fと有効成分が含有された電解質溶液Eを介して接触している。DとCには生体の生理活動により瞬間的に微量な電位差が生じている。電極CおよびDの材質は同一でもかまわない。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路であり、電流を止めたり流したりするだけでなく微弱な電流を蓄電し電圧を高め電極Cをマイナス又はプラス極に帯電させることもできる。)
〔図1〕
(2)生物の体表とアース間の自然の電圧差により電極CとアースDとの間に電圧差が生じることによりC、Eの一つ又はそれらから選択される複数から有効成分を体表面にイオン導入するイオン導入装置。(Aは、人体又は生物等の体表面を表し電解質の体液で満たされているため導電性の性質を持つ。Eは、Cの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Fにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Fは生物体表面に存在する有効成分を導入したいターゲット部位である。Cは体表面に設置された電極を表し、Bは導電線を表す。Dは、地表等のアースと最終的に接触している。電極Cは体表面Fと有効成分が含有された電解質溶液Eを介して接触している。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路であり、電流を止めたり流したりするだけでなく微弱な電流を蓄電し電圧を高電極Cをマイナス又はプラス極に帯電させることもできる。)
〔図2〕
(3)生物の体表面に自然又は人工的に存在する電解質溶液と異なる2電極間のイオン化傾向の差を利用して発電し、電極Cと電極D間に電圧差を生じせしめ、この電力によりC,E,D,Fの一つ又はそれらから選択される複数から有効成分を体表面から導入するイオン導入装置。(Aは、人体又は生物の体表面を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置されたイオン化傾向の異なる材質から選択された金属電極を表す。E及びFは、C又はDの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Gにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Fは体表面に存在する自然な電解質液でもよい。)
〔図3〕
(4)生物の体表面に自然又は人工的に存在する電解質溶液と異なる2電極間のイオン化傾向の差を利用して発電し、電極CD間に電圧差を生じせしめ、この電力によりC,E,D,Fの一つ又はそれらから選択される複数から有効成分を体表面から導入するイオン導入装置。(E及びFは、C又はDの電極を構成する成分をイオン化可能な溶媒又はその溶媒と生体組織Gにとって有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Fは体表面に存在する自然な電解質液でもよい。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路であり、電流を止めたり流したりするだけでなく微弱な電流を蓄電し電圧を高め電極Cをマイナス又はプラス極に帯電させることもできる。このためE内のイオン化した有効成分がよりAに移行しやすく、効率的で安全性の向上した図4の(1)のイオン導入装置。)
〔図4〕
(5)電極C、Dが、それに接触するE、Fにイオン化して溶出可能な成分から選択される一種又は二種以上の混合物からなる(1)〜(4)のイオン導入装置用組成物。
(6)イオン化して溶出可能な成分が以下の原子または原子を含有する成分から選択される(5)のイオン導入装置用組成物。
C(炭素)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Cu(銅)、Ag(銀)、Pt(白金)、Au(金)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)
(7)電極の金属が、以下のA群またはB群のどちらか一方から選択され、D電極の金毒がC電極の金属と異なる群のイオン化傾向を持つ金属から選択される一種又は二種以上の混合物からなる(1)〜(6)のイオン導入装置用組成物。
A群)K、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni
B群)Sn、Cu、Ag、Pt、Au
(8)E又はFもしくはその両方が取り換え可能な担体と溶媒と生物の組織や細胞に生理学的効果を及ぼす有効成分からなり、この有効成分が電気泳動可能な物質から選択される単体又は二種以上の複合物から選択される(1)〜(4)のイオン導入装置。
(9)被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
(10)複数の(9)のシートに異なる複数の成分を印刷し、最終的にそれらのシートを正確に重ねることにより化学反応を起こし、その反応の結果により生成又は変化した有効成分をμm単位で正確にマスクシート上の有効成分を被写体へ導入するシート。
(11)被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
(12)伝導性液体溶媒を含んで印刷されたイオン導入用の単層又は複層の(9)〜(10)の有効成分導入用シート。
(13)伝導性液体溶媒を含んで印刷されたイオン導入用の単層又は複層の(9)〜(10)の有効成分導入用シートの製造方法。
(14)イオン導入装置が伝導性液体溶媒を含んで印刷された単層又は複層の(12)のイオン導入用シートである(1)〜(4)のイオン導入装置。
【0015】
本発明の(1)〜(7)は、以下の図のように2つ以上の複数の電極を接続することもでき、電極の面積を広げることもできる。電極の面積を広げることにより起電力を増加させることができ、有効成分を導入する側の電極を小さくすることにより電極単位面積当たりの電子の流量を増やすことにより単位面積当たりの有効成分の導入量を増やすことができる。
〔図5〕
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のイオン導入装置
【図2】本発明のイオン導入装置
【図3】本発明のイオン導入装置
【図4】本発明のイオン導入装置
【図5】複数電極を持つ本発明のイオン導入装置
【図6】キャップ式イオン導入装置
【図7】キャップ式イオン導入装置の使用例
【図8】イオン導入パッチ
【図9】イオン導入パッチ
【図10】イオン導入パッチ
【図11】イオン導入用マスクシート
【発明を実施するための形態】
【0017】
ある全反応のΔγGoは、それを構成している還元半反応のΔγGoの差に等しい。したがって、2つの還元半反応を組み合わせた全反応のEoの値は、それらの半反応のEoの差に等しい。例えば、銅と亜鉛の電極を使った本発明のイオン導入装置の起電力は次のように求められる。それぞれの還元半反応式は、
(化学式1)
(1)…Cu2+(aq)+2e−→Cu(s) Eo=+0.34V
(化学式2)
(2)…Zn2+(aq)+2e−→Zn(s) Eo=−0.76V
である。この差をとると、
(化学式3)
(1−2)…Cu2+(aq)+Zn(s)→Cu(s)+Zn2+(aq)
Eo=+1.1V
【0018】
本発明(1)のイオン導入装置に使用される電極の金属材質は、以下の金属から選ばれる単体又は2種以上の複合組成物が適しており、異なる電極でも同一金属又は同一組成の金属が好ましい。炭素、フラーレン、グラファイト、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)。特にK、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni、Sn、Cu、Ag、Pt、Auから選択される金属が望ましい。
本発明(2)のイオン導入装置に使用される電極の金属材質は、以下の金属から選ばれる単体又は2種以上の複合組成物が適しており、異なる電極でも異なるイオン化傾向をもつ異なる金属又は異なる組成の金属複合物が好ましい。炭素、フラーレン、グラファイト、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)。特に安全性や細胞への栄養学的効果を考えるとK、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni、Sn、Cu、Ag、Pt、Auから選択される金属の異なる組み合わせが望ましい。
【0019】
上記の金属の中でも安全性や微量金属ミネラルとしての栄養素としての優位性から電極の金属が、以下のA群またはB群のどちらか一方から選択され、他方の電極の金毒が前者と異なる群の金属から選択される単体又は二種以上の混合物からなる金属であるのが望ましい。
A群)K、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni
B群)Sn、Cu、Ag、Pt、Au
これらの金属は、本発明のイオン導入装置には金属板または金属成形品、金属を圧延した金属フィルム、金属多孔質成形体、金属複合体、金属ワイヤー、金属ワイヤーを編んで布状にしたもの又は金属粉末、又は金属蒸着させた成形体、金属粉末を樹脂に分散させたものや塗料に分散させたメタリック塗料、金属メッキをプラスチック等の絶縁成形体の上に塗装したものとして用いられることができる。さらに本発明の電極には、冷延鋼板,溶融亜鉛めっき鋼板,電気亜鉛めっき鋼板,溶融5%Al−Zn合金めっき鋼板,溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板,溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板,溶融アルミニウムめっき鋼板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合金板,銅板,銅合金板等、多様な金属板を使用できる。また、塗膜密着性,耐食性を改善するため脱脂,表面調整,クロメート処理,クロムフリー処理,リン酸塩処理等の塗装前処理を電極に施すこともできる。メタリック塗料には、ポリエステル系,アクリル系,シリコーンポリエステル系,ウレタン系から選ばれた一種又は二種以上の樹脂塗料も使用することができメタリック顔料としてアルミニウム等の金属フレークが添加されるが、たとえば平均粒径(長径):10〜20μm,アスペクト比(長径/厚みの比):50〜100のアルミニウムフレーク等が使用できる。アルミニウムフレークは、塗料樹脂100質量部に対し0.5〜20質量部の割合で配合してもよい。金属フレークが0.5質量部未満では導電性に乏しく、逆に20質量部を超えると塗料粘度が高くなって塗装性に劣り、塗膜が外観不良になりやすい。
更に耐候性向上のためヒンダートアミン系光安定剤を添加することもできるが塗料への分散が容易で耐候性向上効果が大きいことから液状ビスセバケート種(TINUVIN 292,TINUVIN 123,アデカスタブ LA−62,アデカスタブ LA−67)が好ましい。ヒンダートアミン系光安定剤は何れも水分含有雰囲気下で塩基性化するアミン系化合物であり、一種又は二種以上が塗料樹脂100質量部に対し0.1〜2質量部の割合で配合することもできる。0.1質量部に満たないと耐候性向上の効果が乏しいが、2質量部を超える過剰配合は塗膜表面へのブリードを起こし、添加量に見合った性能の向上を期待できず製品コストの上昇を招くことがある。ヒンダートアミン系光安定剤,アルミニウムフレークが共存する塗料の水分を除去する脱水剤として、オルトギ酸トリアルキル,オルト酢酸トリアルキル,オルト硼酸トリアルキルの一種又は二種以上を好ましくは1〜20質量部の割合で添加することもできる。メタリック塗料とともに、酸化チタン,酸化鉄等の無機顔料やフタロシアニン,アントシアン等の有機顔料を着色顔料として配合しても良い。硫酸バリウム,タルク等の体質顔料も添加可能である。また、意匠性,耐疵付き性を付与するため、ガラスビーズ,ガラスフレーク,アクリルビーズ,PANビーズ,ナイロンビーズ等の骨材やシリカ,微粒状尿素樹脂等の艶消し剤を必要に応じて添加しても良い。
本発明で使用できるメタリック塗料としてはアクリルウレタン系塗料のアクリルポリオール、セルロース系樹脂塗料、ポリイソシアネート系硬化剤等に、アルミ顔料を分散させたものを使用することもでき、具体例としてはグンゼ産業社製、Mr.カラー、Mr.メタルカラー、Mr.スプレーのシルバー(銀)、ゴールド(金)、メタリックレッド、タリックブルー、メタリックグリーン、メタルブラック、カッパー(銅)、スーパーシルバー、ガンクローム等の塗料、泰栄産業株式会社製、アクリトップ#500、ポリラップG41、ポリラップGX81−X、ポリラップNo.1、ポリラップK101、アクリシャイン#1000、シントラックシリーズ、メタルスターTS−260、シルバーメタルスターTS−260、シルバーハイパーメタルスターSP8シルバー、メタルスター BC−2000 シルバー等、スズカファイン社製、アクリル樹脂塗料.ラフトンアクリエナメル.アクリル樹脂メタリック塗料.ラフトンメタリック.弾性アクリル樹脂塗料.ラフトン弾性エナメル.アクリル樹脂クリヤー.ラフトンクリヤー.ラフトンメタリック塗料等があるが特に限定されない。
更に本発明の金属電極素材として、水溶性又は溶剤系の導電性銀塗料、導電性黒鉛塗料、導電性ニッケル塗料、導電性銅塗料、導電性銀メッキ銅塗料、導電性銀塗料、導電性銀メッキ銅塗料等を使用することができる。具体例としては、株式会社モリテックス社製、導電性塗料製品のうちニッケル含有塗料のELECTRODAG550、JEF−603、JEF−606、銅含有塗料のELECTRODAG SP−029等を使用することができる。
【0020】
本発明のイオン導入装置を使用してイオン導入できる物質は、生体が接触しても安全性が十分確保できる電解溶液にイオンとして溶解するものであれば良く、例えば脂質などのイオンとして溶解しないものであっても、カチオンやアニオン界面活性剤との組み合わせにより乳化粒子として溶媒中に分散できるものであれば特に限定されない。
【0021】
本発明のイオン導入装置を使用してイオン導入できる物質は、ビタミン誘導体の塩類などがあげられる。具体例としては、例えばL−アスコルビン酸マグネシウムナトリウム、L−アスコルビン酸マグネシウムアルミニウム、L−アスコルビン酸マグネシウムカリウム、L−アスコルビン酸マグネシウムカルシウム、L−アスコルビン酸マグネシウムゲルマニウム、L−アスコルビン酸マグネシウム亜鉛、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムアルミニウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムカリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムカルシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸マグネシウムゲルマニウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムナトリウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムアルミニウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムカリウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムカルシウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドマグネシウムゲルマニウ、等であればよい。
【0022】
さらに、カチオンやアニオン界面活性剤との組み合わせにより乳化粒子として溶媒中に分散できるものの例としては、エンドセリン拮抗薬、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン及びその誘導体並びにそれらの塩、レゾルシン及びその誘導体並びにそれらの塩、ハイドロキノン及びその誘導体並びにそれらの塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、胎盤抽出物、カロチノイド類及びこれらを含有する動植物抽出物、ネオアガロビオース、アガロースオリゴサッカライド、アスパラガス抽出物、イブキトラノオ抽出物、エンドウ豆抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、リノール酸を含有する植物油、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、ソウハクヒ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、トウキ抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブナノキ抽出物、ブドウ種子抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物及び羅漢果抽出物、アスタキサンチン、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、胎盤抽出物、ネオアガロビオース、アガロースオリゴサッカライド、イブキトラノオ抽出物、海藻抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、サンペンズ抽出物、センプクカ抽出物、緑茶、紅茶、烏龍茶などの茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ種子抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物及びヨクイニン抽出物が挙げられる。上記の海藻抽出物としては、コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、マツモ、モズク、イシゲ、ハバノリ、コンブモドキ、フクロノリ、イワヒゲ、カゴメノリ、アナメ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、エゾイシゲ、ラッパモク、ホンダワラ、オオバモク、ジャイアントケルプ等の褐藻類、及びテングサ、ヒラクサ、オニクサ、オバクサ、トサカノリ、キリンサイ、ツノマタ、トチヤカ、スギノリ、シキンノリ、カイノリ、ウスバノリ、ウシケノリ、アサクサノリ、フサノリ、カギノリ、ヒビロウド、カタノリ、ムカデノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、イバラノリ、オゴノリ、カイメンソウ、ダルス、イギス、エゴノリ、コノハノリ、ヒメゴケ等の紅藻類、及びクロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロがある。
【0023】
さらに、本発明のイオン導入装置に有効な成分でカチオンやアニオン界面活性剤との組み合わせにより乳化粒子として溶媒中に分散できるものの例としては、以下の細胞賦活剤、活性酸素消去剤、保湿剤、皮膚収斂剤、ビタミンやアミノ酸及びその誘導体や塩類がある。
【0024】
例えば、細胞賦活剤としては、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフェリン並びにそれらの塩等の核酸関連物質、幼牛血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリ等の卵成分、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、ラクトフェリン又はその分解物、イカスミ等の軟体動物抽出物、魚肉抽出物等、哺乳類、鳥類、貝類、昆虫類、魚類、軟体動物類、甲殻類等の動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物等の発酵代謝産物から選ばれる微生物由来の抽出物が挙げられる。
更に細胞賦活剤として、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、トレチノイン、カロチン等のカロチノイド等のビタミンA類、チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類、アンズ抽出物、イチョウ抽出物、オタネニンジン抽出物、オオムギ抽出物、オレンジ抽出物、キュウリ抽出物、キウイ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、トウガラシ抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ブクリョウ抽出物、モモ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、霊芝抽出物、ローズマリー抽出物、ヒノキチオール、セファランチン等の植物由来の抽出物、α−及びγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク酸、乳酸、サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。上記に挙げた細胞賦活剤は一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。
【0025】
活性酸素除去剤としては、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、フラーレン、水酸化フラーレン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、ルチン、ルチン誘導体、タウリン、チオタウリン、卵殻膜抽出物、没食子酸、没食子酸誘導体、酵母抽出物、霊芝抽出物、ヤシャジツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ボタンピ抽出物、メリッサ抽出物、パセリ抽出物及びジコッピ抽出物、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のビタミンA類;チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩等)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類;トコフェロール及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等)、ユビキノン類等のビタミンE類;ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0026】
保湿剤としては、アルカリ単純温泉水、深層水、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質またはそれらの誘導体並びにそれらの塩、大豆及び卵由来のリン脂質、糖脂質、セラミド、ムチン、ハチミツ、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、ペンタエリスリトール、フルクトース、デキストリン及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、ブドウ糖等の糖類、尿素、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、オルチニン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン、シスチン、シトルリン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、テアニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、リジンなどのアミノ酸及びそれらの誘導体又はそれらの塩などが挙げられる。更に保湿剤として、D−パンテノール、アボカド抽出物、アーモンド油、イナゴマメ抽出物、イネ抽出物、イチゴ抽出物、ウイキョウ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、オリーブ油、オドリコソウ抽出物、カカオ脂、カラスムギ抽出物、キズタ抽出物、クマザサ抽出物、クチナシ抽出物、グレープフルーツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゲンチアナ抽出物、ゴボウ抽出物、コボタンヅル抽出物、ゴマ抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、ショウガ抽出物、ジオウ抽出物、シア脂、シモツケ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ツバキ抽出物、トウモロコシ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、トルメンチラ抽出物、ドクダミ抽出物、バクモンドウ抽出物、ハウチマメ抽出物、ハマメリス抽出物、ハッカ抽出物、ミドリハッカ抽出物、セイヨウハッカ抽出物、パセリ抽出物、バラ抽出物、ヒマワリ抽出物、ヒノキ抽出物、ヘチマ抽出物、プルーン抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ボラージ油、ボタン抽出物、ホホバ油、ボダイジュ抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、マカデミアナッツ油、マルメロ抽出物、ムラサキ抽出物、メドウホーム油、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユリ抽出物、ユズ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンドウ抽出物、ワレモコウ抽出物及びリンゴ抽出物等が挙げられる。上記に挙げた保湿剤は、一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。
【0027】
ビタミン及びその誘導体や塩類としては、フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類、エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。血行促進剤としては、ノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、α−ボルネオール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、γ−オリザノール等及びこれらのリン酸エステル、硫酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、作酸エステル及びそのナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの塩類が挙げられる。皮膚収斂剤としてはタンニン酸等、抗脂漏剤としてはチアントロール等、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。
【0028】
本発明の特定のイオン導入装置には、他の有効成分導入器と結合する構造を取らせることもできる。他の有効成分導入器とは、加湿導入器、振動導入器、イオン導入装置、音波導入器、電磁波導入器から選択される単体及び複合体の有効成分導入器であればよい。
具体的には、蒸気を肌に噴霧して毛穴を開かせて薬効成分を導入するもの、微少な振動を皮膚表面に与えることにより血行を促進させ薬効成分を導入促進するもの、超音波振動を皮膚に当てることにより血行を促進し物質の拡散状態を促進させ物質を皮膚内に導入するもの、低周波、高周波、中周波の電磁波を暴露させることにより血行を促進し有効成分の浸透性を高めるものなどがある。これらは単独ではなくこれらの機能を複数組み合わせて用いることもできる。例えば本発明のイオン導入装置に振動や超音波を同時に付加することにより成分の皮膚浸透性を高めることができる。
【0029】
本発明のイオン導入装置の電圧はそのイオン導入装置内の回路により電圧や電流量、電流波形などを変化させることもできる。好ましくは、電極に0.01から10V程の電圧を付加すればよいが直流電圧であると長時間使用した場合にやけどなどの副作用を起こすため、交流電圧や直流電圧でも時間差をおいて交互に正負の電圧がかかるようにすることもできる。交流電圧の場合は好ましくは100Hzから0.1Hzがよく直流電圧でも時間的に交互に正負の電圧がかかるようにする場合は好ましくは直流電圧0.1秒から30秒の長さの後に0.01秒から10秒間の逆電圧を付加しこれを連続又は断続的に繰り返す。この断続時間は0.01秒から30秒までが好ましい。この場合の電極電圧も0.01から10Vが好ましい望ましい。正負の電極は皮膚の異なる部分に設置するが、一方の電極はイオン導入する皮膚の位置に設置する。この電極面積は広い方が刺激を受けにくく望ましく、顔全面に電極を張り付けることもできる。本発明の電解質のパック剤やパップ剤を電極の代わりにすることもできる。また、皮膚全体又は一部を本発明の電解質の浴剤やローション剤に浸し通電することも可能である。皮膚表面に設置する電極の正負の極性は導入する物質が正負どちらに帯電しているかによって決めるのが一般的でありL−アスコルビン酸やL−アスコルビン酸誘導体の電解溶液を使用してL−アスコルビン酸及びその誘導体を皮膚内に導入する場合はL−アスコルビン酸およびその誘導体が負に帯電しているので負の電圧を皮膚の外側から付加する。L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩やカルシウム塩及びこれらの誘導体塩を多く含有する複合塩の場合はマグネシウムやカルシウムとL−アスコルビン酸リン酸との結合力が強いため水溶液状態で十分解離することが困難なために分子が正に帯電する場合が多くこの場合は皮膚の外側から正の電圧を付加して導入することが望ましい。更に交流電圧及び直流電圧でも時間差をおいて交互に正負の電圧がかかるようにする場合はいかなる帯電物質にも対応できるためより好ましい。交流電圧の場合は急激に電圧が切り替わるタイプでも徐々に電圧が切り替わるタイプでもどちらでも構わないが後者の方がより皮膚刺激が少ないのでより好ましい。
【0030】
本発明のイオン導入装置に使用される有効成分の濃度は塩の配合量(含有量)により異なるが、乾燥固形分として、好ましくは0.001〜50重量%(以下、「重量%」を単に「%」で示す)である。この塩の配合量(含有量)が0.001%より少ないと十分な効果が得られないことがあり、また、50%を超えて配合してもそれ以上の効果の増大は見られない。
【0031】
本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分の組成物には抗炎症剤を併用添加することもできる。本発明に使用可能な抗炎症剤としては、酸化亜鉛、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム等のグリチルレチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、トラネキサム酸、コンドロイチン硫酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸、ジクロフェナクナトリウム、アロエ抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、ウコン抽出物、オウバク抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、トウキンセンカ抽出物、ニワトコ抽出物、ホオウ抽出物、ムクロジ抽出物、レンゲソウ抽出物、ヨモギ抽出物及びユーカリ抽出物等が挙げられる。これらの抗炎症剤は一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。
【0032】
これら抗炎症剤のうち、特に好ましいものとしては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、インドメタシン、アラントイン、グアイアズレン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、アロエ抽出物、インチンコウ抽出物、オトギリソウ抽出物、コンフリー抽出物、シコン抽出物、及びムクロジ抽出物が挙げられる。抗炎症剤の配合量(含有量)は特に限定されないが好ましくは0.00001〜20%、より好ましくは0.0001〜10%である。植物抽出物等を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分換算の量である。
【0033】
本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分を配合する組成物の剤形は特に限定されない。その具体例としては、乳液、クリーム、ジェル剤、化粧水、美容液、パック、浴剤、洗浄料等のスキンケア化粧料、軟膏剤、パップ剤、分散液、クリーム剤、外用液剤等の医薬品などとすることができ、その剤型についても特に制限はなく、液状、ペースト状、ムース状、ジェル状、粉末状、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、多層状とすることができる。特に乳液、クリーム、ジェル剤、化粧水、美容液、パック剤については、水分含量が大きいため電解質の通電性が良好で適している。また、本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分を配合する剤形には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、PH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を適宜一種又は二種以上添加することができる。これらの成分の添加量は特に限定されないが通常は0.0001%から80%の範囲で添加する事ができる。これらの原料
を複数併用使用することもできる。マスクシートは有効成分を支持する担体として機能し、組織に良好な操作性や使用感を付与することができる。マスクシートの素材としては特に限定されることなく使用することができるが、透湿性を有するシート又はフィルムが好適に使用される。例えば、多孔質フィルムを用いることで透湿性をより高めることが可能であり、また創部への細菌の侵入が抑制されるため、細菌感染を予防することができる。本発明のマスクシートの素材としては、例えば、紙、布、不織布、プラスチックフィルム使用され、その材質としては、セルロース、及びポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリウレタン等が挙げられる。中でも、透湿性及び伸縮性に優れるポリウレタンが好適である。また、プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムのいずれであってもよく、例えば、無延伸フィルムの場合、微孔形成のための添加剤を樹脂中に混合分散し、成形後に添加剤を除去する抽出法等の公知の方法により多孔質フィルムにすることができる。また、樹脂組成物を延伸加工する公知の延伸法によっても多孔質フィルムを得ることが可能である。ここで、多孔質フィルムとは、微孔がフィルムの両面に連通しているものをいう。本発明のマスクシートとして使用できる素材としては具体的には、フェイスマスクシート(ITO社製)、テガダーム(3M社製),オプサイトウンド(Smith & Nephew社製),IV3000(Smith & Nepnew社製),バイオクルーシブ(Johnson & Johnson社製)などのポリウレタンフィルム・ドレッシング材。デュオアクティブ(Convatec社製),コムフィール(コロプラスト社製),テガソーブ(3M社製),アブソキュア(日東メディカル社製)などのハイドロコロイド・ドレッシング材。ハイドロサイト(Smith & Nephew社製)等のポリウレタンフォーム・ドレッシング材。カルトスタット(Convatec社製),ソーブサン(アルケア社製),アルゴダーム(メディコン社製),クラビオAG(クラレ社製)などのポリウレタンフォーム・ドレッシング材。ジェリパーム(竹虎),ニュージェル(Johnson & Johnson社製),イントラサイト(Smith & Nephew社製),グラニュゲル(Convatec社製),クリアサイト(日本シグマックス社製)などのハイドロジェル・ドレッシング材。ティエール(Johnson & Johnson社製)のハイドロポリマー材を使用することもできる。また、マスクシートの大きさは使用目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、厚みは通常10μm〜5mmである。これにより、操作性及び使用感を良好にすることができる。マスクシートは、皮膚への接着性を良くするために粘着剤を塗布することもでき、創傷被覆材を皮膚面に固定する機能を有する。粘着剤としては吸水性又は水膨潤性を有するものであれば特に限定されるものではないが、ハイドロコロイド型粘着剤が好適である。これにより、コールドフロー性が良好になるために、皮膚面に対する密着性に優れ、外部からの細菌感染を予防することができる。なお、吸水性に乏しいと、滲出液が多い場合に布帛に滲出液が貯留し、創部に悪影響を与える虞がある。ハイドロコロイド型粘着剤は、エラストマーと、吸水性物質とを含む混合分散体からなる。エラストマーは、粘着剤層に適度な凝集性を付与し、また粘着剤層形成後の粘着剤の滲出し防止に寄与する。エラストマーとしては、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、天然ゴム、ポリメチルシロキサン等を主成分としたシリコーン系重合体、ポリビニルエーテル系重合体等が挙げられる。中でも、耐コールドフロー性の点から、ポリイソブチレンが好適であり、凝集力を向上させるためにポリイソプレンを併用することがより好ましい。その場合、ポリイソプレンをポリイソブチレン及びポリイソプレンの合計重量に対して50重量%を超えない範囲で配合することが望ましい。本発明においては、エラストマーを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、エラストマーの粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは35,000〜1,500,000である。Mvが10,000未満であると、粘着剤層の凝集力が低下する傾向にあり、他方2,000,000を超えると、粘着剤層の吸水性が低下する傾向にある。
【0034】
油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等、いずれの油剤も使用することができる。例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類;牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類が挙げられる。
【0035】
油剤として、また、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油が挙げられる。
【0036】
更に、油剤として、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等のグリセライド油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン;高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーン油等のシリコーン系油剤;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤が挙げられる。
【0037】
本発明のマスクシート印刷用の有効成分の中には顔料は、印刷インキ、塗料等に使用される種々の顔料を配合することもできる。このような顔料をカラーインデックスで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー15,15:1,15:3,15:4,15:6,60、ピグメントグリーン7,36、ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,149,168,177,178,179,206,207,209,242,254,255、ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,120,125,128,137,138,139,147,148,150,151,154,155,166,168,180,185、ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61,71,74等があげられる。また、カーボンブラックについては中性、酸性、塩基性等のあらゆるカーボンブラックを使用することができる。これらの顔料は0.01〜10重量%含まれることが望ましい。本発明では、有効成分の分散性及び保存安定性を向上させるために分散剤を添加するのが好ましい。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822(塩基性分散剤)」等が挙げられる。分散剤はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。本発明ではマスクシートへの密着性を向上させるために樹脂を添加することもできる。使用できる樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等が挙げられる。樹脂の具体例としては、荒川化学社製のスーパーエステル75、エステルガムHP、マルキッド33、安原社製のYSポリスターT80、三井化学社製のHiretts HRT200X、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル586、ダウケミカルズ社製のユーカーソリューションビニル樹脂VYHD、VYHH、VMCA、VROH、VYLF−X、日信科学工業製のソルバイン樹脂CL、CNL、C5R、TA5Rを例示することができる。本発明の有効成分には可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、加水分解防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。本発明の非吸収性基材としては、ポリ塩化ビニル樹脂シート、ポリオレフィン系シート、ガラス、金属等が挙げられ、特に好ましくはポリ塩化ビニル樹脂シートである。本発明の請求項1の有効成分の印刷方式としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等が挙げられ、特に好ましくはインキジェット印刷方式である。本発明の有効成分は、印刷用まず始めにペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機等によって、単一もしくは混合溶媒中に顔料を樹脂または分散剤によって分散し、得られた顔料分散体を本発明の溶剤で希釈して製造されるものである。
【0038】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤が用いられるが、アニオン又はカチオン活性剤のほうがイオン導入しやすいのでより好ましい。しかし、非イオン界面は、製剤の安定性を高めるために配合するには有効である。
アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0039】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できるカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0040】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる金属セッケンとしては、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
ゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0041】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、無機粉体、有機粉体、顔料などいずれのものも使用することができる。例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含硫ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等が挙げられる。
【0042】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0043】
本発明の有効成分を含有する組成物に添加できる有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化した顔料、天然色素をレーキ化した顔料、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等が挙げられる。パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0044】
本発明の有効成分を含有する組成物に添加できるタール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられる。天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。上記した無機粉体、有機粉体、顔料、タール色素等の粉体は、複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行なってもよい。
【0045】
紫外線吸収剤も本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートの安定性を高めるのに有効である。使用可能な紫外線防御剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジパラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸ブチル、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸アミル等の安息香酸系紫外線吸収剤が挙げられる。また紫外線防御剤として、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸カリウム等のサリチル酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−メトキシジベンゾイルメタン、4−t−ブチル−4’−ヒドロキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;メンチル−O−アミノベンゾエート、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
【0046】
本発明の有効成分を含有する組成物及びマスクシートに添加できる水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子;デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール及びチアントール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。PH調整剤としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の実施例を記す。
実施例1
化粧品のキャップに応用された小型使い捨てイオン導入装置
(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した(株)ITO社製AP5ローションの水溶液8mlを(株)ITO社製フェイスマスクシートに染み込ませて顔面にマスクシートを張り付けた。次に以下の本発明の使い捨てイオン導入装置でマスクシートの上から15分間イオン導入を行った。
図のAは、顔面などの体表のターゲット部位に設置する亜鉛製電極であり。Bは手の指を接触させる銅製電極である。このB部分を指先でつまんでAを同一人物の顔面に張り付けたフェイスマスクシートに接触させたときAB間には535mvの電圧が発生しA極はマイナスに帯電した。これによりA電極付近のマスクシート内のマイナスにイオン化したアスコルビン酸リン酸を以下の試験により皮膚内に有効にイオン導入することができた。Eはアスコルビン酸リン酸ナトリウムの3%溶液が入った化粧品容器へ結合するためのネジ口である。
〔図6〕
【0048】
実施例2 ニキビに対する有効性試験
ニキビに悩む年齢25から67歳までの男女12人に上記実施例1の方法で一日朝晩の2回洗顔後に実施例1と同様の方法でアスコルビン酸リン酸ナトリウムをイオン導入させこれを三ヶ月間継続した。尚、顔面の右側には本発明実施例1のイオン導入装置を使用させ顔面の左側には電極Aと電極Bを銅線でショートさせイオン導入効果を消失させたコントロールの器具を用いて左右の効果を比較した。
三ヶ月後にニキビの数を数え、実験スタート時のニキビの数と比較した結果、本発明のイオン導入装置を使用した右側の顔面のニキビの数が実験スタート時を100%とした時、これに比較して平均値で14%まで極端に減少しニキビが改善した。左側のコントロールでは、ニキビの数は平均で43%まで減少したが、本発明のイオン導入装置を使用した右側は、コントロールの左側に比較しより顕著に改善した。
【0049】
実施例3 経皮吸収試験
5週齢雄性ヘアレスマウス20匹の背部皮膚表面に実施例1と同様のフェイスマスクシートを1平方cm(1cmx1cm)を使用し実施例1と同様の方法でアスコルビン酸リン酸ナトリウムを15分間イオン導入した。3時間後にマウスの背部からイオン導入した皮膚を摘出し高速液体クロマトグラフィーにより皮膚内のアスコルビン酸リン酸ナトリウム濃度を測定した。対照区として実施例2で使用した電極Aと電極Bを銅線でショートさせたイオン導入装置を使用して同様に皮膚内のアスコルビン酸リン酸ナトリウム濃度を測定し本発明のイオン導入装置の効果を確認した。その結果平均で皮膚中のアスコルビン酸濃度は本発明のイオン導入装置を使用した皮膚では対照区の皮膚に比較し平均で3.2倍のアスコルビン酸が検出され、本発明のイオン導入装置の有効性が確認された。
【0050】
実施例4
本発明実勢例のマイナス極の亜鉛電極の代わりにAl、Zn、Fe、Niの各電極、およびFe電極にK、Ca、Na、Mgの微量金属を0.1%重量配合した電極と、プラス極の銅電極の代わりにSn、Cu、Ag、Pt、Auについても試作し電圧を測定した。その結果実施例1と同様な実験系においてマイナス極金属とプラス極金属の全ての組み合わせにおいて212mV以上のイオン導入電圧を得た。これらの結果からこれらの電極の組み合わせにおいても同様のイオン導入効果が得られることが確認できた。対照区としてイオン化傾向のほとんどない金属同士の組み合わせ(マイナス極同士の異なる金属の組み合わせ及びプラス極同士の異なる金属の組み合わせ)において同様な実験を行ったところ、イオン導入電圧は瞬間最大電圧で−18から+21mVの範囲であり本発明のイオン導入装置の1/10以下であった。また、対照区の装置の電圧は常に変動し一定せず、時にプラスに時にマイナスになりイオン導入装置としては全く使用することができないことが判明した。
【0051】
実施例5
実施例1と同様な方法で本発明のイオン導入装置を使用したところ以下の薬効成分の美白効果、ニキビ抑制効果、しわ改善効果、毛穴縮小効果、タルミ改善効果、くま抑制効果、保湿改善効果、創傷治癒効果、感染症改善効果、アトピー改善効果を高めることが判明した。但し以下の薬効成分は(株)ITO社製のナノミックカプセル製剤(グリセリン20%、アスコルビン酸リン酸パルミテートNa1%、サーファクチン3%、ホホバオイル40%、以下の有効成分1%、精製水 残分)として平均粒子径312nmのイオン導入用ナノカプセルを作成しイオン導入した。上記はすべて重量%。
アスコルビン酸、クエン酸、トリプトファン、ヒドロキシプロリン、プロリン、システイン、メチオニン、リジン、ロイシン、アルギニン、アラニン、セロトニン、グリシン、チロシン、セロトニン、メラトニン、トラネキサム酸、グリコール酸、ハイドロキノン、レチノイン酸、アスタキサンチン、アスコルビン酸リン酸Mg、トコフェリルリン酸Na、トコフェリルジメチルグリシン、フラーレン、リノレン酸、リノール酸、トコトリエノール、セラミド、加水分解ヒアルロン酸、加水分解コラーゲン、ヒドロキシクエン酸、コウジ酸、エラグ酸、リポポリサカライド、アルブチン、ボロノフェニルアラニンン
【0052】
本発明のイオン導入装置に使用できる有効成分の製剤例を以下に示す。
参考例.1
化粧水の調製例(処方) (%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 1.0(6)アスタキサンチン*2 0.001(7)防腐剤適量(8)香料適量(9)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 シグマ社製
(製法)
A.成分(3)、(4)、(6)、(7)及び(8)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)及び(9)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0053】
参考例.2化粧水の調製例(処方) (%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 1.0(6)烏龍茶抽出物*2 1.0(7)ゴカヒ抽出物*3 1.0(8)防腐剤 適量(9)香料 適量(10)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製*3 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(3)、(4)、(8)及び(9)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(10)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0054】
参考例.3
化粧水の調製例(処方) (%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 1.0(6)アロエ抽出物*2 1.0(7)ケイケットウ抽出物*3 1.0(8)防腐剤 適量(9)香料 適量(10)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製*3 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(3)、(4)、(8)及び(9)を混合溶解する。
B.成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(10)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0055】
参考例.4.乳液の調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 5.0(8)イブキトラノオ抽出物*2 0.1(9)防腐剤0.1(10)カルボキシビニルポリマー0.1(11)水酸化ナトリウム0.05(12)エチルアルコール5.0(13)精製水 残量(14)香料 適量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 香栄興業社製
(製法)
A.成分(9)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(7)、(8)、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0056】
参考例.5
乳液の調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 5.0(8)ムクロジ抽出物*2 1.0(9)防腐剤0.1(10)カルボキシビニルポリマー0.1(11)水酸化ナトリウム0.05(12)エチルアルコール5.0(13)精製水 残量(14)香料 適量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(9)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後成分(7)、(8)、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0057】
参考例.6
乳液の調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 5.0(8)シコン抽出物*2 1.0(9)オトギリソウ抽出物*3 1.0(10)防腐剤0.1(11)カルボキシビニルポリマー0.1(12)水酸化ナトリウム0.05(13)エチルアルコール5.0(14)精製水 残量(15)香料 適量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製*3 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(10)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後成分(7)〜(9)、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0058】
前記参考例の化粧水及び乳液はいずれも経時安定性に優れ、本発明実施例のイオン導入装置に適用することにより、日焼けによる肌の「くすみ」やシミやソバカスを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0059】
参考例7.パックの調製例(処方) (%)
(1)ポリビニルアルコール20.0(2)エチルアルコール20.0(3)グリセリン5.0(4)カオリン6.0(5)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.05(6)マイカイカ抽出物*2 0.2(7)防腐剤0.2(8)香料0.1(9)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 丸善製薬社製
【0060】
(製法)
A.成分(1)、(3)、(4)及び(9)を混合し、70℃に加熱し、撹拌する。
B.成分(2)、(7)及び(8)を混合する。
C.上記Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(5)、(6)を均一に分散してパックを得た。
参考例7.のパックは経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」やシミを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0061】
参考例8 洗浄料の調製例(処方) (%)
(1)ステアリン酸10.0(2)パルミチン酸8.0(3)ミリスチン酸12.0(4)ラウリン酸4.0(5)オレイルアルコール1.5(6)精製ラノリン1.0(7)香料0.1(8)防腐剤0.2(9)グリセリン18.0(10)水酸化カリウム6.0(11)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.5(12)インドメタシン*2 0.01(13)糖蜜抽出物*3 0.5(14)精製水残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 シグマ社製*3 太陽化学社製
(製法)
A.成分(9)、(10)、(12)及び(14)を混合し、70℃に加熱する。
B.成分(1)〜(6)及び(8)を混合し、70℃に加熱する。
C.上記Bを先のAに加え、しばらく70℃に保ち、反応が終了後、50℃まで冷却し、成分(7)、(11)及び(13)を加え、冷却して洗浄料を得た。
前記参考例8の洗浄料は経時安定性に優れ、本発明のイオン導入装置に適用することにより、くすみのない透明感のある美しい肌にするものであった。
【0062】
参考例9.ゲル軟膏の調製例(処方) (%)
(1)カルボキシビニルポリマー1.0(2)トリエタノールアミン1.0(3)1,3ブチレングリコール10.0(4)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.01(5)アラントイン*2 0.02(6)精製水 残量*1 参考例1及び参考例2で製造したもの*2 メルク社製
(製法)
A.成分(1)及び(3)〜(6)を混合溶解する。
B.Aに成分(2)を加え、混合して均一にし、ゲル軟膏を得た。
参考例9のゲル軟膏は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けによる紅斑を抑制し、効果的に色素沈着を防止するものであった。
【0063】
参考例10. クリームの調製例(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート2.0(2)グリセリンモノステアレート(自己乳化型)5.0(3)ステアリン酸5.0(4)ベヘニルアルコール0.5(5)スクワラン15.0(6)イソオクタン酸セチル5.0(7)防腐剤適量(8)1,3−ブチレングリコール5.0(9)L−アスコルビン酸誘導体の複合塩*1 0.2(10)モッカ抽出物*2 0.5(11)精製水 残量(12)香料 適量*1 前記参考例で製造したもの*2 丸善製薬社製
(製法)
A.成分(1)〜(7)を70℃にて加熱溶解する。
B.成分(8)、(11)を70℃に加熱する。
C.AをBに加え、(9)、(10)及び(12)を混合した後、冷却してクリームを得る。
参考例10.のクリームは経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、くすみのない透明感のある美しい肌にするものであった。
【0064】
実施例6
小型使い捨てイオン導入装置
有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した(株)ITO社製AP5ローションの水溶液8mlを(株)ITO社製フェイスマスクシートに染み込ませて顔面にこのマスクシートAを張り付けた。次に以下の本発明の使い捨てイオン導入装置でマスクシートの上から15分間イオン導入を行った。
下図は、ポリプロピレン製の成形体Eの上の一部に、亜鉛を90%以上含有する亜鉛塗料である株式会社 創新社製、ノックスドールZINKを膜厚50μmで吹き付け塗装を行った亜鉛電極Bがマスクシートを介して顔面の有効成分を導入したいターゲット部位に接触している。Cは銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmで塗装された電極部位でありこれは同一人物の手の指に接触している。この時CとBの間のCB間には632mvの電圧が発生しB極はマイナスに帯電した。これによりB電極付近のマスクシート内のマイナスにイオン化したアスコルビン酸リン酸を効率よく顔面ターゲット皮膚内に有効にイオン導入することができ、ニキビ、美白、しわの改善に高い効果が認められた。さらに、Bの亜鉛電極から微量に溶出した亜鉛の効果により創傷治癒効果が高められた。さらに、C電極から微量に放出されるAgイオンにより接触部に除菌効果が認められた。
〔図7〕
【0065】
実施例7
小型使い捨てイオン導入パッチ
下図は、(株)ITO社製フェイスマスクシートAの上の一部に、あらかじめ銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmで吹き付け塗装を行うことにより被膜状の電極Bを付着させた。この電極Bは導電線でアースCに接続された。有効成分として水溶液中でプラスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸マグネシウムの粉末5%重量を溶解した水溶液8mlをフェイスマスクシートAに染み込ませた。生体活動により生じる電気又は人体の持つ静電気により顔面とBとの間に313mVの電圧差が生じた。この電位差を使用してフェイスマスクシートAに染み込ませたアスコルビン酸リン酸マグネシウムを顔面に15分間イオン導入を行った。
〔図8〕
【0066】
実施例8
小型使い捨てイオン導入パッチ
下図は、(株)ITO社製フェイスマスクシートAの上の一部に、あらかじめ亜鉛を90%以上含有する亜鉛塗料である株式会社 創新社製、ノックスドールZINKを膜厚50μmで吹き付け塗装を行うことにより被膜状の亜鉛電極Bを付着させた。イオン導入の際に建物のコンクリートの壁であるアースCに体の一部を接触させた。有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した水溶液8mlをフェイスマスクシートAに染み込ませた。亜鉛電極のイオン化により生じる電気により顔面とBとの間に432mVの電圧差が生じた。この電位差を使用してフェイスマスクシートAに染み込ませたアスコルビン酸リン酸ナトリウムを顔面に対して15分間イオン導入を行った。
〔図9〕
【0067】
実施例9、小型使い捨てイオン導入装置
図15のB及びEは(株)ITO社製フェイスマスクシートから切り取られた直径1cmの円盤型の小型マスクシートである。そのマスクシートの一方のBの上に、亜鉛を90%以上含有する亜鉛塗料である株式会社 創新社製、ノックスドールZINKを膜厚50μmで吹き付け塗装を行った亜鉛電極Aがマスクシート上に塗装されている。他方の直径1cmの同様の円盤型マスクシートEの上には銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmで吹き付け塗装を行った銀メッキ銅電極Dがマスクシート上に塗装されている。
Bには有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなる(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸ナトリウムの粉末5%重量を溶解した(株)ITO社製AP5ローションの水溶液0.5mlが含浸され顔面上のニキビ病変Cの上に設置されている。さらにEには有効成分として水溶液中でプラスイオンとなるトラネキサム酸5%重量水溶液(クエン酸バッファー溶液、pH5)0.5mlが含浸され顔面上の肝斑病変部Fの上に設置されている。この時AとDの間のAD間には572mvの電圧が発生しA極はマイナスにD極はプラスに帯電した。これによりA電極付近のマスクシート内のマイナスにイオン化したアスコルビン酸リン酸を効率よくニキビ病変部にイオン導入することができ、且つ同時に肝斑病変部Fにはプラスに帯電したトラネキサム酸が効果的に導入され、ニキビと肝斑を同時に改善できた。AB及びDEを顔面に複数枚設置したところ相乗効果が認められた。さらに、(株)ITO社製アスコルビン酸リン酸マグネシウム亜鉛の5%水溶液は、マグネシウムが水溶液中で完全に解離しないために分子がプラスに帯電していることが判明したためEにトラネキサム酸とともに配合したところ肝斑の改善において相乗効果が認められた。DEからは、Agイオンが溶出するため、ABを顔面に適応すると同時にDEをわきに適用したところ優れた腋臭の抑制効果が認められ、DEを足に適用したところ水虫に対する改善効果が認められ、DEを頭皮に適用したところフケ、カユミに対する改善効果が、認められた。さらに複数のABを頭皮に複数のDEをわきと足に適用したところ頭皮では育毛効果が、わきでは腋臭の抑制効果が、足では水虫抑制効果が同時に認められた。
〔図10〕
図の説明:B及びEは小型マスクシートである。そのマスクシートの一方のBの上に、亜鉛電極Aが塗装されている。他方のマスクシートEの上には銀メッキ銅電極Dがマスクシート上に塗装されている。Bには有効成分として水溶液中でマイナスイオンとなるアスコルビン酸リン酸ナトリウム5%重量水溶液0.5mlが含浸され顔面上のニキビ病変Cの上に設置されている。さらにEには有効成分として水溶液中でプラスイオンとなるトラネキサム酸5%重量水溶液(クエン酸バッファー溶液、pH5)0.5mlが含浸され顔面上の肝斑病変部Fの上に設置されている。
【0068】
実施例10
イオン導入用マスクシート
株式会社インテグラル社製皮膚画像解析カウンセリングシステム「VISIA」により色素沈着を持つ47歳成人男性の右側顔面の鼻の横に3センチの間隔をおいて基準点を2点水性インキで印をつけた後に可視光線とUVライト(ブラックライト)により顔面の写真撮影を行い画像データを「VISIA」内に取り込み付属ソフトで画像解析を行い、顔面写真上でシミ、シワ、毛穴、肌の色の均質性、ポルフィリン、かくれジミの位置、数量及び形状を特定した。
このうちシミの位置、数量及び形状を特定した情報を利用し基準点を指標に実際のスケールでITO社製フェイスマスクシートを縦に半分に切断した右側部分に以下の組成のビタミンC誘導体を有効成分として含有する組成物を印刷しこれをフェイスマスクAとした。フェイスマスクAには基準点も既存の黒インキで同時に印刷された。印刷後62℃の温風で3分間乾燥させた。
APPS 昭和電工社製アスコルビン酸リン酸パルミテート 3.5部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製顔料分散剤) 1.2部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 5.3部
ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂) 4.5部
BYK−361N(BYK Chemie社製アクリル樹脂) 0.5部
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 85部
同様にITO社製フェイスマスクシートを縦に半分に切断した右側シートにあらかじめ銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料である株式会社モリテックス社製、ELECTRODAG SP−029により膜厚50μmでフェイスマスクシートの周囲を5mm幅で吹き付け塗装を行い乾燥させたものを用意しこれをフェイスマスクBとした。このフェイスマスクBに同様にシミの位置、数量及び形状を特定した情報を利用し実際のスケールで以下の組成の亜鉛微粉末を含有する有効成分を印刷した。これによりフェイスマスクAに印刷したアスコルビン酸リン酸パルミテートを印刷したのと全く同じ位置、同じ大きさでフェイスマスクBには亜鉛微粉末が印刷された。基準点も既存の黒インキで同時に印刷された。印刷後62℃の温風で3分間乾燥させた。
亜鉛微粉末(平均粒子径100μm) 3.5部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製顔料分散剤) 1.2部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 5.3部
ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂) 4.5部
BYK−361N(BYK Chemie社製アクリル樹脂) 0.5部
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 85部
次に顔面にフェイスマスクAとBの基準点が一致するよう重ねて両面から1%NaCl溶液を霧状に噴霧してフェイスマスクAが顔面に接触するように、又フェイスマスクの基準点と顔面の基準点が重なるように2重のABのフェイスマスクを顔面に接触させた。閉じ込められた気泡部分を軽く指圧して取り除き15分間その状態で維持することによりイオン導入を行った。
〔図11〕
【符号の説明】
【0069】
〔図1〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Fは薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。Eは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置された電極。Bは2つの電極をつなぐ導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。
〔図2〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Fは薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。Eは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。Cは体表面の異なる場所に設置された電極。Bは導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。Dはアースを表す。
〔図3〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Gは薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。E及びFは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C、Dは電極。
〔図4〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Gは、薬剤を浸透させたい病変部等のターゲット部位である。E、Fは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C及びDは体表面の異なる場所に設置された電極。Bは導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。
〔図5〕
Aは、人体又は生物等の体表面を表す。Eは、有効な電気泳動可能な有効性分を含有する溶媒及びその溶媒を保持する担体又は成形物を表す。C、C’、D、D’は体表面の異なる場所に設置された電極。Bは導電線を表す。Gは、導電線又はリレー、コンデンサ等の蓄電装置、ダイオード等の整流装置からなる回路。
〔図6〕
Aは、亜鉛等の導電性電極であり。Bは銅製電極である。Eは化粧品容器へ結合するためのネジ山の断面である。
〔図7〕
ポリプロピレン製の成形体E上の一部に、亜鉛電極Bがマスクシートを介して顔面に接触している。Cは銀メッキ銅の電極部位であり手の指に接触している。
〔図8〕
アスコルビン酸リン酸マグネシウム5%水溶液を染み込ませたフェイスマスクシートAの上の一部に、銀メッキ銅の電極Bを付着させた。この電極Bは導電線でアースCに接続された。
〔図9〕
アスコルビン酸リン酸マグネシウム5%水溶液を染み込ませたフェイスマスクシートAの上の一部に、亜鉛電極Bを付着させた。イオン導入の際に建物のコンクリートの壁であるアースCに体の一部(手)を接触させた。
〔図10〕
B及びEは円盤型の小型マスクシートである。アスコルビン酸リン酸ナトリウム5%重量水溶液を含むBの上に、亜鉛電極Aがマスクシート上に塗装されている。E上には銀メッキ銅電極Dがマスクシート上に塗装されている。Cは、ニキビ病変である。さらにEは有効成分としてトラネキサム酸5%重量水溶液が含浸されたマスクシートが顔面上の肝斑病変部F上に設置されている。
〔図11〕
図の説明:A:フェイスマスクA、B:フェイスマスクB、Cは顔面に重ねられたフェイスマスク、E:フェイスマスクAに印刷された基準点、F:フェイスマスクBに印刷された基準点、G:被験者の顔面上に水性インクで付けられた基準点、H:アスコルビン酸リン酸パルミテートが正確に印刷された箇所、I:亜鉛微粒子が正確に印刷された箇所、D:銀メッキ銅の微粒子を配合した導電性塗料が塗布された箇所、J:被験者の顔面上の実際のシミ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
【請求項2】
異なる複数の成分を印刷した、請求項10に記載の複数の導入用シートを正確に重ねることにより、それぞれのシートの成分により化学反応を起こし、その反応の結果により生成又は変化した有効成分を、μm単位で正確にマスクシート上に配置した、有効成分の被写体への導入用シート。
【請求項3】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
【請求項4】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
【請求項5】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
【請求項1】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
【請求項2】
異なる複数の成分を印刷した、請求項10に記載の複数の導入用シートを正確に重ねることにより、それぞれのシートの成分により化学反応を起こし、その反応の結果により生成又は変化した有効成分を、μm単位で正確にマスクシート上に配置した、有効成分の被写体への導入用シート。
【請求項3】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の有効成分を含む溶液を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
【請求項4】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷した、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シート。
【請求項5】
被写体の画像を電子的に記録して取り込み、その画像を電子処理して単数又は複数の特定の色調又は吸収波長をもつ場所を単数又は複数特定してマッピングし、そのマッピングされた位置に単数又は複数の伝導性物質を含んだ液体溶媒を、印刷装置を用いてμm単位で正確にマスクシートに印刷する、単層又は複層の有効成分の被写体への導入用シートの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−200679(P2011−200679A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126480(P2011−126480)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【分割の表示】特願2008−68504(P2008−68504)の分割
【原出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(508081581)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【分割の表示】特願2008−68504(P2008−68504)の分割
【原出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(508081581)
【Fターム(参考)】
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