説明

有害生物防除組成物

【課題】有害生物に対して優れた防除効力を有する有害生物防除組成物を提供すること。
【解決手段】式(1)で示されるエステル化合物と、式(2a)〔式中、X1は酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、X2はメチレン基、酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、R1は水素原子またはメチル基を表す。〕で示される環状化合物及び/又は式(2b)〔式中、R2は水素原子またはメチル基を表す。〕で示される環状化合物とを含有する有害生物防除組成物;および該有害生物防除組成物の有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害生物防除組成物及び有害生物の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記式(1)で示されるエステル化合物が有害生物防除効力を有することが知られ、ピペロニルブトキシド等の共力剤が混用または併用できることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−2363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害生物に対して優れた有害生物防除効力を有する有害生物防除組成物、及び有害生物の防除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、優れた有害生物防除効力を有する有害生物防除組成物を見出すべく検討の結果、本発明に至った。即ち、本発明は以下の発明を含む。
[発明1]
式(1)

で示されるエステル化合物と、式(2a)

〔式中、X1は酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、X2はメチレン基、酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、R1は水素原子またはメチル基を表す。〕
で示される環状化合物及び/又は式(2b)

〔式中、R2は水素原子またはメチル基を表す。〕
で示される環状化合物とを含有する有害生物防除組成物。
[発明2]
式(1)

で示されるエステル化合物と、式(2a)

〔式中、X1は酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、X2はメチレン基、酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、R1は水素原子またはメチル基を表す。〕
で示される環状化合物とを含有する有害生物防除組成物。
[発明3]
エステル化合物と環状化合物との含有割合が重量比で4:1〜1:300である発明1又は2記載の有害生物防除組成物。
[発明4]
エステル化合物と環状化合物との含有割合が重量比で1:1〜1:100である発明1又は2記載の有害生物防除組成物。
[発明5]
発明1〜4のいずれか記載の有害生物防除組成物を、有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物の防除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の有害生物防除組成物を用いることにより、有害生物を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
式(1)で示されるエステル化合物(以下、本エステル化合物と記す。)は、例えば特開平2004−2363号公報等に記載の方法により製造することができる。
本エステル化合物には、シクロプロパン環上に存在する2つの不斉炭素原子及びシクロプロパン環に置換している置換基の二重結合に由来する異性体が存在するが、本発明では活性な異性体を任意の比率で含有するものを使用することができる。
本エステル化合物としては、例えば、
[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=(1R)−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=(1R)−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=(1R)−シス−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=(1R)−トランス−3−((E)−2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=(1R)−トランス−3−((Z)−2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。
【0008】
式(2a)において、X1は酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、X2はメチレン基、酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、R1は水素原子またはメチル基を表す。
1が酸素原子の場合は、X2はメチレン基またはC1−C8アルキルイミノ基であることが好ましい。
また、X1がC1−C8アルキルイミノ基の場合は、X2は酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基であることが好ましい。
2がメチレンの場合には、X1は酸素原子またはC2−C8アルキルイミノ基であることが好ましい。
【0009】
式(2a)において、X1及びX2で示される「C1−C8アルキルイミノ基」としては、例えばメチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、ペンチルイミノ基、ヘキシルイミノ基、ヘプチルイミノ基及びオクチルイミノ基が挙げられる。
【0010】
式(2a)又は(2b)で示される環状化合物(以下、本環状化合物と記す。)は、例えば市販されている化合物そのものを使用することができる。
【0011】
式(2a)で示される本環状化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
式(2a)において、X1が酸素原子であり、X2がメチレン基である化合物;
式(2a)において、X1が酸素原子であり、X2が酸素原子である化合物;
式(2a)において、X1が酸素原子であり、X2がC1−C8アルキルイミノ基である化合物;
式(2a)において、X1がC1−C8アルキルイミノ基であり、X2がメチレン基である化合物;
式(2a)において、X1がC1−C8アルキルイミノ基であり、X2が酸素原子である化合物;
式(2a)において、X1がC1−C8アルキルイミノ基であり、X2がC1−C8アルキルイミノ基である化合物;
式(2a)において、X1が酸素原子であり、X2がメチレン基又はC1−C8アルキルイミノ基である化合物;
式(2a)において、X1がC1−C8アルキルイミノ基であり、X2が酸素原子又はC1−C8アルキルイミノ基である化合物;
【0012】
(i)γ−ブチロラクトン(式(2a)において、X1が酸素原子であり、X2がメチレン基であり、R1が水素原子である化合物。);
(ii)N−メチル−2−ピロリドン(式(2a)において、X1がメチルイミノ基であり、X2がメチレン基であり、R1が水素原子である化合物。);
(iii)N−エチル−2−ピロリドン(式(2a)において、X1がエチルイミノ基であり、X2がメチレン基であり、R1が水素原子である化合物。);
(iv)N−オクチル−2−ピロリドン(式(2a)において、X1がオクチルイミノ基であり、X2がメチレン基であり、R1が水素原子である化合物);
(v)1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(式(2a)において、X1がメチルイミノ基であり、X2がメチルイミノ基であり、R1が水素原子である化合物。);
(vi)炭酸プロピレン(式(2a)において、X1が酸素原子であり、X2が酸素原子であり、R1がメチル基である化合物。);
(vii)炭酸エチレン(式(2a)において、X1が酸素原子であり、X2が酸素原子であり、R1が水素原子である化合物。)。
式(2b)で示される本環状化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
(viii)スルホラン(式(2b)において、R2が水素原子である化合物。)。
本発明の有害生物防除組成物に含有される本環状化合物は、1種でもよいし、2種以上でもよい。
【0013】
本発明の有害生物防除組成物が防除効力(殺虫効力、ノックダウン効力、忌避効力等)を有する有害生物としては、例えば有害昆虫、有害ダニ類等の有害節足動物が挙げられ、具体的には以下のものが挙げられる。
【0014】
鱗翅目害虫:ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫(Agrotisspp.)、ヘリコベルパ属害虫(Helicoverpa spp.)ヘリオティス属害虫(Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
双翅目害虫:アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ハモグリバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等
隠翅目害虫:イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ等
シラミ目害虫:ヒトジラミ、ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミ等
等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
半翅目害虫:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、トコジラミ等のトコジラミ類、グンバイムシ類、キジラミ類等
鞘翅目害虫:ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
直翅目害虫:ケラ、バッタ等
ダニ類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類、トリサシダニ、ワクモ等のワクモ類。
【0015】
本発明の有害生物防除組成物は、特に双翅目害虫、網翅目害虫および膜翅目害虫に対して優れた防除効力を有する。
【0016】
本発明の有害生物防除組成物において、本エステル化合物と本環状化合物との含有割合は重量比で、通常、4:1〜1:300であり、好ましくは3:1〜1:200であり、より好ましくは1:1〜1:100であり、さらに好ましくは1:2〜1:100であり、さらにより好ましくは1:3〜1:100である。なお、本発明の有害生物防除組成物において、本環状化合物を2種以上含有する場合には、本エステル化合物と、本環状化合物の合計量との含有割合が、上記した本エステル化合物と本環状化合物との含有割合である。
【0017】
本発明の有害生物防除組成物は、本エステル化合物と本環状化合物との混合物をそのまま用いてもよいが、通常は下記のような製剤として使用する。その製剤としては、例えば液剤、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤、水中乳濁剤等)、マイクロカプセル剤、粉剤、粒剤、錠剤、エアゾール剤、炭酸ガス製剤、加熱蒸散剤(殺虫線香、電気殺虫マット、吸液芯型加熱蒸散殺虫剤等)、ピエゾ式殺虫製剤、加熱燻煙剤(自己燃焼型燻煙剤、化学反応型燻煙剤、多孔セラミック板燻煙剤等)、非加熱蒸散剤(樹脂蒸散剤、紙蒸散剤、不織布蒸散剤、編織物蒸散剤、昇華性錠剤等)、煙霧剤(フォッキング等)、直接接触剤(シート状接触剤、テープ状接触剤、ネット状接触剤等)、ULV剤及び毒餌が挙げられる。
【0018】
製剤化の方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
(1)本エステル化合物と本環状化合物との混合物を、固体担体、液体担体、ガス状担体、餌等と混合し、必要であれば界面活性剤その他の製剤用補助剤を添加・加工する方法。
(2)本エステル化合物と本環状化合物との混合物を、有効成分を含有していない基材に含浸する方法。
(3)本エステル化合物、本環状化合物及び基材を混合した後に成形加工する方法。
これらの製剤には、本エステル化合物及び本環状化合物を、合計量にして通常0.001〜98重量%含有する。
【0019】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、塩安、尿素等)等の微粉末及び粒状物、常温で固体の物質(2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン、ナフタリン、p−ジクロロベンゼン、樟脳、アダマンタン等)、並びに羊毛、絹、綿、麻、パルプ、合成樹脂(例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン−ビニルカルボン酸共重合体;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリブタジエン、ポリスチレン;アクリロニトリル−スチレン樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物等のスチレン系エラストマー;フッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレエート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリルサルフォン、ポリアクリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、発泡ポリウレタン、発泡ポリプロピレン、発泡エチレン等の多孔質樹脂)、ガラス、金属、セラミック等の1種または2種以上からなるフェルト、繊維、布、編物、シート、紙、糸、発泡体、多孔質体及びマルチフィラメントが挙げられる。
【0020】
液体担体としては、例えば芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、植物精油(オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等)、及び水が挙げられる。
【0021】
ガス状担体としては、例えばブタンガス、フロンガス、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、窒素及び炭酸ガスが挙げられる。
【0022】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレン化物、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類及び糖アルコール誘導体が挙げられる。
【0023】
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、多糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、及びBHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
【0024】
殺虫線香の基材としては、例えば木粉、粕粉等の植物性粉末とタブ粉、スターチ、グルティン等の結合剤との混合物が挙げられる。
殺虫電気マットの基材としては、例えばコットンリンターを板状に固めたもの、及びコットンリンターとパルプとの混合物のフィリブルを板状に固めたものが挙げられる。
自己燃焼型燻煙剤の基材としては、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、グアニジン塩、塩素酸カリウム、ニトロセルロース、エチルセルロース、木粉等の燃焼発熱剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重クロム酸塩、クロム酸塩等の熱分解刺激剤、硝酸カリウム等の酸素供給剤、メラミン、小麦デンプン等の支燃剤、珪藻土等の増量剤及び合成糊料等の結合剤が挙げられる。
【0025】
化学反応型燻煙剤の基材としては、例えば、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、水硫化物、酸化カルシウム等の発熱剤、炭素質物質、炭化鉄、活性白土等の触媒剤、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、ポリスチレン、ポリウレタン等の有機発泡剤、及び、天然繊維片、合成繊維片等の充填剤が挙げられる。
【0026】
樹脂蒸散剤等の基材に用いられる樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン−ビニルカルボン酸共重合体;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリブタジエン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、スチレン−共役ジエン共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物等のスチレン系エラストマー;フッ素樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル酸樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリルサルフォン、ポリアリレート、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタンが挙げられ、これらの基材は、単独で用いても2種以上の混合物として用いても良く、これらの基材には必要によりフタル酸エステル類(フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等)、アジピン酸エステル類、ステアリン酸等の可塑剤が添加されていてもよい。樹脂蒸散剤は、本エステル化合物および本環状化合物を上記基材中に混練した後、射出成型、押出成型、プレス成型等により成型することにより得ることができる。得られた樹脂製剤は、必要により更に成型、裁断等の工程を経て、板状、フィルム状、テープ状、網状、ひも状等の形状に加工することもできる。これらの樹脂製剤は、例えば動物用首輪、動物用イヤータッグ、シート製剤、誘引ひも、園芸用支柱として加工される。
【0027】
毒餌の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ粉末等の子どもやペットによる誤食防止剤、及びチーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイル等の害虫誘引性香料があげられる。
【0028】
本発明の有害生物防除組成物は、本エステル化合物および本環状化合物の他に、害虫防除剤、忌避剤、共力剤等を混用または併用してもよい。
混用または併用することのできる他の害虫防除剤の有効成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
(1)合成ピレスロイド化合物
アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、ベータ−シフルトリン(beta−cyfluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、エンペントリン(empenthrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェンプロックス(flufenoprox)、フルメトリン(flumethrin)、フルバリネート(fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、ペルメトリン(permethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、レスメトリン(resmethrin)、シグマ−サイパーメトリン(sigma−cypermethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、フェノトリン(phenothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、アルファシペルメトリン(alpha−cypermethrin)、ゼータシペルメトリン(zeta−cypermethrin)、ラムダシハロトリン(lambda−cyhalothrin)、ガンマシハロトリン(gamma−cyhalothrin)、フラメトリン(furamethrin)、タウフルバリネート(tau−fluvalinate)、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルフェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等;
(2)有機リン化合物
アセフェート(acephate)、りん化アルミニウム(Aluminium phosphide)、ブタチオホス(butathiofos)、キャドサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(ch1orfenvinphos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos−methyl)、シアノホス(cyanophos:CYAP)、ダイアジノン(diazinon)、DCIP(dichlorodiisopropyl ether)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion:ECP)、ジクロルボス(dichlorvos:DDVP)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、エトリムホス(etrimfos)、フェンチオン(fenthion:MPP)、フエニトロチオン(fenitrothion:MEP)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホルモチオン(formothion)、りん化水素(Hydrogen phosphide)、イソフェンホス(isofenphos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メチダチオン(methidathion:DMTP)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレッド(naled:BRP)、オキシデプロホス(oxydeprofos:ESP)、パラチオン(parathion)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet:PMP)、ピリミホスメチル(pirimiphos−methy1)、ピリダフェンチオン(pyridafenthion)、キナルホス(quinalphos)、フェントエート(phenthoate:PAP)、プロフェノホス(profenofos)、プロパホス(propaphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclorfos)、サリチオン(salithion)、スルプロホス(sulprofos)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テトラクロルビンホス(tetrach1orvinphos)、テルブホス(terbufos)、チオメトン(thiometon)、トリクロルホン(trichlorphon:DEP)、バミドチオン(vamidothion)、フォレート(phorate)等;
(3)カーバメート化合物
アラニカルブ(alanycarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、BPMC、カルバリル(carbary1)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、クロエトカルブ(cloethocarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb:MIPC)、メトルカルブ(metolcarb)、 メソミル(methomyl)、メチオカルブ(methiocarb)、NAC、オキサミル(oxamyl)、ピリミカーブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur:PHC)、XMC、チオジカルブ(thiodicarb)、 キシリルカルブ(xylylcarb)、アルジカルブ(aldicarb)等;
(4)ネライストキシン化合物
カルタップ(cartap)、ベンスルタップ(bensu1tap)、チオシクラム(thiocyclam)、モノスルタップ(monosultap)、ビスルタップ(bisultap)等;
(5)ネオニコチノイド化合物
イミダクロプリド(imidac1oprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアクロプリド(thiacloprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、クロチアニジン(clothianidin)等;
(6)ベンゾイル尿素化合物
クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルアズロン(fluazuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、トリアズロン(triazuron)等;
(7)フェニルピラゾール化合物
アセトプロール(acetoprole)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fiproni1)、バニリプロール(vaniliprole)、ピリプロール(pyriprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)等;
(8)Btトキシン殺虫剤
バチルス・チューリンゲンシス菌由来の生芽胞および産生結晶毒素、並びにそれらの混合物;
(9)ヒドラジン化合物
クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)等;
(10)有機塩素化合物
アルドリン(aldrin)、ディルドリン(dieldrin)、ジエノクロル(dienochlor)、エンドスルファン(endosulfan)、メトキシクロル(methoxychlor)等;
(11)天然系殺虫剤
マシン油(machine oil)、硫酸ニコチン(nicotine−sulfate);
(12)その他の殺虫剤
アベルメクチン(avermectin−B)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、ブプロフェジン(buprofezin)、クロルフェナピル(chlorphenapyr)、シロマジン(cyromazine)、D−D(1,3−Dichloropropene)、エマメクチンベンゾエート(emamectin−benzoate)、フェナザキン(fenazaquin)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、ハイドロプレン(hydroprene)、メトプレン(methoprene)、インドキサカルブ(indoxacarb)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、ミルベマイシンA(milbemycin−A)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、スピノサッド(spinosad)、スルフラミド(sulfluramid)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、トリアゼメイト(triazamate)、フルベンジアミド(flubendiamide)、レピメクチン(lepimectin)、亜ひ酸(Arsenic acid)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、石灰窒素(Calcium cyanamide)、石灰硫黄合剤(Calcium polysulfide)、クロルデン(chlordane)、DDT、DSP、フルフェネリウム(flufenerim)、フロニカミド(flonicamid)、フルリムフェン(flurimfen)、ホルメタネート(formetanate)、メタム・アンモニウム(metam−ammonium)、メタム・ナトリウム(metam−sodium)、臭化メチル(Methyl bromide)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、プロトリフェンビュート(protrifenbute)、スピロメシフェン(spiromesifen)、硫黄(Sulfur)、メタフルミゾン(metaflumizone)、スピロテトラマット(spirotetramat)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、スピネトラム(spinetoram)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、トラロピリル(tralopyril)等。
【0029】
忌避剤の有効成分としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール、MGK−R−326、MGK−R−874及びBAY−KBR−3023が挙げられる。
【0030】
共力剤としては、例えば、5−〔2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシメチル〕−6−プロピル−1,3−ベンゾジオキソール、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、オクタクロロジプロピルエーテル、チオシアノ酢酸イソボルニル、N−(2−エチルへキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドが挙げられる。
【0031】
本発明の有害生物の防除方法は、本発明の有害生物防除組成物を有害生物又は有害生物の生息場所(植物体、土壌、家屋内、動物体等)に施用することにより行われる。
本発明の有害生物防除組成物の施用方法としては、具体的には、例えば以下の方法が挙げられ、本発明の有害生物防除組成物の形態、使用場所等に応じて適宜選択できる。
(1)本発明の有害生物防除組成物をそのまま有害生物又は有害生物の生息場所に処理する方法。
(2)本発明の有害生物防除組成物を水等の溶媒で希釈した後に、有害生物又は有害生物の生息場所に散布処理する方法。
この場合には、通常、乳剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル製剤等に製剤化された本発明の有害生物防除組成物を、本エステル化合物及び本環状化合物の合計の濃度が合計で0.01〜1000ppmとなるように希釈する。
(3)本発明の有害生物防除組成物を有害生物の生息場所で加熱し、有効成分を揮散させる方法。
この場合、本エステル化合物及び本環状化合物の施用量、施用濃度はいずれも本発明の有害生物防除組成物の形態、施用時期、施用場所、施用方法、有害生物の種類、被害状況等に応じて適宜定めることができる。
【0032】
本発明の有害生物防除組成物を防疫用として用いる場合は、その施用量は空間に適用するときは、本エステル化合物及び本環状化合物の合計量として通常0.0001〜1000mg/m3であり、平面に適用するときは0.0001〜1000mg/m2である。殺虫線香、電気殺虫マット等はその製剤形態に応じて加熱により有効成分を揮散させて施用する。樹脂蒸散剤、紙蒸散剤、不織布蒸散剤、編織物蒸散剤、昇華性錠剤等は例えば施用する空間にそのまま放置する、および、該製剤を送風下に設置することにより使用できる。
本発明の有害生物防除組成物を防疫用として施用する空間としては、例えばクローゼット、押入れ、和ダンス、食器棚、トイレ、浴場、物置、居間、食堂、倉庫、車内等が挙げられ、さらに野外の開放空間で施用することもできる。
【0033】
本発明の有害生物防除組成物をウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等の家畜、イヌ、ネコ、ラット、マウス等の小動物の外部寄生虫防除に用いる場合は、獣医学的に公知の方法で動物に使用することができる。具体的な使用方法としては、全身抑制(systemic control)を目的にする場合には、例えば錠剤、飼料混入、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)により投与され、非全身的抑制(non-systemic control)を目的とする場合には、例えば油剤若しくは水性液剤を噴霧する、ポアオン(pour-on)処理若しくはスポットオン(spot-on)処理する、シャンプー製剤で動物を洗う又は樹脂蒸散剤を首輪や耳札にして動物に付ける等の方法により用いられる。動物体に投与する場合の本エステル化合物及び本環状化合物の合計量は、通常動物の体重1kgに対して、0.01〜1000mgの範囲である。
【実施例】
【0034】
以下、製造例、製剤例及び試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。尚、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
【0035】
まず、本発明の有害生物防除組成物の製造例を記す。
【0036】
製造例1〜10
本エステル化合物と、本環状化合物として上述の(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(viii)のいずれか1種以上の化合物とを混合し、下記の表1で示される組成比の混合組成物(以下、それぞれ本発明組成物(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)と記す。)を調製した。
尚、本エステル化合物として、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=(1R)−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル〔E/Z=1/9〕)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、本エステル化合物Aと記す。)を用いた。
【0037】
【表1】

【0038】
次に、後述の試験例において用いる比較組成物の製造例を、比較製造例として示す。
【0039】
比較製造例1〜4
下記の表2で示される組成比で、本エステル化合物Aを含有する比較組成物(以下、それぞれ比較組成物(1)、(2)、(3)、(4)と記す。)を調製した。
【0040】
【表2】

【0041】
以下、製剤例を示す。
【0042】
製剤例1
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.02部及びアイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)59.96部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を充填してエアゾールを得る。
【0043】
製剤例2
本エステル化合物A0.01部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.1部及びアイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)39.89部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス) 60部を充填してエアゾールを得る。
【0044】
製剤例3
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.08部及びアイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)59.90部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を充填してエアゾールを得る。
【0045】
製剤例4
本エステル化合物A0.1部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.4部、ミリスチン酸イソプロピル3部及びアイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)56.50部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を充填してエアゾールを得る。
【0046】
製剤例5
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.02部、アイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)8.96部、レオドールMO−60(オレイン酸グリセリル/プロピレングリコール、花王社製)0.8部及びレオドールTW−O120(ポリソルベート80、花王社製)0.2部を混合・溶解したものと、水50部とをエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を充填してエアゾールを得る。
【0047】
製剤例6
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.08部、アイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)8.90部、レオドールMO−60(オレイン酸グリセリル/プロピレングリコール、花王社製)0.8部及びレオドールTW−O120(ポリソルベート80、花王社製)0.2部を混合・溶解したものと、水50部とをエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を充填してエアゾールを得る。
【0048】
製剤例7
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.02部及びネオチオゾール(流動パラフィン、中央化成社製)49.96部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物)50部を充填してエアゾールを得る。
【0049】
製剤例8
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.08部及びネオチオゾール(流動パラフィン、中央化成社製)49.90部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物)50部を充填してエアゾールを得る。
【0050】
製剤例9
本エステル化合物A0.1部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.4部、ミリスチン酸イソプロピル6部及びネオチオゾール(流動パラフィン、中央化成社製)23.50部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物)70部を充填してエアゾールを得る。
【0051】
製剤例10
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.02部、ネオチオゾール(流動パラフィン、中央化成社製)5.96部およびミリスチン酸イソプロピル3部、並びに、レオドールMO−60(オレイン酸グリセリル/プロピレングリコール、花王社製)0.8部及びレオドールTW−O120(ポリソルベート80、花王社製)0.2部を混合・溶解したものと、水40部とをエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物)50部を充填してエアゾールを得る。
【0052】
製剤例11
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.08部、ネオチオゾール(流動パラフィン、中央化成社製)5.90部およびミリスチン酸イソプロピル3部、並びに、レオドールMO−60(オレイン酸グリセリル/プロピレングリコール、花王社製)0.8部及びレオドールTW−O120(ポリソルベート80、花王社製)0.2部を混合・溶解したものと、水40部とをエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物)50部を充填してエアゾールを得る。
【0053】
製剤例12
本エステル化合物A0.1部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.4部、アイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)8.5部並びに、レオドールSP−O10(オレイン酸ソルビタン、花王社製)0.9部及びレオドールTW−O120(ポリソルベート80、花王社製)0.1部を混合・溶解したものと、水69.86部及び安息香酸ナトリウム0.14部を混合・溶解したものとをエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)20部を充填してエアゾールを得る。
【0054】
製剤例13
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学社製)28部、本エステル化合物A2.5部及び上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物2.5部を密閉式加圧ニーダ−(森山製作所製)を用いて溶融混錬し、得られる混連物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得る。このペレット33部と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレンの単独重合体)のペレット67部とを混合・混錬して樹脂混錬物を得る。次いで、該樹脂混錬物を押出成形機からネット成形用異形ダイスを介して押出し、延伸することにより、一辺が約5mmの略ひし形の網(網を形成するフィラメントの直径は約0.83mm、開孔率82%)で直径約7cmの円筒状となった成形体を得る。この成形体を長さ20cmに切断することで、害虫防除用組成物を得る。
【0055】
製剤例14
本エステル化合物A20部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物5部、ニューカルゲンPS−P(ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩)3部、ニューカルゲンEX−70(ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩/安息香酸ナトリウム)1部、ニューカルゲンSX−C(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩/ぼう硝)3部(ニューカルゲンシリーズ:竹本油脂社製)、上白糖(三井製糖社製)68部を粉砕混合することにより水性毒餌剤用粉状組成物を得る。
【0056】
製剤例15
本エステル化合物A0.02部及び上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.02部を、イソプロピルアルコール24.96部に添加、混合し、エアゾール容器に注入した。更に該エアゾール容器に安息香酸アンモニウム−アンモニウム緩衝液(安息香酸アンモニウム1.0%w/w溶液に29%アンモニア水を加え、pH8.5に調製)30.0部を注入し、エアゾール原液を調製した。次に、該エアゾール容器にバルブを取り付けた後、該バルブを通じジメチルエーテル45.0部を加圧充填して、エアゾールを得た。
【0057】
製剤例16
本エステル化合物A0.02部及び上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物0.08部を、イソプロピルアルコール24.90部に添加、混合し、エアゾール容器に注入した。該エアゾール容器に安息香酸アンモニウム−アンモニウム緩衝液(安息香酸アンモニウム1.0%w/w溶液に29%アンモニア水を加え、pH8.5に調製)30.0部を注入し、エアゾール原液を調製した。次に、該エアゾール容器にバルブを取り付けた後、該バルブを通じジメチルエーテル45.0部を加圧充填して、一液型エアゾールを得た。
【0058】
製剤例17
本エステル化合物Aを20部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物70部及び[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート10部を混合して液剤を得る。
【0059】
製剤例18
本エステル化合物Aを0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物を0.08部、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.02部、ミリスチン酸イソプロピル3部及びアイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)56.88部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)40部を充填してエアゾールを得る。
【0060】
製剤例19
本エステル化合物Aを0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物を0.08部、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.02部、ミリスチン酸イソプロピル6部及びネオチオゾール(流動パラフィン、中央化成社製)23.88部をエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物)70部を充填してエアゾールを得る。
【0061】
製剤例20
本エステル化合物Aを0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物を0.08部、[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.02部、アイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)8.88部並びに、レオドールMO−60(オレイン酸グリセリル/プロピレングリコール、花王社製)0.8部及びレオドールTW−O120(ポリソルベート80、花王社製)0.2部を混合・溶解したものと、水40部とをエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)50部を充填してエアゾールを得る。
【0062】
製剤例21
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物を0.08部及び[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを0.02部、アイソパーM(イソパラフィン系炭化水素、エクソンモービル有限会社製)8.88部並びに、レオドールSP−O10(オレイン酸ソルビタン、花王社製)0.9部及びレオドールTW−O120(ポリソルベート80、花王社製)0.1部を混合・溶解したものと、水69.86部及び安息香酸ナトリウム0.14部を混合・溶解したものをエアゾール容器に入れ、該エアゾール容器にバルブ部分を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)20部を充填してエアゾールを得る。
【0063】
製剤例22
本エステル化合物A0.02部、上述の(i)〜(viii)の本環状化合物のいずれか1種の化合物を0.08部及び[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル=2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート0.02部を、イソプロピルアルコール24.88部に添加、混合し、エアゾール容器に注入する。更に該エアゾール容器に安息香酸アンモニウム−アンモニウム緩衝液(安息香酸アンモニウム1.0%w/w溶液に29%アンモニア水を加え、pH8.5に調製)30.0部を注入し、エアゾール原液を調製する。次に、該エアゾール容器にバルブを取り付けた後、該バルブを通じジメチルエーテル45.0部を加圧充填して、エアゾールを得る。
【0064】
次に、本発明の有害生物防除組成物が優れた有害生物防除効力を有することを試験例にて示す。
【0065】
試験例1
本発明組成物(1)〜(6)及び(8)、並びに、比較組成物(2)及び(3)の各々を、アセトンにて希釈、溶解し、本エステル化合物Aが0.00625重量%のアセトン溶液を調製した。
ポリエチレンカップ(下部直径10.6cm、上部直径12cm、高さ7cm)にイエバエ成虫10頭(雄雌各5頭)を放飼し、16メッシュのナイロンゴースで蓋をした。該カップを試験用チャンバー(底面:46cm×46cm、高さ:70cm)の底部に設置した。該カップ上面より30cmの高さから上記アセトン溶液0.5gをスプレーガンを用いて噴霧した(噴霧圧力0.9kg/cm2)。噴霧後ただちに該カップを該試験用チャンバーから取り出し、一定時間後にノックダウンした虫数をカウントし、ノックダウン率を求めた(2反復平均)。
その結果を表3に示す。
【0066】
【表3】

【0067】
試験例2
本発明組成物(2)〜(6)及び(8)〜(10)、並びに、比較組成物(4)の各々の所定量を、ジクロロメタン10部で希釈、溶解し、更に脱臭灯油(Isopar M)を加えて、本エステル化合物Aが0.00625%(wt/v)の液状組成物100部を調製した。
ポリエチレンカップ(下部直径10.6cm、上部直径12cm、高さ7cm)にイエバエ成虫10頭(雄雌各5頭)を放飼し、16メッシュのナイロンゴースで蓋をした。該カップを試験用チャンバー(底面:46cm×46cm、高さ:70cm)の底部に設置した。該カップ上面より30cmの高さから上記液状組成物0.5mlをスプレーガンを用いて噴霧した(噴霧圧力0.9kg/cm2)。噴霧後ただちに該カップを該試験用チャンバーから取り出し、一定時間後にノックダウンした虫数をカウントし、ノックダウン率を求めた(2反復平均)。
その結果を表4に示す。
【0068】
【表4】

【0069】
試験例3
本発明組成物(1)、(3)、(6)及び(9)、並びに、比較組成物(3)及び(4)の各々の所定量を、ジクロロメタン10部で希釈、溶解し、更に脱臭灯油(Isopar M)を加えて、本エステル化合物Aが0.00625%(wt/v)の液状組成物100部を調製した。
チャバネゴキブリ成虫10頭(雄雌各5頭)を内壁にバターを塗った試験用コンテナー(直径8.75cm、高さ7.5cm、底面16メッシュ金網張り)内に放飼し、該コンテナーを試験用チャンバー(底面:46cm×46cm、高さ:70cm)の底部に設置した。該コンテナー上面より60cmの高さから上記液状組成物1.5mlをスプレーガンを用いて噴霧した(噴霧圧力0.9kg/cm2)。噴霧から30秒後に該コンテナーを該試験用チャンバーから取り出し、一定時間後にノックダウンした虫数をカウントし、ノックダウン率を求めた(2反復平均)。
その結果を表5に示す。
【0070】
【表5】

【0071】
試験例4
本発明組成物(2)〜(8)、並びに、比較組成物(1)及び(3)の各々を、アセトンにて希釈、溶解し、本エステル化合物Aが0.0135%(wt/v)のアセトン溶液を調製した。
6cm×9cmの濾紙(アドバンテック東洋株式会社製)に本エステル化合物Aが100mg/m2になるように、上記アセトン溶液を滴下し、その後該濾紙を風乾させた。風乾後の該濾紙を折り曲げて、一辺が3cmの三角形を底面とする三角筒に成形した。約650mlのポリエチレンカップ内に、上記三角筒をいれ、更にチャバネゴキブリ成虫10頭(雌雄各5頭)を、水を含ませた脱脂綿と共に入れた。該ポリエチレンカップを温度25℃、湿度60%、照明:明条件にて2時間保管した。その後、三角筒の外にいる虫数をカウントした。
また単なるアセトンを処理した濾紙を用いて作成した同様の三角筒を用いて、同様に試験を行い、三角筒の外にいる虫数をカウントし(無処理区)、下記式により忌避率を算出した(2反復平均)。その結果を表6に示す。
忌避率(%)=100×
(処理区の三角筒外の虫数−無処理区の三角筒外の虫数)/(無処理区の三角筒内の虫数)
【0072】
【表6】

【0073】
試験例5
本発明組成物(1)〜(10)、並びに、比較組成物(1)及び(4)の各々を、アセトンにて希釈、溶解し、本エステル化合物Aが0.2重量%のアセトン溶液を調製した。0.5gの線香(ユーアイかとり社製)に、本エステル化合物Aが0.5mg/本になるように、上記アセトン溶液を滴下し、その後該線香を風乾した。
アカイエカ雌成虫10頭を一辺70cmの立方体のチャンバー内に放ち、上記の線香に点火してチャンバー内床面中央に設置し、完全燃焼させた。線香点火後、一定時間後にノックダウンした虫数をカウントした。
また、γ−ブチロラクトンが20重量%のアセトン溶液(以下、比較組成物(5)と記す。)を調製した。0.5gの線香(ユーアイかとり社製)に、該比較組成物(5)0.25gを滴下し、その後該線香を風乾した。該線香を用いて、同様に試験を行い、一定時間後にノックダウンした虫数をカウントした。
その結果を表7に示す。
【0074】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の有害生物防除組成物を用いることにより、有害生物を防除することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

で示されるエステル化合物と、式(2a)

〔式中、X1は酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、X2はメチレン基、酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、R1は水素原子またはメチル基を表す。〕
で示される環状化合物及び/又は式(2b)

〔式中、R2は水素原子またはメチル基を表す。〕
で示される環状化合物とを含有する有害生物防除組成物。
【請求項2】
式(1)

で示されるエステル化合物と、式(2a)

〔式中、X1は酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、X2はメチレン基、酸素原子またはC1−C8アルキルイミノ基を表し、R1は水素原子またはメチル基を表す。〕
で示される環状化合物とを含有する有害生物防除組成物。
【請求項3】
エステル化合物と環状化合物との含有割合が重量比で4:1〜1:300である請求項1又は2記載の有害生物防除組成物。
【請求項4】
エステル化合物と環状化合物との含有割合が重量比で1:1〜1:100である請求項1又は2記載の有害生物防除組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか記載の有害生物防除組成物を、有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物の防除方法。

【公開番号】特開2011−126875(P2011−126875A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257548(P2010−257548)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】