説明

有機薄膜EL素子

電子出願以前の出願であるので要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は平面光源やディスプレイに使用される有機薄膜EL素子に関するものである。
(従来の技術) 有機蛍光物質を有機発光体薄膜層としたEL)電界発光)素子は、安価な大面積フルカラー表示素子を実現するものとして注目を集めている(電子情報通信学会技術報告、第89巻、No.10649ページ、1989年)。報告によると、第5図に示すように強い蛍光を発する有機色素を有機発光体薄膜層54に使用し、青、緑、赤色の明るい発光を得ている。これは、薄膜状で強い蛍光を発し、ピンホール欠陥の少ない有機色素を用いたことで、高輝度なフルカラー表示を実現できたと考えられている。
(発明が解決しようとする課題) 前述の有機色素を用いた有機薄膜EL素子は、青、緑、赤の発光を示す。しかし、従来より知られているように、有機色素の中には溶液状では非常に強い蛍光を示しながら、薄膜状では極端に蛍光が弱くなったり、全く蛍光を示さないものも多くあって、選択できる色素材料の数は限られ、高輝度なフルカラー表示有機薄膜EL素子実現のためにはまだ十分ではない。
本発明は以上のべたような従来の事情に対処してなされたもので、これまで薄膜状では蛍光が弱すぎて利用できなかった有機色素を用いることもできる高輝度なフルカラーの有機薄膜EL素子を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、低電圧駆動で高輝度なフルカラーの有機薄膜EL素子を得るべく鋭意研究の結果、有機発光体薄膜層の有機発光材料を有機電荷輸送性材料中に分散させることで濃度消光が防止され、有機色素の選択の幅が広がって特性の優れた有機薄膜EL素子が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、少なくとも一方が透明な一対の電極間に少なくとも有機発光体薄膜層を有する有機薄膜EL素子において、有機発光体薄膜層の成分が有機電荷輸送性材料と有機発光材料の混合物からなることを特徴とする有機薄膜EL素子である。
本発明の有機薄膜EL素子としては、第1図のようにガラス基板11上に透明電極12と背面電極15との間に有機発光体薄膜層14のみが形成されたものの他、第2図のように有機正孔注入層23と有機発光体薄膜層24が形成されたもの、第3のように有機発光体薄膜層34と有機電子注入層36が形成されたもの、および第4図のように有機正孔注入層43、有機発光体薄膜層44、有機電子注入層46が形成されあものが挙げられる。
なお、透明電極としては通常用いられるものであればいずれでもよく、例えばITO以外にはSnO2:Sb、ZnO:AlやAuなどが挙げられる。背面電極にはIn、Mg、Ag、Mg:In、Mg:Agなどが使われる。
本発明の有機発光材料として用いられる請求項(2)のピラン誘導体の具体的な例としては、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-[2-(9-ジュロリジイル)エチニル]-4H-ピラン、4-(ジシアノメチレン)-2-フェニル-6[2-(9-ジュロリジイ ル)エチニル]-4H-ピラン、4-(ジシアノメチレン)-2,6-[2-(9-ジュロイジイル)エチニル]-4H-ピラン、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-[2-(9-ジュロリジイル)エチニル]-4H-チオピランなどがあるがこの限りではない。
本発明の有機発光材料として用いられる請求項(3)のクマリン誘導体の具体的な例としては、7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン、4,6-ジメチル-7-エチルアミノクマリン、3-(2'-ベンゾチアゾイル)-7-ジエチルアミノクマリン、3-(2'-ベンズイミダゾイル)-7-N,N-ジエチルアミノクマリン、7-アミノ-3-フェニルクマリン、3-(2'-N-メチルベンズイミダゾイル)-7-N,N-ジエチルアミノクマリン、7-ジエチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-8-メチルキノルアジノ[9,9a,1-gh]クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン、7-ジメチルアミノシクロペンタ[C]クマリン、7-ジメチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H-テロラヒドロ-8-トリフルオロメチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジン-10-オン、4- メチル-7-(スルホメチルアミノ)クマリンナトルム塩、7-エチルアミノ-6-メチル-4-トリフルオロメチルクマリン、7-ジメチルアミノ-4-メチルクマリン、1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ-カルボエトキシ[1]-ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、9-アセチル-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、9-シアノ-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、9-(t-ブトキシカルボニル)-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、4-メチルピペリジノ[3,2-g]クマリン、4-トリフルオロメチルピペリジノ[3,2-g]クマリン、9-カルボキシ-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、N-エチル-4-トリフルオロメチルピペリジノ[3,2-g]クマリン、2,3,6,7-テトラヒドロ-11-オキソ-1H,5H,11H-(1)ベンゾピラノ[6,7,8-ij]-キノリジン-10-カルボン酸などがあるがこの限りではない。
本発明の有機発光材料として用いられる請求項(4)のシアニン誘導体の具体的な例としては、3,3'-(ジ-n-プロピル)-2,2'-オキサカルボシアニンアイオダイド、3,3'-)ジ-n-ペンチル)-2,2'-オキサカルボシアニンアイオダイド、3,3'-(ジ-n-ヘキシル)-2,2'-オキサカルボシアニンアイオダイド、3,3'-(ジ-n-プロピル)-2,2'-オキサカルボシアニンアイオダイド、3,3'-(ジ-n-プロピル)-2,2'-チアジカルボシアニンアイオダイド、1-カルボキシエチル-3'-エチル-4,2'-キノ-チアジカルボシアニンアイオダイド、1-1'-ジエチル-3,3,3',3'-テトラメチル-2,2'-インドトリカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-オキサシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-チアシアニンアイオダイド、1,3,3,1',3',3'-ヘキサメチル-2,2'-インドシアニンパークロレート、1,3'-ジエチル-2,2'-キノ-チアシアニンアイオダイド、1,3'-ジエチル-2,2'-キノ-セレナシアニンアイオダイド、1,1'-ジエチル-2,2'-キノシアニンアイオダイド、1,1'-ジエチル-2,4'-キノシアニンアイオダイド、3,3′−ジエチル-2,2'-チアゾリノカルボシアニンアイオダイド、 3,3'-ジエチル-2,2'-オキサカルボシアニンアイオダイド、3,3,9'-トリエチル-5,5'-ジフェニル-2,2'-オキサカルボシアニンアイオダイド、1,3,1',3'-テトラエチル-5,6,5',6'-テトラクロロ-2,2'-イミダカルボシアニンアイオダイド、1,3,3,1',3',3'-ヘキサメチル-2,2'-インドカルボシアニンアイオダイド、3,3',9-トリエチル-2,2'-チアカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-9-メチル-チアカルボシアニンアイオダイド、アンハイドロ-3,3'-ジスルホプロピル-9-メチルセレナカルボシアニンハイドロキサイドトリエチルアミン塩、3,3'-ジエチル-4,4'-ジメチル-2,2'-チアゾロカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-チアカルボシアニンアイオダイド、アンハイドロ-3,3'-ジスルホプロピルチアカルボシアニンハイドロキサイドトリエチルアミン塩、3,3'-ジエチル-2,2'-セレナカルボシアニンアイオダイド、アンハイドロ-3,3'-ジスルホプロピル-9-メチル-2,2'-(4,5,4',5'-ジベンゾ)チアカルボシアニンハイドロキサイドトリエチルアミン塩、3,3'-ジエチル-9-メチル-2,2'-(6,7,6',7'-ジベンゾ)チアカルボシアニ ンアイオダイド、3,3',9-トリエチル-2,2'-(4,5,4',5'-ジベンゾ)チアカルボシアニンブロマイド、1,3,3,1',3',3'-ヘキサメチル-2,2'-(4,5,4',5'-ジベンゾ)-インドカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-(6,7,6',7'-ジベンゾ)チアカルボシアニンアイオダイド、1,3'-ジエチル-4,2'-キノキサカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-(4,5,4',5'-ジベンゾ)チアカルボシアニンアイオダイド、1,1'-ジエチル-2,2'-キノカルボシアニンアイオダイド、1,3'-ジエチル-4,2'-キノチアカルボシアニンアイオダイド、1,1'-ジエチル-2,4'-キノカルボシアニンアイオダイド、1,1'-ジエチル-4,4'-キノカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-オキサジカルボシアニンアイオダイド、1,3,3,1',2',3'-オキサメチル-2,2'-インドジカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-チアジカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-9,11-ネオペンチレン-2,2'-チアジカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-セレナジカルボシアニンアイオダイド、1,3,3,1',3',3'-ヘキサメチル-2,2'-(4,5,4',5'-ジベン ゾ)インドジカルボシアニンパークロレート、3,3'-ジエチル-2,2'-(6,7,6',7'-ジベンゾ)チアジカルボシアニンアイオダイド、3,3'-ジエチル-2,2'-(4,5,4',5'-ジベンゾ)チアジカルボシアニンアイオダイド、1,1'-ジエチル-11-クロロ-2,2'-キノジカルボシアニンブロマイド、1,1'-ジエチル-2,2'-キノジカルボシアニンアイオダイド、1,1'ジエチル-11-クロロ-4,4'-キノジカルボシアニンアイオダイド、1,1'-ジエチル-4,4'-キノジカルボシアニンアイオダイドなどがあるがこの限りではない。
本発明の有機発光材料として用いられる請求項(5)のキサンテン系色素の具体的な例としては、9-(2'-カルボキシフェニル)-6-ヒドロキシ3H-キサンテン-3-オン、9-(2'-カルボキシフェニル)-2,7-ジクロロ-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オン、2,4,5,7-テトラブロモ-9-(2'-カルボキシフェニル)-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オンジナトリウム塩、4,5-ジブロモ-9-(2'-カルボキシフェニル)-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オンジナトリウム塩、4,5-ジヨード-9-(2'-カルボキシフェニル)-6-ヒドロキシ-3H-キサン テン-3-オンジナトリウム塩、2,4,5,7-テトラブロモ-3',4',5',6'-テトラクロロ-9-(2'-カルボキシフェニル)-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オンジナトリウム塩、2,4,5,7-テトラヨード-9-(2'-カルボキシフェニル)-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オンジナトリウム塩、2,4,5,7-テトラヨード-3',4',5',6'-テトラクロロ-9-(2'-カルボキシフェニル)-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オンジナトリウム塩、2-(6-アミノ-3-イミノ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾイックアシッドヒドロクロリド、メチル-2,6-アミノ-3-イミノ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾエートヒドロクロリド、エチル-2-(6-エチルアミノ-3-エチルイミノ-3H-キサンテン-9イル)ベンゾエートヒドロクロリド、エチル-2-(6-エチルアミノ-3-エチルイミノ-2,7-ジメチル-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾエートヒドロクロリド、2-(6-メチルアミノ-3-メチルイミノ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾイックアシッドパークロレート、2-(6-ジメチルアミノ-3-ジエチルイミノ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾイックアシッドヒドロクロリド、2-(6-ジメチルアミノ-3-ジメチルイミノ-3H- キサンテン-9-イル)ベンゾイックアシッドパークロレート、エチル-(6-ジエチルアミノ-3-ジエチルイミノ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾエートヒドロクロリド、2-(6-エチルアミノ-3-エチルイミノ-2,7ジメチル-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾイックアシッドパークロレート、エチル-(6-エチルアミノ-3-エチルイミノ-2,7ジメチル-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾエートパークロレート、2-(6-アセチルアミノ-3-アセチルイミノ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾイックアシッド、8-(2,4-ジスホニル)-2,3,5,6,11,2,14,15-1H,4H,10H,13H-オクタヒドロジキノリジノ[9,9a,1-bc;9,9a,1-hi]キサンテリウムヒドロクロリド、スルホローダミンB,[9-(0-カルボキシフェニル)-6-(ジエチルアミノ)-3H-キサンテン-3-イリデン]
ジエチルアンモニウムクロリド、等あるがこの限りではない。
本発明の有機発光材料として用いられる請求項(6)のピリリウム系色素の具体的な例としては、2-(3',4'-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-1-ベンゾピリリウムパークロレート、7-ヒドロ キシ-2-[3-(7-ヒドロキシ-2H-1-ベンゾピラン-2-イリデン)-1-プロペニル]-1-ベンゾピリリウムパークロレート、2-フェニル-4-[2-[4-[2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エトシキシ]フェニル]-エテニル]-1-ベンゾピリリウムパークロレート、2,4,6-トリフェニルチオピリリウムパークロレート、2,6-ジフェニル-4-(4-メチルフェニル)チオピリリウムパークロレート、2,6-ビス(4-メチルフェニル)-4-(フェニルチオピリリウム)パークロレート、2,6-ジフェニル-4-(4-メトキシフェニル)チオピリリウムパークロレート、2,6-ジフェニル-4-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]チオピリリウムパークロレート、2,6-ビス(4-メトキシフェニル)-4-フェニルチオピリリウムパークロレート、2,6-ジフェニル-4-[(3-メチル-2-ベンゾオキサゾリニルイデン)メチル]チオピリリウムパークロレート、2,6-ジフェニル-4-[(3-メチル-2-ベンゾチアゾリニルイデン)メチル]チオピリリウムパークロレート、2,6-ジフェニル-4-[3-(1,3,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イリデン)-1-プロペニル]チオピリリウムパークロレート、2,6- ジフェニル-4-[3-(1,3,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イリデン)-1-プロペニル]セレナピリリウムパークロレート、4-(1'-ベンゾチオピラン-2'-イリデンメチル)-2-メチル−1−ベンゾチオピリリウムパークロレート、4-(4'-ジメチル-1'-ベンゾチオピラン-2'-イリデンメチル)-1-ベンゾチオピリリウムパークロレート、4-(4'6'-ジメチル-1'-ベンゾチオピラン-2'-イリデンメチル)-6-メチル-1-ベンゾチオピリリウムパークロレート、4-(4'-メトキシ-1'-ベンゾチオピラン-2'-イリデンメチル)-2-メチル-1-ベンゾチオピリリウムパークロレート、4-(4'-メチル-7'-メトキシ-1'-ベンゾピラン-2'-イリデンメチル)-7-メトキシ-1-ベンゾチオピリリウムパークロレート、4-(4'-メチル-7'-メトキシ-1'-ベンゾピラン-2'-イリデンメチル)-2-メチルチオ-7-メトキシ-1-ベンゾピリリウムパークロレート、4-(4'7'-ジメトキシ-1'-ベンゾチオピラン-2'-イリデンメチル)-2-メチル-7-メトキシ-1-ベンゾチオピリリウムパークロレート、4-(4'-メトキシ-7'-クロロ-1'-ベンゾチオピラン-2'-イリデンメチル)-2-メチル-7-クロロ-1-ベンゾピリリウム パークロレート、4-(4'-ジメチルアミノフェニル)-2-(4-メトキシフェニル-6-フェニルピリリウムパークロレート、4,6-ジェニル-2-(4-エトキシフェニル)チオピリリウムパラ-トルエンスルホネート、2-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-4-(パラートリル)-ピリリウムテトラフルオロボレート等があるがこの限りではない。
本発明の有機発光材料として用いられる請求項(7)のオキソベンゾアントラセンの具体的な例としては、4-オキソ-10-メチル-4H-ベンゾ[d,e]アントラセンナトリウム、4-オキソ-10-メチル-4H-ベンゾ[d,e]アントラセン12-オラート、13-クロル-4-オキソ-10-メチル-4H-ベンゾ[d,e]アントラセン、ナトリウム、13-クロル-4-オキソ-10-メチル-4H-ベンゾ[d,e]アントラセン、13-クロル-4-オキソ-10-メチル−12−N-メチル-N-フェニルカルバミルオキシ)-4H-ベンゾ[d,e]アントラセン、4-オキソ-10-メチル-12-ピロリジニル-4H-ベンゾ[d,e]アントラセン、10-ブトキシカルボニル-4-オキソ-4H-ベンゾ[d,e]アントラセン、ナトリウム10-ブトキシカルボニル-4-オキソ- 4H-ベンゾ[d,e]アントラセン12-オラート、ナトリウム、12-ブトキシカルボニル-13-クロロ4H-オキソ-4H-ベンゾ[d,e]アントラセン12-オラートなどがあるがこの限りではない。
また、本発明の有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(8)の第3級ジアミン系化合物の具体的な例としては、1,1-ビス(4-ジ-パラ-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ジ-パラ-トリルアミノフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、N,N,N',N'-テトラ-パラ-トリル-4,4'-ジアミノビフェニル、N,N,N',N'-テトラフェニル-4,4'-ジアミノビフェニル、4-(ジ-パラ-トリルアミノ)-4'-[4-(ジ-パラ-トリルアミノ)-スチリル]スチルベン、ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン、4,4'-ビス(ビフェニルアミノ)クワドリフェニル、等があるがこの限りではない。
本発明の有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(9)のフタロシアニン化合物の具体的な例としては、フタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、クロムフタ ロシアニン、鉄フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、銅フタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、鉛フタロシアニン、ヘキサデカヒドロフタロシアニン、マグネシウムヘキサデカヒドロフタロシアニン、ニッケルヘキサデカヒドロフタロシアニン、コバルトヘキサデカヒドロフタロシアニン、銅ヘキサデカヒドロフタロシアニン、テトラフェニルフタロシアニン、マンガンテトラフェニルフタロシアニン、コバルトテトラフェニルフタロシアニン、鉛テトラフェニルフタロシアニン、スズテトラフェニルフタロシアニン、パラジウムテトラフェニルフタロシアニン、テトラキス-タ-シャリ-ブチルフタロシアニン、フタロシアニンスルボン酸ナトリウム塩等があるがこの限りではない。
有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(10)のナフタルイミド系化合物の具体的な例としては、N-メチル-4-アミノナフタルイミド、N-エチル-4-アミノナフタルイミド、N-プロピル-4-アミノナフタルイミド、N-n-ブ チル-4-アミノナフタルイミド、4-アセチルアミノナフタルイミド、N-メチル-4-アセチルアミノナフタルイミド、N-エチル-4-アセチルアミノナフタルイミド、N-プロピル-4-アセチルアミノナフタルイミド、N-n-ブチル-4-アセチルアミノナフタルイミド、N-メチル-4-メトキシナフタルイミド、N-エチル-4-メトキシナフタルイミド、N-プロピル-4-メトキシナフタルイミド、N-n-ブチル-4-メトキシナフタルイミド、N-メチル-4-エトキシナフタルイミド、N-エチル-4-エトキシナフタルイミド、N-プロピル-4-エトキシナフタルイミド、N-n-ブチル-4-エトキシナフタルイミド、4-アミノナフタルイミド、N-(2,4-キシリル)-4-アミノナフタルイミドなどがあるがこの限りではない。
有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(11)のキノリノール金属錯体の具体的な例としては、トリス(8-ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、ビス(8-キノリノール)マグネシウム、トリス(8-キノリノール)インジウム、ビス(ベンゾ(f)-8-キノリノール)亜鉛、トリス(5- メチル-8-キノリノール)アルミニウム、8-キノリノールリチウム、トリス(5-クロロ-8-キノリノール)ガリウム、ビス(5-クロロ-8-キノリノール)カリシウムなどがあるがこの限りではない。
有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(12)の第3級アミン誘導体の具体的な例としては、4,4'-ジメチル-4"-(2,2-ジフェニル)ビニル)トリフェニルアミン、4,4'-ジメトキシ-4"-(2-(1-ナフェチル)ビニル)トリフェニルアミン、N,N-ジフェニル−4−(α−スチリル)-1-ナフチルアミン、4,4'-ジメチル-4"-(2-(4-クロロフェニル)ビニル)トリフェニルアミン、9-(2-(4-N,N-ジエチルアミノ)フェニル)ビニル)アントラセンなどがあるがこの限りではない。
有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(13)のスチリル系化合物の具体的な例としては、2-(p-ジフェニルアミノスチリル)ナフト[1,2-d]チアゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ナフト[1,2-d]チアゾール、2-(p-ジフェニルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2- (p-ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジフェニルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジフェニルアミノスチリル)キノリン、2-(p-ジメチルアミノスチリル)キノリン、4-(p-ジフェニルアミノスチリル)キノリン、4-(p-ジメチルアミノスチリル)キノリン、2-(p-ジフェニルアミノスチリル)ベンゾチアゾール、2-(p-ジフェニルアミノスチリル)-3,3-ジメチル-3H-インドール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)-3,3-ジメチル-3H-インドールなどがあるがこの限りではない。
有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(14)のジフェノキノン誘導体の具体的な例としては、2,6-ジメチル-2',6'-ジ-t-ブチルジフェノキノン、2,2',6,6'-テトラ-t-ブチルジフェノキノン、2,2',6,6'-テトラメチルジフェノキノンなどがあるが、この限りではない。
有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料として用いられる請求項(15)の3,9-ペリレンジカルボン酸エステルの具体的な例として3,9-ペリレンジカルボン酸ジフェニルエステル、3,9-ペリレンジ カルボン酸ジメチルエステル、3,9-ペリレンジカルボン酸-ジ-(p-ジメトキシフェニル)エステル、3,9-ペリレンジカルボン酸-ジ-(o-ジメトキシフェニル)エステル、3,9-ペリレンジカルボン酸-ジ-(p-ジメトキシフェニル)エステル、3,9-ペリレンジカルボン酸-ジ-(p-ジメチルアミノフェニル)エステル、3,9-ペリレンジカルボン酸-ジ-(p-ジエチルアミノフェニル)エステルなどがあるがこの限りではない。
(実施例) 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1) 有機発光体薄膜層の有機発光材料として2,3,6,7-テトラヒドロ-11-オキソ−1H,5H,11H-(1)ベンゾピラノ[6,7,8-ij]-キノリジン-10-カルボン酸を用い、有機電荷輸送性材料として1,1-ビス-(4-N,N-ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンを用いた。
第1図に示すように、ガラス基板11上にITO透明電極12を形成してから、上記の有機発光材料が有機発光体薄膜層中に5モル%含まれるように有機電荷 輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層14を1000Å形成した。最後に背面金属電極15としてInを電子ビーム蒸着法で1500Å形成して有機薄膜EL素子を作製した。
この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ、約7Vの直流電圧の印加で約500cd/m2の明るい青緑色発光が得られた。従来の素子に比べ、発光輝度効率が1.5から2倍改善されている。この有機薄膜EL素子を電流密度0.5mA/cm2の状態でエージング試験をしたところ、輝度半減時間は300時間以上であった。従来の素子では100から300時間であった。
(実施例2) 有機発光体薄膜層の発光材料として4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピランを用いた以外は実施例1と同様にして素子を作製し、約200cd/m2の明るい橙色発光が得られた。
(実施例3) 有機発光体薄膜層の発光材料として1,1'-ジエチル-2,2'-キノシアニンアイオダイドを用いた以外は実施例1と同様にして素子を作製した。約7Vの直流電圧の印加で約100cd/m2の明るい黄色発光が得られた。この素子を電流密度0.5mA/cm2の状態でエージング試験をしたところ輝度半減時間は約300時間であった。
(実施例4) 有機発光体薄膜層の発光材料として、3,3'-ジエチル-2,2'-チアカルボシアニンアイオダイドを用いた以外は実施例1と同様にして素子を作製し、約150cd/m2の明るい黄色発光が得られた。
(実施例5) 有機発光体薄膜層14の有機発光材料として、2-(6-ジエチルアミノ-3-ジエチルイミノ-3H-キサンテン-9-イル)-ベンゾイックアシッドヒドロクロリドを用いた以外は実施例1と同様にして素子を作製した。
この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したことろ、約10Vの直流電圧の印加で約120cd/m2の明る い黄色発光が得られた。従来の素子に比で発光輝度効率が約1.2倍改善されている。
(実施例6) 有機発光体薄膜層の発光材料として、エチル-2-(6-エチルアミノ-3-エチルイミノ-3H-キサンテン-9-イル)ベンゾエートヒドロクロリドを用いた以外は実施例1と同様にして素子を作製し、約15Vの直流電圧の印加で約100cd/m2の明るい黄色発光が得られた。
(実施例7) 有機発光体薄膜層14の機発光材料として、2-13',4'-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-1-ベンゾピリリウムパークロレートを用いた。第1図に示すようにガラス基板11にITO透明電極12を形成してから上記の有機発光材料が有機発光体薄膜層中に5モル%含まれるように有機電荷輸送性材料ととみに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層14を1000Å形成した。最後に背面金属電極15として、Inを電子ビーム蒸着法で1500Å形成して有機薄膜EL素子を作製した。この素子の発光特性を 乾燥窒素中で測定したところ約10Vの直流電圧の印加で約120cd/m2の明るい赤色発光が得られた。
(実施例8) 有機発光体薄膜層14の有機発光材料として、4-オキソ-10-メチル-4H-ベンゾ[d,e]アントラセンを用いた。これ以外は、実施例7と同様にして有機薄膜EL素子を作製した。この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ約10Vの直流電圧の印加で約120cd/m2の明るい発光が得られた。発光が得られた。
(実施例9) 有機発光体薄膜層14の有機電荷輸送性材料として、無金属フタロシアニンを用い、有機発光材料として、2-(6-ジメチルアミノ-3-ジエチルイミノ-3H-キサンテン-9-イル)-ベンゾイックアシッドヒドロクロリドを用いた。
第1図に示すように、ガラス基板11にITO透明電極12を形成してから、上記の有機発光材料が有機発光体薄膜層中に5モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着し て有機発光体薄膜層14を1000Å形成した。最後に背面金属電極15として、Inを電子ビーム蒸着法で1500Å形成して有機薄膜EL素子を作製した。この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ約10Vの直流電圧の印加で約120cd/m2の明るい黄色発光が得られた。従来の素子に比べ発光輝度効率が約1.2倍改善されている。
(実施例10) 有機発光体薄膜層14の有機電荷輸送性材料として、コバルトフタロシアニンを用いた以外は実施例9と同様にして素子を作製し、約15Vの直流電圧の印加で約100cd/m2の明るい黄色発光が得られた。
(実施例11) 有機発光体薄膜層14の有機電荷輸送性材料として4-(ジ−パラ−トリルアミノ-4'[4-(ジ−パラ−トリルアミノ)スチリル]スチルベンを用い有機発光材料として4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピランを用いた。第1図に示すようにガラス基板11にITO透明電極12を形成して から上記の有機発光材料が有機発光体薄膜中に1モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層14を1000Å形成した。最後に背面電極15としてInを電子ビーム蒸着法で1500Å形成して有機薄膜EL素子を作製した。この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ約15Vの直流電圧の印加で約100の明るい橙色発光が得られた。
(実施例12) 有機発光体薄膜層14の有機電荷輸送性材料としてN-(2,4-キシリル)-4-アミノナフタルイミドを用い、有機発光材料として4-(ジシアノミチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピランを用いた。第2図に示すようにガラス基板21にITO透明電極22を形成してから、正孔注入層として、1,1-ビス(4-N,N-ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンを用い10-7Torrの真空蒸着で形成した。次に上記の有機発光材料が有機発光体薄膜中に1モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層24を 700Å形成した。最後に背面電極25としてMgIn合金(In10at%)を電子ビーム蒸着で1500Å形成して、素子を作成した。この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ、約13Vの直流電圧の印加で約100cd/m2の橙色発光が得られた。
(実施例13) 有機発光体薄膜層14の有機電荷輸送性材料としてトリス(8-ヒドロキシキノリノール)アルミニウムを用い、有機発光材料として、2,3,6,7-テトラヒドロ-9-メチル-11-オキソ-1H,5H,11H-(1)ベンゾピラノ[6,7,8-ij]-キノリジンをもちいた。第2図に示すようにガラス基板21にITO透明電極22を形成してから、正孔注入層として1,1-ビス(4-N,N-ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンを用い10-7Torrの真空蒸着で形成した。次に上記の有機発光材料が有機発光体薄膜中に1モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層24を500Å形成した。最後に、背面電極25としてMgIn合金(In10at%)を電子ビーム蒸着で1500Å形成して、素子を作成した。この素 子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ、約20Vの直流電圧の印加で約80cd/m2の青色の発光が得られた。
(実施例14) 有機発光体薄膜層14の有機電荷輸送性材料として2-(p-ジメチルアミノスチリル)-3,3-ジメチル-3-インドールを用い、有機発光材料として、-4(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピランをもちいた。第3図に示すようにガラス基板31にITO透明電極23を形成してから、上記の有機発光材料を有機発光体薄膜中に1モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層34を500Å形成した。次に有機電子注入層36として2-(4'-tert-ブチルフェニル)-5-(4"-ビフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールを用い、10-6Torrの真空中で300Å蒸着した。最後に、背面電極35としてMgIn合金(In10at%)を電子ビーム蒸着で1500Å形成して、素子を作成した。この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定し たところ、約18Vの直流電圧の印加で約100cd/m2の橙色の発光が得られた。
(実施例15) 有機発光体薄膜層の有機電荷輸送性材料として4,4'-ジメチル-(4"(2,2-ジフェニル)ビニル)トリフェニルアミンを用い、有機発光材料として、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピランをもちいた。第4図に示すようにガラス基板41にITO透明電極42を形成してから、正孔注入層43として1,1-ビス(4-N,N-ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンを用い、10-7Torrの真空蒸着で形成した。次に上記の有機発光材料が有機発光体薄膜中に1モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層44を500Å形成した。次に有機電子注入層36として2-(4'-tert-ブチルフェニル)-5-(4"-ビフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールを用い、10-6Torrの真空中で300Å蒸着した。最後に、背面電極35としてMgIn合金(In10at%)を電子ビーム蒸着で1500Å形成して、素子を作成した。この素子の発光 特性を乾燥窒素中で測定したところ、約20Vの直流電圧の印加で約100cd/m2の橙色の発光が得られた。
(実施例16) 有機発光体薄膜層の有機電荷輸送性材料として2,6-ジメチル-2',6'-ジ-t-ブチルジフェニキノンを用い、有機発光材料として、N,N-(ジ-1,4-t-ブチル)3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシルイミドを用いた。第2図に示すようにガラス基板21にITO透明電極22を形成してから、正孔注入層23として1,1-ビス(4-N,N-ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンを用い、10-7Torrの真空蒸着で形成した。次に上記の有機発光材料が有機発光体薄膜中に1モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層24を700Å形成した。最後に、背面電極25としてMgIn合金(In10at%)を電子ビーム蒸着で1500Å形成して、素子を作成した。この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ、約15Vの直流電圧の印加で約50cd/m2の赤色の発光が得られた。
(実施例17) 有機発光体薄膜層の有機電荷輸送性材料として3,9-ペリレンジカルボン酸ジフェニルエステルを用い、有機発光材料として、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチル)-4H-ピランを用いた。第2図に示すようにガラス基板21にITO透明電極22を形成してから、正孔注入層23として1,1-ビス(4-N,N-ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサンを用い、10-7Torrの真空蒸着で形成した。次に上記の有機発光材料が有機発光体薄膜中に1モル%含まれるように有機電荷輸送性材料とともに10-7Torrの真空中で共蒸着して有機発光体薄膜層24を500Å形成した。最後に、背面電極25としてMgIn合金(In10at%)を電子ビーム蒸着で1500Å形成して、素子を作成した。この素子の発光特性を乾燥窒素中で測定したところ、約20Vの直流電圧の印加で約120cd/m2の赤色の発光が得られた。
(発明の効果) 以上説明したように本発明により、青から赤に至る高輝度な有機薄膜EL素子のフルカラー化を実 現でき、低電圧駆動の薄膜発光体としてきわめて有効であり、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図から第4図は本発明の実施例に用いた有機
薄膜EL素子の概略断面図、第5図は従来より知られ
ている有機薄膜EL素子の概略断面図である。
11,51…ガラス基板、12,25…ITO透明電極、23,43,
53…有機正孔注入層、14,24,34,44,54…有機発光体
薄膜層、15,55…背面電極、36,46…有機電子注入層

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一方が透明な一対の電極間に少なくとも有機発光体薄膜層を有する有機薄膜EL素子において、有機発光体薄膜層の成分が有機電荷輸送性材料と有機発光材料の混合物からなることを特徴とする有機薄膜EL素子。
【請求項2】 有機発光体薄膜層に含まれる有機発光材料は、一般式;


(式中、Xは酸素原子または硫黄原子、R1は2-(4-置換もしくは未置換アミノスチリル)基または2-(9-ジュロリジイル)エチニル基、R2はアルキル基、ア リール基または2-(9-ジュロリジイル)エチニル基を示す。)
で示されるピラン誘導体である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項3】 有機発光体薄膜層に含まれる有機発光材料は、一般式;


(式中、R3は水素原子、カルボキシル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基、シアノ基、アリール基または複素環式芳香族化合物、R4は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、カルボキシル基、アルカノイル基またはアルコキシカルボニル基、R5は水素原子またはアルキル基、R6は置換もしくは未置換のアミノ基、R7は水素原子またはアミノ基を含んだR6と縮合環を 形成してもよい。また、R3とR4は互いに縮合炭素環状体を形成してもよい。)
で示されるクマリン誘導体またはその塩である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項4】 有機発光体薄膜層に含まれる有機発光材料は、一般式;


(式中、nは0〜3の整数であり、R1は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子、あるいはR1同士でネオペンチレン基を形成してもよく、R2およびR3は少なくとも窒素原子を含む複素環化合物残基を示し、かつR2とR3のどちらか一方の複素環に含まれる窒素原子は正の電荷を持っている)で示されるシアニン系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項5】 有機発光体薄膜層に含まれる有機発光材料は一般式;
(I)

(式中、R11〜R17はそれぞれ同一もしくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アリル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトロ基又はハロゲン原子)または(II)


(式中、R21〜R31はそれぞれ同一もしくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、アリール基、 置換アルキル基、置換アリール基、アリル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、ニトロ基又はハロゲン原子)で示されるキサンテン系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項6】 有機発光体薄膜層に含まれる有機発光材料は一般式;
(I)

(式中、R1〜R5はそれぞれ同一もしくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラルキル基、アリル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボ キシル基、スルホニル基、ニトロ基、アミノ基、イミド基又はハロゲン原子)、X1は、酸素、硫黄又はセレン、Y1は、過塩素酸、スルホン酸、又は、フルオロほう酸、または;


(式中、R6〜R12はそれぞれ同一もしくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラルキル基、アリル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボニル基、スルホニル基、ニトロ基、アミノ基、イミド基又はハロゲン原子、X2は、酸素、硫黄又はセレン、 Y2は、過塩素酸、スルホン酸、又は、フルオロほう酸で示されるピリリウム系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項7】 有機発光体薄膜層に含まれる有機発光材料は一般式;


(式中、R1は、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は、アルコキシカルボニル基、R2は、ヒドロキシル基又はハロゲン原子、R3は、ヒドロキシル基又は−O、ただしMは、ナトリウム、カリウム、リチウム又はアンモニウム)で示されるオキソベンゾアントラセン系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項8】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料は一般式;


(式中、R1〜R4は同一もしくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、または置換アリール基、R5はアルキレン基)で示される第3級ジアミン系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項9】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料は一般式;
(I)

(式中、R1〜R6はそれぞれ同一もしくは異なる基であって、水素原子、水酸基、フェニル基、アルキル基、又はスルホン酸塩)または、 (II)


(式中、R17〜R32はそれぞれ同一もしくは異なる基であって、水素原子、フェニル基、アルキル基、又はスルホン酸塩、Mは金属、 で示されるフタロシアニン系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項10】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料は一般式;


(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、アルコキシル基、フェニル基、置換フェニル基、アミノ基、アシルアミノ基からなる群から選ばれる)で示されるナフタルイミド系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項11】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料は一般式;
(I)

(式中、Mは金属原子、R1〜R3は同一でも相異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシル基またはハロゲン基からなる群から選ばれ、nは1から3の整数である)または、(II)


(式中、Mは金属原子、R1〜R3は同一でも相異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキ シル基またはハロゲン基からなる群から選ばれ、nは2または3の整数である)で示されるキノリノール金属錯体である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項12】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送性材料は一般式、

(式中、R1は水素原子、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、R2はフェニル基、置換フェニル基、置換フェニル基、R3はフェニレン基、ナフチレン基、R4はアルキル基、フェニル基、置換フェニル基、R5はアルキル基、フェニル基、置換フェニル基からなる群から選ばれる。)で示される第3級アミン誘導体である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項13】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送材料は一般式、

(式中、Aはベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、インドールおよびキノリンからなる群から選ばれる。また、R1とR2とフェニル基、置換フェニル基およびアルキル基からなる群から選ばれる。)で示されるスチリル系化合物である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項14】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送材料は一般式、

(式中、R1〜R4はそれぞれ同一もしくは異なる基であって、アルキル基、アリル基、アルコキシル基またはハロゲン原子を示す)で表されるジフェノキノン誘導体である請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。
【請求項15】 有機発光体薄膜層に含まれる有機電荷輸送材料は一般式、

(式中、Rはアルキル基、アルコキシル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選ばれる。)で示される3,9-ペリレンジカルボン酸エステルである請求項(1)に記載の有機薄膜EL素子。