説明

木材の加工方法

【課題】簡単な工程で機械的強度が高く、安全性や耐久性が高木材を得ることができる木材の加工方法を提供する。
【解決手段】原木から切り出され、上面及び下面に板目面又は追柾面を有する木材片10を一対の金型によって木材片の上面及び下面に対して全面に同時に垂直方向にプレス処理を行う圧縮工程S12を有する。圧縮工程S12で圧縮された木材片を形状安定化用の無機質処理剤の溶液に浸漬する含浸工程S14と、含浸工程S14で処理剤溶液が含浸した木材片10を固化乾燥する乾燥工程S16とを備える。圧縮工程S12は、木材片10が処理剤溶液に浸漬された状態で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製材した木材に対して形状安定化処理を施す木材の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
木材は、木目や色合い等の独特の風合いによって、人に安心感、美感、個性的な味わいなどを与える優れた特質を有している。そこで、軽金属や合成樹脂等に代えて、親しみやすい商品を生み出す木材という素材が注目されている。また、森林の健康を守るため、小径木の間伐が行われているが、それら間伐材は強度等の面で建築材などに適さず、産業廃棄物として処理される場合もあり、間伐材の有効利用ついて大きな関心が持たれている。
【0003】
一方、木材は、一般に軽金属や合成樹脂に比べて硬度、耐久性、耐候性、耐水性、防菌性等が劣るため、これらの性能を改善する取り組みが盛んに行われている。例えば、有機質の樹脂を木材に含浸させて硬化し、木目等の風合いを保ちつつ、木材を改質する方法が知られている。しかし、建材に使用されるホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物が引き起こすシックハウス症候群等が問題視されている他、引いては、有機化学物質が引き起こす水質汚染、大気汚染、土壌汚染等の環境問題も従来から顕在化していることから、改善が求められている。
【0004】
昨今、無機質である処理剤を用いて木材を改質する方法が提案されている。例えば特許文献1に開示されている無機質複合木材及びその製造方法は、木材にガラス成分より組成される中性もしくは弱酸性の珪酸−ポリエチレングリコール水溶液を含浸させ、硬化させることで、木材表面及び表層部にガラス成分を生成して、木材を無機質複合化させたものである。この技術によれば、木材の硬度が向上し、多孔質である木材の表面及び表層部分の導管を塞いで耐水性や防菌性が向上し、高い難燃性が得られ、さらに紫外線による劣化を防止する等の効果が得られる。
【0005】
また、木材の強度を向上させるため、木材をプレス等により内部繊維の方向と垂直な方向に圧縮し、細胞の空隙を押し縮め緻密な材質へと改質する方法が、特許文献2に開示されている。この処理方法は、木材を一対の金型によって3次元形状に圧縮し、さらに木材表層に油を含浸させ、木材の風合いを保ちながら、木材の強度及び耐久性を向上させる加工方法が提案されている。
【特許文献1】特開2007−90847号公報
【特許文献2】特開2007−90723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示された無機複合化木材の製造方法にあっては、木材の内部に、ガラス成分より組成される中性もしくは弱酸性の珪酸−ポリエチレングリコール水溶液を浸透させるため、液中減圧法、空気減圧薬液注入法、空気減圧薬液加圧注入法などを用いた含浸工程が必要であった。これらの方法は、木材片を圧力容器等の設備に投入し、加圧・減圧の負荷を与え、当該水溶液等を強制的に短時間で繊維中に浸透させるものである。従って、圧力容器等の特別な設備を用意しなければならない煩雑さがある。また、比較的大型の木材片を含浸する場合に、対応可能な当該設備を低コストに用意することは困難であった。
【0007】
また、特許文献2に開示された木材の加工方法にあっては、木材の金型との接触する面の表層にのみ油含浸部を形成するものであるので、長期の使用によって木材片の内部深くに水分等が侵入するのを阻止することはできず、木材片内部の変質によって外形の変形が発生する。従って、建築物の木材外装、ベンチ、デッキ等、特に屋外で使用される建設用木材等に使用するには、耐久性が不十分なものであった。また、含浸剤は有機物の油であるので、上述の環境問題を引き起こす原因となるおそれがある。
【0008】
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたもので、簡単な工程で機械的強度が高く、安全性や耐久性が高い木材を得ることができる木材の加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、原木から切り出され、上面及び下面に板目面又は追柾面を有する木材片を、一対の金型によって前記木材片の上面及び下面に対して全面に同時に垂直方向にプレス処理を行う圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮された前記木材片を形状安定化用の無機質処理剤の溶液に浸漬する含浸工程と、前記含浸工程で前記無機質処理剤溶液が含浸した前記木材片を固化乾燥する乾燥工程とを備える木材の加工方法である。
【0010】
前記圧縮工程は、前記木材片が前記無機質処理剤溶液に浸漬された状態で前記プレス処理が行なわれるものである。また、前記圧縮工程は、圧縮と同時に曲げ加工が行なわれるプレス処理であっても良い。
【0011】
前記浸漬工程は、前記無機質処理剤溶液に浸漬された前記木材片に、プレスによる加圧と抜重が繰り返し施されるものである。
【0012】
さらに、前記固化乾燥された木材片表面の導管口を、無機質の耐水性コーティング剤を塗布して被膜する被膜工程を備えるものでも良い。
【発明の効果】
【0013】
この発明の木材の加工方法によれば、原木から切り出された木材の組織を押し縮めて緻密な材質に改質するとともに、形状安定化用の無機質処理剤を木材片内部に効果的に含浸させて固化させることができる。特に、木材片を圧縮処理して無機質処理剤に浸漬することにより、大型の圧力容器等、高額な設備がなくとも、木材片の内部まで容易に無機質処理剤を浸透させることができる。これによって、木材の風合いを保ちながら、木材の強度、耐久性等を向上させ、木材の用途や可能性を広げることが可能なものである。
【0014】
さらに、環境に優しい無機質処理剤や無機質の耐水性コーティング剤を、木材の導管口の現れている木材片表面や端面に塗布・被膜するという簡単な工程で、耐久性を高めることができる。これによって、建物の外壁材やサウナ風呂の内壁用木材のように、特に高温・多湿環境における長期間の形状安定性や耐久性等が求められる用途に対しても、水分や薬品(酸、アルカリ)その他の腐朽要因の侵入防止効果を高めることが容易に可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の木材の加工方法の一実施形態を、図1に基づいて説明する。この実施形態の加工方法は、建設用木材のように高い硬度を有する無機複合化木材を生成する加工方法であって、所定の大きさに切り出された木材片10を、一対の金型によって所定の方向にプレスする圧縮工程S12を有している。さらに、圧縮された木材片10に形状安定化用の無機質処理剤の溶液を含浸する含浸工程S14と、その溶液が含浸した木材片10を固化乾燥する乾燥工程S16と、固化乾燥した木材片10の端面にある導管口に無機質のコーティング剤である溶液を塗布して被膜する被膜工程S18を備えている。
【0016】
以下、上記の各工程について、詳細に説明する。圧縮工程S12では、原木から切り出された木材片10である無垢材10aを約4分の3の厚みに圧縮する。この圧縮率は、大きい方が単位体積あたりの強度が高まるが、70〜75%程度が限度である。これより大きくなると、木材細胞の組織が破壊されて、かえって強度が落ちてしまう。
【0017】
プレス装置11は、図2に示すように、上金型12と、下金型14と、図示しない油圧機構とを備え、その油圧機構によって駆動される上金型12が上下方向に移動する。無垢材10aは平板であり、上金型12の下面に形成された平面状の凸部12aと、下金型14の上面に形成された平面状の凹部14aとの間で挟持され、図3に示すように板厚方向のプレス処理によって無垢材10aの表裏全面が同時に圧縮される。なお、無垢材10aは、圧縮工程S12において減少する分の体積と、後述する含浸工程S14をあらかじめ考慮された形状を有している。
【0018】
ところで、原木から切り出された木材表面に現れる木目は、一般に、板目、柾目、追柾に分類される。板目とは、原木の年輪の目に沿うように接線方向に切り出された場合に現れる木目である。柾目とは、年輪に対し直角に近い角度で切り出された場合に現れる木目である。追柾とは、板目と柾目の中間的な木目をいう。この実施形態に用いられる無垢材10aは、上下方向に圧力を加える一対のプレス金型と当接する上面及び下面に、板目面又は追柾面が現れるように切り出されている。
【0019】
圧縮工程S12は、上述のように圧縮率の設定を非常に高くしてあるため、木材片の割れや部分剥離が生じないよう、上下面の板目面又は追柾面を挟持してプレス処理するよう構成されている。柾目面に対して直角方向にプレス処理すると、年輪部分及びその他の部分の細胞組織のうち、密な組織の面を面方向に縮めるように圧縮するため、組織の状態によって一様に圧縮されず歪みが生じ、無垢材10aに割れや部分剥離が生じやすいからである。そして、以上の圧縮工程S12でプレスされた無垢材10aは、圧縮材10bとなって次の含浸工程に投入される。
【0020】
含浸工程S14では、図4(a)に示すように圧縮材10bは、容器16に充填された形状安定化用の無機質処理剤溶液18に浸漬される。安定処理剤溶液18は、木材に浸透して固化乾燥すると、木材の硬度が向上し、多孔質である木材の表面及び表層部分の組織内の空隙や導管を塞いで耐水性や防菌性が向上し、高い難燃性が得られ、さらに紫外線による劣化を防止する等の効果が得られる素材が好ましい。
【0021】
例えば、株式会社日興から販売されている珪素化合物等を主成分とした無機質の溶液である商品名COWS等が該当する。COWSは、珪酸アルカリ水溶液であり、錯体ゲル法でナトリウムを除去したコロイド珪酸、及び化学的に安定させるために酸化させた無機リン酸、そして水酸化物として安定化した後に難燃フィラーとして添加された水酸化アルミニウム等を含んでいる。COWSに含まれる珪素化合物は、常温放置においてもガラス化し、難燃性、硬度の面で木材の性能を向上させる。無機リン酸は、炭化膜の形成を行い、類焼を抑制する。添加物の水酸化アルミニウムは250〜300℃で分解され、分子中の3分の1を占める水を放出して消火活動を行う性質がある。さらに、乾燥重合させることで、木材内の導管又は仮導管にシリカゲルを析出させる。シリカゲルは、約21ナノメートルの微粒子であるため、木材の導管又は仮導管にも入り込むことができる。それによって、木材内部に水分等が侵入した場合でも、シリカゲルが水分を吸収し、腐朽菌等の侵入も同時に遮断する。また、錯体重合する際に重合剤としてポリエリレングリコールを使用している。ポリエチレングリコールは、木材のひび割れや寸法安定性を向上させ、紫外線遮断効果も顕著であるため、木材が灰色化することを防止することができる。さらに、木材表面にはSi−OHで表されるシラノールが形成されるため、環境性能に優れた水性ウレタン塗料との相性が良い。そこで、さらにコーティング等を施して後述する木材片表面の導管口を塞ぐ処理を行うことで、防藻性、防かび性、紫外線遮断性、美観性などの効果を一層持続させることも容易である。
【0022】
以上説明した無機質処理剤溶液18中に圧縮材10bが浸漬される。圧縮材10bは、圧縮工程S12でのプレスによる断熱圧縮により高温になり、乾燥した内部繊維がスポンジ状になっているので、安定処理剤溶液18は、圧縮後に常温・常圧の環境下に置くだけで、毛細管現象などにより容易に内部に浸透する。したがって、この実施形態の含浸処理方法によれば、液中減圧法、空気減圧薬液注入法、空気減圧薬液加圧注入法などの含浸処理を行うための圧力容器等、特別な設備は必要ない。以上の含浸工程S14において安定処理剤溶液18が含浸した圧縮材10bは、含浸材10cとなって次の乾燥工程に投入される。
【0023】
乾燥工程S16は、含浸材10cを無機質処理剤溶液18中から取り出し、乾燥させる工程である。例えば安定処理剤COWSを含浸させた場合、固化乾燥は、常温放置によっても可能であるが、図4(b)に示すように、短時間で完了するため、含浸材10cを所定の乾燥炉20に入れ、約80℃4時間の条件で乾燥させている。そして含浸材10cの固化乾燥が完了すると、乾燥材10dが得られる。
【0024】
乾燥工程S16が施された乾燥材10dは、例えば上述のCOWS等の珪素化合物処理液を用いた乾燥材である場合、珪素化合物処理液が木材内部で固化することによって、木材繊維内にガラス成分を生成させて木材を無機質複合化し、硬度が向上する。さらに、木材内部の導管又は仮導管にシリカゲルが析出し、導管又は仮導管を通して侵入する水分等はシリカゲルで吸収され、同時に腐朽菌等の侵入も遮断される。
【0025】
導管口被膜工程S18は、導管口又は仮導管口が集中する端面22を含め、木材表面全てを無機質の耐水性コーティング剤を塗布して被膜する工程である。図4(c)では、スプレー24による吹き付けによって塗布が行われている。
【0026】
無機質の耐水性コーティング剤としては、例えば、株式会社日興から販売されている二酸化珪素等を主成分とした無機質の溶液である、商品名GS−600等が該当する。GS−600は、主剤は無溶剤のメチル基もしくはフェニル基を有するオルガノポリシロキサン、架橋剤は官能性側鎖(アルコキシ基、アシロキシ基、オキシム基)を有するオルガノキシリサン、硬化触媒はZn、Al、Co、Sn等の含金属有機化合物及びB+++ハロゲンである。GS−600は、イソプロピルアルコールを溶剤とすることができ、液状で常温施工により各種基材に硬質で密着性に優れた非晶質のセラミックス膜を形成し、紫外線に強く、高い耐久性を発揮すると共に、不燃性、撥水性、耐透水性、耐薬品性、耐汚染性に優れている。
【0027】
以上の加工方法10によって得られた無機複合化木材は、原木から切り出された木材の細胞組織を押し縮めて緻密な材質に改質されているだけでなく、さらに環境に優しい形状安定化用の無機質処理剤が木材片内部に含浸させて固化させることによって、木材の風合いを保ちながら、木材の強度、耐久性等が向上されている。このように優れた無機複合化木材を生成するための加工方法によれば、あらかじめ圧縮処理された木材片を無機質処理剤の溶液に浸漬することによって、大型の圧力容器等、高額な設備がなくとも、木材片の内部まで浸透させることができる。また、無機質の耐水性コーティング材を、導管口が現れている木材片表面に塗布・被膜するという簡単な工程を追加するだけで、腐朽要因の侵入防止効果を向上させることができる。
【0028】
次に、本実施形態の圧縮工程S12の変形例を図5に基づいて説明する。圧縮工程S32は、図5に示すように、板状の無垢材30aをV字に塑性変形させるため、上金型32の下面には雄型としての山状の凸部32aが、下金型34の上面には雌型としての谷状の凹部34bが形成されている。そして、上金型32は図示しない油圧機構によって上下方向に移動し、平板である無垢材30aは、山状の凸部32aと、谷状の凹部34bとの間で挟持され、板厚方向のプレス処理によって圧縮されると同時に、曲げ加工がなされる。従って、木材の曲げ加工を行う場合に、専用の曲げ工程を設ける必要がない。
【0029】
次に、本実施形態の圧縮工程12及び含浸工程14の他の変形例を、図6に基づいて説明する。圧縮工程S34は、図6(a)に示すように、あらかじめ下金型14の凹部14aに処理剤溶液18が充填され、その溶液中に板状の無垢材40aを入れ、上金型12及び下金型14で板厚方向のプレス処理によって圧縮される。このとき、処理剤溶液18は、まだ圧縮形成された圧縮材40bに含浸していない。次に、そのまま連続作業的に含浸工程36に移る。含浸工程36は図6(b)に示すように、凹部12aに充填された処理剤溶液18に浸漬された圧縮材40bに、さらにプレスによる加圧と抜重を繰り返し施すものである。これによって、圧縮材40bの内部のスポンジ状の木材組織が伸縮し、処理剤溶液18が毛細管現象により圧縮材40b内部への浸透が促進され、含浸工程36の時間を短縮することができる。さらに、木材組織の伸縮によって圧縮材40bが自己発熱し、処理用材18が徐々に固化が進んでいるので、次の乾燥工程S16も短縮することができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、原木から切り出された無垢材は、上下一対の金型で圧縮可能な形状であれば任意の三次元形状でもよい。また、無機質処理剤は、無機質の耐水性コーティング剤を用いても良い。圧縮工程における圧縮の度合いは木材の用途に合わせて適宜設定すれば良く、建設用木材等ように高い硬度や耐及性が必要な場合には圧縮率を高く、屋内で使用される家電機器等の用途であれば、圧縮率を低く設定すればよい。また、圧縮工程における曲げ加工は、板材のV字曲げの他、板材のR曲げや絞りの加工も可能である。また、圧縮工程において、上金型の下面又は下金型の上面に文字や絵柄を描き、木材表面に刻印等してもよい。また、被膜工程における耐水コーティング剤の塗布方法は、スプレーによる吹き付けの他、刷毛やローラーによる塗布、浸漬など、周知の方法から選択すればよい。さらに、加工対象の木材は、主に建築用材等に用いられる針葉樹の檜、杉、松、ヒバなど、また主に家具用材等に用いられる種々の広葉樹など、特に限定しない。
【0031】
この発明の木材の加工方法により得られた無機複合化木材は、ベンチや家屋の外壁、タイル等の建築材料として広く用いることができ、さらに、その他の工業製品の骨組みや外装材、家具等、用途は限定されるものではない。例えば、玩具や文具、電気製品の外装材や骨格、事務用品、楽器、スポーツ用品、眼鏡フレーム、宝飾品、時計の外装、食器、花瓶、アウトドア用のテーブルや椅子その他の用品、傘の骨組み、船体、表札、看板、美術工芸品等にも利用可能なものである。さらに、飛行機や電車、自動車等の乗物の内装材や骨格の一部に用いても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の木材の加工方法の一実施形態のフローチャートである。
【図2】この実施形態の圧縮工程を説明する斜視図である。
【図3】この実施形態の圧縮工程を説明する図2のA−A断面図である。
【図4】この実施形態の含浸工程、乾燥工程及び被膜工程を説明するイメージ図である。
【図5】この実施形態の圧縮工程の変形例を説明する断面図及び斜視図である。
【図6】この実施形態の圧縮工程(a)及び含浸工程(b)の変形例を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 木材片
10a 無垢材
10b 圧縮材
11 プレス装置
12,32 上金型
14,34 下金型
18 処理剤溶液
20 乾燥炉
S12,S34 圧縮工程
S14,S36 含浸工程
S16 乾燥工程
S18 被膜工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原木から切り出され、上面及び下面に板目面又は追柾面を有する木材片を、一対の金型によって前記木材片の上面及び下面に対して全面に同時に垂直方向にプレス処理を行う圧縮工程と、前記圧縮工程で圧縮された前記木材片を形状安定化用の無機質処理剤の溶液に浸漬する含浸工程と、前記含浸工程で前記無機質処理剤溶液が含浸した前記木材片を固化乾燥する乾燥工程とを備えることを特徴とする木材の加工方法。
【請求項2】
前記圧縮工程は、前記木材片が前記無機質処理剤溶液に浸漬された状態で前記プレス処理が行なわれることを特徴とする請求項1記載の木材加工方法。
【請求項3】
前記圧縮工程は、圧縮と同時に曲げ加工が行なわれるプレス処理であることを特徴とする請求項1又は2記載の木材加工方法。
【請求項4】
前記浸漬工程は、前記無機質処理剤溶液に浸漬された前記木材片に、プレスによる加圧と抜重が繰り返し施されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の木材加工方法。
【請求項5】
前記固化乾燥された木材片表面の導管口を、無機質の耐水性コーティング剤を塗布して被膜する被膜工程を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の木材加工方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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