説明

木造柱の耐震構造及び耐震補強方法

【課題】架構形式を変更せずに木造柱を補強する。
【解決手段】コンクリート基礎12の上に内柱14が直置きされ、内柱14の下部に設けられた下側貫通孔16には下側貫18が挿入されている。コンクリート基礎12と下側貫18の間には下側コンクリート架台23が設けられ、下側コンクリート架台23には雌ネジボルト37が埋め込まれている。下側貫18の上方からアンカーボルト26を雌ネジボルト37にねじ込み、下側貫18を下側コンクリート架台23に固定する。下側貫通孔16と交差して設けられた上側貫通孔20には、上側貫22が挿入されている。コンクリート基礎12と上側貫22の間には、上側コンクリート架台29が設けられ、上側コンクリート架台29には雌ネジボルト37が埋め込まれている。上側貫22の上方からアンカーボルト30を雌ネジボルト37にねじ込んで、上側貫22を上側コンクリート架台29に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造柱の耐震構造及び耐震補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我国に現存している多くの古い木造建築物は、国宝や重要文化財とされている建造物を含めて、その多くは十分な耐震強度を有していないと推定されており、耐震診断及び耐震補強の実施が急務とされている。
【0003】
特に歴史的価値の高い社寺建造物では、伝統様式の保存あるいは儀式等の用途上、建物に手を加えにくい場合があり、耐震補強の必要性を認識していても適切な方法が見出せない場合がある。具体的には、壁量が少なく、ほとんど木造柱のみで屋根部分が支持されているような社寺建造物では、その架構形式自体に意味があり、耐震補強の目的であっても自由には壁や筋交等を追加できないことが多い。このため、架構形式を変更せずに木造柱を補強する方法が求められている。
【0004】
そこで、腐食等で弱化した木造柱の基部を補修して、木造柱を補強する方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
特許文献1によれば、図15に示すように、腐食等で弱化した木造柱82の基部(くつ石80の上方)に合成樹脂系の接着剤を含浸又は塗布し、そこに無機質繊維84を被覆し、さらに合成樹脂系の接着剤を塗布し、接着剤が塗布された外周を金属枠体86で囲う。そして、ボルト88をこの金属枠体86と木造柱82に貫通させ固定する。次に、金属枠体86で囲われた木造柱82とくつ石80を、鉄筋92と共に基礎部90として敷設するコンクリートで固める。これによって、木造柱82が補修され、基礎部90と木造柱82が一体的に固定されて耐震性が向上する。
【0006】
しかし、木造柱82の腐朽劣化した柱下部分を、接着剤を含浸又は塗布し無機質繊維84繊維で囲み補強するだけでは、木造柱82の強度の回復はほとんど期待できない。また、コンクリートを打ち込んで基礎部90と木造柱82が一体化されるので、木造柱82の交換ができなくなる。更に、基礎部90と木造柱82が一体化されることで、水分の逃げ場がなくなり、コンクリート内部の空隙に水分が滞留し、木造柱82の下部に結露による腐朽が発生する。
【0007】
そこで、木造柱の交換を可能とした補強方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献2によれば、図16に示すように、礎石94の上部に凸部96を形成すると共に、木造柱100の底面に凸部が入る凹部98を形成し、それら凸部96と凹部98を係合させる。これにより木造柱100が礎石94に対して回転可能に支持される。また、木造柱100の下部には、木造柱100の中心位置から下方に向けてアンカーボルト106が突出されている。
【0008】
アンカーボルト106は、礎石94に形成された貫通孔102に挿通され、下端部は基礎104に定着されている。アンカーボルト106の上端部は、柱下部に埋め込まれた固定金物108にねじ込まれている。
【0009】
しかし、特許文献2は、本来、耐力として傾斜復元力の発現を期待するものであり、柱脚の回転に対する拘束が弱く、現行の強度基準で問題とされる層間変形角1/120ラジアンにおける水平抵抗力の向上にはほとんど寄与しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−285709号公報
【特許文献2】特開2002−256628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事実に鑑み、架構形式を変更せずに木造柱を補強する木造柱の耐震構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明に係る木造柱の耐震構造は、基礎部の上に直置きとされた木造柱の耐震構造において、前記木造柱の下部に設けられた下側貫通孔を貫通する下側貫と、前記基礎部と前記下側貫の間に設けられ、前記下側貫を支持する下側支持部材と、前記下側支持部材と前記下側貫を前記基礎部に固定する下側固定部材と、前記下側貫通孔と交差して前記下側貫通孔の上に設けられた上側貫通孔を貫通する上側貫と、前記基礎部と前記上側貫の間に設けられ、前記上側貫を支持する上側支持部材と、前記上側支持部材と前記上側貫を前記基礎部に固定する上側固定部材と、を有することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、下側貫は、下側貫通孔を貫通し下側支持部材で支持されて下側固定部材で基礎部に固定される。上側貫は、上側貫通孔を貫通し上側支持部材で支持されて上側固定部材で基礎部に固定される。そして、十字に通された下側貫と上側貫で木造柱が、2方向に補強される。
これにより、基礎部の上に直置きとされた木造柱の傾きと、上下方向の変位を抑制できる。
【0014】
即ち、床下において、木造柱の下部を拘束することで補強がなされるため、伝統様式の保存や、儀式等の用途上、人目にふれる床上部に壁や筋交等の部材を新たに加えたくない社寺建造物等の耐震補強に特に有効である。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の木造柱の耐震構造において、前記木造柱が内柱のときは、前記下側貫の両側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定し、前記上側貫の両側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定することを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、内柱とされた木造柱を、下側貫と上側貫が共に両側から固定されて拘束している。これにより、外部から目立たせることなく、内柱とされた木造柱を床下において、拘束し補強できる。
また、万一、下側貫又は上側貫が腐朽等で傷んだ場合でも、建物本体に影響を及ぼさずに容易に下側貫又は上側貫の交換ができる。解体も容易で、使用部材の再使用も可能である。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1に記載の木造柱の耐震構造において、前記木造柱が外柱のときは、前記下側貫の両側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定し、前記上側貫の内柱側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定し、又は、前記上側貫の両側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定し、前記下側貫の内柱側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定することを特徴としている。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、外柱とされた木造柱を、下側貫で両側から固定して上側貫で内柱側を固定する。又は、上側貫で両側から固定して下側貫で内柱側を固定する。これにより、外柱の外側に支持部材や固定部材を設けることなく、外柱を下側貫と上側貫で固定できる。
この結果、支持部材や固定部材を外部から目立たせることなく、外柱の耐震性を向上できる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1に記載の木造柱の耐震構造において、前記木造柱が隅柱のときは、前記下側貫の前記外柱側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定し、前記上側貫の前記外柱側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定することを特徴としている。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、隅柱とされた木造柱を、下側貫で外柱側から固定し、同時に、上側貫で外柱側から固定している。
これにより、支持部材や固定部材を外部から目立たせることなく、隅柱の耐震性を向上できる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の木造柱の耐震構造において、前記下側貫通孔と前記下側貫との隙間に下側楔を打ち込み、前記上側貫通孔と前記上側貫との隙間に上側楔を打ち込んだことを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、下側楔が、下側貫通孔と下側貫との隙間に打ち込まれ、上側楔が、上側貫通孔と上側貫との隙間に打ち込まれている。
これにより、下側貫を下側貫通孔に強く固定でき、上側貫を上側貫通孔に強く固定できる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の木造柱の耐震構造において、前記基礎部と前記下側支持部材の重ね合せ面、前記下側支持部材と前記下側貫の重ね合せ面、前記基礎部と前記上側支持部材の重ね合せ面、及び前記上側支持部材と前記上側貫の重ね合せ面には、横方向の滑りを防止する滑り防止手段が設けられていることを特徴としている。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、横方向の滑りを防止する滑り防止手段が、全ての重ね合せ面、即ち、基礎部と下側支持部材の重ね合せ面、下側支持部材と下側貫の重ね合せ面、基礎部と上側支持部材の重ね合せ面、及び上側支持部材と上側貫の重ね合せ面に設けられている。
これにより、地震時の重ね合せ面における横方向の滑りを防止でき、耐震性をより向上できる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項7に記載の木造柱の耐震構造において、前記滑り防止手段は、前記重ね合せ面の一方の面に形成された凸部と、他方の面に形成された前記凸部が入る凹部であり、又は前記重ね合せ面の両面に喰い込むジベルであることを特徴としている。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、重ね合せ面の一方の面に形成された凸部と、他方の面に形成された前記凸部が入る凹部で滑りが防止される。又は、重ね合せ面の両面に喰い込むジベルで滑りが防止される。この結果、耐震性をより向上できる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の木造柱の耐震構造において、前記下側貫通孔の底面に中央部が凸状の段差部を設け、前記下側貫通孔に挿入される前記下側貫の下面に前記凸状の段差部が挿入される凹部が設けられていることを特徴としている。
即ち、下側貫通孔の底面と下側貫の下面の間に掛け子彫りが形成されている。これにより、下側貫通孔の底面と下側貫の下面の接合を強くできる。
【0028】
請求項9に記載の発明に係る木造柱の耐震補強方法は、木造柱の下部に下側貫通孔を形成し、前記下側貫通孔に下側貫を貫通させる工程と、前記木造柱が直置きされた基礎部と前記下側貫の間に下側支持部材を入れ、前記下側貫を前記下側支持部材で支持する工程と、前記下側支持部材と前記下側貫を、下側固定部材で前記基礎部に固定する工程と、前記下側貫通孔と交差して、前記下側貫通孔の上に上側貫通孔を形成し、前記上側貫通孔に上側貫を貫通させる工程と、前記基礎部と前記上側貫の間に上側支持部材を入れ、前記上側貫を前記上側支持部材で支持する工程と、前記上側支持部材と前記上側貫を、上側固定部材で前記基礎部に固定する工程と、を有することを特徴としている。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、下側貫通孔工程、下側貫支持工程、下側貫固定工程を経て、木造柱の下部に形成された下側貫通孔を貫通させた下側貫が基礎部に固定される。また、上側貫通孔工程、上側貫支持工程、上側貫固定工程を経て、上側貫通孔を貫通させた上側貫が基礎部に固定される。
【0030】
これにより、十字に通された下側貫と上側貫で木造柱が補強され、基礎部の上に直置きとされた木造柱の傾きと、上下方向の変位を抑制できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、上記構成としてあるので、架構形式を変更せずに木造柱を補強できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造で使用する接合部材例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の他の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る木造柱の耐震補強方法の施工手順を示すフロー図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る木造柱の耐震補強方法の施工内容を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る木造柱の耐震補強方法の施工内容を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る木造柱の耐震補強方法の施工内容を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の他の構成例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の他の構成例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【図15】従来例の木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【図16】従来例の木造柱の耐震構造の基本構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造10の断面図である。図1(A)は、図1(B)のA−A線断面図であり、図1(B)は、図1(A)のB−B線断面図である。
【0034】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造10は、地盤32に一部が埋め込まれたコンクリート基礎12が設けられ、コンクリート基礎12の上に図示しない建物が建てられ、建物の内部に設けられた木造の内柱14が直置きとされている。
【0035】
コンクリート基礎12はコンクリートで板状に形成され、内柱14の下部に設けられた下側貫通孔16には、木造の下側貫18が、両端部を内柱14の外側に所定の長さ突き出した状態で挿入されている。
【0036】
コンクリート基礎12と下側貫18の間には、内柱14の両側に、下側貫18を支持する下側コンクリート架台23が設けられている。下側コンクリート架台23は、コンクリート基礎12と一体的に形成され、上部には、雌ネジボルト37が鉛直方向に埋め込まれている。図2(A)に示すように、雌ネジボルト37は、内部に雌ネジが切られたボルトである。下側コンクリート架台23に埋め込まれた雌ネジボルト37の内部には、下側貫18の上から下側貫18を貫通させてアンカーボルト26がねじ込まれ、下側貫18が下側コンクリート架台23にボルト接合される。
【0037】
下側コンクリート架台23の上面は、下側貫18の下面と当接する高さとされ、下側コンクリート架台23の上面で下側貫18を支持する。下側コンクリート架台23の上面と下側貫18の下面との間には、ジベル39が挟み込まれている。ジベル39は、図2(B)又は(C)に例示するように、リング状の鋼製の滑り止め具であり、雌ネジボルト37を囲んで接合面に挟み込まれることにより、下側コンクリート架台23と下側貫18の間の横方向の移動を抑制する。
【0038】
下側貫通孔16の底面には、中央部に凸状の段差部45が設けられている。また、下側貫18の下面には、凸状の段差部45と係合される凹部47が設けられている(後述する図6参照)。これにより、下側貫通孔16の底面と下側貫18の下面の間に掛け子彫りが形成される。また、下側貫通孔16の上面と下側貫18の上面の間には、下側楔34が両側から打ち込まれている。これらにより、下側貫通孔16と下側貫18の接合を強くできる。
【0039】
下側貫通孔16と交差して、下側貫通孔16の上には上側貫通孔20が設けられている。上側貫通孔20には、木造の上側貫22が、両端部を内柱14の外側に所定の長さ突き出した状態で挿入されている。
【0040】
コンクリート基礎12と上側貫22の間には、内柱14の両側に、上側貫22を支持する上側コンクリート架台29が設けられている。上側コンクリート架台29は、コンクリート基礎12と一体的にコンクリートで形成され、上部には、雌ネジボルト37が鉛直方向に埋め込まれている。雌ネジボルト37の内部には、上側貫22の上から上側貫22を貫通させたアンカーボルト30がねじ込まれ、上側貫22が上側コンクリート架台29にボルト接合される。
【0041】
上側コンクリート架台29の上面は、上側貫22の下面と当接する高さとされ、上側コンクリート架台29の上面で上側貫22を支持する。上側コンクリート架台29の上面と上側貫22の下面との間には、ジベル39が挟み込まれ横方向の移動が抑制される。
【0042】
また、上側貫通孔20の上面と上側貫22の上面の間には、両側から上側楔36が打ち込まれ、内柱14と上側貫22を強く接合している。
【0043】
内柱14の上側貫22の上方には梁38が架けられ、梁38の上には床材41が敷かれて床40を構成している。即ち、床下空間42において、内柱14の下部に下側貫18と上側貫22が交差して設けられ、内柱14を補強している。
【0044】
これにより、コンクリート基礎12の上に直置きとされた内柱14が、平面視で十字に通された下側貫18と上側貫22で2方向から補強され、地震時の内柱14の傾きと上下方向の変位が抑制される。
【0045】
また、床下空間42において、内柱14の下部を拘束することで補強がなされるため、外部から目立たせることなく補強できる。このため、伝統様式の保存や儀式等の用途上、人目にふれる床上部に壁や筋交等の部材を新たに加えたくない社寺建造物等の耐震補強に有効である。
【0046】
また、万一、木造の下側貫18又は上側貫22が腐朽等で傷んだ場合でも、建物本体に影響を及ぼさずに容易に下側貫18又は上側貫22の交換ができる。解体も容易で、使用部材の再使用も可能である。
【0047】
なお、以上の説明において、下側コンクリート架台23及び上側コンクリート架台29は、コンクリート基礎12と一体的に形成される構成としたが、別体で構成してもよい。
即ち、図3に示すように、コンクリート基礎12と下側貫18の間に、コンクリート基礎12と別個に形成された下側支持ブロック24を配置して、内柱14の両側から下側貫18を支持してもよい。
【0048】
具体的には、先ず、コンクリート基礎12に下側支持ブロック24を固定するためのアンカーボルト73の先端を埋め込んでおき、コンクリート基礎12の打設後に雌ネジボルト37を位置決めする。その後、下側支持ブロック24をコンクリート基礎12の上に打設して、コンクリート基礎12から突出されたアンカーボルト73と雌ネジボルト37を、下側支持ブロック24の内部に埋め込む。このとき、雌ネジボルト37の上端部には、下側貫18と接合されるジベル39の下側半分を埋め込んでおく。
これにより、下側貫18を下側支持ブロック24の上面で支持した状態で、アンカーボルト26で固定できる。
【0049】
同様の要領で、コンクリート基礎12の上に別個に上側支持ブロック28を打設して、上側貫22を支持させる。これにより、上側支持ブロック28がアンカーボルト73でコンクリート基礎12に固定される。また、上側貫22が上側支持ブロック28で支持された状態で、アンカーボルト30を、上側貫22を貫通させて上側支持ブロック28に埋め込まれた雌ネジボルト37にねじ込むことで、上側貫22が上側支持ブロック28に固定される。
このように、コンクリート基礎12と下側コンクリート架台23及び上側コンクリート架台29を別体で形成しても、下側コンクリート架台23及び上側コンクリート架台29を、コンクリート基礎12と一体的に形成した場合と同様の作用、効果を得ることができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した内柱14を耐震補強する、耐震補強方法である。耐震補強方法は、図4に示す手順で行われる。
【0051】
先ず、下側貫貫通工程110を実行する。図5に示ように、下側貫貫通工程110においては、平板状のコンクリート基礎12と、コンクリート基礎12から突出させた2個の下側コンクリート架台23、及び2個の上側コンクリート架台29を一体的に形成する。
また、コンクリート基礎12で支持される内柱14の中心位置には、コンクリート又は木造の凸部44を設ける。
【0052】
下側コンクリート架台23は、凸部44を挟んで、凸部44の両側にX軸方向に形成され、下側コンクリート架台23には、それぞれ雌ネジボルト37が埋設されている。そして、下側コンクリート架台23の上面であり雌ネジボルト37の周囲には、ジベル39が下側半分だけ埋設されている。
【0053】
上側コンクリート架台29も同様に、凸部44を挟んで、凸部44の両側にY軸方向に形成され、上側コンクリート架台29には、それぞれ雌ネジボルト37が埋設されている。そして、上側コンクリート架台29の上面であり雌ネジボルト37の周囲には、ジベル39が下側半分だけ埋設されている。
以上の基礎が準備できた段階で、図6に示ように、凸部44と、内柱14の底面の中心に設けられた凹部を一致させて、内柱14を建てる。これにより、水平力による内柱14とコンクリート基礎12の間の滑りが防止される。
【0054】
内柱14の下部には、内柱14を建てる前に別の場所で、X軸方向に下側貫通孔16が、Y軸方向に後述する上側貫通孔20が、それぞれ設けられている。この下側貫通孔16に、木造の下側貫18を矢印Pの方向から挿入する。下側貫18には、雌ネジボルト37の位置にアンカーボルト26を貫通させる貫通孔59が設けられており、下側貫18の底面の貫通孔59の周囲には、ジベル39が当接される溝が設けられている。また、下側貫18の中央部の底面には、内柱14の凸部45と係合する凹部47が設けられている。
下側貫18の幅d1は、下側コンクリート架台23の幅d2より小さくされている。下側貫18の両端部は、ほぼ同じ長さで内柱14の側面から外部に延出され、下側コンクリート架台23の上面で支持される。
なお、下側貫通孔16と上側貫通孔20は、内柱14を建てた後に設けてもよい。
【0055】
次に、下側貫支持工程112を実行する。下側貫支持工程112は、下側貫通孔16の下面に形成された凸状の段差部45と、下側貫18の凹部47を一致させた後、下側貫18を下方に落とし込んで、凸状の段差部45と下側貫18の凹部47を係合させる。このとき、下側コンクリート架台23の上面に下側貫18の下面が載せられる。
【0056】
次に、下側貫固定工程114を実行する。下側貫固定工程114は、アンカーボルト26を上側貫18の上方から、貫通孔59を貫通させて雌ネジボルト37にねじ込む。そして、上側貫18の上方から抑え板76を用いて、ワッシャ77、ナット78で下側貫18と下側コンクリート架台23をアンカーボルト26で固定する。
その後、下側貫通孔16と下側貫18の間に、木造柱14の両側から下側楔34を打ち込む。これにより、内柱14と下側貫18を強く固定できる。
【0057】
次に、上側貫貫通工程116を実行する。図7に示すように、上側貫貫通工程116は、下側貫通孔16の上方に、下側貫通孔16と交差する方向に形成された上側貫通孔20に、木造の上側貫22を挿入する。上側貫22には、雌ネジボルト37の位置にアンカーボルト26を貫通させる貫通孔59が設けられている。
【0058】
上側貫22の幅d3は、上側コンクリート架台29の幅d3より小さくされている。上側貫22の両端部は、内柱14の側面からほぼ同じ長さだけ外部に延出され、上側コンクリート架台29の上面で支持される。
【0059】
次に、上側貫支持工程118を実行する。上側貫支持工程118は、上側貫通孔20に上側貫22を挿入し、貫通孔59と雌ネジボルト37の位置を一致させて上側コンクリート架台29の上面に下側貫18の下面を載せる。
【0060】
最後に、上側貫固定工程120を実行する。上側貫固定工程120は、上側貫22の上方から、アンカーボルト26を貫通孔59に挿入し雌ネジボルト37にねじ込む。その後、抑え板75を載せ、ワッシャ77とナット78で上側コンクリート架台29に上側貫22を固定する。
【0061】
その後、上側貫通孔20と上側貫22の間に、内柱14の両側から上側楔36を打ち込む。これにより、コンクリート基礎12の上に直置きとされた内柱14をY軸方向に補強できる。
【0062】
なお、第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造10について説明したが、後述する第3の実施の形態に係る木造柱の耐震構造126、第4の実施の形態に係る木造柱の耐震構造50、及び第5の実施の形態に係る木造柱の耐震構造60も、基本的には同じ手順で耐震補強できる。
【0063】
(第3の実施の形態)
図8に示すように、第3の実施の形態に係る木造柱の耐震構造126は、下側貫18を下側鋼製架台128で支持している。下側鋼製架台128は、所定長で切断されたH形鋼の両端部に鋼板を接合した構成とされ、下部のフランジがコンクリート基礎12にアンカーボルト134で接合され、上部のフランジが下側貫18とアンカーボルト136で接合されている。
また、下側鋼製架台128の上部フランジの上には、内柱14から遠い側の端部に滑り止め材141が取り付けられている。この滑り止め材141には、下側貫18の両端部の下部に設けられた切り欠き部が当接しており、下側貫18が下側貫通孔16から抜け出るのを防止する。
【0064】
同様に、上側貫22が上側鋼製架台132で支持されている。上側鋼製架台132は、所定長で切断されたH形鋼の両端部に鋼板を接合した構成とされ、下部のフランジがコンクリート基礎12にアンカーボルト134で接合され、上部のフランジが上側貫22とアンカーボルト136で接合されている。
また、上側鋼製架台132の上部フランジの上には、内柱14から遠い側の端部に滑り止め材141が取り付けられている。この滑り止め材141には、上側貫22の両端部の下部に設けられた切り欠き部が当接しており、上下側貫22が上側貫通孔20から抜け出るのを防止する。
【0065】
また、下側貫18と上側貫22の交差部は、下側貫18の上部の切欠き部と上側貫22の上部の切欠き部が互いに噛み合う相欠き構成とされている(図示は省略)。更に、上側貫22の上には、内柱14の両側から楔36が打ち込まれ、楔36と交差する方向には、上側貫22の柱に対する水平方向の滑りを拘束する木栓138が挿入されている。他の構成は、第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造10と同一であり、説明は省略する。
これにより、第1の実施の形態に係る木造柱の耐震構造10で説明した作用、効果に加え、より耐震強度を高めることができる。
【0066】
なお、更に耐震強度を高める手段としては、次の方法がある。
図9に示すように、上側貫22の上に打ち込む楔36を、ワイヤロープ144で互いに連結して抜けなくした、ワイヤロープ付の楔36としてもよい。これにより、内柱14と上側貫22の接合を強くすることができる。
【0067】
更に、図10(A)に示すように、コンクリート基礎12側の凸部(ダボ)44を金属製として強度を増し、図10(B)に示すように、内柱14の底に金属板146をラグスクリュー148で取り付け、金属板146の中央部にダボ44と係合する凹部46を設けてもよい。これにより、コンクリート基礎12と内柱14の接合をより強くすることができる。
【0068】
(第4の実施の形態)
図11、12に示すように、第4の実施の形態に係る木造柱の耐震構造50は、地盤32にコンクリート基礎12の一部が埋め込まれている。コンクリート基礎12の上に、建物の外周部に設けられた木造の外柱48が直置きとされている。
【0069】
外柱48の室内側(内柱14側)には、梁38が架けられ、梁38には床材41が敷かれて床40を構成している。一方、外柱48の室外側には縁束53が建てられ、外柱48と縁束53の間に縁板51が渡され、縁52が設けられている。床下空間42及び縁下空間54には、外柱48を下部で支持する下側貫18と上側貫22が設けられている。
【0070】
外柱48の下部には、X軸方向に下側貫通孔16が設けられ、下側貫通孔16には、下側貫18が挿入されている。下側貫18の両端部は、外柱48から延出されており、延出量は、縁52側が短く、床40側が長くされている。下側貫18の長くされた側には、貫通孔が2箇所設けられている。
【0071】
床40側のコンクリート基礎12と下側貫18の間には、下側コンクリート架台140がコンクリート基礎12と一体的に設けられ、下側貫18が下側コンクリート架台140で支持されている。
【0072】
下側コンクリート架台140には、雌ネジボルト37が2箇所埋め込まれ、雌ネジボルト37と貫通孔を一致させている。下側貫18の上からアンカーボルト26を挿入し、雌ネジボルト37にねじ込む。これにより、下側コンクリート架台140に下側貫18をアンカーボルト26で固定できる。一方、縁52側には、下側コンクリート架台140は設けられていない。
この結果、外柱48の屋外側に支持部材や固定部材を設けることなく、下側貫18を床40側で固定できる。
【0073】
同様に、上側貫22は、両側を上側コンクリート架台142で支持され、上側コンクリート架台142に埋め込まれた雌ネジボルト37を利用して、アンカーボルト30で、外柱48の両側から固定される。
【0074】
なお、図12(B)に示すように、外柱48のY軸と交差する側に縁52がある場合には、上側コンクリート架台142を床40側に配置し、雌ネジボルト37を2箇所とも床40に埋め込む。そして、上側貫22を、床40側の2ヶ所でアンカーボルト30を用いて、上側コンクリート架台142に固定すればよい。
【0075】
そして、下側貫18は、外柱48の両側から下側コンクリート架台140で支持し、下側コンクリート架台140に埋め込まれた雌ネジボルト37にアンカーボルト26をねじ込んで、下側コンクリート架台140に固定する。
他は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0076】
これにより、支持部材や固定部材を外から目立たせることなく、外柱48を下側貫18と上側貫で固定でき、外柱48の耐震性を向上できる。
なお、以上の説明において、下側コンクリート架台23及び上側コンクリート架台29は、コンクリート基礎12と一体的に形成される構成としたが、別体で構成してもよい。
【0077】
即ち、図示は省略するが、図11に示す下側コンクリート架台140、及び上側コンクリート架台142に対応するコンクリート架台を別体で構成してもよい。即ち、第1の実施の形態において図3で説明したように、それぞれのコンクリート架台をアンカーボルト73でコンクリート基礎12に固定し、それぞれのコンクリート架台に埋め込まれた雌ネジボルト37を利用して下側貫18、及び上側貫22とアンカーボルト26、30で固定すればよい。
【0078】
(第5の実施の形態)
図13、14に示すように、第5の実施の形態に係る木造柱の耐震構造60は、地盤32にコンクリート基礎12の一部が埋め込まれている。コンクリート基礎12の上には、建物の外周部の隅部に設けられた木造の隅柱62が直置きとされている。
【0079】
隅柱62の室内側(外柱48側)には、梁38が架けられ、梁38には床材41が敷かれて床40を構成している。一方、隅柱62の室外側には縁束53が建てられ、隅柱62と縁束53の間に縁板51が渡され、縁52が設けられている。床下空間42及び縁下空間54には、隅柱62の下部に下側貫18と上側貫22が設けられている。
【0080】
隅柱62の下部には、X軸方向に下側貫通孔16が設けられ、下側貫通孔16には、下側貫18が挿入されている。下側貫18の両端部は外柱48から突出されている。突出量は縁52側が短く、外柱48側が長くされている。下側貫18の長くされた側には、貫通孔が2箇所設けられている。
【0081】
そして、下側貫18の外柱48側には、下側支持ブロック25がコンクリート基礎12と別体に設けられ、下側支持ブロック25の上面で、下側貫18を支持している。このとき、コンクリート基礎12と下側支持ブロック25は、アンカーボルト73で固定されている。
また、下側支持ブロック25には、雌ネジボルト37及びジベル39の下側半分が埋め込まれており、アンカーボルト26を雌ネジボルト37にねじ込むことで、下側貫18を下側支持ブロック25に固定できる。
【0082】
また、上側貫22の両端部も隅柱62から突出されている。突出量は縁52側が短く、外柱48側が長くされている。上側貫22の長くされた側には、貫通孔が2箇所設けられている。
上側貫22の外柱48側には、上側支持ブロック28がコンクリート基礎12と別体に設けられ、上側支持ブロック28の上面で上側貫22を支持している。このとき、コンクリート基礎12と上側支持ブロック28は、アンカーボルト73で固定されている。
また、上側支持ブロック28には、雌ネジボルト37及びジベル39の下側半分が埋め込まれており、アンカーボルト30を雌ネジボルト37にねじ込むことで、上側貫22を上側支持ブロック28に固定できる。
【0083】
これにより、支持部材や固定部材を外から目立たせることなく、隅柱62を下側貫18と上側貫22で固定でき、隅柱62の耐震性を向上できる。
【0084】
なお、以上の説明は、コンクリート基礎12と一体に構成された、下側支持ブロック25、上側支持ブロック28を用いて説明したが、他の実施の形態で説明したように、下側コンクリート架台23と上側コンクリート架台29を、コンクリート基礎12と別体的に構成してもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 木造柱の耐震構造
12 コンクリート基礎(基礎部)
14 内柱(木造柱)
16 下側貫通孔
18 下側貫
20 上側貫通孔
22 上側貫
23 下側コンクリート架台(下側支持部材)
24 下側支持ブロック(下側支持部材)
26 下側アンカー(下側固定部材)
28 上側支持ブロック(上側支持部材)
29 下側コンクリート架台(上側支持部材)
30 上側アンカー(上側固定部材)
34 下側楔
36 上側楔
45 凸状の段差部
47 凹部
48 外柱(木造柱)
62 隅柱(木造柱)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎部の上に直置きとされた木造柱の耐震構造において、
前記木造柱の下部に設けられた下側貫通孔を貫通する下側貫と、
前記基礎部と前記下側貫の間に設けられ、前記下側貫を支持する下側支持部材と、
前記下側支持部材と前記下側貫を前記基礎部に固定する下側固定部材と、
前記下側貫通孔と交差して前記下側貫通孔の上に設けられた上側貫通孔を貫通する上側貫と、
前記基礎部と前記上側貫の間に設けられ、前記上側貫を支持する上側支持部材と、
前記上側支持部材と前記上側貫を前記基礎部に固定する上側固定部材と、
を有する木造柱の耐震構造。
【請求項2】
前記木造柱が内柱のときは、前記下側貫の両側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定し、
前記上側貫の両側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定する請求項1に記載の木造柱の耐震構造。
【請求項3】
前記木造柱が外柱のときは、前記下側貫の両側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定し、前記上側貫の内柱側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定し、
又は、前記上側貫の両側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定し、前記下側貫の内柱側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定する請求項1に記載の木造柱の耐震構造。
【請求項4】
前記木造柱が隅柱のときは、前記下側貫の前記外柱側を前記下側支持部材で支持して、前記下側固定部材で前記下側貫と前記下側支持部材を前記基礎部に固定し、前記上側貫の前記外柱側を前記上側支持部材で支持して、前記上側固定部材で前記上側貫と前記上側支持部材を前記基礎部に固定する請求項1に記載の木造柱の耐震構造。
【請求項5】
前記下側貫通孔と前記下側貫との隙間に下側楔を打ち込み、前記上側貫通孔と前記上側貫との隙間に上側楔を打ち込んだ請求項1〜4のいずれか1項に記載の木造柱の耐震構造。
【請求項6】
前記基礎部と前記下側支持部材の重ね合せ面、前記下側支持部材と前記下側貫の重ね合せ面、前記基礎部と前記上側支持部材の重ね合せ面、及び前記上側支持部材と前記上側貫の重ね合せ面には、横方向の滑りを防止する滑り防止手段が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の木造柱の耐震構造。
【請求項7】
前記滑り防止手段は、前記重ね合せ面の一方の面に形成された凸部と、他方の面に形成された前記凸部が入る凹部であり、又は前記重ね合せ面の両面に喰い込むジベルである請求項6に記載の木造柱の耐震構造。
【請求項8】
前記下側貫通孔の底面に中央部が凸状の段差部を設け、前記下側貫通孔に挿入される前記下側貫の下面に前記凸状の段差部が挿入される凹部が設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の木造柱の耐震構造。
【請求項9】
木造柱の下部に下側貫通孔を形成し、前記下側貫通孔に下側貫を貫通させる工程と、
前記木造柱が直置きされた基礎部と前記下側貫の間に下側支持部材を入れ、前記下側貫を前記下側支持部材で支持する工程と、
前記下側支持部材と前記下側貫を、下側固定部材で前記基礎部に固定する工程と、
前記下側貫通孔と交差して、前記下側貫通孔の上に上側貫通孔を形成し、前記上側貫通孔に上側貫を貫通させる工程と、
前記基礎部と前記上側貫の間に上側支持部材を入れ、前記上側貫を前記上側支持部材で支持する工程と、
前記上側支持部材と前記上側貫を、上側固定部材で前記基礎部に固定する工程と、
を有する木造柱の耐震補強方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−17633(P2012−17633A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157168(P2010−157168)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】