説明

本収納ケース

【課題】内部に収納した本を容易に取り出すことができる本収納ケースを提供する。
【解決手段】側壁21が底板22に平面略コ字状に立設され、内部に本Bを収納する本体部23と、本体部23に連結された連結部24と、連結部24に折り曲げ自在に連結され、本体部23を上方から覆って閉じる蓋部25と、を備える本収納ケース20であって、一方の翼部26aが連結部24に貼着され、他方の翼部26bが一方の翼部26aの右側に立設された断面略L字状の第一アングル26と、第一アングル26の他方の翼部26bの先端に左端28bが折り曲げ自在に連結され、右端28aの上面に凸部27が形成された中敷き28とを備え、本体部23と連結部24との連結は折り曲げ自在であるとともに、蓋部25を開けたときに第一アングル26を左方向に回転して、中敷き28を斜め左上方にせり出すようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に本を収納する本収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
卒業アルバムや結婚式のアルバムのような写真アルバムや高級な本は、専用の本収納ケースに収納され、大切に保管される。
このような内部に本を収納する本収納ケースとして、図8に示すようなものが開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−178343号公報
【特許文献2】特開2000−15955号公報
【0004】
図8に記載の発明は、側壁11が底板12の四方を囲むように立設された本体部13と、本体部の上方から覆って閉じる蓋部15とを備えるものである。そして、本体部13と蓋部15とは折り曲げ自在に連結され、蓋部15が本体部13を覆って閉じる。
このような本収納ケース10によると、内部に本Bを収納することができるので、保管時に本Bが傷み難い。
また、本Bを本収納ケース10に収納して販売することで、本Bに高級感を出すことができるので、一般の本との差別化を図ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、収納する本Bのサイズは本収納ケース10の内寸と略等しいので、本Bと本体部13の側壁11との間にほとんど隙間がない。これにより、収納された本Bが内部でがたつかない反面、収納した本Bを本収納ケース10から取り出し難い。したがって、本収納ケース10をひっくり返すか、本体部13の底面12等に取付けられ本体部13の外側に垂らしたリボンを引いて、収納した本Bを取り出さなければならず、煩わしいというという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、内部に収納した本を容易に取り出すことができる本収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の本収納ケース(20)は、側壁(21)が底板(22)に平面略コ字状に立設され、内部に本(B)を収納する本体部(23)と、前記本体部(23)の前記側壁(21)のない左側に右端(24a)が連結された連結部(24)と、前記連結部(24)の左端(24b)に折り曲げ自在に連結され、前記本体部(23)を上方から覆って閉じる蓋部(25)を備える本収納ケース(20)であって、一方の翼部(26a)が前記連結部(24)に貼着され、他方の翼部(26b)が前記一方の翼部(26a)の右側に立設された断面略L字状の第一アングル(26)と、前記第一アングル(26)の他方の翼部(26b)の先端に左端(28b)が折り曲げ自在に連結され、右端(28a)の上面に前記収納された本(B)の右側への移動を阻止する凸部(27)が形成された中敷き(28)とを備え、前記本体部(23)と前記連結部(24)との連結は折り曲げ自在であるとともに、前記蓋部(25)を開けたときに前記第一アングル(26)を左方向に回転して、前記中敷き(28)を斜め左上方にせり出すようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の本収納ケース(20)は、前記第一アングル(26)、前記中敷き(28)、及び前記凸部(27)は、一連の布体(29)で被覆されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の本収納ケース(20)は、断面略L字状の第二アングル(30)をさらに備え、前記中敷き(28)の右端(28a)に前記第二アングル(30)の一方の翼部(30a)が前記中敷き(28)と平行になるように連結されるとともに、前記凸部(27)は前記第二アングル(30)の他方の翼部(30b)であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の本収納ケース(20)は、前記第二アングル(30)の角部(30c)又は前記第二アングル(30)の角部(30c)に対応する前記布体(29)の部位のうち前記本体部(23)と接触する部位に、前記本体部(23)との摩擦を軽減する摺動層(32)が形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の本収納ケース(20)は、前記凸部(27)の高さ(H1)は、前記本体部(23)の側壁(21)の高さ(H2)と略等しいことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の本収納ケース(20)は、請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の本収納ケース(20)に、左右の幅(W1)が前記中敷き(28)の左右の幅よりも広い本(B)を収納する本収納ケース(20)の使用方法であって、前記蓋部(25)を閉じたときには、前記本(B)を前記中敷き(28)及び前記第一アングル(26)の他方の翼部(26b)に上載し、前記蓋部(25)を開けたときには、前記第一アングル(26)を左方向に回転して、前記中敷き(28)を斜め左上方にせり出すようにし、前記中敷き(28)の左端(28b)から突出した前記本(B)の部位を上下から把持して前記本体部(23)から前記本(B)を取出し可能にしたことを特徴とする。
【0013】
なお、ここでいう本(B)とは、写真アルバムを含む広義の本をいう。
【0014】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の本収納ケースによれば、一方の翼部が連結部に貼着され、他方の翼部が一方の翼部の右側に立設された断面略L字状の第一アングルと、第一アングルの他方の翼部の先端に左端が折り曲げ自在に連結され、右端の上面に収納された本の右側への移動を阻止する凸部が形成された中敷きとを備え、本体部と連結部との連結は折り曲げ自在であるとともに、蓋部を開けたときに第一アングルを左方向に回転して、中敷きを斜め左上方にせり出すようにしたので、左右の幅が中敷きの左右の幅よりも広い本を中敷きに上載した場合には、本に凸部が当接して中敷きとともに本がせり出し、しかも中敷きの左端から本が突出する。よって、その本の突出した部位の下には空間が生じるので、ユーザは本を上下から把持することができ、収納した本を容易に取り出すことができる。
【0016】
また、請求項2に記載の本収納ケースによれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、第一アングル、中敷き、及び凸部は、一連の布体で被覆されているので、各部材の境目に生じる角部を覆うことできる。したがって、その角部によって、収納した本を傷付けることを防止することができる。
また、各部材の境目をなくすことができるので、見栄えがよい。
また、布体は、使用時に繰り返し折り曲げられる第一アングルと中敷きの連結部分の補強にもなる。
【0017】
また、請求項3に記載の本収納ケースによれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、断面略L字状の第二アングルをさらに備え、中敷きの右端に第二アングルの一方の翼部が中敷きと平行になるように連結されるとともに、凸部は第二アングルの他方の翼部であるので、他方の翼部の高さが異なる第二アングルを複数用意するだけで、様々な厚さの本収納ケースの生産に対応することが容易である。
すなわち、一般に、内部に収納する本の厚さに合った厚さの本収納ケースを各種生産することが多いが、中敷きに直接凸部が形成されている場合には、その凸部と一体の中敷きを何種類も製造しなければならず、保管のときに中敷きが嵩張ってしまう。一方、第二アングルを用いた場合には、他方の翼部の高さが異なる第二アングルを複数用意し、中敷きは一種類だけ製造すれば済むので、保管のときに嵩張らず、様々な厚さの本収納ケースの生産に対応することが容易である。
また、凸部である第二アングルの他方の翼部は一方の翼部と一体であるので、凸部に本からの負荷が掛かっても、凸部が中敷きに対して倒れてしまうということが起こり難い。
【0018】
また、請求項4に記載の本収納ケースによれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加え、第二アングルの角部又は第二アングルの角部に対応する布体の部位のうち本体部と接触する部位に、本体部との摩擦を軽減する摺動層が形成されているので、蓋部の開閉のたびに中敷きと本体部が擦れても、その本体部と接触する部位が傷付き難い。
【0019】
また、請求項5に記載の本収納ケースによれば、凸部の高さは、本体部の側壁の高さと略等しいので、凸部の高さは収納する本の厚さと略等しいか、本の厚さよりも高い。よって、中敷きが斜め左上方にせり出すときに、確実に本の右側への移動を阻止することができる。
【0020】
また、請求項6に記載の本収納ケースの使用方法によれば、蓋部を閉じたときには、左右の幅が中敷きの左右の幅よりも広い本を中敷き及び第一アングルの他方の翼部に上載し、蓋部を開けたときには、第一アングルを左方向に回転して、中敷きを斜め左上方にせり出すようにし、中敷きの左端から突出した本の部位を上下から把持して本体部から本を取り出し可能にしたので、収納した本を容易に取り出すことができる。
つまり、中敷きが左上方にせり出すことで中敷きの左端から本が突出し、その突出した本の部位の下には空間が生じるので、ユーザは本を上下から把持することができ、本の取り出しが容易である。
【0021】
なお、本体部と蓋部とを有する点では上述した特許文献1に記載された発明と共通するが、本発明の本収納ケースのように、第一アングルと中敷きとを備え、蓋部を開けたときに第一アングルを左方向に回転して、中敷きを斜め左上方にせり出すようにした点は、特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る本収納ケースを示す斜視図である。
【図2】図1に示す本収納ケースの閉状態における断面図である。
【図3】図1に示す本収納ケースの開状態における断面図である。
【図4】図3に示す本収納ケースの要部拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る本収納ケースを示す斜視図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る本収納ケースにおける第一アングル、中敷き及び凸部を示す拡大斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態に係る本収納ケースの要部拡大断面図である。
【図8】従来例に係る本収納ケースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態に係る本収納ケース20を説明する。
この本収納ケース20は、本体部23と、連結部24と、蓋部25と、第一アングル26と、中敷き28と、第二アングル30と、を備えるものである。
【0024】
本体部23は、内部に本Bを収納するものであって、側壁21が底板22に平面略コ字状に立設されている。三つの側壁21の高さH2はそれぞれ等しく、収容する本Bの厚さTよりも高い。なお、四方のうち底板22の左側に側壁21が立設されない。
また、底板22の下面には、底板22よりも一回り大きい外装体33が貼着されており、外装体33の下面が化粧面である。
【0025】
連結部24は、本体部23の側壁21のない左側に連結部24の右端24aが連結され、本体部23と蓋部25とを連結するものである。本体部23の外装体33と連結部24との連結部分は、表側と裏側の両方から前後方向に凹溝34が形成されており、その凹溝34において本体部23と連結部24が折り曲げ自在となっている。
また、連結部24の下面が化粧面である。
【0026】
蓋部25は、連結部24の左端24bに連結され、本体部23を上方から覆って閉じるものである。
また、蓋部25にも側壁35が天板36に平面略コ字状に立設されており、四方のうち蓋部25を開けたときの右側が側壁35のない方向である。蓋部25の三つの側壁35の高さH3はそれぞれ等しく、本体部23の側壁21の高さH2よりも若干高い。
天板36の下面(蓋部25を開いた状態における下面)には、天板36よりも一回り大きい外装体37が貼着されており、外装体37の下面が化粧面となっている。
なお、蓋部25の外装体37の大きさは本体部23の外装体33の大きさと等しい。
蓋部25の外装体37と連結部24の連結部分も、表側と裏側の両方から前後方向に凹溝38が形成されており、その凹溝38において蓋部25と連結部24が折り曲げ自在となっている。
そして、蓋部25を閉じたときには、蓋部25の側壁35はそれぞれ本体部23の側壁21よりも外側に位置する。
【0027】
第一アングル26は、図1及び図3に示すように、蓋部25を開いた状態において、一方の翼部26aが連結部24の上面に貼着され、他方の翼部26bが一方の翼部26aの右側に立設された断面略L字状である。つまり、第一アングル26の一方の翼部26aと他方の翼部26bとのなす角は略90度となっている。
よって、図2に示すように、蓋部25を閉じた状態においては、連結部24が鉛直状態になることに伴って、第一アングル26の他方の翼部26bは中敷き28と平行になるとともに、一方の翼部26aが鉛直に延びる。
ここで、第一アングル26の前後の長さは、本体部23の前後の壁面間の距離より短い。
なお、第一アングル26はプラスチック製であり、一方の翼部26aと他方の翼部26bは一体的に成形されている。
【0028】
中敷き28は、平面状であり、第一アングル26の他方の翼部26bの先端に中敷き28の左端28bが折り曲げ自在に連結されている。また、中敷き28は、厚手のボール紙からなる。
【0029】
第二アングル30は、断面略L字状であり、中敷き28の右端28aに一方の翼部30aが中敷き28と平行になるように連結されている。そして、第二アングル30の他方の翼部30bが一方の翼部30aの右側で、上方に向かって立設されている。この他方の翼部30bは、本Bの右側への移動を阻止する凸部27である。このように第二アングル30も、一方の翼部30aと他方の翼部30bとのなす角が略90度となっている。
また、凸部27の高さH1は、本体部23の側壁21の高さH2に比べ若干低いだけで、略等しい。
なお、第二アングル30はプラスチック製であり、一方の翼部30aと他方の翼部30bは一体的に成形されている。
【0030】
ここで、図4に示すように、第一アングル26、中敷き28、及び第二アングル30は、より詳細には、一連のフェルト調の布体29で被覆されている。もちろん、この被覆によって第一アングル26と中敷き28との折り曲げは困難になるものではない。
【0031】
以上のように構成された本収納ケース20に、左右の幅W1が、中敷き28の左右の幅W2よりも広くかつ中敷き28の左右の幅W2と第一アングル26の他方の翼部26bの左右の幅W3の和よりも狭い本Bを収納する、本収納ケース20の使用方法を説明する。
まず、図2に示すように、蓋部25を閉じたときには、第一アングル26の他方の翼部26bが水平状態、つまり中敷き28と平行になるので、第一アングル26の他方の翼部26b、中敷き28、及び第二アングル30の一方の翼部30aによって一つの面が形成される。この面に本Bを上載する。
【0032】
そして、図1及び図3に示すように、蓋部25を開けたときには、連結部24を、連結部24と本体部23との連結部分34を回転の中心として回転することで、第一アングル26を左方向に回転して(正面視で反時計回り)、第一アングル26の他方の翼部26bを鉛直状態とし、第一アングル26の他方の翼部26bに連結された中敷き28を斜め左上方にせり出すようにする。
こうすることで、蓋部25を閉じていたときに第一アングル26の他方の翼部26bに上載されていた本Bの部位が中敷き28の左端28bから突出するようになるので、その突出した本Bの部位を上下から把持して本体部23から本Bを取り出し可能にした。
【0033】
このように構成及び使用される本収納ケース20によれば、第一アングル26と、第一アングル26の他方の翼部26bの先端に左端28bが折り曲げ自在に連結された中敷き28と、中敷き28に連結され本Bの右側への移動を阻止する他方の翼部30b(凸部27)が形成された第二アングル30とを備え、本体部23と連結部24との連結は折り曲げ自在であるとともに、蓋部25を開けたときに第一アングル26を左方向に回転して、中敷き28を斜め左上方にせり出すようにしたので、左右の幅W1が中敷き28の左右の幅W2よりも広い本Bを中敷き28に上載した場合には、本Bに凸部27が当接して中敷き28とともに本Bがせり出し、しかも中敷き28の左端28bから本Bが突出する。よって、その本Bの突出した部位の下には空間が生じるので、ユーザは本Bを上下から把持することができ、収納した本Bを容易に取り出すことができる。
【0034】
また、第一アングル26、中敷き28、及び第二アングル30は、一連の布体29で被覆されているので、各部材26,28,30の境目に生じる角部を覆うことできる。したがって、その角部によって、収納した本Bを傷付けることを防止することができる。
また、各部材26,28,30の境目をなくすことができるので、見栄えがよい。
また、布体29は、使用時に繰り返し折り曲げられる第一アングル26と中敷き28の連結部分の補強にもなる。
【0035】
また、中敷き28の右端28aに第二アングル30の一方の翼部30aが中敷き28と平行になるように連結されるとともに、第二アングル30の他方の翼部30bが、本Bの右側への移動を阻止する凸部27であるので、他方の翼部30bの高さH1が異なる第二アングル30を複数用意するだけで、様々な厚さの本収納ケース20の生産に対応することが容易である。
すなわち、一般に、内部に収納する本Bの厚さTに合った厚さの本収納ケース20を各種生産することが多いが、他方の翼部30bの高さH1が異なる第二アングル30を複数用意し、中敷き28は一種類だけ製造すれば済むので、保管のときに嵩張らず、様々な厚さの本収納ケース20の生産に対応することが容易である。
また、凸部27である第二アングル30の他方の翼部30bは一方の翼部30aと一体であるので、第二アングル30の他方の翼部30bに本Bからの負荷が掛かっても、第二アングル30の他方の翼部30bが中敷き28に対して倒れてしまうということが起こり難い。
【0036】
また、第二アングル30の他方の翼部30bの高さH1は、本体部23の側壁21の高H2さと略等しいので、第二アングル30の他方の翼部30bの高さH1は収納する本Bの厚さTと略等しいか、本Bの厚さTよりも高い。よって、中敷き28が斜め左上方にせり出すときに、確実に本Bの右側への移動を阻止することができる。
【0037】
なお、本実施形態において、第一アングル26、中敷き28、及び第二アングル30は一連の布体29で被覆されているとしたが、これに限られるものではない。
【0038】
また、蓋部25は側壁35を備えるとしたが、これに限られるものではなく、図5に示すように、蓋部25は外装体37のみからなるものであってもよい。このとき、蓋部25の下面にベルト40を備え、このベルト40により蓋部25の閉じた状態を保持することが考えられる。なお、この保持手段はベルト40に限られるものではない。
【0039】
また、第二アングル30を備えるとしたが、これに限られるものではなく、中敷き28の右端28aの上面に直接凸部27を形成してもよい。このとき、凸部27は本Bの右側への移動を阻止できればよいので、図6に示すように、本Bの厚さTよりも高さが低い凸部27であってもよい。
また、凸部27は前後に連続して形成されていなくてもよく、複数の凸部27がそれぞれ前後に所定間隔を開けて形成されていてもよい。
【0040】
さらに、図7に示すように、第二アングル30の角部30cに対応する布体29の部位のうち本体部23と接触する部位に、本体部23との摩擦を軽減する摺動層41を形成してもよい。これにより、蓋部25の開閉のたびに中敷き28と本体部23が擦れても、その本体部23と接触する部位が傷付き難い。もちろん、布体29を備えない場合には、第二アングル30の角部30cに直接摺動層41を形成することになる。
この摺動層41は、テープ状のものを貼着して形成してもよいし、塗膜であってもよい。
【0041】
また、本体部23の底板22表面に浅い凹部(図示しない)を設けて、その凹部にDVDやCDを収納するようにしてもよい。すなわち、例えば結婚式のアルバムを本収納ケース20に収納する場合に、その結婚式の映像を収録したDVDも同時に収納することができるので、便利である。
【0042】
また、本体部23と蓋部25はそれぞれ外装体33,37を備えるとしたが、これに限られるものではなく、本体部23の底板22及び蓋部25の天板36がそれぞれ直接連結部24と連結されていてもよい。
【0043】
本実施形態に係る本収納ケース20の使用方法においては、収納される本Bの左右の幅W1が中敷き28の左右の幅W2よりも広い場合が効果的であるが、左右の幅W1が中敷き28の左右の幅W2よりも狭い本Bであって、蓋部25を開いたときに中敷き28の左端28bから本Bが突出しない場合であっても、従来の本収納ケース20よりも収納した本Bを取り出し易い。
【符号の説明】
【0044】
10 本収納ケース
11 側壁
12 底板
13 本体部
15 蓋部
20 本収納ケース
21 側壁
22 底板
23 本体部
24 連結部
24a 右端
24b 左端
25 蓋部
26 第一アングル
26a 一方の翼部
26b 他方の翼部
27 凸部
28 中敷き
28a 右端
28b 左端
29 布体
30 第二アングル
30a 一方の翼部
30b 他方の翼部
30c 角部
32 摺動層
33 外装体
34 凹溝
35 側壁
36 天板
37 外装体
38 凹溝
40 ベルト
41 摺動層
B 本
H1 凸部の高さ
H2 本体部の側壁の高さ
H3 蓋部の側壁の高さ
T 本の厚さ
W1 本の左右の幅
W2 中敷きの左右の幅
W3 第一アングルの他方の翼部の左右の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁が底板に平面略コ字状に立設され、内部に本を収納する本体部と、
前記本体部の前記側壁のない左側に右端が連結された連結部と、
前記連結部の左端に折り曲げ自在に連結され、前記本体部を上方から覆って閉じる蓋部を備える本収納ケースであって、
一方の翼部が前記連結部に貼着され、他方の翼部が前記一方の翼部の右側に立設された断面略L字状の第一アングルと、
前記第一アングルの他方の翼部の先端に左端が折り曲げ自在に連結され、右端の上面に前記収納された本の右側への移動を阻止する凸部が形成された中敷きとを備え、
前記本体部と前記連結部との連結は折り曲げ自在であるとともに、前記蓋部を開けたときに前記第一アングルを左方向に回転して、前記中敷きを斜め左上方にせり出すようにしたことを特徴とする本収納ケース。
【請求項2】
前記第一アングル、前記中敷き、及び前記凸部は、一連の布体で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の本収納ケース。
【請求項3】
断面略L字状の第二アングルをさらに備え、
前記中敷きの右端に前記第二アングルの一方の翼部が前記中敷きと平行になるように連結されるとともに、前記凸部は前記第二アングルの他方の翼部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の本収納ケース。
【請求項4】
前記第二アングルの角部又は前記第二アングルの角部に対応する前記布体の部位のうち前記本体部と接触する部位に、前記本体部との摩擦を軽減する摺動層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の本収納ケース。
【請求項5】
前記凸部の高さは、前記本体部の側壁の高さと略等しいことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の本収納ケース。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の本収納ケースに、左右の幅が前記中敷きの左右の幅よりも広い本を収納する本収納ケースの使用方法であって、
前記蓋部を閉じたときには、前記本を前記中敷き及び前記第一アングルの他方の翼部に上載し、
前記蓋部を開けたときには、前記第一アングルを左方向に回転して、前記中敷きを斜め左上方にせり出すようにし、前記中敷きの左端から突出した前記本の部位を上下から把持して前記本体部から前記本を取り出し可能にしたことを特徴とする本収納ケースの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−30562(P2012−30562A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174136(P2010−174136)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(598033848)株式会社アスカネット (10)
【Fターム(参考)】