説明

材料圧縮加工設備

【課題】生産効率の低下を抑制すると共に、クラッド材の品質を安定化させる材料圧縮加工設備を提供する。
【解決手段】対向配置された一対の作業ロールをミル本体に備え、作業ロール間で粉末材料を圧縮加工するようにした材料圧縮加工設備において、ミル本体を設置するミルハウジング4に隣接し且つ作業ロールをミル本体から軸方向へ引き出して組替え得る組替位置6に、作業ロールを研削するロール研削装置20を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉末圧延機や板表面に粉末を圧着する装置のような材料圧縮加工設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば板表面の両面又は片面に、粉末を圧着してクラッド材を製造するアイデアが提案されており、このようなクラッド材を製造する際には、圧延機のような材料圧縮加工設備が使用される。
【0003】
而して、斯かる材料圧縮加工設備の従来の一般的な例は図6に示されている。図6中、1は対向配置された作業ロール1a,1bを備えた材料圧縮加工装置であり、作業ロール1a,1bは対向側が下方へ回転駆動され得るようになっていると共に対向する作業ロール間のギャップ(ロールギャップ)を調整し得るようになっている。ここで、2a,2bは作業ロール1a,1bの上面に昇降可能に配置された回転駆動可能な粉末排出ローラ、3a,3bは粉末排出ローラ2a,2bよりも作業ロール1a,1bの回転方向上流側で粉末Pmを作業ロール1a,1b上面に供給し得るよう、粉末Pmが貯留される粉末ホッパである。又、Sは図示してない巻き戻し機により作業ロール1a,1b間に供給される板である。
【0004】
上記材料圧縮加工装置1により板Sに粉末Pmを圧着してクラッド材を製造する際には、モータ等の回転駆動装置により作業ロール1a,1bが回転駆動されて図6の矢印方向へ回転させられると共に、上方より作業ロール1a,1b間に板Sが送給され、粉末ホッパ3a,3bより作業ロール1a,1b上面に粉末Pmが供給される。
【0005】
而して、作業ロール1a,1b上面に供給された粉末Pmは、作業ロール1a,1bを回転駆動する回転駆動装置とは異なる別のモータ等の回転駆動装置により回転駆動される粉末排出ローラ2a,2bにより排出量を調整されて板S側へ送給され、作業ロール1a,1bにより板Sに圧着されてクラッド材が形成される(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【0006】
一方で、このような材料圧縮加工設備は、粉末Pmを供給して作業ロール1a,1bにより同一幅のクラッド材を製造する際に、作業ロール1a,1bのエッジ等に偏磨耗を生じ、作業ロール1a,1bの寿命が短いため、作業ロール1a,1bを研削する必要があり、特に作業ロール1a,1bの研削を、粉末材料を圧縮加工する生産効率を低下させないように操業中に行うことが考えられている。
【特許文献1】特開2002−212608号公報
【特許文献2】特開2004−114158号公報
【特許文献3】特開2002−210589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、操業中に作業ロール1a,1bを研削する設備は、ロールを研削する構成が複雑になると共に、これらをメンテナンスするスペースがないため、容易にメンテナンスができず、作業ロール1a,1bの状態を安定に保つことが困難になり、クラッド材の品質を安定化させることができなくなる可能性があった。
【0008】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、生産効率の低下を抑制すると共に、クラッド材の品質を安定化させる材料圧縮加工設備を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、対向配置された一対の作業ロールをミル本体に備え、前記作業ロール間で粉末材料を圧縮加工するようにした材料圧縮加工設備において、前記ミル本体を設置するミルハウジングに隣接し且つ作業ロールをミル本体から軸方向へ引き出して組替え得る組替位置に、前記作業ロールを研削するロール研削装置を配置したことを特徴とする材料圧縮加工設備、にかかるものである。
【0010】
本発明において、粉末材料の圧縮加工時に作業ロールを軸転させる駆動モータが、前記作業ロールと共に移動し得るように構成され、且つロール研削装置による作業ロールの研削の際に作業ロールを軸転させるように構成されることが好ましい。
【0011】
又、本発明において、駆動モータを直結型のサーボモータにすることが好ましい。
【0012】
更に、本発明において、作業ロールの研削を為し得るよう、組替位置に作業ロールを固定する固定手段を備えることが好ましい。
【0013】
又、本発明において、固定手段は、作業ロールを支持する軸箱に形成された固定穴に対して挿入可能に形成されるコッターと、該コッターを移動させるシリンダ部とを備えることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、作業ロールを研削するロール研削装置を、ミルハウジングに隣接し且つ作業ロールをミル本体から軸方向へ引き出して組替える組替位置に配置するので、ミルハウジング内に作業ロール研削装置を配置した場合のような構成の複雑化やメンテナンスのスペースがない状態を解消して構成を単純化すると共にメンテナンス用のスペースを確保し、容易なメンテナンスにより作業ロールの状態を安定に保ち、クラッド材の品質を安定化させることができる。又、作業ロールを、ミル本体を設置するミルハウジングに隣接させるので、作業ロールの研削が必要な際には作業ロールをミル本体から引き出して直ちに研削できると共に、研削後には、作業ロールを速やかにミル本体に戻して粉末材料の圧縮加工ができ、結果的に、クラッド材の生産効率の低下を抑制することができる。更に、対向配置された一対の作業ロールを廃却径になるまで連続して使用し得るので、他の研削済の作業ロールを予め準備する必要が無く、イニシャルコストを低減することができる。
【0015】
本発明において、粉末材料の圧縮加工時に作業ロールを軸転させる駆動モータが、作業ロールと共に移動し得るように構成され、且つロール研削装置による作業ロールの研削の際に作業ロールを軸転させるように構成されると、粉末材料の圧縮加工時に作業ロールを軸転させる駆動モータを、作業ロールの研削に兼用できるので、設備コストを低減すると共に全体の構成をコンパクトにすることができる。又、本発明において、駆動モータを直結型のサーボモータにすると、全体の構成を容易にコンパクトにすると共に、作業ロールを組替位置に引き出しても研削時のロール周速を自由に設置することができる。
【0016】
本発明において、作業ロールの研削を為し得るよう、組替位置に作業ロールを固定する固定手段を備えると、作業ロールの研削を適切に行い得るので、作業ロールの状態を安定に保ち、結果的にクラッド材の品質を安定化させることができる。又、本発明において、固定手段は、作業ロールを支持する軸箱に形成された固定穴に対して挿入可能に形成されるコッターと、該コッターを移動させるシリンダ部とを備えると、作業ロールの研削を確実に行い得るので、作業ロールの状態を一層安定に保ち、結果的にクラッド材の品質を更に安定化させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上述べたように、本発明の材料圧縮加工設備によれば、作業ロールを研削するロール研削装置を、ミル本体を設置するミルハウジングに隣接し且つ作業ロールをミル本体から軸方向へ引き出して組替える組替位置に配置するので、研削後の作業ロールを速やかにミル本体に戻して生産効率の低下を抑制すると共に、容易なメンテナンスによりクラッド材の品質を安定化させることができるという種々の優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施する形態を、図示例と共に説明する。
【0019】
図1〜図5は本発明を実施する形態例を示すものであり、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0020】
図1〜図5に示す材料圧縮加工設備は、粉末を供給して作業ロール1a,1bにより同一幅のクラッド材を製造するよう、ミルハウジング4内に設置されたミル本体5に、対向配置された一対の作業ロール1a,1b及び粉末排出ローラ等を備えると共に、ミルハウジング4に隣接する場所に、作業ロール1a,1bをミル本体5から軸方向へ引き出して組替え可能にする組替位置6を形成している。
【0021】
組替位置6には、作業ロール1a,1bを軸支する軸箱7を介して作業ロール1a,1bを移動させるよう、ミルハウジング4内から延在してフレーム部材8のベース9に載置されるレール部10が備えられており、レール部10には、作業ロール引出し装置11として、軸箱7に取り付られた引出部12のボールねじ13を螺合させるようにレール部11の延在方向に沿って中央に配置されるスクリューロッド14と、レール部10の端側に配置されて前記スクリューロッド14を軸転させるモータ15と、軸箱7の引出部12をガイドするようにスクリューロッド14の両側方向に配置される複数のガイドロッド16と、軸箱7の車輪7aをガイドするようにスクリューロッド14と略平行に配置される複数のガイドレール17とを備えている。
【0022】
又、組替位置6には、作業ロール1a,1bをオフラインで研削し得るよう、ミルハウジング4に隣接してレール部10の側方上部のハウジング18及び支持部材19に固定されるロール研削装置20と、レール部10の側部に配置されて作業ロール1a,1bを研削位置に固定する複数の固定手段21とが備えられている。
【0023】
固定手段21は、作業ロール1a,1bの軸箱7に形成された固定穴22に対して挿入可能なテーパ状の楔の形成されるコッター(挿入部)23と、コッター23を移動させるようレール部10の延在方向に対して直交する方向に進退動する油圧シリンダ(シリンダ部)24と、油圧シリンダ24を支持する台座フレーム25とを備え、油圧シリンダ24により軸箱7の固定穴22にコッター23を挿入して作業ロール1a,1bを研削位置に固定するようになっている。
【0024】
ここで、軸箱7に軸支される作業ロール1a,1bには、作業ロール1a,1bと共に移動し得る直結型のサーボモータ等の駆動モータ26が備えられており、該駆動モータ26は、粉末材料の圧縮加工時に作業ロール1a,1bを軸転させると共に、作業ロール1a,1bの研削の際に作業ロール1a,1bを軸転させるように構成されている。又、作業ロール1a,1bと駆動モータ26との間には、ギア(図示せず)等のバックラッシによる回転動力伝達系のガタツキ(回転位相差)を抑制するハーモニックドライブ27が配置されている。
【0025】
一方、ロール研削装置20は、作業ロール1a,1bを研削し得るならば特に制限されるものではないが、図1、図4、図5に示す如くレール部10の片側に備えられて作業ロール1a,1bのいずれか一方(図では作業ロール1a)を研削するものでも良いし、レール部10の両側に備えられて一対の作業ロール1a,1bを同時に研削するものでも良い。
【0026】
ここで、ロール研削装置20の具体的な一例を示すと、ロール研削装置20は、図4、図5に示す如く作業ロール1a,1bに対して交差する方向に延び且つ台板28に対して枢支される回転軸29と、回転軸29の先端部に取り付けられた回転砥石(カップ型砥石)30と、回転砥石30を回転させるように回転軸29を駆動する砥石駆動用油圧モータ(砥石駆動用アクチュエータ)31と、メンテナンス時に装置を後退待機位置まで後退させ得るシフト機構32と、回転砥石30を作業ロール1a,1bの軸線方向に沿って移動させるトラバース機構33と、粉末材料の圧縮方向に沿うよう回転砥石30を作業ロール1a,1bの表面に向って押圧する押圧機構34と、装置の側方から見た作業ロール1a,1bに対する回転軸29の上下方向の位置を変化させる回転軸昇降機構35と、装置上方から見た作業ロール1a,1bの軸線に対する回転軸29の角度を変化させる回転軸傾動機構36と、作業ロール1a,1bの偏磨耗等を検出する作業ロール欠陥検出機構37とを備えており、全体の構成を作業ロール1a,1bに対して交差する方向に延在して形成している。
【0027】
シフト機構32は、作業ロール1a,1bへ向かって延在するリトラクトガイド38と、作業ロール1a,1bに対して直交する方向に延在するシフト用シリンダ39とを備えている。
【0028】
トラバース機構33は、作業ロール1a,1bに対して近接離反し得るようにリトラクトガイド38に嵌合され且つ作業ロール1a,1bの軸線に対して平行に延びるガイドビーム40と、該ガイドビーム40に対して固定され且つ作業ロール1a,1bの軸線に対して平行に延びるラックギヤ41と、作業ロール1a,1bの軸線に対して平行移動し得るように前記のガイドビーム40に回転軸昇降機構35を介して取り付けられたキャリヤ42と、該キャリヤ42に装着され且つ前記のラックギヤ41に噛合するピニオン43を有するトラバース用油圧モータ44とを備えている。
【0029】
押圧機構34は、キャリヤ42の先端部近くの上面に固着され且つ作業ロール1a,1bの軸線に対して直交する方向に延びるガイドレール(図示せず)と、該ガイドレールに沿って移動する押圧フレーム45と、該押圧フレーム45をガイドレールの延長方向(作業ロール1a,1bの軸線に対して直交する方向)に移動させる押圧用シリンダ46とを備えている。
【0030】
回転軸昇降機構35は、作業ロール1a,1bの軸線に対して平行移動し得るようにガイドレール47に沿って移動する移動ブロック48と、該移動ブロック48に回転可能に取り付けられるスクリューシャフト49と、該スクリューシャフト49に螺着され且つ前記のトラバース機構33のキャリヤ42に固着されたナット50と、キャリヤ42に取り付けられる回転力伝達手段51を介してスクリューシャフト49を回転させる昇降用油圧モータ52とを備えている。
【0031】
回転軸傾動機構36は、図1、図3、図4に示す如く押圧フレーム45に装着された傾動用油圧モータ53と、該傾動用油圧モータ53により駆動されるピニオン(図示せず)を介して台板28を傾動させる回転力伝達機構54を有している。
【0032】
作業ロール欠陥検出機構37は、作業ロール1a,1bの軸線に対して平行に延びるガイドロッド55及びスクリューロッド56と、スクリューロッド56を軸転させる駆動モータ57と、ガイドロッド55をスライドしてスクリューロッド56の軸転により移動する台座部58と、台座部58の上に配置される検出カメラ59と、検出カメラ59からの信号により、トラバース機構33、押圧機構34、回転軸昇降機構35、回転軸傾動機構36を制御して作業ロール1a,1bの表面を健全化する制御部(図示せず)とを備えている。
【0033】
以下、本発明を実施する形態例の作用を説明する。
【0034】
材料圧縮加工設備において、粉末材料を圧縮加工してクラッド材を製造する際には、粉末ホッパ3a,3bから供給された粉末を、粉末排出ローラにより調整し、作業ロール1a,1bを回転駆動することによって、粉末材料を圧縮加工してクラッド材を製造する。
【0035】
その後、作業ロール1a,1bのロール表面に偏磨耗やロール欠陥部を生じて作業ロール1a,1bの研削が必要な場合には、粉末材料の圧縮加工等の操業を中止し、作業ロール引出し装置11によりミル本体5から作業ロール1a,1bを軸方向へ引き出して組替位置6まで移動させ、固定手段21により作業ロール1a,1bの軸箱7をレール幅方向の両側から固定し、作業ロール1a,1bを組替位置6の研削位置に固定する。ここで、作業ロール1a,1bの研削は、偏磨耗等の発生後でなく、所定の操業時間に応じて行うようにしても良い。
【0036】
作業ロール1a,1bの表面の研削作業を行う際には、作業ロール1a,1bに直結したサーボモータ(駆動モータ)15により作業ロール1a,1bを回転させた後、シフト機構32を作動させ、ガイドビーム40及びキャリヤ42を作業ロール1a,1bに近接させ、次いで、砥石駆動用油圧モータ31により回転砥石30を回転させると共に、押圧機構34を作動させ、押圧フレーム45を作業ロール1a,1bに近接させることにより、作業ロール1a,1bの表面に回転砥石30の接触面を接触させ、作業ロール1a,1bの表面を研削し、偏磨耗をならし、又はロール欠陥部を解消する。
【0037】
ここで、回転軸昇降機構35は、スクリューシャフト49を回転させ、キャリヤ42等を介して回転軸29の上下方向の位置を変化させ、作業ロール1a,1bに対する回転砥石30の高さ位置を調整することにより、回転砥石30の接触面を均一にするようにしても良い。又、回転軸傾動機構36は、回転力伝達機構54を作動させ、台板28等を介して回転軸29の角度を変化させ、作業ロール1a,1bに対する回転砥石30の接触角度を調整することにより、回転砥石30の接触面を均一にしても良い。
【0038】
このように、実施の形態例によれば、作業ロール1a,1bを研削するロール研削装置20を、ミルハウジング4に隣接し且つ作業ロール1a,1bをミル本体5から軸方向へ引き出して組替える組替位置6に配置するので、ミルハウジング4内に作業ロール研削装置を配置した場合のような構成の複雑化やメンテナンスのスペースがない状態を解消して、ロール研削装置20等の構成を単純化すると共にメンテナンス用のスペースを確保し、容易なメンテナンスにより作業ロール1a,1bの状態を安定に保ち、クラッド材の品質を安定化させることができる。又、作業ロール1a,1bを、ミル本体5を設置するミルハウジング4に隣接させるので、作業ロール1a,1bの研削が必要な際には作業ロール1a,1bをミル本体5から引き出して直ちに研削できると共に、研削後には、作業ロール1a,1bを速やかにミル本体5に戻して粉末材料の圧縮加工ができ、結果的に、クラッド材の生産効率の低下を抑制することができる。更に、対向配置された一対の作業ロール1a,1bを廃却径になるまで連続して使用し得るので、他の研削済の作業用ロールを予め準備する必要が無く、イニシャルコストを低減することができる。ここで、組替位置6で他の研削済の作業ロール1a,1bを準備した場合には、作業ロール1a,1bの組替作業が必要になるので、ミル本体5から作業ロール1a,1bを引き出して研削済の作業ロール1a,1bを戻すまでに時間がかかり、生産性が大幅に低下するという問題がある。
【0039】
実施の形態例において、粉末材料の圧縮加工時に作業ロール1a,1bを軸転させる駆動モータが、作業ロール1a,1bと共に移動し得るように構成され、且つロール研削装置20による作業ロール1a,1bの研削の際に作業ロール1a,1bを軸転させるように構成されると、粉末材料の圧縮加工時に作業ロール1a,1bを軸転させる駆動モータを、作業ロール1a,1bの研削に兼用できるので、作業ロール1a,1bの研削時に作業ロール1a,1bを駆動させるための他の駆動モータを不要にし、設備コストを低減すると共に全体の構成をコンパクトにすることができる。
【0040】
又、実施の形態例において、駆動モータを直結型のサーボモータにすると、全体の構成を容易にコンパクトにすると共に、作業ロール1a,1bを組替位置6に引き出しても研削時のロール周速を自由に設置し、作業ロール1a,1bの状態を安定に保つことができる。
【0041】
実施の形態例において、作業ロール1a,1bの研削を為し得るよう、組替位置6に作業ロール1a,1bを固定する固定手段21を備えると、作業ロール1a,1bの研削を適切に行い得るので、作業ロール1a,1bの状態を安定に保ち、結果的にクラッド材の品質を安定化させることができる。
【0042】
又、実施の形態例において、固定手段21は、作業ロール1a,1bを支持する軸箱7に形成された固定穴22に対して挿入可能に形成されるコッター23と、該コッター23を移動させるシリンダ部24とを備えると、作業ロール1a,1bの研削を確実に行い得るので、作業ロール1a,1bの状態を一層安定に保ち、結果的にクラッド材の品質を更に安定化させることができる。
【0043】
なお、本発明の材料圧縮加工設備は、上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明を実施する形態例を示す平面図である。
【図2】作業ロールをミル本体から引き出した状態を示す側面図である。
【図3】作業ロールを固定して研削する状態を示す概念図である。
【図4】ロール研削装置を示す側面図である。
【図5】作業ロール欠陥検出機構を除いたロール研削装置を示す平面図である。
【図6】従来の材料圧縮加工装置の例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0045】
1a 作業ロール
1b 作業ロール
4 ミルハウジング
5 ミル本体
6 組替位置
7 軸箱
20 ロール研削装置
21 固定手段
22 固定穴
23 コッター
24 油圧シリンダ(シリンダ部)
26 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された一対の作業ロールをミル本体に備え、前記作業ロール間で粉末材料を圧縮加工するようにした材料圧縮加工設備において、前記ミル本体を設置するミルハウジングに隣接し且つ作業ロールをミル本体から軸方向へ引き出して組替え得る組替位置に、前記作業ロールを研削するロール研削装置を配置したことを特徴とする材料圧縮加工設備。
【請求項2】
粉末材料の圧縮加工時に作業ロールを軸転させる駆動モータが、前記作業ロールと共に移動し得るように構成され、且つロール研削装置による作業ロールの研削の際に作業ロールを軸転させるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の材料圧縮加工設備。
【請求項3】
駆動モータを直結型のサーボモータにしたことを特徴とする請求項2に記載の材料圧縮加工設備。
【請求項4】
作業ロールの研削を為し得るよう、組替位置に作業ロールを固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の材料圧縮加工設備。
【請求項5】
固定手段は、作業ロールを支持する軸箱に形成された固定穴に対して挿入可能に形成されるコッターと、該コッターを移動させるシリンダ部とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の材料圧縮加工設備。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−202111(P2008−202111A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40778(P2007−40778)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ハーモニックドライブ
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】