説明

材料配置システム

【課題】複合繊維材料を金型上に配置する方法を提供する。
【解決手段】材料送り出し構造120と、ローラー122と、第1誘導装置と第2誘導装置とを含む方法および装置である。ローラー122は、第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成されていてもよい。第1誘導装置は、材料送り出し構造120の第1側面にあり。第2誘導装置は、材料送り出し構造120の第2側面にある。第2誘導装置は、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラー122へ誘導するよう構成されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して航空機に関し、詳しくは、航空機用複合部品に関する。さらに詳しくは、本開示は、材料を航空機部品用の金型上に配置するための方法および装置に関する。
【0002】
複合部品の形成にあたり、金型上に何層もの繊維材料をレイダウンすることがある。それらの材料は、例えば限定はされないが、樹脂含浸繊維であってもよい。それらの繊維材料は、種々の形態をとる可能性がある。例えば、繊維材料は、トウの形態をとってもよい。トウは、個々の繊維の束であってもよい。
【0003】
繊維材料を金型上に配置することは、時間がかかり、人間の作業者にとって単調で退屈であるかもしれない。現在のところ、種々の機械を用いて、繊維材料を金型上に配置することができる。
【0004】
例えば、機械は、開始地点からある方向へ移動し始め、繊維材料を金型の表面上に分配することができるエンドエフェクタを有してもよい。場合によっては、繊維配置ヘッドが開始地点から終了地点まで移動して、繊維材料を金型の表面上にレイダウンしてもよい。終了地点に達すると、繊維材料を切断してもよい。繊維配置ヘッドは、約180度回転し、オフセット位置へ移動してもよい。次いで、繊維配置ヘッドは、反対方向へ移動して、繊維材料を金型上にレイダウンしてもよい。このヘッドの回転はまた、繊維材料のレイダウンにおいて望まれるより長い時間かかることもある。さらに、この種の回転はまた、繊維配置ヘッドの磨耗および裂けを増加させることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上で取り上げた問題のうちの少なくともいくつか、および、ことによるとその他の問題を考慮した方法および装置を有することが有利であろう。
【0006】
有利な一実施形態において、装置は、材料送り出し構造と、ローラーと、第1側面と、第2側面とを含んでいてもよい。材料送り出し構造は、複数のある長さの材料を受けるよう構成されていてもよい。ローラーは、第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成されていてもよい。材料送り出し構造の第1側面は、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されていてもよい。材料送り出し構造の第2側面は、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されていてもよい。
【0007】
別の有利な実施形態において、複合部品用の材料を配置するための方法を提供してもよい。ローラーが材料送り出し構造の端部と連動している材料送り出し構造に対してローラーを位置決めしてもよい。金型に対して材料送り出し構造を移動させてもよい。材料送り出し構造の端部と連動しているローラーへ向かって複数のある長さの材料を移動させてもよい。ローラーにより金型上に複数のある長さの材料を配置してもよい。
【0008】
さらに別の有利な実施形態において、複数のある長さの材料を受けるための材料移動システムは、ローラーと、第1誘導装置と、第2誘導装置と、供給体と、位置決めシステムと、材料移動システムと、切断システムと、締め付けシステムとを含んでもよい。ローラーは、第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成されていてもよい。ローラーは、材料送り出し構造が第1方向へ移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、第1位置にあってもよい。ローラーは、材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向へ移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、第2位置にあってもよい。第1誘導装置は、材料送り出し構造の第1側面にあってもよい。第1誘導装置は、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料をローラーへと誘導するよう構成されていてもよい。第2誘導装置は、材料送り出し構造の第2側面にあってもよい。第2誘導装置は、複数のある長さの材料のうちの第2の数のある長さの材料をローラーへと誘導するよう構成されていてもよい。第1誘導装置は、第1の数のチャネルを含んでもよく、第2誘導装置は、第2の数のチャネルを含んでもよい。第1の数のチャネルは、第2の数のチャネルからオフセットされていてもよい。第1誘導装置は、第1誘導装置と第2誘導装置とがローラーの地点において実質的に交差するように、第2誘導装置に対してある角度を有して位置付けられていてもよい。ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置は、エンドエフェクタを形成していてもよい。供給体は、複数のある長さの材料を材料送り出し構造へ送るよう構成されていてもよい。位置決めシステムは、材料送り出し構造と連動していてもよい。位置決めシステムは、エンドエフェクタを金型に対して移動させるよう構成されていてもよい。金型は、複数のある長さの材料を受けるよう構成されていてもよい。材料移動システムは、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させるよう構成されていてもよい。材料移動システムはさらに、第2の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させるよう構成されていてもよい。切断システムは、材料送り出し構造と連動していてもよい。切断システムは、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料と複数のある長さの材料のうちの第2の数のある長さの材料とのうちの少なくとも1つを切断するよう構成されていてもよい。締め付けシステムは、材料送り出し構造と連動していてもよい。締め付けシステムは、ローラーへ向かう複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料とローラーへ向かう第2の数のある長さの材料とのうちの少なくとも1つの動きを実質的に停止させるよう構成されていてもよい。
【0009】
さらに別の有利な実施形態において、金型に対して材料送り出し構造を移動させることにより複合部品用の材料を配置するための方法を提供することができる。材料送り出し構造の端部と連動しているローラーへ向かって複数のある長さの材料を移動させてもよい。ローラーは、第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成してもよい。材料移動システムは、ローラーへ向かって複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料を移動させてもよい。材料移動システムはさらに、ローラーへ向かって第2の数のある長さの材料を移動させてもよい。材料送り出し構造は、材料送り出し構造の第1側面に第1誘導装置を有していてもよい。第1誘導装置は、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成してもよい。材料送り出し構造は、材料送り出し構造の第2側面に第2誘導装置を有していてもよい。第2誘導装置は、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成してもよい。第1誘導装置は、第1の数のチャネルを含んでいてもよい。第2誘導装置は、第2の数のチャネルを含んでいてもよい。第1の数のチャネルは、第2の数のチャネルからオフセットさせてもよい。第1誘導装置は、第1誘導装置と第2誘導装置とがローラーの地点において実質的に交差するように、第2誘導装置に対してある角度を有して位置付けてもよい。ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置は、エンドエフェクタを形成してもよい。位置決めシステムは、材料送り出し構造と関連付けてもよく、かつ、金型に対してエンドエフェクタを移動させてもよい。ローラーは、材料送り出し構造が第1方向に移動するとき、第1位置へ移動させてもよい。ローラーは、材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向に移動するとき、第2位置へ移動させてもよい。複数のある長さの材料は、ローラーにより金型上に配置してもよい。複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、複数のある長さの材料を切断してもよい。切断システムは、材料送り出し構造と関連付けてもよい。切断システムは、複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、複数のある長さの材料を切断してもよい。
【0010】
要約すると、本発明の一側面にしたがって、複数のある長さの材料を受けるよう構成されている材料送り出し構造と、第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成されているローラーと、材料送り出し構造の第1側面であって、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第1側面と、材料送り出し構造の第2側面であって、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第2側面とを含む装置が提供される。
【0011】
材料送り出し構造の第1側面の第1誘導装置であって、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第1誘導装置と、材料送り出し構造の第2側面の第2誘導装置であって、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第2誘導装置と、をさらに含む装置が有利である。
【0012】
材料送り出し構造が第1方向に移動中、ローラーは第1位置にあり、かつ、材料送り出し構造が第2方向に移動中、ローラーは第2位置にある装置が有利である。
【0013】
材料送り出し構造が第1方向に移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、ローラーは第1位置にあり、かつ、材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向に移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、ローラーは第2位置にある装置が有利である。
【0014】
複数のある長さの材料を材料送り出し構造へ送るよう構成されている供給体をさらに含む装置が有利である。
【0015】
ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置が、エンドエフェクタを形成している装置が有利である。
【0016】
複数のある長さの材料を受けるよう構成されている金型に対してエンドエフェクタを移動させるよう構成されている位置決めシステムをさらに含む装置が有利である。
【0017】
ローラーへ向かって複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料を移動させ、かつ、ローラーへ向かって第2の数のある長さの材料を移動させるよう構成されている材料移動システムをさらに含む装置が有利である。
【0018】
複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料と複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料とのうちの少なくとも1つを切断するよう構成されている切断システムをさらに含む装置が有利である。
【0019】
複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料のローラーへ向かう移動と第2の数のある長さの材料のローラーへ向かう移動とのうちの少なくとも1つを実質的に停止させるよう構成されている締め付けシステムをさらに含む装置が有利である。
【0020】
第1誘導装置が第1の数のチャネルを含み、かつ、第2誘導装置が第2の数のチャネルを含む装置が有利である。
【0021】
第1の数のチャネルが第2の数のチャネルからオフセットされている装置が有利である。
【0022】
第1誘導装置と第2誘導装置とがローラーの地点において実質的に交差するように、第1誘導装置が第2誘導装置に対してある角度を有して位置付けられている装置が有利である。
【0023】
本発明の別の側面にしたがって、複合部品用の材料を配置するための方法であって、ローラーが材料送り出し構造の端部と連動している材料送り出し構造に対してローラーを位置決めすることと、金型に対して材料送り出し構造を移動させることと、ローラーへ向かって複数のある長さの材料を移動させることと、ローラーにより金型上に複数のある長さの材料を配置することと、を含む方法が提供される。
【0024】
材料送り出し構造が第1方向に移動中、ローラーを第1位置に位置決めすることと、材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向に移動中、ローラーを第2位置に位置決めすることと、をさらに含む方法が有利である。
【0025】
材料移動システムが、複数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させる方法が有利である。
【0026】
複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、複数のある長さの材料を切断することをさらに含む方法が有利である。
【0027】
材料送り出し構造が、材料送り出し構造の第1側面の第1誘導装置であって、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第1誘導装置と、材料送り出し構造の第2側面の第2誘導装置であって、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第2誘導装置と、を有する方法が有利である。
【0028】
ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置が、エンドエフェクタを形成する方法が有利である。
【0029】
位置決めシステムが、金型に対してエンドエフェクタを移動させる方法が有利である。
【0030】
材料移動システムが、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させ、かつ、第2の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させる方法が有利である。
【0031】
複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、切断システムが、複数のある長さの材料を切断する方法が有利である。
【0032】
第1誘導装置が第1の数のチャネルを含み、かつ、第2誘導装置が第2の数のチャネルを含む方法が有利である。
【0033】
第1の数のチャネルが第2の数のチャネルからオフセットされている方法が有利である。
【0034】
第1誘導装置と第2誘導装置とがローラーの地点において実質的に交差するように、第1誘導装置が第2誘導装置に対してある角度を有して位置付けられている方法が有利である。
【0035】
本発明のさらなる側面にしたがって、第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成されているローラーであって、材料送り出し構造が第1方向へ移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、第1位置にあり、かつ、材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向へ移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、第2位置にあるローラーと、材料送り出し構造の第1側面にある第1誘導装置であって、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料をローラーへと誘導するよう構成されている第1誘導装置と、材料送り出し構造の第2側面にある第2誘導装置であって、複数のある長さの材料のうちの第2の数のある長さの材料をローラーへと誘導するよう構成されている第2誘導装置と、を含み、第1誘導装置が第1の数のチャネルを含み、かつ、第2誘導装置が第2の数のチャネルを含む、複数のある長さの材料を受けるための材料移動システムが提供され、第1の数のチャネルは、第2の数のチャネルからオフセットされており、第1誘導装置は、第1誘導装置と第2誘導装置とがローラーの地点において実質的に交差するように、第2誘導装置に対してある角度を有して位置付けられており、ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置は、エンドエフェクタを形成しており、供給体は、複数のある長さの材料を材料送り出し構造へ送るよう構成されており、位置決めシステムは、材料送り出し構造と連動し、かつ、エンドエフェクタを複数のある長さの材料を受けるよう構成されている金型に対して移動させるよう構成されており、材料移動システムは、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させ、かつ、第2の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させるよう構成されており、切断システムは、材料送り出し構造と連動し、かつ、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料と複数のある長さの材料のうちの第2の数のある長さの材料とのうちの少なくとも1つを切断するよう構成されており、かつ、締め付けシステムは、材料送り出し構造と連動し、かつ、ローラーへ向かう複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料とローラーへ向かう第2の数のある長さの材料とのうちの少なくとも1つの動きを実質的に停止させるよう構成されている。
【0036】
本発明のまたさらなる側面にしたがって、金型に対して材料送り出し構造を移動させることにより複合部品用の材料を配置するための方法が提供され、該方法は、材料送り出し構造の端部と連動しているローラーへ向かって複数のある長さの材料を移動させることであって、ローラーが、第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成されており、材料移動システムは、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料をローラーへと移動させ、かつ、第2の数のある長さの材料をローラーへと移動させ、材料送り出し構造は、材料送り出し構造の第1側面にある第1誘導装置であって、複数のある長さの材料のうちの第1の数のある長さの材料をローラーへと誘導するよう構成されている第1誘導装置と、材料送り出し構造の第2側面にある第2誘導装置であって、複数のある長さの材料のうちの第2の数のある長さの材料をローラーへと誘導するよう構成されている第2誘導装置とを有し、第1誘導装置が第1の数のチャネルを含み、かつ、第2誘導装置が第2の数のチャネルを含み、第1の数のチャネルは、第2の数のチャネルからオフセットされており、第1誘導装置は、第1誘導装置と第2誘導装置とがローラーの地点において実質的に交差するように、第2誘導装置に対してある角度を有して位置付けられており、ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置は、エンドエフェクタを形成しており、位置決めシステムは、材料送り出し構造と連動し、かつ、エンドエフェクタを金型に対して移動させる、移動させることと、材料送り出し構造が第1方向へ移動中、ローラーを第1位置へ移動させることと、材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向へ移動中、ローラーを第2位置へ移動させることと、ローラーにより金型上に複数のある長さの材料を配置することと、複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、複数のある長さの材料を切断することであって、切断システムが、材料送り出し構造と連動しており、かつ、複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、複数のある長さの材料を切断する、切断することと、を含む。
【0037】
特徴、機能および利点は、本開示のさまざまな実施形態において独立して達成可能であり、または、以下の説明および図面を参照してさらなる詳細が理解可能であるさらに他の実施形態において組み合わせてもよい。
【0038】
有利な実施形態の特性と信じられている新規な特徴は、添付の請求項に記載されている。しかしながら、有利な実施形態および好適な使用形態、使用のさらなる目的および利点は、添付の図面とともに解釈すると、以下に示す本開示の有利な実施形態の詳細な説明を参照することにより、もっともよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、有利な実施形態に係る複合部品製造環境を示す。
【図2】図2は、有利な実施形態に係る複合部品製造環境のブロック図を示す。
【図3】図3は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタのブロック図を示す。
【図4】図4は、有利な実施形態に係る金型上への複合材料の配置を示す。
【図5】図5は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの再位置決めを示す。
【図6】図6は、有利な実施形態に係る金型上への複合材料の配置を示す。
【図7】図7は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタのある部分を側面から示す。
【図8】図8は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの別の部分を側面から示す。
【図9】図9は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの斜視図を示す。
【図10】図10は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの別の図を示す。
【図11】図11は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの別の斜視図を示す。
【図12】図12は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタを示す。
【図13】図13は、有利な実施形態に係るエンドエフェクタのある部分を示す。
【図14】図14は、有利な実施形態に係る第2位置におけるローラーを示す。
【図15】図15は、有利な実施形態に係る誘導システムを示す。
【図16】図16は、有利な実施形態に係る材料送り出し構造上の誘導システムおよびローラーの断面図を示す。
【図17】図17は、有利な実施形態に係る材料を配置して複合部品を形成するためのプロセスのフローチャートを示す。
【図18】図18は、有利な実施形態に係るローラーの位置を制御するためのプロセスのフローチャートを示す。
【図19】図19は、有利な実施形態に係る航空機の製造および保守方法を示した図である。
【図20】図20は、有利な実施形態を実現することができる航空機の図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
種々の有利な実施形態は、約180度回転し、逆方向に移動して、繊維材料をレイダウンする機械の方が、繊維配置ヘッドを開始位置へ戻すよう移動させて、追加の繊維材料をレイダウンするより早い可能性があるということを認識し、考慮している。
【0041】
種々の有利な実施形態は、互いに反対であるかもしれない2つの方向に移動する際、機械の繊維配置ヘッドが約180度回転する可能性があるということを認識し、考慮している。繊維配置ヘッドのこの回転は、繊維材料のレイダウン方向を反転させるために行ってもよい。
【0042】
種々の有利な実施形態は、この種の機械が、望まれるより大きいかもしれない機械組立品を有する可能性があるということを認識し、考慮している。また、繊維配置ヘッドは、材料がそこからヘッドへ供給されるトウ経路を有しているかもしれず、これらのトウ経路は、望まれるより複雑である可能性がある。
【0043】
さらに、種々の有利な実施形態は、自動化繊維配置システムが、回転の大きさ、回転の頻度および回転するジョイントの端から端までのトウ経路の複雑さのためにより多くの整備を要する可能性があるということをも認識し、考慮している。テープ、トウおよび/またはその他の材料が隣り合った配置でレイダウンされているトウ経路を構成してもよい。
【0044】
したがって、種々の有利な実施形態は、構造物の表面上に繊維を配置するための方法および装置を提供する。
【0045】
ここで図1を参照して、有利な実施形態に係る複合部品製造環境の図を描写する。本説明例において、複合部品製造環境100は、材料配置システム102を含んでもよい。本説明例において、材料配置システム102は、自動化繊維配置(AFP)システム104の形態をとってもよい。
【0046】
材料配置システム102は、金型108上に複合材料106をレイアップしてもよい。本説明例において、材料配置システム102は、基部110、アーム112およびエンドエフェクタ114ならびにその他の構成部品を含んでもよい。基部110は、床116に固定されていてもよい。他の説明例において、基部110は、可動プラットフォームに取り付けられていてもよい。
【0047】
これらの説明例において、複合材料のロール118は、エンドエフェクタ114の中に位置していてもよい。複合材料106は、複合材料のロール118から生成してもよい。これらの説明例において、複合材料106は、材料送り出し構造120およびローラー122により金型108上に配置されていてもよい。これらの説明例において、ローラー122は、複合材料のロール118からの複合材料106のレイアップ時間が短縮可能なように、位置決めし直すことができてもよい。
【0048】
ここで図2に注目して、有利な実施形態に係る複合部品製造環境のブロック図を描写することができる。図1における複合部品製造環境100は、複合部品製造環境200に対する一実施構成の例である。
【0049】
これらの説明例において、複合部品製造環境200は、複合部品202の製造に用いられてもよい。とりわけ、複合部品202は、これらの説明例において複合航空機部品204の形態をとってもよい。
【0050】
複合部品202は、材料206から形成されてもよい。これらの説明例において、材料206は、繊維208の形態をとってもよい。材料206は、樹脂210を含んでもよい。樹脂210は、材料206中の繊維208に注入または含浸してもよい。これらの説明例において、樹脂210が材料206中に存在するとき、材料206は、プリプレグ212と呼ばれてもよい。
【0051】
プリプレグ212は、種々の形態をとることができる。例えば限定はされないが、プリプレグ212は、トウ214、テープ216の形態および/またはその他適切な形態をとることができる。プリプレグ212は、成型および/または硬化の準備が整った形態の樹脂210を有する材料206であってもよい。トウ214は、繊維から作られるフィラメントのよられていない束であってもよい。トウ214の典型的なトウ幅は、例えば限定はされないが、約1/8インチから約1/2インチまでの間であってもよい。テープ216は、プリプレグ212の幅とすることができる。テープ216のこれらの幅は、例えば限定はされないが、約1インチから約60インチまでとすることができる。もちろん、特定の実施構成によってはその他の幅を用いてもよい。
【0052】
これらの説明例において、材料206は、金型218上に配置されてもよい。材料206の金型218上への配置は、材料配置システム220を用いて行ってもよい。これらの説明例において、材料配置システム220は、自動化繊維配置システム222の形態をとってもよい。描写されているように、材料配置システム220は、制御装置224、位置決めシステム226、エンドエフェクタ228およびその他適切な構成部品を含んでもよい。
【0053】
制御装置224は、プロセッサユニット、コンピュータシステムおよび/または材料206の金型218上への配置を制御するよう構成されているその他何らかの適切な構成部品であってもよい。位置決めシステム226は、金型218に対してエンドエフェクタ228を移動させるよう構成されている構成部品であってもよい。位置決めシステム226は、例えば限定はされないが、アーム230であってもよい。アーム230は、ある数の軸232を移動させるよう構成されていてもよい。例えば、特定の実施構成によっては、ある数の軸232は、6本の軸であってもよく、かつ、およそ6自由度を提供してもよい。
【0054】
エンドエフェクタ228は、材料送り出し構造234およびローラー236を含んでもよい。描写されているように、ローラー236は、材料206が金型218上で実質的に平坦となるようにするよう構成されているある材料から構成されていてもよい。該材料は、弾性特性を有するものとして選択されてもよい。該材料は、例えば、ゴム、エラストマー重合体、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、シリコーン、エチレンプロピレンおよびその他適切な材料のうちの1つから選択されてもよい。
【0055】
ローラー236は、移動可能かつ回転可能であってもよい。また、ローラー236は、回転可能であることに加えて、材料送り出し構造234に移動可能に取り付けられていてもよい。これらの説明例において、ローラー236は、第1位置238と第2位置240との間で移動するよう構成されていてもよい。第1位置238と第2位置240との間のローラー236の移動は、材料送り出し構造234の端部242を基準としたものであってもよい。
【0056】
移動機構243は、第1位置238と第2位置240との間でローラー236を移動させるよう構成されていてもよい。移動機構243は、制御装置224により制御されていてもよい。移動機構243は、第1位置238と第2位置240との間でローラー236を移動させることができるあらゆる装置を用いて実施可能である。例えば限定はされないが、移動機構243は、空気圧シリンダ、電気サーボアクチュエータ、および/または、その他何らかの適切な種類の装置とすることができる。
【0057】
これらの説明例において、ローラー236は、材料送り出し構造234が第1方向244に移動中は第1位置238にあってもよい。ローラー236は、材料送り出し構造234が第2方向246に移動中は第2位置240にあってもよい。第1方向244と第2方向246とは、これらの説明例において、互いに実質的に反対であってもよい。ローラー236は、金型218上への材料206の配置を助けるよう構成されていてもよい。また、ローラー236は、材料206上に力248を印加するよう構成されていてもよい。力248は、材料206がエンドエフェクタ228により金型218上に配置される際に金型218上にとどまるように、印加されてもよい。力248は、金型218上で材料206を圧縮してもよい。
【0058】
ここで図3に注目して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタのブロック図を描写する。本説明例において、供給体300は、エンドエフェクタ228と連動していてもよい。供給体300は、複数のある長さの複合材料302を含んでいてもよい。複数のある長さの複合材料302は、供給体300内のロール304に位置していてもよい。複数のある長さの複合材料302の一本一本は、トウであってもよい。複数のある長さの複合材料302は、材料送り出し構造234へ供給されてもよい。
【0059】
本説明例において、材料送り出し構造234は、第1誘導装置306および第2誘導装置308を有してもよい。第1誘導装置306は、第1の数のチャネル310を含んでいてもよい。第2誘導装置308は、第2の数のチャネル312を含んでいてもよい。第1誘導装置306は、材料送り出し構造234の第1側面314に位置していてもよい。第2誘導装置308は、材料送り出し構造234の第2側面316に位置していてもよい。これらの説明例において、第1の数のチャネル310と第2の数のチャネル312とは、第1側面314と第2側面316とにおいて互いに対向していてもよい。第1の数のチャネル310と第2の数のチャネル312とは、互いにオフセットしていてもよい。例えば、第1側面314における第1の数のチャネル310のうちのあるチャネルは、第2側面316における第2の数のチャネル312のうちのあるチャネルからオフセットしていてもよい。
【0060】
これらの説明例において、第1誘導装置306は、第2誘導装置308に対して角度318を有して位置決めされていてもよい。角度318は、第1誘導装置306と第2誘導装置308とが材料送り出し構造234上の地点320において実質的に交差するようであってもよい。地点320は、端部242におけるローラー236の地点であってもよい。
【0061】
描写されているように、複数のある長さの複合材料302における第1の数のある長さの複合材料322は、第1の数のチャネル310内を移動させてもよい。複数のある長さの複合材料302における第2の数のある長さの複合材料324は、これらの説明例において、第2の数のチャネル312内を移動させてもよい。
【0062】
これらの説明例において、エンドエフェクタ228は、材料移動システム326をも含んでもよい。材料移動システム326は、これらの説明例において、材料送り出し構造234と連動していてもよい。材料移動システム326は、ローラー236へ向かって第1の数のある長さの複合材料322を移動させ、かつ、ローラー236へ向かって第2の数のある長さの複合材料324を移動させるよう構成されていてもよい。
【0063】
また、締め付けシステム328もまた、エンドエフェクタ228に含まれていてもよい。締め付けシステム328は、材料送り出し構造234と連動していてもよい。締め付けシステム328は、第1の数のある長さの複合材料322と第2の数のある長さの複合材料324とのうちの少なくとも1つの動きを実質的に停止させるよう構成されていてもよい。締め付けシステム328は、切断システム330とともに動作させてもよい。
【0064】
ここで用いられているように、「のうちの少なくとも1つ」という句は、項目の一覧とともに用いられる場合、列挙されている項目のうちの1つ以上の種々の組み合わせを用いてもよく、かつ、一覧の各項目のうちの1つしか必要でない可能性があるということを意味する。例えば、「項目A、項目Bおよび項目Cのうちの少なくとも1つ」は、例えば限定はされないが、項目Aまたは項目Aおよび項目Bを含んでもよい。この例はまた、項目A、項目Bおよび項目C、または、項目Bおよび項目Cを含んでもよい。
【0065】
示されているように、切断システム330は、エンドエフェクタ228内に存在していてもよい。切断システム330は、材料送り出し構造234と連動していてもよい。切断システム330は、第1の数のある長さの複合材料322と第2の数のある長さの複合材料324とのうちの少なくとも1つを切断するよう構成されていてもよい。切断システム330は、締め付けシステム328が、第1の数のある長さの複合材料322と第2の数のある長さの複合材料324とのうちの少なくとも1つの動きを停止させると、第1の数のある長さの複合材料322と第2の数のある長さの複合材料324とのうちの少なくとも1つに対して切断動作を行ってもよい。
【0066】
誘導システム340は、第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324をローラー236へ誘導してもよい。さらに、加熱システム341は、ローラー236上に配置されている第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324を加熱してもよい。加熱システム341による加熱は、第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324がローラー236上に配置される前に、第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324がローラー236上に配置されているときに、第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324がローラー236上に配置された後に、または、それらの何らかの組み合わせで行ってもよい。
【0067】
本説明例において、加熱システム341は、第1の数のある長さの複合材料322と第2の数のある長さの複合材料324とのうちの少なくとも1つを加熱するよう構成されていてもよい。
【0068】
これらの説明例において、ローラー236は、位置決め部材345と連動していてもよい。位置決め部材345は、ローラー236が第1位置238と第2位置240との間を移動可能とするよう構成されていてもよい。該移動は、図2における移動機構243を用いて行ってもよい。具体的には、移動機構243は、位置決め部材345と接続されていてもよく、かつ、ローラー236を第1位置238と第2位置240との間で移動させるように位置決め部材345を移動させてもよい。
【0069】
次いで、ローラー236は、第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324を金型218上に帯状片346として配置してもよい。言い換えると、第1の数のある長さの複合材料322と第2の数のある長さの複合材料324とは、金型218上に配置されたときに帯状片346を形成するよう互いに隣接していてもよい。さらに、ローラー236は、金型218上で帯状片346を圧縮してもよい。
【0070】
さらに、誘導システム340および/または加熱システム341もまた、位置決め部材345と連動していてもよい。その結果、誘導システム340および/または加熱システム341もまた、第1位置238と第2位置240との間をローラー236により移動させてもよい。
【0071】
これらの説明例において、複数のある長さの複合材料302の一本一本は、第1の数のチャネル310および第2の数のチャネル312中のあるチャネルに割り当てられていてもよい。エンドエフェクタ228が回転せずに方向転換すると、複数のある長さの複合材料302の割り当ては、逆転してもよい。複数のある長さの複合材料302の割り当ての逆転が起こり、その結果、複数のある長さの複合材料302を配置するためのプログラムが、複数のある長さの複合材料302を金型218上に正確にレイダウンしてもよい。
【0072】
エンドエフェクタ228によれば、複数のある長さの複合材料302における第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324のある数の経路350は、約180度回転するエンドエフェクタと比較して、より単純であるかもしれない。言い換えると、第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324に対するある数の経路350では、供給体300に対するエンドエフェクタ228内の材料送り出し構造234についての回転を考慮する必要がないかもしれない。その代わりに、第1の数のある長さの複合材料322および第2の数のある長さの複合材料324に対するある数の経路350は固定されたままである可能性がある。
【0073】
さらに、エンドエフェクタ228はまた、回転する構成部品を有するエンドエフェクタと比較して、より小さいかもしれない。また、構成部品を約180度回転させ、かつ/または、金型218を横切って後退させる必要がないので、金型218上に複数のある長さの複合材料302をレイダウンするのに必要な時間が短縮される可能性がある。例えば、方向の逆転は、現在入手可能なエンドエフェクタによる数秒と比較して、エンドエフェクタ228を用いると数分の1秒で行うことができる。大型の複合部品を形成しているときには、この差異は、複合部品のレイアップに必要な時間を何時間も短縮する結果となる可能性がある。さらに、エンドエフェクタ228に対する整備は、より少ない可動部品の使用により、現在入手可能なエンドエフェクタと比較して軽減される可能性がある。
【0074】
図2における複合部品製造環境200および図3におけるエンドエフェクタ228の例示は、有利な実施形態を実施可能な手法に対する物理的またはアーキテクチャの限定を暗示しようとするものではない。例示されているものに加えて、かつ/または、代えてその他の構成部品を用いてもよい。いくつかの構成部品は、不要であるかもしれない。また、ブロックは、いくつかの機能的構成部品を例示するために提示されている。これらのブロックのうちの1つ以上をある有利な実施形態において実施する際は、組み合わせて、かつ/または、種々のブロックに分割してもよい。
【0075】
例えば、いくつかの説明例において、複合部品202は、他の形態をとってもよい。例えば、複合部品202は、建物、船舶、自動車、宇宙機および/またはその他適切な対象物のための複合部品であってもよい。さらに、材料配置システム220は、材料206を金型218上に配置するためのエンドエフェクタ228に加えて、かつ/または、に代えて追加のエンドエフェクタを含んでもよい。さらにその他の説明例において、複合材料は、特定の実施構成によっては、第1側面314および第2側面316ではなく一方の側面からのみ供給されることがある。さらに、材料206は、トウ214およびテープ216以外の他の形態をとってもよい。例えば、材料206は、布地、または、トウ214とテープ216との組み合わせの形態をとってもよい。
【0076】
別の実施例として、エンドエフェクタ228はまた、材料206が金型218上に配置される前に材料206を加熱するよう構成されている加熱システムを含んでいてもよい。さらにその他の説明例において、供給体300は、エンドエフェクタ228とは別個の複合体であってもよい。さらに別の実施例において、材料206、エンドエフェクタ228中のローラー236およびその他の構成部品などの構成部品を移動させるか、または、位置決めし直すために、アクチュエータおよびモータが存在していてもよい。
【0077】
図1および図4〜図16において示されている種々の構成部品は、図2および図3における構成部品と組み合わせても、図2および図3における構成部品とともに用いても、または、これら2つの組み合わせであってもよい。また、図1および図4〜図16において示されている構成部品のいくつかは、図2および図3においてブロックの形態で示されている構成部品が物理的構造物として実施可能な様子の説明例であってもよい。
【0078】
本説明例において、複合部品202は、航空機用の複合航空機部品204として説明している。その他の説明例では、複合部品202は、航空機以外の他の種類のプラットフォーム用の複合部品であってもよい。1つ以上の種々の有利な実施形態を用いて、複合部品および/または区画を有するプラットフォーム用の複合材料を配置することもできる。
【0079】
例えば限定はされないが、可動プラットフォーム、静止プラットフォーム、地上構造物、水中構造物、宇宙構造物および/またはその他何らかの適切な対象物にその他の有利な実施形態を適用してもよい。具体的には、例えば限定はされないが、潜水艦、バス、人員運搬車、戦車、列車、自動車、宇宙機、宇宙ステーション、衛星、水上艦、発電所、ダム、風力発電機、製造設備、建物、および/またはその他何らかの適切な対象物に種々の有利な実施形態を適用してもよい。
【0080】
非限定的な説明例において、風力発電機用の製造回転翼に1つ以上の種々の有利な実施形態を適用してもよい。種々の有利な実施形態を用いて、風力タービンにおける使用のために回転翼用の複合材料を配置してもよい。種々の有利な実施形態を用いて、発電に用いられるその他の構造物を製造するための複合材料を配置してもよい。
【0081】
別の非限定的な説明例として、1つ以上の種々の有利な実施形態を用いて、太陽電池の保持に用いられる土台用の複合材料を配置してもよい。さらに別の説明例において、1つ以上の種々の有利な実施形態を用いて、自動車のボンネット、家庭用電化製品、ゴルフ用品および複合材料を有するその他の対象物のための複合材料を配置してもよい。
【0082】
図4に注目して、有利な実施形態に係る金型上への複合材料の配置の図を描写する。本説明例において、複合部品製造環境100における複合材料106は、トウの形態をとっていてもよい。複数のある長さのトウ402は、複合材料のロール118から材料送り出し構造120を介して誘導されてもよい。これらの説明例において、複合材料のロール118は、トウのロールであってもよい。これらのトウは、本説明例において、一方向のものであってもよい。
【0083】
本説明例において、エンドエフェクタ114は、金型108上に複数のある長さのトウ402を配置してもよい。複数のある長さのトウ402は、帯状片404の状態で金型108上に配置されてもよい。
【0084】
例えば限定はされないが、複数のある長さのトウ402は、エンドエフェクタ114が矢印408方向に移動するに伴い、金型108上に配置されて、金型108上に帯状片406を形成してもよい。エンドエフェクタ114が矢印408方向に移動するとき、ローラー122は、エンドエフェクタ114上で材料送り出し構造120に対して第1位置410を有していてもよい。
【0085】
ここで図5に注目して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの再位置決めの図を描写する。エンドエフェクタ114が金型108上に帯状片406を配置し終えると、材料送り出し構造120は、複数のある長さのトウ402を切断してもよく、かつ、金型108上に別の帯状片を配置するために自身を位置決めしてもよい。筐体500内部の構成部品(図示せず)は、複数のある長さのトウ402を操作してもよい。
【0086】
本説明例において、新たな帯状片を配置する前に、ローラー122は、第2位置502へ移動する。第2位置502は、エンドエフェクタ114が矢印504方向に移動する際に用いられてもよい。矢印504の方向は、図4における矢印408の方向と反対であってもよい。本説明例において、エンドエフェクタ114は、帯状片406の地点508と隣接した位置506へ移動させてもよい。
【0087】
図6において、有利な実施形態に係る金型上への複合材料の配置の図を描写する。本説明例において、複数のある長さのトウ402は、金型108上に帯状片600を配置するために材料送り出し構造120を介してローラー122へ移動させてもよい。本説明例において、帯状片600は、帯状片406と隣接していてもよい。帯状片600は、エンドエフェクタ114が矢印504方向に移動するに伴って複数のある長さのトウ402を金型108上へ配置することにより、金型108上へ配置してもよい。
【0088】
本プロセスは、金型108上に配置されるあらゆる数の後続の複合材料の帯状片に対して繰り返してもよい。このように、エンドエフェクタ114に対する移動量が削減される可能性がある。この削減は、これらの説明例において、エンドエフェクタ114を約180度回転させる代わりに、図5における第1位置410と第2位置502との間でローラー122を移動させることによるエンドエフェクタ114の移動により生じてもよい。複数のある長さのトウ402を移動させる経路中にある可能性があるエンドエフェクタ114の他の部分を移動させることなくローラー122にこの種の移動をさせることにより、これらの説明例において、エンドエフェクタ114の複雑さおよび大きさが低減する可能性がある。
【0089】
ここで図7を参照して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタのある部分の側面図を描写する。本説明例において、エンドエフェクタ114用の材料送り出し構造120は、筐体500が示されていない露出図において見られてもよい。
【0090】
本図において、材料送り出し構造120用の切断システム700、材料移動システム702および締め付けシステム704の一部が見られてもよい。本実施例において、ローラー122は、エンドエフェクタ114が矢印408方向に移動するとき、第1位置410にあってもよい。
【0091】
本説明例において、第1の数のある長さの複合材料708および第2の数のある長さの複合材料710は、材料送り出し構造120を介して移動させて、ローラー122へ到達してもよい。本説明例において、第1の数のある長さの複合材料708は、材料送り出し構造120の第1側面712を移動してもよい。第2の数のある長さの複合材料710は、材料送り出し構造120の第2側面714を移動してもよい。
【0092】
これらの説明例において、第1の数のある長さの複合材料708は、第2の数のある長さの複合材料710に対してオフセットしていてもよい。このオフセットは、帯状片406が材料送り出し構造120の端部718に形成されるようなものとすることができる。とりわけ、帯状片406は、ローラー122の表面720上に存在していてもよい。
【0093】
本実施例において、誘導システム722は、金型108(図示せず)上への配置のためにローラー122上に帯状片406を誘導してもよい。誘導システム722は、誘導構造724および誘導構造726を含んでいてもよい。
【0094】
とりわけ、誘導システム722用の誘導構造724は、第1の数のある長さの複合材料708および第2の数のある長さの複合材料710に端部718において帯状片406を形成させてもよい。誘導構造724は、第1の数のある長さの複合材料708および第2の数のある長さの複合材料710が端部718において収束して、ローラー122の表面720へ到達するように構成されていてもよい。さらに、誘導構造724はまた、帯状片406をローラー122上へ誘導してもよい。
【0095】
描写されているように、加熱システム728は、加熱器730および加熱器732を含んでいてもよい。加熱システム728は、第1位置410において描写されており、かつ、帯状片406を加熱するよう構成されていてもよい。
【0096】
描写されているように、ローラー122は、位置決め部材740と連動していてもよい。ローラー122は、位置決め部材740により第1位置410に配置されていてもよい。位置決め部材740は、ローラー122を矢印742の方向に移動させてもよい。ローラー122の矢印742方向への移動により、ローラー122が第1位置410から第2位置502(図示せず)へ移動してもよい。これらの説明例において、誘導システム722における誘導構造724および誘導構造726もまた、位置決め部材740と連動していてもよい。加熱システム728における加熱器730および加熱器732もまた、位置決め部材740と連動していてもよい。その結果、誘導システム722および/または加熱システム728もまた、ローラー122が矢印742の方向において第1位置410から第2位置502(図示せず)へ向かって移動させられる際に、矢印742の方向において第1位置410から第2位置502へ移動してもよい。
【0097】
ここで図8に注目して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの別の部分の側面図を描写する。本図において分かるように、エンドエフェクタ114は、矢印504方向に移動してもよい。矢印504は、図7における矢印408と実質的に反対方向である。本説明例において、ローラー122は、第2位置502にあってもよい。また、誘導システム722および/または加熱システム728もまた、第2位置502にあってもよい。この位置において、誘導システム722における誘導構造726は、金型108(図示せず)上へ配置するため帯状片600を誘導してもよい。
【0098】
この位置において、第1の数のある長さの複合材料708および第2の数のある長さの複合材料710は、材料送り出し構造120を介して進み、材料送り出し構造120の端部718へ到達してもよい。端部718において、帯状片600は、第1の数のある長さの複合材料708および第2の数のある長さの複合材料710から形成されてもよい。
【0099】
ローラー122が第2位置502にあるとき、この位置は、第1の数のある長さの複合材料708と第2の数のある長さの複合材料710とが端部718で収束して、ローラー122の表面720へ到達するようなものであってもよい。
【0100】
この方向に移動しているとき、かつ、ローラー122が第2位置502にある状態において、帯状片600は、ローラー122の表面720上で形成され、金型108上に配置されてもよい。本説明例において、誘導システム722における誘導構造726は、第1の数のある長さの複合材料708および第2の数のある長さの複合材料710を誘導して、端部718において帯状片600を形成する。さらに、誘導構造724もまた、帯状片600をローラー122の表面720上へ誘導してもよい。次いで、ローラー122を用いて、金型108上に帯状片600を配置してもよい。
【0101】
帯状片600が金型108上に配置された後、ローラー122は、矢印810方向に移動させてもよい。ローラー122の矢印810方向への移動により、ローラー122が第2位置502から第1位置410(図示せず)へ移動してもよい。
【0102】
ここで図9を参照して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの斜視図を描写する。エンドエフェクタ114の斜視図を示している。本図において、エンドエフェクタ114のその他の構成部品が見えるように、筐体500は示されていない。
【0103】
本説明例において、第1誘導装置900は、経路901において第1側面712の第1の数のある長さの複合材料708をローラー122へ向かって誘導してもよい。これらの説明例において、第1誘導装置900は、第1の数のチャネル902を含んでいてもよい。
【0104】
本説明例において、第1の数のチャネル902中の各チャネルは、第1の数のある長さの複合材料708におけるある1本の複合材料のための導子としての役割を果たしてもよい。本説明例において、第1の数のある長さの複合材料708は、ある1本904、ある1本906、ある1本908、ある1本910、ある1本912およびある1本914を含んでもよい。第1の数のチャネル902は、チャネル916、918、920、922、924および926を含んでもよい。
【0105】
示されているように、締め付けシステム704は、部材928、930、932、934、936および938を含んでもよい。これらの部材の各々は、矢印939方向に独立して移動して、第1の数のある長さの複合材料708の移動を停止してもよい。これらの説明例において、ある長さが移動し続けている一方で、別の長さが止められてもよい。
【0106】
材料移動システム702は、ローラー940、942、944、946、948および950を含んでもよい。これらのローラーは、電動ローラー952、954、956、958、960および962に対応していてもよい。これら電動ローラーの各々は、ローラーに対応する導子におけるある長さの複合材料を移動させてもよい。
【0107】
例えば、電動ローラー962が矢印951方向に回転すると、ある1本914は、経路901の方向にチャネル926を介して移動してもよい。ローラー950は、電動ローラー962が回転するとともに回転して、チャネル926におけるある1本914の移動を助けてもよい。
【0108】
これらの説明例において、切断システム700は、切断器966、968、970、972、974および976を含んでいてもよい。これらの切断器の各々は、矢印975の方向に移動して、第1の数のある長さの複合材料708におけるある1本の複合材料を切断してもよい。これらの切断器の各々は、本説明例において、他の切断器から独立して移動してもよい。
【0109】
描写されているように、第2の数のある長さの複合材料710はまた、第1の数のある長さの複合材料708が矢印964方向に移動すると同時に、矢印980方向に移動してもよい。
【0110】
描写されているように、ローラー122は、矢印982方向において第1位置410と(本図では図示していない)第2位置502との間で軸984の回りを移動してもよい。誘導システム722および/または加熱システムはまた、矢印982方向において第1位置410と第2位置502(図示せず)との間で軸984の回りを移動してもよい。これらの構成部品は、移動機構(図示せず)を用いて移動させてもよい。
【0111】
ここで図10に注目して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの別の図を描写する。本説明例において、エンドエフェクタ114用ローラー122は、エンドエフェクタ114が矢印504の方向に移動するとき、第2位置502にあってもよい。また、誘導システム722は、エンドエフェクタ114が矢印504の方向に移動するとき、第2位置502にあってもよい。
【0112】
ここで図11に注目して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの別の斜視図を描写する。本説明例において、エンドエフェクタ114の第2側面714のより詳細な図が図11において見られてもよい。
【0113】
描写されているように、第2誘導装置1100は、材料送り出し構造120の第2側面714に見られてもよい。本説明例において、第2誘導装置1100は、第2の数のチャネル1102を含んでいてもよい。第2の数のチャネル1102は、第2の数のある長さの複合材料710を材料送り出し構造120の端部718へ向かって誘導してもよい。第2の数のある長さの複合材料710は、第2の数のチャネル1102における経路1103に沿って移動してもよい。
【0114】
本説明例において、第2の数のチャネル1102は、チャネル1104、1106、1108、1110、1112および1114を含んでいてもよい。第2の数のある長さの複合材料710は、ある1本1116、ある1本1118、ある1本1120、ある1本1122、ある1本1124およびある1本1126を含んでいてもよい。
【0115】
示されているように、締め付けシステム704は、第2側面714に追加の部材を含んでいてもよい。これらの部材は、部材1128、1130、1132、1134、1136および1138を含んでいてもよく、かつ、矢印1139の方向に移動してもよい。同様に、材料移動システム702もまた、電動ローラー1140、1142、1144、1146、1148および1150をさらに含んでいてもよい。ローラー1152、1154、1156、1158、1160および1162はまた、材料移動システム702内に存在していてもよい。切断システム700はまた、切断器1164、1166、1168、1170、1172および1174を含んでいてもよい。これらの切断器は、矢印1176の方向に移動してもよい。
【0116】
エンドエフェクタ114のこの図において、移動機構1180が見られてもよい。描写されているように、移動機構1180は、サーボモータ1182、車輪1184および駆動ベルト1186を含んでいてもよい。描写されているように、移動機構1180は、図2における移動機構243の少なくとも一部の実施構成の一例であってもよい。
【0117】
サーボモータ1182は、矢印1188の方向に旋回して、車輪1184を矢印1192の方向に旋回させるように駆動ベルト1186を移動させてもよい。この移動により、ローラー122、誘導システム722および加熱システム728のうちの少なくとも1つが第1位置410から第2位置502(図示せず)へ向かって矢印1192の方向に移動してもよい。さらに、移動機構1180もまた、ローラー122、誘導システム722および加熱システム728のうちの少なくとも1つを第1位置410および/または第2位置502(図示せず)に維持してもよい。
【0118】
ここで図12を参照して、有利な実施形態に係るエンドエフェクタの図を描写する。本説明例において、エンドエフェクタ114は、矢印504の方向に移動してもよい。この方向において、ローラー122は、第2位置502にあってもよい。
【0119】
次に、図13において、有利な実施形態に係るエンドエフェクタのある部分の図を描写する。本実施例において、エンドエフェクタ114用ローラー122を有する材料送り出し構造120のある部分を描写する。
【0120】
本図では、誘導システム722をよりよく説明するために、エンドエフェクタ114におけるいくつかの構成部品は示していない。描写されているように、誘導システム722における誘導構造724は、すくい部1300とチャネル延長部1302とを有していてもよい。チャネル延長部1302のより多くの詳細を説明するために、すくい部1300の部分切り欠き図を示している。本実施例において、ローラー122は、第1位置410にあってもよい。
【0121】
本説明例において、チャネル延長部1302は、第1側面1304と第2側面1306とを有していてもよい。チャネル延長部1302における第1の数のチャネル1308は、第1誘導装置900における第1の数のチャネル902と対応していてもよい。すくい部1300および/またはチャネル延長部1302は、第1誘導装置900における第1の数のある長さの複合材料708(図示せず)および第2誘導装置1100における第2の数のある長さの複合材料710(図示せず)をローラー122上へ導いてもよい。
【0122】
次いで、図14に注目して、有利な実施形態に係る第2位置におけるローラーの図を描写する。第2位置502にあるとき、誘導構造726用のすくい部1400が見られてもよい。本実施例において、すくい部1400もまた、部分切り欠き図で示されている。
【0123】
図15において、有利な実施形態に係る誘導システムの図を描写する。本図において、ローラー122は、誘導システム722における構成部品を見やすくするために取り除いている。本実施例において見られるように、チャネル延長部1302の第2側面1306の第2の数のチャネル1500は、第2位置502において見られてもよい。
【0124】
描写されているように、第1側面1304の第1の数のチャネル1308は、第2側面1306の第2の数のチャネル1500からオフセットされていてもよい。例えば、第1側面1304の第1チャネル1502は、第2側面1306の第2チャネル1504からオフセットされていてもよい。
【0125】
第2位置502において、本図において描写されているように、第1の数のチャネル1506は、誘導構造726用のチャネル延長部1510の側面1508に位置していてもよい。第1の数のチャネル1506は、材料送り出し構造120の第2側面714の第2の数のチャネル1102(図示せず)と位置合わせされていてもよい。チャネル延長部1510用の側面1516の第2の数のチャネル1514は、材料送り出し構造120の第1側面712の第1誘導装置900における第1の数のチャネル902と位置合わせされていてもよい。
【0126】
ここで、図16に注目して、有利な実施形態に係る材料送り出し構造上の誘導システムおよびローラーの断面図を描写する。描写されているように、材料送り出し構造120上の誘導システム722およびローラー122の断面図は、図13における16−16線に沿ったものである。
【0127】
本断面図において、矢印1600は、第1側面712の第1の数のある長さの複合材料708(図示せず)用の経路を示していてもよい。矢印1602は、第2側面714の第2の数のある長さの複合材料710(図示せず)用の経路を示していてもよい。見られるように、矢印1600と矢印1602とは、ローラー122の表面720上へ収束してもよい。矢印1600および矢印1602は、図15におけるチャネル延長部1510が第1の数のある長さの複合材料708および第2の数のある長さの複合材料710を誘導可能な様子を示していてもよい。矢印1600は、チャネル延長部1510の側面1508の上方を通過してもよく、一方、矢印1602は、チャネル延長部1510の側面1516の上方を通過してもよい。
【0128】
ここで図17に着目して、有利な実施形態に係る複合部品を形成する材料を配置するためのプロセスのフローチャートを描写する。図17に示すプロセスは、図2における複合部品製造環境200で実施されてもよい。とりわけ、本プロセスは、金型218上に材料206を配置して複合部品202を形成するために材料配置システム220を用いることにより実施可能である。これらの説明例において、本複合部品は、複合航空機部品204であってもよい。
【0129】
該プロセスは、材料送り出し構造234に対してローラー236を位置決めすることにより開始してもよい(動作1700)。次いで、該プロセスは、金型218に対してエンドエフェクタ228における材料送り出し構造234を移動させてもよい(動作1702)。該プロセスは、ローラー236が第1位置238と第2位置240との間で移動するよう構成されていてもよい材料送り出し構造234の端部と連動しているローラー236へ向かって複数のある長さの材料206を移動させてもよい(動作1704)。次いで、該プロセスは、ローラー236により金型218上に帯状片として複数のある長さの材料206を配置してもよい(動作1706)。動作1704において、ローラー236もまた、材料206を圧縮してもよい。
【0130】
追加の本数の材料206を金型218上に重ねるか否かについて決定する(動作1708)。追加の本数の材料を重ねる場合、該プロセスは、動作1700へ戻ってもよい。そうでなければ、該プロセスは、終了してもよい。
【0131】
ここで図18に注目して、有利な実施形態に係るローラーの位置を制御するためのプロセスのフローチャートを描写する。該プロセスは、エンドエフェクタ228上のローラー236の位置を制御するために自動化繊維配置システム222において実施可能である。とりわけ、該プロセスは、ローラー236の位置を制御するために制御装置224において実施可能である。
【0132】
該プロセスは、材料送り出し構造234が第1方向244に移動しているとき、ローラー236を第1位置238へ移動させることにより開始してもよい(動作1800)。言い換えると、動作1800は、第1位置238における材料送り出し構造234に対してローラー236を位置決めすることを伴ってもよい。材料送り出し構造234が、第1方向244から第2方向246へ方向転換する準備ができているか否かについて決定する(動作1802)。材料送り出し構造234が、第1方向244から第2方向246へ方向転換する準備ができていない場合、該プロセスは、動作1802へ戻ってもよい。
【0133】
そうでなければ、ローラー236を第1位置238から第2位置240へ移動させてもよい(動作1804)。言い換えると、動作1804は、第2位置240における材料送り出し構造234に対してローラー236を位置決めすることを伴ってもよい。次いで、材料送り出し構造234が、第2方向246から第1方向244へ方向転換する準備ができているか否かについて決定する(動作1806)。材料送り出し構造234が、方向転換する準備ができている場合、該プロセスは、動作1800へ戻ってもよい。そうでなければ、該プロセスは、動作1806へ戻ってもよい。
【0134】
種々の描写された実施形態におけるフローチャートおよびブロック図は、有利な実施形態における装置および方法のいくつかの可能性のある実施構成のアーキテクチャ、機能性および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、動作や工程のモジュール、区分、機能および/または部分を表していてもよい。
【0135】
例えば、ブロックのうちの1つ以上は、プログラムコードとして、ハードウェアにおいて、または、プログラムコードとハードウェアとの組み合わせで実施可能である。ハードウェアにおいて実施される際、該ハードウェアは、例えば、フローチャートまたはブロック図における1つ以上の動作を行うよう製造または構成された集積回路の形態をとってもよい。
【0136】
有利な実施形態のいくつかの代替の実施構成において、ブロックにおいて記載された1つまたは複数の機能は、図に記載された順序どおりではないことがある。例えば、場合によっては、関連する機能性により、連続して示されている2つのブロックを実質的に同時に実行してもよく、または、これらのブロックを時として逆の順序で行ってもよい。また、フローチャートまたはブロック図において示されているブロックに加えて、その他のブロックを追加してもよい。
【0137】
例えば、上で説明した動作に加えて、ある長さの複合材料を移動させ、ある長さの複合材料を停止させ、ある長さの複合材料を切断する追加の動作およびその他の動作を含めてもよい。
【0138】
本開示の有利な実施形態は、図19に示すような航空機の製造および保守方法1900ならびに図20に示すような航空機2000との関連において、説明することができる。まず図19に注目して、有利な実施形態に係る航空機の製造および保守方法を示した図を描写する。本生産の前で、航空機の製造および保守方法1900は、図20における航空機2000の仕様および設計1902ならびに材料調達1904を含んでいてもよい。
【0139】
生産の際は、図20における航空機2000の構成部品および部分組立品の製造1906ならびにシステム統合1908が行われる。その後、図20における航空機2000は、認証および納品1910を経て、運航1912されてもよい。顧客による運航1912中、図20における航空機2000は、改修、再構成、修繕を含むかもしれない定常的整備および保守1914、ならびに、その他の整備または保守を受けることとなる。
【0140】
航空機の製造および保守方法1900の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者および/または操作者により行われるかまたは実施されてもよい。これらの例において、操作者は、顧客であってもよい。本件の説明のため、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造者および主要なシステム下請け業者に限定されないがこれらを含んでもよい。第三者は、任意の数の取り扱い業者、下請け業者および供給業者に限定されないがこれらを含んでもよい。操作者は、航空会社、リース会社、軍隊、保守組織などであってもよい。
【0141】
ここで図20を参照して、有利な実施形態を実現することができる航空機の図を描写する。本実施例において、航空機2000は、図19における航空機の製造および保守方法1900により製造され、かつ、複数のシステム2004および内装2006とともに機体2002を含んでいてもよい。システム2004の例としては、推進システム2008、電気システム2010、油圧システム2012および環境システム2014のうちの1つ以上が挙げられる。任意の数の他のシステムを含んでもよい。航空宇宙の例が示されているが、種々の有利な実施形態は、自動車産業といった他の産業に適用することもできる。
【0142】
ここで実施されている装置および方法は、図19における航空機の製造および保守方法1900の少なくとも1つの段階中に使用してもよい。
【0143】
一説明例では、図19における構成部品および部分組立品の製造1906において製造される構成部品や部分組立品は、図19において航空機2000が運航1912されている間に製造される構成部品や部分組立品と同様に組立てまたは製造されてもよい。さらに別の実施例として、図19における構成部品および部分組立品の製造1906ならびにシステム統合1908などの製造段階中に、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態またはこれらの組み合わせを利用してもよい。
【0144】
図19において航空機2000が運航1912されている間、かつ/または、整備および保守1914中に、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態またはこれらの組み合わせを利用してもよい。例えば限定はされないが、構成部品および部分組立品の製造1906、整備および保守1914中、および/または、複合部品の形成に用いるために複合材料がレイアップされる航空機の製造および保守方法1900におけるその他のあらゆる段階中に、エンドエフェクタ228を有する材料配置システム220を用いて、複合部品用の複合材料をレイアップしてもよい。ある数の種々の有利な実施形態の使用により、航空機2000の組立てを大幅に早める、かつ/または、航空機2000のコストを削減することができる。
【0145】
種々の有利な実施形態の説明は、例示および説明の目的で提示したものであり、かつ、網羅的であったり、開示された形式の実施形態に限定されたりすることは意図していない。多くの変更および変形例が、当業者にとって明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態と比較して異なる利点を提供するかもしれない。選択された一または複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の適用をもっともよく説明するため、かつ、考慮された特定の使用に適したものとしてさまざまな変更を有するさまざまな実施形態に対する開示を当該技術分野における通常の技術を有する他者が理解できるようにするために選ばれ、説明されている。
【符号の説明】
【0146】
100 複合部品製造環境
102 材料配置システム
104 自動化繊維配置システム
106 複合材料
108 金型
110 基部
112 アーム
114 エンドエフェクタ
116 床
118 複合材料のロール
120 材料送り出し構造
122 ローラー
200 複合部品製造環境
202 複合部品
204 複合航空機部品
206 材料
208 繊維
210 樹脂
212 プリプレグ
214 トウ
216 テープ
218 金型
220 材料配置システム
222 自動化繊維配置システム
224 制御装置
226 位置決めシステム
228 エンドエフェクタ
230 アーム
232 ある数の軸
234 材料送り出し構造
236 ローラー
238 第1位置
240 第2位置
242 端部
243 移動機構
244 第1方向
246 第2方向
248 力
300 供給体
302 複数のある長さの複合材料
304 ロール
306 第1誘導装置
308 第2誘導装置
310 第1の数のチャネル
312 第2の数のチャネル
314 第1側面
316 第2側面
318 角度
320 地点
322 第1の数のある長さの複合材料
324 第2の数のある長さの複合材料
326 材料移動システム
328 締め付けシステム
330 切断システム
340 誘導システム
341 加熱システム
345 位置決め部材
346 帯状片
350 ある数の経路
402 複数のある長さのトウ
404 帯状片
406 帯状片
408 矢印
500 筐体
502 第2位置
504 矢印
506 位置
508 地点
600 帯状片
700 切断システム
702 材料移動システム
704 締め付けシステム
708 第1の数のある長さの複合材料
710 第2の数のある長さの複合材料
712 第1側面
714 第2側面
718 端部
720 表面
722 誘導システム
724 誘導構造
726 誘導構造
728 加熱システム
730 加熱器
732 加熱器
740 位置決め部材
742 矢印
810 矢印
900 第1誘導装置
901 経路
902 第1の数のチャネル
904、906、908、910、912および914 ある1本
916、918、920、922、924および926 チャネル
928、930、932、934、936および938 部材
939 矢印
940、942、944、946、948および950 ローラー
951 矢印
952、954、956、958、960および962 電動ローラー
964 矢印
966、968、970、972、974および976 切断器
975 矢印
980 矢印
982 矢印
984 軸
1100 第2誘導装置
1102 第2の数のチャネル
1103 経路
1104、1106、1108、1110、1112および1114 チャネル
1116、1118、1120、1122、1124および1126 ある1本
1128、1130、1132、1134、1136および1138 部材
1139 矢印
1140、1142、1144、1146、1148および1150 電動ローラー
1152、1154、1156、1158、1160および1162 ローラー
1164、1166、1168、1170、1172および1174 切断器
1176 矢印
1180 移動機構
1182 サーボモータ
1184 車輪
1186 駆動ベルト
1188 矢印
1192 矢印
1300 すくい部
1302 チャネル延長部
1304 第1側面
1306 第2側面
1308 第1の数のチャネル
1400 すくい部
1500 第2の数のチャネル
1502 第1チャネル
1504 第2チャネル
1506 第1の数のチャネル
1508 側面
1510 チャネル延長部
1514 第2の数のチャネル
1516 側面
1600 矢印
1602 矢印
2000 航空機
2002 機体
2004 システム
2006 内装
2008 推進システム
2010 電気システム
2012 油圧システム
2014 環境システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のある長さの材料を受けるよう構成されている材料送り出し構造と、
第1位置と第2位置との間で材料送り出し構造に対して移動するよう構成されているローラーと、
材料送り出し構造の第1側面であって、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第1側面と、
材料送り出し構造の第2側面であって、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第2側面と
を含む、装置。
【請求項2】
材料送り出し構造の第1側面の第1誘導装置であって、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第1誘導装置と、
材料送り出し構造の第2側面の第2誘導装置であって、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第2誘導装置と、
をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
材料送り出し構造が第1方向に移動中、ローラーは第1位置にあり、かつ、材料送り出し構造が第2方向に移動中、ローラーは第2位置にある、請求項1または請求項2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
材料送り出し構造が第1方向に移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、ローラーは第1位置にあり、かつ、材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向に移動中、複数のある長さの材料が金型の表面上に配置されるとき、ローラーは第2位置にある、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置が、エンドエフェクタを形成している、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料のローラーへ向かう移動と第2の数のある長さの材料のローラーへ向かう移動とのうちの少なくとも1つを実質的に停止させるよう構成されている締め付けシステム
をさらに含む、請求項1または請求項2のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
複合部品用の材料を配置するための方法であって、
ローラーが材料送り出し構造の端部と連動している材料送り出し構造に対してローラーを位置決めすることと、
金型に対して材料送り出し構造を移動させることと、
ローラーへ向かって複数のある長さの材料を移動させることと、
ローラーにより金型上に複数のある長さの材料を配置することと、
を含む、方法。
【請求項8】
材料送り出し構造が第1方向に移動中、ローラーを第1位置に位置決めすることと、
材料送り出し構造が第1方向と実質的に反対の第2方向に移動中、ローラーを第2位置に位置決めすることと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
材料移動システムが、複数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させる、請求項7または請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、複数のある長さの材料を切断すること
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
材料送り出し構造が、材料送り出し構造の第1側面の第1誘導装置であって、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第1誘導装置と、材料送り出し構造の第2側面の第2誘導装置であって、複数のある長さの材料における第2の数のある長さの材料をローラーへ誘導するよう構成されている第2誘導装置と、を有する、請求項7から請求項9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ローラー、材料送り出し構造、第1誘導装置および第2誘導装置が、エンドエフェクタを形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
材料移動システムが、複数のある長さの材料における第1の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させ、かつ、第2の数のある長さの材料をローラーへ向かって移動させる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
複数のある長さの材料が第1方向に配置されると、切断システムが、複数のある長さの材料を切断する、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−71846(P2013−71846A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−214048(P2012−214048)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】