説明

板状ケーブル用コネクタ

【課題】板状ケーブルを容易かつ確実に装着でき、低背化を図ることができる板状ケーブル用コネクタを提供する。
【解決手段】板状ケーブル用コネクタ101のハウジング102は、上面部111と第1側部112と第2側部113とを有して中空をなし、係合受部104と抜止部103とを有する。上面開口部121は、上面部111に開口し、FPCケーブル301の通過を許容する。先端側開口部122は、上面開口部121に連なって第1側部112側に開口し、補強板304のスライド移動を許容する。延在側開口部123は、上面開口部121に連なって第2側部113に開口し、ケーブル本体303のスライド移動を許容する。係合受部104は、ハウジング102内に位置し上面部111側に動こうとする補強板304に干渉する。抜止部103は、補強板304に設けられる係合突起304Eに干渉し、補強板304の第2側部113側への脱落を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリントサーキット(Flexible Printed Circuit、FPC)ケーブル等の板状ケーブルの接続に用いる板状ケーブル用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インシュレータ1の上面およびFPCケーブル4延在側の側面部を開口し、インシュレータ1の開口部両端側にFPCケーブル4を開口部内に係止するためのフック3を設けた板状ケーブル用コネクタが記載されている。特許文献1によれば、板状ケーブル用コネクタの開口部内にFPCケーブル4を落とし込むと、FPCケーブル4の上面に一体的に貼り付けられた補強板の両端がフック3を押し広げてFPCケーブル4が通過し、FPCケーブル4が開口部内に収容されてコンタクト2に接続され、フック3が弾性復帰してフック3がFPCケーブル4とコンタクト2との接続状態を保持する、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2571826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の板状ケーブル用コネクタでは、上面に開口部が設けられ、開口部両端側にフックを設けられて、FPCケーブル4を垂直方向に簡易に装着できるようにし、さらに、FPCケーブル4の垂直方向への抜けの防止がなされている。
【0005】
しかしながら、この種の板状ケーブル用コネクタには、小型化及び低背化が求められる。この点、特許文献1に記載の板状ケーブル用コネクタは、フック3がケーブル4の厚み方向に延びていて、低背化が難しい。
【0006】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、板状ケーブルを容易かつ確実に装着でき、低背化を図ることができる板状ケーブル用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の板状ケーブル用コネクタは、板状のケーブル本体と、前記ケーブル本体の面領域に設けられる端子部と、前記ケーブル本体の端部領域に設けられる補強板と、前記ケーブル本体よりも幅広で前記ケーブル本体の面領域から離反する方向に前記補強板から突出する係合突起とを有する板状ケーブルを装着し、基板上に配置される板状ケーブル用コネクタであって、前記基板に対し略平行に向けられる上面部と、前記上面部における対向する二辺のそれぞれから前記基板に交差する向きに延びる第1側部及び第2側部とを有して中空をなし、前記上面部に開口して前記ケーブル本体の通過を許容する上面開口部と、前記上面開口部に連なって前記第1側部に開口し前記補強板のスライド移動を許容する先端側開口部と、前記上面開口部に連なって前記第2側部に開口し前記ケーブル本体のスライド移動を許容する延在側開口部とが設けられるハウジングと、前記ハウジングの内底側に配置され、前記端子部に接触するコンタクトと、前記ハウジングに設けられ、前記第2側部側に動こうとする前記補強板の係合突起に干渉する係合受部と、前記ハウジングに設けられ、前記ハウジング内に位置し前記上面部側に動こうとする前記補強板に干渉する抜止部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の板状ケーブル用コネクタによれば、第1側部側に補強板を位置させて板状ケーブルを上面開口部に通過させ板状ケーブルを第2側部側に引っ張ると、補強板が抜止部とコンタクトとに挟まれ、係合突起が係合受部に引っかかる。したがって、板状ケーブルを容易かつ確実に装着できる。また、補強板が抜止部とコンタクトとに挟まれるので、特許文献1に記載のフック3を設ける必要がなく、低背化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第一の実施の形態における、板状ケーブル用コネクタの斜視図である。
【図2】第一の実施の形態における、平面側から見たFPCケーブルの斜視図である。
【図3】第一の実施の形態における、背面側から見たFPCケーブルの斜視図である。
【図4】第一の実施の形態における、FPCケーブルが装着された状態にある板状ケーブル用コネクタの斜視図である。
【図5】第一の実施の形態における、図1に見える側とは異なる側の板状ケーブル用コネクタの斜視図である。
【図6】第一の実施の形態における、板状ケーブル用コネクタの平面図である。
【図7】第一の実施の形態における、板状ケーブル用コネクタの底面図である。
【図8】第一の実施の形態における、板状ケーブル用コネクタの正面図である。
【図9】第一の実施の形態における、図6のP矢視図である。
【図10】第一の実施の形態における、板状ケーブル用コネクタの背面図である。
【図11】第一の実施の形態における、上面開口部からFPCケーブルを通過させた状態を示す板状ケーブル用コネクタの斜視図である。
【図12】第二の実施の形態における、板状ケーブル用コネクタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の一形態を、図1ないし図11に基づいて説明する。説明の便宜上、本実施の形態を第一の実施の形態と呼ぶ。
【0011】
図1は、板状ケーブル用コネクタ101の斜視図である。板状ケーブル用コネクタ101は、基板201(図4参照)に配置され、ホールドダウン部102Aがリフロー半田付け等によって固定されている。板状ケーブル用コネクタ101は、板状ケーブルとしてのFPCケーブル301(図2、図3参照)を装着でき、FPCケーブル301内のフレキシブル配線302(図3参照)と基板201上のプリント配線202(図4参照)とを電気的に接続するものである。
【0012】
図2は、平面側から見たFPCケーブル301の斜視図である。図3は、背面側から見たFPCケーブル301の斜視図である。図2及び図3を参照する。FPCケーブル301は、ケーブル本体303を有する。ケーブル本体303は、可撓性を有する素材で形成され、板状をなしている。ケーブル本体303の端部には、幅広部303Aが形成されている。幅広部303Aは、ケーブル本体303の幅方向両部において外側に突出する。ケーブル本体303には、複数本のフレキシブル配線302が形成されている。これらのフレキシブル配線302は、ケーブル本体303の幅方向に略等間隔に並び、いずれもケーブル本体303の長さ方向に延びている。各フレキシブル配線302の端部には、矩形状の端子部302Aが設けられる。端子部302Aは、幅広部303A内もしくはこの近傍に配置され、ケーブル本体303の一方の面(第1面303B)に露出している。この第1面303Bは、図3において視認できるケーブル本体303の一方の面をいう。この第1面303B及び後述する第2面303Cは、特許請求の範囲で言うところの「ケーブル本体の面領域」に対応する。
【0013】
図2において視認できるケーブル本体303の他方の面を、第2面303Cと呼ぶ。第2面303Cの端部領域には、補強板304が取付けられる。補強板304は、ケーブル本体303よりも硬く、このケーブル本体303と同等又はこれよりも厚い板状の素材で形成される。補強板304は、平面視において、ケーブル本体303の幅方向に長い矩形形状に見える。補強板304の長手方向の両端部は、幅広部303A上に位置している。
【0014】
補強板304におけるケーブル本体303の端辺303D側の領域には、係合突起304Eがある。この係合突起304Eは、ケーブル本体303の面領域から離反する方向に突出している。一例として、係合突起304Eは、補強板304におけるケーブル本体303の端辺303D側の領域を、ケーブル本体303の幅方向に延びる折り線に沿って、補強板304の全幅にわたって折り曲げることで形成される。このように係合突起304Eを補強板304の全幅にわたって設けることで、補強板304のFPCケーブル301幅方向の反りが抑制され、ケーブル本体303の中央部に位置する端子部302Aの接触状態を良好なものとすることができる。補強板304の折り曲げは、折り目を付けずに、アール状に曲げることで係合突起304Eを形成しても良い。別の一例として、係合突起304Eと補強板304とが直交するように、係合突起304Eと補強板304とを樹脂で成型してもよい。
【0015】
なお、補強板304を導電性金属板で形成することにより、外来電磁ノイズに対するこの部分のシールド性を向上させることができる。
【0016】
図4は、FPCケーブル301が装着された状態にある板状ケーブル用コネクタ101の斜視図である。板状ケーブル用コネクタ101のハウジング102は、扁平の略直方体状をなしていて、平面視において略矩形状に見え、中空である。ハウジング102は、上面と図4の紙面左下側に見える端面とこれとは反対側にあるもう一方の端面とにかけて連なっている開口を形成している。FPCケーブル301を板状ケーブル用コネクタ101に装着する場合、作業者は、FPCケーブル301の補強板304を図4の紙面左下側に見える端面側に位置付けてFPCケーブル301をハウジング102の開口へ通過させた後、FPCケーブル301をケーブル本体303の延在方向(図4に示す矢印Kの方向)に引っ張る。これにより、補強板304はスライド移動してハウジング102内に入り込む。そして、ハウジング102に設けられた抜止部103に係合突起304Eが引っ掛かり、抜止部103とコンタクト105とが補強板304を挟み込むことで、FPCケーブル301は板状ケーブル用コネクタ101に固定される。このとき、コンタクト105がFPCケーブル301の端子部302A(図3も参照)に接触して、FPCケーブル301内のフレキシブル配線302(図3も参照)と基板201上のプリント配線202とが電気的に接続され、電気信号の伝達が可能になる。FPCケーブル301を板状ケーブル用コネクタ101から取り外す場合、作業者は、補強板304を図4の紙面左下側に見える端面側(矢印Kとは反対の方向)に押し出す。
【0017】
図5は、図1に見える側とは異なる側の板状ケーブル用コネクタ101の斜視図である。図6は、板状ケーブル用コネクタ101の平面図である。図7は、板状ケーブル用コネクタ101の底面図である。図8は、板状ケーブル用コネクタ101の正面図である。図9は、図6のP矢視図である。図10は、板状ケーブル用コネクタ101の背面図である。図1、図5、図6、図7、図8、図9及び図10を参照し、板状ケーブル用コネクタ101の構造の詳細について述べる。
【0018】
板状ケーブル用コネクタ101は、ハウジング102とコンタクト105とを有する。ハウジング102は、ホールドダウン部102Aと樹脂部102Bとにより構成される。ホールドダウン部102Aは、板金をプレス加工して形成される。樹脂部102Bは、並列に並べられたコンタクト105の一部を樹脂で埋設し、ホールドダウン部102Aとともに一体成型により形成される。なお、別の実施の形態として、図1等に示す形状のホールドダウン部102Aとは異なる形状に、板金を用いて形成されたホールドダウン部を用いて樹脂成形をし、板金部分と樹脂部分とを併せた結果として、図1等に示すハウジング102を成形してもよい。
【0019】
ハウジング102は、上面部111と、第1側部112と、第2側部113と、底面部114とを有して中空をなしている。板状ケーブル用コネクタ101を基板201(図4参照)に固定するためのハンダや接着剤の塗布は、底面部114の底面側であってホールドダウン部102Aにより構成される領域(図7において斜線で示す領域)に対してなされる。板状ケーブル用コネクタ101が基板201に固定されると、上面部111は基板201に対し略平行に向く。また、このとき、第1側部112と第2側部113とは、上面部111における対向する二つの長辺111A、111B(図1のみに示す)のそれぞれから基板201に交差する向き(好ましくは略直交する向き)に延びている(図3参照)。
【0020】
ハウジング102には、上面開口部121と、先端側開口部122と、延在側開口部123とが設けられる。
【0021】
上面開口部121は、上面部111に開口し、板状ケーブル用コネクタ101の上下方向の通過を許容する形状に形成される。即ち、上面開口部121の幅寸法は、少なくともケーブル本体303の幅寸法と同等又はこれよりも大きい(図4及び図11参照)。
【0022】
先端側開口部122は、上面開口部121に連なっていて、第1側部112に開口している。先端側開口部122は、補強板304の、第1側部112と第2側部113とを結ぶ方向に向けて底面部114と略平行に動くスライド移動を許容する形状に開口している。即ち、先端側開口部122の幅寸法は補強板304の幅寸法と同等又はこれよりも大きく、先端側開口部122の高さ寸法は補強板304の厚さと同等又はこれよりも大きい。また、先端側開口部122の周囲部分122Aは面取りされていて、作業者が補強板304を先端側開口部122に導入しやすくなっている。
【0023】
延在側開口部123は、上面開口部121に連なっていて、第2側部113に開口している。延在側開口部123は、ケーブル本体303が、第1側部112と第2側部113とを結ぶ方向に向けて底面部114と略平行に動かすケーブル本体303のスライド移動を許容する形状に開口している。即ち、延在側開口部123の幅寸法はケーブル本体303の幅寸法と同等又はこれよりも大きく、延在側開口部123の高さ寸法はケーブル本体303の厚さと同等又はこれよりも大きい。
【0024】
ハウジング102の底面部114には、中央開口部124と、サイド開口部125とが形成されている。中央開口部124及びサイド開口部125は、いずれも、樹脂の一体成形を行う際のアンダーカットへの対応として形成されているものである。樹脂成形の際、中央開口部124とサイド開口部125との間には、補強体支持部127が形成される。補強体支持部127は、第1側部112側と第2側部113側とを結ぶ方向に延びる長尺をなし、底面部114の上面と面一をなしている。
【0025】
コンタクト105は、ハウジング102の内底側に配置され、ハウジング102の幅方向に複数並ぶ。いずれのコンタクト105も、そのコンタクト105の中腹の一部分(図6に符号105Aで示す部分)が樹脂部102Bの第1側部112側の領域に埋設されている。コンタクト105の個数及び位置は、FPCケーブル301に設けられる端子部302Aの個数及び位置(図3参照)に対応する。コンタクト105は、樹脂部102Bにより形成される底面部114より第1側部112側に突出して基板201に接続される基板接続部105Bと、底面部114より上方かつ第2側部113側に突出して中央開口部124の上方に位置する弾性変形部105Cとを有する。弾性変形部105Cには、補強板304を先端側開口部122からスライド挿入させることでハウジング102内に位置付けられたFPCケーブル301の端子部302A(図3参照)が接触する。
【0026】
図1、図2、図3、図8及び図9を参照する。ハウジング102に設けられる抜止部103は、上面部111と平行に板状ケーブル用コネクタ101の幅方向に延びて板状ケーブル用コネクタ101の内側方向に迫り出し、上面部111の上面と面一をなしている。抜止部103は、ハウジング102内に位置する補強板304の上面に干渉して、補強板304が上面部111側に動こうとすることを防ぐ。
【0027】
抜止部103における第1側部112側の端面は、係合受部104である。係合受部104は、第2側部113側に動こうとする補強板304の係合突起304Eに干渉し、ハウジング102内に位置してそこからさらに第2側部113側に動こうとする補強板304が延在側開口部123から脱落することを防ぐ。
【0028】
図11は、上面開口部121からFPCケーブル301を通過させた状態を示す板状ケーブル用コネクタ101の斜視図である。図11では、FPCケーブル301は一点鎖線で示されている。FPCケーブル301を板状ケーブル用コネクタ101に装着する場合、作業者は、FPCケーブル301の補強板304とケーブル本体303とを持って、この補強板304を板状ケーブル用コネクタ101の第1側部112側に位置付ける。続いて、作業者は、FPCケーブル301を第1側部112から第2側部113に向かう方向に動かして、ケーブル本体303をスライド移動して板状ケーブル用コネクタ101の上面開口部121に通過させ、ケーブル本体303を板状ケーブル用コネクタ101の底面部114(図5、図8等参照)に沿って動かす。このとき、ケーブル本体303は、ハウジング102の内部から延在側開口部123を通過し、第2側部113側に延在する。
【0029】
図4を参照する。続いて、作業者は、補強板304とケーブル本体303とをともに矢印Kの方向(第1側部112から第2側部113に向かう方向)に引っ張って、補強板304をスライド移動させて先端側開口部122に通過させ、補強板304を抜止部103の下方に滑りこませる。このとき、補強板304の下面は、コンタクト105の弾性変形部105Cにおける根元側の部分に接触し、その後に、コンタクト105の弾性変形部105Cに押し上げられて、補強板304がコンタクト105と抜止部103とに挟まれる。
【0030】
作業者は、係合突起304Eが係合受部104(図1等参照)に突き当たるまで補強板304を第2側部113側に動かす。これにより、コンタクト105の弾性変形部105CがFPCケーブル301の端子部302Aに接触し、補強板304が抜止部103とコンタクト105とに接触して安定する。ここで、このとき、補強板304は補強体支持部127に支持されるため、作業者が補強板304を下方に押し込んでも補強板304は補強体支持部127に受け止められ、コンタクト105が変形してしまうほどに力がコンタクト105にかかることを防ぐことができる。
【0031】
このように、本実施の形態の板状ケーブル用コネクタ101には、FPCケーブル301を容易かつ確実に装着できる。また、補強板304が抜止部103とコンタクト105とに挟まれて安定するので、低背化も図ることができる。
【0032】
また、本実施の形態の板状ケーブル用コネクタ101では、図4に示すように、FPCケーブル301内のフレキシブル配線302と基板201上のプリント配線202とが対面することが無い。このため、フレキシブル配線302とプリント配線202とを伝って電気信号が流れるときに、これらの外周に発生する磁界が電気信号に影響を及ぼさず、特に高い周波数の電気信号の場合、エラー発生が生じにくい。
【0033】
実施の別の一形態を、図12に基づいて説明する。説明の便宜上、本実施の形態を第二の実施の形態と呼ぶ。この場合、第一の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0034】
図12は、板状ケーブル用コネクタ101の平面図である。本実施の形態では、コンタクト105は、第一の実施の形態とは逆向きに取り付けられている。すなわち、いずれも、そのコンタクト105の中腹の一部分が樹脂部102Bの第2側部113側の領域に埋設されていて、基板接続部105Bが樹脂部102Bにより形成される底面部114より第2側部113側に突出して基板201に接続されており、弾性変形部105Cが底面部114より上方かつ第1側部112側に突出して中央開口部124の上方に位置している。
【0035】
本実施の形態でも、FPCケーブル301(図2、図3等参照)を板状ケーブル用コネクタ101に装着する場合、作業者は、図11に基づいて説明したのと同様に、FPCケーブル301の補強板304(図2、図3等参照)を板状ケーブル用コネクタ101の第1側部112側に位置付け、ケーブル本体303(図2、図3等参照)を板状ケーブル用コネクタ101の上面開口部121に通過させ、ケーブル本体303を板状ケーブル用コネクタ101の底面部114に沿って動かす。このとき、ケーブル本体303は、ハウジング102の内部から延在側開口部123を通過し、第2側部113側に延在する。続いて、作業者は、補強板304とケーブル本体303とをともに第1側部112から第2側部113に向かう方向に引っ張って、補強板304をスライド移動させて先端側開口部122に通過させ、補強板304を抜止部103の下方に滑りこませる。このとき、補強板304の下面は、コンタクト105の弾性変形部105Cの先端部分に接触した後に、コンタクト105を押し下げる。作業者は、係合突起304E(図2、図3等参照)が係合受部104に突き当たるまで補強板304を第2側部113側に動かし、コンタクト105の弾性変形部105CをFPCケーブル301の端子部302Aに接触させ、補強板304を抜止部103とコンタクト105とに接触させて安定させる。
【0036】
このように、本実施の形態の板状ケーブル用コネクタ101においても、FPCケーブル301を簡易に装着できる。また、補強板304が抜止部103とコンタクト105とに挟まれて安定し、低背化も図ることができる。
【符号の説明】
【0037】
101 板状ケーブル用コネクタ
102 ハウジング
103 抜止部
104 係合受部
105 コンタクト
111 上面部
111A、111B 長辺(上面部における対向する二辺)
112 第1側部
113 第2側部
121 上面開口部
122 先端側開口部
123 延在側開口部
201 基板
301 FPCケーブル(板状ケーブル)
302A 端子部
303 ケーブル本体
303B ケーブル本体の第1面(ケーブル本体の面領域)
303C ケーブル本体の第2面(ケーブル本体の面領域)
304 補強板
304E 係合突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のケーブル本体と、前記ケーブル本体の面領域に設けられる端子部と、前記ケーブル本体の端部領域に設けられる補強板と、前記ケーブル本体よりも幅広で前記ケーブル本体の面領域から離反する方向に前記補強板から突出する係合突起とを有する板状ケーブルを装着し、基板上に配置される板状ケーブル用コネクタであって、
前記基板に対し略平行に向けられる上面部と、前記上面部における対向する二辺のそれぞれから前記基板に交差する向きに延びる第1側部及び第2側部とを有して中空をなし、前記上面部に開口して前記ケーブル本体の通過を許容する上面開口部と、前記上面開口部に連なって前記第1側部に開口し前記補強板のスライド移動を許容する先端側開口部と、前記上面開口部に連なって前記第2側部に開口し前記ケーブル本体のスライド移動を許容する延在側開口部とが設けられるハウジングと、
前記ハウジングの内底側に配置され、前記端子部に接触するコンタクトと、
前記ハウジングに設けられ、前記第2側部側に動こうとする前記補強板の係合突起に干渉する係合受部と、
前記ハウジングに設けられ、前記ハウジング内に位置し前記上面部側に動こうとする前記補強板に干渉する抜止部と、
を備える板状ケーブル用コネクタ。
【請求項2】
前記コンタクトは、前記第1側部側で前記基板に接続される、
請求項1記載の板状ケーブル用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−252912(P2012−252912A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125464(P2011−125464)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】