説明

枕装置

【課題】寝ていることによって惹き起こされる首のこりを解決する枕装置の提供。
【解決手段】ベース体1の両サイドには、各々、溝2が形成されている。そして、この溝2内にはエンドレスタイプ(長楕円状)のベルト3が設けられている。そして、このベルト3はモータ(図示せず)の駆動力によって正逆可能に走行できるようになっている。すなわち、モータがベース体1の中央部に形成された凹部内に設けられている。そして、モータの出力軸に設けられたギア4がベルト3に形成されている歯に噛合している。従って、モータの回転によって、長楕円軌道上をベルト3が走行するようになる。枕5の上に頭(首)を載せて寝ている者は、枕が矢印方向に移動させられる。よって、頭(首)には、これを引き伸ばすような力が加わることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は枕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病を患っている場合、病人は、ベッドや布団の上で過ごすことが多い。このような状況下においては、寝ていても、病人は、一定の姿勢のままでいることが多い。この為、首がこることも多い。
【0003】
しかし、寝ているだけなのに、首がこるとは情けないことである。周りの者に首がこったから、揉んで下さいとは言い難いものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明が解決しようとする課題は、静かに寝ていることによって惹き起こされる首のこりの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
さて、本発明者は、自身の病によって長期間ベッドの上で過ごさざるを得ない境遇に出遭った。ところで、ベッドの上で単に寝ているに過ぎないとは言っても、体を自由に動かすことは出来なかった。このような状況下において、特に、頭(首)を自由に動かせないことから、首がこることが多かった。そして、このような場合に、首を引き伸ばすような力を頭(首)に作用させると実に気持ち良くなるものであった。
【0006】
そして、このような時、本発明者は、頭を載せている枕を上側にずらすように移動させると、枕の移動に伴って首が引き伸ばされるようになり、実に、気持ち良くなることに気付いた。
【0007】
このような知見に基づいて本発明が達成されたものである。
【0008】
すなわち、前記の課題は、ベース体と、
前記ベース体上に載せられてなる枕と、
前記枕を前記ベース体上で移動させる為の移動機構
とを備えてなることを特徴とする枕装置によって解決される。
【0009】
特に、ベース体と、
前記ベース体上に載せられてなる枕と、
前記枕を前記ベース体上で移動させる為の移動機構と、
前記枕が特定の方向に沿って移動できるようにする為のガイド機構
とを備えてなることを特徴とする枕装置によって解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、頭(首)を載せる枕が移動させられるようになっている。
【0011】
従って、首がこったなと感じたならば、図1中、矢印で示される如く、枕を足側から頭の上の方(図1中、左側)に向かってゆっくりと動かしたならば、首の上部には頭頂に向かった方向に、即ち、首を引き伸ばすように力が作用させられる。そして、このような力が作用させられたならば、首のコリが解消されるようになる。
【0012】
さて、長期療養者にしてみると、寝ているだけなのに首がこった等とは非常に言い難いものである。しかしながら、このような時、枕が移動させられるようになっていると、周りの者に依頼せずとも、首のコリを自身で取ることが出来るようになり、肉体的のみならず、精神的にも、実に、楽になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明になる枕装置の一実施形態を示す概略図である。
【0014】
同図中、1は、例えばベッドや敷布団の上に置かれる比較的硬質な素材からなる略長方形状のベース板である。
【0015】
ベース体1の両サイドには、各々、溝2が形成されている。そして、この溝2内にはエンドレスタイプ(長楕円状)のベルト3が設けられている。そして、このベルト3はモータ(図示せず)の駆動力によって正逆可能に走行できるようになっている。すなわち、モータがベース体1の中央部に形成された凹部内に設けられている。そして、モータの出力軸に設けられたギア4がベルト3に形成されている歯に噛合している。従って、モータの回転によって、長楕円軌道上をベルト3が走行するようになる。
【0016】
ベース体1上には枕5が配置されている。尚、枕5の下面側は比較的硬質な素材で構成されている。枕5の下面側には、上記ベース体1の両サイドに設けられた溝2内に設けられたベルト3に対応して、ラック6が設けられている。そして、ラック6に構成されている歯がベルト3の外面に構成されている歯に噛合している。従って、モータの正転によって、動作するベルト3に噛合しているラック6が矢印方向に徐々に移動するようになる。すなわち、枕5が矢印方向に徐々に移動するようになる。勿論、モータを逆転させれば、枕5は矢印方向とは逆方向に移動する。従って、所定の距離だけ枕が移動したならば、これを検出してモータが正・逆転するような制御機構を設けておけば、モータが動作している間、枕5は行ったり来たりするようになる。
【0017】
従って、枕5の上に頭(首)を載せて寝ている者は、枕が矢印方向に移動させられる。よって、頭(首)には、これを引き伸ばすような力が加わることになる。そして、枕5が一定距離だけ動いた時には、モータの逆転により元に戻り、そして、再度、枕が矢印方向に移動させられ、頭(首)には、これを引き伸ばすような力が加わることになる。
【0018】
この為、じっと、静かに、しかも一定の姿勢で寝ていても、時々、モータを作動させることによって、首のコリを、誰に頼むまでも無く、解消することが出来る。これは、病人にしてみると、肉体的にも、精神的にも、実に、爽快になる。
【0019】
尚、上記ベース体1の溝2に枕5に設けたラック6が嵌め込まれたようになっているから、溝2とラック6とが枕の移動方向を規制するガイド機構の役割を奏する。
【0020】
上記実施形態にあっては、モータの動作によって枕が動かされるようにした場合である。
【0021】
しかしながら、モータのような動力源を用いなくても実施することが出来る。すなわち、手が使える場合には、紐と滑車とを用いることによっても可能である。例えば、枕5に紐の一端を取り付け、又、ベース体1の一端側に滑車を取り付けておき、そして前記紐の途中を前記滑車に掛けておけば、前記紐の他端側を自身の足の側に引っ張ってやれば、枕5は上記実施形態の場合と同様に動くことになる。従って、頭(首)には、これを引き伸ばすような力が加わることになる。そして、枕の位置を元に戻すには、手で直接戻しても良いが、上記紐および滑車とは別に、もう一組の紐と滑車とを設けておけば、上記と同様にして、枕を逆方向に動かすことが出来、元に戻すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明になる枕装置の概略図
【符号の説明】
【0023】
1 ベース板
2 溝
3 ベルト
4 ギア
5 枕
6 ラック

代 理 人 宇 高 克 己


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース体と、
前記ベース体上に載せられてなる枕と、
前記枕を前記ベース体上で移動させる為の移動機構
とを備えてなることを特徴とする枕装置。
【請求項2】
枕が特定の方向に沿って移動できるようにする為のガイド機構を更に備えてなることを特徴とする請求項1の枕装置。


【図1】
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【公開番号】特開2007−20846(P2007−20846A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206689(P2005−206689)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(505268714)
【Fターム(参考)】