枕
【課題】 癒し効果部材を枕内部に挿入したり、或いは上下に重ね合わせた2つの枕体の間に癒し効果部材を配置した場合、枕に頭を載せると頭の重みで癒し効果部材が圧迫され、変形したり破壊してしまう問題があった。また、近年は枕の使い心地の良さが追求され、素材の柔軟性や形状の改良が図られているものの、素材自体の通気性がほとんど考慮されていないものが多く、内部に癒し効果部材を収納しても充分な癒し効果を享受できないことになる。さらに、癒し効果部材に関しても、その硬さが硬いと頭部に異物感が伝わり枕としての本来の機能を阻害する結果となる。
【解決手段】 枕体の周辺に設けた連結手段によって2層に重ねる構造の枕であって、頭部の左右に対応する層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、2層に重ねる各枕体の該癒し効果部材に対向する位置に通気部を設ける。
【解決手段】 枕体の周辺に設けた連結手段によって2層に重ねる構造の枕であって、頭部の左右に対応する層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、2層に重ねる各枕体の該癒し効果部材に対向する位置に通気部を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤や消臭剤などを収納することを目的とした枕の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠時など頭を載せる枕に芳香剤や消臭剤などを収納することによって、癒し効果を付与する枕が広く利用されている。このような枕として、例えば特許文献1に開示されている枕がある。この枕は、上側枕体と下側枕体より構成し、これら枕体が対向する空間部に癒し効果部材を挿入配置した構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3142823号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
癒し効果部材を枕内部に挿入したり、或いは上下に重ね合わせた2つの枕体の間に癒し効果部材を配置した場合、枕に頭を載せると頭の重みで癒し効果部材が圧迫され、変形したり破壊してしまう問題があった。また、近年は枕の使い心地の良さが追求され、素材の柔軟性や形状の改良が図られているものの、素材自体の通気性がほとんど考慮されていないものが多く、内部に癒し効果部材を収納しても充分な癒し効果を享受できないことになる。さらに、癒し効果部材に関しても、その硬さが硬いと頭部に異物感が伝わり枕としての本来の機能を阻害する結果となる。
【0005】
癒し効果部材として木炭、竹炭、鉱石等の脱臭剤や調湿剤を用いた枕においては、通常縫製等で接合した網構造のポケットに収納するようにして、取り替えできるようにしている。しかし、この構造では頭部を枕中央部に載せて左右に動かすと、該脱臭剤等が摩擦によって微少な雑音が生じたり、頭部に接触して違和感を感じ、枕としての本来の機能が損なわれる結果となっていた。
【0006】
また、癒し効果部材は、一般的に袋の中にぎっしり詰められているため、変形しにくく、柔軟性を必要とする枕にはそぐわない問題があった。特に、折り畳んだり折り曲げて使用する構造の枕の場合、従来の癒し効果部材を設けると自由度が制約されたり、癒し効果部材の変形や破損、ひいては枕本体の破損に繋がる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は上記課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、枕体の周辺に設けた連結手段によって2層に重ねる構造の枕であって、頭部の左右に対応する層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、2層に重ねる各枕体の該癒し効果部材に対向する位置に通気部を設けたことにある。
【0008】
本明細書中でいう「枕体」とは、これを2層に重ねることによって、本発明に係る枕を構成する部材をいう。枕体を2層に重ねる手段としては、別体の2つの枕体を連結接合したり、一つの枕体を2つ折りにして2層の枕として構成する。枕体の充填材としては、羽毛、綿、そば殻、ポリエステルなどの合成樹脂繊維、スポンジ、ウレタンなどである。
【0009】
「ポケット」とは、癒し効果部材を収納する部分をいう。ポケットとしては、癒し効果部材の機能を充分発揮させるためにネットや不織布などのように通気性に富む部材で構成する。ポケットは、枕体を2層に重ねて構成する本発明に係る枕においては、枕体に挟み込まれるいわゆる層間に設ける。この場合、ポケットは少なくとも一方の枕体の内側面に、縫製や融着などによって取り付けるが、枕体の両側に配置することで頭部を載せる中央部に癒し効果部材が存在しないようにする。
【0010】
癒し効果部材としては、上述したように木炭、竹炭、鉱石等の脱臭剤他、芳香性を有する香り発生部材、頭部を冷やすための冷却効果部材などであり、これらを通気性を備えた不織布などの袋に入れてポケットに収納する。
【0011】
「キャタピラ状」とは、癒し効果部材を収納する袋として、収納部を複数並列に並べた状態をいう。これにより、癒し効果部材を丸めたり変形させやすくすることができ、枕としての柔軟性を保持させることができる。この他、ポケットを複数に分割して、小袋に収納した癒し効果部材を入れるようにしてもよい。
【0012】
「通気部」とは、枕体に設けた癒し効果部材の機能を充分発揮させるために、癒し効果部材に対向する位置に設けた通気性を確保するための孔や切欠をいう。この通気部は、2層に重ねる枕体のそれぞれに設けることで枕の表裏に関わらず同様の機能を発揮させるようにする。通気部の形状は、矩形、円形、円弧状など特に限定するものではない。また、通気部としては、部分的に複数箇所設けることによって、手や頭などがポケットに直接触れにくくするのが好ましい。
【0013】
「連結手段」とは、本発明に係る枕は、枕体を重ねた2層構造としたものであり、2層に重ねた状態を保持するための連結部をいう。例えば、ボタン、スナップ、ファスナ、面ファスナなどの連結部材を各枕体に設けたり、これらの連結部材を設けた別体の連結具で連結して一つの枕として使用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る枕は、枕体を固定手段によって2層に重ね、層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設け、該癒し効果部材に対向する各枕体に通気部を設けたことにより、頭部に異物感を感じさせず、しかも頭部の重みで癒し効果部材を変形させたり破壊させることなく、癒し効果部材の機能を充分発揮させることができる。また、枕の両側に設けた癒し効果部材の膨らみにより、睡眠中に枕から頭が離れにくくなるなど、実用上極めて有益な効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る枕の一実施例を示すもので、(a)は枕を展開した斜視図、(b)は(a)のA−A’断面図である。(実施例1)
【図2】(a)は図1に示した枕を2層に重ねた状態の斜視図、(b)は(a)の枕に通気部を増加させた状態の斜視図、(c)は(b)の枕体の一辺同士を縫着した状態の斜視図、(d)は一体の枕体を2つ折りにして重ねる状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る枕の他の実施例を示す斜視図である。(実施例2)
【図4】本発明に係る枕のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る枕のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図6】図2(a)に示した枕の正面図である。
【図7】本発明に係る枕の使用状態の一例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る枕の使用状態の一例を示す正面図である。
【図9】(a)はポケットに収納する癒し効果部材の一例を示す平面図、(b)は(a)のb−b’断面図である。(実施例3)
【図10】(a)(b)(c)(d)はそれぞれ枕の使用状態の他の例を示す正面図である。(実施例4)
【図11】本発明に係る枕のさらに他の実施例を示すもので、(a)は枕を展開した斜視図、(b)は(a)の使用状態の他の例を示す正面図、(c)は(b)の側面図である。(実施例5)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る枕は、枕体を固定手段によって2層に重ね、層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、該癒し効果部材に対向する各枕体に通気部を設けたことにより、上記課題を解決した。
【実施例1】
【0017】
図1(a)(b)は、本発明に係る枕Pの一実施例を示すもので、第1枕体1と第2枕体2の1辺をスナップボタン6で接合した状態を示す。本例では、第2枕体2の両側にネットで形成したポケット3を設けており、癒し効果部材10を充填した不織布の袋4を各ポケット3に収納する。そして、第1枕体1と第2枕体2の各ポケット3に対向する箇所に2つずつ通気部5を設けている。ポケット3は、蓋3aと底部3bを備えており、スナップボタン、ボタン、ファスナなどで蓋3aを閉じるようにしている。
【0018】
図2(a)は、第1枕体1と第2枕体2をスナップボタン6で接合して枕Pとした状態を示すもので、癒し効果部材10を収納したポケット3が各通気部5を通じて通気性が確保される。通気部5は同図(b)のように第1枕体1と第2枕体2の中央部にも設けてもよく、第1枕体1と第2枕体2は同図(c)のように1辺を縫着部11として縫着して連結してもよい。また、同図(d)のように第1枕体1と第2枕体2は一体的に形成してもよく、2つ折りにすることによって2層に重ねる。
【実施例2】
【0019】
図3は、本発明に係る枕Pの他の実施例を示し、枕Pの両側に保冷剤9を設けるようにしたものである。保冷剤9は、第1枕体1の両側に2つずつ設けた通気部5を利用して取り付ける構造であり、保冷剤9を収納する袋17に面ファスナ27を設けたベルト28を取り付けている。ベルト28を各通気部5に架け渡し面ファスナ27で係合させることによって第1枕体1に固定する。
【0020】
本発明に係る枕Pは、第1枕体1と第2枕体2を重ねて使用する構造であるため、図4のように間にマット29を介在させることで高さ調節することが可能となる。また、各枕体の両側部に設ける通気部5としては、孔で形成する他、図5のように側端部に切欠で形成することも可能である。通気部5を切欠で形成した場合は、別体の閉部材30で枕Pの側端部を連結するようにしてもよい。この場合、本例では閉部材30にスナップボタン6を設けており、各枕体の側端部に貫通孔を設けて、閉部材30のスナップボタン6で閉じるようにしている。
【0021】
第1枕体1と第2枕体2をスナップボタン6で接合した枕Pは、図6に示すように部分的な接合となることから、第1枕体1と第2枕体2の間に隙間7が生じる。この隙間7が通気部5と同様に機能し、癒し効果部材10に対する通気性の作用が生じる。
【0022】
図7は、本発明に係る枕Pを使用する状態を示すもので、頭部8が枕Pの中央部に位置し、頭部8の両側に癒し効果部材10を収納したポケット3が位置する。この状態は、図8のように頭部8がその重みによって若干沈み込むと共に、枕Pの両端が持ち上がりポケット3に収納した癒し効果部材10の位置が上昇することになる。このため、癒し効果部材10が頭部8を囲うようになって、より癒し効果が促進される状態になる。
【実施例3】
【0023】
図9(a)(b)は、不織布の袋4に充填した癒し効果部材10の他の実施例を示し、キャタピラ状に分割包装したものである。これは、複数に区画した外装袋16の各区画域に、癒し効果部材10を充填した袋4を収納したもので、外装袋16の各区画部12で屈曲させることができ、枕Pに柔軟性を付与することができる。
【実施例4】
【0024】
図10(a)(b)(c)(d)は、本発明に係る枕Pの使用形態の他の例を示し、図9(a)(b)に示したキャタピラ状に分割包装した癒し効果部材10を用いることにより、癒し効果部材10に変形や破壊が生じることなく図10(a)のように枕Pを横方向に二つ折りにすることができる。また、第1枕体1と第2枕体2の接合箇所を変えることで同図(b)や同図(c)のように第2枕体2を丸めて高さを変えたり、傾斜させることも可能となる。さらに、同図(d)のように丸めた第2枕体2を覆うように第1枕体1を被せることで円筒状にすることもでき、抱き枕として使用することができる。
【実施例5】
【0025】
図11は、本発明に係る枕Pの使用形態のさらに他の例を示し、同図(b)(c)のように山形状の空洞部26が形成されたフード状にすることができる。これは、同図(a)の第1枕体1と第2枕体2を接合するスナップボタン6の内、18と22、19と23、20と24、21と25を接合させることにより、形成することができる。第2枕体2をフード状にすることで、空洞部26に頭部8を入れて覆うことができ、頭部8の保温など防寒効果を得ることができる。また、乳幼児の布団として使用することもできる。
【符号の説明】
【0026】
P 枕
1 第1枕体
2 第2枕体
3 ポケット
3a 蓋
3b 底部
4 袋
5 通気部
6 スナップボタン
7 隙間
8 頭部
9 保冷剤
10 癒し効果部材
11 縫着部
12 区画部
16 外装袋
26 空洞部
27 面ファスナ
28 ベルト
29 マット
30 閉部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤や消臭剤などを収納することを目的とした枕の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠時など頭を載せる枕に芳香剤や消臭剤などを収納することによって、癒し効果を付与する枕が広く利用されている。このような枕として、例えば特許文献1に開示されている枕がある。この枕は、上側枕体と下側枕体より構成し、これら枕体が対向する空間部に癒し効果部材を挿入配置した構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3142823号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
癒し効果部材を枕内部に挿入したり、或いは上下に重ね合わせた2つの枕体の間に癒し効果部材を配置した場合、枕に頭を載せると頭の重みで癒し効果部材が圧迫され、変形したり破壊してしまう問題があった。また、近年は枕の使い心地の良さが追求され、素材の柔軟性や形状の改良が図られているものの、素材自体の通気性がほとんど考慮されていないものが多く、内部に癒し効果部材を収納しても充分な癒し効果を享受できないことになる。さらに、癒し効果部材に関しても、その硬さが硬いと頭部に異物感が伝わり枕としての本来の機能を阻害する結果となる。
【0005】
癒し効果部材として木炭、竹炭、鉱石等の脱臭剤や調湿剤を用いた枕においては、通常縫製等で接合した網構造のポケットに収納するようにして、取り替えできるようにしている。しかし、この構造では頭部を枕中央部に載せて左右に動かすと、該脱臭剤等が摩擦によって微少な雑音が生じたり、頭部に接触して違和感を感じ、枕としての本来の機能が損なわれる結果となっていた。
【0006】
また、癒し効果部材は、一般的に袋の中にぎっしり詰められているため、変形しにくく、柔軟性を必要とする枕にはそぐわない問題があった。特に、折り畳んだり折り曲げて使用する構造の枕の場合、従来の癒し効果部材を設けると自由度が制約されたり、癒し効果部材の変形や破損、ひいては枕本体の破損に繋がる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は上記課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、枕体の周辺に設けた連結手段によって2層に重ねる構造の枕であって、頭部の左右に対応する層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、2層に重ねる各枕体の該癒し効果部材に対向する位置に通気部を設けたことにある。
【0008】
本明細書中でいう「枕体」とは、これを2層に重ねることによって、本発明に係る枕を構成する部材をいう。枕体を2層に重ねる手段としては、別体の2つの枕体を連結接合したり、一つの枕体を2つ折りにして2層の枕として構成する。枕体の充填材としては、羽毛、綿、そば殻、ポリエステルなどの合成樹脂繊維、スポンジ、ウレタンなどである。
【0009】
「ポケット」とは、癒し効果部材を収納する部分をいう。ポケットとしては、癒し効果部材の機能を充分発揮させるためにネットや不織布などのように通気性に富む部材で構成する。ポケットは、枕体を2層に重ねて構成する本発明に係る枕においては、枕体に挟み込まれるいわゆる層間に設ける。この場合、ポケットは少なくとも一方の枕体の内側面に、縫製や融着などによって取り付けるが、枕体の両側に配置することで頭部を載せる中央部に癒し効果部材が存在しないようにする。
【0010】
癒し効果部材としては、上述したように木炭、竹炭、鉱石等の脱臭剤他、芳香性を有する香り発生部材、頭部を冷やすための冷却効果部材などであり、これらを通気性を備えた不織布などの袋に入れてポケットに収納する。
【0011】
「キャタピラ状」とは、癒し効果部材を収納する袋として、収納部を複数並列に並べた状態をいう。これにより、癒し効果部材を丸めたり変形させやすくすることができ、枕としての柔軟性を保持させることができる。この他、ポケットを複数に分割して、小袋に収納した癒し効果部材を入れるようにしてもよい。
【0012】
「通気部」とは、枕体に設けた癒し効果部材の機能を充分発揮させるために、癒し効果部材に対向する位置に設けた通気性を確保するための孔や切欠をいう。この通気部は、2層に重ねる枕体のそれぞれに設けることで枕の表裏に関わらず同様の機能を発揮させるようにする。通気部の形状は、矩形、円形、円弧状など特に限定するものではない。また、通気部としては、部分的に複数箇所設けることによって、手や頭などがポケットに直接触れにくくするのが好ましい。
【0013】
「連結手段」とは、本発明に係る枕は、枕体を重ねた2層構造としたものであり、2層に重ねた状態を保持するための連結部をいう。例えば、ボタン、スナップ、ファスナ、面ファスナなどの連結部材を各枕体に設けたり、これらの連結部材を設けた別体の連結具で連結して一つの枕として使用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る枕は、枕体を固定手段によって2層に重ね、層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設け、該癒し効果部材に対向する各枕体に通気部を設けたことにより、頭部に異物感を感じさせず、しかも頭部の重みで癒し効果部材を変形させたり破壊させることなく、癒し効果部材の機能を充分発揮させることができる。また、枕の両側に設けた癒し効果部材の膨らみにより、睡眠中に枕から頭が離れにくくなるなど、実用上極めて有益な効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る枕の一実施例を示すもので、(a)は枕を展開した斜視図、(b)は(a)のA−A’断面図である。(実施例1)
【図2】(a)は図1に示した枕を2層に重ねた状態の斜視図、(b)は(a)の枕に通気部を増加させた状態の斜視図、(c)は(b)の枕体の一辺同士を縫着した状態の斜視図、(d)は一体の枕体を2つ折りにして重ねる状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る枕の他の実施例を示す斜視図である。(実施例2)
【図4】本発明に係る枕のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る枕のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図6】図2(a)に示した枕の正面図である。
【図7】本発明に係る枕の使用状態の一例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る枕の使用状態の一例を示す正面図である。
【図9】(a)はポケットに収納する癒し効果部材の一例を示す平面図、(b)は(a)のb−b’断面図である。(実施例3)
【図10】(a)(b)(c)(d)はそれぞれ枕の使用状態の他の例を示す正面図である。(実施例4)
【図11】本発明に係る枕のさらに他の実施例を示すもので、(a)は枕を展開した斜視図、(b)は(a)の使用状態の他の例を示す正面図、(c)は(b)の側面図である。(実施例5)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る枕は、枕体を固定手段によって2層に重ね、層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、該癒し効果部材に対向する各枕体に通気部を設けたことにより、上記課題を解決した。
【実施例1】
【0017】
図1(a)(b)は、本発明に係る枕Pの一実施例を示すもので、第1枕体1と第2枕体2の1辺をスナップボタン6で接合した状態を示す。本例では、第2枕体2の両側にネットで形成したポケット3を設けており、癒し効果部材10を充填した不織布の袋4を各ポケット3に収納する。そして、第1枕体1と第2枕体2の各ポケット3に対向する箇所に2つずつ通気部5を設けている。ポケット3は、蓋3aと底部3bを備えており、スナップボタン、ボタン、ファスナなどで蓋3aを閉じるようにしている。
【0018】
図2(a)は、第1枕体1と第2枕体2をスナップボタン6で接合して枕Pとした状態を示すもので、癒し効果部材10を収納したポケット3が各通気部5を通じて通気性が確保される。通気部5は同図(b)のように第1枕体1と第2枕体2の中央部にも設けてもよく、第1枕体1と第2枕体2は同図(c)のように1辺を縫着部11として縫着して連結してもよい。また、同図(d)のように第1枕体1と第2枕体2は一体的に形成してもよく、2つ折りにすることによって2層に重ねる。
【実施例2】
【0019】
図3は、本発明に係る枕Pの他の実施例を示し、枕Pの両側に保冷剤9を設けるようにしたものである。保冷剤9は、第1枕体1の両側に2つずつ設けた通気部5を利用して取り付ける構造であり、保冷剤9を収納する袋17に面ファスナ27を設けたベルト28を取り付けている。ベルト28を各通気部5に架け渡し面ファスナ27で係合させることによって第1枕体1に固定する。
【0020】
本発明に係る枕Pは、第1枕体1と第2枕体2を重ねて使用する構造であるため、図4のように間にマット29を介在させることで高さ調節することが可能となる。また、各枕体の両側部に設ける通気部5としては、孔で形成する他、図5のように側端部に切欠で形成することも可能である。通気部5を切欠で形成した場合は、別体の閉部材30で枕Pの側端部を連結するようにしてもよい。この場合、本例では閉部材30にスナップボタン6を設けており、各枕体の側端部に貫通孔を設けて、閉部材30のスナップボタン6で閉じるようにしている。
【0021】
第1枕体1と第2枕体2をスナップボタン6で接合した枕Pは、図6に示すように部分的な接合となることから、第1枕体1と第2枕体2の間に隙間7が生じる。この隙間7が通気部5と同様に機能し、癒し効果部材10に対する通気性の作用が生じる。
【0022】
図7は、本発明に係る枕Pを使用する状態を示すもので、頭部8が枕Pの中央部に位置し、頭部8の両側に癒し効果部材10を収納したポケット3が位置する。この状態は、図8のように頭部8がその重みによって若干沈み込むと共に、枕Pの両端が持ち上がりポケット3に収納した癒し効果部材10の位置が上昇することになる。このため、癒し効果部材10が頭部8を囲うようになって、より癒し効果が促進される状態になる。
【実施例3】
【0023】
図9(a)(b)は、不織布の袋4に充填した癒し効果部材10の他の実施例を示し、キャタピラ状に分割包装したものである。これは、複数に区画した外装袋16の各区画域に、癒し効果部材10を充填した袋4を収納したもので、外装袋16の各区画部12で屈曲させることができ、枕Pに柔軟性を付与することができる。
【実施例4】
【0024】
図10(a)(b)(c)(d)は、本発明に係る枕Pの使用形態の他の例を示し、図9(a)(b)に示したキャタピラ状に分割包装した癒し効果部材10を用いることにより、癒し効果部材10に変形や破壊が生じることなく図10(a)のように枕Pを横方向に二つ折りにすることができる。また、第1枕体1と第2枕体2の接合箇所を変えることで同図(b)や同図(c)のように第2枕体2を丸めて高さを変えたり、傾斜させることも可能となる。さらに、同図(d)のように丸めた第2枕体2を覆うように第1枕体1を被せることで円筒状にすることもでき、抱き枕として使用することができる。
【実施例5】
【0025】
図11は、本発明に係る枕Pの使用形態のさらに他の例を示し、同図(b)(c)のように山形状の空洞部26が形成されたフード状にすることができる。これは、同図(a)の第1枕体1と第2枕体2を接合するスナップボタン6の内、18と22、19と23、20と24、21と25を接合させることにより、形成することができる。第2枕体2をフード状にすることで、空洞部26に頭部8を入れて覆うことができ、頭部8の保温など防寒効果を得ることができる。また、乳幼児の布団として使用することもできる。
【符号の説明】
【0026】
P 枕
1 第1枕体
2 第2枕体
3 ポケット
3a 蓋
3b 底部
4 袋
5 通気部
6 スナップボタン
7 隙間
8 頭部
9 保冷剤
10 癒し効果部材
11 縫着部
12 区画部
16 外装袋
26 空洞部
27 面ファスナ
28 ベルト
29 マット
30 閉部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枕体の周辺に設けた連結手段によって2層に重ねる構造の枕であって、頭部の左右に対応する層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、2層に重ねる各枕体の該癒し効果部材に対向する位置に通気部を設けたことを特徴とする枕。
【請求項2】
癒し効果部材は、キャタピラ状に分割包装した請求項1記載の枕。
【請求項3】
ポケットは、複数に分割した請求項1記載の枕。
【請求項1】
枕体の周辺に設けた連結手段によって2層に重ねる構造の枕であって、頭部の左右に対応する層間の両側に癒し効果部材を収納するポケットを設けると共に、2層に重ねる各枕体の該癒し効果部材に対向する位置に通気部を設けたことを特徴とする枕。
【請求項2】
癒し効果部材は、キャタピラ状に分割包装した請求項1記載の枕。
【請求項3】
ポケットは、複数に分割した請求項1記載の枕。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−147769(P2011−147769A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290043(P2010−290043)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(505124580)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(505124580)
【Fターム(参考)】
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