説明

【課題】人間の首から頭にかけて枕を部分的に分けて、血行促進と消臭とで分け、両者の機能を矛盾しないように発揮させる。首全体を血行促進、首の後両側を消臭する。枕の表向きで枕の消臭、裏向きで頭首を消臭する。
【解決手段】枕本体1は表分離層5、裏分離層6、中分離層14、分割嚢8、端分割嚢8a、8b、8a、分割嚢15a、端分割嚢15bに分離分割され、首の周囲に沿った端分割嚢8a、8b、8a内には、遠赤布13(第1充填材)が充填されて首に遠赤外線が発せられる。さらに左右両側の端分割嚢8a、8a内の遠赤布13(第1充填材)は消臭シート12(第1充填材、第2充填材)で包まれて消臭効果も発揮され、他の表分離層5、裏分離層6、分割嚢8内には、筒粒状物21…及び球粒状物22…が内蔵され、表分離層5、裏分離層6、分割嚢8は消臭効果のある表布2及び裏布3で包まれて頭部に対して消臭効果を発揮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枕に関し、寝ている人間の頭が載置される枕に関する。
【背景技術】
【0002】
このような枕は、快適な睡眠を得るには非常に重要なものである。このような枕で快適な睡眠を得るには、高さ、クッション性、硬軟などの要素が重要となってくる。最近では、このような要素のほか、血行促進や消臭などの機能を有するものも考えられてきている。
【0003】
ところが、血行促進を促すと発汗量が増えて消臭にとってかえって不都合になる。逆に、血行促進を無くすと、消臭の効果は上がるが、血行促進はできなくなる。枕において、血行促進と消臭とはあい矛盾する関係にある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−320588号公報
【特許文献2】特開2002−102037号公報
【特許文献3】特開昭63−10960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、消臭と同時に血行促進も達成して、血行促進による発汗が増えても、十分な消臭も実現できる枕を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、 表側の分割嚢のうち上記頭の首に接する分割嚢に収納された第1充填材と、 この表側の分割嚢のうち上記頭に接し首に接しない複数の分割嚢に収納された第2充填材と、 上記裏側の分割層に収納された第3充填材とを備え、 上記第1充填材またはその表布は遠赤外線を発して上記首の血行を促進し、 上記第2充填材またはその表布は、消臭機能を有し、遠赤外線を発せず、 上記3填材またはその裏布は、消臭機能を有し、遠赤外線を発しないようにした。
【発明の効果】
【0007】
これにより、人間の首から頭にかけての部分を分けて、血行促進と消臭とで分けて、両者の機能を矛盾しないように発揮させることができる。特に、首付近のみ遠赤外線をはして血行促進等をはかることができるが、首以外の他の頭部全体は消臭機能を発揮して、発汗に対する消臭をはかり、「頭寒足熱」の「頭寒」を達成できる。消臭は通気性とあいまって、付随的に冷却効果を発揮するからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)枕本体1の構造
図1、図2及び図3は枕の表面(表側の外面)、裏面(裏側の外面)及び断面を示す。寝ている人間の頭が載置される枕本体1は、表側表面の長方形状の表布(外被)2及び裏側表面の裏布(外被)3が周縁で縫合されている。
【0009】
この表布2及び裏布3の間には長方形状の仕切布4及び消臭シート10が挟まれ、この仕切布4及び消臭シート10は、表布2及び裏布3とともに周縁で縫合されている。この仕切布4及び消臭シート10によって、枕本体1の中の表側と裏側とが互いに分断分割分離され、表分離層5、裏分離層6及び中分離層14の複数の分離層からなる多層構造が形成されている。
【0010】
上記表布2と仕切布4とは、上記周縁のほか、横に延びる複数例えば4本の表縫合ライン(接合ライン)7…、7aで互いに縫合されている。この4本の表縫合ライン7…、7aによって、枕本体1の中の表布2及び仕切布4との間の表分離層5が分割されて、5列の細長い分割嚢8…が形成される。この分割嚢8…は、上記4本の表縫合ライン7…、7aによって、相互に遮蔽されている。
【0011】
この5列の分割嚢8…の一番端の人間の首付近があたる、端表縫合ライン7aによって形成される端分割嚢8aの幅は、他の分割嚢8…の幅より若干太くなっており、この端分割嚢8a、8bは、2組の端縫合ライン群9…によって、さらに3つに分割されている。
【0012】
この3つの端分割嚢8a、8b、8aは、上記2本の端縫合ライン群9…によって、相互に遮蔽されている。これら分割嚢8…及び端分割嚢8a、8b、8aは、人間の頭及び首に直接接していて、人間の頭及び首に対して左右方向に延びている。端分割嚢8a、8a、8b、8aは、頭の中の首に接する。分割嚢8…は、頭に接し首には接しない。
【0013】
端分割嚢8a、8bは、端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aの順番で配列されている。真ん中の端分割嚢8a、8aで挟まれる端分割嚢8bは、首の真後ろ部分に当接し、両側の端分割嚢8a、8aは、首の左右両側部分に当接する。
【0014】
上記裏布3と消臭シート10とは、上記周縁のほか、横に延びる1本の裏縫合ライン(接合ライン)19で互いに縫合されている。この1本の裏縫合ライン19によって、枕本体1の中の裏布3と消臭シート10との間の裏分離層6が分割されて、二列の細長い分割嚢15a、端分割嚢15bが形成される。この分割嚢15a、端分割嚢15bは、上記1本の裏縫合ライン19によって、相互に遮蔽されている。
【0015】
上記裏縫合ライン19は、上記端表縫合ライン7aの裏側の位置付近に形成されている。したがって、端分割嚢15bは、分割嚢15aより細くなっていて、端分割嚢15b内の後述する筒粒状物21…及び球粒状物22…が分割嚢15aに移動してしまうことがなく、首の下に当たる部分の筒粒状物21…及び球粒状物22…が部分的に減少してしまうことがなく、枕本体1への首の載置状態を安定させることができる。
【0016】
上記裏布3は2枚または3枚以上の不織布、後述する隙間が多く通気性の高い立体構造編物16(第3充填材)の布等が重ねられて多数の斜めの裏縫合ライン11…で縫合されて、キルティング加工されている。これに対して、表布2は、上述したように、横に延びる4本の表縫合ライン7…、7aが形成されている。これにより、枕本体1の表側と裏側の表面デザイン、表面形状が異なっていて、枕本体1の表裏が明確に区別されて、枕本体1の表裏を過誤しないようになっている。
【0017】
上記表布2、裏布3、仕切布4、後述する消臭シート12(第1充填材、第2充填材)または立体構造編物16(第3充填材)は、消臭機能のある布からなっている。このような消臭機能を有する布は、例えば竹から作られた竹繊維(バンブー繊維)からなり、抗菌、消臭(防臭、脱臭も含む)、吸湿(湿気の吸収)、調湿(湿気/湿度の自動調整)、放湿(湿気の排出)、遠赤外線発生、静電気が発生しにくいなどの性質を有する。
【0018】
また竹繊維は、光沢性、発色性、熱の放射性にも優れている。さらに、竹繊維は、染色性、発色性に優れ、着心地、肌触りもよい。調湿作用は内側の湿度が上がると湿気を外に排出し、内側の湿度が下がると外気の湿気を吸収する作用であって、内側の湿度を一定に保つ作用である。
【0019】
このような消臭機能を有する素材または布は、他に、シャインアップ(株式会社クラレの製品)、「サニター30」(株式会社クラレの製品)、キチンキトサン繊維、ディスメル、ロンウェーブ(株式会社クラレの製品)、溶岩シーツ(おとぎの国http://store.shopping.yahoo.co.jp/otogino/ba0612.html)、でもよいし、繊維にカキタンニン成分を含むまたは付着された布、その他の消臭機能のある繊維・布などでもよい。
【0020】
上記消臭シート12、その他の上記布2、3、4、16等としては、セミア(旭化成せんい株式会社)が用いられる。このセミアは、ポリエステル不織布に活性炭が入れられており、洗濯しても活性炭は脱落せず、風通しのよいところで5時間以上天日干しすると、消臭効果が回復する。
【0021】
上記表分離層5、裏分離層6、分割嚢8、分割嚢15a、端分割嚢15bの内部には、後述する弾力性のある筒粒状物21…及び球粒状物22…(第2充填材、第3充填材)が内蔵されており、隙間が多く通気性に富んでいる。したがって、上記消臭シート10が枕本体1内部にあっても、表分離層5、裏分離層6、分割嚢8、分割嚢15a、端分割嚢15bに通気性があるため、臭気が消臭シート10によく当たって、消臭効果が落ちない。
【0022】
上記中分離層14は空洞で何も充填されていないので、通気性が非常に高くなっている。つまり、中分離層14は、上記表布2及び裏布3に接していない、内部には何も充填されず空洞となっていて、表布2及び裏布3に接している両分離層5、6が離間可能なっている。
【0023】
したがって、消臭シート10全体及び仕切布4全体にわたって臭気がよくあたり、消臭効果が向上する。また、中分離層14が空洞なので、枕本体1を持ち上げたりすると、表分離層5と裏分離層6とが大きく離れて、中分離層14に多くの空気が入り込み、消臭シート10全体及び仕切布4全体にわたって臭気がよくあたり、枕本体1の消臭効果が向上する。
【0024】
また、中分離層14が空洞なので、枕本体1の洗濯時に、表分離層5と裏分離層6とが大きく離れて、洗剤及び水が中分離層14内に入り込み、洗浄が容易になるし、空洞の中分離層14を通じて乾燥も速くなる。なお、中分離層14の一部又は全体の内に、筒粒状物21…及び球粒状物22…等が充填されてもよい。
【0025】
上記表分離層5の分割嚢8内の筒粒状物21…及び球粒状物22…(第2充填材)は、消臭効果のある表布2及び仕切布4で包まれているが、場合によって分割嚢8の一部又は全部において、包まれていなくてもよい。このように通気性を有する筒粒状物21…及び球粒状物22…が消臭効果のある表布2及び仕切布4で包まれているので、臭気が表布2及び仕切布4によく当たって、消臭効果が落ちない。
【0026】
上記端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aの中には、遠赤外線を発する遠赤布13…(第1充填材)が折り畳まれてまたは積層されて内蔵されている。この端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aのうち、両側の端分割嚢8a、端分割嚢8a内の遠赤布13…は上記消臭シート12(第1充填材)で包まれており、端分割嚢8b内の遠赤布13…は上記消臭シート12(第1充填材)で包まれていない。
【0027】
(2)枕本体1の消臭と頭及び首の消臭
図4は、枕本体1の裏布3側を上にして裏返して人間の頭部及び首を乗せた状態を示す。上述のように枕本体1の裏分離層6は、表側のように複数に分割されていないので、裏分離層6と頭または首との間に隙間Gが形成されず、裏分離層6表面の消臭効果のある裏布3が頭または首に密着して、枕本体1より頭または首に対する消臭効果を上げることができる。
【0028】
この場合、首の下の端分割嚢15bだけが分割嚢15aから独立しており、しかも裏側の端分割嚢15bの幅/大きさは、頭の首に接する表側の端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aの幅/大きさとほぼ同じであるので、端分割嚢15b内の筒粒状物21…及び球粒状物22…が分割嚢15aに移動してしまうことがなく、したがって首の部分の端分割嚢15bの高さが低くなってしまうことがなくなり、裏布3の首への密着状態を維持して、首の消臭を維持できる。
【0029】
この裏布3の下側の立体構造編物16は隙間Gを有しているし、この立体構造編物16(第3充填材)のさらに下の筒粒状物21…及び球粒状物22…(第3充填材)も隙間を有している。したがって、裏布3の消臭機能を頭または首に対して集中でき、頭または首に対する消臭効果を上げることができる。
【0030】
図5は、枕本体1の表布2側を上にして表向きにして人間の頭部及び首を乗せた状態を示す。上記枕本体1の表側の表分離層5は、複数の分割嚢8、8a、8bに分けられているので、表布2または各分割嚢8、8a、8bの境界と頭または首との間に隙間ができて、通気性を保つことができ、この結果、表分離層5の消臭効果のある表布2が頭や首よりもむしろ枕本体1の方に密着して、頭または首より枕本体1の消臭効果を上げることができる。
【0031】
このように枕本体1の表側を上にした時と、裏返して裏側を上にしたときとで、枕本体1の消臭機能を、枕本体1に対するものと、頭または首に対するものとで、切り換えることができる。しかも、枕本体1の表側と裏側の表面デザイン、表面形状が異なっているので、これらの枕本体1の表裏異なる消臭機能を間違えることがない。
【0032】
また、上述のように表分離層5の消臭は、表布2のほか消臭シート12によって多重になっているので、枕本体1の消臭効果が向上するし、枕本体1に置かれる頭及び首からより離れた個所で消臭機能を発揮するので、枕本体1の消臭効果の方がより向上する。
【0033】
さらに、分割嚢8それぞれの内部の筒粒状物21…及び球粒状物22…(第2充填材)を個別に包んでいるので、これらの筒粒状物21…及び球粒状物22…(第2充填材)に対する消臭効果が非常に向上して、枕本体1に対する消臭効果が向上する。
【0034】
このような筒粒状物21…及び球粒状物22…は、隙間を有し、通気性を有しているので、空気の出入りが多くあり、これにより上記表布2、裏布3、仕切布4、後述する消臭シート12(第1充填材、第2充填材)または立体構造編物16(第3充填材)に空気が多く当たり、頭または首から発散される汗が速く乾燥され、消臭機能が十分に発揮される。
【0035】
上記裏縫合ライン19によって、消臭シート10が下方に引っ張られ、この結果端表縫合ライン7aも下方に落ち込んで、この付近の端縫合ライン群9が低くなる。したがって、端縫合ライン群9の上の首の隙間Gが大きくなり、首の消臭効果が向上する。なお、裏縫合ライン19と端表縫合ライン7aと一体化してもよく、これにより上記端縫合ライン群9がさらに低くなって首の隙間Gがさらに大きくなる。
【0036】
(3)枕本体1の遠赤外線効果と通気性
上記遠赤布13…には、羊毛ゼオライト、ロンウェーブ(株式会社クラレの製品)、溶岩シーツ(おとぎの国http://store.shopping.yahoo.co.jp/otogino/ba0612.html)、トルマリン粒子が付着した布またはバイネストセラが用いられる。「羊毛ゼオライト」または「バイネストセラ」は、天然鉱石であるゼオライトを加工したセラミックスとその微粒子を羊毛などの天然繊維の表面に堅牢に付着させたものである。このセラミックスとその微粒子の働きによって、体温より低温でも遠赤外線が十分に外部へ放射されて、人体への加温効果が発揮される。
【0037】
上記ゼオライトの化学組成はケイ酸塩のケイ素の一部がアルミニウムに置換された形の縮合酸塩でありSiO4―AlO4の連結四面体における三次元網目構造によるため、空洞を含む構造が形成され、その空洞、或いはその空洞が連結してできる孔路の中に、そのアニオン(陰イオン)と対応すべくカチオン(陽イオン)、更には結晶水が金属イオンの静電気的引力により存在している。
【0038】
上記遠赤布13…から発せられる赤外線は中赤外線、遠赤外線または/及び超遠赤外線である。赤外線は、波長0.76乃至1.5μmを近赤外線、波長1.5乃至5.6μmを中赤外線、波長5.6乃至400μmを遠赤外線、波長400乃至1000μmを超遠赤外線という。しかし、本明細書及び特許請求の範囲では、この中赤外線も含めて遠赤外線として説明するし、超遠赤外線も遠赤外線として説明する。
【0039】
遠赤外線の波長が長いほど、人体組織のより深い所まで浸透してより深部から暖める(保温させる)。したがって、遠赤外線の波長が長いほど、上記遠赤効果が出るまで時間がかるが、いったん遠赤効果がでると、持続性は長く続き、足から本足保護具を取り外しても、遠赤効果は持続する。
【0040】
また、遠赤外線の波長が短いほど、人体組織の比較的表面を暖める(保温させる)。したがって、遠赤外線の波長が短いほど、上記遠赤効果が即座に早く出て、即効性があり、本足保護具に足を入れてからすぐに暖まる(加温される)。
【0041】
特に小脳動脈、頸椎動脈などの動脈は人体の内部深いところに位置するので、波長の長い遠赤外線によって血行・リンパ流促進を促し、小脳静脈、頸椎静脈などの静脈及びリンパ管は人体の内部浅いところに位置するので、波長の短い遠赤外線によって血行・リンパ流促進を促すことになる。このように遠赤外線の波長の違いによって首の動脈、静脈、リンパ管を分担して血行促進・リンパ流促進を達成できる。
【0042】
また、この遠赤外線による保温効果によって、首の後ろの小脳、脳幹、脊髄など活性化できて、健康増進にも役立つ。さらに、この遠赤外線による保温効果によって、首の脂肪を取り除いて、首やせ効果を出すこともできるし、肌に潤いを与えて首や顔のしわを防ぐことができる。
【0043】
図6は、枕本体1の表布2側を上にして表向きにして人間の頭部及び首を乗せた状態における首付近の断面を示す。上記首の沿って並んだ3つの端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aのうち、左右両端の端分割嚢8a、8a並びにその遠赤布13…の表布2は、首の真後ろの端分割嚢8b並びにその遠赤布13…の表布2に比べて高さが低いので、首を左右両側から真後ろ後方まで包み込むことができ、上記遠赤布13…による首の周囲に対する遠赤外線効果を高めることができる。
【0044】
また、左右両端の端分割嚢8a、8a内の遠赤布13…は消臭シート12で包まれ、首の真後ろの端分割嚢8b内には消臭シート12が無い。ここで、首の真後ろの部分は、首の後方左右両側部分より、圧力がかかって、通気性が低下する。
【0045】
首の真後ろ部分に消臭シート12が無いことによって、圧力が高くても、通気性を保つことができる。また、首の真後ろの血管やリンパ管の流れを良くすることができて、遠赤外線効果を高めることができるし、首の後方左右の発汗に対して消臭することができる。この場合、端分割嚢8bの表布2の消臭機能が無く、端分割嚢8bからは遠赤外線効果のみとしてもよい。
【0046】
なお、首の真後ろの端分割嚢8b内の遠赤布13…も消臭シート12で包まれてもよい。これにより、首の真後ろの発汗に対しても消臭を行うことができる。しかし、発汗量は、首の真後ろより首の後方左右の方が多い。
【0047】
また、左右両端の端分割嚢8a、8a内の遠赤布13…は、消臭シート12で包まれなくてもよい。これにより、首の真後ろのほか後方左右の通気性を高めることができ、上述の枕本体1の消臭効果を高めることができるほか、首の真後ろのほか後方左右からの遠赤外線効果を高めることができる。
【0048】
さらに、首の後方左右両端の端分割嚢8a、8aより、首の真後ろの端分割嚢8bの方が、首に圧力がかかって密着し易いので、首に対して遠赤外線をより浸透させることができる。
【0049】
また、首の真後ろの端分割嚢8bの図1及び図2における左右方向の長さは、首の後方左右両側の端分割嚢8a、8aの左右方向の長さより、10〜100%ほど長く、端分割嚢8a、8aの長さは約120mmほどであり、端分割嚢8bの長さは約220mmほどである。これにより、枕本体1に対して頭部の設置位置が左右に多少ずれても、首の真後ろを端分割嚢8bに乗せることができて、上記遠赤外線効果を達成できる。
【0050】
さらに、端縫合ライン群9の幅は、端分割嚢8a、8aの長さの3〜30%ほどとなっていて、例えば約10mmほどである。また、端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aの各境界は、多数の縫合ラインからなる端縫合ライン群9となっているので、首と枕本体1との間の通気性を高め、上述の枕本体1の消臭効果を高めることができる。
【0051】
また、表布2は遠赤外線を発してもよく、遠赤布13…(第1充填材)は光触媒素材が塗布されて消臭機能を有しても良い。この場合、上記遠赤布(第1充填材)13または表布2は、遠赤外線を発して首の血行を促進し、筒粒状物(第2充填材、第3充填材)21及び球粒状物(第2充填材、第3充填材)22若しくは表布2または裏布3は、消臭機能を有し、遠赤外線を発しない。
【0052】
これにより、首付近のみ遠赤外線をはして血行促進等をはかることができるが、首以外の他の頭部全体は消臭機能を発揮して、発汗に対する消臭をはかり、「頭寒足熱」の「頭寒」を達成できる。消臭は通気性とあいまって、付随的に冷却効果を発揮するからである。
【0053】
上記遠赤布13…を内蔵した分割嚢8、8a、8bの下の端分割嚢15bは分割嚢15aから独立しているので、端分割嚢15b内の筒粒状物21…及び球粒状物22…が分割嚢15aに移動してしまうことがなく、したがって首の部分の分割嚢8、8a、8bの高さが低くなってしまうことがなくなり、遠赤布13…の首への密着状態を維持して、首の血行促進を維持できる。
【0054】
(4)立体構造編物16(第3充填材)
図7は上記立体構造編物16(第3充填材)を示す。この実施形態では、上記本体1と外布5との間に板状の立体構造編物16が挟まれている。この立体構造編物16は、隙間Gが多いにも関わらず、圧力がかかっても、この隙間Gがあまり塞がれず撓まない構造となっている。
【0055】
この立体構造編物16は、上記ウレタン等より固く撓みにくく、ウレタン等より空隙率が高くて隙間Gが多く薄い。また、この立体構造編物16は、表布2、裏布3、仕切布4及び消臭シート12より固く撓みにくく、表布2、裏布3、仕切布4及び消臭シート12より空隙率が高くて隙間Gが多く、表布2、裏布3、仕切布4及び消臭シート12より厚い。
【0056】
以上のように、立体構造編物16は、上記表布2、裏布3、仕切布4及び消臭シート12より固く撓みにくく、表布2、裏布3、仕切布4及び消臭シート12より空隙率が高くて隙間Gが多いので、人体が当接して枕本体1が撓んで圧縮されても、立体構造編物16の圧縮/撓みは枕体1より小さいので、枕本体1と当接している頭及び首との間に隙間Gが維持され、通気性及び放湿性が保たれ、消臭効果が向上する。
【0057】
このような立体構造編物16の構造は、特開2007−270394号公報、特開2005−179808号公報、特開2004−107800号公報に示される。これらの公報に記載されていることは、本願発明の詳細な説明にも記載されているものとする。
【0058】
このような立体構造編物16は、表裏二層の編地17、17と、この二層の編地17、17の間を連結するフィラメント18…よりなっている。この表裏二層の編地17、17は、六角形の集合体のハニカム構造、三角形の集合体の構造、四角形の集合体の碁盤格子構造等に編まれる。
【0059】
このフィラメント18…は、上記表裏二層の編地17、17の間を連結荒れるように編まれる。このフィラメント18…は、「X字状」「V字状」「逆V字状」「M字状」「N字状」「W字状」「K字状」「Y字状」「A字状」「逆A字状」「□状」「□の中にXのある状態」「I字状(多数平行フィラメント18…)」などの構造をなし、圧力がかかっても表裏二層が接触しにくい構造となっている。
【0060】
このような構造をなすフィラメント18…は上記X字状などであっても、フィラメント18…どうしは連結されず分離独立されているが、連結されていてもよい。図7の例では、フィラメント18は、「X字状」の例が示されている。これにより、上述のように、立体構造編物16は本体1より固く撓みにくくなり、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、隙間Gが維持され、通気性及び放湿性が保たれ、褥瘡が防止される。
【0061】
しかも、このフィラメント18…同士の間隔/隙間Gは、フィラメント18…自身の太さより数倍乃至十数倍、場合によって数倍乃至数十倍、さらに場合によって数倍乃至百数十倍ほどある。これにより、上述のように、立体構造編物16は、本体1より空隙率が高くて隙間Gが多くなり、人体が当接して本体1が撓んで圧縮されても、隙間Gが維持され、通気性及び放湿性が保たれる。
【0062】
このような立体構造編物16は、裏布3の外側、表布2の内側または外側、仕切布4の表または裏、消臭シート10の表または裏に積層されてもよい。これにより、通気性及び放湿性が向上する。また、表布2、裏布3、仕切布4、消臭シート12、10の一部または全部は省略されてもよい。これにより、これらの布等を節約できる。
【0063】
この表布2、裏布3、仕切布4、消臭シート12が省略された場合、立体構造編物16は上述のように、空隙率が高くて隙間Gが多いので、投光性も非常に高く、筒粒状物21…及び球粒状物22…等に光触媒成分が塗布されていれば、この光触媒作用が向上する。
【0064】
(5)内蔵される粒状物
図8は、上述の枕本体1内に収納/内蔵される筒粒状物21…及び球粒状物22…を示す。筒粒状物(ポリカットチューブ)21…は、例えば、長さ4乃至15mm、望ましくは6乃至10mm、外直径3乃至10mm、望ましくは4乃至5mm、厚さ0.01乃至1mm、望ましくは0.05乃至0.1mmであり、材質はポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂(プラスチック)などからなり、比較的硬いが可撓性を有しているものと、比較的軟らかく可撓性を有しているものとの両方又は片方からなっている。
【0065】
上記球粒状物22…は、例えば、外直径3乃至20mm、望ましくは5乃至10mm、厚さ0.01乃至1mm、望ましくは0.05乃至0.1mmであり、材質はポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルなどの合成樹脂(プラスチック)などからなり、比較的硬いが可撓性を有している。硬さは、上記筒粒状物21…より硬くても軟らかくてもよい。
【0066】
上記筒粒状物21…は筒状であるため、挿通穴25が形成され、さらに上記球粒状物22…にも一対の挿通穴26が形成されている。この球粒状物22の挿通穴26の大きさは、球粒状物22の外直径の20%乃至50%であり、0.6乃至10mm、望ましくは1乃至5mmとなる。また、上記筒粒状物21…の挿通穴25の大きさは、2乃至9.99mm、望ましくは3乃至4.99mmとなる。
【0067】
球粒状物22…の挿通穴26…の大きさは、筒粒状物21…の外直径/大きさ/太さより小さく、また球粒状物22…の外直径/大きさは、筒粒状物21…の挿通穴25の大きさより大きく選択される。したがって、筒粒状物21…が、球粒状物22…の挿通穴26内に入ってしまうことがないし、逆に球粒状物22…が、筒粒状物21…の挿通穴25内に入ってしまうことがない。したがって、長く使用しても、また枕本体1を洗濯しても、粒状物21、22全体としての体積が減少してしまうことなく、長く快適に使用できる。
【0068】
なお、上記表分離層5、裏分離層6、分割嚢8、端分割嚢8a、8bに収納される粒状物は、球粒状物22…だけとしてもよい。その方が、粒状物同士が入り込んでしまうことがより無くなる。しかし、筒粒状物21…は筒状であるため、通気性/放熱性/乾燥性に優れている。したがって、両者を混在させるのがよい。両者の混合割合は、重量比で10%乃至90%:90%乃至10%、望ましくは50%:50%である。
【0069】
筒粒状物21…または/及び球粒状物22…の一部または全部には、形状記憶作用がある。これにより、枕本体1を使用して、頭の重みでこれらが変形しても、頭の重みから解放されれば、元の形に戻るし、後述する光触媒作用などの抗菌作用/防臭作用/分解作用、遠赤外線発生作用などの加温作用/血行促進作用が低下しない。さらには、同様の理由で、表布2、裏布3、仕切布4、消臭シート12、立体構造編物16についても、同様に形状記憶作用があってもよい。
【0070】
筒粒状物21…または/及び球粒状物22…の一部または全部の表面には光触媒コーティングなどにより、光触媒作用などの抗菌作用/防臭作用/防虫作用/分解作用があってもよい。また、表布2、裏布3、仕切布4、消臭シート12または/および立体構造編物16の一部または全部には、遠赤外線発生作用などの加温作用/血行促進作用があってもよい。
【0071】
これにより、頭/首に対して遠赤外線で加温作用/血行促進しつつも、光触媒作用でこれら加温作用/血行促進による発汗による汚れ/悪臭発生を防止できる。また、遠赤外線も光の一種であり、遠赤外線で光触媒作用をより発揮させることができる。さらに、筒粒状物21…または/及び球粒状物22…の一部または全部に、遠赤外線発生作用などの加温作用/血行促進作用があってもよい。
【0072】
上記筒粒状物21…及び球粒状物22…には、場合によってアパタイト加工シリカゲルが混合される。これにより、上記乾燥作用をより向上させることができる。なお、図面では、表分離層5、裏分離層6、分割嚢8、端分割嚢8a、8bには、筒粒状物21…及び球粒状物22…のほかに隙間があるように見えるが、これは図面を見やすくするためであり、実際にはほぼ隙間無くこれらの粒状物21…、22…が充填される。
【0073】
上記光触媒作用などのなどの抗菌作用/防臭作用/防虫作用/分解作用を発揮する素材としては、二酸化チタン、CdS、CdSe、WO3 、Fe2O3 、SrTiO3 、KNbO、シャインアップ(繊維、布、綿)、ディスメル(東洋紡績株式会社の商品)、エピコモド等が、遠赤外線発生作用などの加温作用/血行促進作用を発揮する素材としては、ゼオライト、羊毛ゼオライト、ヤンロン加工布/綿などが選択される。
【0074】
(6)他の実施の形態
本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、表布2、裏布3、仕切布4、消臭シート12は、通気性のよい布や、網状でもよい。これにより、枕本体1に載置される人間の頭からの熱を効率よく放熱できる。
【0075】
裏側の端分割嚢15bの幅/大きさは、頭の首に接する表側の端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aの幅/大きさより大きくても小さくてもよい楽音、ほぼ同じ大きさが望ましい。この場合、裏側の端分割嚢15bはさらに複数に分割されても良いし、表側の端分割嚢8a、端分割嚢8b、端分割嚢8aはさらに複数に分割されても良いし、一部または全部合体されてもよい。
【0076】
また、仕切布4、場合によって表布2の内側、裏布3の内側は、金属繊維などの光の反射機能の高い布でもよい。これにより、筒粒状物21…または球粒状物22…に光触媒機能があるとき、光反射によってこの機能を向上させることができる。また遠赤外線を反射させて、遠赤外線による加温作用/血行促進作用を向上させることができる。
【0077】
また、上記筒粒状物21…は、筒状のほか、楕円球状または真円球状などでもよい。また、上記球粒状物22…は、真円球状のほか、筒状または楕円球状などでもよい。挿通穴25は、筒粒状物21…の側面に複数形成されてもよいし、挿通穴26は、球粒状物22…の表面に多数形成されてもよいし、1つだけ形成されてもよい。筒粒状物21…または球粒状物22…の挿通穴25または26の一部または全部は省略されて無くてもよい。
【0078】
上記筒粒状物21…または球粒状物22…には、さらに別の粒状物が付加混合されてもよい。この場合、この付加混合される別の粒状物は、通常は真円球状または楕円球状であり、大きさは球粒状物22…より大きくてもよいし、小さくてもよい。しかし、筒粒状物21…または球粒状物22…が入り込まないような形状/大きさ、及び筒粒状物21…または球粒状物22…に入り込まないような形状/大きさに選択される。
【0079】
上記枕本体1には、枕本体1の表側と裏側とが仕切布4または消臭シート10で分離されない分離層5、6、14の部分があってもよい。上記筒粒状物(第2充填材、第3充填材)21、球粒状物(第2充填材、第3充填材)22は、幾重にも折り返されたまたは積層された消臭シート(第1充填材、第2充填材)12、10、幾重にも折り返されたまたは積層された遠赤布(第1充填材)13、幾重にも折り返されたまたは積層された立体構造編物(第3充填材)16等に置き換えられてもよい。
【0080】
上記表布2と裏布3と仕切布4と消臭シート10との間には別の側面の布が縫合介在されても良いし、分割嚢8、端分割嚢8a、8bを形成する表縫合ライン7、端表縫合ライン7a、端縫合ライン群9、裏縫合ライン19では、表布2と仕切布4、または裏縫合ライン19消臭シート10と裏布3とを縫合するのではなく、この表縫合ライン7、端表縫合ライン7a、端縫合ライン群9、裏縫合ライン19に沿って、表布2と仕切布4との間に別の布が縫合介在されてもよい。
【0081】
上記枕本体1、表布2、裏布3、仕切布4、立体構造編物16、表分離層5、裏分離層6、分割嚢8、端分割嚢8a、8b、分割嚢15a、端分割嚢15bはいずれも方形状であったが、六角形等の多角形、楕円・円形などの湾曲図形でもよく、それぞれの厚さ、幅、長さ、大きさは均一ではなく不均一でもよく、表分離層5、裏分離層6、分割嚢8、端分割嚢8a、8bは、一層だけでなく多層でもよい。
【0082】
左右両端の端分割嚢8a、8a並びにその遠赤布13…の表布2は、首の真後ろの端分割嚢8b並びにその遠赤布13…の表布2に比べて高さが低くなく、高くても良いし、同じ高さでもよい。これにより、首の後方左右両側と枕本体1/左右両端の端分割嚢8a、8aとの隙間Gを大きくして、枕本体1の消臭を促進できる。
【0083】
首の真後ろの端分割嚢8bの左右方向の長さは、首の後方左右両側の端分割嚢8a、8aの左右方向の長さより長かったが、逆に短くてもよいし、同じ長さでもよい。枕本体1の大きさが十分に大きければ、これでも、枕本体1に対して頭部の設置位置が左右に多少ずれても、首の真後ろを端分割嚢8bに乗せることができて、上記遠赤外線効果を達成できる。
【0084】
上記表布2、裏布3、仕切布4、表分離層5、裏分離層6、表縫合ライン7、端表縫合ライン7a、分割嚢8、端分割嚢8a、8b、端縫合ライン群9、消臭シート10、裏縫合ライン11、消臭シート(第1充填材、第2充填材)12、遠赤布(第1充填材)13、中分離層14、分割嚢15a、端分割嚢15b、立体構造編物(第3充填材)16、編地17、フィラメント18、裏縫合ライン19、筒粒状物(第2充填材、第3充填材)21、球粒状物(第2充填材、第3充填材)22は、消臭効果のみで遠赤外線効果が無くてもよいし、逆に遠赤外線効果のみで消臭効果が無くてもよいし、消臭効果と遠赤外線効果の両方があってもよいし、両方とも無くてもよい。
【0085】
上記枕本体1、表布2、裏布3、仕切布4、表分離層5、裏分離層6、表縫合ライン7、端表縫合ライン7a、分割嚢8、端分割嚢8a、8b、端縫合ライン群9、消臭シート10、裏縫合ライン11、消臭シート(第1充填材、第2充填材)12、遠赤布(第1充填材)13、中分離層14、分割嚢15a、端分割嚢15b、立体構造編物(第3充填材)16、編地17、フィラメント18、裏縫合ライン19、筒粒状物(第2充填材、第3充填材)21、球粒状物(第2充填材、第3充填材)22、挿通穴25、26、隙間Gの一部または全体は省略されてもよいし、その数が増えても減ってもよいし、その形状は任意に変更可能であり、均等の他の物に置き換えられてもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよいし、材質は硬質樹脂製のほか、軟質樹脂製、金属製、木製、紙製、ゴム製、表面に化粧紙が接着されたもの、竹製、樹脂製、ガラス製、綿製、布製、糸製、繊維製、ゴム製、紙製、セラミック製、カーボン製、硬質ウレタン製、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製でもよい。
【0086】
(7)他の発明の効果
[1]寝ている人間の頭が載置される枕において、 この枕の表側表面の表布と、この枕の裏側表面の裏布と、この枕の表側と裏側とが仕切布で分離された分離層と、 この表側の分離層の中を、さらに分割して形成され、 相互に遮蔽された複数の分割嚢であって、この分割嚢は上記人間の頭及び首に直接接するものであり、 この分割嚢は、上記人間の頭及び首に対して左右方向に延びるものであり、 この表側の分割嚢のうち上記頭の首に接する分割嚢に収納された第1充填材と、 この表側の分割嚢のうち上記頭に接し首に接しない複数の分割嚢に収納された第2充填材と、 上記裏側の分離層に収納された第3充填材とを備え、 上記第1充填材またはその表布は遠赤外線を発して上記首の血行を促進し、 上記第2充填材またはその表布は、消臭機能を有し、遠赤外線を発せず、 上記3填材またはその裏布は、消臭機能を有し、遠赤外線を発しないことを特徴とする枕。
【0087】
[2]上記分離層のうち、上記表布及び裏布に接していない、内部の分離層には何も充填されず空洞となっていて、表布及び裏布に接している両分離層が離間可能なっていることを特徴とする請求項1記載の枕。これにより、表布及び裏布に接している両分離層を離間させて、空気を流入流出させて、消臭をはかることができるし、洗濯時に洗浄水/線状液体を流入流出させて、洗浄を促進し消臭機能の回復をはかることができる。
【0088】
[3]上記裏側の分離層の中を、さらに分割して相互に遮蔽された複数の分割嚢が形成され、この分割嚢のうち、上記頭の首に接する表側の分割嚢の下にある裏側の分割嚢は、当該表側の分割嚢とほぼ同じ大きさであることを特徴とする請求項2記載の枕。これにより、首の下の裏側の分割嚢内の上記第3充填材が他へ移動してしまうことがなく、したがって首の部分の分割嚢の高さが低くなってしまうことがなくなり、第1充填材の首への密着状態を維持して、首の血行促進を維持できる。
【0089】
[4]上記複数の分割嚢及び表布の境界と上記頭及び首との間には隙間が形成され、これにより、頭または首の消臭より、枕の方がより消臭され、 上記枕が裏返して使用され、この裏返された上記裏側の分離層及び裏布と上記頭または首との間には隙間が形成されず頭または首に密着し、これにより、枕の消臭より、頭または首の方がより消臭されることを特徴とする請求項3記載の枕。これにより、枕の表で主に枕自身の消臭が行われ、裏返して枕の裏で主に頭または首の消臭が行われ、枕の表と裏とで消臭機能を切り換えることができる。
【0090】
[5]上記第2充填材または第3充填材とは内部に隙間を有し、通気性を有し、これにより消臭機能が向上されることを特徴とする請求項4記載の枕。これにより、枕の通気性を高めることによっても、消臭効果を相乗的に高めることができる。
【0091】
[6]上記第1充填材またはその表布は、遠赤外線を発するほか、消臭機能を有することを特徴とする請求項5記載の枕。これにより、血行促進によって出てくる汗の消臭を実現できる。
【0092】
[7]首に接する分割嚢は、首の真後ろ部分と、首の左右両側部分とに分けられ、首の真後ろ部分の第1充填材またはその表布は、遠赤外線を発し、消臭機能は無く、 首の左右両側部分の第1充填材またはその表布は、遠赤外線を発するほか、消臭機能も有することを特徴とする請求項6記載の枕。これにより、首の真後ろの血管やリンパ管の流れを良くすることができて、遠赤外線効果を高めることができるし、首の後方左右の発汗に対して消臭することができる。
【0093】
[8]首の真後ろ部分の第1充填材またはその表布の高さは、首の左右両側部分の第1充填材またはその表布の高さより低いことを特徴とする請求項7記載の枕。これにより、首の左右両側から真後ろ後方まで包み込むことができ、首の周囲に対する遠赤外線効果を高めることができる。
【0094】
[9]首の真後ろ部分の分割嚢の左右の長さは、首の左右両側部分の分割嚢の左右の長さより、長いことを特徴とする請求項8記載の枕。これにより、枕本体に対して頭部の設置位置が左右に多少ずれても、首の真後ろ部分の分割嚢に乗せることができて、首の真後ろ部分に対する遠赤外線効果を達成できる。
【0095】
[10]首の真後ろ部分の分割嚢と、首の左右両側部分の分割嚢との境界は、複数の縫合ラインが形成されていることを特徴とする請求項9記載の枕。これにより、多首と枕本体との間の通気性を高め、枕本体の消臭効果を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
人間の首から頭にかけて枕を部分的に分けて、血行促進と消臭とで分け、両者の機能を矛盾しないように発揮させる。首全体を血行促進、首の後両側を消臭する。枕の表向きで枕の消臭、裏向きで頭首を消臭する。枕本体1は表分離層5、裏分離層6、中分離層14、分割嚢8、端分割嚢8a、8b、8a、分割嚢15a、端分割嚢15bに分離分割され、首の周囲に沿った端分割嚢8a、8b、8a内には、遠赤布13(第1充填材)が充填されて首に遠赤外線が発せられる。
【0097】
さらに左右両側の端分割嚢8a、8a内の遠赤布13(第1充填材)は消臭シート12(第1充填材、第2充填材)で包まれて消臭効果も発揮され、他の表分離層5、裏分離層6、分割嚢8内には、筒粒状物21…及び球粒状物22…が内蔵され、表分離層5、裏分離層6、分割嚢8は消臭効果のある表布2及び裏布3で包まれて頭部に対して消臭効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】枕本体1の表面を示す。
【図2】枕本体1の裏面を示す。
【図3】枕本体1の断面を示す。
【図4】枕本体1の裏布3側を上にして裏返して人間の頭部及び首を乗せた状態を示す。
【図5】枕本体1の表布2側を上にして表向きにして人間の頭部及び首を乗せた状態を示す。
【図6】枕本体1の表布2側を上にして表向きにして人間の頭部及び首を乗せた状態における首付近の断面を示す。
【図7】上記立体構造編物16(第3充填材)を示す。
【図8】枕本体1内に収納/内蔵される筒粒状物21…及び球粒状物22…を示す。
【符号の説明】
【0099】
1…枕本体、2…表布、
3…裏布、4…仕切布、
5…表分離層、6…裏分離層、
7…表縫合ライン、7a…端表縫合ライン、
8…分割嚢、8a、8b…端分割嚢、
9…端縫合ライン群、10…消臭シート、
11…裏縫合ライン、14…中分離層、
12…消臭シート(第1充填材、第2充填材)、
13…遠赤布(第1充填材)、
15a…分割嚢、15b…端分割嚢、
16…立体構造編物(第3充填材)、
17…編地、18…フィラメント、
19…裏縫合ライン、
21…筒粒状物(第2充填材、第3充填材)、
22…球粒状物(第2充填材、第3充填材)、
25、26…挿通穴、G…隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝ている人間の頭が載置される枕において、
この枕の表側表面の表布と、この枕の裏側表面の裏布と、この枕の表側と裏側とが仕切布で分離された分離層と、
この表側の分離層の中を、さらに分割して形成され、 相互に遮蔽された複数の分割嚢であって、この分割嚢は上記人間の頭及び首に直接接するものであり、 この分割嚢は、上記人間の頭及び首に対して左右方向に延びるものであり、
この表側の分割嚢のうち上記頭の首に接する分割嚢に収納された第1充填材と、 この表側の分割嚢のうち上記頭に接し首に接しない複数の分割嚢に収納された第2充填材と、 上記裏側の分離層に収納された第3充填材とを備え、
上記第1充填材またはその表布は遠赤外線を発して上記首の血行を促進し、 上記第2充填材またはその表布は、消臭機能を有し、遠赤外線を発せず、 上記3填材またはその裏布は、消臭機能を有し、遠赤外線を発しないことを特徴とする枕。
【請求項2】
上記分離層のうち、上記表布及び裏布に接していない、内部の分離層には何も充填されず空洞となっていて、表布及び裏布に接している両分離層が離間可能なっていることを特徴とする請求項1記載の枕。
【請求項3】
上記裏側の分離層の中を、さらに分割して相互に遮蔽された複数の分割嚢が形成され、この分割嚢のうち、上記頭の首に接する表側の分割嚢の下にある裏側の分割嚢は、当該表側の分割嚢とほぼ同じ大きさであることを特徴とする請求項2記載の枕。
【請求項4】
上記複数の分割嚢及び表布の境界と上記頭及び首との間には隙間が形成され、これにより、頭または首の消臭より、枕の方がより消臭され、
上記枕が裏返して使用され、この裏返された上記裏側の分離層及び裏布と上記頭または首との間には隙間が形成されず頭または首に密着し、これにより、枕の消臭より、頭または首の方がより消臭されることを特徴とする請求項3記載の枕。
【請求項5】
上記第2充填材または第3充填材とは内部に隙間を有し、通気性を有し、これにより消臭機能が向上されることを特徴とする請求項4記載の枕。
【請求項6】
上記第1充填材またはその表布は、遠赤外線を発するほか、消臭機能を有することを特徴とする請求項5記載の枕。
【請求項7】
首に接する分割嚢は、首の真後ろ部分と、首の左右両側部分とに分けられ、首の真後ろ部分の第1充填材またはその表布は、遠赤外線を発し、消臭機能は無く、 首の左右両側部分の第1充填材またはその表布は、遠赤外線を発するほか、消臭機能も有することを特徴とする請求項6記載の枕。
【請求項8】
首の真後ろ部分の第1充填材またはその表布の高さは、首の左右両側部分の第1充填材またはその表布の高さより低いことを特徴とする請求項7記載の枕。
【請求項9】
首の真後ろ部分の分割嚢の左右の長さは、首の左右両側部分の分割嚢の左右の長さより、長いことを特徴とする請求項8記載の枕。
【請求項10】
首の真後ろ部分の分割嚢と、首の左右両側部分の分割嚢との境界は、複数の縫合ラインが形成されていることを特徴とする請求項9記載の枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−135510(P2012−135510A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290907(P2010−290907)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(300011999)ブルネエズ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】