説明

枠体

【課題】この種の額縁等の枠体においては、照明装置を内部に配置して装飾性を向上させいるが、電源との配線等を観察者の視覚外にもっていく必要があった。
【解決手段】内側面1aと外側面1bと表側面1cと裏側面1dとで断面略コ字状に形成されたフレーム1と、フレーム1の端部を連結するコーナー部材2とから成る枠体であって、フレーム1の外側面1bに穿設したコーナー部材接続用孔1eと、コーナー部材2は基部2aと、基部2aの側面に段部2bを介して延設された断面略コ字状の接続杆2cとを備え、接続杆2cをフレーム1の端部から挿通した時にコーナー部材接続用孔1eに弾性嵌入する係着突起片2dを突設し、基部2aの巾と高さはフレーム1の巾と高さと同一に形成すると共に段部2bはフレーム1の肉厚と同一に形成し、基部2aの外側側面には配線用孔2eを穿設したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には2対2組の四本のフレームを矩形状に配して、角部を4個のコーナー部材で連結した額等の枠体に関するものであり、詳細には、主として、バックライト等の照明器具の配線を行う際に好適なコーナー部材を備えた枠体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種構造の額縁等の枠体が開発され市販されており、近年では、展示性を鑑みて、よりフラットな外観形状を有するものが好まれ、このため、これに適した構造として、四辺のフレームをコーナー部材で連結し、このフレームの内側に背面パネル、前面パネル、シート状の被掲示物等の板状の部材を重積させて支持する構造の額縁の枠体が製品化されている。
【0003】
ところで、この種の額縁等の枠体においては、照明装置を内部に配置して装飾性を向上させたり、フラットな形状を利して壁掛けアンテナや面状のスピーカとしてこれを応用すること開発されているが、電源との配線等を観察者の視覚外にもっていく必要があることから、一般には、これらを背面パネルを切欠いて壁部分との接触面から導出させる等の工夫が行われていた。
【0004】
例えば、光を屈折又は集光し得る彫刻部2を含む模様又は図柄などの飾部4が備えられた透明若しくは半透明の透光性の板状体1を少なくとも二枚以上重積して枠体9に保持し、各板状体1のそれぞれの飾部4の集約によって統一された表示部Aとし、且つこの各飾部4に向かって光を照射する光源5を前記板状体1側面に臨ましめて配備すると共に、各板状体1.1.1の側面に色彩層6.7.8をそれぞれ設け、光源からの光照射によって前記飾部4にそれぞれ彩色を表せて成るもの(特許文献1参照)や、上下の横枠1、2および左右の縦枠3、4により組み立てられた矩形の枠体5の前後に面材6、7が配設され、上横枠に上下に貫通する通線孔14が形成された壁パネルにおいて、縦枠の長さ方向にのび、縦枠より厚みの薄い複数枚の板体8、9が、枠体の内部において互いに平行に配置され、面材の裏面に面接着されているもの(特許文献2参照)や、本願出願人が先に開示した、コーナー部材に、接続されたフレームの端部間に露出する角部の一部に貫通孔を設けると共にフレームの内周面に設けられた切欠部と合致して板状物の周縁を挿入支持する開放部を設け、貫通孔とフレームの切欠部を通じて外部とフレームで囲まれた空間部との連通路を形成する。コーナー部材の貫通孔にはその貫通孔を閉塞させない状態でリング状部材が立設されるもの(特許文献3参照)等が開示されている。
【特許文献1】実開昭50−61994号公報
【特許文献2】特開2006−322306号公報
【特許文献3】特開2000−189303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然し乍ら、前述の特許文献1に記載のものは、コード17やプラグ18は室内等用装飾品の側面や裏面に貫通穴を設けてコード17を挿通させているもので、観察者の視覚内にある従来のものであり、更に、特許文献2に記載のものは、上横枠に上下に貫通する通線孔14が形成された壁パネルであり、通線孔14を挿通させて配線しているものであるが、枠体を単独で取り付けるごく一般的な配線手段であり、更には、特許文献3に記載のものは、本発明の試作段階ものであり、貫通孔2aをコーナー部材の角部に穿設したため、配線方向がスムーズに定まらない上に、配線の導出部分を視覚的に覆ってカムフラージュするリング状部材を突設したため隣同士に複数の枠体を展設すると枠体と枠体の間に隙間ができ見苦しさがあり、外観を損なう等の要因となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、本発明の枠体は、開口部を有する内側面と外側面と表側面と裏側面とで形成された複数のフレームと、複数のフレームの端部を連結するコーナー部材とから成る枠体であって、フレームの外側面に穿設したコーナー部材接続用孔と、コーナー部材は断面略コ字状に形成され基部と、基部の側面の接続方向に段部を介して延設された断面略コ字状の接続杆とを備え、接続杆をフレームの端部から挿通した時にコーナー部材接続用孔に弾性嵌入する係着突起片を突設し、基部の巾と高さはフレームの巾と高さと同一に形成すると共に段部はフレームの肉厚と同一に形成し、基部の外側側面には配線用孔を穿設したことにより、前述の課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の枠体は、複数のフレームと、複数のフレームの端部を連結する複数のコーナー部材とから成り、フレームの外側面の端部辺に穿設したコーナー部材接続用孔と、該コーナー部材接続用孔に弾性嵌入する係着突起片を突設しためワンタッチで接続が可能となり、基部の巾と高さはフレームの巾と高さと同一に形成すると共に段部はフレームの肉厚と同一に形成したため、フレームからコーナー部材が出っ張ることなく面一状に接続することができ、更に、基部の外側側面には配線用孔を穿設したことにより、並べて展設しても隣り合う枠体に隙間が開くことなく、枠体同士の電気的配線を可能とするもので、実用性の高い発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の枠体を実施例の用いて詳細に説明すると、図1は本発明の枠体の実施例の分解斜視図であり、図2は本発明の枠体のコーナー部材の実施例の平面図であり、図3は本発明の枠体のフレームの実施例の要部側面図である
【0009】
本発明は、一般的には2対2組の四本のフレーム1を矩形状に配して、角部を4個のコーナー部材2で連結した額等の枠体に関するものであり、詳細には、主として、バックライト等の照明器具の配線を行う際に好適なコーナー部材2を備えた枠体に関するものであり、長さ方向の全長にわたって開口部を有する内側面1aと外側面1bと表側面1cと裏側面1dとで断面略コ字状に形成された複数のフレーム1と、該複数のフレーム1の内隣り合うフレーム1の端部を連結するコーナー部材2とから成る枠体であって、前記フレーム1の夫々の端部から若干巾の間隔を有した前記外側面1bに穿設したコーナー部材接続用孔1eと、前記コーナー部材2は内側が開口された断面略コ字状に形成され基部2aと、該基部2aの側面の接続方向に夫々段部2bを介して延設された断面略コ字状の夫々の接続杆2cとを備え、前記夫々の接続杆2cを前記夫々の隣り合うフレーム1の端部から挿通した時に前記コーナー部材接続用孔1eに弾性嵌入する係着突起片2dを突設し、前記基部2aの巾と高さは前記フレーム1の巾と高さと同一に形成すると共に前記夫々の段部2bはフレーム1の肉厚と同一に形成し、前記基部2aの外側側面には配線用孔2eを穿設したことを特徴とするものである。
【実施例】
【0010】
即ち、複数のフレーム1は、図1に図示するように、長さ方向の全長にわたって開口部を有する内側面1aと外側面1bと表側面1cと裏側面1dとで断面略コ字状に形成されいるもので、アルミ等の軽金属、或いは、硬質の合成樹脂等で形成されているものである。
【0011】
そして、フレーム1を2対2組つまり4本を用いて矩形状に配し、夫々の角部を後述する4つのコーナー部材2で接続することにより枠体を構成するもので、その際の内側面1aの開口部には展示用の板状物の周縁部位を挿入させるものである。
【0012】
次に、コーナー部材2は、複数のフレーム1の内隣り合うフレーム1の端部と端部とを連結するものであり、連結することにより矩形状の枠体を構成するものである。
【0013】
更に、コーナー部材接続用孔1eは、フレーム1の外側面1bに穿設するもので、フレーム1の両端部から若干巾の間隔を有した位置に矩形状に穿設しており、後述するコーナー部材2に切り起こして突設した係着突起片2dが嵌入するものである。
【0014】
また、コーナー部材2は基部2aと一対の接続杆2cとから成り、基部2aは矩形状の表面と裏面と2つの側面とから成り、内側は開口された断面略コ字状に形成されているものであり、フレーム1と同部材のアルミ等の軽金属、或いは、硬質の合成樹脂等で形成されているものである。
【0015】
更に、接続杆2cは、基部2aの側面の接続方向、つまり、直角方向に夫々段部2bを介して延設され、断面略コ字状に形成されているものであり、フレーム1に挿通されると共に、後述する係着突起片2dを突設しているものである。
【0016】
更には、係着突起片2dは、フレーム1の端部辺に穿設したコーナー部材接続用孔1eに弾性嵌入させるもので、図1及び図2に図示するように、夫々の接続杆2cの基端方向から先端方向に向けてコ字状に貫通溝を穿設し、コ状の貫通溝の内部の短杆を外側に湾曲させて突出させたもので、係着突起片2dは夫々の隣り合うフレーム1の端部から接続杆2cを挿通した時に、フレーム1の内面により押圧され平坦状になり、コーナー部材接続用孔1eに達すると材料特性の弾性により突出状態に戻り係着させるもので、係着突起片2dの先端面とコーナー部材接続用孔1eの側面により抜落は皆無のものである。
【0017】
次に、コーナー部材2の基部2aは、その巾と高さは前記フレーム1の巾と高さと同一に形成すると共に、基部2aと接続杆2cとの間の段部2bはフレーム1の肉厚と同一に形成しているものであり、つまり、フレーム1とコーナー部材2とを接続させた状態でフレーム1とコーナー部材とが面一状態となるものである。
【0018】
次いで、配線用孔2eは、コーナー部材2の基部2aの外側側面に穿設しているもので、複数枚の枠体を並べて密着させて展設しても、夫々の枠体の配線用孔2eは相対して位置しており、配線コードや配線リード線を枠体から枠体に周りにはみ出すことなく配設できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の枠体は、複数のフレームと、複数のフレームの端部を連結するコーナー部材とから成り、フレームの外側面の端部辺に穿設したコーナー部材接続用孔と、該コーナー部材接続用孔に弾性嵌入する係着突起片を突設しためワンタッチで接続が可能となり、基部の巾と高さはフレームの巾と高さと同一に形成すると共に段部はフレームの肉厚と同一に形成したため、フレームからコーナー部材が出っ張ることなく面一状に接続することができ、更に、基部の外側側面には配線用孔2eを穿設したことにより、並べて展設しても隙間が空くことなく展示できると共に、枠体同士の電気的配線を可能とした枠体を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明の枠体の実施例の分解斜視図である。
【図2】図2は本発明の枠体の実施例のコーナー部材の平面図である。
【図3】図3は本発明の枠体の実施例のフレームの要部側面図である
【符号の説明】
【0021】
1 フレーム
1a 内側面
1b 外側面
1c 表側面
1d 裏側面
1e コーナー部材接続用孔
2 コーナー部材
2a 基部
2b 段部
2c 接続杆
2d 係着突起片
2e 配線用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向の全長にわたって開口部を有する内側面と外側面と表側面と裏側面とで断面略コ字状に形成された複数のフレームと、該複数のフレームの内隣り合うフレームの端部を連結するコーナー部材とから成る枠体であって、前記フレームの夫々の端部から若干巾の間隔を有した前記外側面に穿設したコーナー部材接続用孔と、前記コーナー部材は内側が開口された断面略コ字状に形成され基部と、該基部の側面の接続方向に夫々段部を介して延設された断面略コ字状の夫々の接続杆とを備え、前記夫々の接続杆を前記夫々の隣り合うフレームの端部から挿通した時に前記コーナー部材接続用孔に弾性嵌入する係着突起片を突設し、前記基部の巾と高さは前記フレームの巾と高さと同一に形成すると共に前記夫々の段部はフレームの肉厚と同一に形成し、前記基部の外側側面には配線用孔を穿設したことを特徴とする枠体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−123545(P2009−123545A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296767(P2007−296767)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(592100441)株式会社ソフケン (10)
【Fターム(参考)】