説明

染毛用マスキング装置

【課題】染毛剤の噴霧に先立ち、染毛剤に対して頭髪の染毛領域の周辺の皮膚、或は髪を部分的に染毛する場合には周辺の髪に、マスキング剤を指に取らないで塗ることのできる染毛用マスキング装置を提供する。
【解決手段】染毛剤に対してマスク作用を呈し、かつ洗落とし可能な粘性のマスキング剤が容器1に充填されると共に、この容器内に保持されたポンプから突出するピストン式の噴出パイプ5の先端部に、横向きの噴出口12を備えた押しボタン8が取付けられ、この押しボタンを指で操作することにより噴出パイプ5を作動させる。噴出口12の側部に、その先方で噴出口12に対面するヘラ部10が形成されると共に、その形状が、噴出口12から噴出されたマスキング剤を滞留させた状態で染毛領域の周辺に塗布し得るように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛剤に対してマスク作用を呈し、かつ洗落とし可能な粘性のマスキング剤が容器に充填されると共に、この容器内に保持されたポンプから突出するピストン式の噴出パイプの先端部に、横向きの噴出口を備えた噴出ヘッドが取付けられ、この噴出ヘッドを指で操作することにより噴出パイプを作動させるようになった染毛用マスキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によれば、染毛時に周辺をマスクするために透明板で顔面をカバーして保護する顔面カバーが周知となっているが、現状では美容院等において頭髪の周辺の皮膚に、化粧クリームを手で塗るのが通常である。
【特許文献1】特開2005−40472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような点に鑑みて、染毛剤の噴霧に先立ち、染毛剤に対して頭髪の染毛領域の周辺の皮膚、或は髪を部分的に染毛する場合には周辺の髪に、マスキング剤を指に取らないで塗ることのできる染毛用マスキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、染毛剤に対してマスク作用を呈し、かつ洗落とし可能な粘性のマスキング剤が容器に充填されると共に、この容器内に保持されたポンプから突出するピストン式の噴出パイプの先端部に、横向きの噴出口を備えた噴出ヘッドが取付けられ、この噴出ヘッドを指で操作することにより噴出パイプを作動させるようになった染毛用マスキング装置であって、噴出口の側部に、その先方で噴出口に対面するヘラ部が形成されると共に、その形状が、噴出口から噴出されたマスキング剤を滞留させた状態で染毛領域の周辺に塗布し得るように形成されたことを特徴とする。噴出ヘッドは、押しボタン、トリガ操作式等に構成される。この際、確実に滞留をさせるには、請求項2により、ヘラ部の形状が、1回の指操作により噴出される量のマスキング剤を滞留させ得るように形成される。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明によれば、粘性のマスキング剤を手を汚すことなく容器からへらに噴出させて、染毛領域の周辺に沿って塗布することができる。髪の生え際だけでなく、髪の部分染めに際してその周辺の髪をマスキングして、部分染めの仕上がりを向上させることもできる。請求項2の発明によれば、噴出ヘッドの操作ミスでマスキング剤がヘラからこぼれるのが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1乃至図3を基に本発明の実施の形態による染毛用マスキング装置を説明する。このマスキング装置は、洗落とし可能な粘性のマスキング剤が充填された容器1のネック部1aに、ポンプのシリンダ3を保持するキャップ6がねじ込まれると共に、このキャップから昇降可能に突出するピストン式の噴出パイプ5の先端部に、周面にヘラ部10が突設された噴出ヘッドとしての押しボタン8を取付けて構成されている。このポンプ動作は、周知であり、押しボタン8を押下げ操作して噴出パイプ5を押込んでシリンダ3の内圧を高めることにより、内容物を噴出させ、押下げ操作を解除した際にばね付勢により自動的に押上げてシリンダ3の内圧を負圧化してディップチューブ2から内容液が吸上げるようになっている。
【0007】
粘性のマスキング剤は、染毛剤に対して非親和性を呈するクリーム状である。ヘラ部10は、押しボタン8の周面から僅かに突出する噴口部8aの外周に嵌合する流路11を備えた基部13と、その噴出口12の先方で対面するように、基部13の側方へオフセットされた側部から噴出方向に対して斜めに突出し、かつ断面凹状のヘラ本体15とを備えている。つまり、その表面は、押しボタン8の1回の押下げ操作で噴出された所定量のマスキング剤が、短時間粘着により滞留させ得るように形成されている。
【0008】
染毛に際しては、図3に示すように、容器1を手で握って、人差指で押しボタン8の上面を押下げ操作して、噴出させたマスキング剤をヘラ本体15に粘着させ、直ぐに髪の生え際の皮膚に沿ってヘラ本体15を移動させてマスキング剤9を粘着・塗布して、周辺領域の皮膚をマスキングする。マスキング剤が減った時点で、再度押下げ操作を行う。染毛処理の終了後に、マスキング剤9を濡れタオル等で洗い落とす。
【0009】
尚、この染毛用マスキング装置は、髪の毛の部分染めに際して、染毛対象の髪の付け根周辺に塗布して、周辺の染毛を防止するのにも使用できる。
【0010】
図4は別の実施の形態によるトリガ操作式の染毛用マスキング装置を示すもので、その噴出ヘッド20は、前述のように、内臓のポンプのシリンダ室から突出するピストン式のばね付勢された噴出パイプ21及びその先端で略水平に曲げられて先端部を噴出口22aとする水平パイプ状のノズル22により逆L字形に形成された噴出ヘッド本体と、前述のネック部1aに係合してその上方をカバーする噴出ヘッド基部としてのカバー体25とを備えると共に、このカバー体に、トリガ操作部29が付設されている。その操作レバー28をトリガ操作すると、その上面部28aが、ピン29aを支点として回動することにより、ノズル部22を介して噴出パイプ21を押下げ駆動する。
【0011】
ノズル22の先端部には、その横向きの噴出口22aに先方で対面するようにプレート状にその側部から突出したヘラ部30が一体に形成されている。これにより、容器1を手で持って人差指で操作レバー28をトリガ操作すると、マスキング剤がヘラ部30に噴出されて粘着・滞留する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態による染毛用マスキング装置の斜視図である。
【図2】同マスキング装置の部分的に断面にした要部側面図である。
【図3】同装置の使用状態を例示する図である。
【図4】別の実施の形態による染毛用マスキング装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
1 容器
1a ネック部
5 噴出パイプ
8 押しボタン
9 マスキング剤
10,30 ヘラ部
12,22a 噴出口
15 ヘラ本体
28 操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
染毛剤に対してマスク作用を呈し、かつ洗落とし可能な粘性のマスキング剤が容器に充填されると共に、この容器内に保持されたポンプから突出するピストン式の噴出パイプの先端部に、横向きの噴出口を備えた噴出ヘッドが取付けられ、この噴出ヘッドを指で操作することにより噴出パイプを作動させるようになった染毛用マスキング装置であって、
前記噴出口の側部に、その先方で前記噴出口に対面するヘラ部が形成されると共に、その形状が、前記噴出口から噴出されたマスキング剤を滞留させた状態で染毛領域の周辺に塗布し得るように形成されたことを特徴とする染毛用マスキング装置。
【請求項2】
ヘラ部の形状が、1回の指操作により噴出される量のマスキング剤を滞留させ得るように形成されたことを特徴とする請求項1記載の染毛用マスキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−20687(P2007−20687A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204027(P2005−204027)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)