説明

柔軟なカフを有する減圧バルブ

呼吸ガスを患者に供給するように適応されたシステムに用いられる減圧バルブ20が開示される。減圧バルブ20は、吸息フェーズの間、そのような患者の気道に呼吸ガスの流動28を給送するように構築される。減圧バルブ20は、呼息フェーズの間、大気に呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29を放出するように構築される。呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29は、複数の排気口24を通して大気に放出される。呼吸ガスの流動28及び呼気ガスの流動が排気口24を通して放出されるので、呼息フェーズの間に患者によってなされる必要がある労力は減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の気道への呼吸ガスの流動の供給に関し、より詳しくは、呼吸ガスの流動を受け取る患者に改善された快適性を提供するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸ガスの流動を患者の気道に供給することが必要な又は望ましい数多くの状況がある。例えば、呼吸及び/又は心臓疾患(例えば閉塞性睡眠時無呼吸症候群、慢性的閉塞性肺疾患、うっ血心不全及び他の呼吸器及び/又は呼吸異常)を治療するために少なくとも呼吸サイクルの一部の間に呼吸ガスの流動を患者に供給することが知られている。
【0003】
睡眠中、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に苦しむ患者は、例えば、気道組織の構造、弱い筋張力及び体位の結果として生じる機械的圧壊力に起因して、気道が狭くなり、及び/又は、つぶれる傾向がある。OSASを治療する一つの方法は、持続性気道陽圧(CPAP)治療である。CPAP治療によって、患者の気道を開くように支えて、気道の狭窄及び/又は圧壊を防止するために、呼吸ガスの流動が十分な大きさの一定圧力で供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通常の呼吸サイクルの間、肺と体の外側との間の圧力勾配は一定ではない。例えば吸息の間、圧力勾配(時折「吸息性圧力勾配」と呼ばれる)は、吸息フェーズの開始時におけるゼロからピークの負の値まで減少して、それから吸息フェーズの終了時における元のゼロまで上昇する。呼息の間、圧力勾配(時折「呼息性圧力勾配」と呼ばれる)は、呼息フェーズの開始時におけるゼロからピーク値まで上昇し、それから呼息フェーズの終了時における元のゼロまで低下する。圧力勾配が呼吸サイクルを通じて変動するので、理想的には、気道圧壊に打ち勝つために必要な圧力は、呼吸サイクルを通じて適宜変化しなければならない。このようにして、CPAPは単純な治療ソリューションをOSASに提供するが、気道に一定の支持圧力を適用すると、呼吸サイクルの大部分の間、気道を支えるために必要とされる圧力よりも高い圧力に患者をさらすことになる。
【0005】
高度な治療(例えば二相性気道陽圧(二相性PAP)治療及び比例気道陽圧治療)は、異なる圧力要求を利用して、呼吸サイクルの間の特定の場合において、圧力を下げることを試みる。二相性PAP治療では、例えば、呼吸ガスの流動は、吸息フェーズの間に第1の圧力で患者の気道に供給され、そして呼息フェーズの間は低い圧力の呼吸ガスの流動が患者の気道に供給される。しかしながら、呼息フェーズの間に供給される呼吸ガスの低圧流動によって引き起こされる抵抗に患者が依然として打ち勝たなければならないので、これらの高度な治療は不快感の原因となる場合がある。
【0006】
したがって、呼吸ガスの流動を受け取る患者に改善された快適性を提供し、既知のシステムと関連したこれらの及び他の問題に打ち勝つ装置及び方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によれば、減圧バルブは、バルブ本体及び柔軟なカフを含む。バルブ本体は、第1端部、第2端部及びそれらの間の複数の排気口を持つ。柔軟なカフは、前記複数の排気口が実質的に閉ざされる第1位置と前記複数の排気口が実質的に開かれる第2位置との間で行き来するように適応されている。柔軟なカフが第1位置にある場合、減圧バルブは、第1端部から第2端部へと呼吸ガスの流動を流体給送するように構築される。柔軟なカフが第2位置にある場合、減圧バルブは、第1端部から前記複数の排気口へと呼吸ガスの流動を流体給送して、第2端部から前記複数の排気口へと吐き出されたガスの流動を流体給送するように構築される。
【0008】
本発明の別の態様では、減圧バルブは、それらの間に複数の排気口を備えた患者インタフェース端及び圧力発生器端を持つバルブ本体並びにバルブ本体の中で作動可能な柔軟なカフを含む。柔軟なカフは、呼吸サイクルの吸息フェーズの間に圧力発生器端から患者インタフェース端への呼吸ガスの流動の連通を可能にするように構築され、そして、呼吸サイクルの呼息フェーズの間の、前記複数の排気口を通した、呼吸ガスの流動及び吐き出されたガスの流動の連通を可能にするように構築される。
【0009】
本発明の別の態様では、患者を換気する方法は、圧力生成装置と患者の気道との間に患者回路を確立し、吸息段階の間、そのような患者の気道に患者回路を通して呼吸ガスの流動を給送し、呼息フェーズの間、そのような患者の気道から離れるように、呼吸ガスの流動を逸らして、吐き出されたガスの流動を導くことを含む。患者回路は、第1端部、第2端部及びそれらの間の複数の排気口を備えたバルブ本体、並びに、前記複数の排気口が実質的に閉ざされる第1位置と前記複数の排気口が実質的に開かれる第2位置との間を行き来するように適応された柔軟なカフを有する減圧バルブを含む。柔軟なカフが第1位置にある間、減圧バルブは第1端部から第2端部へと呼吸ガスの流動を流体給送するように構築される。柔軟なカフが第2位置にある間、減圧バルブは、第1端部からの呼吸ガスの流動及び第2端部からの吐き出されたガスの流動を、前記複数の排気口に流体給送するように構築される。
【0010】
本発明の別の態様では、患者に呼吸治療の療法を提供するように適応されたシステムは、呼吸ガスの流動を生成するように構築された圧力生成装置、患者の気道に呼吸ガスの流動を給送して、そのような患者の気道から吐き出されたガスの流動を給送するように構築された患者インタフェース装置、圧力生成装置を患者インタフェース装置に流体結合するように構築される患者回路、及び、圧力生成装置と患者インタフェース装置との間に配置される減圧バルブを有する。減圧バルブは、その中に複数の排気口を有するバルブ本体、並びに、呼吸ガスの流動が圧力生成装置から患者インタフェース装置へと給送される第1位置と、圧力生成装置からの呼吸ガスの流動及び患者インタフェース装置からの吐き出されたガスの流動が前記複数の排気口を通して放出される第2位置との間を行き来するように構築される柔軟なカフを有する。
【0011】
本発明の別の態様では、呼吸ガスの流動を患者の気道に供給するための装置は、呼吸ガスの流動を生成するための圧力生成手段、患者の気道に呼吸ガスの流動を給送し、そのような患者の気道から吐き出されたガスの流動を給送するための患者インタフェース手段、及び、圧力生成手段を患者インタフェース手段に流体結合するように構築される患者回路を有する。患者回路は、その中に複数の排気口を備えるバルブ本体、並びに、呼吸ガスの流動が圧力生成手段から患者インタフェース手段へと給送される第1位置と、圧力生成手段からの呼吸ガスの流動及び患者インタフェース手段からの吐き出されたガスの流動が前記複数の排気口を通して放出される第2位置との間を行き来する柔軟なカフ手段を有する減圧バルブを含む。
【0012】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び特性は、操作方法、構造の関連素子の機能、パーツの組み合わせ及び製造の経済と同様に、その全てがこの明細書の一部を形成する添付の図面を参照して、以下の説明及び添付の特許請求の範囲の考察により明らかになる。様々な図面において、同様の参照番号は対応する部分を指す。しかしながら、図面は図解及び説明のみを目的とするものであり、本発明の限定を定義するものとして意図されていないことが、明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一つの実施の形態に従って患者に呼吸治療の療法を提供するように適応されたシステムの模式図。
【図2a】一つの実施の形態による減圧バルブの断面図。
【図2b】第1位置で図示される柔軟なカフを有する図2aの減圧バルブを示す図。
【図2c】第2位置で図示される柔軟なカフを有する図2aの減圧バルブを示す図。
【図3a】他の実施の形態による減圧バルブの断面図。
【図3b】第1位置で図示される柔軟なカフを有する図3aの減圧バルブを示す図。
【図3c】第2位置で図示される柔軟なカフを有する図3aの減圧バルブを示す図。
【図4a】他の実施の形態による減圧バルブの断面図。
【図4b】第1位置で図示される柔軟なカフを有する図4aの減圧バルブを示す図。
【図4c】第2位置で図示される柔軟なカフを有する図4aの減圧バルブを示す図。
【図5a】他の実施の形態による減圧バルブの断面図。
【図5b】第1位置で図示される柔軟なカフを有する図5aの減圧バルブを示す図。
【図5c】第2位置で図示される柔軟なカフを有する図5aの減圧バルブを示す図。
【図6a】他の実施の形態による減圧バルブの断面図。
【図6b】第1位置で図示される柔軟なカフを有する図6aの減圧バルブを示す図。
【図6c】第2位置で図示される柔軟なカフを有する図6aの減圧バルブを示す図。
【図7a】他の実施の形態による減圧バルブの断面図。
【図7b】第1位置で図示される柔軟なカフを有する図7aの減圧バルブを示す図。
【図7c】第2位置で図示される柔軟なカフを有する図7aの減圧バルブを示す図。
【図8a】他の実施の形態による減圧バルブの断面図。
【図8b】第1位置で図示される柔軟なカフを有する図8aの減圧バルブを示す図。
【図8c】第2位置で図示される柔軟なカフを有する図8aの減圧バルブを示す図。
【図9】一つの実施の形態に従って患者を換気するための動作プロセスを示す図。
【図10】本発明の減圧バルブの動作を図示する流動/圧力曲線。
【図11】本発明の減圧バルブの動作を図示する流動/圧力曲線。
【図12】本発明の減圧バルブの動作を図示する流動/圧力曲線。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において用いられる、例えば、左、右、時計回り、反時計回り、上部、下部、上、下及びそれらの派生語のような方向を表す言い回しは、図面に示される構成要素の方向に関し、請求の範囲では特にそこで挙げられない限り限定しない。
【0015】
本明細書で用いられているように、用語「複数」は、一つ又は一つより多い数を意味し、単数形は、文脈が別途明確に示さない限り、複数を含む。
【0016】
本明細書において、2つ以上のパーツが一体に「接続される」又は「結合される」と述べられる場合、それは、それらのパーツが、直接又は一つ以上の中間のパーツを通して一体につながれることを意味する。さらに、本明細書において、2つ以上のパーツが「取り付けられる」と述べられる場合、それは、それらのパーツが直接一体につながれることを意味する。
【0017】
一つの実施の形態に従って患者11に呼吸治療の療法を提供するように適応されたシステム10が、図1に概して示される。システム10は、圧力生成装置13、患者回路12及び患者インタフェース装置15を含む。圧力生成装置13は、呼吸ガスの流動を発生するように構築され、ベンチレータ、圧力支持装置(例えば持続性気道陽圧装置若しくはCPAP装置)、可変圧力装置(例えばBiPAP(R)装置、Bi-Flex(R)装置若しくはC-Flex(R)装置(それぞれペンシルヴェニア州はMurrysvilleのRespironics社により製造及び供給される))、自動滴定圧力サポートシステム、圧縮空気供給源及び/又はボンベ入りガス供給源を含むことができる(但しそれらに限られない)。
【0018】
患者回路12は、圧力生成装置13から患者インタフェース装置15へと呼吸ガスの流動を給送するように構築される。この実施の形態において、患者回路12は、管路14、及び、本明細書においてさらに詳細に論じられるように、患者の呼吸サイクルの間の特定の場合において圧力低減効果を提供するように適応される減圧バルブ20を含む。
【0019】
患者インタフェース15は、一般的に、患者11の顔に配置されるように構築される鼻マスク又はフルフェイスマスク(すなわち鼻/口マスク)である。しかしながら、圧力生成装置13から患者11の気道へと給送される呼吸ガスの流動の供給を促進する任意のタイプの患者インタフェース装置15が用いられることができ、それも本発明の範囲内である。例えば、鼻カニューレ、トータルフェースマスク又は気管内チューブが、鼻マスク又はフルフェースマスクに加えて用いられることができる。
【0020】
一般に、減圧バルブ20は、圧力生成装置13と患者インタフェース装置15との間で患者回路12中に配置される。例えば、図1に示されるように、患者インタフェース15は、減圧バルブ20に直接結合され、減圧バルブ20は管路14の一端に結合される。管路14の反対の端部は、圧力生成装置13に結合される。しかしながら、他の配置も本発明の範囲内として意図される。例えば、減圧バルブ20は、圧力生成装置13の出口に結合されることができる。さらに、減圧バルブ20が圧力生成装置13、管路14又は患者インタフェース装置15のうちの1つに一体化されることができると考えられる。したがって、本願明細書において用いられるように、「〜との間に配置される」との用語は、減圧バルブ20が圧力生成装置13の入口と患者インタフェース15のクッションとの間に位置する任意の配置を包含する。
【0021】
図2-8は、患者に呼吸治療の療法を提供するように適応されたシステム(例えばシステム10、但しそれに限られない)に用いられる減圧バルブのさまざまな実施の形態を示す。各々の実施の形態において、減圧バルブは、バルブ本体及び柔軟なカフを含む。減圧バルブは、呼吸サイクルの吸息フェーズの間、患者の気道に呼吸ガスの流動を給送するように構築され、呼吸サイクルの呼息フェーズの間、呼吸ガスの流動及び吐き出されたガスの流動を、複数の排気口を通して、例えば大気に放出するように構築される。呼吸ガスの流動及び呼気ガスの流動が複数の排気口を通して放出されるので、呼息フェーズの間に患者によって必要とされる労力は少ない。
【0022】
本明細書において、減圧バルブは、柔軟なカフが、呼吸ガスの流動が圧力生成端から患者インタフェース端へと通過することを可能にしつつ、同時に、複数の排気口を通した流動を塞ぐ場合に、「第1位置にある」又は「開かれている」と言われる。減圧バルブは、一般的に、吸息フェーズの間(すなわち、患者が吸息している間)、第1位置にある。本願明細書において、減圧バルブは、柔軟なカフが、呼吸ガスの流動及び吐き出されたガスの流動が複数の排気口を通して放出されることを塞がない場合に、「第2位置にある」又は「閉ざされている」と言われる。減圧バルブは、一般的に、呼息フェーズの間(すなわち、患者が息を吐き出している間)、第2位置にある。
【0023】
要するに、本発明の減圧バルブの各々の実施の形態は、呼吸ガスの持続的圧力流動(例えばCPAP装置からの呼吸ガスの流動)を、呼吸ガスの可変圧力流動(例えば、二相性及び/又はC-FLEX(TM)装置からの呼吸ガスの流動)に、機械的に変更するように構築される。本発明の減圧バルブが機械的にバルブを開閉するために患者の呼吸パターンからの自発的応答を用いるので、圧力検出装置は必要ない。対照的に、低い供給圧力における現在の二相性装置の応答は、圧力検出装置の感度によって制限される。例えば、低い圧力において、現在の二相性装置は、吸気気道陽圧(IPAP)に等しい呼気気道陽圧(EPAP)を生成する。改善された応答を達成するために、高価な高感度の圧力検出装置が用いられなければならない。しかしながら、本発明の減圧バルブの各々の実施の形態は、供給圧力の全ての範囲にわたって、呼吸ガスの持続的圧力流動を呼吸ガスの可変圧力流動に変換することができることに留意すべきである。例えば、減圧バルブの各々の実施の形態は、低い圧力においても、CPAP装置によって供給される呼吸ガスの流動を、呼吸ガスの可変圧力流動に変換することができる。
【0024】
図2a-2cをここで参照して、一つの実施の形態による減圧バルブ20aが示される。減圧バルブ20aは、バルブ本体21及び柔軟なカフ25aを含む。バルブ本体21は、圧力発生器端22、患者インタフェース端23及び複数の排気口24を持つ。圧力発生器端22は、(図2a-2cに示されない)圧力生成装置から(図2b及び2cに矢印28によって示されるように)呼吸ガスの流動を受け取るように構築される。例えば、圧力発生器端22は、管路14に結合するように適応されており(図1参照)、管路14は次に、圧力生成装置13に結合するように適応されている。患者インタフェース端23は、呼吸ガスの流動28を患者の気道に供給するように、及び/又は、(図2cに矢印29によって示されるように)患者の気道から吐き出されたガスの流動を受け取るように構築される。例えば、患者インタフェース端23は、患者11の気道と流体連通する患者インタフェース装置15に結合されるように適応されている(図1を参照)。
【0025】
排気口24は、圧力発生器端22と患者インタフェース端23との間に位置する。排気口24は、バルブ本体21の壁を貫いて延在し、その内側と外側との間の流体連通を可能にする。更に詳細に後述するように、排気口24は、柔軟なカフ25aが第2位置にあるときに、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29が、バルブ本体21の内部からバルブ本体21の外部へと給送されることを可能にするように構築される。
【0026】
柔軟なカフ25aは、第1端26a及び第2端27aを含む。この実施の形態において、第1端26aは、バルブ本体21の内側に結合される。したがって、柔軟なカフ25aが第1位置(図2b)と第2位置(図2c)との間を行き来するときに、第1端26aはバルブ本体21に対して静止したままである。
【0027】
呼吸サイクルの吸息フェーズの間、柔軟なカフ25aは第1位置にある。図2bを参照して、柔軟なカフ25aは排気口24を実質的に塞ぎ、呼吸ガスの流動28はそれらを通して放出されない。さらに、図2bから分かるように、柔軟なカフ25aの第2端27aは、呼吸ガスの流動28が圧力生成端22から患者インタフェース端23へとより自由に流れるように広がるように構築される。
【0028】
呼吸サイクルの呼息フェーズの間、柔軟なカフ25aは、第2位置にある。図2cを参照して、吐き出されたガスの流動29は、柔軟なカフ25aを折りたたみ、第2端27aを、第1端26aの方へ折り返す(例えば変形させて裏返す)。この第2位置において、排気口24は開かれて、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29がそれを通して放出されることを可能にする。呼吸ガスの流動28が大気に放出されるので、患者は気道陽圧の一時的な降下を経験する。呼息フェーズ終了時に、吐き出されるガスの流動29は終わり、患者は吸息し始め、そして柔軟なカフ25aは第1位置に戻る。
【0029】
図3a-3cをここで参照して、他の実施の形態による減圧バルブ20bが示される。減圧バルブ20bは、バルブ本体21及び柔軟なカフ25bを含む。バルブ本体21は、減圧バルブ20aのバルブ本体と実質的に同じバルブ本体である(例えば、圧力生成端22、患者インタフェース端23及びそれらの間の複数の排気口を持つ)。
【0030】
柔軟なカフ25bは、第1端26b及び第2端27bを含む。この実施の形態において、第1端26bは、バルブ本体21の内側に結合される。したがって、第1端26bは、柔軟なカフ25bが第1位置(図3bを参照)と第2位置(図3cを参照)との間で行き来するときに、バルブ本体21に対して静止したままである。柔軟なカフ25bはさらに、第1端26bと第2端27bとの間にベローズ部30を含む。
【0031】
呼吸サイクルの吸息フェーズの間、図3bに示されるように、柔軟なカフ25bは第1位置にある。ベローズ部30は排気口24を実質的に塞ぎ、呼吸ガスの流動28はそれらを通して放出されない。加えて、図3bから分かるように、呼吸ガスの流動28が圧力生成端22から患者インタフェース端23へとより自由に流れるように、柔軟なカフ25bの第2端27bは広がるように構築される。
【0032】
呼吸サイクルの呼息フェーズの間、柔軟なカフ25bは、第2位置にある。図3cを参照して、吐き出されたガスの流動29は、柔軟なカフ25bを折りたたみ、第2端27bを第1端26bの方へ折り返す(例えば変形させて裏返す)。この第2位置において、排気口24は開かれて、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29がそれを通して放出されることを可能にする。呼吸ガスの流動28が大気に放出されるので、患者は気道陽圧の一時的な降下を経験する。呼息フェーズ終了時に、吐き出されるガスの流動29は終わり、患者は吸息し始め、そして柔軟なカフ25bは第1位置に戻る。この実施の形態において、ベローズ部30は、第1位置に戻る際に柔軟なカフ25bを援助するわずかなバイアス力を発生するように構築される。
【0033】
図4a-4cをここで参照して、他の実施の形態による減圧バルブ20cが示される。減圧バルブ20cは、患者インタフェース端23においてL字継手を持つバルブ本体21'を含む。例えば、この配置は、患者インタフェース装置のシェルに減圧バルブ20cを直接結合させるために用いられることができる。減圧バルブ20cはさらに、圧力生成端22及び複数の排気口24を含む。
【0034】
柔軟なカフ25cは、第1端26c及び第2端27cを含む。この実施の形態において、第1端26cは、バルブ本体21'の内側に結合される。したがって、柔軟なカフ25cが第1位置(図4bを参照)と第2位置(図4cを参照)との間を行き来するとき、第1端26cはバルブ本体21'に対して静止したままである。この実施の形態において、柔軟なカフ25cはさらに、第1端26cと第2端27cとの間に溝31を含む。溝31は、柔軟なカフの折りたたみに対する抵抗を低下させるように適応され、吐き出されるガスの流動29が存在する場合に柔軟なカフ25がより容易に折りたたまれることを可能にする。
【0035】
呼吸サイクルの吸息フェーズの間、図4bに示されるように、柔軟なカフ25cは第1位置にあり、排気口24が塞がれて呼吸ガスの流動28はそれを通して放出されない。加えて、図4bに示されるように、柔軟なカフ25cの第2端27cは、呼吸ガスの流動28が圧力生成端22から患者インタフェース端23へとより自由に流れるように広がるように構築される。
【0036】
呼吸サイクルの呼息フェーズの間、柔軟なカフ25cは、第2位置にある。図4cを参照して、吐き出されたガスの流動29は、柔軟なカフ25cを折りたたみ、第2端27cを第1端26cの方へ折り返す(例えば変形させて裏返す)。この第2位置において、排気口24は開かれて、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29がそれを通して放出されることを可能にする。呼吸ガスの流動28が大気に放出されるので、患者は気道陽圧の一時的な降下を経験する。呼息フェーズ終了時に、吐き出されるガスの流動29は終わり、患者は吸息し始め、そして柔軟なカフ25cは第1位置に戻る。
【0037】
図5a-5cをここで参照して、他の実施の形態による減圧バルブ20dが示される。減圧バルブ20dは、バルブ本体21及び柔軟なカフ25dを含む。バルブ本体21は減圧バルブ20aのバルブ本体と実質的に同じである(例えば、圧力生成端22、患者インタフェース端23、及び、それらの間の複数の排気口24を持つ)。
【0038】
柔軟なカフ25dは、第1端26d及び第2端27dを含む。この実施の形態において、第1端26dは、バルブ本体21の内側に結合される。したがって、柔軟なカフ25dが第1位置(図5bを参照)と第2位置(図5cを参照)との間を行き来するとき、第1端26dはバルブ本体21に対して静止したままである。柔軟なカフ25dはさらに、第1端26dと第2端27dとの間にベローズ部30及び挿入物(32)を含む。この実施の形態では、挿入物(32)は半剛体の材料で構成されるが、他のタイプの材料も意図される。
【0039】
呼吸サイクルの吸息フェーズの間、図5bに示されるように、柔軟なカフ25dは第1位置にある。ベローズ部30及び挿入物(32)は排気口24を実質的に塞ぎ、呼吸ガスの流動28はそれを通して放出されない。加えて、図5bから分かるように、呼吸ガスの流動28が圧力生成端22から患者インタフェース端23へとより自由に流れるように、柔軟なカフ25dの第2端27dは広がるように構築される。
【0040】
呼吸サイクルの呼息フェーズの間、柔軟なカフ25dは、第2位置にある。図5cを参照して、吐き出されたガスの流動29は、柔軟なカフ25dを折りたたみ、第2端27dを第1端26dの方へ折り返す(例えば変形させて裏返す)。図5cに示すように、挿入物32は、第2端27dが第1端26dに対して折りたたまれる距離を制限し、さらに排気口24が開かれる量を制限することができる。しかしながら、この第2位置において、排気口24は、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29がそれを通して放出されることを可能にするのに十分な程度に開かれる。呼吸ガスの流動28が大気に放出されるので、患者は気道陽圧の一時的な降下を経験する。呼息フェーズ終了時に、吐き出されるガスの流動29は終わり、患者は吸息し始め、そして柔軟なカフ25dは第1位置に戻る。
【0041】
この実施の形態において、ベローズ部30は、第1位置に戻る際に柔軟なカフ25dを援助するわずかなバイアス力を発生するように構築される。挿入物32を構成する材料及び/又はサイズは、排気口24を通して放出される呼吸ガス28及び吐き出されるガス29の量を調節し、患者によって経験される気道陽圧の降下の量を制御するように選択されることができる。
【0042】
図6a-6cを参照して、他の実施の形態による減圧バルブ20eが示される。減圧バルブ20eは、バルブ本体21"及び柔軟なカフ25eを含む。バルブ本体21"は、圧力生成端22、患者インタフェース端23、及び、その間の複数の排気口24を持つ。バルブ本体21"はさらに、オリフィス35を定める台座36を含む。
【0043】
柔軟なカフ25eは、第1端26e及び第2端27eを含む。この実施の形態において、第1端26eは、バルブ本体21"の内側に結合される。したがって、柔軟なカフ25eが第1位置(図6bを参照)と第2位置(図6cを参照)との間を行き来するとき、第1端26eはバルブ本体21"に対して静止したままである。第2端27eは、柔軟なカフ25eが第2位置へと容易に折りたたまれることを可能にするように適応されたノッチ部を含む。柔軟なカフ25eは、さらに第1端26eと第2端27eとの間にベローズ部30を含む。ベローズ部30は、第1位置に戻る際に柔軟なカフ25eを援助するわずかなバイアス力を発生するように構築される。
【0044】
呼吸サイクルの吸息フェーズの間、図6bに示されるように、柔軟なカフ25eは第1位置にある。ベローズ部30が排気口24を実質的に塞ぎ、柔軟なカフ25eの一部が、呼吸ガスの流動28が排気ポート24を通して放出されないように台座36に接触する。加えて、図6bから分かるように、呼吸ガスの流動28が圧力生成端22から患者インタフェース端23へとより自由に流れるように、柔軟なカフ25eの第2端27eは広がるように構築される。図6bに示されるように、第2端27eはオリフィス35中に伸展することができる。
【0045】
呼吸サイクルの呼息フェーズの間、柔軟なカフ25eは、第2位置にある。図6cを参照して、吐き出されたガスの流動29は、柔軟なカフ25eを折りたたみ、第2端27eを第1端26eの方へ折り返す(例えば変形させて裏返す)。図5cに示すように、第2位置にあるときに、柔軟なカフ25eの前記一部は台座36にもはや接触せず、排気口24が開かれて、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29がそれを通して放出されることが可能になる。呼吸ガスの流動28が大気に放出されるので、患者は気道陽圧の一時的な降下を経験する。呼息フェーズ終了時に、吐き出されるガスの流動29は終わり、患者は吸息し始め、そして柔軟なカフ25eは第1位置に戻る。
【0046】
図7a-7cをここで参照して、他の実施の形態による減圧バルブ20fが示される。減圧バルブ20fは、バルブ本体21及び柔軟なカフ25fを含む。バルブ本体21は減圧バルブ20aのバルブ本体と実質的に同じである(例えば、圧力生成端22、患者インタフェース端23、及び、それらの間の複数の排気口24を持つ)。
【0047】
柔軟なカフ25fは、第1端26f及び第2端27fを含む。この実施の形態において、第1端26fは、バルブ本体21の内側に結合される。したがって、柔軟なカフ25fが第1位置(図7bを参照)と第2位置(図7cを参照)との間を行き来するとき、第1端26fはバルブ本体21に対して静止したままである。柔軟なカフ25fはさらに、第1端26fと第2端27fとの間にベローズ部30を含む。ベローズ部30は、第1位置に戻る際に柔軟なカフ25fを援助するわずかなバイアス力を発生するように構築される。第2端27fにおいて、柔軟なカフ25fはさらに、部分的に内側のオリフィス34を塞ぐ双方向フラップ33を含む。
【0048】
呼吸サイクルの吸息フェーズの間、図7bに示されるように、柔軟なカフ25fは第1位置にある。呼吸ガスの流動28が排気ポート24を通して放出されないように、ベローズ部30は排気口24を実質的に塞ぐ。加えて、双方向フラップ33は、患者インタフェース端23の方へ曲がり、それによって、呼吸ガスの流動28が圧力生成端22から患者インタフェース端23へとより自由に流れるように、内側のオリフィス34のサイズを拡大する。
【0049】
呼吸サイクルの呼息フェーズの間、柔軟なカフ25fは、第2位置にある。図7cを参照して、吐き出されたガスの流動29は、双方向フラップ33を圧力生成端22の方へ曲げて、さらに、第2端27fが第1端26fの方へ押し戻されるようにベローズ部30をつぶす。この第2位置において、排気口24は開かれて、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29がそれを通して放出されることを可能にする。呼吸ガスの流動28が大気に放出されるので、患者は気道陽圧の一時的な降下を経験する。呼息フェーズ終了時に、吐き出されるガスの流動29は終わり、患者は吸息し始め、そして柔軟なカフ25fは第1位置に戻る。
【0050】
図8a-8cをここで参照して、他の実施の形態による減圧バルブ20gが示される。減圧バルブ20gは、バルブ本体21'''及び柔軟なカフ25gを含む。バルブ本体21'''は、圧力生成端22、患者インタフェース端23、及び、それらの間の複数の排気口24を持つ。バルブ本体21'''はさらに、オリフィス35を定める台座36及びリップ37を含む。
【0051】
柔軟なカフ25gは、第1端26g及び第2端27gを含む。この実施の形態において、第1端26gは、リップ37によってバルブ本体21'''の内側に結合される。したがって、柔軟なカフ25gが第1位置(図8bを参照)と第2位置(図8cを参照)との間を行き来するとき、第1端26gはバルブ本体21'''に対して静止したままである。
【0052】
呼吸サイクルの吸息フェーズの間、図8bに示されるように、柔軟なカフ25gは第1位置にある。この第1位置において、柔軟なカフ25gは排気口24を実質的に塞ぎ、そして、呼吸ガスの流動28が排気ポート24を通して放出されないように、柔軟なカフ25gの一部が台座36に接触する。加えて、呼吸ガスの流動28が圧力生成端22から患者インタフェース端23へとより自由に流れるように、柔軟なカフ25gの第2端27gは広がるように構築される。図8bに示されるように、第2端27gはオリフィス35の中で広がることができる。
【0053】
呼吸サイクルの呼息フェーズの間、柔軟なカフ25gは、第2位置にある。図8cを参照して、吐き出されたガスの流動29は、柔軟なカフ25gを折りたたみ、第2端27gを第1端26gの方へ折り返す(例えば変形させて裏返す)。図8cに示すように、第2位置にあるときに、柔軟なカフ25gの前記一部は台座36にもはや接触せず、排気口24が開かれて、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29がそれを通して放出されることが可能になる。呼吸ガスの流動28が大気に放出されるので、患者は気道陽圧の一時的な降下を経験する。呼息フェーズ終了時に、吐き出されるガスの流動29は終わり、患者は吸息し始め、そして柔軟なカフ25gは第1位置に戻る。
【0054】
図3, 5, 6及び7においてベローズがバイアス部材として用いられるが、本発明の範囲内で他のバイアス部材(例えば、ばね、磁石など(但しこれらに限られない))が用いられることができることも意図される。さらに、図3, 5, 6及び7において、柔軟なカフが第1位置に戻ることを助けるものとして示されるが、本発明の範囲内で、バイアス力は、柔軟なカフが第2位置に戻るのを助けるように逆向きであることができることも意図される。
【0055】
図9は、患者に呼吸ガスを提供するための操作プロセス50を示す。操作プロセス50は、圧力生成装置と患者インタフェース装置との間の患者回路が確立される操作51から始まる。この実施の形態では、例えば、管路14及び減圧バルブ20を備えた患者回路12が、圧力生成装置13と患者インタフェース装置15との間に確立される。上記のように、本発明による減圧バルブは、バルブ本体及び柔軟なカフを含み、バルブ本体は、圧力生成端22、患者インタフェース端23、及び、複数の排気口24を持つ。
【0056】
患者回路が確立された後で、操作制御は続いて操作52に移り、呼吸ガスの流動が、吸息フェーズの間、患者の気道に給送される。この実施の形態において、圧力生成装置13は、患者インタフェース装置15を介して患者気道に給送される呼吸ガスの流動28を生成し、圧力生成装置13及び患者インタフェース装置15は、操作51で確立された患者回路12を介して流体結合される。吸息フェーズの間、減圧バルブ20は、圧力生成端22と患者インタフェース端23との間に開いた経路を提供しつつ、柔軟なカフ25が排気口24を塞ぐように構築される第1位置にある。したがって、第1位置にある間、減圧バルブ20は、呼吸ガスの流動28が排気ポート24を通して放出されることを防止しつつ、圧力生成装置13から患者インタフェース装置15への呼吸ガスの流動28の自由な連通を可能にするように構築される。
【0057】
吸息フェーズの間に呼吸ガスの流動が患者の気道に給送された後で、操作制御は操作53に移り、呼吸ガスの流動及び吐き出されたガスの流動は、患者の気道から離れるように導かれる。この実施の形態において、減圧バルブ20は、第1位置から第2位置へと変化し、柔軟なカフ25は、圧力生成端22と患者インタフェース端23との間に開いた経路を提供しつつ、排気口24が開かれるように折りたたまれるように構築される。したがって、第2位置にある間、減圧バルブ20は、呼吸ガスの流動28及び吐き出されたガスの流動29が排気ポート24を通して放出されることを可能にするように構築される。
【0058】
減圧バルブ20が患者の呼吸サイクルに応答して第1位置と第2位置との間を行き来するとき、動作52及び53が繰り返されることができることは、当業者にとって明らかである。
【0059】
図10-12は、例えば一定の陽圧で呼吸ガスの流動28を生成する圧力生成装置13と共にシステム10(図1)において用いられたときの本発明の減圧バルブによって出力される流動及び圧力曲線を示した。(一定の陽圧で呼吸ガスの流動28を生成する)CPAP圧力生成装置13との関連で論じられるが、他のタイプの圧力生成装置が用いられることができることが意図される。図10-12に示される二相性PAP曲線は、本発明の減圧バルブによって生成される。
【0060】
図10を参照して、減圧バルブ(例えば減圧バルブ20a)が第1位置にある場合、吸息陽圧は、圧力生成装置によって生成される一定の陽圧と同じである(すなわち、IPAP = CPAP)。減圧バルブが第2位置にある場合、呼吸ガスの流動が排気口を通して廃棄されるので、呼息陽圧は前記の一定の陽圧未満である(すなわち、EPAP < CPAP)。呼息陽圧レベルは、とりわけ、排気口のサイズ(ひいては、放出されることができる呼吸ガスの流動の量)に依存する。
【0061】
図11及び12は、柔軟なカフを第1位置に戻すように構築されるバイアス部材(例えば、減圧バルブ20b)を持つ減圧バルブの出力に対応する流動及び圧力曲線を示す。図11及び12に示すように、バイアス部材は、柔軟なカフが呼息サイクルの終了の前に第1位置へ移動するように促し、呼息の間、屈曲又は減衰効果を提供する。図11に示すように、バイアス部材は、呼息サイクルの終わりに減圧バルブが閉じるように構築され、一方、図12では、バイアス部材は、呼息期間の終了前に減圧バルブを閉じるように構築される。
【0062】
本発明が、現在最も実用的であり、好ましい実施の形態であると考えられるものに基づいて例示を目的として詳細に説明されたが、そのような詳細は単にその目的のためであり、本発明は開示された実施の形態に制限されず、それどころか、添付された特許請求の範囲の範囲内である変更及び均等なアレンジをカバーすることを意図することが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施の形態の一つ以上の特徴が、任意の他の実施の形態の一つ以上の特徴と組み合わせられることができることを意図していることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端、第2端及びそれらの間の複数の排気口を持つバルブ本体、並びに、
前記複数の排気口が実質的に閉ざされる第1位置と前記複数の排気口が実質的に開かれる第2位置との間を行き来する柔軟なカフ、
を有する減圧バルブであって、
前記柔軟なカフが第1位置にある場合、前記減圧バルブは、第1端から第2端へと呼吸ガスの流動を給送し、
前記柔軟なカフが第2位置にある場合、前記減圧バルブは、呼吸ガスの流動を第1端から前記複数の排気口へと給送し、吐き出されたガスの流動を第2端から前記複数の排気口へと給送する、減圧バルブ。
【請求項2】
前記柔軟なカフは第1端及び第2端を含み、第1端は、前記柔軟なカフが第1位置と第2位置との間を行き来するとき、前記バルブ本体に対して静止したままである、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項3】
前記柔軟なカフの第2端は、呼吸ガスの流動の存在及び吐き出されたガスの流動の不在に応じて広がる、請求項2に記載の減圧バルブ。
【請求項4】
前記柔軟なカフの第2端は、吐き出されたガスの流動の存在に応じて折りたたまれる、請求項2に記載の減圧バルブ。
【請求項5】
前記柔軟なカフは、患者の呼吸サイクルの呼息フェーズの開始に応じて、第1位置から第2位置へと替わる、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項6】
前記柔軟なカフは、患者の呼吸サイクルの吸息フェーズの開始に応じて、第2位置から第1位置へと替わる、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項7】
前記柔軟なカフがベローズを含む、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項8】
前記柔軟なカフが、第1位置から第2位置への移行を促進する溝を含む、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項9】
前記柔軟なカフが半剛体の挿入物を含む、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項10】
前記バルブ本体の第1端が圧力生成装置に結合するように構成され、前記バルブ本体の第2端が患者インタフェース装置に結合するように構成される、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項11】
前記バルブ本体の第1端は、前記圧力生成装置から呼吸ガスの流動を受け取り、前記バルブ本体の第2端は、呼吸ガスの流動を患者に供給し、患者から吐き出されたガスの流動を受け取る、請求項10に記載の減圧バルブ。
【請求項12】
前記複数の排気口は、前記バルブ本体の内部から前記バルブ本体の外部へと、呼吸ガスの流動及び吐き出されたガスの流動を給送する、請求項1に記載の減圧バルブ。
【請求項13】
患者インタフェース端、圧力生成器端及びそれらの間の複数の排気口を持つバルブ本体、並びに、
前記バルブ本体内で動作可能な柔軟なカフ、
を有する減圧バルブであって、
前記柔軟なカフは、呼吸サイクルの吸息フェーズの間、前記圧力生成器端から前記患者インタフェース端への呼吸ガスの流動の給送を可能にし、
前記柔軟なカフは、呼吸サイクルの呼息フェーズの間、前記複数の排気口を通した呼吸ガスの流動及び吐き出されたガスの流動の給送を可能にする、減圧バルブ。
【請求項14】
前記柔軟なカフは第1端及び第2端を含み、第1端は、前記柔軟なカフが、呼吸サイクルの吸息フェーズに関する第1位置と呼吸サイクルの呼息フェーズに関する第2位置との間で行き来するときに、前記バルブ本体に対して静止したままである、請求項13に記載の減圧バルブ。
【請求項15】
呼吸サイクルの吸息フェーズの少なくとも一部の間、前記柔軟なカフの第2端が広がる、請求項14に記載の減圧バルブ。
【請求項16】
呼吸サイクルの呼息フェーズの少なくとも一部の間、前記柔軟なカフの第2端が折りたたまれる、請求項14に記載の減圧バルブ。
【請求項17】
前記柔軟なカフがベローズを含む、請求項13に記載の減圧バルブ。
【請求項18】
前記柔軟なカフが、第1位置から第2位置への移行を促進する溝を含む、請求項13に記載の減圧バルブ。
【請求項19】
前記柔軟なカフが半剛体の挿入物を含む、請求項13に記載の減圧バルブ。
【請求項20】
前記圧力生成器端が、呼吸ガスの流動を生成する圧力生成装置に結合するように構成され、前記患者インタフェース端が、患者の気道に呼吸ガスの流動を供給して患者の気道から吐き出されたガスの流動を受け取る患者インタフェース装置に結合するように構成される、請求項13に記載の減圧バルブ。
【請求項21】
前記複数の排気口が、前記バルブ本体の内部から前記バルブ本体の外部へと、呼吸ガスの流動及び吐き出されたガスの流動を給送する、請求項13に記載の減圧バルブ。
【請求項22】
患者を換気する方法であって、
圧力生成装置と患者の気道との間に患者回路を確立し、前記患者回路は減圧バルブを含み、前記減圧バルブは、
第1端、第2端及びそれらの間の複数の排気口を持つバルブ本体、並びに
前記複数の排気口が実質的に閉ざされる第1位置と前記複数の排気口が実質的に開かれる第2位置との間を行き来する柔軟なカフを有し、
当該方法はさらに、
吸息段階の間、前記患者回路を通して患者の気道に呼吸ガスの流動を給送し、前記柔軟なカフは第1位置にあり、前記減圧バルブは第1端から第2端へと呼吸ガスの流動を給送し、
呼息フェーズの間、患者の気道から離れるように、呼吸ガスの流動を逸らして、吐き出されたガスの流動を導き、前記柔軟なカフは第2位置にあり、前記減圧バルブは、第1端から前記複数の排気口へと呼吸ガスの流動を給送し、第2端から前記複数の排気口へと吐き出されたガスの流動を給送する、
方法。
【請求項23】
前記患者回路を通した呼吸ガスの給送はさらに、呼吸ガスの流動を生成することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
患者に呼吸治療を提供するシステムであって、
呼吸ガスの流動を生成する圧力生成装置、
患者の気道に呼吸ガスの流動を給送し、患者の気道から吐き出されたガスの流動を給送する患者インタフェース装置、
前記圧力生成装置を前記患者インタフェース装置に流体結合する患者回路、及び
前記圧力生成装置と前記患者インタフェース装置との間に配置される減圧バルブ、
を有し、前記減圧バルブは、
複数の排気口を持つバルブ本体、及び
第1位置と第2位置との間を行き来する柔軟なカフを有し、
第1位置において、呼吸ガスの流動は、前記圧力生成装置から前記患者インタフェース装置へと給送され、
第2位置において、前記圧力生成装置からの呼吸ガスの流動及び前記患者インタフェース装置からの吐き出されたガスの流動は、前記複数の排気口を通して放出される、
システム。
【請求項25】
前記圧力生成装置は、ベンチレータ、持続性気道陽圧装置、可変圧力装置、自動滴定圧力サポートシステム及び圧縮空気供給のうちの一つを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記患者インタフェース装置は、鼻カニューレ、鼻マスク、フルフェースマスク、トータルフェースマスク及び気管内チューブのうちの一つを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記柔軟なカフがベローズを含む、請求項24に記載の減圧バルブ。
【請求項28】
前記柔軟なカフが、第1位置から第2位置への移行を促進する溝を含む、請求項24に記載の減圧バルブ。
【請求項29】
前記柔軟なカフが半剛体の挿入物を含む、請求項24に記載の減圧バルブ。
【請求項30】
患者の気道に呼吸ガスの流動を供給する装置であって、
呼吸ガスの流動を生成する圧力生成手段、
患者の気道に呼吸ガスの流動を給送し、患者の気道からの吐き出されたガスの流動を給送する患者インタフェース手段、及び
前記圧力生成手段を前記患者インタフェース手段に流体結合する患者回路、
を有し、前記患者回路は減圧バルブを含み、前記減圧バルブは、
複数の排気口を持つバルブ本体、及び
第1位置と第2位置との間を行き来する柔軟なカフ手段を有し、
第1位置において、呼吸ガスの流動は、前記圧力生成手段から前記患者インタフェース手段へと給送され、
第2位置において、前記圧力生成手段からの呼吸ガスの流動及び前記患者インタフェース手段からの吐き出されたガスの流動は、前記複数の排気口を通して放出される、装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−535078(P2010−535078A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520049(P2010−520049)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/069805
【国際公開番号】WO2009/017952
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)