説明

柚子みそプリン

【課題】アクセントがきいた一種独特の風味があり、柚子の香りもしっかりと詰め込まれている柚子みそプリンを提供する。
【解決手段】プリンカップに、柚子みそと混ぜた砂糖が加熱された柚子みそカラメルソースを入れ、この柚子みそカラメルソースの上に牛乳、砂糖、卵が混ぜ合わされたプリン生地としてのカスタードを充填し加熱することによりゼリー状に成形し、前記柚子みそカラメルソースとこのゼリー状体とがプリンカップに密閉されてなることを特徴とする。
【効果】柚子みその風味で生地にアクセントがきいた一種独特の風味が醸し出されており、しかも、これがプリンカップに密閉して封じ込まれているために、味噌の香りも柚子の香りもしっかりと味わうことができ、本格的な和洋折衷の独特の風味が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリンカップ等に生地を凝固させたプリンであって、詳しくは柚子の香りがする新規な柚子みそプリンに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンは、プリンカップの底にカラメルソースを入れてから牛乳と砂糖を混ぜた卵液を流し込み、加熱してそのカスタードを凝固させたものであって、消費者においてカップのまま中身をスプーンですくって食し、あるいは、中身を皿の上に逆さに抜き取って食される。
【0003】
柚子は、中国が原産地といわれ、日本では広く栽培されているミカン科の常緑植物の果実であって、日本料理では調味料に香味、酸味を加えるために果肉部分だけでなく皮も多用される。香り成分や薬味成分が皮に特に多く含まれているからである。また、害虫を寄せつけない成分も含むことから、無農薬で栽培が可能であり安全で健康的な食品として店頭に並べられる。
【0004】
無農薬栽培が可能であっても、実が結実するまでに至るか否かは地勢や気候風土の影響を強く受けるため、何処ででもたやすく栽培が可能であるかといえば必ずしもそうでもない。ちなみに、この点については、本出願人が居住している庄川町(富山県)が砺波平野の扇状地を形成する要に位置する地形であって、ここにおいて生産される柚子は香りが爽やかに高く特に強いのが特徴であり、柚子の生産に最も適した自然環境にあるといえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プリンは、上記のようにつくられるが、消費者の多様化した好みに応じるために、例えば、液体状のコーヒーやかぼちゃペーストを生地に混ぜたコーヒープリンやかぼちゃプリン等が提供されるが、香りという点ではいま一つ要望に応え切れないという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような実情に鑑みて、アクセントがきいた一種独特の風味があり、柚子の香りもしっかりと詰め込まれている柚子みそプリンを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明は、プリンカップに、柚子みそと混ぜた砂糖が加熱された柚子みそカラメルソースを入れ、この柚子みそカラメルソースの上に牛乳、砂糖、卵が混ぜ合わされたプリン生地としてのカスタードを充填し加熱することによりゼリー状に成形し、前記柚子みそカラメルソースとこのゼリー状体とがプリンカップに密閉されてなることを特徴とする柚子みそプリンを提供するものである。
【0008】
柚子みそプリンを上記のように構成したから、これを食するときには、開封してからスプーンですくって食するか、若しくは、皿の上に逆さに抜き出して食するが、この際に柚子の香りがすることはもちろん、柚子みそと他の素材とが織りなすアクセントのきいた絶妙な風味を味わうことができる。
【0009】
柚子みそは、柚子の絞り汁、柚子のすり下ろした皮、味噌、砂糖等を混ぜただけのもので、一般的に、湯豆腐や冷奴、蒸し野菜などにかけて美味であるとして珍重されるが、これがプリン生地とともに加熱されることにより、そのうま味や香りが生地にも浸透し、一種独特の風味が生成される。
【0010】
柚子には、リモネンなどの精油成分が含まれ、これで香りが得られ、クエン酸、酒石酸、りんご酸などの有機酸が多く含まれ、これで酸味が加わる。また、リモノイドなどの苦み成分が含まれ、これで飽きのない深い味ができ、味噌の風味とも相まって、これまでにない和洋折衷の風味を醸成する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、この発明の柚子みそプリンによれば、柚子みその風味で生地にアクセントがきいた一種独特の風味が醸し出されており、しかも、これがプリンカップに密閉して封じ込まれているために、味噌の香りも柚子の香りもしっかりと味わうことができ、本格的な和洋折衷の独特の風味が得られるという優れた効果がある。
【0012】
特に請求項2によれば、柚子の香りを十分に楽しむことができ、また、請求項3によれば、豆乳の風味も加わり滋養成分もさらに多様となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の代表的な例を示す柚子みそプリンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明は、プリンを構成するカラメルソースに柚子みそが混入されることに特徴がある。こうすることによって、柚子みその香りがプリンカップ3の底部に封じ込まれるし、皿に逆さに抜き出し載せた状態では、真先に柚子みそを賞味することになり柚子の香りに気づいて感動が得られる。また、この風味で次のゼリー状体2の味も引き立つことになる。
【0015】
したがって、柚子は香りが強いものを選んで使用することが望ましく、この点で前記した庄川町特産の柚子が適している。
【実施例1】
【0016】
(原材料)
柚子みそ、牛乳、鶏卵、砂糖(三温糖)
(作り方)
(1)柚子みそ10gに砂糖20gと水(中さじ)1を加えて混ぜ、加熱し、カラメルソースを作っておく
(2)ボールに牛乳200ccと砂糖45gを入れて混ぜ、加熱し、冷ます。 (3)ボールに卵(中2個)130gを割り入れて溶き、冷ました(2)を数回に分けて入れることにより、クリーム状のカスタードを作る。
(4)プリンカップ3に(100cc)に柚子みそカラメルソース1を8cc程度(5〜10cc)を入れ、(3)を流し入れ、温めた160°のオーブンで30〜40分蒸して焼く。これでカラメルソース1の上にクリーム状体2が成形される。
(5)プリンカップ3にシール蓋5を接着し冷蔵庫で冷やす。
【実施例2】
【0017】
(原材料)
柚子みそ、柚子の皮、牛乳、鶏卵、砂糖(三温糖)
(作り方)
(1)、(2)、(3)は上記実施例と同じである。つまり、(1)でカラメルソース1を作り、(2)、(3)でカスタードを作る。
3)に同じである。
(4)このカスタードに柚子の皮を知り下ろしたものを入れて混ぜる。
(5)、(6)上記実施例の(4)、(5)に同じ。
【実施例3】
【0018】
(原材料)
柚子みそ、豆乳、鶏卵、砂糖(三温糖)
(作り方)
(1)、(2)、(3)は実施例1と同じである。
(4)(3)で作ったカスタードに豆乳18g程度(15g〜20g)を加えてよく混ぜる。
(5)柚子みそカラメルソース1を入れたプリンカップ3に(4)で作ったカスタードを入れ、160°に温めたオーブンで30分〜40分焼いてゼリー状体2を成形する。
(6)プリンカップ3にシール蓋5をして冷蔵庫に入れて冷やす。
【符号の説明】
【0019】
1 カラメルソース
2 ゼリー状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンカップに、柚子みそと混ぜた砂糖が加熱された柚子みそカラメルソースを入れ、この柚子みそカラメルソースの上に牛乳、砂糖、卵が混ぜ合わされたプリン生地としてのカスタードを充填し加熱することによりゼリー状に成形し、前記柚子みそカラメルソースとこのゼリー状体とがプリンカップに密閉されてなることを特徴とする柚子みそプリン。
【請求項2】
前記カスタードに、柚子の皮から注出した汁液を混入してあることを特徴とする請求項1記載の柚子みそプリン。
【請求項3】
前記カスタードに、豆乳を混入してあることを特徴とする請求項1または2記載の柚子みそプリン。






【図1】
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【公開番号】特開2011−182698(P2011−182698A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50625(P2010−50625)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(509238041)
【Fターム(参考)】