説明

核燃料、核燃料要素、核燃料アセンブリ、および核燃料製造方法

本発明は核燃料(10)、燃料要素(4)、燃料アセンブリ(1)、および核燃料製造方法に関する。核燃料は軽水炉(LWR)、例えば沸騰水型原子炉(BWR)および加圧水型原子炉(PWR)を含む水冷式原子炉において用いられるのに適する。核燃料はUNからなるウラン含有化合物を含む。ウラン含有化合物のウラン含有量は10重量%未満の同位体235Uを含む。核燃料は、元素形態においてまたは化合物として、Zr、Mo、Si、Al、Nb、およびUからなる群より選択される少なくとも1つの元素から実質的になる、添加剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽水炉(LWR)、例えば沸騰水型原子炉(BWR)および加圧水型原子炉(PWR)を含む水冷式原子炉において用いられるのに適した核燃料ペレットに関し、その核燃料ペレットはUNからなるウラン含有化合物を含み、そのウラン含有化合物のウラン含有量は10重量%未満の同位体235Uを含む。
【0002】
本発明はまた、軽水炉(LWR)、例えば沸騰水型原子炉(BWR)および加圧水型原子炉(PWR)を含む水冷式原子炉において用いられるのに適した燃料要素、燃料アセンブリ、および、核燃料製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
軽水炉(LWR)および重水炉(HWR)を含む水冷式原子炉において、UOを含む核燃料が通常用いられている。UOは、それが水に溶解するのに対して高い抵抗性を有するという事実に起因して有利である。
【0004】
特許文献1は、最初に規定された種類の核燃料を開示している。この核燃料は水冷式原子炉において用いられることが意図されている。核燃料は酸化物または窒化物の粒子を含み、それらは燃料ペレット内に含まれる。燃料は保護フィルム内、または、例えば、酸化アルミニウム、グラファイト、炭化ケイ素、または金属のカバー内に包まれている。保護フィルムの目的は、水が、燃料ペレットに染み込まないようにすることおよび窒化ウランに届かないようにすることである。
【0005】
特許文献2は、改質UNまたは改質PuNの核燃料を開示している。この核燃料はさらなる窒化物の添加剤、例えば、窒化ジルコニウム、窒化トリウム、窒化ハフニウム、窒化チタン、または希土類窒化物、あるいは他のアクチニド窒化物の少なくとも1つを有する。この核燃料は水冷式原子炉には適さないが、特定の種類の原子炉、例えばSSTAR(small sealed transportable autonomous reactor)には適している。このSSTARは増殖炉であり、従ってUNの核燃料は高含有の同位体235Uを有する。
【0006】
特許文献3は(U、Zr)Nからなる核燃料を開示しており、ZrNはUNマトリクス内に溶解する。この燃料は増殖炉に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第11202072号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/011382号パンフレット
【特許文献3】米国特許第4,059,539号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、水冷式ではなく、増殖炉内の窒化ウランをベースとした核燃料を用いることは公知である。UNはUOとの関連で技術的かつ経済的な利点を有する。それゆえ、本発明の課題は、水冷式原子炉に適し、かつUNをベースとした核燃料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は最初に規定された核燃料によって達成され、その核燃料は、元素形態においてまたは化合物形態として、Zr、Mo、Si、Al、Nb、およびUからなる群より選択される、少なくとも1つの元素を含む添加剤を含む核燃料を特徴としている。
【0010】
純粋なUNはUOよりも約40%以上多くのウラン原子を含む。それゆえ、UNをベースとした核燃料は、稼働コストおよび発電コストを顕著に改善する。さらに、UOに加え、およびUOと対照的に、UNはより高い熱伝導性を有し、その熱伝導性は温度と共に増加する。熱伝導性は、温度に依存して、UOよりも、UNについて約3〜8倍高くなる。結果として、UNをベースとした核燃料は原子炉が稼動している間、UOと同程度に加熱されず、このことはいくつかの理由、例えば、熱膨張が低いこと、核分裂ガスの放出が低いこと、および蓄積されたエネルギーが少ないことといった理由のために有利であり、後者の利点はLOCA(冷却材流出事故)の場合に重要である。
【0011】
UNはUOと比較して不都合がある。なぜならばUNはUOよりも水とより反応するからである。このことは、例えば、燃料被覆材(fuel cradding)における漏洩を取り除くことができないLWR等の水冷式原子炉における使用についての潜在的な制約となる。UOがLWR条件(250℃〜350℃)にてゆっくりと水と反応するのに対して、UNの反応速度は、生成された気体が膨張して被覆材を断裂させる。したがって、現在のところUNを水冷式原子炉において用いることができない。このような状況下では、水が燃料被覆材に染み込んで核燃料と接触するといったリスクが存在する。「XPS and XRD studies of corrosion of uranium nitride by water」、S.SunderおよびN.H.Miller、Journal of Alloys and Compounds、271〜273ページ(1998)の論文を参照。著者らはUNが水冷式原子炉において利用可能ではないと結論している。
【0012】
本発明に係る添加剤を導入することによって、UNと水との反応速度は許容可能なレベルにまで低減可能である。規定された添加剤(複数も含む)を含むUNは水を含む環境においてもまた安定している。ウラン含有化合物に加えられる添加剤は水と反応して、亀裂のある表面を含むあらゆる表面上において、UN含有物に対して、密で水に不溶の保護層を形成する。
【0013】
規定された添加剤は以下の重要な基準を満たす。それらの添加剤はジルコニウムベースの合金、例えばジルカロイ−2およびジルカロイ−4などでできた通常用いられる被覆材と反応しない。それらは全て相対的に低い中性子吸収断面を有する。好ましくかつ本明細書において例示された添加剤は全てZrと同じ範囲にある中性子断面を有する。さらに、それらの添加剤は全て放射能環境において安定している。それらの添加剤は元素形態において、または、酸化物、窒化物、水素化物等の化合物として加えられることができる。それらはまた、使用済み(finished)核燃料中にも、元素形態において、または化合物、例えば、酸化物、窒化物、水素化物など、例えばZrN、Si、Al、ZrO、Mo、SiO、AlN等として存在してもよい。それらの添加剤は粒子境界において蓄積され、亀裂のある表面を含むあらゆる露出表面上において水がUNに浸透しないようにする。
【0014】
規定された添加剤は水中で非常に低い腐食率を有する。ZrNの形態でのZrは、以前の研究において、70atom%レベルにて水からPuN燃料を保護することにおいて効果的であると証明されている。Mo金属からU金属への添加剤は5〜19容積%レベルでU金属の腐食を除去することが証明されている。それゆえ、Zr、Al、Mo、Si、およびUからUNの窒化物、酸化物、または水素化物の化合物を加えることが燃料マトリクスにおいてUNの大部分を保護するはずであると考えられている。UNを保護するためにUまたはウラン化合物を含む添加剤に関しては、例えば、U金属がUNに加えられた場合、水に晒された後、U金属が酸化して、基礎となるUNを保護するUOとなる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、ウラン含有化合物の窒素含有量は、少なくとも60重量%の同位体15N、好ましくは少なくとも80重量%の同位体15N、および最も好ましくは少なくとも90重量%の同位体15Nを含む。窒素は天然で99,634%の14N(7個の中性子で安定)および0,366%の15N(8個の中性子で安定)で存在する。14Nは高い吸収断面を有する。15Nに天然の窒素を濃縮させることによって14Nによる寄生的中性子吸収を防ぐことができるか、または最小限にすることができる。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、添加剤はZrN、ZrH、Si、Al、ZrO、Mo、SiO、AlN、ZrO、ZrH、SiO、U、Zr、Mo、Si、USi、ZrUAl、ZrUSi、ZrUH、UAl、USi、U−5Nb−5Zr、U−3Nb−1.5Zr、U−9Mo、U−6Mo、U−1.5Mo−1.0Zr、U−10Zr、およびUSiAlの少なくとも1つを含む。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、添加剤はZrN、ZrH、Si、Al、ZrO、Mo、SiO、AlN、ZrO、ZrH、SiO、Zr、Mo、およびSiの少なくとも1つを含み、上記添加剤の量は核燃料の30容量%に等しいかまたはそれ未満である。この結果、高容量ウラン濃度を維持するために、非ウラン含有添加剤の量は30容量%未満であるべきである。このレベルにおいて、全体のウラン濃度は、UOよりも高く、すなわち、十分なウラン容積濃度が核燃料内で維持される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、添加剤は、U、USi、ZrUAl、ZrUSi、ZrUH、UAl、USi、U−5Nb−5Zr、U−3Nb−1.5Zr、U−9Mo、U−6Mo、U−1.5Mo−1.0Zr、U−10Zr、およびUSiAlの少なくとも1つを含み、上記添加剤の量は核燃料の80容量%に等しいかまたはそれ未満である。したがって、高容量ウラン濃度を維持するために、ウラン含有添加剤の量は約80容量%以下であってもよい。このレベルにおいて、全体のウラン濃度は、UOよりも高く、すなわち、十分なウラン容積濃度が核燃料内で維持される。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、上記核燃料は核燃料ペレットの形態で提供される。有利にも、上記核燃料ペレットは上記ウラン含有化合物および上記少なくとも1つの添加剤の粉末を焼結することにより形成されてもよい。
【0020】
本課題はまた、請求項10に規定された燃料要素によって、および請求項12に規定された燃料アセンブリによって、達成される。
【0021】
さらに、本課題は最初に規定された方法によって達成され、以下:
UNからなるウラン含有化合物を提供する工程であって、上記ウラン含有化合物のウラン含有量は10重量%未満の同位体235Uを含む、工程と、
元素形態においてまたは化合物として、Zr、Mo、Si、Al、Nb、およびUからなる群より選択される、少なくとも1つの元素からなるか、または実質的になる添加剤を、上記ウラン含有化合物に加える工程と、
を含む。
【0022】
一実施形態によれば、本方法はさらに以下:
上記ウラン含有化合物の粉末を提供する工程と、
上記添加剤の粉末を提供する工程と、
上記ウラン含有化合物と上記添加剤を混合して粉末の混合物とする工程と、
上記混合物を、焼結圧力および焼結温度にて焼結させて核燃料ペレットにする工程と、
を含む。有益には、上記焼結温度は少なくとも1800℃、少なくとも2000℃、好ましくは少なくとも2100℃、最も好ましくは少なくとも2200℃であってもよい。
【0023】
本発明は、ここで、様々な実施形態および例の記載により、かつ本明細書に添付された図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1はBWRの燃料アセンブリの部分的断面における側面図を概略的に開示する。
【図2】図2はPWRのための燃料アセンブリの側面図を概略的に開示する。
【図3】図3は図1または図2における燃料アセンブリの燃料要素の長手方向断面図を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、水冷式軽水炉LWR、およびより詳細には、沸騰水型原子炉BWRにおける使用のための燃料アセンブリ1を示す。燃料アセンブリ1は、底部材2、上部部材3、ならびに、底部材2と上部部材3との間に延びる細長の燃料棒4の形をした複数の燃料要素を含む公知のパーツを備える。燃料棒4は複数のスペーサ5により、それらの位置に維持されており、図1にはそれらのうちの1つが示されている。さらに、燃料アセンブリは燃料棒4を囲んで包み込む流路6、すなわち燃料ボックスを備える。
【0026】
図2は、水冷式軽水炉LWR、およびより詳細には加圧水型原子炉PWRにおける使用のための燃料アセンブリ1を示す。燃料アセンブリ1は、底部材2、上部部材3、ならびに、底部材2と上部部材3との間に延びる細長の燃料棒4の形をした複数の燃料要素を含む公知のパーツを備える。燃料棒4は複数のスペーサ5により、それらの位置に維持されている。
【0027】
図3は、図1および図2の燃料アセンブリ1において用いられる種類の燃料棒4として設計された単一の燃料要素を示す。燃料棒4は複数の燃料ペレット10の形での核燃料、被覆(クラッディング)チューブ11の形での被覆材、底プラグ12、および上部プラグ13を備える。燃料ペレット10は被覆チューブ11内に提供された積み重なりで配置される。被覆チューブ11は従って燃料ペレット10および気体を包み込む。スプリング14は上側プレナム15に配置され、底プラグ12に対して燃料ペレットを押す。
【0028】
上述で記載された燃料要素の核燃料はUNからなるウラン含有化合物を含む。ウラン含有化合物のウランの内容物は少なくとも同位体238Uおよび235Uを含む。ウラン含有量は、ウランの天然の組成に対して、235Uが濃縮されているが、ウランの同位体235Uの含有量は10、9、8、7、6、または5重量%未満である。
【0029】
核燃料は、ウランおよび窒素に加え、添加剤を含む。添加剤の目的は主にUNと水との反応率を低減させることである。添加剤は、元素形態においてまたは化合物として、Zr、Mo、Si、Al、Nb、およびUからなる群より選択される、少なくとも1つの元素からなるか、または実質的になる。添加剤を形成する元素(または複数の元素)あるいは化合物(または複数の化合物)は燃料要素内に均一に分散される。
【0030】
天然の窒素は99,634%の14N(7個の中性子で安定)および0,366%の15N(8個の中性子で安定)からなる。15Nは14Nよりも、著しく低い中性子吸収断面を有し、14Nは比較的高い吸収断面を有する。寄生的中性子吸収を最小限にするか、またはそれを低減させるために、ウラン含有化合物の窒素含有量はそれゆえ、15Nに関して濃縮されている。ウラン含有化合物の窒素含有量は従って少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%の同位体15Nを含み得る。
【0031】
添加剤は従って、元素形態でまたは化合物として上述の元素の1つもしくはいくつかを含んでもよいか、またはそれらからなってもよい。化合物は、例えば、酸化物、窒化物、水素化物などであってもよい。適切な添加剤の例としては、ZrN、ZrH、Si、Al、ZrO、Mo、SiO、AlN、ZrO、ZrH、SiO、U、Zr、Mo、Si、USi、ZrUAl、ZrUSi、ZrUH、UAl、USi、U−5Nb−5Zr、U−3Nb−1.5Zr、U−9Mo、U−6Mo、U−1.5Mo−1.0Zr、U−10Zr、およびUSiAlの少なくとも1つが挙げられる。
【0032】
添加剤はこれらの元素または化合物のいずれか1つを含んでもよいか、またはそれからなってもよいことに留意されたい。添加剤はまた、これらの元素または化合物のいずれかの2つ以上の任意の組み合わせを含んでもよいか、またはそれらからなってもよい。
【0033】
これらの添加剤の第1の群は、元素Zr、Mo、Siの少なくとも1つを含み、および/または、化合物ZrN、ZrH、Si、Al、ZrO、Mo、SiO、AlN、ZrO、ZrH、およびSiOの少なくとも1つを含む。
【0034】
この第1の群において、元素または化合物はウランあるいは任意の他の核分裂性物質を含まず、核燃料中に高容量ウラン濃度を維持するために添加剤の量を制限する。結果として、第1の群のための添加剤の量は核燃料の30容量%に等しいかまたはそれ未満であるべきである。有利にも、この群のための添加剤の量は核燃料の25容量%、20容量%、15容量%、または10容量%に等しくてもよく、またはそれら未満であってもよい。この群のための添加剤の量は、核燃料の2、5、7、または10容量%に等しいかまたはそれ以上である。第1の群の添加剤は水と反応して、UN含有物に対して、密で水に不溶の保護層を形成する。
【0035】
添加剤の量、すなわちより詳細には、添加剤の重量%は、化合物の形態における添加剤についてよりも元素の形態における添加剤についての方がより少なくてもよい。
【0036】
添加剤の第2の群は、元素Uならびに/または化合物USi、ZrUAl、ZrUSi、ZrUH、UAl、USi、U−5Nb−5Zr、U−3Nb−1.5Zr、U−9Mo、U−6Mo、U−1.5Mo−1.0Zr、U−10Zr、およびUSiAlの少なくとも1つを含む。
【0037】
この第2の群の添加剤はウランを含み、これは添加剤の量が、核燃料中に高質量ウラン濃度を維持するために第1の群よりも多くてもよいことを意味する。結果として、第2の群についての添加剤の量は核燃料の80容量%に等しいかまたはそれ未満であるべきである。有利にも、第2の群についての添加剤の量は核燃料の70容量%、60容量%、50容量%、40容量%、30容量%、20容量%、または10容量%に等しくてもよく、またはそれら未満であってもよい。この群についての添加剤の量は、核燃料の2、5、7、または10容量%と等しいかそれ未満である。第2の群のウラン含有化合物は水と反応して、UN含有物に対して、密で水に不溶の保護層を形成する。元素Uを含む添加剤は、水に晒されると、UOに酸化して、基礎となるUNを保護する。
【0038】
上述したように、核燃料は、例えば上記した核燃料ペレット10のように焼結された固体として実現されてもよい。燃料ペレット10は円筒形状、好ましくは円形の円筒形状を有しても良く、かつ環状であってもよい。
【0039】
核燃料は以下の工程を含む適切な方法により製造されてもよい。
【0040】
例えば、粉末形態であって235Uが濃縮されたウランが提供される。
【0041】
例えば、粉末形態であって15Nが濃縮された窒素が提供される。
【0042】
ウランおよび窒素は混合されて、UNからなる均質のウラン含有化合物を形成する。この反応は、金属ウランの直接窒化法または酸化ウランの炭素熱還元窒化法からなり得るがそれらに限定されない。
【0043】
例えば、Zr、Mo、Si、Al、Nb、およびUからなる群から選択される、元素の形態の少なくとも1つの元素または化合物としてなる、あるいは実質的にそれからなる粉末形態の添加剤が、ウラン含有化合物に加えられる。
【0044】
ウラン含有化合物および添加剤は混合されて、例えば粉末形態において均質な混合物を形成する。代替的な実施形態において、添加剤は個々のウラン含有粉末の粒を覆って保護するようにして導入されてもよい。
【0045】
この混合物はまた、適切な焼結圧力および焼結温度での焼結工程により焼結されて、焼結された固体、例えば円筒形の核燃料ペレットとなり得る。焼結温度は少なくとも1800℃、少なくとも2000℃、好ましくは少なくとも2100℃、最も好ましくは少なくとも2200℃である。
【0046】
本発明は上述の実施形態および例に限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲内で変更および修正されてもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽水炉(LWR)、例えば沸騰水型原子炉(BWR)および加圧水型原子炉(PWR)を含む、水冷式原子炉において用いられるのに適した核燃料であり、
前記核燃料は、UNからなるウラン含有化合物を含み、
前記ウラン含有化合物のウラン含有量は10重量%未満の同位体235Uを含む、核燃料であって、
前記核燃料は、元素形態においてまたは化合物として、Zr、Mo、Si、Al、Nb、およびUからなる群より選択される少なくとも1つの元素からなるか、または実質的になる、添加剤を含むことを特徴とする、核燃料。
【請求項2】
前記ウラン含有化合物の窒素含有量は少なくとも60重量%の同位体15Nを含む、請求項1に記載の核燃料。
【請求項3】
前記ウラン含有化合物の窒素含有量は少なくとも70重量%の同位体15Nを含む、請求項1に記載の核燃料。
【請求項4】
前記ウラン含有化合物の窒素含有量は少なくとも80重量%の同位体15Nを含む、請求項1に記載の核燃料。
【請求項5】
前記添加剤は、ZrN、ZrH、Si、Al、ZrO、Mo、SiO、AlN、ZrO、ZrH、SiO、U、Zr、Mo、Si、USi、ZrUAl、ZrUSi、ZrUH、UAl、USi、U−5Nb−5Zr、U−3Nb−1.5Zr、U−9Mo、U−6Mo、U−1.5Mo−1.0Zr、U−10Zr、およびUSiAlの少なくとも1つを含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の核燃料。
【請求項6】
前記添加剤は、ZrN、ZrH、Si、Al、ZrO、Mo、SiO、AlN、ZrO、ZrH、SiO、Zr、Mo、およびSiの少なくとも1つを含み、前記添加剤の量は核燃料の30容量%に等しいかまたはそれ未満である、請求項5に記載の核燃料。
【請求項7】
前記添加剤は、U、USi、ZrUAl、ZrUSi、ZrUH、UAl、USi、U−5Nb−5Zr、U−3Nb−1.5Zr、U−9Mo、U−6Mo、U−1.5Mo−1.0Zr、U−10Zr、およびUSiAlの少なくとも1つを含み、前記添加剤の量は核燃料の80容量%に等しいかまたはそれ未満である、請求項5に記載の核燃料。
【請求項8】
前記核燃料は核燃料ペレット(10)の形態で提供される、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の核燃料。
【請求項9】
前記核燃料ペレットは前記ウラン含有化合物および前記少なくとも1つの添加剤の粉末を焼結することにより形成される、請求項8に記載の核燃料。
【請求項10】
被覆材および請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の核燃料を含む、燃料要素。
【請求項11】
前記燃料要素は細長の燃料棒(4)として設計される、請求項10に記載の燃料要素。
【請求項12】
請求項10および請求項11のいずれかに記載の複数の燃料要素を備える燃料アセンブリ(1)。
【請求項13】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の核燃料を製造する方法であって、前記方法は、
UNからなるウラン含有化合物を提供する工程であって、前記ウラン含有化合物のウラン含有量は10重量%未満の同位体235Uを含む、工程と、
元素形態においてまたは化合物として、Zr、Mo、Si、Al、Nb、およびUからなる群より選択される少なくとも1つの元素からなるか、または実質的になる、添加剤を、前記ウラン含有化合物に加える工程と、
を含む、方法。
【請求項14】
前記ウラン含有化合物の粉末を提供する工程と、
前記添加剤の粉末を提供する工程と、
前記ウラン含有化合物と前記添加剤を混合して粉末の混合物とする工程と、
前記混合物を、焼結圧力および焼結温度にて焼結させて核燃料ペレットにする工程と、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記焼結温度は少なくとも1800℃、少なくとも2000℃、好ましくは少なくとも2100℃、最も好ましくは少なくとも2200℃である、請求項14に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−520642(P2013−520642A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553245(P2012−553245)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050983
【国際公開番号】WO2011/101208
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(504446548)ウェスティングハウス エレクトリック スウェーデン アーベー (26)