説明

核燃料ペレットの製造方法

核燃料ペレットが、UF6六フッ化ウラン転換法由来の粉末から得られたUO2二酸化ウランを含有する材料を焼結することによって製造される。UF6六フッ化ウラン転換法から直接得られた粉末が、移動する圧縮体及び混合体を含む容器の中に導入され、該容器は、粉末が三つの非平面軸に従って容器の容積内を置換して、前記転換法により直接得られる粉末に比較してより高い密度を有する粒状材料が形成されるまで、移動体の間及び移動体と容器壁の間で圧縮されるように撹拌され、この容器内部での撹拌により直接得られた粒状材料は、燒結を受ける生燃料ペレットを成形するために使用される。好ましくは、前記容器は、処理の際には振動運動の中にセットされる。極めて広範な添加剤を、容器内部での撹拌による処理の前又は最中に、容器の中に導入することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、核反応炉用の燃料要素を製造するために使用される、主に二酸化ウランUO2を含有する核燃料ペレットの製造方法に関する。
【0002】
核反応炉、特に加圧水冷却型核反応炉用の燃料要素は、一般に、その先端が閉じた長い管を含んでおり、その中には、一般に直径が10mmよりも僅かに小さく長さが10mm〜20mmである燃料ペレットがパックされている。
【0003】
この燃料ペレットは、六フッ化ウランUF6の転換プロセスから発生する粉末から得られた主に二酸化ウランUO2を含有する材料を、一般には1700℃に向けて燒結することにより得られる。
【0004】
六フッ化ウランUF6からの転換によって、酸化ウラン、特に二酸化ウランをUO2得るための別の方法が知られている。特に、ガス状六フッ化ウランのための「乾式転換法」として知られる転換方法、即ち、六フッ化ウランを水蒸気により熱加水分解する方法が知られている。この方法を通して、平均組成が式UO2+Xで表される酸化物を得ることができる。これらの酸化物は、UF6転換プロセスが行われる方法に依存した可変比率で、主に二酸化物UO2及び他の酸化物、例えばU38又はU37を含み、乾式法により得られる粉末は、多少は凝集した微小な大きさ(0.1μm〜0.4μm)の結晶を含む低密度粉末である。このような粉末は、中程度の流動性を有している(通常の流れ試験により測定)。
【0005】
燃料ペレットの製造においては、焼結に先立って、顆粒状材料の冷間圧縮によって生ペレットを作製する必要がある。圧縮による生ペレットの製造には、工業的製造の場合、その後に焼結される生ペレット製造用の顆粒状材料が、良好な流動性、及び焼結前の取扱いに耐える充分に強い生ペレットを得ることを可能にする特性を有するように、深く且つ狭い円筒状ダイの中に、顆粒状材料を高率で配置することを必要とする。
【0006】
生ペレットの機械的性質を改善するための種々の方法が知られている(例えば、フランス国特許第2,599,883号及びヨーロッパ特許第0249,549号に記載されているような、明確に定義された品質のU38粉末の添加)。これらの方法は、一般に、制御された量の酸化物、例えばU38又はU37をUO2に添加することに基づいている。一般には、潤滑剤及び孔形成材料のような、生ペレットの成形を補助し且つ焼結燃料ペレットの多孔性及び密度を制御することを可能にする添加剤もまた、生ペレット製造用の顆粒状材料に組込まなければならない。
【0007】
六フッ化ウラン転換法、特に乾式法により得られた酸化ウラン粉末は、加工を伴わずに生ペレットの製造に使用することはできない。良好な流動性を有し、粉末の密度よりも実質的に大きい密度を有し、且つ良好な品質の生ペレットを得るための望ましい品質を有する顆粒状材料を得るためには、多くの操作が一般に必要である。特に、流動性及び圧縮性の改良に十分なサイズ及び形状の粒子を得るためには、粉末の粒子サイズを増大させ、且つ均一にしなければならない。
【0008】
従来、乾式転換法によって直接得られる粉末は、最初に転換プラントで篩にかけられ、及び/又は篩い分けの際に保持された硬質粒子(例えばフッ化粒子)は粉砕して、その粉末を、転換ユニットに近接して位置しても、そうでなくてもよいペレット製造ユニットで使用することを考慮して、均質化し、ロードし、保存される。
【0009】
次いで、添加剤、特に孔形成用添加剤を組込んで、該粉末をペレット化ユニットミキサーの中に充填し、次いでこの粉末及び添加剤を混合及び均質化し、予備圧縮された材料を得るために該粉末の混合物をプレス中で予備圧縮する。この予備圧縮された材料は、次いで、粉砕機又は顆粒化装置の中で顆粒化操作を受け、次いで、球形に近い規則的な形状の粒子を得るために、撹拌容器内で球状化操作を受ける。次いで、撹拌により粒子に混合される潤滑剤を添加した後、圧縮して生ペレットを得、その後に該ペレットを焼結する。
【0010】
このように、UF6転換法から直接得られる粉末から生ペレットの形態に圧縮できる粒子材料へと変化させるためには、多くの操作が必要とされ、良好な品質の生ペレット及び焼結ペレットを得るためには、これら全てを十分な条件下実施しなければならない。これら全ての操作には、多くの異なる装置、例えばミキサー、圧搾機(又はローラ圧縮機)及び顆粒化粉砕機が必要とされるが、これらには多くの理由で破損を生じる。主な危険因子は、生ペレットの製造に使用される粒子材料の十分に均一な粒子サイズを保証するために必要とされる、顆粒化機の出口における篩の故障である。もし篩が故障すると、篩の破壊から生じる金属残渣を除去するために、またペレット製造操作のための適切な粒子サイズを保証するために、得られた生成物を再処理しなければならない。
【0011】
また、懸濁液の噴霧による処理を使用する湿式法により、酸化ウラン粉末を製造する方法も知られている。「湿式」法により得られる粉末は、乾式法により得られる粉末よりも優れた密度及び流動性の特徴を有し、また現在のところ既知の乾式法では直接得ることができない粒子サイズ特性を有している。しかし、これら粉末もまた、続いて焼結される生ペレットに成形する前に、調節処理を施さなければならない。さらに、安全性及び環境に関連した理由で、湿式法を乾式法に置換えることがより一層望まれており、また湿式法により得られた生成物を慣用的に使用するプラントに乾式法により得られたUO2を供給することが必要になってきている。
【0012】
特に、二酸化ウランUO2及び二酸化プルトニウムPuO2の混合物を含む混合MOX燃料を製造する場合、製造ユニットに、乾式法により得られたUO2粉末を供給することが必要になってきている。
【0013】
現在使用されている混合型のウラン及びプルトニウム酸化物を製造する方法は、酸化ウラン及び酸化プルトニウムの良好な混合物を得るために、また良好な機械的強度を有する生ペレットを得ることを可能にする性質を得るために、好ましくは規則的な形状、2g/cm3に近い高密度、及び250μm未満の値に制御された粒子サイズの顆粒を含む、流動性の良好なUO2の使用を必要とする。
【0014】
乾式法による粉末に充分な密度、流動性及び粒子サイズ特性を付与するために、工業的に実施できる乾式法で得られた酸化ウラン粉末をスプレードライする方法が、制限された濃度の235Uアイソトープを含有する酸化ウラン粉末に対して使用できるであろうことが示唆されている。
【0015】
また、乾式法による粉末の流動性、密度及び粒子サイズを改善するために、予備圧縮後の顆粒化によって、顆粒を製造できるであろうことが示唆されてきた。しかし、得られた顆粒は、酸化プルトニウム粉末との緊密な混合を可能にするためには大き過ぎる(1200μmまで)。従って、該顆粒の篩い分けを伴った更なる顆粒化、又は粉砕操作を実施しなければならない。従来の粉砕技術は流動特性に悪影響を及ぼし、製品の密度を低下させる。これに加えて、使用される篩のワイヤが脱落して、その破片が顆粒に混合されることになり、これが該顆粒を使用するペレット形成プラントに損傷を生じ得るとすれば、当該操作は複雑で且つ幾らかの危険を生じる。さらに一般的には、MOX燃料の製造においては、酸化プルトニウムPuO2を添加することに加えて、乾式法により得られたUO2粉末に多くの添加剤を取り込むことが必要とされる可能性がある。このような添加剤は、例えば、吸収材及び減速材、又は核分裂性燃料材、例えばThO2又は希土類酸化物、例えばGd23、Er23であるかもしれない。このような添加剤を乾式法により得られたUO2粉末に取り込み且つ混合するためには、例えば或る程度の均質化、又はスプレードライ及びその後の予備圧縮及び顆粒化操作によって(これら操作の後には一以上の粉砕及び/又は篩い分けの段階が行われる)、UO2粉末に対する前コンディショニング処理を実施することが必要である。従って、これらのプロセスは複雑であり、且つUO2粉末をコンディショニングし且つそれに添加剤を混合するために多くの段階を必要とする。
【0016】
先に指摘したように、主に酸化ウランUO2に基づく燃料を製造する場合には、UO2及びU38(又はU37)の混合物が、一般的には80/20、好ましくは90/10の比率で調製される。使用されるU38酸化物は、水蒸気によるUF6の熱加水分解が生じる条件を調節することによって、乾式法により直接得てよい。また、U38又はU37は、UO2粉末の低温酸化によって得てもよい。この酸化物U38又はU37は、出発粉末に添加してもよく、又は予備圧縮段階の前に、ペレット化ユニット中の混合物に添加してもよい。
【0017】
燃料ペレットの微細構造を変化させるために使用される他の添加剤、例えば酸化クロム、アルミナ、シリカ、バナジウム及びニオブ酸化物、又は他の化合物を、当該プロセスにおける異なる段階において、乾式法により得られた二酸化ウランと合体及び混合してよく、これは全ての場合に、生ペレットを製造するための望ましい特性を有する粒状材料が調製されることを必要とする。これらの合体及び混合操作は粒状材料の調製をさらに複雑にする。
【0018】
また、当該プロセスにおける幾つかの段階、例えば、予備圧縮する前及び粒状材料を生ペレットに圧縮する前に、潤滑剤を使用することが一般に必要とされる。
【0019】
特に、乾式法により得られた僅かな流動性しかないか、又は流動性のない酸化ウランUO2が使用される場合、これらプロセスが湿式法を置換えなければならない場合は特に、生ペレットの製造に先立って実施しなければならない操作が多く、且つ複雑である。
【発明の開示】
【0020】
従って、本発明の目的は、六フッ化ウランUF6の転換プロセスから発生する粉末から得られた二酸化ウランUO2を含む材料の燒結によって、核燃料ペレットを製造する方法であって、それにより、その後に焼結される生ペレットを製造するための適切な性質をもった二酸化ウランUO2を含む顆粒状材料を得るために必要な操作を単純化することができる方法を提供することである。
【0021】
この目的で、六フッ化ウランUF6の転換プロセスから直接得られた粉末は、移動する圧縮体及び混合体を含む容器の中に配置され、該容器が撹拌される結果、前記粉末は三つの非共面軸内で該容器の容積内を移動して、非圧縮状態で少なくとも1.7g/cm3の密度を有する粒状材料を形成するまで、前記移動体の間及び前記移動体と容器壁との間で圧縮され、容器内での撹拌により得られたこの粒状材料は、圧縮によって焼結用の生燃料ペレットを形成するために使用される。
【0022】
本発明による方法は、以下の特徴を単独又は組合せにおいて含むことができる:
− 当該容器は、三次元振動運動を受ける;
− 当該容器内に配置された粉末は乾式転換法により得られたものであり、1g/cm3未満の密度を有しており、容器内での撹拌により得られた非圧縮の粒状材料の密度は約2g/cm3である;
− UF6六フッ化物転換法により直接得られた粉末は、1g/cm3未満の密度、及び15mmのオリフィスを通過させる標準試験により定義されるゼロ流動性を有しており、また前記容器中での撹拌により得られる粒状材料は、容器中での数分の撹拌後には10g/sを超える流動性を有する;
− 移動体及びUF6六フッ化物転換法により直接得られた粉末を収容した前記容器は、1〜600分の間撹拌される;
− 容器内で移動する圧縮体及び混合体は、あらゆる単純な幾何学形状及び粗さの低い表面を有する自由体である;
− 前記移動体は円柱形状である;
− 前記移動体は実質的に球形のビーズ形状を有する;
− 前記移動体は、焼結アルミナAl23、焼結酸化ウラン、純粋若しくはドープされた焼結酸化ジルコニウム、炭化タングステン、鋼、ウラン金属、又はウラン/チタン合金の一つで作製される;
− 少なくとも一つのコア形成剤を含む少なくとも一つの添加物が、少なくとも0.01%の比率で、UF6六フッ化物転換法により直接得られた二酸化ウランUO2粉末と共に、容器を撹拌する前に容器に加えられる;
− 少なくとも一つの添加物は、UF6六フッ化物転換法により直接得られた二酸化ウランUO2粉末と共に容器内に配置される;
− 前記添加物は、前記容器を撹拌する処理が行われる前に容器内に配置される;
− 前記添加物は、容器を撹拌する処理の最中に前記容器内に配置される;
− 前記添加物は、下記物質の少なくとも一つを含む:酸化ウランU38、酸化ウランU37、酸化プルトニウムPuO2、酸化トリウムThO2、酸化ガドリニウムGd23、孔形成物質、潤滑剤、焼結ドーピング剤;
− 混合酸化ウラン−酸化プルトニウム(MOX)燃料ペレットの製造のために、前記容器は球形ボックスのような密封箱の中に配置され、酸化ウラン及び酸化プルトニウム粉末並びに添加物が該容器の中に配置され、該容器は密封箱の外側から制御する方法で撹拌される;
− 容器内での撹拌により得られた粒状材料の圧縮により生ペレットを成形する前に、該粒状材料に潤滑材料を添加し、該粒状材料の粒子全体に潤滑材料を分布させるために、これら粒状材料及び潤滑材料を混合する;
− 転換粉末の撹拌により得られた二酸化ウランUO2を主に含有する粒状材料を、MOX燃料の製造ための生ペレットを形成する前に、移動体の存在下で酸化プルトニウム粉末PuO2と混合する。
【0023】
本発明のより良い理解を与えるために、本発明による方法の幾つかの実施形態、及びそれを実施するために使用する特別な手段を説明する。
【0024】
本発明による方法の一つの基本的側面は、1回の圧縮及び混合操作で、UF6転換法により直接得られた出発材料から、生ペレットの製造に通常使用されるプレスにおける圧縮により生ペレットの製造に使用することができる粒状材料にするのを可能にすることである。
【0025】
出発材料は、六フッ化ウランUF6の転換法、特に乾式転換法により直接得られたUO2を主に含有する酸化ウラン粉末である。当該転換ユニットの出口から得られるかかる粉末は、一般にはUO2+Xの形態において定義できる組成を有し、この粉末は主にUO2及び調節可能な少ない量の他の酸化物、例えばU38及びU37を含んでいる。転換ユニットの出口から得られるこの粉末は、0.1μm〜0.4μmの寸法を有する結晶を含有しており、これらは部分的には、一般に0.5〜20μmの中間サイズの多少脆弱な凝集体の形に凝集されている。この粉末の密度は常に2g/cm3未満、さらには1.5g/cm3未満であり、最も普通には1g/cm3未満、約0.7〜0.9g/cm3である。このような粉末は、テーパした容器内の15mmオリフィスを通過させる標準試験により定義される流動性を有しており、これはg/secの値ゼロで表され、該粉末は標準試験において該オリフィスを通して流れることができない。
【0026】
このテキストにおいて示されたされた全ての密度(特に指定されない限り)は、標準試験を使用して測定されたバルク密度である。
【0027】
このような低密度、小粒子サイズ、及びゼロ流動性の出発粉末は、処理することなしには、生ペレットの製造プロセスに使用することができない。
【0028】
例えば、それが湿式法により得られるUO2酸化物粉末からなるときには、出発材料はまた、中間の処理を伴わずに生ペレットを製造するには適していない。
【0029】
上記で定義した出発物質から、非圧縮状態で1.7g/m3を超える密度及び良好な流動性を有する粒状材料へと変化させるための、一段階のみを含む本発明による方法は、出発粉末及び添加物が配置される容器内において、以下で説明するようにして利用される。使用される容器は、一般に、該容器壁の磨耗及び容器内に配置される生成物の汚染のリスクを低下させ又は排除するために、内部を合成有機材料、例えばポリウレタンの層でライニングされた鋼壁を有している。該容器壁は、一般に、軸回りの回転により得られる形状、例えば円筒形状又は環形状を有している。該容器は、移動する圧縮体及び混合体を含んでおり、これらは好ましくは容器内において自由であり、及び/又はそれらが移動可能な方法で該容器に結合されてもよい。
【0030】
当該容器は支持体上に運動可能に装着されており、また、容器内に存在する材料、例えば粉末並びに移動する圧縮体及び混合体が三次元運動、即ち、その運動ベクトルが空間内の共面的でない三つの軸に沿った成分を有する運動で、容器の容積全体を移動するように撹拌を加えることを可能にする運動手段を含んでいる。容器内での材料の運動は、容器の撹拌だけを通して起こされてもよく、又は同時に容器及び該容器内に配置されたリフティング部材の撹拌を通して生じさせてもよい。
【0031】
容器内に配置された移動する部材は、一般に、硬質の金属若しくは合金、又はセラミック材料で作製される。好ましくは、これらの移動体は、粉末又は純粋なペレットの性質に悪影響を及ぼす可能性の高い材料による酸化ウラン粉末の汚染を防止するように、望ましい硬さを達成する方法で焼結されたアルミナ又は酸化ウランを含んでいる。
【0032】
容器内に配置された移動する圧縮及び混合体は、円柱形、球形、又は立方体形のような極めて多様な形状を有してよく;これら移動体は、例えばボール、リング、ビーズ、キューブ、平坦若しくは半球形の末端を備えた円柱、若しくはディスク、又は何れか他の形状の物体を含んでよい。
【0033】
容器の容量は、当該方法が実施される条件に悪影響を及ぼすことなく、広範に変化させてよい。容器の容量は、数キロから数百キロ、さらには数トン以下であってよく、該容器の容量は、それが収容し得る成分(粉末及び移動体)の最大質量に対応する。
【0034】
酸化ウラン粉末を生ペレット製造用の粒状材料に転換するための最適転換収率を得るためには、容器の容量に従って、多くのパラメータを調節しなければならない。これらのパラメータは、特に、容器の利用可能な容積に対する移動体の全容積の比率として定義される移動体充填率、容器の利用可能な容積に対する容器内に配置された粉末の全容積の比率として定義される粉末充填率、及び容器が静止しているときの移動体間の空間容積に対する容器内に配置された粉末の全容積の比率として定義される粉末/移動体充填係数である。
【0035】
一般に、容器は全ての移動体が覆われるように、また移動体間の空間が満たされるように充填される。他の充填条件もまた可能である。
【0036】
好ましくは、移動体を含む容器は、それが振動を発生できるようにして、固定された支持体上に装着され、また一般に不均衡なモータを含んだ振動駆動手段を含んでいる。
【0037】
乾式転換によって得られたUO2粉末から粒状材料を製造するために充分であることが示された特定の実施形態では、SWECO社によってDM1の名称の下で市販されている粉砕機が使用された。
【0038】
粉砕機容器は、縦軸螺旋支持バネを介して固定された支持体上にその回転縦軸を装着された、環形状の壁を有している。振動モータが、その軸を容器の縦軸に沿わせて、該容器壁上に強固に装着される。該モータは、不均衡な質量を伴っており、それが回転されると、容器に三次元往復振動運動を駆動して、容器の軸が回転運動及び往復運動を同時に受けるようになっている。該容器は、例えば球形若しくは円柱形又はさらに複雑な形状の自由移動体を閉じ込めており、その上には、容器を撹拌させるモータを動作させる前に、処理を必要とする粉末が投入される。この自由移動体及び粉末は、容器の運動及び振動の影響下で移動し、三次元軌跡を描き、容器の内部容積の実質的な部分を充填する。容器の運動及び振動の影響下における自由移動体及び粉末の運動によって、粉末は移動体の間及び移動体と容器壁との間で圧縮される。
【0039】
UF6乾式転換法から生じたウラン酸化物粉末をSWECO・DM1粉砕機の中に配置すると、予期に反して、粉末の粒子サイズの継続的増大が観察される。SWECO装置は、その製造業者によって、粒状材料又は粉末を0.5μmのサブミクロン寸法にまで減少させるものとして記述されている。幾らか塊の形態に結合した0.1μm〜0.4μmの結晶を含む、0.8g/cm3に近い密度を有する乾式転換粉末の、この既知の装置における加工は、移動体の間での圧縮を通して粒子を生じ、その粒子サイズは経時的に均質になり、10μm〜150μmの間にある。粉末の密度は、約1時間又は2時間後にそれが約2g/cm3の値に達するまで、移動体を封入した容器内での処理時間と共に連続的に増大する。上記で述べたように、乾式転換粉末の流動性はゼロであり、振動を受ける移動体を含んだ容器内での数分の処理の後には、粒子の流動性は10g/secを超えるようになり、また非常に迅速に、60g/sec以上の極めて高い値に達する可能性がある(上記で述べた装置を用いて測定した値)。
【0040】
移動体を含む容器内での1時間又は2時間、幾つかの場合には150分の処理の後に得られた粒状材料は、とりわけ得られた粒子の形状及びその粒子サイズに起因したその密度、その流動性、及びその圧縮性の故に、圧縮による生ペレットの製造のために使用することができる。
【0041】
さらに、移動体を含む振動容器内での処理は、同時に、乾式転換法により得られた酸化ウラン粉末、及び添加剤、例えばPuO2、ThO2、Gd23及びEr23、又は孔形成剤、例えば焼結の際に破壊され易い有機材料若しくは無機材料、又は潤滑剤、例えばステアリン酸亜鉛若しくはアルミニウム、又はエチレンビステアラミド(ethylene bistearamide)、又は焼結ペレットの結晶構造を修飾するように設計されたドーピング剤の緊密な混合をもたらす。上記で述べたような、ペレットの構造及び組成を修飾できる何れか他の添加剤を、容器内の混合物に取り込んでもよい。
【0042】
孔形成効果をも有し、またAZBの名称で知られる生成物又は蓚酸アンモニウム若しくはその誘導体のような、従来の孔形成剤を置きかえるように設計された潤滑剤もまた、当該混合物に添加されてよい。
【0043】
添加剤は、処理を開始する前に容器が充填されるとき、又は処理の最中における特定の時点で、全部又は部分的に当該酸化物粉末(一般にはUO2及びU38を含む)に取り込んでよい。
【0044】
潤滑剤又は複数の潤滑剤は、その後の圧縮段階の際における潤滑効果を得るために、出発粉末内に既に形成されていても形成されていなくてもよい粒状物に添加及び混合される。
【0045】
本発明による方法は、主にウラン酸化物UO2及び他の材料、例えば中性子吸収材、例えば酸化ガドリニウム又は酸化エルビウム、又は核分裂燃料材、例えば酸化プルトニウム、又は核分裂材料、例えば酸化トリウムを含む燃料を製造することを可能にする。これらの生成物は、UF6転換によって得られた粉末由来の酸化ウランから形成された粒子へのこれら材料の充分な取り込みを達成するために、所望の時点で容器に添加される。
【0046】
有毒及び/又は放射性材料、例えば酸化プルトニウムの場合は、当然のことながら、当業者に知られた対予防措置を取ることが必要である。しかし、移動圧縮体を封入した単一容器内において1回の操作で生ペレット製造用の粒状材料を得ることを不可能にする本発明による方法の使用は、該容器を球形ボックスのような保護密封箱の中に配置し、充填物の調製、添加及び容器の振動の操作を、球形ボックスの外側から制御できるようにすることによって、オペレータに対する危険を伴わずに、これらの操作を容易に実施することを可能にする。
【0047】
好ましい実施形態の場合、移動する圧縮体及び混合体は容器の内部において完全に自由であり、容器内に配置された充填物の一部を構成する。この場合、最初に、圧縮体、例えばビーズ又は円柱体が予め定められた量で容器内に配置される。次いで、UF6及び転換プロセスから直接得られた粉末、及び適切であれば、種々の添加剤が添加される。次いで、運動、好ましくは振動運動が容器に行われる。移動体は永久的に容器内に残留し、処理された材料は容器の基底部に配置された格子を通して放出される。
【0048】
好ましい実施形態に従えば、容器内の移動体は、非常に硬いアルミナAl23である。本発明による方法が実施されるとき、粉末の圧縮をもたらす移動体に伝達される運動エネルギーは、移動体の間及び移動体と容器壁との間の衝撃に用いられるエネルギーが低くなるように穏やかである。従って、移動する圧縮体及び混合体は非常に制限された破壊しか受けず、このため、移動する圧縮体由来の材料による粉末の汚染は僅かしか存在しない。さらに、燃料ペレットへの少量のアルミナの添加は欠点を生じず、アルミナは有益な効果を与えることができる。測定により、このアルミナによる汚染は数ppmを超えないことが示された。
【0049】
アルミナの代りに焼結酸化ウランUO2の移動体を使用したときには、酸化ウラン粉末中に存在しなかった元素による汚染の危険は完全に排除される。さらに、焼結酸化ウラン物体の高密度(理論密度10.96g/cm3)のために、運動エネルギーを増大させることによって処理時間は減少する。しかし、焼結酸化ウラン形態の粉末にウランを添加することは、移動体の幾らかの劣化のために当該混合物の焼結性を実質的に低下させ、また他の実質的な利点をもたらさない。
【0050】
本発明のさらに良好な理解を与えるために、多くの実施形態を説明する。
以下、本発明の三つの実施形態を、実施例1、2及び3として、比較例と共に説明する。
【0051】
生ペレットの製造に使用できる粒状材料を得るために、乾式転換法より直接得られた粉末を、移動体を含む容器内で処理することを含む本発明による方法の特徴的段階は、SWECO社によってDM1の名称のもとで販売されている振動粉砕機において実施される。
【0052】
以下の四つの例においては、環形状の縦軸研磨容器に、直径及び長さが約12.7mm(1/2インチ)の焼結アルミナ柱からなる20kgの移動体を含ませた。当該処理を実施するときには、該容器内において完全に自由な移動する圧縮体上に粉末を投入する。次いで、該容器に取付けられた不均衡モータに電力を投入することによって、この容器を振動運動の中に置く。
【0053】
例1
UF6六フッ化物乾式転換法から生じた酸化ウランUO2から、粒子材料の幾つかの充填物を連続的に調製した。第一シリーズの八つの充填物を調製するために、89質量%の酸化ウランUO2、6質量%のUROX、及び5質量%のU38を含む粉末形態の10kgの材料に、0.2質量%のエチレンビステアラミド及び0.55質量%の蓚酸アンモニウムを添加し、これを、アルミナ移動体を含む粉砕機の容器の中に配置した。
【0054】
第二シリーズの八つの充填物を調製するために、第一シリーズの八つの充填物と同じ組成を有する材料に、0.2質量%のエチレンビステアラミド及び0.47質量%の蓚酸アンモニウムを添加し、これを容器の中に連続的に配置した。
【0055】
UROXの名称で知られる生成物は酸化ウランU38であり、これは酸化ウランを得るためのUF6の転換の際にオキシフッ化ウランUO22から得られ、又は高温炉中でUO2酸化物から得られる。
【0056】
UROXと共に混合物中に加えられたU38酸化物は、ペレットの製造中又はその後に、燃料ペレットの中に回収される。
【0057】
第一シリーズの充填物における各充填物、及び第二シリーズにおける各充填物は、充填物及び移動体が空間の中で全方向に移動するようにして、容器の中で撹拌された。
【0058】
約120分の処理時間の後に、以下の特性を有する主に酸化ウランを含んでなる顆粒材料が、容器の中に見出された:
非圧縮状態での平均密度(DNT): 約2.2g/cm3
圧縮状態での平均密度(DT): 約2.9g/cm3
平均流動性: 約57g/s
【0059】
各シリーズの八つの充填物における粒子は、均一な性質(特に、上記で示した値を中心とする密度及び流動性)を有するようにミキサーの中で均質化された。
【0060】
二つの充填物シリーズの各充填物を均質化するために、八つの充填物の粒子を、核燃料ペレット製造プラントで通常使用される回転容器ミキサーの中に配置し、容器を回転させた。
【0061】
好ましくは、ミキサー容器は両円錐形状を有する。一般に二重円錐ミキサーと称されるこのような容器(二重コーン)は、核燃料を製造するためのプラントにおいて慣用的に使用される。
【0062】
上記で示した平均特性を有する均一な粒状材料を得るために、各充填物シリーズにおける八つの充填物がその中に配置される、少なくとも80kgの容量を有する二重コーンを使用し、次いで該二重コーンを約5分間回転させた。
【0063】
本発明の工業的応用において、移動体を備えた充分な容量(例えば80kg)の撹拌容器が利用可能なときは、二重コーン中での更なる均質化処理を伴うことなく均一な粒子材料を得るために、粉末の出発混合物の撹拌を1回の操作で実施できることは全く明かなことである。
【0064】
しかし、潤滑剤を粒状材料に混合するために、二重コーンは、充填物の均質化の後、又は大容量容器中における粉末の撹拌後の何れかで使用される。
【0065】
二重コーンが充填物を均質化するために使用される場合、潤滑剤は二重コーンの中の均質化された充填物に添加され、また粒状材料の全質量が1回の操作で得られる場合は、該粒状材料が二重コーンの中に移されて、潤滑剤が添加される。
【0066】
0.25質量%のエチレンビステアラミドが、例えば粒状材料に添加される。該潤滑剤は、二重コーン容器を約1分30秒回転させることによって粒状材料と混合される。
【0067】
潤滑剤として選択されたエチレンビステアラミドは、好ましくは、HOECHST社から入手可能な商業的製品CIRECの形態で使用され、該製品は最適な潤滑剤とするのに必要な粒子径を有する。
【0068】
しかし、移動体の存在下での撹拌は相互作用を生じさせ、存在する物質の「硬質の」混合物は、潤滑剤によって添加された物質の潤滑効果を低減又は破壊する傾向を有している。
【0069】
従って、充分な潤滑条件を達成するためには、二重コーンのような混合装置の中で、粒子及び潤滑剤の「軟質の」混合物を製造することが必要とされるかもしれない。
【0070】
不充分な潤滑は、圧縮の際の増大した圧縮力、及び粒子の摩擦による粉砕として反映される。
【0071】
約2.4g/cm3のDNT及び約2.9g/cm3のDTを有する、均質化及び潤滑された粒状材料が得られた。該粒子混合物の流動性は、約80g/sであった。
【0072】
出発材料における孔形成材料(蓚酸アンモニウム)の比率だけが異なる混合物から得られた、粒状材料の二つの充填物は同一の性質を有しており、その後、生ペレットを得るために、これをペレット形成プレスの中に配置して粒状材料の圧縮を生じさせた。
この生ペレットは充分な強度特性を有していた。
【0073】
第一の充填物(0.55%の孔形成剤を含む)から得られた生ペレットは、6.3g/cm3の密度を有し、また第二の充填物(0.47%の孔形成物質を含む)から得られた生ペレットは、5.8g/cm3の密度を有していた。
【0074】
孔形成剤の添加は、必要とされる燒結密度(95%)を達成することを可能にした。
潤滑剤は、両方の場合に、粒子材料の全体に正しく分散された。圧縮の際に粉砕は認められなかった。
【0075】
粉末の混合物を移動体の存在下で撹拌する段階は、六フッ化ウランUF6のための乾式転換法から生じた酸化ウランUO2を主に含む出発粉末の密度よりも、非圧縮状態及び圧縮状態での密度が実質的に非常に大きい粒状材料を得ることを可能にした。
【0076】
潤滑剤と混合する段階は、密度を非常に僅かに増大し(少なくとも非圧縮状態において)、また粒状材料の流動性を実質的に増大することを可能にした。
【0077】
例2
0.9g/cm3の密度を有する乾式法により得られた5kgの二酸化ウランUO2粉末(UF6転換法により直接得られたこの粉末は、15mmオリフィスを通して流れることができない)を、アルミナ移動体を含む容器の中に配置した。このUO2粉末の充填物には孔形成剤又は潤滑剤を添加せず、また該充填物を収容した容器を振動させることによって処理を開始した。
【0078】
処理に際し、10、30、60及び120分後に粒状材料をそれぞれ採取し、120分後に処理を終了した。
【0079】
篩い分けによって上記のように粒状材料の密度及び流動性を測定し、その結果を下記の表2に示す。
【表2】

非圧縮状態での密度は、2時間の処理の間に0.9g/cm3の値から2.1g/cm3の値に増大した。流動性は、15分の処理の後に急激に増大し、処理の最後には79g/sの値に達した。
【0080】
先に述べた通り、この処理から得られた粒状材料は、生ペレットを得るために使用されるダイの中で圧縮された。この操作を実施するために、生ペレット形態の粒子の圧縮を補助するための潤滑剤を当該粒子に混合した。(燒結されたペレットの密度を望ましい値に調節するために、必要であれば、圧縮に先立って、孔形成材料を当該粒状材料に添加した)。
【0081】
例n°3
【表3】

【0082】
乾式法により得られた密度0.8g/cm3の4kgの二酸化ウランUO2粉末(該粉末は15mmオリフィスを通して流れることができない)、次いで、25%の酸化ガドリニウム(Gd23)を含む酸化ウランの混合物2kg、並びに有機物質を含む36gの孔形成材料を、円柱形状の圧縮体を含んだ容器の中に充填した。1時間後に処理を停止したところ、処理の開始時に1.1g/cm3の密度を有していたウラン及びガドリニウム酸化物の混合物を含む粉末は、1時間の処理の値は2.1g/cm3の密度を有していた。この粉末は、65g/sの良好な流動性を有していた。
【0083】
ステアリン酸亜鉛を含む18gの潤滑剤を、当該粉末に添加した。次いで、該潤滑剤を混合された粒状材料を直接圧縮して生ペレットに成形し、次いで慣用の方法を使用してこれを燒結した。
【0084】
比較例
非圧縮状態で0.85g/cm3の密度を有する乾式転換法により直接得られた酸化ウランUO2粉末を、先行技術による方法に従って、転換プラントにおける粉末の処理のために使用されるナイフ粉砕機の中に配置した。
【0085】
ナイフ粉砕機における処理の後に、当該粉末の密度は変化せず、又は僅かに減少して0.8g/cm3の値に達した。開始時にゼロであった該粉末の流動性は、ナイフ粉砕機中での処理の完了時にもゼロのままであった。
【0086】
従って、本発明による例は、移動体、好ましくは自由な移動体を含む撹拌容器を使用する本発明による方法が、乾式転換法により得られた粉末の密度を実質的に増大させて、2g/cm3に近いか又は僅かにそれを超える値に達することができることを示している。これに加えて、当該処理は、慣用法を使用して容易に生ペレットに成形できる非常に良好な流動性をもった粒状材料を得ることを可能にする。
【0087】
この焼結された生ペレットは、従来技術による方法により製造された燃料ペレットの性質を有している。
【0088】
さらに、実施された試験により、添加剤は、容器内での処理を開始する前、容器内での処理の間又は処理の最後に、乾式法により得られた酸化ウラン粉末に添加できることが示された。孔形成有機材料を使用するときは、一般に、酸化ウランと共に0.1質量%を超える孔形成材料を処理容器に加えることが必要であり、全ての場合に0.01%を超える添加が必要である。各添加剤又は他の材料は、それ自身の孔形成効果を有しているので、得なければならない最終密度、及び添加剤なしでのマトリックスの焼結密度を知れば、所望の焼結密度を得るために添加しなければならない添加剤及び孔形成材料の量が計算される。六フッ化ウラン転換法により得られた酸化ウラン粉末から、生ペレットに成形できる粒状材料にするために、従来法の場合の7段階の代りに1段階だけ(又は「軟質」混合物による潤滑段階を考慮に入れても、せいぜい2段階)からなる本発明による方法は、核燃料の製造のために使用される方法及び装置における顕著な単純化をもたらす。
【0089】
潤滑剤及び粒状材料は、二重コーン型ミキサー以外の装置の中で混合されてよく;このような装置は、潤滑剤を破壊しないように「軟質」の混合物を提供しなければならない。
【0090】
本発明は、極めて広範な組成の核燃料の製造に適用される。
酸化ウラン(主にUO2)及び酸化プルトニウムPuO2を含有するMOX燃料用ペレットを製造する場合、酸化プルトニウムは、移動体の存在下での撹拌処理前の混合物に、又は粉砕機容器内での撹拌処理により得られた粒状材料に対して添加すればよい。粉末形態の酸化プルトニウムは、粉末において粒状材料と混合されてよい。
【0091】
生ペレットの成形前に粒状材料に添加してよい多数の物質から選択された、1以上の潤滑剤を使用してよい。特に、これら潤滑剤は、例えばエチレンビステアラミド又はADS(ジステアリン酸アルミニウム)によるものであってよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
六フッ化ウランUF6の転換プロセスから生じる粉末から得られた二酸化ウランUO2を含有する材料の焼結を通して核燃料ペレットを製造する方法において、UF6六フッ化物転換プロセスによって直接得られた粉末が、移動する圧縮体及び混合体を含む容器の中に配置されることと、該容器は、前記粉末が三つの非共面軸内で該容器の容積内を移動し、前記移動体の間及び前記移動体と容器壁との間で圧縮されて、非圧縮状態で少なくとも1.7g/cm3の密度を有する粒状材料を形成するように撹拌されることと、前記容器内での撹拌により得られた前記粒状材料が、焼結を受ける生燃料ペレットを成形するために使用されることとを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記容器が三次元振動運動を受けることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1及び2に記載の方法において、前記容器内に配置された粉末は、乾式転換法により得られ、1g/cm3未満の密度を有することと、前記容器内での撹拌により得られる粒状材料の密度は、非圧縮状態で約2g/cm3であることとを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の方法において、UF6六フッ化物転換法により直接得られた前記粉末は、1g/cm3未満の密度及び15mmのオリフィスを通過させる標準試験により定義される流動性ゼロを有することと、前記容器中での撹拌により得られる粒状材料は、容器中での数分の撹拌後に10g/sを超える流動性を有することとを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の方法において、前記移動体及びUF6六フッ化物転換法により直接得られた粉末を収容した前記容器は、1〜600分の間撹拌されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の方法において、前記容器内の移動する圧縮体及び混合体は、単純な幾何学形状及び粗さの低い表面を有する自由体であることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記移動体は円柱形状であることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法において、前記移動体は実質的に球形のビーズ形状であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の方法において、前記移動体は、焼結アルミナAl23、焼結酸化ウラン、純粋若しくはドープされた焼結酸化ジルコニウム、炭化タングステン、鋼、ウラン金属、又はウラン/チタン合金のうちの一つで作製されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の方法において、前記容器を撹拌する前に、少なくとも一つのコア形成剤を含んでなる少なくとも一つの添加物を、少なくとも0.01%の比率で、UF6六フッ化物転換法により直接得られた二酸化ウランUO2粉末と共に加えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の方法において、UF6六フッ化物転換法により直接得られた二酸化ウランUO2粉末と共に、少なくとも一つの添加物が前記容器内に配置されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記添加物は、前記容器の撹拌による処理が行われる前に前記容器内に配置されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記添加物は、前記容器の撹拌による処理の最中に前記容器内に配置されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11〜13の何れか1項に記載の方法において、前記添加物は、酸化ウランU38、酸化ウランU37、酸化プルトニウムPuO2、酸化トリウムThO2、酸化ガドリニウムGd23、孔形成物質、潤滑剤、焼結ドーピング剤のうちの少なくとも一つの物質を含んでなることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載の方法において、混合酸化ウラン−酸化プルトニウム(MOX)燃料ペレットの製造のために、前記容器は球形ボックスのような密封箱の中に配置されることと、前記酸化ウラン及び酸化プルトニウム粉末並びに添加物は前記容器の中に配置されることと、前記容器は密封箱の外側から制御される方法で撹拌されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載の方法において、前記容器内での撹拌により得られた粒状材料の圧縮によって前記生ペレットを成形する前に、前記粒状材料に潤滑材料を添加することと、前記粒状材料の粒子全体に前記潤滑材料を分布させるために、前記粒状材料及び潤滑材料の軟質混合物が調製されることとを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか1項に記載の方法において、移動体の存在下で転換粉末を撹拌することにより得られた二酸化ウランUO2を主に含有する粒状材料を、MOX燃料の製造のための生ペレットを形成する前に、酸化プルトニウム粉末PuO2と混合することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2007−514138(P2007−514138A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537352(P2006−537352)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002739
【国際公開番号】WO2005/045848
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(501251585)ソシエテ フランコ ベルジュ ド ファブリカシオン ド コンビスティブル エフベーエフセ (1)
【Fターム(参考)】